JP3067723U - スプライスカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成端筐内におけるスプライスカセットの取付
位置を変更できるようにして、スプライスカセットから
引き出された光ケーブルがコネクタ等に接触するのを防
止できるようにする。 【解決手段】 スプライスカセットを構成する本体１と
蓋体２のそれぞれのほぼ中心部に、光ケーブルの成端筐
３内に突設したスタッド５を挿通させるための基本とな
る通孔６，７を形成する。当該通孔６，７の左右に所定
の間隔を存してアジャスト用の通孔９Ａ，９Ｂ，１０
Ａ，１０Ｂを形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は光ケーブルの成端筐内で使用するスプライスカセットの改良に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

光ケーブルは一般の電線と較べて細いが、取扱上の許容最小曲げ径がきわめて 大きく、伝送特性に影響を与えることがあるので取扱いには充分な注意が必要で あり、そのため成端筐内で生ずる光ケーブルの余長部を整然と処理したり、光ケ ーブルの融着部である融着スリーブを保持するため、成端筐とは独立したスプラ イスカセットを用いるようにしている。

【０００３】 図５は従来のスプライスカセットの使用状態の一例を示す平面図であり、図中 の２１は蓋と本体からなるスプライスカセット、２２は当該スプライスカセット ２１を配設する成端筐である。

【０００４】 成端筐２２を構成する一方の側板部２３には光ケーブル用コネクタ２４を多数 並設してあり、導入部２５から成端筐２２内に導かれた光ケーブル２６はスプラ イスカセット２１に設けてある入口部２７を通じて当該カセット２１内に入り、 内部で余長部が処理されると共に、融着スリーブがホルダーによって保持される ようになっている。そして、スプライスカセット２１の出口部２８から成端筐２ １内に引き出された光ケーブル２６は前記コネクタ２４に接続されるようになっ ている。

【０００５】 このようなスプライスカセット２１が成端筐２２内で遊動するのを防ぐため、 従来は成端筐２２の底板部にスタッド２９を突設して、スプライスカセット２１ のほぼ中心部に形成した通孔内に当該スタッド２１を挿通させ、スプライスカセ ット２１の蓋体を貫通したスタッド２９の先端に止めナット３０を螺着してスプ ライスカセット２１の固定を図るようにしている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように、従来は、スプライスカセットに設けた通孔内に成端筐の底板部 に突設してあるスタッドを挿通させて成端筐内にスプライスカセットを保持する ようにしているが、スタッドを通すための通孔はスプライスカセットのほぼ中心 部に１個だけ穿設されていたため、スプライスカセットの取付位置を変更するこ とができなかった。

【０００７】 一方、成端筐内は図５に示すようにきわめて狭小なスペースしかなく、場合に よっては成端筐に並設されるコネクタに近接し過ぎて、接続操作がし難くなると 共に、スプライスカセットの出口部から引き出された光ケーブルがコネクタに接 触する等トラブルの原因となっていた。

【０００８】 そこで、本考案は成端筐内におけるスプライスカセットの取付位置を変更する ことができるようにして、限られたスペースしかない成端筐内の空間を有効に利 用することができるようにすると共に、スプライスカセットから引き出された光 ケーブルがコネクタに接触するのを防止できるようにしたスプライスカセットを 提供することを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案の構成を詳述すれば、光ケーブルの成端筐内 に配設して光ケーブルの融着部である融着スリーブを保持すると共に、光ケーブ ルの余長部を処理するための蓋と本体とからなるスプライスカセットにおいて、 当該スプライスカセットを構成する蓋と本体のそれぞれのほぼ中心部に、光ケー ブルの成端筐内に突設したスタッドを挿通させるための基本となる通孔を形成す ると共に、当該基本となる通孔の左右に所定の間隔を存してアジャスト用の通孔 を形成し、当該複数個の通孔を選択して成端筐内においてカセット本体の取付位 置を可変となしたことを特徴とするスプライスカセットである。

【００１０】 このように、本考案に係るスプライスカセットは、蓋と本体に共通の基本とな る通孔を穿設すると共に、当該通孔の左右に調整用の通孔を穿設したものである から、当該複数個の通孔を選択して成端筐内においてカセット本体の取付位置を 変更することができ、成端筐に並設されているコネクターに光ケーブルが接触す る等のトラブルを回避することができるものである。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案に係るスプライスカセットの具体的構成を図示の実施例に基づき 詳細に説明する。 図１は本考案に係るスプライスカセット本体の一実施例を示す平面図、図２は 図１のＢ−Ｂ線に沿った断面図、図３はスプライスカセットの蓋体の平面図、図 ４は成端筐の底板部に突設してあるスタッドにスプライスカセットを配設すると きの状態を示す説明図である。

【００１２】 図中１はスプライスカセット本体を示し、２は当該スプライスカセット本体１ の上面に開閉自在に付設される蓋体を示す。スプライスカセット本体１の内部に は、特に図示しないが光ケーブルの融着部である融着スリーブを保持するための ホルダーや、光ケーブルの伝送特性に影響を与えることのない曲げ径を維持して 余長部を巻き付け、整然と処理することのできる余長処理部等が配設してあり、 そのほぼ中心部には、成端筐３内の底板部４に突設してあるスタッド５に挿着す るための基本となる通孔６を形成してある。

【００１３】 また、スプライスカセット本体１の上面開口を覆うため、当該カセット本体１ に蝶着等、開閉自在に付設される蓋体２のほぼ中心部にも成端筐３内の底板部４ に突設してあるスタッド５を挿通するための基本となる通孔７を形成してある。 なお、蓋体２に形成した基本となる通孔７とスプライスカセット本体１に形成 した基本となる通孔６は、スプライスカセット本体１に蓋体２を被せたとき、両 通孔６，７が同一位置になるよう設定してあるのは勿論である。

【００１４】 しかして、本考案においてはスプライスカセット本体１の底板部８に形成した 基本となる通孔６の左右に、所定の間隔を存して調整用の通孔９Ａ，９Ｂを形成 すると共に、蓋体２のほぼ中心部に穿設した基本となる通孔７の左右にも、所定 の間隔を存して調整用の通孔１０Ａ，１０Ｂを形成するようにしたものである。

【００１５】 したがって、本考案によれば、成端筐３内の底板部４に突設してあるスタッド ５に挿着するための通孔が位置をずらして３個並列することとなり、スタッド５ に挿着する当該複数個の通孔を選択することによって、スプライスカセットの取 付位置を調整することが可能となり、従来のように、成端筐３に並設されている コネクタ１１に近接し過ぎて、接続操作がし難くなるといった不具合点を解消す ることができると共に、スプライスカセットの出口部から引き出された光ケーブ ルがコネクタ１１に接触する等のトラブルを回避することが可能となる。

【００１６】 スプライスカセット本体１および蓋体２の通孔を貫通したスタッド５の頭部に は、従来と同様止めナットを螺着してスプライスカセットの固定を図るようにす る。なお、特に図示しないが、スプライスカセットの底部には、成端筐の底板部 に形成した係合片に係合し得る係合部を設けてあって、スタッド５に挿着したス プライスカセットが回動しないような構造となっている。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように、本考案スプライスカセットによれば、成端筐内におけるスプラ イスカセットの取付位置を変更することができるので、限られたスペースしかな い成端筐内の空間を有効に利用することができると共に、スプライスカセットか ら引き出された光ケーブルがコネクタに接触して、光ケーブルの伝送特性に影響 を与えるようなトラブルを解消することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るスプライスカセット本体の一実施
例を示す平面図である。

【図２】図１のＢ−Ｂ線に沿った断面図である。

【図３】スプライスカセットを構成する蓋体の平面図で
ある。

【図４】成端筐の底板部に突設してあるスタッドにスプ
ライスカセットを配設するときの状態を示す説明図であ
る。

【図５】従来のスプライスカセットの使用状態の一例を
示す平面図である。

【符号の説明】

１：スプライスカセット本体 ２：蓋体 ３：成端筐 ４：底板部 ５：スタッド ６：通孔 ７：通孔 ８：底板部 ９Ａ：通孔 ９Ｂ：通孔 １０Ａ：通孔 １０Ｂ：通孔 １１：コネクタ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ケーブルの成端筐内に配設して光ケー
   ブルの融着部である融着スリーブを保持すると共に、光
   ケーブルの余長部を処理するための蓋と本体とからなる
   スプライスカセットにおいて、当該スプライスカセット
   を構成する蓋と本体のそれぞれのほぼ中心部に、光ケー
   ブルの成端筐内に突設したスタッドを挿通させるための
   基本となる通孔を形成すると共に、当該基本となる通孔
   の左右に所定の間隔を存してアジャスト用の通孔を形成
   し、当該複数個の通孔を選択して成端筐内においてカセ
   ット本体の取付位置を可変となしたことを特徴とするス
   プライスカセット。