JP3067518U - 縫製機用サイドカッタ― - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱いが容易で曲線縫製を可能とする簡易な
構成の縫製機用サイドカッターを提供する。 【解決手段】 縫製機用サイドカッター１は、ミシン本
体の押さえロッドに取付けるための取付部２と、揺動動
作可能に保持した縫製用の布押さえ３と、その前方に配
置した縁かがり裁断用の上下のメス４、５によるカッタ
ーと、ミシンの縫製ロッドと連結してカッターを動作さ
せる駆動機構６、７とからなり、上記カッターの下メス
５は布押さえ３の側方に沿って取付部２から前方に延出
保持するとともに、上メス４とその駆動機構６、７は裁
断片が通過しうる通路高さを確保するべく下メス５より
上位位置で取付部２から延びる保持脚１０を介して配置
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ミシンによる縁かがり縫製のための縫製機用サイドカッターに関し 、特に、自由な曲線縫製を可能とする縫製機用サイドカッターに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図５は従来の縫製機用サイドカッターの側面図、図６は図５のＤ−Ｄ線断面図 である。 この縫製機用サイドカッター１０１は、ミシンの押さえロッドに取付けるため の取付部１０２に布押さえ１０３を揺動動作可能に備え、また、下メス１０４と 上メス１０５とからなるカッターを備え、この上メス１０５を揺動動作可能に支 えるリンク枠１０６を取付部１０２の側方（図の奥側）に保持して構成される。 上記カッターの下メス１０４は、布押さえの前方に配置するべく、近接のリン ク枠１０６の下部から延出保持し、一方、リンク枠１０６に入力リンク１０７と シーソーリンク１０８とを揺動可能に備え、両者を中間リンク１１０で連結して 駆動機構を構成し、そのシーソーリンク１０８の先端に取付けたブラケット１０ ９に上記カッターの上メス１０５を保持する。この上メス１０５の側面に接して ガイド１０５ａを備える。

【０００３】 上記構成により、布押さえ１０３の位置で布を送りつつ、入力リンク１０７を ミシン本体の針動作と連動して揺動させることにより、前方（図の右方）から受 け入れた布１１１をカッターの下メス１０４と上メス１０５とによりカットしつ つ縁かがりを行う。裁断片１１２はガイド１０５ａに沿い、上メス１０５の側方 のリンク枠１０６との間の送り出し通路を通って後方（図の左方）に排出される 。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記送り出し通路を通過しうる裁断片１１２の幅寸法は同送り 出し通路の幅寸法の制約を受けることから、この縫製機用サイドカッターによる 縁かがりの縫製処理は、型取りした直線状の縁の切り落とし成形等、通路幅と対 応する幅寸法以下の裁断片１１２を処理する場合に限られ、曲線処理は取り回し た布と通路の干渉のために縁かがりができないという問題がある。 この場合、上記通路幅を広げて縫製機用サイドカッターを構成すると、全体構 成が大型化することにより却って縫製操作に支障を来たすのみならず、その通路 幅による制約は依然として解消することができない。

【０００５】 本考案の目的は、曲線縫製を可能としつつ、取扱いが容易で簡易な構成の縫製 機用サイドカッターを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、ミシン本体の押さえロッドに取付けるための取付 部と、揺動動作可能に保持した縫製用の布押さえと、その前方に配置した縁かが り裁断用の上下のメスによるカッターと、ミシンの縫製ロッドと連結してカッタ ーを動作させる駆動機構とを備える縫製機用サイドカッターにおいて、上記カッ ターの下メスは布押さえの側方に沿って取付部から前方に延出保持するとともに 、上メスとその駆動機構は裁断片が通過しうる通路高さを確保するべく下メスよ り上位位置で取付部から延びる保持脚を介して保持することにより縫製機用サイ ドカッターを構成する。

【０００７】 上記構成による縫製機用サイドカッターは、下メスをその後方の取付部から所 定位置に配置するとともに、上メス側の駆動機構が下メスより上位位置に保持さ れることから、上メスの側方に通路幅の制約のない広い領域が確保される。

【０００８】

【考案の実施の形態】

上記考案の実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。 図１は本考案の縫製機用サイドカッターの平面図である。 縫製機用サイドカッター１は、ミシン本体側の押さえロッドに取付けるための 取付部２と、揺動可能に保持した縫製用の布押さえ３と、その前方に配置した縁 かがり裁断用の上メス４と下メス５とからなるカッターを備える他に、このカッ ターの駆動機構をなす入力リンク６、シーソーリンク７等とそれらを支えるリン ク枠８を備えて構成する。布押さえ３の中央の突部はジグザグ縫いの仕分け部３ ａである。

【０００９】 上記下メス５は、取付部２からその前方に板状の下メス受９を延出し、この下 メス受９の前部に配置する。リンク枠８は取付部２からその側方に延びる保持脚 １０を介して同取付部２の側方でシーソーリンク７を支承し、このシーソーリン ク７の前端に取付けたブラケット１１に上記上メス４を固定し、この上メス４の 側面に接して下メス受９上にガイド１２を設ける。

【００１０】 図２は図１のＡ矢視図である。 下メス５は下メス受９とともに布押さえ３と同じ高さレベルに配置し、下メス 受９の前端に布受け１３を設け、この高さレベルより上位の裁断片の送り動作に 支障のない高さＨの位置に保持脚１０を介してリンク枠８を配置する。このリン ク枠８に入力リンク６の支点６ａとシーソーリンク７の支点７ａを設けてこれら を揺動可能に支承するとともに両者を中間リンク１４で連結する。

【００１１】 図３は図２のＢ矢視図である。 下メス受９は布押さえ３の側方に沿って取付部２から延出し、この取付部２の 前方（図の右方）位置に下メス５を保持する。また、リンク枠８は、取付け部２ から段差をなして延びる保持脚１０によって取付け部２の側方に配置する。上記 リンク枠８はその底面に窓８ａを開口し、この窓８ａ内にシーソーリンク７の支 点７ａを設ける。

【００１２】 上記構成をなす縫製機用サイドカッターの作用を以下に説明する。 図４は図２のＣ−Ｃ線断面図である。下メス５は布押さえ３とともにその後方 から保持され、一方、上メス４およびその駆動機構をなすリンク枠８は、保持脚 １０を介して下メス５より上位の所定高さＨの位置に保持されていることから、 裁断片が通過するべき上メス４の側方に開放スペースが確保される。

【００１３】 この縫製機用サイドカッターの前方から受ける布は、上下のメスによって裁断 片が分離され、布押さえの下に進んでその中央位置で縁かがりされる。この時、 布押さえが布の厚さ変化に追従して前後に揺動し、針に対する正確な位置決めと 確実な布送りがなされる。一方、裁断片は、上メスの側方をガイドに沿って後方 に送られる。 この裁断片の通過する部分は開放空間をなすことから、布を自由に取り回しす ることができるので、自由裁断を含む曲線処理が可能となる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の縫製機用サイドカッターは以下の効果を奏する。 上記構成による縫製機用サイドカッターは、下メスをその後方の取付部から所 定位置に保持しつつ、上メス側の駆動機構が下メスより上位位置に保持されるこ とから、上メスの側方に通路幅の制約を受けない広い領域が確保される。

【００１５】 したがって、上メス側方の広いスペースにより、裁断片の送り出しや布の取り 回し操作等において、通路幅による制約を受けることがなく、曲線の裁断縫製が 可能となり、また、型採りを要することなく、大きな布から直接的に裁断縫製す ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の縫製機用サイドカッターの平面図

【図２】図１のＡ矢視図

【図３】図２のＢ矢視図

【図４】図２のＣ−Ｃ線断面図

【図５】従来の縫製機用サイドカッターの側面図

【図６】図５のＤ−Ｄ線断面図

【符号の説明】

１ 縫製機用サイドカッター ２ 取付部 ３ 布押さえ ４ 上メス（カッター） ５ 下メス（カッター） ６ 入力リンク（駆動機構） ７ シーソーリンク（駆動機構） ７ａ 支点 ８ リンク枠（駆動機構） ９ 下メス受 １０ 保持脚 Ｈ 高さ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ミシン本体の押さえロッドに取付けるた
   めの取付部と、揺動動作可能に保持した縫製用の布押さ
   えと、その前方に配置した縁かがり裁断用の上下のメス
   によるカッターと、ミシンの縫製ロッドと連結してカッ
   ターを動作させる駆動機構とを備える縫製機用サイドカ
   ッターにおいて、上記カッターの下メスは布押さえの側
   方に沿って取付部から前方に延出保持するとともに、上
   メスとその駆動機構は裁断片が通過しうる通路高さを確
   保するべく下メスより上位位置で取付部から延びる保持
   脚を介して保持してなることを特徴とする縫製機用サイ
   ドカッター。