JP3067164B2 - 極超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

極超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造方法

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JP3067164B2
JP3067164B2 JP2151677A JP15167790A JP3067164B2 JP 3067164 B2 JP3067164 B2 JP 3067164B2 JP 2151677 A JP2151677 A JP 2151677A JP 15167790 A JP15167790 A JP 15167790A JP 3067164 B2 JP3067164 B2 JP 3067164B2
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征夫 井口
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、アモルファスと同程度の極超低鉄損を有
する、製品板厚の極く薄い一方向性けい素鋼板の製造方
法に関するもので、この方法によって製造される極超低
鉄損一方向性極薄けい素鋼板は、トランスなどの鉄心材
料として有利に使用される。
一方向性けい素鋼板は、製品の2次再結晶粒をゴス方
位に高度に集積させること、 また、鋼板表面上にはフオルステライト被膜を被成さ
せ、さらにその上に熱膨張係数の小さい絶縁被膜を被成
させて鋼板に張力を付与すること、などにより磁気特性
の向上を計っているもので、複雑、多岐にわたる厳格な
制御を必要とする工程を経て製造されている。
このような一方向性けい素鋼板は、主として変圧器、
その他電気機器の鉄心として使用されており、磁気特性
として製品の磁束密度が高く、鉄損が低いこと、さらに
表面性状が良好な絶縁被膜を被成していることなどが要
求されている。とくにエネルギー危機を境にして電力損
失の低減を至上とする要請が著しく強まり、変圧器用鉄
心材料としての鉄損のより低い一方向性けい素鋼板の必
要性はますます高まってきている。
そして、この一方向性けい素鋼板の鉄損改善の歴史
は、ゴス方位2次再結晶集合組織の改善の歴史であると
云っても過言ではない。
(従来の技術) 2次再結晶粒を制御する方法として、AlN,MnS及びMnS
e等の1次再結晶粒成長抑制剤、いわゆるインヒビター
を用いてゴス方位2次再結晶粒を優先成長させる方法が
実施されている。
一方、上記の2次再結晶集合組織を制御する冶金的手
段とは異なる鉄損改善技術も種々開発されている。すな
わち、市山 正:鉄と鋼、69(1983),P.895、特公昭57
−2252号公報、特開昭57−53419号公報、特公昭58−264
05号公報、及び特公昭58−26406号公報などにはレーザ
ーを、又特開昭62−96617号公報、特開昭62−151511号
公報、特開昭62−151516号公報、及び特開昭62−151517
号公報などにはプラズマを、それぞれ鋼板表面に照射す
ることにより、鋼板に局部微小歪を導入して磁区を細分
化し、鉄損を低下させる画期的な方法が提案開示されて
いる。しかしながら、これらの方法により得られた鋼板
は、高温域まで加熱すると微小歪が消失するため、高温
の歪取り焼鈍を施す巻鉄心トランス用材料に使用する場
合、上記効果が発揮できないという欠点があった。
また、一方このような高温の歪取り焼鈍を施しても鉄
損が劣化しない方法も提案開示されている。すなわち、
特公昭50−35679号公報、特開昭59−28525号公報、及び
特開昭59−197520号公報などには、仕上焼鈍板の表面に
溝もしくはセレーションを形成する方法、特開昭56−13
0454号公報には、仕上焼鈍板の表面に微細再結晶粒領域
を形成する方法、特開昭60−92479号公報、特開昭60−9
2480号公報、特開昭60−92481号公報、及び特開昭60−2
58479号公報などには、フオルステライト質被膜に異厚
あるいは欠損領域を形成する方法、特開昭60−103124号
公報、及び特開昭60−103182号公報などには、地鉄中、
フオルステライト質被膜中、又は張力付与絶縁被膜中に
異組成領域を形成する方法等がある。
しかしながら、これらの方法はいずれも工程が複雑と
なるわりには鉄損の低減効果は少なく、また、製造コス
トが高くなることもあって工業的に採用されるには至っ
ていない。
これらとは別に、特公昭55−19976号公報、特開昭56
−127749号公報、特開平2−3213号公報において開示さ
れているように非晶質合金が通常の電力用トランスや高
周波トランス等の鉄心材料として注目されて来ている。
このような非晶質材料は通常の一方向性けい素鋼板に比
較して非常に優れた鉄損特性が得れるものの、熱的安定
性に欠ける、占積率が悪い、切断が容易でないなど実用
上不利な点が多く、大量には使用されていない。
また、ごく最近、市販の方向性けい素鋼板をさらに薄
く圧延し、高真空中で熱処理により、3次再結晶を生成
させることにより、鉄心用アモルファス材料に匹敵する
鉄損が得られると云う技術が、石山、荒井:日本金属学
会春期大会講演概要(1990年4月)P 290に示されてい
る。
しかしながら、この手法は、1100℃超えの高温長時間
熱処理を必要とするため、実際の製造工程には適用でき
ない。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、前記の問題点を排除し、アモルファスと
同程度の極超低鉄損を有する一方向性極薄けい素鋼板
を、有利に、かつ安定した工程で製造する方法を提案す
るものである。
(課題を解決するための手段) まず、特定発明の要旨は、 仕上げ焼鈍済みの一方向性けい素鋼板を素材として、 該鋼板表面上の非金属物質を除去すること、 非金属物質を除去した鋼板に圧下率5%から80%の範
囲で再圧延を行なって0.01mmから0.15mmの範囲の板厚と
すること、 再圧延を行なった鋼板に700℃以上1100℃以下の範囲
内の温度で焼鈍を行なうこと、 の各工程による極薄一方向性けい素鋼板の製造に際し
て、 再圧延後、鋼板表面に、Si,Mn,Cr,Ni,Mo,W,V,Ti,Nb,T
a,B,Cu,Zr,Hf,及びAlの窒化物、炭化物、又は炭窒化物
のうちから選んだ1種又は2種以上の張力付与被膜を被
成させること、 を特徴とする極超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造
方法である。
ここに、この発明において張力付与被膜の被成は、再
圧延後の焼鈍の前又は後のいずれかで行なうことができ
る。
つぎに他の発明の第2は、 特定発明において、前記焼鈍後で張力付与被膜を被成
した鋼板上に、 絶縁被膜を被成させること、 を特徴とする極超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造
方法である。
つぎに他の発明の第3は、 特定発明において、前記焼鈍後で張力付与被膜を被成
した鋼板に、 磁区細分化処理を施すこと、 を特徴とする極超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造
方法である。
さらに他の発明の第4は、 他の発明の第2において、前記絶縁被膜を被成した鋼
板に、 磁区細分化処理を施すこと、 を特徴とする極超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造
方法である。
ここに、純化焼鈍を終えた一方向性けい素鋼板表面上
の非金属物質、すなわち、フオルステライト、酸化物被
膜などの除去は、公知の化学的除去法や、機械的除去法
などを単独又はこれらの組合せで行なえばよい。
この酸化物除去処理後、必要に応じて、従来公知の研
摩方法により鋼板表面を鏡面状態に仕上げることが望ま
しい。この場合の中心線平均粗さは0.4 μm以下とする
ことが好ましい。
再圧延後に行なう、張力付与被膜の被成は、CVD、イ
オンプレーティング、及びイオンインプランテーション
などが選択され、この膜厚は、張力付与効果及び占積率
より、0.005 μmから5.0 μmの範囲とすることが好ま
しい。
張力付与被膜を被成した鋼板、又は張力付与被膜上に
絶縁被膜を被成した鋼板に施す磁区細分化処理は、レー
ザー、プラズマなどを利用する方法、及び電子ビームを
利用する方法でよい。
つぎに、この発明の方法の適用に関し一方向性けい素
鋼板の成分組成については、従来公知の成分組成のもの
いずれもが適合するが、代表組成をあげると以下のとお
りである。
C:0.01wt%以上、0.10wt%以下。
熱間圧延、冷間圧延中の組織の均一微細化のみなら
ず、ゴス方位の発達に有用な元素であり、少なくとも0.
01wt%以上の添加が好ましい。
しかしながら0.10wt%を超えて含有するとかえってゴ
ス方位に乱れが生じるので上限は0.10wt%が好ましい。
Si:2.0 wt%以上、4.5 wt%以下。
鋼板の比抵抗を高め鉄損の低減に有効に寄与するが、
2.0 wt%に満たないと比抵抗が低下するだけでなく、2
次再結晶・純化のために行なわれる最終高温焼鈍中にα
−γ変態によって結晶方位のランダム化を生じ、十分な
鉄損改善効果が得られず、また4.5 wt%を超えると冷延
性が損なわれる。したがって、下限を2.0 wt%、上限を
4.5 wt%とすることが好ましい。
Mn:0.02wt%以上、0.12wt%以下。
熱間脆化を防止するため少なくとも0.02wt%を必要と
するが、あまり多すぎると磁気特性を劣化させるので、
上限は0.12wt%が好ましい。
インヒビターとしては、大別してMnS,MnSe系とAlN系
とがある。MnS,MnSe系の場合は、 S:0.005 wt%以上、0.06wt%以下、及び Se:0.005 wt%以上、0.06wt%以下、 のうちから選ばれる少なくとも1種。
S,Seはいずれも方向性けい素鋼板の2次再結晶を制御
するインヒビターとして有力な元素である。ともに抑制
力確保の観点からは、少なくとも0.005 wt%程度を必要
とするが、0.06wt%を超えるとその効果が損なわれるの
で、その下限を0.005 wt%、上限を0.06wt%とすること
が好ましい。
AlN系の場合は、 Al:0.005 wt%以上、0.10wt%以下、及び N:0.004 wt%以上、0.015 wt%以下。
Al及びNの範囲についても、上述したMnS系、MnSe系
の場合と同様の理由により上記の範囲とすることが好ま
しい。
インヒビター成分としては上記したS,Se,Alの他に、C
r,Mo,Cu,Sn,Ge,Sb,Te,Bi及びPなどについても有利に適
合するもので、それぞれ少量併せて含有させることもよ
い。ここに上記成分の好適添加範囲はそれぞれ、Cr,Cu,
Sn:0.01wt%以上、0.15wt%以下、Mo,Ge,Sb,Te,Bi:0.00
5 wt%以上、0.1 wt%以下、P:0.01wt%以上、0.2 wt%
以下であり、これら各インヒビター成分についても単独
使用及び複合使用いずれの場合もが適合する。
(作 用) 素材としての仕上げ焼鈍済みの一方向性けい素鋼板
は、一般に、けい素鋼スラブを熱間圧延した熱延後に、
800℃から1100℃の温度の均一化焼鈍を経て一回冷延法
か、又は、通常850℃から1050℃の温度の中間焼鈍をは
さんでさらに冷延する2回冷延法を適用し、後者の場合
の1回目の圧延は圧下率を50%から80%、前者の場合及
び後者の2回目の圧延の場合には50%から85%の圧下率
で通常0.15mmから0.35mm厚の列延板とするが、必要に応
じ0.15 mm以下としてもよい。
つぎに、冷延を終えた鋼板は、表面脱脂後750℃から8
50℃の湿水素中で脱炭および1次再結晶焼鈍を施す。
このような処理を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を
塗布する。
なお、この際一般的には仕上げ焼鈍後必要不可欠とさ
れるフオルステライト被膜については、その除去をより
容易にするため、焼鈍分離剤としてMgOにAl2O3,ZrO2,Ti
O2などを50%以上で混入させることが好ましく、かくし
て、鋼板表面の鏡面処理を簡便にするのにも役立て得
る。
何れにしても、焼鈍分離剤塗布後、2次再結晶粒を十
分に発達させるために施されるもので通常は、箱焼鈍に
よって直ちに1000℃以上に昇温し、その温度に保持する
ことによって行なわれる。
なお、ゴス方位に高度に揃った2次再結晶粒組織を発
達させるためには、820℃から900℃の低い温度で保定焼
鈍をするか、そのほか例えば0.5℃/hから15℃/hの昇温
速度の徐熱焼鈍を行なったものでもあってもよい。
2次再結晶後の純化焼鈍は、乾水素中、1100℃以上で
1時間から20時間の条件で十分に鋼板の純化を達成させ
る。
以上のようにして、仕上げ焼鈍済みの一方向性けい素
鋼板が得られる。
前記鋼板を素材として、まず、鋼板表面上の非金属物
質、すなわち、酸化物被膜(これにはフオルステライト
被膜も勿論含まれる)を、公知の酸洗などの化学除去法
や、切削、研削などの機械的除去法、またはこれらの方
法の組合せにより除去する。
この非金属物質除去処理の後、必要に応じて鋼板表面
を鏡面状態に仕上げることがあり、この鏡面仕上げは、
化学研摩、電解研摩、又はバフがけなどの機械的研摩、
あるいはこれらの方法の組合せにて行なえばよい。
つぎに、酸化物を除去した鋼板は、圧下率5%から80
%の再圧延により0.01mmから0.15mmの範囲の板厚にす
る。
この場合においての圧延で圧下率を限定する理由は、
圧下率が5%未満では、鋼板に与える加工歪が小さく
て、粒界移動の易動度(Mobility)が小さいため、結晶
粒の粗大化が起りにくく、また、逆に圧下率が80%を超
えると、転位密度が高くなりすぎて結晶粒を粗大化させ
ることが困難になるためである。
また、板厚の限定理由は、0.15mmを超える厚さでは、
厚すぎて板厚による鉄損の低減効果が十分でなく、0.01
mm以下では、薄すぎて製造の面でも、取扱いの面でも困
難となり実用的でないことによる。
再圧延後、焼鈍を行なうのであるが、この焼鈍の前又
は後に、CVD、イオンプレーティング、イオンインプラ
ンテーションにより、Si,Mn,Cr,Ni,Mo,W,V,Ti,Nb,Ta,B,
Cu,Zr,Hf,及びAlの窒化物、炭化物、又は炭窒化物のう
ちから選んだ1種又は2種以上の少なくとも一層の張力
付与被膜を鋼板表面上に被成させる。
この張力付与被膜の膜厚は、0.005 μm未満では張力
付与効果が小さいため鉄損を低下させる効果が小さく、
また、5 μmを超えるほどの膜厚では、占積率の面で
も、経済性の点でも不利なので、0.005 μmから5 μm
の範囲にすることが好適である。
再圧延後の焼鈍の条件としては、700℃以上1100℃以
下の範囲内の温度で再結晶を行なわせる。
この焼鈍温度範囲を限定する理由は、700℃以下では
結晶中の加工歪を解放し再結晶をさせることができず、
また、1100℃以上では板厚が薄いため安定して形状の良
好な製品を得ることが困難になり、かつ、経済性も劣る
ことによる。
また、この焼鈍において、鉄損を低下さすために必要
な再結晶を十分に行なわせるための時間としては、2時
間以上とすることが好ましいが、20時間を超えるような
長時間は不要である。
かくして得られる極超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板
における張力付与被膜の絶縁性を、さらに増強して、ト
ランスの鉄心などの用途に、より適合させるため、張力
付与被膜上に絶縁被膜を重ね被成させることができる。
この絶縁被膜は、コロイダルシリカ、あるいはりん酸
塩とコロイダルシリカを主成分とする塗膜の焼付層より
なり、その形成は、従来公知の方法をそのまま用いてよ
い。
さらに、前記張力付与被膜を被成した鋼板、又は、張
力付与被膜上に絶縁被膜を被成した鋼板につき、鉄損の
一層の向上を目的として磁区細分化処理を施すことがで
きる。
この磁区細分化処理は、レーザー、プラズマ、あるい
は電子ビームを用いて、圧延方向と交わる方向に3mmか
ら20mmの走査間隔で照射するが、これらの方法は、従来
公知の手法をそのまま用いることでよい。
前記いずれの場合も裁断その他の加工が施された後に
歪取り焼鈍が行なわれるが、この焼鈍は従来の方法を用
いることができる。
(実施例) 実施例1 表1に示す化学成分を含有する5種類のけい素鋼スラ
ブを、通常の方法で熱間圧延・中間焼鈍・冷間圧延・脱
炭および1次再結晶焼鈍を行なった後、2次再結晶焼鈍
を施して0.15mmとから0.25mm厚の一方向性けい素鋼板と
した。
これらのけい素鋼板を素材として、鋼板表面上の酸化
物をベルトサンダーで除去した後、電解研摩を施した
後、10%から70%の圧下率で圧延し、0.08mmの板厚とし
た。
0.08 mmの板厚に圧延後、1070℃の焼鈍の前又は後で
張力付与被膜としてTiN被膜を被成(膜厚)0.2 μmか
ら0.3 μm)した鋼板に、さらに以下の処理を施した。
・ TiN被膜上に、リン酸塩とクロム酸を主成分とする
絶縁被膜を被成する。
・ TiN被膜上からエレクトロンビームによる磁区細分
化処理を施す。
・ 絶縁被膜上からレーザによる磁区細分化処理を施
す。
これらの処理によって得た鋼板の鉄損(W13/50)を
表2に示す。
表2から明らかなように、これらの鋼板の鉄損は0.11
W/kgから0.36W/kgと優れた値を示している。
実施例2 C :0.073 wt%,Si:3.39 wt% Mn:0.072 wt%,Mo:0.013 wt% Se:0.021 wt%,Al:0.026 wt% を含有するけい素鋼スラブを、1420℃で3時間加熱後熱
間圧延して2.2 mm厚の熱延板とした。その後、1050℃の
中間焼鈍をはさんで2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の
冷延板とした。その後、840℃の湿水素中で脱炭を兼ね
る1次再結晶焼鈍を施した後、鋼板表面上にフオルステ
ライトを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、850℃から1
0℃/hで1150℃まで昇温してゴス方位2次再結晶粒を発
達させ、その後1230℃の乾水素中で純化焼鈍を行なって
得られた一方向性けい素鋼板を素材に用いた。
この鋼板表面上のフオルステライト被膜をベルトサン
ダーにより除去し、ついで電解研摩を行なって中心線平
均粗さRa:0.08μmの鏡面を仕上げた後、再圧延の圧下
率56.5%で冷間圧延を行なって0.1 mm厚みとした。その
後、鋼板表面を脱脂した後、表3に区別したそれぞれの
方法で、種々の窒化物、炭化物、炭窒化物よりなる張力
付与被膜(膜厚0.05μm)を被成し、700℃から1100℃
の範囲内の温度で焼鈍を行ない、しかる後、コロイダル
シリカとりん酸塩を主体とする絶縁被膜(膜厚0.2 μ
m)を被成した。
その後、鋼板表面上に加速電圧:250 kV、加速電流:1.
0 mAの電子ビームを圧延方向に対し直角をなす方向に走
査間隔8mmで照射し、磁区細分化を行なった。
かくして得られた鋼板の鉄損W13/50を表3に示す。
表3から明らかなように磁区細分化処理を施したこれ
らの鋼板の鉄損は、W13/50で0.12W/kgから0.25W/gと鉄
心用アモルファス並の極超低鉄損を示している。
(発明の効果) この発明によれば、仕上げ焼鈍済みの一方向性けい素
鋼板を素材として、極薄に再圧延した後、 特定の発明においては、張力付与被膜の被成と再結晶
焼鈍を行なうことにより、鉄心用アモルファスなみの極
超低鉄損を示す一方向性極薄けい素鋼板が容易に製造で
き、 加えて発明の第2においては、絶縁被膜を被成さすこ
とにより、絶縁性をさらに増強し、 発明の第3、第4においては、磁区細分化処理を行な
うことにより鉄損の一層の向上が計れるものである。
そしてこの発明によって得られる製品はトランスなど
の鉄心に用いて好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 16/36 C23C 16/36 20/06 20/06 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/12 C23C 14/06 C23C 16/02 C23C 16/32 C23C 16/34 C23C 16/36 C23C 20/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】仕上げ焼鈍済みの一方向性けい素鋼板を素
    材として、 該鋼板表面上の非金属物質を除去すること、 非金属物質を除去した鋼板に圧下率5%から80%の範囲
    で再圧延を行なって0.01mmから0.15mmの範囲の板厚とす
    ること、 再圧延を行なった鋼板に700℃以上1100℃以下の範囲内
    の温度で焼鈍を行なうこと、 の各工程による極薄一方向性けい素鋼板の製造に際し
    て、 再圧延後、鋼板表面に、Si,Mn,Cr,Ni,Mo,W,V,Ti,Nb,Ta,
    B,Cu,Zr,Hf,及びAlの窒化物、炭化物、又は窒化物のう
    ちから選んだ1種又は2種以上の張力付与被膜を被成さ
    せること、 を特徴とする極超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】張力付与被膜の被成が、再圧延後の焼鈍前
    である請求項第1項記載の極超低鉄損一方向性極薄けい
    素鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】張力付与被膜の被成が、再圧延後の焼鈍後
    である請求項第1項記載の極超低鉄損一方向性極薄けい
    素鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】仕上げ焼鈍済みの一方向性けい素鋼板を素
    材として、 該鋼板表面上の非金属物質を除去すること、 非金属物質を除去した鋼板に圧下率5%から80%の範囲
    で再圧延を行なって0.01mmから0.15mmの範囲の板厚とす
    ること、 再圧延を行なった鋼板に700℃以上1100℃以下の範囲内
    の温度で焼鈍を行なうこと、 の各工程による極薄一方向性けい素鋼板の製造に際し
    て、 再圧延後、鋼板表面に、Si,Mn,Cr,Ni,Mo,W,V,Ti,Nb,Ta,
    B,Cu,Zr,Hf,及びAlの窒化物、炭化物、又は炭窒化物の
    うちから選んだ1種又は2種以上の張力付与被膜を被成
    させること、 焼鈍後で張力付与被膜を被成した鋼板上に、絶縁被膜を
    被成させること、 を特徴とする極超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造
    方法。
  5. 【請求項5】仕上げ焼鈍済みの一方向性けい素鋼板を素
    材として、 該鋼板表面上の非金属物質を除去すること、 非金属物質を除去した鋼板に圧下率5%から80%の範囲
    で再圧延を行なって0.01mmから0.15mmの範囲を板厚とす
    ること、 再圧延を行なった鋼板に700℃以上1100℃以下の範囲内
    の温度で焼鈍を行なうこと、 の各工程による極薄一方向性けい素鋼板の製造に際し
    て、 再圧延後、鋼板表面に、Si,Mn,Cr,Ni,Mo,W,V,Ti,Nb,Ta,
    B,Cu,Zr,Hf,及びAlの窒化物、炭化物、又は炭窒化物の
    うちから選んだ1種又は2種以上の張力付与被膜を被成
    させること、 焼鈍後で張力付与被膜を被成した鋼板上に磁区細分化処
    理を施すこと、 を特徴とする極超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造
    方法。
  6. 【請求項6】仕上げ焼鈍済みの一方向性けい素鋼板を素
    材として、 該鋼板表面上の非金属物質を除去すること、 非金属物質を除去した鋼板に圧下率5%から80%の範囲
    で再圧延を行なって0.01mmから0.15mmの範囲の板厚とす
    ること、 再圧延を行なった鋼板に700℃以上1100℃以下の範囲内
    の温度で焼鈍を行なうこと、 の各工程による極薄一方向性けい素鋼板の製造に際し
    て、 再圧延後、鋼板表面に、Si,Mn,Cr,Ni,Mo,W,V,Ti,Nb,Ta,
    B,Cu,Zr,Hf,及びAlの窒化物、炭化物、又は炭窒化物の
    うちから選んだ1種又は2種以上の張力付与被膜を被成
    させること、 焼鈍後で張力付与被膜を被成した鋼板上に、絶縁被膜を
    被成させること、 絶縁被膜を被成した鋼板に磁区細分化処理を施すこと、 を特徴とする極超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造
    方法。
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