JP3065872U - 履 物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体の足裏に快感とともに刺激を効果的に与
えることが可能な履物の提供。 【解決手段】 履物本体１が、甲部層５と、甲部層５に
配列された各係合案内孔７と、各係合案内孔７に係合し
て保持された各押圧子３，３Ａとを有し、各押圧子３，
３Ａが甲部層５に拘束されることなく履物本体１に動き
可能に保持されている履物。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

この考案は、サンダル、スリッパ、草履などの履物、さらに詳しくは、人体の 足裏を刺激することが可能な甲部層を有するいわゆる健康用の履物に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の履物において、一般に、人体の足裏が接する甲部層の上面に足 裏を刺激する突起群が形成されたものが実用に供されている。この突起群は、合 成樹脂などの材料から甲部層と一体成形されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記履物の突起群は、甲部層と同材料から一体成形されているから、全体とし て剛直に過ぎるきらいがあって、各突起が、甲部層にそれらの上下、斜め及び周 囲方向への動きが拘束されるから、足裏の凹凸面に全体的になじんで、足の動き に独立して対応しながら向きを変えることが困難である。したがって、前記履物 は、その着用時間が比較的長時間に及ぶと足裏に痛みや不快感を与えるばかりで なく、経穴（いわゆるツボ）を効果的に刺激するには不充分である。

【０００４】 この考案の課題は、前記問題などを効果的に解決することが可能な履物を提供 することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、前記課題を解決するため、少なくとも底部層と甲部層とを有する 履物本体と、人体の足甲に対する押さえ部材とから構成され、前記甲部層の上面 に突起群が配列されている履物を改良することにある。

【０００６】 改良に係るこの考案の特徴は、前記突起群の各突起が互いにかつ前記甲部層と は別体の押圧子として形成されていて前記各押圧子がその下端部に各係合部を有 している一方、前記甲部層が前記各押圧子の配列間隔及び数に対応する各係合案 内孔を有し、前記各係合部が前記各係合案内孔に案内されて前記甲部層に係合す ることで前記各押圧子が前記履物本体に保持されて前記甲部層の上面へ突出して いることにある。

【０００７】 この考案は、その構成態様として、圧縮復元弾性を有する中間部層が前記底部 層と前記甲部層との間に一体的に介在していること、前記各押圧子が前記甲部層 よりも硬質の材料から形成されていること、及び前記各押圧子がその縦方向へ長 いピン軸状に形成され、前記各係合部が前記各押圧子の下端部近傍の周囲に形成 されている係合凹溝であって、前記係合凹溝に係合する前記各押圧子が前記甲部 層に拘束されることなく少なくともその上下方向へ動き可能に保持されているこ とを含む。

【０００８】

【実施の形態】

図面を参照しながら、この考案に係る履物について、サンダルを例にして、説 明すると、以下のとおりである。

【０００９】 図1及び２において、サンダルは、履物本体１と人体の足甲に対する押さえ部 材２とから構成されている。履物本体１は、甲部層５の上面から突出して人体の 足裏を刺激する押圧子３（押圧子３Ａを含む）群を有している。

【００１０】 履物本体１は、床面や地面などの歩行面に接する比較的薄い底部層４と、人体 の足裏に接する比較的薄い甲部層５と、これらの間に一体的に介在する比較的厚 い中間部層６を有している。

【００１１】 底部層４は、比較的に耐摩耗性で硬質の、ゴムや合成樹脂などの材料から形成 されている。甲部層５は、そのほぼ全域にその上下に貫通する係合案内孔７を有 し、底部層４よりも軟質のそれら材料から形成されている。甲部層５は、その他 の材料であってもよいが、所要の可撓性と伸縮性とを有しているものであること が、人体の足裏に与える感触と、人体の足裏の踏圧により押圧子3群（押圧子３ Ａを含む）が動いたときなどにおける追従性と、履物の製造時における押圧子３ の係合案内孔7に対する案内係合作業の容易化をはかるうえで好ましい。中間部 層６は、圧縮復元弾性（クッション性）を有し、履物本体１が人体の足で踏圧さ れたとき押圧子3群を足裏に所要の反発力で弾性的に圧接させることが可能な、 発泡ゴムや合成樹脂などの材料から形成されている。ただし、底部層４と中間部 層６とは、同材料から一体成形されていてもよく、この場合、その一体成形層は 、少なくとも中間部層６の特性を有していることが好ましい。

【００１２】 押圧子３群は、底部層4及び中間部層６よりも硬質のゴム、合成樹脂、木材な どの材料から形成されている。各押圧子３は、甲部層５の厚さ寸法よりも大きい 長さ寸法を有する縦長で断面円形のピン軸状に形成され、上端面が円弧状の上端 部３ａと、下端部３ｂと、下端部３ｂに隣接する周囲に形成された係合凹溝３ｃ とを有している。押圧子３群の中には各押圧子３の径と長さとよりもそれらが大 きい幾つかの押圧子３Ａが所与部位に混在している。各押圧子３，３Ａの上下端 部３ａ，３ｂの径寸法は、各係合案内孔7の径寸法よりも大きいとともに、係合 凹溝３ｃにおける部分の径寸法は、各係合案内孔7の径寸法よりも小さく形成さ れている。各押圧子３，３Ａは、各係合案内孔７に甲部層５の弾性に抗しそれを 拡開して案内されて甲部層５に係合することで履物本体１に保持されて甲部層５ の上方へ突出している。その係合状態では、各押圧子３，３Ａは、各係合案内孔 ７に緩く嵌まっているが、下端部３ｂの径寸法が各係合案内孔７の径寸法よりも 大きいから、下端部３ｂが鍔機能を果たし、甲部層５の上方へ抜脱するおそれが ない。各押圧子３，３Ａは、そうした嵌まり状態にあるうえに、甲部層５が多少 の可撓性と伸縮性とを有していることから、人体の足裏で踏圧されたときの押圧 方向によっては、甲部層５に拘束されることなく互いに独立してその方向へ比較 的自由に動くことができる。しかも、中間部層６が圧縮復元弾性を有しているか ら、各押圧子３，３Ａのそうした動きが一層容易になるとともに、人体の足裏の 凹凸面になじんで弾性的に圧接することができる。各押圧子３Ａは、人体の足裏 における主要な各経穴に配置されることが、各経穴に対する刺激効果を高めるう えで好ましい。各押圧子３も、各経穴を刺激するとともに、主要な各経穴を結ぶ 経絡をも刺激し該経絡の機能を一層活性化することができる。

【００１３】 図示されていないが、各押圧子３，３Ａの甲部層５からの上方への抜脱を防止 する手段として、各押圧子３，３Ａの下端部３ｂの径寸法が各係合案内孔７の径 寸法よりも大きくて各係合案内孔７に対する鍔機能を有している限り、下端部３ ｂ以外の各押圧子３，３Ａの部分の径寸法は、下端部３ｂの径寸法よりも小さい 太さに形成され、係合凹溝３ｃのように局部的に小径に形成されていなくてもよ い。

【００１４】 また、図示されていないが、各係合案内孔７は、各係合凹溝３ｃにおける各押 圧子３，３Ａの径寸法と等しいか、それとも若干大きく形成されていてもよく、 その場合には、各係合案内孔７が、甲部層５の肉厚より薄い高可撓性の内周縁を 有していることが、甲部層５に各押圧子３，３Ａの動きを拘束させないようにす るうえで好ましい。この場合は、各押圧子３，３Ａの周りに各係合案内孔７の内 周縁が密接することになるから、各押圧子３，３Ａの周囲と各係合案内孔７の内 周縁との間に隙間が形成されることがなく、例えば、履物本体１が塵埃や雨水に さらされても、それらが該隙間から侵入することがなく、履物本体１を清潔にし ておくとともに履物本体１に耐久性を持たせるうえで好ましい。

【００１５】 甲部層５は、その外周縁に装着された縁取り８を有し、縁取り８を介して中間 部層６の上面に一体的に接合されているとともに、各押圧子３，３Ａの下端部３ ｂの下面でも中間部層６の上面に一体的に接合されている。ただし、各押圧子３ ，３Ａの下端部３ｂの下面は、必ずしも中間部層６の上面に一体的に接合されて いなくてもよい。また、各押圧子３，３Ａの配列間隔及び数によっては、甲部層 ５が中間部層６の上面に接合されることもある。

【００１６】 人体の足甲に対する押さえ部材２は、図示されていないが、その両側部が縁取 り８と中間部層６との間に介在して一体的に接合されている。押さえ部材２は、 図示例では、比較的に広範囲で人体の足甲を覆う大きさを有しているが、履物本 体と協働して人体の足先を保持する機能を有している限り、比較的に細い帯状又 は紐状片であってもよいことはいうまでもない。

【００１７】

【考案の効果】

この考案に係る履物によれば、押圧子群が甲部層に拘束されることなく比較的 に自由にそれらの上下、斜め及び周囲方向へ互いに独立して動き得るから、足裏 の凹凸面によくなじんで、足裏に快感とともに刺激を効果的に与えることができ 、しかも比較的長時間にわたって着用しても、足裏に痛みを与えることもないな どの効果を有し、いわゆる健康用履物として実用に供して極めて有益である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る履物の一例としてのサンダルの
平面図。

【図２】図１のＸ―Ｘに沿う拡大部分断面図。

【符号の説明】

１ 履物本体 ２ 押さえ部材 ３ 押圧子 ３ｃ 係合凹溝 ４ 底部層 ５ 甲部層 ６ 中間部層 ７ 係合案内孔

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも底部層と甲部層とを有する履
   物本体と、人体の足甲に対する押さえ部材とから構成さ
   れ、前記甲部層の上面に突起群が配列されている履物に
   おいて、 前記突起群の各突起が互いにかつ前記甲部層とは別体の
   押圧子として形成されていて前記各押圧子がその下端部
   近傍に各係合部を有している一方、前記甲部層が前記押
   圧子の配列間隔及び数に対応する各係合案内孔を有し、
   前記各係合部が各係合案内孔に案内されて前記甲部層に
   係合することで前記各押圧子が前記履物本体に保持され
   て前記甲部層の上面へ突出していることを特徴とする前
   記履物。
2. 【請求項２】 圧縮復元弾性を有する中間部層が前記底
   部層と前記甲部層との間に一体的に介在している請求項
   １に記載の履物。
3. 【請求項３】 前記各押圧子が前記甲部層よりも硬質の
   材料から形成されている請求項１又は２に記載の履物。
4. 【請求項４】 前記各押圧子がその縦方向へ長いピン軸
   状に形成され、前記各係合部が前記各押圧子の下端部近
   傍の周囲に形成されている係合凹溝であって、前記係合
   凹溝に係合する前記各押圧子が前記甲部層に拘束される
   ことなく少なくともその上下方向へ動き可能である請求
   項１ないし３いずれかに記載の履物。