JP3065574B2 - シールド掘進機の補助カッター装置 - Google Patents

シールド掘進機の補助カッター装置

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JP3065574B2
JP3065574B2 JP33279697A JP33279697A JP3065574B2 JP 3065574 B2 JP3065574 B2 JP 3065574B2 JP 33279697 A JP33279697 A JP 33279697A JP 33279697 A JP33279697 A JP 33279697A JP 3065574 B2 JP3065574 B2 JP 3065574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、シール
ド掘進機における補助カッター装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】地中にトンネルを掘るシールド掘進機の
多くには、図3(a)のように、最前部にある回転式カッ
ターディスク1のうちに補助カッター装置10”が備わ
っている。補助カッター装置10”は「コピーカッタ
ー」や「オーバーカッター」などとも呼ばれるもので、
カッターディスク1の外周上にカッタービット11を突
出させたうえカッターディスク1とともに回転すること
により、カッターディスク1のみでは掘削できない外周
付近の余掘りを行う。シールド掘進機が、補助カッター
装置10”を用いて必要な箇所で余掘りを行うことによ
り、カーブしたトンネルを掘削する(いわゆる曲進す
る)こと等が容易になる。
【0003】補助カッター装置10”は、一般的には図
3(b)のような構造を有している。すなわち、カッター
ディスク1内に、その外周から半径方向外向きに伸縮ロ
ッド(ピストンロッド等)12が出没し得るように駆動
手段(油圧シリンダ等)13を組み込まれ、その伸縮ロ
ッド12の先端にカッタービット11を取り付けられて
いる。駆動手段13により伸縮ロッド12を伸ばしてカ
ッタービット11をカッターディスク1の外周上に突出
させる(図3(b)の仮想線を参照)と、そのカッタービ
ット11によりシールド掘進機の回りを余掘りすること
ができる。突出したカッタービット11が掘削する土砂
は、カッタービット11の周囲に形成された取込み口1
5から掘進機前方にある空間部分(カッターチャンバ
ー)に取り込まれ、その空間から、スクリューコンベヤ
や排泥管等によって外部に排出される。
【0004】シールド掘進機における補助カッター装置
は、たとえば特開平8−109793号公報に記載され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】補助カッター装置によ
ってシールド掘進機の周囲を余掘りするとき、カッター
ビットを取り付けている駆動手段の伸縮ロッド(たとえ
ば図3(b)における符号12)には曲げ荷重が作用す
る。そのため、従来の補助カッター装置にはつぎのよう
な課題が存在していた。すなわち、イ ) 地盤の硬い地域を掘削する場合や、地盤改良等のた
めに硬質のコンクリート等が埋設された部分を掘削する
場合には伸縮ロッドにかかる曲げ荷重が大きくなるた
め、何らの対策もとっていなければ伸縮ロッドが塑性変
形するまでに曲がってしまう恐れがある。伸縮ロッドが
長く伸びたときほどそれに作用する曲げモーメントが大
きくなり、ロッドが曲がってしまう可能性は高くなる。
【0006】ロ) 伸縮ロッドの曲がりを防止するために
はそのロッドを太くすればよいが、そのためには、その
駆動手段を組み込むカッターディスクを大型(とくに、
シールド掘進機の前後方向の寸法を増す)にしなければ
ならず、シールド掘進機の全体を大型化する必要が生じ
てしまう。シールド掘進機が大型化すれば、一般的には
曲進性能が低下するため余掘りの量を増す必要が生じて
しまい、さらに大きな油圧シリンダ等が必要になる可能
性もある。
【0007】ハ) 補助カッター装置を機能させる際、切
羽から受ける不均一な掘削抵抗とそれによる自身の弾性
変形とに基づいて伸縮ロッドやカッタービットが振動を
起こしやすい。その振動は、シールド掘進機の全体に伝
わるため、精密機器の不具合や配管の接続の緩みなどを
引き起こす原因にもなりかねない。
【0008】請求項の発明は、曲げ荷重に抗することが
できるとともに、上記のような課題を解決することので
きる補助カッター装置を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載したシー
ルド掘進機の補助カッター装置は、シールド掘進機の回
転式カッターディスクに配置され、同ディスクの外周上
にカッタービットを出没させるもので、カッタービット
に接触してその変位を抑制する支持具を、カッターチャ
ンバー内への土砂の取込み口を塞ぐことのないようにカ
ッターディスク上に設けたことを特徴とする。
【0010】補助カッター装置におけるカッタービット
の出没は、油圧シリンダ等のような駆動手段が伸縮ロッ
ドを伸縮させることによって行うが、請求項1のこの補
助カッター装置では、伸縮ロッドに作用する曲げ荷重が
小さく抑えられる。上記の支持具がカッタービットに接
触してその変位を抑制するので、伸縮ロッドを伸ばして
カッターディスクの外周上にカッタービットを突出させ
て余掘りを行うとき切羽や土砂からカッタービットが力
を受けても、その力の多くが上記支持具にて支えられる
からである。したがって、伸縮ロッドをそれほど太くし
なくても同ロッドが塑性変形することを防止できるほ
か、同ロッドの弾性変形を制限することに基づいて振動
を抑制することもできる。
【0011】また、上記の支持具はカッターチャンバー
内への土砂の取込み口を塞ぐことのないものであるた
め、この補助カッター装置が余掘りしたことにより生じ
た土砂の排出はスムーズに行われ得る。支持具がもしも
取込み口を塞いでしまうようだと、仮にカッターチャン
バー内にコンベヤ等の排土手段が配置されているとして
も、余掘されて生じた行き場のない土砂がシールド掘進
機の外周付近に残ったままになるため、シールド掘進機
がいわゆる曲進施工を円滑には行えないことになる。し
かし、この請求項1の補助カッター装置ではカッターチ
ャンバー内への土砂の取り込みが円滑に行われるため、
同チャンバー内に適切な排土手段がある以上は、余掘り
にて生じた土砂がスムーズに外部に排出され、カーブの
掘削等が円滑に行われる。
【0012】以上のほか、この補助カッター装置では、
カッタービットや伸縮ロッドに対する回り止めの機能を
支持具にもたせることも可能である。カッタービットを
出没させる駆動手段としては、多くの場合に円筒状の油
圧シリンダが使用され、そのシリンダに内蔵される円柱
状のピストンに伸縮ロッドが連結されるのが一般的であ
る。しかし、そのような駆動手段では、特別な構成を付
加しないと、カッタービットとともに伸縮ロッドが自身
の軸心回りに回転する。その点、請求項1の補助カッタ
ー装置では、カッタービットに接触させる支持具の数や
配置位置を適切に定めた場合、それら支持具によって伸
縮ロッド等の回転を止めることが可能なのである。カッ
タービットの回転をこうして止めることができると、カ
ッタービットを常に適切な向きに保って効率的に余掘り
を行うことができるうえ、上記のように回り止めのため
の特殊な構成を駆動手段にもたせる必要がなくなるので
ある。
【0013】請求項2に記載した補助カッター装置は、
上記の支持具として、カッターディスクの正逆回転方向
に延びた棒状の(つまり長さに比べて断面積の小さい)
ものと、カッタービットのすぐ後部(シールド掘進機の
進行方向にみて後ろの部分)においてカッターディスク
上に設けられた当て板状の(つまり、カッタービットと
その後方のカッターディスク上の面との間にはさまれる
厚さが、それと直角な方向の寸法に比べて小さい)もの
とを配置したことを特徴とする。
【0014】このように支持具を設けると、伸縮ロッド
の塑性変形や振動を防止するという支持具の作用が効率
的に発揮される。余掘りの際にカッタービットに作用す
る荷重は、カッターディスクの回転とシールド掘進機の
前進にともなって発生するのに対し、上記した棒状の支
持具は前者にともなう力の向きに延びていてその力に抗
しやすく、一方の当て板状の支持具も、カッタービット
の後方に配置されていて後者にともなう力に抗しやすい
からである。
【0015】棒状の支持具は、長いうえに断面積が小さ
いため、カッタービットの側部(つまりカッターディス
クの回転方向に隣接する箇所)に広い土砂取込み口を形
成することを可能にする。長いために、その基部を取り
付けたカッターディスク上の部分と、その先端部を接触
させたカッタービットとの間(つまり土砂取込み口の間
口)に大きな距離をとることを可能にし、また断面積が
小さいために、その取込み口を遮る割合が小さいからで
ある。なお、棒状の支持具によってカッタービットの側
部に土砂取込み口が確保されるとカッタービットの後部
には同様の取込み口は不要であるため、当該後部にも同
様の支持具を配置するには及ばない。この請求項2の補
助カッター装置では、カッタービットの後部には上記の
とおり厚さの小さい当て板状の支持具を設けているた
め、補助カッター装置の配置部分を含むカッターディス
クの厚さ(シールド掘進機の進行方向に沿った寸法)を
増す必要性をなくし、シールド掘進機をコンパクトに構
成することを可能にする。
【0016】請求項3の補助カッター装置は、上記した
棒状の支持具として、カッタービットがわずかに変位し
たとき接触するように(つまり、カッタービットの各面
との間にわずかな隙間を有するように)長さ調整され
た、伸縮不能のものを使用することを特徴とする。
【0017】余掘りの際にカッタービットを支える意味
では、各支持具をカッタービットの各面に押し付けたう
え相当の圧力をかけておくのがよい。しかし、前述した
ようにカッタービットはカッターディスクの外周上へ突
出すべく伸縮ロッドによって出没するため、棒状の支持
具が常にカッタービットと接触状態にあると、両者間の
摩擦力によってその支持具が曲げ変形を受けたり接触部
分が激しく摩耗したりしがちである。その点、この請求
項3の補助カッター装置では、上記のようにカッタービ
ットがわずかに変位したとき棒状の支持具と接触するよ
うに、常態では当該支持具とカッタービットとの間に隙
間をとっているため、そのような不都合は起こりにく
い。
【0018】そしてこの補助カッター装置では、補助カ
ッター装置が余掘りを始めたことにより伸縮ロッドがた
わむなどしてカッタービットが変位したときには、カッ
タービットが支持具に接触して支えられその変位を抑制
されるため、伸縮ロッドにかかる曲げ荷重は大きくなら
ない。なお、その棒状の支持具が伸縮不能なものである
ため、この補助カッター装置には低コストで簡単に構成
されるという利点もある。
【0019】請求項4の補助カッター装置は、上記した
棒状の支持具として、カッタービットが出没動作をする
ときカッタービットから離れることのできる伸縮式のも
のを使用することを特徴とする。
【0020】請求項4のこの補助カッター装置では、余
掘りの際にカッタービットや伸縮ロッドに作用する荷重
を最小限にするとともに、カッタービットと上記棒状の
支持具との間の摩耗を少なくすることができる。伸縮ロ
ッドの機能によってカッタービットが出没動作をすると
きは、そのカッタービットと支持具との間の摩耗を防ぐ
ために当該支持具がカッタービットから離れ、出没動作
が停止したときには、カッタービットを十分に支えるべ
く支持具がカッタービットに接触するからである。支持
具をカッタービットに接触させた状態では、カッタービ
ットの変位を最も小さく保ち、カッタービットや伸縮ロ
ッドに作用する曲げ荷重を最小限に抑えることができる
のは言うまでもない。
【0021】棒状の支持具が伸縮機能を有するため、カ
ッターディスクの回転方向の関係で余掘り中にも荷重の
作用しないものについては、その長さを縮めてカッター
ビットから離しておくことができる。そのようにすれ
ば、カッタービットの側部にある土砂の取込み口を大き
く開放して、土砂を一層スムーズにカッターチャンバー
へ導くことができる。
【0022】請求項5に記載の補助カッター装置は、上
記した棒状の支持具を、流体圧シリンダを含めて構成し
たことを特徴とする。このような補助カッター装置で
は、カッタービットの振動を抑制することができ、それ
によって精密機器の不具合や配管の接続の緩みなどの不
都合を回避できるという利点がある。流体圧シリンダを
含む支持具には、同シリンダに連結された流体圧供給経
路内に流量調整弁を含めること等によって比較的容易に
クッション効果をもたせることができ、カッタービット
の動きを減衰させ得るからである。
【0023】
【発明の実施の形態】発明の実施について第一の形態を
図1(a)〜(c)に示す。図1(a)は、シールド掘進機の
一部を正面から見たものであって補助カッター装置(コ
ピーカッター装置などとも呼ばれる)10の正面図であ
る。また、同(b)は同(a)におけるb−b矢視図、同
(c)は同(b)におけるc部詳細図である。図示した補助
カッター装置10は、図3(a)に示したものと同様のシ
ールド掘進機においてカッターディスク1の複数箇所に
配置されたものの一つであり、つぎのように構成したも
のである。
【0024】すなわち、まず、図3(b)における補助カ
ッター装置10”と同様にカッターディスク1内に油圧
シリンダ13を組み込み、その伸縮ロッド12の先端に
図1(a)のとおりカッタービット11を取り付ける。油
圧シリンダ13内に油圧作動油を送ることにより伸縮ロ
ッド12が伸縮しカッタービット11が出没するが、伸
縮ロッド12を伸ばした際には、仮想線で示すようにカ
ッタービット11がカッターディスク1の外周から半径
方向外向きに突出する。カッタービット11はそのよう
に突出した状態でカッターディスク1と一体的に回転す
ることにより、カッターディスク1よりも外方の土壁を
余掘りするわけである。
【0025】カッターディスク1の前面の一部に図1
(b)のように凹部1aを形成し、補助カッター装置10
はその凹部1aの内に配置している。そしてカッタービ
ット11の側部、つまりカッターディスク1の回転方向
における前後の部分には、上記の凹部1aから後方のカ
ッターチャンバー(図示せず。カッターディスク1のす
ぐ後部に形成した空間)内へ通じる土砂の取込み口15
を設けている。カッタービット11が掘削した土砂は、
主としてこの取込み口15よりカッターチャンバー内に
入り、さらに、そのチャンバー内に配置したスクリュー
コンベヤ等(図示せず)によって外部に排出される。
【0026】補助カッター装置10が余掘りを行う際、
カッタービット11にはカッターディスク1の回転方向
とは反対向きの力と進行方向後方向きの力とが作用す
る。カッターディスク1とともに回転することによって
地山から前者の力を受け、また後方のシールドジャッキ
(図示せず)の作用でシールド掘進機が前進するにとも
なって、やはり地山から後者の力を受けるのである。し
かも、シールド掘進機のローリング変位を修正する等の
目的でカッターディスク1の回転方向はしばしば逆転さ
せられるため、前者の力は正・逆両方向に作用する。余
掘りの際には伸縮ロッド12が伸びていて上記の力によ
り同ロッド12に大きな曲げモーメントが作用するこ
と、および、近年では地盤改良等により人工的に硬質に
形成されたコンクリート部分をも掘削・余掘りする必要
があることを考慮して、この補助カッター装置10で
は、伸縮ロッド12が曲がったり激しく振動したりする
のを防止すべく、カッタービット11の側面および背面
に図1(a)・(b)のような支持具21・31を配置し
た。
【0027】まず支持具21は、棒状のものとし、軸心
をカッターディスク1の正・逆回転方向に向けて各2本
(補助カッター装置10の一組につき合計4本)を配置
し、カッターディスク1上のフレーム1b上に基部を固
定するとともに先端部をカッタービット11の側面に向
ける。支持具21をカッタービット11の両方の側面に
向けたのは、上記のようにカッターディスク1が正逆両
方向に回転することを考慮し、回転方向によらずカッタ
ービット11を支持し得るようにするためである。支持
具21を棒状、つまり細長い形状にしたのは、土砂の取
込み口15の内に広い開口を確保するためである。すな
わち、まず支持具21を長く形成したために、カッター
ビット11とフレーム1bとの間隔(取込み口15のい
わば間口)を広くとることができた。また支持具21を
細い(横断面積の小さい)ものとしたために、それら相
互間に十分な隙間を確保して土砂の流入口が遮られない
ようにできたのである。こうして、広い開口を確保した
ために、この補助カッター装置10のカッタービット1
1が掘削した土砂は当該取込み口15をスムーズに通っ
てカッターチャンバーへ至り、円滑に排出されることに
なる。
【0028】支持具21は鋼製のロッドであって伸縮不
能であるが、その先端部には、図1(c)のようにねじ込
み式のヘッド23を取り付け、支持具21について長さ
調整ができるようにしている。ヘッド23は、ネジ部2
3aを支持具本体22のネジ穴に差したうえ、回り止め
のためにナット24をはめている。掘進の開始に先だっ
てヘッド23により支持具21の長さ調整を行い、ヘッ
ド23の先端面とカッタービット11の側面との間にわ
ずかな隙間(たとえば0.1〜0.2mm程度)が生じ
るようにしておく。このようにしておけば、カッタービ
ット11を単に出没させる間にはカッタービット11や
ヘッド23が激しく摩耗したり支持具21が曲がったり
することがなく、また実際に余掘りを行う際には、伸縮
ロッド12がたわむ等によりカッタービット11がわず
かに変位しただけで支持具21に接触するため、地山か
ら作用する力(カッターディスク1の回転方向と反対向
きの力)が支持具21に伝達され支えられる。
【0029】一方、支持具31は、カッタービット11
のすぐ後部においてカッターディスク1に固定した当て
板状のもので、図1(a)のようにカッタービット11と
の接触面は広いが、その面と直角な方向に測る厚さは図
1(b)のように小さい。その厚さが小さいために、カッ
ターディスク1の厚さ(進行方向に沿った寸法であり図
1(b)上で上下に表れるもの)をほとんど増大させる必
要がなく、したがってシールド掘進機をコンパクトに構
成することができる。支持具31の表面には厚さ調整用
のライナ(図示せず)を取り付けることにより、その表
面とカッタービット11の背面との間にわずかな隙間
(やはり0.1〜0.2mm程度)ができるようにして
いる。このような隙間を設けておけば、支持具21の場
合と同様、支持具31・カッタービット11間の摩耗が
少なく、また、進行方向後方向きの力に対してカッター
ビット11を支えるという支持具31の本来の機能も発
揮される。なお、土砂は、上記のようにカッタービット
11の側部から上記の取込み口15を経てカッターチャ
ンバー内に取り込まれるため、カッタービット11の背
面にある支持具31の周囲には取込み口を確保する必要
はない。
【0030】この補助カッター装置10では、支持具2
1・31を図1(b)のように間隔をおいて複数箇所に配
置しているため、カッタービット11や伸縮ロッド12
の回り止めがなされるという効果もある。すなわち、カ
ッタービット11に対して地山から不均一に力がかかる
と、その力が、図1(b)において紙面と直角な軸心の回
りにカッタービット11を回転させるモーメントとして
作用する場合がある。油圧シリンダ13も伸縮ロッド1
2も断面が円形であるため、とくに対策をとらなけれ
ば、その場合にカッタービット11とともに伸縮ロッド
12が回転してしまうことになる。しかし、支持具21
・31を上記のように配置したこの補助カッター装置1
0では、油圧シリンダ13等に特殊な構成を施さなくて
も、支持具21・31によってカッタービット11や伸
縮ロッド12の回転が止められるのである。
【0031】つづいて図2(a)〜(c)には、発明の実施
について第二の形態を紹介する。図2(a)は補助カッタ
ー装置10’の正面図であり、同(b)は同(a)における
b−b矢視図である。また同(c)は、その補助カッター
装置10’の特殊な使用態様を示す正面図である。この
補助カッター装置10’も、図3(a)に示したものと同
様のシールド掘進機において、やはりカッターディスク
1の複数箇所に配置されたものの一つである。
【0032】補助カッター装置10’の基本的な構造
は、後述する支持具41の構成を除いて基本的には図1
の装置10と同様である(同一の構成部分には同一の符
号を付けている)。すなわち、カッターディスク1内に
油圧シリンダ13を組み込んでその伸縮ロッド12を介
しカッタービット11をカッターディスク1の外周上に
出没させる点や、排土のための土砂の取込み口15をカ
ッタービット11の側部に設けている点、また、余掘り
を行うときカッタービット11に作用する進行方向後方
向きの力を支えるためカッタービット11のすぐ後部に
おいてカッターディスク1に当て板状の支持具31を固
定している点など、装置10’と装置10との間に差異
はない。その支持具31の表面に厚さ調整用のライナを
取り付けていて、カッタービット11の背面との間にわ
ずかな隙間を設けている点も同様である。
【0033】図2の補助カッター装置10’が図1の装
置10と相違するのは、カッターディスク1の回転方向
と反対向きに作用する力からカッタービット11を支え
る棒状の支持具41として、油圧シリンダ42を主体と
するものを使用している点である。支持具41は、カッ
ターディスク1のフレーム1bにシリンダ(本体)42
を取り付けることによりカッターディスク1上に配置
し、その内部のピストン43aと一体になった伸縮ロッ
ド43の先端をカッタービット11の側面に向けてい
る。シリンダ42の内部のうちピストン43aよりも基
端側の空間に油圧を供給すると、図2(a)・(b)のよう
に伸縮ロッド43を伸ばしてその先端をカッタービット
11の側面に押し付けることができ、ピストン43aよ
りも先端側に油圧を供給すると伸縮ロッド43を引っ込
めてカッタービット11から離すことができる。補助カ
ッター装置10’の一組について支持具41は合計2本
としたが、カッターディスク1が正逆両方向に回転する
ことを考慮してカッタービット11の両方の側に各1本
を配置している。
【0034】支持具41が棒状のものであり、その数も
多くないため、取込み口15からの土砂の取り込みはス
ムーズに行える。また、支持具31および支持具41に
よって、図1の装置10の場合と同様にカッタービット
11や伸縮ロッド12の回り止めをなすことができる。
つまり、図2(b)のように支持具31・41を間隔をお
いて複数配置しているため、支持具41を伸ばしてその
先端をカッタービット11に接触させた状態では、油圧
シリンダ13等に回り止め用の特殊な構成がなくとも、
図2(b)の紙面と直角な軸心の回りにカッタービット1
1が回転しようとする力に抗し得るのである。
【0035】油圧シリンダ42を含むこの支持具41
は、カッタービット11がその油圧シリンダ13の作用
でカッターディスク1の半径方向に移動(出没)する間
には伸縮ロッド43の先端をカッタービット11から離
しておき、カッタービット11が出没動作を終えた時点
でその先端をカッタービット11の側面に押し付ける、
という使い方をするのが好ましい。そのようにすれば、
カッタービット11の出没につれて支持具41の先端と
の間に摩耗が進行したり支持具21に曲げ力がかかった
りする不都合がない一方、実際に余掘りを行う際にはカ
ッタービット11が支持具41によりしっかりと支えら
れる。
【0036】支持具41における伸縮ロッド43の先端
をカッタービット11に押し付けた状態では、油圧シリ
ンダ42(ピストン43aよりも基端側)に供給する油
圧等を適切にコントロールするのがよい。シリンダ42
のうちピストン43aよりも基端側の空間に供給した作
動油について、たとえば圧力を一定に保つとともにシリ
ンダ42からの流出速度を制限しておけば、伸縮ロッド
43はカッタービット11に作用する力を支えるだけで
なく、カッタービット11の衝撃的もしくは振動的な変
位を減衰させる機能をも発揮するからである。
【0037】また、余掘りを行う際、カッタービット1
1の両方の側に設けた支持具41のうち一方は図2(c)
のように引っ込めておくのも好ましい。余掘り中のカッ
タービット11には、カッターディスク1と一体に回転
するのにともなって回転向き(図2(c)では白抜き矢印
で示す)とは反対向きの力が作用するが、カッターディ
スク1の回転向きが逆転しない限り、それと逆向きの力
は作用しない。そのため、カッターディスク1の回転向
きを一定に保っている間は、一方の支持具41(つまり
カッタービット11に対して反回転向きに隣接する側に
あるもの)のみをカッタービット11に当てておけば足
りる。むしろ、他方の支持具41(つまりカッタービッ
ト11に対して回転向きに隣接する側のもの)について
は、伸縮ロッド43をシリンダ42内におさめて短くし
ておく方が、土砂の取込み口15を大きく開放できて円
滑な排土を行うことができるのである。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載したシールド掘進機の補
助カッター装置には、つぎの効果がある。すなわち、 a) 支持具がカッタービットに接触してその変位を抑え
るので、カッタービットを出没させる伸縮ロッドに作用
する曲げ荷重が、小さく抑えられる。したがって、地盤
の硬い地域や地盤改良のために硬質のコンクリート等が
埋設された部分を掘削する場合にも、伸縮ロッドをそれ
ほど太くすることなく同ロッドの変形を防止でき、また
同ロッドおよびシールド掘進機の振動を抑制することが
できる。
【0039】b) 土砂の取込み口が支持具によって塞が
れないので、排土のためのカッターチャンバー内への土
砂の取り込みが円滑に行われる。つまり余掘りによる土
砂の排出がスムーズで、したがって、カーブしたトンネ
ルの掘削も円滑に行える。
【0040】c) カッタービットや伸縮ロッドに対する
回り止めの機能を支持具に付与することができるので、
効率的に余掘りを行うことができるうえ、回り止めのた
めの特殊な構成を駆動手段に追加する必要がない。
【0041】また、請求項2に記載した補助カッター装
置の場合は、 d) カッタービットが地山から受ける力の方向に各支持
具が配置されているため、伸縮ロッドの変形や振動が有
効に防止される。
【0042】e) カッタービットの側部に棒状の支持具
を使用するため、その側部の付近に広い土砂取込み口を
形成でき、したがって上記b)の効果が得られやすい。
【0043】f) カッタービットの後部には当て板状の
支持具を使用するため、カッターディスクの厚さを増し
たりシールド掘進機を大型にしたりする必要がない。
【0044】請求項3の補助カッター装置では、 g) カッタービットがカッターディスクの外周上へ出没
するとき、カッタービットとの摩擦によって棒状の支持
具が曲げ変形を受けたり激しく摩耗したりする不都合が
生じない。そしてそれにもかかわらず、余掘りの際には
その棒状の支持具がカッタービットを支え、伸縮ロッド
の曲げ荷重を低減する。
【0045】h) 棒状の支持具が伸縮不能の簡単なもの
であるため、装置が低コストで構成される。
【0046】請求項4の補助カッター装置では、 i) カッタービットが出没動作をする時は支持具をカッ
タービットから離し、出没動作が停止したとき支持具を
カッタービットに当てることができるため、カッタービ
ットと支持具との間の摩耗を抑えるとともに、余掘りの
際のカッタービットや伸縮ロッドの荷重を最小限にする
ことができる。
【0047】j) 余掘り中、荷重の作用しない側にある
支持具を短くすることにより、土砂の取込み口をさらに
大きく開放して上記e)の効果を増大させることができ
る。
【0048】さらに、請求項5に記載の補助カッター装
置の場合は、 k) 流体圧シリンダを含む支持具にクッション効果をも
たせてカッタービットの動きを減衰させることができ、
それによってシールド掘進機内の精密機器の不具合や配
管の接続の緩みなどを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施について第一の形態を示す図であ
り、図1(a)は補助カッター装置10についての正面
図、同(b)は同(a)におけるb−b矢視図、また同(c)
は同(b)におけるc部詳細図である。
【図2】発明の実施について第二の形態を示すもので、
図2(a)は補助カッター装置10’の正面図、同(b)は
同(a)におけるb−b矢視図、また同(c)は、その補助
カッター装置10’の特殊な使用態様を示す正面図であ
る。
【図3】一般的なシールド掘進機を示す斜視図(図3
(a))、およびそのb部詳細図であって一般的な補助カ
ッター装置10”を示す正面図(同(b))である。
【符号の説明】
1 カッターディスク 10・10’ 補助カッター装置 11 カッタービット 12 伸縮ロッド 15 土砂の取込み口 21・41 棒状の支持具 31 当て板状の支持具 42 油圧(流体圧)シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機の回転式カッターディス
    クに配置され、同ディスクの外周上にカッタービットを
    出没させる補助カッター装置であって、 カッタービットに接触してその変位を抑制する支持具
    が、カッターチャンバー内への土砂の取込み口を塞ぐこ
    とのないようにカッターディスク上に設けられているこ
    とを特徴とするシールド掘進機の補助カッター装置。
  2. 【請求項2】 上記の支持具が、カッターディスクの正
    逆回転方向に延びた棒状のものと、カッタービットのす
    ぐ後部においてカッターディスク上に設けられた当て板
    状のものとを含むことを特徴とする請求項1に記載のシ
    ールド掘進機の補助カッター装置。
  3. 【請求項3】 上記した棒状の支持具が、カッタービッ
    トがわずかに変位したとき接触するように長さ調整され
    た伸縮不能のものであることを特徴とする請求項2に記
    載のシールド掘進機の補助カッター装置。
  4. 【請求項4】 上記した棒状の支持具が、カッタービッ
    トが出没動作をするときカッタービットから離れること
    のできる伸縮式のものであることを特徴とする請求項2
    に記載のシールド掘進機の補助カッター装置。
  5. 【請求項5】 上記した棒状の支持具が流体圧シリンダ
    を含むものであることを特徴とする請求項4に記載のシ
    ールド掘進機の補助カッター装置。
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