JP3065301U - 食品保存容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】内部の負圧状態を保ちながら食品を保存する容
器であって、構造が簡単で、安価に得られ、使用に当た
って特別の減圧操作を必要としないものを提供する。 【解決手段】 容器本体２と、それの開口２ａに気密に
嵌合される蓋３とで食品保存容器１を構成する。蓋３に
は、周辺部に容器本体２の開口２ａの周縁部２ｂへ弾性
的に気密に嵌合する嵌合部３ａを設けると共に、この嵌
合部３ａに囲まれた内側部位に、容器本体２内の負圧に
より容易に容器本体２内へ陥没するように撓む隔壁部３
ｂを設ける。この容器本体２内に食品を収容して加熱し
た後、容器本体２内の雰囲気が高温に保たれるうちに、
蓋３を嵌合して容器本体２を密閉する。容器本体２内の
空気は高温により膨張して酸素が比較的希薄となってい
る。その後容器本体２内の温度が下がると、空気が収縮
し、内部が負圧になるので、隔壁部３ｂが大気に押され
て容器本体２内へ陥没するように撓む。このような低酸
素状態で、品質を保ちながら、食品を比較的長期間保存
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、例えば乳幼児や病人用の加熱した食品を収容し、比較的長時間、 食品の質を保ちながら保存するための容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

食品の質を保ちながら比較的長時間これを保存する場合に、これを収容する容 器内の空気を抜いて食品に触れる酸素を減じることが行われている。そのような 減圧機能を備えた家庭用の食品保存容器も存在するが、構造が比較的複雑で高価 であるし、減圧操作が必ずしも容易でないという問題点がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、内部の負圧状態を保ちながら食品を保存する上記のような容器で あって、構造が簡単で、安価に得られ、使用に当たって複雑な減圧操作を必要と しないものを提供することを課題としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案においては、上記課題を解決するため、容器本体２と、それの開口２ａ に気密に嵌合される蓋３とで食品保存容器１を構成する。蓋３には、周辺部に容 器本体２の開口２ａの周縁部２ｂへ弾性的に気密に嵌合する嵌合部３ａを設ける と共に、この嵌合部３ａに囲まれた内側部位に、容器本体２内の負圧により容易 に容器本体２内へ陥没するように撓む隔壁部３ｂを設ける。 この容器本体２内に食品を収容し、蓋３を嵌合して容器本体２を密閉した後、 電子レンジで加熱すると、容器本体２内の空気は高温により膨張する。すると、 蓋３の嵌合部３ａが内圧により押し開らかれ、内部の空気が容器外へ排出される 。その後、容器本体２内の温度が下がると、容器本体２内の空気が収縮し、内部 が負圧になるので、隔壁部３ｂが大気に押されて容器本体２内へ陥没するように 撓む。しかし、嵌合部３ａは外気圧に押されて容器２に密着するので容器本体２ 内に外気が流入することはない。従って、容器本体２の内部は酸素が比較的希薄 となる。このような低酸素状態で、品質を保ちながら、食品を比較的長期間保存 する。 蓋３の嵌合部３ａを比較的肉厚に形成することにより、容器本体２に対する弾 性的嵌合力を強めて気密性を高め、長期にわたって内部の負圧を維持できるよう にする。これと併せて、隔壁部３ｂを比較的肉薄に形成することにより、これを 容器本体２内の負圧により容易に容器本体内へ陥没させ、嵌合部３ａからの外気 の侵入を最小に保つようにした。 また、容器本体２を耐熱ガラス製とし、また蓋３をシリコンゴム製とすること で、容器本体２に食品を収容して蓋３を嵌合し、電子レンジで加熱することで簡 単に内部の酸素を希薄化できるようにした。 蓋３の嵌合部３ａの周縁に、容器本体２の外側面から外方へ突出する摘み部３ ｃ設けることにより、容器内が負圧であっても比較的容易に蓋３を外すことがで きるようにした。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図面を参照して本考案の実施形態を説明する。図１は保存容器の分解斜視図、 図２は保存容器の平面図、図３は保存容器の断面図である。

【０００６】 食品保存容器１は、容器本体２と蓋３とから成る。容器本体２は耐熱ガラス製 、蓋３はシリコンゴム製である。容器本体２は、上方に開放する開口２ａを有す る。蓋３は、開口２ａを密閉するように、容器本体２に弾性的に嵌合される。

【０００７】 蓋３は、周辺部に容器本体２の開口２ａの周縁部２ｂへ弾性的に気密に嵌合す るための嵌合部３ａを備え、またこの嵌合部３ａに囲まれた内側部位に、隔壁部 ３ｂを備える。嵌合部３ａは、容器本体２の負圧により容易に気密を破壊するこ とがなように、十分な締め付け力で容器本体２の開口の周縁部２ｂへ嵌合する。 このために嵌合部３ａは比較的肉厚に形成されている。これに対して隔壁部３ｂ は、比較的肉薄に形成され、容器本体２内の負圧により容易に容器本体２内へ陥 没するように撓むことをができる。蓋３の嵌合部３ａの外周縁に、前記容器本体 ２の外側面から外方へ水平に突出する摘み部３ｃを備えている。

【０００８】 使用に当たり、例えば、容器本体２内に食品を収容し、蓋３を密閉した状態で 、電子レンジで加熱する。食品の加熱により、容器本体２内は高温となり、内部 空気が膨張して昇圧する。容器本体２内の高圧のため、嵌合部３ａが内側から比 較的容易に押し開らかれ、内部の吸気が容器本体２外へ排出される。空気の排出 により、容器本体２内は、酸素が比較的希薄な状態になる。一定以上の高温であ れば滅菌状態にもなる。電子レンジから取り出して、容器内部の温度が低下する と、空気が収縮して内部は負圧となり、隔壁部３ｂが大気に押されて柔軟に撓み 、容器本体２内へ陥没する。しかし、嵌合部３ａは、外気に押されて容器本体２ との密着状態を保つので、外気が容器本体２内に侵入することななく、容器本体 ２内は、酸素が希薄で無菌に近い状態が保たれる。このため、内部の食品を比較 的長期にわたり鮮度を保って保存することができる。食品の取り出し時には、内 部が負圧になっていても、摘み３ｃを摘んで比較的容易に開封することができる 。

【０００９】

【考案の効果】

以上のように、本考案においては、開口２ａを有する容器本体２と、開口２ａ を密閉するように容器本体２に弾性的に嵌合される蓋３とを具備させて食品保存 容器を構成し、蓋３には、周辺部に容器本体２の開口２ａの周縁部２ｂへ弾性的 に気密に嵌合する嵌合部３ａを設けると共に、この嵌合部３ａに囲まれた内側部 位に、容器本体２内の負圧により容易に内方へ撓んで陥没する隔壁部を設けため 、使用に当たって特別の減圧操作を必要とせず簡易に使用でき、これにより食品 を比較的長期にわたって変質なく保存でき、しかも構造が簡単で、安価に得られ るという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】保存容器の分解斜視図である。

【図２】保存容器の平面図である。

【図３】保存容器の断面図である。

【符号の説明】

１ 食品保存容器 ２ 容器本体 ２ａ 開口 ２ｂ 周縁部 ３ 蓋 ３ａ 嵌合部 ３ｂ 隔壁部 ３ｃ 摘み

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口を有する容器本体と、前記開口を密
   閉するように前記容器本体に弾性的に嵌合される蓋とを
   具備し、 前記蓋は、周辺部に前記容器本体の開口の周縁部へ弾性
   的に気密に嵌合するための嵌合部を備え、この嵌合部に
   囲まれた内側部位に、容器本体内の負圧により容易に容
   器本体内へ陥没するように撓む隔壁部を備えることを特
   徴とする食品保存容器。
2. 【請求項２】 前記蓋は、周辺部に前記容器本体の開口
   の周縁部へ弾性的に気密に嵌合するための比較的肉厚の
   嵌合部を備え、この嵌合部に囲まれた内側部位に、容器
   本体内の負圧により容易に容器本体内へ陥没するように
   撓む比較的肉薄の隔壁部を備えることを特徴とする請求
   項１に記載の食品保存容器。
3. 【請求項３】 前記容器本体が、耐熱ガラス製であるこ
   とを特徴とする請求項１又は２に記載の食品保存容器。
4. 【請求項４】 前記蓋が、シリコンゴム製であることを
   特徴とする請求項１又は２に記載の食品保存容器。
5. 【請求項５】 前記蓋の嵌合部の周縁に、前記容器本体
   の外側面から外方へ突出する摘み部を備えていることを
   特徴とする請求項１又は２に記載の食品保存容器。