JP3064865B2 - 耐hic性の優れた高強度高靱性鋼の製造法 - Google Patents
耐hic性の優れた高強度高靱性鋼の製造法Info
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Description
度高靱性鋼の製造方法、特に、API ×65規格以上の高い
母材強度を有しながら、HAZ 部全域にわたって優れた靱
性を確保し得る、例えば大径溶接鋼管用素材として有用
な高強度高靱性鋼の製造方法に関するものである。
介在物の形態制御加速冷却による組織改善などが行われ
てきた。
80以上) を有しながら、耐HIC 性を保つのは強度保証の
ために添加する合金元素 (特にMn) の影響で連続鋳造ス
ラブ中心部に硬化組織を生成させやすいことから困難で
ある。
号公報には、低C−低Mn−Nb−Ti系をベースにそれぞれ
0.5 %以下、0.3 %以下のCr、Moを複合添加した鋼にT
MCPを適用して高強度、高靱性でかつ耐HIC 性に優れ
る×80クラス鋼の製造方法が開示されている。
従来技術では、Nb、Moの複合添加は母材の強度、靱性向
上には有効であるが、HAZ 部の靱性を損なう可能性が強
い。
度、靱性の向上が図られると同時に、HAZ 部の靱性も確
保できる耐HIC 性に優れた×80クラス鋼の製造法を提供
することである。
題解決のために種々検討を重ねた結果、高い母材強度を
有しながらHAZ 部全域にわたって優れた靱性を確保し得
るために微細なTi−Mn−Al酸化物の分散技術を適用する
ことに着目し、さらに検討をしたところ次のような知見
を得た。
性を劣化させるとされるC、Mn、Pレベルを押さえなが
ら強度保証のためにNb、Moを複合添加する一方で、Nb、
Mo複合添加によって劣化するHAZ 部の靱性向上を図るべ
く、Ti−Mn−Al系酸化物を微細分散させ、これを粒内ア
シキュラーフェライトの核生成サイトとして活用するこ
とによってHAZ 部組織を微細化させ得る。
細化する技術は、サブマージドアーク溶接の溶接金属等
については一般的であるが、この方法を通常の鋼材に適
用しようとした場合、分散個数が遙に少なくなってしま
うため、所期の効果を十分に発揮させることは難しい。
考えられる。一つは分散し易い酸化物種を鋼中に形成さ
せることであり、もう一つは、組織微細化能の大きな酸
化物を鋼中に形成させることである。
抑制を念頭に置き、Al、Ti、Mnよりなる酸化物を鋼中に
形成させ、その場合の鋼の性能の調査を行った。
すなわち、 i)鋼中に分散した酸化物が、溶接熱影響部において粒内
フェライト析出核として機能するか否かは、分散する個
々の酸化物組成に強く依存する。 ii) 鋼中の酸化物が、Al酸化物、Ti酸化物、もしくはAl
−Ti酸化物である場合、HAZ部組織改善等の有用な効
果は殆ど得られない。
図1(a) および図1(b) の領域A、B、二つの領域に当
てはまる組成を持つ酸化物であり、これら単独、および
複合体を形成する場合の何れでも、良好なフェライト/
アシキュラーフェライト核となる。
生産に耐え得るほどに安定して形成させるためには、A
l、Mn、Ti以外の脱酸元素であるCおよびSiに対して、
その含有量に上限を設ける必要があり、C≦0.09%、Si
≦0.5 %としなければならない。ただし、Cについては
耐サワー性をも考慮している。
に相当する酸化物は形成されなくなる。しかし、添加量
を制限し、かつ、Ti、Alの添加に先立って添加し、添加
後の溶鋼中の溶存酸素量を10ppm 以上確保するならば、
領域A、Bに相当する酸化物を鋼中に分散させることが
可能で、優れたHAZ 部靱性を得ることができる。
に完成されたもので、その要旨とするところは、重量%
で、C:0.04〜0.09%、Si:0〜0.5 %、Mn:1.00〜1.
40%、P≦0.010 、S≦0.003 、Nb:0.005 〜0.060
%、Mo:0.05〜0.50%、Ti :0.005 〜0.025 %、Al≦
0.02%、O:0.0010〜0.0070%、N:0.0005〜0.0100
%、さらに必要に応じて、Cu:0.05〜1.5 %、Ni:0.05
〜1.5 %、Cr:0.05〜1.0 %、V:0.01〜0.1 %、Ca:
0.001 〜0.005 %、B:0.00005 〜0.0020%の1種また
は2種以上、残部はFeと不可避的不純物からなる鋼組成
を有し、かつ鋼材中に、大きさが0.2 〜20μmのAl−Ti
−Mn 3元系酸化物を主体とした酸化物が1mm2 あたり4
個以上分散し、この酸化物が下記〜式のうち式
を満足するか、または式を満足する鋼を、10
00〜1250℃の温度範囲に加熱した後、950 ℃以下の累積
圧下量を50%以上として780 〜900 ℃にて圧延を終了
し、760 ℃以上より冷却速度5〜50℃/secで、(i)350〜
600 ℃まで水冷、その後放冷するか、あるいは(ii) 350
℃以下まで水冷、その後600 ℃以下で焼戻し処理をする
ことを特徴とする耐HIC性の優れた高強度高靱性鋼の
製造法である。
物について、組成を適正範囲に制御して鋼中に分散させ
ることにより、特に、HAZ部、つまり溶接熱影響部に
おいて優れた組織微細化効果を得、靱性を向上させるこ
とができ、他の母材成分ならびに製造条件によって良好
な母材の強度、靱性および耐サワー性を合わせ持つこと
ができる。
上述のように限定した理由についてその作用とともに説
明する。なお、本明細書において、特にことわりがない
限り、「%」は重量%を意味する。
析部の硬度上昇、耐HIC 性の劣化を招くとされている
C、Mn、Pの配合を抑制しながら、一方強度保証のため
にNb、Moを複合添加し、今度はそのNb、Mo複合添加によ
って劣化するHAZ 部靱性の改善を図るべく、Ti−Mn−Al
系酸化物を微細分散させ、これを粒内アシキュラーフェ
ライトの核生成サイトとして活用することによってHAZ
部組織を微細化させることに特徴を有する。
0.04%未満であると、必要な強度が得られないので下限
は0.04%とした。一方、0.09%を超えると素材および溶
接継手部の靱性が劣化するので、上限は0.09%とした。
好ましくは、0.05〜0.08%である。
するとともに強度の向上に有効である。これらの効果を
得るために積極的に添加する場合、その下限は、0.05%
とするのが望ましい。一方、0.5 %を超えると島状マル
テンサイトの生成が促進されHAZ部靱性の劣化をもた
らすので、その上限は0.5 %とした。望ましいのは0.1
%以下である。
るのに有効である。X65グレード以上の素材強度を確保
するには1.00%以上のMn含有量が必要である。一方、1.
40%を超えると中心偏析部の硬度上昇に伴って耐HIC
性の劣化が顕著となるので上限は1.40%とした。好まし
くは、1.10〜1.30%である。
を有する。この効果を得るには0.005 %以上とする必要
がある。一方、0.060 %を超えると脆化の弊害の方が大
きくなるため、上限は0.060 %とした。好ましくは、0.
030 〜0.050 %である。
効果を通して制御圧延効果を増大させることによって、
強度を上昇させるのに有効である。この効果は特にNbと
の複合添加により増大する。これらの効果を得るには、
0.05%以上が必要である。一方、0.50%を超えると靱性
の劣化をもたらすため、上限は0.50%とした。好ましく
は、0.15〜0.30%である。
化を防止し、靱性を向上させるのに有効である。さらに
分散酸化物に含有させてAl−Ti−Mn系酸化物の形成を助
ける。この効果を得るには0.005 %以上とする必要があ
る。一方、0.025 %を超えると炭化物の析出によって靱
性が低下するため、また、本発明にとって本質的なAl−
Ti−Mn系酸化物が形成しにくくなるため、さらにHAZ
部組織微細化能の小さいTi2O3 に近いTi酸化物の形成を
防止するため、その上限は0.025%とした。好ましく
は、0.005 〜0.015 %である。
の形成を阻害するため、過剰な添加は行ってはならな
い。そのため、0.02%を上限とする。好ましくは0.005
%以下である。
必須であるため、酸化物の構成金属元素として、微量な
がら必ず含有せしめなければならない。ただし、酸化物
分散個数はかなり少なくとも充分に効果を発揮するた
め、Al量の下限もかなり少なくとも問題はなく、計算上
では0.0001%以上となる。この値は、Alの分析限界を大
きく下回るため、本発明では下限は設定しない。
を添加して溶存酸素濃度を充分に下げた後では、Ti、Mn
は酸化物中には含有されない。また、Tiを添加して充分
に溶存酸素を下げた後では、Mnは酸化物を形成せずAlも
酸化物中には含有させづらくなる。
がほぼ同時に最終脱酸に寄与することが必須であり、こ
れらの脱酸元素を添加した後、なおかつ10ppm 前後の溶
存酸素が確保されるように添加量条件を調節し、その後
に出鋼、凝固させなければならない。
を添加して酸素をキルし、Ti脱酸鋼においてはTiを添加
して酸素をキルして製造されていたため、Al−Ti−Mnの
複合酸化物が形成される条件が満足されることはなかっ
た。
物およびAl−Mn−Ti酸化物を含む複合酸化物を利用する
ため、すでに述べた理由から酸素には下限が必要であ
り、0.0010%以上は含有させることとした。
合、Al、Ti等によって充分に酸素を固定しても、鋼の清
浄度劣化が著しくなるため、母材およびHAZ部とも、
実用的な靱性を得ることができなくなる。好ましくは、
0.0010〜0.0040%である。
させる。通常は、鋼にTiを添加してTiNの形で固定して
無害化しているが、Nが0.0100%を超えて鋼中に存在す
る場合は、HAZ 部において加熱時にTiNが鋼中に固溶し
て、HAZ 部の硬化を招き、靱性が劣悪化する。このた
め、Nは0.0100%を上限とする。
とは、実際の生産の上では非常に難しく、経済性の観点
からこの値を本発明における下限値とする。なお、TiN
は、HAZ 部においてγ粒の成長を抑制し、HAZ 組織を微
細化するため、通常の溶接用鋼では、その分散量を確保
するために、Nはある程度含有させることが多い。
う場合は、しばしばTiNは高温に曝されて溶失し、その
効力を失う。しかも、本発明では、アシキュラーフェラ
イト析出によってγ粒は実質的に微細化されるため、γ
粒の粗大化はあまり悪影響を与えず、TiN分散のメリッ
トは小さい。むしろ、高温延性を確保し、連続鋳造等の
製造を容易にするためには、N量は低くした方が好まし
く、0.0005%としても問題は生じない。
割れの原因となり、MnS等の割れの起点となり得る介在
物を形成する。またTi−Al−Mn系酸化物上へのMnSの複
合析出を、HAZ 部靱性確保に影響のない程度に止めるた
めにも0.003 %以下、望ましくは0.001 %以下とする。
耐HIC 性を劣化させるため、本発明においては0.010 %
を上限とする。望ましくは0.008 %以下とする。
得るには0.05%以上の含有量が必要である。一方、1.5
%を超えると溶接性を劣化させる。
得るには0.05%以上の含有量が必要だある。一方、1.0
%を超えると溶接性を劣化させる。
の効果を得るには0.05%以上の含有量が必要である。一
方、1.5 %を超えると経済性を損なう。
強度を上昇させる。しかし、Nbほどの効果はないため、
最低0.01%の含有量とする必要がある。一方、0.1 %を
超えると靱性を損なう。
切なレベルであれば、耐HIC 性に有害なMnSの析出を防
止できるため下限を0.001 %とするが、一方過剰に含有
させるとTi−Al−Mn系酸化物等の酸化物を破壊するだけ
でなく硬質そのものの劣化をもたらすため上限を0.005
%とする。ただし、CaはMn、Ti、Alの脱酸元素の添加に
先立って添加する。
高めるためには有効な所望添加元素であるが、HAZ 部で
は、靱性の低い硬化組織を形成するため、通常、HAZ 靱
性確保の観点からは好まれない。
−Mn系酸化物が分散しており、Bの有無に関わらず、ア
シキュラーフェライトの非常に有効な核生成サイトとし
て機能する。このため、Bの添加が容認され、添加量が
20ppm を越えなければ、HAZ靱性はたとえ劣化したとし
ても許容できるレベルに留まる。
に増し、本発明のように鋼中にTi−Al−Mn系酸化物が分
散している場合は、粒内析出のフェライト量を増して組
織を微細化するため、微量であればHAZ部靱性を確実
に改善する。
粒は粗大化するため、γ粒界への偏析性の高いBは、母
材や小入熱のHAZ部に比べて、遙に少ない量で効果を
発揮する。本発明者らの検討によれば、Ti/Nを2以上
にしておけば、含有量0.5 〜4ppm でもHAZ 靱性確保に
は劇的な効果が得られる。なお、この場合、鋼中にTi−
Al−Mn系酸化物が分散していなければ、HAZ 部靱性の改
善は全く望めない。また、この添加量では、母材の強度
上昇には殆ど寄与しないため、強度には実質的に影響を
与えずに、HAZ 部性能をコントロールする成分設計が可
能になる。
非常に少ない含有量で効果を発揮するため、B添加量に
比較的厳しい上限が課せられる用途においても使用する
ことが可能となり、HAZ部靱性確保に有用である。
含有量は、HAZ 部靱性改善を主目的とする場合は、0.5
〜4ppm 、母材の強度確保を意図する場合は、4〜20pp
m の範囲とする。
プロセスの規模でも製造可能であるが、溶製に際して
は、Si、Mnによる予備脱酸後、予備脱酸に際して形成さ
れる微細な脱酸生成物の一部を溶鋼中に懸濁させ、なお
かつ溶存酸素を重量%にて0.002 %以上に調整する過程
が必要となる。続いて、Al濃度を重量%にて、0.0001%
以上0.005 %以下に調整し、しかる後に、Zr、Ti、Ca、
Mg、Hf、Y、および希土類元素を添加して、鋳造するこ
とが望ましい。また、実際の製造プロセスにおける鋳造
は、連続鋳造法によることが望ましい。これは、インゴ
ットによるよりは、生産効率が高く経済的であるだけで
なく、凝固時に冷却速度が大きく、酸化物を分散させ易
いあためである。条件式〜および、条件式
は、図1(a) 、(b) の領域AおよびBに相当する組成を
限定するためのものである。
について、Al+Ti+Mn=100 とするときのモル比にて、
HAZ組織微細化に有効な酸化物の組成を示す。図1
(b) は酸化物に混入する不純物 (金属) 元素量を4面体
の頂点に取って、本発明の組成範囲を表している。不純
物元素量は20mol%未満とする。
Mn−Ti 3元素を主要な構成元素とする酸化物である。領
域Bは同じく3元素系酸化物で、よりTiの比率の多い領
域を含む。共通の物性として、絶縁体であるAl2O3 やTi
2O3 に比して、遙に高い電気伝導度を持つことが挙げら
れる。逆に、領域E、D、Cでは、酸化物の伝導度は低
く、このような、低伝導度領域は、本発明範囲には入ら
ない。
酸化物はフェライトまたはアシキュラーフェライト核と
して有効であるという事実を得ており、本発明における
酸化物組成の限定範囲は、この事実を踏まえている。
独で分散している場合もあるが、領域Aに相当する酸化
物と複合粒子を形成している場合もある。このどちらの
場合も、酸化物粒子は良好なフェライト核またはアシキ
ュラーフェライト核として機能する。
粒子に、領域E、Cに相当する粒子が付着している場合
があるが、この場合でも、核として機能する。ただし、
領域E、Cに相当する組成をもつ粒子だけでは、望まし
い効果を得ることはできない。
を鋼中に形成させるためには、Mn添加量を過度に高める
と同時に、鋼中の全酸素量を高めなければならなくなる
ため、靱性が悪化し、特に厚鋼板等の用途に適用するこ
とは難しい。なお、領域Dに相当する組成の複合酸化物
は、理由は不明ながら鋼中に再現性良く形成させること
が難しかったため、本発明の範囲からは外した。
含有させた後では、TiやMnは酸化物を形成しない。その
ため、図1の領域A、Bに相当する複合酸化物を鋼中に
形成させるためには、最終脱酸後、Mn〜1%、Ti〜100p
pm、に制御し、なおかつ微量のAlを溶鋼に制御して供給
し、凝固させなければならない。この際、TiとAl量との
比に応じて、領域AとBの酸化物の形成量が変化する。
階で、Al、Ca、Mg、Y、Zr、Hfといった強脱酸元素を添
加することは、添加後の溶鋼中の溶存酸素量が10ppm 以
上を確保する場合は、許容される。
不安定で、安定して鋼中に分散させることが難しくなる
傾向がある。このため、0.5 mol%以上は含有しているこ
とが望ましい。しかし、組織微細化に対しては、Alの比
率が0.5 mol%未満の場合でも効果を発揮するため、領域
Bの本発明の範囲には、Al量の下限は設けない。
は、Al、Ti、Mnの他に、Ca、Mg、Y、Hf等がある。これ
らは、硫化物を形成してMnSの形成を抑制する点では望
ましいが、分散酸化物に混入する場合は、不純物と見な
される。このため、たとえAl、Ti、Mnの比率が式〜
を満足しても、Ca、Mg等の混入率が増した場合、望まし
い効果を得られなくなる場合がある。
は、30mol%までしか確認していない。そのため、式の
如く、酸化物への不純物混入率は、30mol%を上限とし
た。
の冷却速度で調整することが可能で、酸素量を増やせば
分散個数は増加し、酸素量を変更できない場合は、冷却
速度を大きくするほど分散個数は増える傾向にある。酸
素量は精錬条件の調整でコントロール可能である。一方
大型の鋼塊を鋳造する場合には、冷却速度を大きく取る
ことは難しくなり、分散個数は減少するが、4個/mm2
以上分散させられれば、充分なHAZ 部靱性を確保するこ
とができる。この分散個数は、連続鋳造設備によって鋳
造した場合には、容易に達成することができる。
プロセスの規模でも製造可能である。特に、実際の製造
プロセスにおける鋳造は、連続鋳造法によることが望ま
しい。これは、インゴットによるよりは、生産効率が高
く経済的であるだけでなく、凝固時の冷却速度が大き
く、酸化物を分散させ易いためである。
発明は、上述の素材鋼を、次の〜の工程と条件にし
たがって処理するものである。
℃まで水冷、その後放冷する。 あるいは、350 ℃以下まで水冷し、その後600 ℃以下
で焼戻し処理を施す。
させ、Nbの固溶促進という観点から1000℃以上とする。
一方、1250℃を越えるとγ粒が粗大化して靱性の劣化を
招く。
域) の累積圧下率は母材靱性向上のために50%以上とす
る。好ましくは900 ℃以下の累積圧下率60%以上とす
る。
ェライト) が析出し、耐HIC 性が劣化する。一方、900
℃を超えると組織の微細化が十分とならない。好ましく
は780 〜850 ℃である。
または設備的に不可避の空冷を挟んで加速強制冷却を行
う。冷却速度が5℃/秒未満では加速冷却の効果が得ら
れない。一方、50℃/秒を超えると過度の焼入れ組織と
なり、靱性が劣化する。好ましくは冷却速度10〜35℃/
秒である。
る強度上昇効果が不十分である。また、350 ℃未満では
著しい強度上昇があるものの靱性が劣化する。このた
め、水冷後に後述のテンパー処理を施さない場合には、
冷却停止温度を350 〜600 ℃とする。一方、著しい強度
上昇を目的とする場合には、低温変態生成物の形成を利
用するために350 ℃以下とする。
で形成された低温変態生成物は靱性の劣化にもつながる
ため、焼戻し処理を施す。しかし、焼戻し温度が650 ℃
を超えると強度低下が著しくなる。
示す条件で熱間圧延、水冷、焼戻し冷間を行った。
性を評価し、結果を表3にまとめて示す。図2(a) には
本発明例No.3の鋼中酸化物の分析結果を示す。同じく図
2(b) はNo.5、図2(c) はNo.8の結果をそれぞれ示す。
なお、これはEDX分析の結果である。
たって−40℃以下の仕様を満足できる高靱性を有し、か
つNACE液における耐HIC 性能に優れる鋼材を得ることが
できる。
し、図1(b) は不純物元素許容配位を示す図である。
をそれぞれ示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.04〜0.09%、 Si:0〜0.5 %、 Mn:1.00〜1.
40%、 P≦0.010 %、 S≦0.003 %、 Nb:0.005 〜
0.060 %、 Mo:0.05〜0.50%、 Ti:0.005 〜0.025 %、 Al≦0.
02%、 O:0.0010〜0.0070%、N:0.0005〜0.0100%、 残部はFeと不可避的不純物からなる鋼組成を有し、かつ
鋼材中に、大きさが0.2 〜20μmのAl−Ti−Mn 3元系酸
化物を主体とした酸化物が1mm2 あたり4個以上分散
し、この酸化物が下記〜式のうち式を満足す
るか、または式を満足する鋼を、1000〜1250℃
の温度範囲に加熱した後、950 ℃以下の累積圧下量を50
%以上として780 〜900 ℃にて圧延を終了し、760 ℃以
上より冷却速度5〜50℃/secで、(i)350〜600 ℃まで水
冷、その後放冷するか、あるいは(ii) 350℃以下まで水
冷、その後600 ℃以下で焼戻し処理をすることを特徴と
する耐HIC性の優れた高強度でHAZ部靱性に優れた
鋼の製造法。 (Ti+Mn+Al) > (酸化物粒子を構成する全金属元素) ×0.70(mol比) ・・・ 以下、Ti+Mn+Al=100 とした場合のmol 比にて (Ti+Mn) ≧80.0 mol% ・・・ 50.0mol%≧Mn≧7.0 mol % ・・・ 20.0mol%≧Al ・・ (Al+Mn) ≧40.0 mol% ・・・ 1.0≦ (Al/Mn)≦5.0 (in mol) ・・・ - 【請求項2】 前記鋼組成が、重量%で、さらにCu:0.
05〜1.5 %、Ni:0.05〜1.5 %、Cr:0.05〜1.0 %、
V:0.01〜0.1 %、Ca:0.001 〜0.005 %、B:0.0000
5 〜0.0020%の1種または2種以上を含有する請求項1
記載の耐HIC性の優れた高強度でHAZ部靱性に優れ
た鋼の製造法。
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1995
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川端、片岡、天野、工藤"耐サワーUOE鋼管の開発▲II▼ X65級鋼板におけるHIC発生伝搬特性及ぼす治金因子の検討"材料とプロセス Vol.2No.6P.1785(1989) |
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