JP3064267B2 - 2段膜分離システムを用いたsngの製造方法および製造装置 - Google Patents

2段膜分離システムを用いたsngの製造方法および製造装置

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JP3064267B2 JP29236398A JP29236398A JP3064267B2 JP 3064267 B2 JP3064267 B2 JP 3064267B2 JP 29236398 A JP29236398 A JP 29236398A JP 29236398 A JP29236398 A JP 29236398A JP 3064267 B2 JP3064267 B2 JP 3064267B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、SNG(代替天然
ガスともいう)の製造方法および製造装置、特に、炭化
水素原料を改質して得られる、メタンおよび炭酸ガスを
含む改質ガス等からSNGを製造するための製造方法お
よび製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ガスは、従来の石油系のものよりも
環境汚染が少なく、しかも長期に渡って安定した価格で
購入できる天然ガスに転換されつつあり、天然ガス基地
を近郊に有する大都市圏ではこの転換が略完了しつつあ
る。一方、中小都市圏は、近郊に天然ガス基地を持たな
い場合が多く、大都市圏のように天然ガスそのものを利
用するのは困難であり、天然ガスに代わる代替ガスの利
用が進められている。
【0003】ここで、天然ガスの代替ガスとしては、主
として2種類のものがある。一つは、大都市圏近郊にあ
る天然ガス基地から液化天然ガスをタンクローリー等に
より輸送して保冷タンクに蓄え、この液化天然ガスをガ
ス化した後に液化プロパンガスを用いて高カロリー規格
品に熱量調整したもの(以下、「LNG調整品」とい
う)である。他方は、脱硫した石油系炭化水素を水蒸気
改質することにより得られる、メタン、炭酸ガスおよび
水素などを含む改質ガスを調製し、この改質ガスから燃
焼阻害成分である炭酸ガスを分離して得られるメタンリ
ッチガスを液化プロパンガス等を用いて高カロリー規格
品に熱量調整したもの(以下、「SNG」あるいは「代
替天然ガス」ともいう)である。
【0004】上述のような2種類の代替ガスのうち、前
者のLNG調整品は、液化天然ガスの輸送コストが高額
になり、安価に提供するのが困難な状況にある。このた
め、後者の代替天然ガスの利用が今後主流になるものと
思われる。因みに、このような代替天然ガスは、中小都
市圏のみならず、大都市圏においても、天然ガスの供給
不足が生じた場合の補完燃料としての利用が期待されて
いる。
【0005】ところで、上述のSNGは、還流式2段膜
分離システムを備えた製造装置を用いて製造されてい
る。この製造装置は、通常、改質ガス等を、メタンの含
有割合が高められた第1段メタンリッチガス(非透過ガ
ス)と、炭酸ガスの含有割合が高められた第1段炭酸ガ
スリッチガス(透過ガス)とに分離するための分離膜を
有する第1段膜分離装置と、第1段メタンリッチガスを
増熱して総発熱量が11,000Kcal/Nm3の1
3A規格のSNGを製造するための増熱器と、第1段炭
酸ガスリッチガスを、メタンの含有割合が高められた第
2段メタンリッチガス(非透過ガス)と炭酸ガスの含有
割合がより高められた第2段炭酸ガスリッチガス(透過
ガス)とにさらに分離するための第2段膜分離装置と、
第1段膜分離装置により得られた第1段炭酸ガスリッチ
ガスを第2段膜分離装置に供給するための供給ラインと
を備えている(例えば、特開平9−310082号公報
参照)。
【0006】この製造装置では、改質ガス等を第1段膜
分離装置で処理することにより得られる、燃焼阻害成分
である炭酸ガスの含有割合が少ない第1段メタンリッチ
ガスを、例えば液化プロパンガス等を用いて増熱器にお
いて熱量調整すると、総発熱量が11,000Kcal
/Nm3の13A規格のSNGが得られる。第1段膜分
離装置において得られる第1段炭酸ガスリッチガスは、
供給ラインを介して第2段膜分離装置により処理され
る。第2段膜分離装置において得られる第2段メタンリ
ッチガスは、通常、第1段膜分離装置により処理される
前の改質ガス等と混合され、SNGの製造用原料として
還流される。一方、第2段膜分離装置において得られる
第2段炭酸ガスリッチガスは、少量のメタンや水素を含
むため、通常はSNGの製造用の燃料として有効に活用
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のような総発熱量
が11,000Kcal/Nm3の13A規格のSNG
(以下、単にSNGともいう。なお、特に断らない限
り、「SNG」といえば、原則として総発熱量が11,
000Kcal/Nm3の13A規格のSNGをいうも
のとする。)の製造装置において、第2段膜分離装置が
使用不能の状態に陥った場合(非常時ともいう)、例え
ば、第2段膜分離装置のメンテナンスが必要な場合や、
供給ラインのコンプレッサーに作動不良が生じた場合、
第1段膜分離装置で生成した第1段炭酸ガスリッチガス
を第2段膜分離装置に供給することができなくなる。こ
の場合、第1段膜分離装置における第1段メタンリッチ
ガスのメタン濃度が低下し、総発熱量が11,000K
cal/Nm3の13A規格のSNGを安定に製造し続
けるのが困難になる。その結果、SNGの安定的な連続
供給を確保するのが困難になる。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、2段膜
分離システムを採用したSNGの製造方法および製造装
置について、例え第2段膜分離装置が使用できない状態
に陥った場合であっても、すなわち非常時であっても、
総発熱量が11,000Kcal/Nm3の13A規格
のSNGを継続的に安定して製造できるようにし、ガス
の安定供給という都市ガス事業者の責務を全うできるよ
うにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、総
発熱量が11,000Kcal/Nm3の13A規格の
SNGの製造方法であり、改質ガス等を、炭酸ガスとメ
タンとの透過係数比(炭酸ガス/メタン)が13以上の
分離膜を有する第1段膜分離装置に送り、非透過ガスと
してメタンリッチガス(第1段メタンリッチガスともい
う)を得て、LPG増熱装置により増熱して総発熱量が
11,000Kcal/Nm3の13A規格のSNGと
する一方、第1段膜分離装置の透過ガス(第1段炭酸ガ
スリッチガスともいう)を第2段膜分離装置に送り、第
2段膜分離装置の非透過ガス(第2段メタンリッチガス
ともいう)を還流させて改質ガス等と混合させ、この混
合ガスを第1段膜分離装置に送り、第2段膜分離装置の
透過ガス(第2段炭酸ガスリッチガスともいう)として
炭酸ガスリッチガスを得る還流式2段膜分離システムを
用いてSNGを製造する方法において、第2段膜分離装
置が使用できない場合には、第1段膜分離装置の透過ガ
スを第2段膜分離装置へ送っていたのを切り替えて副供
給ラインへ流す一方、第1段膜分離装置の非透過ガスを
LPG増熱して総発熱量11,000Kcal/Nm3
の13A規格のSNGを製造することを特徴としてい
る。
【0010】この製造方法では、例えば、改質ガス等の
一部を水添脱硫用のリサイクルガスに供することにより
改質ガス等を得ることを特徴としている。また、この製
造方法で用いられる改質ガス等は、例えば、改質ガスま
たはメタン化ガスまたは改質ガスとメタン化ガスとの混
合ガスである。さらに、この製造方法は、第2段膜分離
装置が使用可能の状態時において製造される総発熱量が
11,000Kcal/Nm3の13A規格のSNG中
の炭酸ガス濃度が通常2.0以下であることを特徴とし
ている。
【0011】本発明の製造装置は、総発熱量が11,0
00Kcal/Nm3の13A規格のSNGの製造装置
であり、改質ガス等を、炭酸ガスとメタンとの透過係数
比(炭酸ガス/メタン)が13以上の分離膜を有する第
1段膜分離装置に送り、非透過ガスとしてメタンリッチ
ガスを得る一方、第1段膜分離装置の透過ガスを第2段
膜分離装置に送り、第2段膜分離装置の非透過ガスを還
流させて改質ガス等と混合させ、この混合ガスを第1段
膜分離装置に送り、第2段膜分離装置の透過ガスとして
炭酸ガスリッチガスを得る還流式2段膜分離システムを
含むSNGの製造装置において、第1段膜分離装置の非
透過ガスをLPG増熱するための増熱器を設けて、かつ
第1段膜分離装置の透過ガスを第2段膜分離装置に送る
供給ラインの途中に分岐させて副供給ラインを設けたこ
とを特徴としている。
【0012】
【0013】この製造装置において、改質ガス等は、例
えば、改質ガスまたはメタン化ガスまたは改質ガスとメ
タン化ガスとの混合ガスである。また、この製造装置
は、第2段膜分離装置が使用可能の状態時において製造
される総発熱量が11,000Kcal/Nm3の13
A規格のSNG中の炭酸ガス濃度が通常2.0以下であ
ることを特徴としている。
【0014】なお、本発明に係るSNGの製造装置は、
例えば、次のように表現することもできる。 [1項]炭化水素原料を脱硫した後、改質して得られ
る、メタンおよび炭酸ガスを含む改質ガス等からSNG
を製造するための製造装置であって、前記改質ガス等
を、前記メタンの含有割合が高められた第1段メタンリ
ッチガスと、前記炭酸ガスの含有割合が高められた第1
段炭酸ガスリッチガスとに分離するための分離膜を有す
る第1段膜分離装置と、前記第1段メタンリッチガスを
増熱して前記SNGを得るための増熱器と、前記第1段
炭酸ガスリッチガスを、前記メタンの含有割合が高めら
れた第2段メタンリッチガスと、前記炭酸ガスの含有割
合がより高められた第2段炭酸ガスリッチガスとにさら
に分離するための第2段膜分離装置と、前記第1段膜分
離装置により得られた前記第1段炭酸ガスリッチガスを
前記第2段膜分離装置に供給するための供給ラインと、
前記第2段膜分離装置により得られた前記第2段メタン
リッチガスを、前記改質ガスと混合するための還流ライ
ンとを備え、前記供給ラインは、途中で前記第1段炭酸
ガスリッチガスを前記第2段膜分離装置に供給するため
の主供給ラインと、前記第1段炭酸ガスリッチガスを前
記第2段膜分離装置とは異なる他の系に供給するための
副供給ラインとに分岐しており、前記第1段炭酸ガスリ
ッチガスの流通方向を前記主供給ラインおよび前記副供
給ラインのうちの一方に選択的に切替え可能に設定され
ている、SNGの製造装置。
【0015】[2項]前記第1段膜分離装置の前記分離
膜は、前記炭酸ガスと前記メタンとの透過係数比(炭酸
ガス/メタン)が少なくとも13である、1項に記載の
SNGの製造装置。
【0016】[3項]前記SNGは総発熱量が11,0
00Kcal/Nm3の13A規格ガスである、1項ま
たは2項に記載のSNGの製造装置。
【0017】[4項]炭化水素原料を脱硫した後、改質
してメタンおよび炭酸ガスを含む改質ガス等を調製する
ための改質ガス製造装置と、前記改質ガス等を、前記メ
タンの含有割合が高められた第1段メタンリッチガス
と、前記炭酸ガスの含有割合が高められた第1段炭酸ガ
スリッチガスとに分離するための分離膜を有する第1段
膜分離装置と、前記第1段メタンリッチガスを増熱して
前記代替天然ガスを得るための増熱器と、前記第1段炭
酸ガスリッチガスを、前記メタンの含有割合が高められ
た第2段メタンリッチガスと、前記炭酸ガスの含有割合
がより高められた第2段炭酸ガスリッチガスとにさらに
分離するための第2段膜分離装置と、前記第1段膜分離
装置により得られた前記第1段炭酸ガスリッチガスを前
記第2段膜分離装置に供給するための供給ラインと、前
記第2段膜分離装置により得られた前記第2段メタンリ
ッチガスを、前記改質ガス製造装置により調製された前
記改質ガスと混合するための還流ラインとを備え、前記
供給ラインは、前記第1段炭酸ガスリッチガスを前記第
2段膜分離装置に供給するための主供給ラインと、前記
第1段炭酸ガスリッチガスを前記第2段膜分離装置とは
異なる他の系に供給するための副供給ラインとに分岐し
ており、前記第1段炭酸ガスリッチガスの流通方向を前
記主供給ラインおよび前記副供給ラインのうちの一方に
選択的に切替え可能に設定されている、SNGの製造装
置。
【0018】1項および4項に記載の総発熱量が11,
000Kcal/Nm3の13A規格のSNGの製造装
置では、第1段膜分離装置の分離膜により改質ガスが第
1段メタンリッチガスと第1段炭酸ガスリッチガスとに
分離される。これにより得られた第1段メタンリッチガ
スは、増熱器により増熱され、目的とする代替天然ガス
になる。一方、第1段炭酸ガスリッチガスは、供給ライ
ンの主供給ラインを通じて第2段膜分離装置に送られ、
そこで第2段メタンリッチガスと第2段炭酸ガスリッチ
ガスとに再度分離される。ここで得られた第2段メタン
リッチガスは、還流ラインを通じて第1段膜分離装置に
より分離される前の改質ガス等に混合され、SNGの製
造のために第1段膜分離装置に供給される。また、第2
段炭酸ガスリッチガスは、例えば、本製造装置を動作さ
せるために必要な燃料源として再利用され得る。
【0019】このようなSNGの製造装置において、例
えば第2段膜分離装置が使用不能の状態に陥った場合、
供給ラインにおいて第1段炭酸ガスリッチガスの流路を
主供給ラインから副供給ラインに切替えると、第1段膜
分離装置からの第1段炭酸ガスリッチガスは、第2段膜
分離装置を経由せずに副供給ラインから排出される。こ
れにより、第1段膜分離装置では、分離膜による改質ガ
ス等の分離が継続され、第1段メタンリッチガスが安定
に製造され続ける。この結果、増熱器では、SNGが安
定的に連続生産されることになる。すなわち、このよう
なSNGの製造装置は、第1段膜分離装置からの第1段
炭酸ガスリッチガスを第2段膜分離装置へ移送するため
の供給ラインが上述のような副供給ラインを有している
ので、第2段膜分離装置が例え使用できない場合(非常
時)であっても、総発熱量が11,000Kcal/N
3の13A規格のSNGを継続的に安定して製造する
ことができる。
【0020】なお、第1段膜分離装置において、分離膜
の炭酸ガスとメタンとの透過係数比(炭酸ガス/メタ
ン)が少なくとも13である場合は、第1段メタンリッ
チガス中のメタン濃度を十分に確保することができるの
で、より安定的にSNGを製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の実施の一形態に
係る総発熱量が11,000Kcal/Nm 3の13A
規格のSNG製造装置の概略構成を示す。図において、
SNG製造装置1は、脱硫器5、改質器6、メタン化反
応器7、還流式2段膜分離システム20および増熱器1
2を主に備えている。
【0022】脱硫器5は、SNGの製造原料となる炭化
水素を導入するための原料供給ライン4が接続されてお
り、炭化水素中に含まれる有機硫黄化合物を除去するた
めのものである。改質器6は、脱硫器5で処理された炭
化水素を水蒸気改質するためのものである。メタン化反
応器7は、改質器6において水蒸気改質されたガスをさ
らにメタン化処理するためのものである。通常は、改質
器6とメタン化反応器7との間には、改質器6で水蒸気
改質されたガスの一部を脱硫器5の前段において原料供
給ライン4に還流させるための水素リサイクルライン8
を備えている。
【0023】還流式2段膜分離システム20は、第1段
膜分離装置9、第2段膜分離装置10および供給ライン
9bを主に備えている。
【0024】第1段膜分離装置9は、メタン化反応器7
に接続されており、当該メタン化反応器7からのメタン
化ガス(改質ガス等の一例)を分離処理するための分離
膜(図示せず)を内蔵している。この分離膜は、メタン
化ガスを後述する第1段メタンリッチガスと第1段炭酸
ガスリッチガスとに分離するためのものである。また、
第1段膜分離装置9は、第1段メタンリッチガスを排出
するための排出ライン9aを有している。
【0025】この第1段膜分離装置9で用いられる分離
膜は、炭酸ガスを選択的に透過させ得る特性を有するも
の、すなわち、炭酸ガスを透過させ易く、メタンガスを
透過させ難い特性を有するものである。このような分離
膜は、材質や形状が特に限定されるものではないが、通
常、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、セルロース、
アセテート、ポリスルホン、ポリビニルアセテートまた
はカルド型ポリマーなどを用いて形成された中空糸膜か
らなるのが好ましい。
【0026】また、この分離膜は、炭酸ガスとメタンと
の透過係数比(炭酸ガス/メタン)が少なくとも13、
すなわち13以上のものが好ましい。この透過係数比が
13未満の場合は、非常時の場合に第1段メタンリッチ
ガス中のメタン濃度が低下し、安定的にかつ効率的に総
発熱量が11,000Kcal/Nm3の13A規格の
SNGを連続生産するのが困難になる場合がある。な
お、当該透過係数比のより好ましい範囲は少なくとも1
5、より好ましい範囲は少なくとも18、さらに好まし
い範囲は少なくとも20である。
【0027】第2段膜分離装置10は、供給ライン9b
を介して第1段膜分離装置9に接続されており、第1段
膜分離装置9からの第1段炭酸ガスリッチガスを分離す
るための分離膜(図示せず)を内蔵している。この分離
膜は、例えば第1段膜分離装置9に内臓されているもの
と同様のものであり、第1段炭酸ガスリッチガスを後述
する第2段メタンリッチガスと第2段炭酸ガスリッチガ
スとにさらに分離するためのものである。また、第2段
膜分離装置10は、第2段メタンリッチガスを再利用す
るための還流ライン10aを有している。この還流ライ
ン10aは、メタン化反応器7と第1段膜分離装置9と
の間に接続している。さらに、第2段膜分離装置10
は、第2段炭酸ガスリッチガスを排出するための排出路
10bを有している。
【0028】供給ライン9bは、第1段膜分離装置9と
第2段膜分離装置10とを接続するためのものであり、
主供給ライン9cと副供給ライン9dの2つに分岐して
いる。主供給ライン9cは、第1バルブ13とコンプレ
ッサー15とを有しており、第2段膜分離装置10に接
続している。一方、副供給ライン9dは、第2バルブ1
4を有しており、第2段膜分離装置10からの排出路1
0bに接続している。
【0029】増熱器12(LPG増熱装置の一例)は、
第1段膜分離装置9からの第1段メタンリッチガスを増
熱して総発熱量が11,000Kcal/Nm3の13
A規格のSNGを製造するためのものであり、第1段膜
分離装置9からの排出ライン9aおよび原料供給ライン
4から分岐された増熱LPG供給ライン4aが接続され
ている。
【0030】次に、上述のSNG製造装置1を用いた、
総発熱量が11,000Kcal/Nm3の13A規格
のSNGの製造方法を説明する。このSNG製造装置1
では、脱硫器5、改質器6およびメタン化反応器7によ
り炭化水素を改質ガス等(ここではメタン化ガス)に変
換し、この改質ガス等を還流式2段膜分離システム20
に供給し、さらに還流式2段膜分離システム20におい
て第1段メタンリッチガスを得て増熱器12で増熱する
ことによりSNGを製造する。SNG製造装置1では、
通常、還流式2段膜分離システム20の供給ライン9b
において、第1バルブ13が開放されかつ第2バルブ1
4が閉鎖されている。
【0031】SNGを製造するに際しては、先ず、原料
供給ライン4に製造原料となる炭化水素(例えば、液化
プロパンガス(LPG))が供給される。原料供給ライ
ン4に供給された炭化水素は、図示しない熱交換器によ
り加熱され、脱硫器5における水素脱硫反応に適した温
度(通常は300〜420℃、好ましくは350〜40
0℃、より好ましくは370〜390℃)に設定され
る。この際、炭化水素には、図示しないガス供給ライン
から供給される水添用ガスが予め混合される。
【0032】このようにして温度調整されかつ水添用ガ
スが混合されて脱硫器5内に導かれた炭化水素中に含ま
れる有機硫黄化合物は、脱硫器5内に配置された水添用
触媒上で水添用ガス中に含まれる水素と反応して硫化水
素になる。この硫化水素は、同じく脱硫器5内に配置さ
れた酸化亜鉛触媒に吸着される。これにより、炭化水素
は、それに含まれる有機硫黄化合物が所定濃度以下まで
低減される、すなわち脱硫されることになる。
【0033】このようにして脱硫された炭化水素は、次
に改質器6に送られる。この際、炭化水素には、予め水
蒸気供給ラインから水蒸気が混合される。改質器6にお
いて、水蒸気が混合された炭化水素は、所定温度(通
常、50〜600℃程度、好ましくは400〜550℃
程度、より好ましくは450〜500℃程度)に加熱さ
れ、水蒸気改質される。この結果、炭化水素は、主とし
てメタン、一酸化炭素、炭酸ガス、水素および水蒸気を
含む改質ガスに変換される。
【0034】なお、このようにして得られた改質ガス
は、十分な量の水素を含むため、水素リサイクルライン
8を経由して一部を脱硫器5の前段にリサイクルさせる
と、上述の水添用ガスとして活用することができる。
【0035】次に、得られた改質ガスは、メタン化反応
器7内に導入される。メタン化反応器7内において、改
質ガス中に含まれる一酸化炭素および炭酸ガスの一部が
公知のメタン化反応触媒上で水素と反応してメタンにな
る。この結果、改質ガスは、中のメタン濃度が高めら
れ、メタン化ガスになる。
【0036】このようなメタン化反応器7内におけるメ
タン化工程は、温度が低い程進行し易いので、通常は改
質器6からの改質ガスに対して水を供給し、当該改質ガ
スの温度を低下させる。因みに、改質ガスの温度は、通
常、メタン化反応器7の出口温度が200〜500℃程
度、好ましくは250〜400℃程度、より好ましくは
250〜320℃程度になるよう設定する。この設定温
度が200℃未満の場合は、メタン化反応が起こりにく
くなり、改質ガス中のメタン濃度を十分に高めるのが困
難になる場合がある。逆に、500℃を超える場合は、
メタン化が進行しにくくなる一方でメタン化反応触媒が
劣化しやすくなり、不経済である。
【0037】このようにして製造されたメタン化ガス
は、通常、図示しない乾燥器により除湿される。乾燥器
は、メタン化ガスに対して冷却または加熱処理を施すこ
とにより、メタン化ガスを除湿する。なお、メタン化ガ
スがこのような除湿処理されない場合は、後述する還流
式2段膜分離システム20の第1段膜分離装置9におい
て、メタン化ガス中に含まれる水分が分離膜の表面に凝
縮して付着し、当該分離膜の分離性能に悪影響を与える
場合がある。
【0038】メタン化ガスは、次に還流式2段膜分離シ
ステム20および増熱器12により総発熱量が11,0
00Kcal/Nm3の13A規格のSNGに変換され
る。ここでは、先ず、メタン化ガスが第1段膜分離装置
9内に導入される。第1段膜分離装置9内において、メ
タン化ガスは、分離膜を透過したガス成分と分離膜を透
過しないガス成分とに分離される。ここでは、上述のよ
うに分離膜がメタンよりも炭酸ガスを透過させ易く設定
されているため、メタン化ガスに含まれる炭酸ガスの大
部分は分離膜を透過するが、メタン化ガスに含まれるメ
タンの大部分は分離膜を透過しない。このため、この第
1段膜分離装置9において、メタン化ガスは、メタンの
含有割合が高められた(すなわち、炭酸ガスの大部分が
除去された)第1段メタンリッチガス(すなわち、非透
過ガス)と、炭酸ガスの含有割合が高められた(すなわ
ち、メタンの大部分が除去された)第1段炭酸ガスリッ
チガス(すなわち、透過ガス)との2つのガスに分離さ
れることになる。
【0039】このようにして第1段膜分離装置9におい
て得られた第1段メタンリッチガスは、第1段膜分離装
置9から排出ライン9aを流れて増熱器12に送られ、
そこで増熱LPG供給ライン4aからのLPGが混合さ
れて増熱される。これにより、増熱器12では、第1段
メタンリッチガスから総発熱量が11,000Kcal
/Nm3の13A規格のSNGが製造される。因みに、
ここで得られるSNGは、第1段膜分離装置9で用いら
れる分離膜の透過係数比が上述のように設定されている
ため、燃焼阻害成分である炭酸ガスの濃度が通常2.0
以下である。なお、この炭酸ガス濃度は、分離膜の透過
係数比を高めた場合、1.5以下にすることも可能であ
る。
【0040】一方、第1段膜分離装置9において得られ
た第1段炭酸ガスリッチガスは、第1段膜分離装置9か
ら供給ライン9bに送られ、コンプレッサー15により
圧送されながら主供給ライン9cを通って第2段膜分離
装置10内に導入される。第2段膜分離装置10におい
て、第1段炭酸ガスリッチガスは、分離膜を透過したガ
ス成分と分離膜を透過しないガス成分とに再度分離され
る。ここでは、上述のように分離膜がメタンよりも炭酸
ガスを透過させ易く設定されているため、第1段炭酸ガ
スリッチガスの大部分を占める炭酸ガスの大部分は分離
膜を透過するが、第1段炭酸ガスリッチガスに含まれる
少量のメタンの大部分は分離膜を透過しない。このた
め、この第2段膜分離装置10において、第1段炭酸ガ
スリッチガスは、メタンの含有割合が高められた(すな
わち、炭酸ガスの大部分が除去された)第2段メタンリ
ッチガス(すなわち、非透過ガス)と、炭酸ガスの含有
割合がより高められた(すなわち、メタンがさらに除去
された)第2段炭酸ガスリッチガス(すなわち、透過ガ
ス)との2つのガスに分離されることになる。
【0041】このようにして第2段膜分離装置10にお
いて得られた第2段メタンリッチガスは、還流ライン1
0aを通ってメタン化反応器7からのメタン化ガス(改
質ガス等の一例)に混合された後、再度第1段膜分離装
置9内に導入される。一方、第2段炭酸ガスリッチガス
は、排出路10bを通って外部に排出される。排出路1
0bから排出された第2段炭酸ガスリッチガスは、メタ
ンあるいは水素を含んでいるため、SNG製造装置1を
駆動するための燃料、例えば、脱硫器5内に導入される
炭化水素を加熱するための燃料等として有効に再利用さ
れ得る。
【0042】SNG製造装置1における上述のようなS
NGの製造過程において、コンプレッサー15の故障
のために第1段膜分離装置9からの第1段炭酸ガスリッ
チガスを第2段膜分離装置10に供給することが出来な
い場合、第2段膜分離装置10そのものまたはその分
離膜の交換が必要なために第2段膜分離装置10を使用
出来ない場合、または都市ガス需要が減少する夜間に
おいて、SNG製造装置1を所謂ホットスタンバイ状態
(SNG製造装置1を加熱状態に設定したままSNGの
製造を一時的に停止する状態)に設定した後に再始動を
試みた際にコンプレッサー15等の作動不良が生じ、第
1段膜分離装置9からの第1段炭酸ガスリッチガスを第
2段膜分離装置10に向けて送ることができなくなった
場合などの、第2段膜分離装置10が使用不能の非常時
(単に非常時ともいう)においては、供給ライン9bに
おいて第1バルブ13を閉鎖すると共に第2バルブ14
を開放する。これにより、第1段膜分離装置9からの第
1段炭酸ガスリッチガスは、供給ライン9bの副供給ラ
イン9dを通って第2段膜分離装置10からの排出路1
0b内に流れ、第2段膜分離装置10を経由せずにSN
G製造装置1において燃料として再利用されるか、ある
いは外部に排出される。なお、上記において、第1段炭
酸ガスリッチガスは、必ずしも排出路10b内に流れな
くてもよく、副供給ライン9dを通った後、別の経路を
通って燃料として再利用等されればよい。
【0043】このような非常時の場合、第1段膜分離装
置9においては、副供給ライン9dにより第1段炭酸ガ
スリッチガスの排出が確保されるため、第2段膜分離装
置10が使用不能状態であるにも拘わらず、引き続き改
質ガスを分離して第1段メタンリッチガス中のメタンを
高濃度に維持し続けることができる。このため、増熱器
12は、第1段膜分離装置9からメタン濃度の高い第1
段メタンリッチガスが供給され続けることになるので、
総発熱量が11,000Kcal/Nm3の13A規格
のSNGを継続的に安定して製造し続けることができ
る。
【0044】すなわち、第1段膜分離装置9は、上述の
ような透過係数比の分離膜を用いているので、第1段メ
タンリッチガス中のメタン濃度をSNGの製造に適した
濃度範囲に維持することができる(すなわち、第1段メ
タンリッチガス中の炭酸ガス濃度を抑制することができ
る)。このため、増熱器12においては、例え上述のよ
うな非常時であっても、Wobbe指数が所定範囲(1
2,600〜13,800)でありかつ燃焼速度Mcp
が所定範囲(35.0〜47.0)内にある、総発熱量
が11,000Kcal/Nm3に設定された13A規
格のSNGを安定して製造することができる。このた
め、都市ガス事業者は、このSNG製造装置1を用いた
場合、第2段膜分離装置10が使用不能状態に陥った場
合(すなわち非常時)であっても、ガス事業法に定めら
れた都市ガスの安定供給責務を達成することができる。
【0045】また、第1段膜分離装置9では、上述のよ
うな分離膜を用いているために、第1段メタンリッチガ
スの生成量に比べて第1段炭酸ガスリッチガスの生成量
を少なくできる。このため、第1段膜分離装置9から排
出される第1段炭酸ガスリッチガスは、SNG製造装置
1内で消費可能な量に抑制されることになり、SNG製
造装置1の系外に余剰ガスとして排出する必要性が少な
くなる。なお、第1段膜分離装置9において透過係数比
を大きくすれば、SNG製造装置1の系外に余剰ガスと
して排出しないようにすることができる。
【0046】なお、上述の非常時状態が解消され、第2
段膜分離装置10が使用可能状態に復帰した場合、第1
バルブ13を開放しかつ第2バルブ14を閉鎖して第1
段膜分離装置9からの第1段メタンリッチガスが主供給
ライン9cを経由して第2段膜分離装置10へ再度送ら
れるように設定すると、通常のSNG製造工程が再開さ
れる。
【0047】[他の実施の形態] (1)上述の実施の形態では、SNG製造装置1がメタ
ン化反応器7を備えている場合、すなわち、改質ガス等
がメタン化ガスである場合について説明したが、メタン
化反応器7を省略した場合、すなわち、改質器6からの
改質ガスをそのまま代替天然ガス製造装置3に導入する
ように構成した場合も本発明を同様に実施することがで
きる。また、メタン化反応器7からのメタン化ガスと、
改質器6からの改質ガスとを混合したガスを改質ガス等
として用い、当該改質ガス等を還流式2段膜分離システ
ム20に導入するように構成した場合も本発明を同様に
実施することができる。
【0048】(2)上述の実施の形態では、供給ライン
9bにおいて主供給ライン9cと副供給ライン9dとの
選択を第1バルブ13および第2バルブ14の2つのバ
ルブの操作により実施したが、主供給ライン9cと副供
給ライン9dとの接続部に三方バルブを配置して主供給
ライン9cと副供給ライン9dとを選択するように構成
した場合も本発明を同様に実施することができる。
【0049】(3)上述の実施の形態では、SNGの製
造原料である炭化水素としてLPGを用いた場合につい
て説明したが、LPGに代えてナフサなどの他の原料を
用いた場合も本発明を同様に実施することができる。た
だし、増熱LPG供給ライン4aを通じて増熱器12に
は、LPGを供給することはいうまでもない。この場
合、増熱LPG供給ライン4aは、原料供給ライン4か
ら分岐させるのではなく、別途設置したLPG供給源か
らLPGを供給するように設定する。
【0050】
【実施例】実施例1 上述の実施の形態に係るSNG製造装置1において、メ
タン化反応器7を取り外し、改質器6からの改質ガス
(改質ガス等の一例)が直接に第1段膜分離装置9に導
入されるように設定した。この際、第1段膜分離装置9
の分離膜として炭酸ガス/メタンの透過係数比が20の
ものを用いた。そして、第1バルブ13を閉鎖しかつ第
2バルブ14を開放して第2段膜分離装置10が使用不
能の状態(以下、非常時あるいは非常状態という)に設
定し、原料として液化プロパンガスを用いてSNGを製
造した。SNGの製造過程において製造された改質ガ
ス、第1段メタンリッチガスおよび第1段炭酸ガスリッ
チガスの組成、並びに製造されたSNGの組成を表1に
示す。
【0051】
【表1】
【0052】得られたSNGは、総発熱量が11,00
0Kcal/Nm3、Wobbe指数が12,690、
燃焼速度Mcpが36.8であり、13A規格を満たし
ていた。これより、この実施例の場合は、第2段膜分離
装置10が使用できない場合(非常時)であっても、継
続的に安定して総発熱量が11,000Kcal/Nm
3の13A規格のSNGを製造できることがわかる。な
お、第1段膜分離装置9から排出される第1段炭酸ガス
リッチガスは、SNG製造装置1の系外に余剰ガスとし
て排出することなくSNGプラント用の燃料とすること
ができた。
【0053】比較例1 実施例1において、第1段膜分離装置9の分離膜を炭酸
ガス/メタンの透過係数比が10のものに変更した。そ
して、実施例1の場合と同様に、非常状態でSNGを製
造した。SNGの製造過程において製造された改質ガ
ス、第1段メタンリッチガスおよび第1段炭酸ガスリッ
チガス、並びに製造されたSNGの組成を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】得られたSNGは、総発熱量が11,00
0Kcal/Nm3、Wobbe指数が12,220、
燃焼速度Mcpが35.1であり、Wobbe指数が1
3A規格を満たしていなかった。
【0056】実施例2 メタン化反応器7を備えかつ第1段膜分離装置9の分離
膜として炭酸ガス/メタンの透過係数比が20のものを
用いた上述の実施の形態に係るSNG製造装置1を用
い、非常状態でSNGを製造した。SNGの製造過程に
おいて製造されたメタン化ガス、第1段メタンリッチガ
スおよび第1段炭酸ガスリッチガスの組成、並びに製造
されたSNGの組成を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】得られたSNGは、総発熱量が11,00
0Kcal/Nm3、Wobbe指数が12,620、
燃焼速度Mcpが36.9であり、13A規格を満たし
ていた。なお、第1段膜分離装置9から排出される第1
段炭酸ガスリッチガスは、SNG製造装置1の系外に余
剰ガスとして排出することなく、SNGプラント用の燃
料とすることができた。
【0059】比較例2 実施例2において、第1段膜分離装置9の分離膜を炭酸
ガス/メタンの透過数比が10のものに変更した。そし
て、実施例2の場合と同様に、非常状態でSNGを製造
した。SNGの製造過程において製造されたメタン化ガ
ス、第1段メタンリッチガスおよび第1段炭酸ガスリッ
チガス、並びに製造されたSNGの組成を表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】得られたSNGは、総発熱量が11,00
0Kcal/Nm3、Wobbe指数が12,790、
燃焼速度Mcpが34.7であり、燃焼速度が13A規
格を満たしていなかった。
【0062】実施例3 実施例1において、第1バルブ13を開放しかつ第2バ
ルブ14を閉鎖して第2段膜分離装置10が使用可能の
状態(通常状態)に設定し、SNGを製造した。この
際、コンプレッサー15による第1段炭酸ガスリッチガ
スの移送圧を7.5kg/cm2Gに設定した。SNG
の製造過程において調製された改質ガス、第1段メタン
リッチガス、第1段炭酸ガスリッチガス、第2段メタン
リッチガスおよび第2段炭酸ガスリッチガスの組成、並
びに製造されたSNGの組成を表5に示す。
【0063】
【表5】
【0064】得られたSNGは、総発熱量が11,00
0Kcal/Nm3、Wobbe指数が13,250、
燃焼速度Mcpが39.8であり、13A規格を満たし
ていた。
【0065】実施例4 実施例2において、第1バルブ13を開放しかつ第2バ
ルブ14を閉鎖して第2段膜分離装置10が使用可能の
状態(通常状態)に設定し、SNGを製造した。この
際、コンプレッサー15による第1段炭酸ガスリッチガ
スの移送圧を7.5kg/cm2Gに設定した。SNG
の製造過程において調製されたメタン化ガス、第1段メ
タンリッチガス、第1段炭酸ガスリッチガス、第2段メ
タンリッチガスおよび第2段炭酸ガスリッチガスの組
成、並びに製造されたSNGの組成を表6に示す。
【0066】
【表6】
【0067】得られたSNGは、総発熱量が11,00
0Kcal/Nm3、Wobbe指数が13,270、
燃焼速度Mcpが40.2であり、13A規格を満たし
ていた。
【0068】
【発明の効果】本発明に係るSNGの製造方法は、第2
段膜分離装置が使用不能の状態に陥った場合に、第1段
膜分離装置からの透過ガス、すなわち第1段炭酸ガスリ
ッチガスを第2段膜分離装置へ送らずに副供給ラインへ
流しているので、例え第2段膜分離装置が使用不能の場
合(非常時)であっても、総発熱量が11,000Kc
al/Nm3の13A規格のSNGを継続的に安定して
製造することができ、ガスの安定供給という都市ガス事
業者の責務を全うすることができる。
【0069】また、本発明に係るSNGの製造装置は、
第1段膜分離装置からの透過ガス、すなわち第1段炭酸
ガスリッチガスを第2段膜分離装置へ移送するための供
給ラインが上述のような副供給ラインを有しているの
で、例え第2段膜分離装置が使用不能の場合(非常時)
であっても、総発熱量が11,000Kcal/Nm3
の13A規格のSNGを継続的に安定して製造すること
ができ、ガスの安定供給という都市ガス事業者の責務を
全うすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態が採用されたSNG製造
装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1 SNG製造装置 4 原料供給ライン 4a 増熱LPG供給ライン 5 脱硫器 6 改質器 7 メタン化反応器 8 水素リサイクルライン 9 第1段膜分離装置 9a 排出ライン 9b 供給ライン 9c 主供給ライン 9d 副供給ライン 10 第2段膜分離装置 10a 還流ライン 10b 排出路 12 増熱器 13 第1バルブ 14 第2バルブ 15 コンプレッサー 20 還流式2段膜分離システム
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−165587(JP,A) 特開 平9−67585(JP,A) 特開 平7−150155(JP,A) 小渕・谷口「膜分離脱炭酸法SNG装 置」,配管技術(1995.7),pp.86 −90 新安全工学便覧編集委員会編「新安全 工学便覧」,pp.722 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10L 3/10 C07C 7/144 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】改質ガス等を、炭酸ガスとメタンとの透過
    係数比(炭酸ガス/メタン)が13以上の分離膜を有す
    る第1段膜分離装置に送り、非透過ガスとしてメタンリ
    ッチガスを得て、LPG増熱装置により増熱して総発熱
    量が11,000Kcal/Nm3の13A規格のSN
    Gとする一方、第1段膜分離装置の透過ガスを第2段膜
    分離装置に送り、第2段膜分離装置の非透過ガスを還流
    させて改質ガス等と混合させ、この混合ガスを第1段膜
    分離装置に送り、第2段膜分離装置の透過ガスとして炭
    酸ガスリッチガスを得る還流式2段膜分離システムを用
    いてSNGを製造する方法において、 第2段膜分離装置が使用できない場合には、第1段膜分
    離装置の透過ガスを第2段膜分離装置へ送っていたのを
    切り替えて副供給ラインへ流す一方、第1段膜分離装置
    の非透過ガスをLPG増熱することを特徴とする総発熱
    量が11,000Kcal/Nm3の13A規格のSN
    Gの製造方法。
  2. 【請求項2】改質ガス等の一部を水添脱硫用のリサイク
    ルガスに供することにより改質ガス等を得ることを特徴
    とする請求項1に記載の総発熱量が11,000Kca
    l/Nm3の13A規格のSNGの製造方法。
  3. 【請求項3】改質ガス等が改質ガスまたはメタン化ガス
    または改質ガスとメタン化ガスとの混合ガスである請求
    項1または2に記載の総発熱量が11,000Kcal
    /Nm3の13A規格のSNGの製造方法。
  4. 【請求項4】第2段膜分離装置が使用可能の状態時にお
    けるSNG中の炭酸ガス濃度が2.0以下であることを
    特徴とする請求項1、2または3に記載の総発熱量が1
    1,000Kcal/Nm 3 の13A規格のSNGの製
    造方法。
  5. 【請求項5】改質ガス等を、炭酸ガスとメタンとの透過
    係数比(炭酸ガス/メタン)が13以上の分離膜を有す
    る第1段膜分離装置に送り、非透過ガスとしてメタンリ
    ッチガスを得る一方、第1段膜分離装置の透過ガスを第
    2段膜分離装置に送り、第2段膜分離装置の非透過ガス
    を還流させて改質ガス等と混合させ、この混合ガスを第
    1段膜分離装置に送り、第2段膜分離装置の透過ガスと
    して炭酸ガスリッチガスを得る還流式2段膜分離システ
    ムを含むSNGの製造装置において、 第1段膜分離装置の非透過ガスをLPG増熱するための
    増熱器を設けて、かつ第1段膜分離装置の透過ガスを第
    2段膜分離装置に送る供給ラインの途中に分岐させて副
    供給ラインを設けたことを特徴とする総発熱量が11,
    000Kcal/Nm3の13A規格のSNGの製造装
    置。
  6. 【請求項6】改質ガス等が改質ガスまたはメタン化ガス
    または改質ガスとメタン化ガスとの混合ガスである請求
    項5に記載の総発熱量が11,000Kcal/Nm 3
    の13A規格のSNGの製造装置。
  7. 【請求項7】第2段膜分離装置が使用可能の状態時にお
    けるSNG中の炭酸ガス濃度が2.0以下であることを
    特徴とする請求項5または6に記載の総発熱量が11,
    000Kcal/Nm 3 の13A規格のSNGの製造装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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小渕・谷口「膜分離脱炭酸法SNG装置」,配管技術(1995.7),pp.86−90
新安全工学便覧編集委員会編「新安全工学便覧」,pp.722

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