JP3062740B2 - 気相における一酸化窒素の還元分解・除去用光触媒及び該触媒を使用した浄化方法 - Google Patents

気相における一酸化窒素の還元分解・除去用光触媒及び該触媒を使用した浄化方法

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JP3062740B2
JP3062740B2 JP10256033A JP25603398A JP3062740B2 JP 3062740 B2 JP3062740 B2 JP 3062740B2 JP 10256033 A JP10256033 A JP 10256033A JP 25603398 A JP25603398 A JP 25603398A JP 3062740 B2 JP3062740 B2 JP 3062740B2
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oxide
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば交通量の多
い高速道路のトンネル内部において発生する有害な窒素
酸化物やゴミ処理場において発生する窒素酸化物を紫外
線などのエネルギーを用いて、還元分解・除去する光触
媒材料並びにその効率的な浄化方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】従来、気相における窒素酸化物の浄化方法
としては、アンモニアや尿素を用いて加熱還元する方法
が一般的に行われているが(例えば、「化学と工業」、
47巻、2号、152〜155頁(1994年)等)そ
の他の方法としては、炭化水素などの還元剤を用いて、
白金系の貴金属触媒を担持したアルミナ系触媒上で3O
O℃以上の温度で加熱して還元する方法(例えば、前例
と同じく「化学と工業」、47巻、2号、152〜15
5頁(1994年)等)が提案されている。
【0003】しかし、こうした従来技術における前者の
場合には安全性の観点から、処理装置が大がかりなもの
となり、また後者の場合においても、加熱を必要とする
ことから、処理対象空間が限定され、その処理費用や処
理技術の煩雑さから実用上好ましいものではなかった。
また最近になって、こうした問題点を克服するべく、Ti
O2系光触媒を用いて、窒素酸化物を酸化的に除去しよう
とする試みがなされているが(例えば、「化学と工
業」、46巻、12号、1839〜1841頁(199
3年)等)、TiO2系光触媒の高い酸化能力を利用したこ
の方法は、窒素酸化物が硝酸となり大気中から触媒表面
上に固定化されるものの、地下水にこの硝酸成分が流出
すると、かえって地下水汚染につながることから、地球
環境保護上、十分有効な方法ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の技術
に比して簡便でかつエネルギー効率並びに窒素酸化物分
解効率の高い光触媒材料を提供するとともに、あわせて
還元剤を用いた、その効率的な分解浄化方法を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、気相中に
含まれる窒素酸化物を炭化水素などの還元剤共存下にお
いて、紫外線などの光エネルギーを照射することによ
り、触媒表面上で還元剤がおだやかに酸化されるにとも
ない、窒素酸化物の還元反応が進行し、この酸化還元反
応のバランスをとることで、難分解性の窒素酸化物を分
解浄化する特性を有する光触媒材料を開発するべく検討
した結果、本発明を完成するに至った。
【0006】本願の請求項1の発明は、一般式:Ax
y Sn8-y 16(式中、AはK,Rb,Cs,Ca,B
a及びNaからなる群より選ばれた1種又は2種以上の
元素、Mは2価又は3価金属を表す。ただし、Na元素
はMがCrの場合に限る。x及びyは、0.7<x≦
2.0及び0.7<y≦2.0を示す。)で表され、ホ
ーランダイト型結晶相からなることを特徴とする気相中
の窒素酸化物の還元的分解・浄化用光触媒であり、第2
項の発明は、前記請求項第1項記載の触媒において、x
及びyを1.6<x≦2.0及び1.6<y≦2.0と
することにより、副生成物である亜酸化窒素(N2 O)
の生成を抑制し、窒素生成の選択率を50%以上に高め
ることを特徴とする気相中の窒素酸化物の還元的分解・
浄化用光触媒であり、さらに、請求項第3項の発明は、
前記ホーランダイト化合物を窒素酸化物と還元剤共存下
で光照射しながら接触させることにより、高効率に窒素
酸化物を還元的に分解・浄化し窒素へと転化させること
を特徴とする光触媒を用いた気相における窒素酸化物浄
化方法である。
【0007】すなわち、本発明は、下記の一般式で表さ
れるホーランダイト型結晶相からなる触媒を使用して、
該触媒に窒素酸化物と還元剤を共存させ、光照射しなが
ら接触させることにより、高効率に窒素酸化物を還元的
に分解・浄化し窒素へと転化させることによって気相に
おける窒素酸化物を浄化するものである。 一般式:Ax y Sn8-y 16 (式中、AはK,Rb,Cs,Ca,Ba及びNaから
なる群より選ばれた1種又は2種以上の元素、Mは2価
又は3価金属を表す。ただし、Na元素はMがCrの場
合に限る。x及びyは、0.7<x≦2.0及び0.7
<y≦2.0を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における気相中における窒
素酸化物分解用光触媒の組成は、 一般式:Ax y Sn8-y 16 (式中、AはK,Rb,Cs,Ca,Ba及びNaから
なる群より選ばれた1種又は2種以上の元素、Mは2価
又は3価金属を表す。ただし、Na元素はMがCrの場
合に限る。x及びyは、0.7<x≦2.0及び0.7
<y≦2.0を示す。)で表され、ホーランダイト型結
晶相からなる触媒でなければならない。
【0009】ホーランダイト型結晶は一次元トンネル構
造を有する化合物である。トンネルイオンとしてはK等
のアルカリ金属イオンあるいはBa等のアルカリ土類金
属イオンがある。Naの場合にはCrと組み合わせて用
いた場合のみホーランダイト型結晶構造をとることがで
きるが、その他の元素と組み合わせた場合には当該トン
ネル構造は失われ、フロイデンバ一ジャイト型結晶構造
等となるので好ましくない。
【0010】x及びyの値はそれぞれ0.7<x≦2.
0及び0.7<y≦2.0でなければならず、この範囲
を上回るか又は下回る場合には、アルカリ金属の酸化物
又は炭酸塩、アルカリ土類金属の酸化物又は炭酸塩、2
価又は3価金属の酸化物及びSnの酸化物が析出し、活
性が著しく低下するために好ましくない。また、Baを
用いる場合には、化合物中の電気的中性条件からM=2
価ならy=xであり、M=3価ならy=2xとすること
が好ましい。アルカリ金属とアルカリ土類金属元素を組
み合わせる場合にも、同様な理由から、0.7<x<
1.2が好ましい。
【0011】さらに好ましくは、上記組成式においてx
及びyの値をそれぞれ1.6<x≦2.0及び1.6<
y≦2.0とすることにより、窒素酸化物を窒素に還元
的に分解する過程で、発生する可能性のある副生成物の
亜酸化窒素(N2 O)の発生を抑制し、窒素発生の選択
率を50%以上に高めることができる。また、本発明の
光触媒において用いられる2価又は3価金属元素として
は、A1,Ga,Cr又はMg等がホーランダイト型結
晶構造を作る上で好ましい。
【0012】一般式:Ax y Sn8-y 16 (式中、AはK,Rb,Cs,Ca,Ba及びNaから
なる群より選ばれた1種又は2種以上の元素、Mは2価
又は3価金属元素を表す。ただし、Na元素はMがCr
の場合に限る。x及びyは、0.7<x≦2.0及び
0.7<y≦2.0を示す。)で表されるホーランダイ
ト型結晶相は、種々の方法により合成できることが知ら
れているが、本発明の光触媒を構成するホーランダイト
型触媒の製造方法も特に限定されるものではない。
【0013】例えば、固相合成法としては、アルカリ金
属又はアルカリ土類金属元素の炭酸塩、酸化スズ及び2
価又は3価金属元素酸化物を混合後、1200度以上1
500度以下の温度で焼成する方法、液相法としては、
アルカリ金属又はアルカリ土類金属元素の硝酸塩、塩化
スズ及び2価又は3価金属元素の硝酸塩などの無機塩水
溶液を用いて、この混合溶液をアンモニア水又はアンモ
ニア水とシュウ酸アンモニウム水溶液に滴下し、沈殿を
えて、その沈殿を水洗、ろ過、乾燥した後、500度以
上1200度以下の温度で焼成する共沈法、アルコキシ
ド法としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属元
素、スズ及び2価又は3価金属元素のメトキシド、エト
キシド、ブトキシドなどのアルコキシドを非水溶液中で
混合し、加水分解、乾燥した後、800度以上1200
度以下の温度で焼成してえることができる。
【0014】焼成温度については、1500度以上の焼
成温度でもホーランダイト型結晶構造は安定に生成する
が、高温での焼成は触媒の比表面積の低下を生じ、あま
り好ましくない。また、焼成時間はあまり長時間として
も比表面積の低下を生じることから好ましくない。さら
に焼成の際の昇温速度をあまり早くするとコーキングが
起こり、触媒活性を低下させるので、10度/分以下が
好ましく、さらに好ましくは、酸素気流中での焼成によ
り、コーキングを防止することが考えられる。ホーラン
ダイト型触媒の比表面積は0.1m2 /g以上であれば
大気中での窒素酸化物を還元剤共存下において分解浄化
することができる。この触媒の窒素酸化物分解浄化効率
は、比表面積が大きいほど大きくなり、特に連続流通式
で処理気体が多量となる処理装置の場合には、比表面積
が大きい方が好ましい。
【0015】また、この触媒は粉末として用いる他に、
多孔質の触媒担体や石英ガラス管又は石英ガラス基板上
などにホーランダイト型触媒をコーティングしてホーラ
ンダイト型結晶相の膜として用いることができる。膜と
して用いる場合には、ホーランダイト型触媒を分散させ
た水溶液又は非水溶液に多孔質の触媒担体や石英ガラス
管又は石英ガラス基板を漬けた後、焼成する方法や又
は、CVD.PVD又はスパッタリングにより、多孔質
の触媒担体や石英ガラス管又は石英ガラス基板上などの
表面にホーランダイト型結晶相の膜を形成する方法など
がとられる。
【0016】本発明における光照射方法についても特に
制限はなく、触媒を固定化した反応管の内側からでも、
外側からでも必要に応じて光照射を行うことが可能であ
る。また、照射する光の波長は、紫外線より長い波長の
光を用いればよく、蛍光灯又は太陽光を用いることも可
能であるが、波長が長い分、反応速度が低下するので、
紫外線領域、特に360nm近傍の光を用いることが効
果的である。
【0017】大気中での窒素酸化物の還元的分解・浄化
方法としては、窒素酸化物に対して高い化学吸着能力を
有する触媒を用いなくてはならず、その吸着能力は触媒
1gあたり1マイクロモル/g以上の化学吸着量を有す
ることが望ましい。本発明における化学吸着量とは、触
媒表面上に窒素酸化物を一定時間吸着させた後に、一定
速度で昇温することで、触媒表面上の吸着物質の吸着強
度を測定する定速昇温脱離法(Temperature Program De
sorption又はTPD)により300℃以上の温度におい
て、はじめて脱離を示す窒素酸化物量に対応する。こう
した高い窒素酸化物親和性のもとで還元的に分解するこ
とが可能である。
【0018】さらに、本発明の光触媒を用いた窒素酸化
物の浄化方法では、還元剤が必要であるが、この還元剤
は光触媒上で酸化分解されるものであれば特に制約はな
く、プロピレン、アルデヒド、ケトン、脂肪酸ならびに
芳香属炭化水素類に属する化合物が還元剤として例示さ
れるが、難分解性の有機塩素系化含物(ダイオキシンや
トリクロロエタンなど)を酸化分解する反応とこの窒素
酸化物を還元的に分解する反応を両立させることも可能
である。
【0019】更に、こうした酸化還元反応は、触媒表面
上で窒素酸化物と還元剤が反応することにより進行する
が、室温において大気中に存在している酸素を共存させ
ることも可能である。大気中における窒素酸化物の排出
基準は室内ではlppm程度、屋外でも数十から数百p
pm程度であり、この濃度の窒素酸化物を還元的に分解
するために必要とされる化学量論量の還元剤や酸素の濃
度も必然的に同程度の濃度となる。そのため、過剰に溶
存する酸素は、通常逆に酸化還元反応のバランスを崩
し、窒素酸化物の還元的分解効率を低下させる恐れがあ
るが、本発明によるホーランダイト型結晶相からなる触
媒は、窒素酸化物に対する選択的吸着能力が高いことか
ら、窒素酸化物の光による還元的分解効率が高いため
に、過剰に溶存する酸素が共存しても、窒素酸化物を高
い効率で還元的に分解浄化できることが期待できる。
【0020】また、本発明によるホーランダイト触媒
に、光触媒活性な白金等の金属や酸化ルテニウムなどの
酸化物を必要に応じて担持して光触媒として使用するこ
とも可能である。本発明における光照射方法についても
特に制限はなく、触媒を固定化した反応管の内側からで
も、外側からでも必要に応じて光照射を行うことが可能
である。また、照射する光の波長は、紫外線より長い波
長の光を用いればよく、蛍光灯又は太陽光を用いること
も可能であるが、波長が長い分、反応速度が低下するの
で、紫外線領域、特に360nm近傍の光を用いること
が効果的である。本発明が対象とする窒素酸化物の濃度
については特に制限はないが、本発明による触媒の能力
を十分に発揮するうえでは、lppt以上1%以下の濃
度領域において使用することが効果的である。
【0021】窒素酸化物並びに還元剤からなる混合ガス
と触媒の接触時間においても、特に制限はないが、比表
面積が小さいと接触時間は大きくとらないと効果的では
ないことから、1以上10m2 /g未満では、2g・s
/cm程度が好ましく、それ以上の比表面積を有する場
合には、接触時間を短くしてもその効果は十分に発揮で
きるので、比表面積に応じて選択することが好ましい。
【0022】
【実施例及び比較例】以下、本発明を実施例及び比較例
により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施
例及び比較例に限定されるものではない。 実施例1 組成がK2.0 Ga2.0 Sn8.0 16になるように、スズ
エトキシド(高純度化学研究所製)、カリウムプロポキ
シド(高純度化学研究所製)及びガリウムブトキシド
(高純度化学研究所製)を秤量し、それぞれ20mlの
脱水2−メトキシエタノ一ルに溶解した後、室温で3種
類の溶液を混合し、ゾル溶液を作製した。この溶液に加
水分解水(H2 O/C2 5 OH=5.2m1/120
m1)を滴下して加水分解を行った。加水分解ゲルは乾
燥・粉砕後700度で3時間焼成することにより、ホー
ランダイト型K2.0 Ga2.0 Sn8.0 16の単相粉末を
合成した。こうして得られた触媒のX線回折図を図1に
示す。得られた粉末の比表面積は約30m2 /gであ
り、メソポア領域の細孔を有する試料であった。 ま
た、触媒活性評価試験は還元剤としてエタンを用いて石
英製の閉鎖循環系反応装置を用いて行った。反応ガス濃
度は窒素酸化物4000ppmと2000ppmのエタ
ンを閉鎖循環系に導入し、触媒1gを装填して、インペ
ラーを用いて攪拌しながら400W、36Onmの紫外
線を照射し、一定時間ごとの窒素酸化物濃度と炭化水素
濃度の減少量及び一酸化炭素と窒素の生成量を質量分析
器を用いて分析することにより実施した。その試験結果
を表1から表3に示した。ただし、気相における一酸化
窒素の除去活性は(1)式を用いて一酸化窒素浄化率と
して、また気相におけるエタン転化活性は(2)式を用
いてエタン転化率として算出した。さらに、生成物であ
る窒素の生成率は、(3)式から求め、同じく生成物で
ある一酸化炭素の生成率は(4)式を用いて算出した。
【0023】
【数1】 窒素酸化物浄化率(%) ={(NO0 −f1X Met0 ) (NOt −f1X Met t )} ×100/ {NO0 −f1X −f1X Met0 } (1式)
【0024】質量分析相対感度:fl=質量数30番の
エタンの感度/質量数27番のエタンの感度
【0025】
【数2】 エタン転化率(%) ={(Met0 −Mett ) /Met0 } ×100 (2式)
【0026】 ここで、NO0 :一酸化窒素の初期濃度 (質量数30番の感度) Met0 :メタンの初期濃度 (質量数27番の感度) NOt :一定時間光照射後の一酸化窒素濃度(質量数30の感度) Mett :一定時間光照射後のメタン濃度 (質量数27番の感度) 上記の一酸化窒素浄化率で、f1という感度比が用いら
れている理由は、質量数30番のピークには、エタンの
感度が重複して含まれているので、27番のエタンの感
度を30番の感度に置き換えて、重複分を差し引き、正
味の一酸化窒素の感度を求めるために、(1)式の中で
用いている。
【0027】
【数3】 窒素生成率(%) ={(N2t −N20 ) / (N2fin −N20 )}×100(3式)
【0028】
【数4】 一酸化炭素生成率(%) ={(COt −CO0 )-f2× (N2fin −N20 ) ×窒素 生成率×0.01} ×100/ (COfin −CO0 )-f2×( N2fin −N20 ) (4式)
【0029】 ここで、N20 :窒素ピークの初期濃度 (質量数14番の感度) CO0 :一酸化炭素の初期濃度 (質量数28番の感度) N2t :一定時間光照射後の窒素生成濃度(質量数14番の感度) COt :一定時間光照射後の一酸化炭素濃度(質量数28番の感度) N2fin :炭化水素、一酸化窒素がすべて転化した時点でのN2生成濃 度(質量数14番の感度) COfin :炭化水素、一酸化窒素がすべて転化した時点でのCO生成濃 度(質量数28番の感度) f2 :(質量数28番の窒素ピークの感度)/(質量数14番の窒 素ピークの感度) 上記(3)式は、質量数14番が、窒素のみの感度を表
すのではなく、炭化水素の感度をわずかに含むために、
正味の窒素由来の量を求めるために定義したものであ
り、上記(4)式も、一酸化炭素単独の感度を表す質量
数がなく、質量数28番には、窒素の感度が含まれるこ
とから、正味の一酸化炭素由来の量を知るために定義し
たものである。また窒素生成の選択率は、以下の(5
式)のように定義した。
【0030】
【数5】 窒素生成の選択率= {窒素生成率/(窒素生成率+亜酸化窒素生成率)} (5式)
【0031】表1の結果から、本実施例の触媒は、光照
射後急速に一酸化窒素が触媒表面に吸着し、そのうえ
で、エタンがゆっくり転化する過程をとることで、一酸
化窒素を完全に窒素に分解し、同時に、エタンが一酸化
炭素に転化して行くことが分かった。この結果から、本
実施例による光触媒を用いることで、一酸化窒素を完全
に窒素に分解できることが確認された。
【0032】実施例2 組成が上記実施例1と同じになるように、酸化スズ(和
光純薬工業製)、酸化ガリウム(和光純薬工業製)及び
炭酸カリウム(和光純薬工業製)を秤量し、メノー乳鉢
で30分混合した後、1200度で2時間焼成して、粉
末を得た。この得られた粉末は、実施例1と同種のX線
回折パターンを示し、ホーランダイト単一相であり、比
表面積は約0.3m2 /gであることが分かった。ま
た、触媒活性評価は実施例1に準拠して行った。その結
果を表1から表3にあわせて示した。上記の表の結果か
ら、本実施例による触媒は、比表面積が小さくても、実
施例1と同様に、窒素酸化物を分解する能力があること
が確認された。
【0033】実施例3 組成がK1.5 Ga1.5 Sn6.5 16になるように、スズ
エトキシド(高純度化学研究所製)、カリウムプロポキ
シド(高純度化学研究所製)及びガリウムブトキシド
(高純度化学研究所製)を秤量し、それぞれ20mlの
脱水2−メトキシエタノ一ルに溶解した後、室温で3種
類の溶液を混合し、ゾル溶液を作製した。この溶液に加
水分解水(H2 O/C2 5 OH=5.2m1/120
m1)を滴下して加水分解を行つた。加水分解ゲルは乾
燥・粉砕後700度で3時間焼成することによりホーラ
ンダイト型K1.5 Ga1.5 Sn6.5 16の単相粉末を合
成した。得られた化合物は図1に類似したX線回折パタ
ーンを示し、さらに粉末の比表面積は約30m2 /gで
あり、メソポア領域の細孔を有する試料であった。ま
た、触媒活性評価は実施例1に準拠して行った。その結
果を表1から表3にあわせて示した。その結果、実施例
1及び2と同様に一酸化窒素を窒素に分解する能力が確
認された。しかし同時に、反応過程において副生成物で
あるN2 Oの生成が顕著に認められる過程が存在し、見
かけ上、窒素生成の選択率の低下が認められたが、長時
間反応させることにより、副生成物も分解し、窒素生成
の選択率は向上することが確認された。
【0034】実施例4 組成がK1.8 Ga1.8 Sn6.2 16になるように、スズ
エトキシド(高純度化学研究所製)、カリウムプロポキ
シド(高純度化学研究所製)及びガリウムブトキシド
(高純度化学研究所製)を秤量し、それぞれ20mlの
脱水2−メトキシエタノ一ルに溶解した後、室温で3種
類の溶液を混合し、ゾル溶液を作製した。この溶液に加
水分解水(H2 O/C2 5 OH=5.2m1/120
m1)を滴下して加水分解を行った。加水分解ゲルは乾
燥・粉砕後700度で3時間焼成することによりホーラ
ンダイト型K1.8 Ga1.8 Sn6.2 16の単相粉末を合
成した。得られた化合物は図1に類似したX線回折パタ
ーンを示し、さらに粉末の比表面積は約30m2 /gで
あり、メソポア領域の細孔を有する試料であった。ま
た、触媒活性評価は実施例1に準拠して行った。その結
果を表1にあわせて示した。その結果、実施例1と同様
に一酸化窒素を窒素に分解する能力が確認され、窒素生
成の選択率も高いものであった。
【0035】なお、上記表1において、光照射以前に1
2時間ほど光を当てずに、実験を行った。この操作によ
り、触媒表面上にわずかに反応ガスが吸着したため、反
応時間0時間から、転化率が生じる形となった。しかし
一方、この場合には、生成物が確認されなかったので、
光照射後に触媒が光励起したことにより、表1に示した
ような生成物の変化が観察され、ー酸化窒素の分解機能
が確認できたものと考えられる。
【0036】比較例1 組成がK0.3 Ga0.3 Sn7.7 16になるように、酸化
スズ(キシダ化学株式会社製)、酸化ガリウム(キシダ
化学株式会社製)及び炭酸カリウム(キシダ化学株式会
社製)を秤量し、メノー乳鉢で30分混合した後、12
00度で2時間焼成して、粉末を得た。この得られた粉
末は極微量のホーランダイト型結晶相と酸化スズ及び酸
化ガリウムからなる混相であった。触媒の活性評価は実
施例1に準拠して行った。結果を表1から表3にあわせ
て示す。比較例1の組成の粉末では光の照射時間が30
0時間後までに、わずかに一酸化窒素及びエタンの吸着
による転化率は認められたものの、窒素や一酸化炭素等
の生成物は確認されず、一酸化窒素の分解機能は確認で
きなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で調製された触媒のX線回折図であ
る。
【表1】
【表2】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:Ax y Sn8-y 16(式中、
    AはK,Rb,Cs,Ca,Ba及びNaからなる群よ
    り選ばれた1種又は2種以上の元素、Mは2価又は3価
    金属を表す。ただし、Na元素はMがCrの場合に限
    る。x及びyは、0.7<x≦2.0及び0.7<y≦
    2.0を示す。)で表され、ホーランダイト型結晶相か
    らなり、還元剤の存在下に光エネルギーの照射により気
    相中の窒素酸化物を分解する機能をもつことを特徴とす
    る気相中の窒素酸化物の還元的分解・浄化用光触媒。
  2. 【請求項2】 請求項第1項記載の触媒において、x及
    びyを1.6<x≦2.0及び1.6<y≦2.0とす
    ることにより、副生成物である亜酸化窒素(N2 O)の
    生成を抑制し、窒素生成の選択率を50%以上に高める
    機能をもつことを特徴とする気相中の窒素酸化物の還元
    的分解・浄化用光触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のホーランダイト化合物を
    窒素酸化物と還元剤共存下で光照射しながら接触させる
    ことにより、高効率に窒素酸化物を還元的に分解・除去
    窒素へと転化させることを特徴とする光触媒を用い
    た気相における窒素酸化物浄化方法。
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