JP3051918B2 - 水中の硝酸イオン分解用光触媒および硝酸イオン分解除去方法 - Google Patents

水中の硝酸イオン分解用光触媒および硝酸イオン分解除去方法

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JP3051918B2 JP27665798A JP27665798A JP3051918B2 JP 3051918 B2 JP3051918 B2 JP 3051918B2 JP 27665798 A JP27665798 A JP 27665798A JP 27665798 A JP27665798 A JP 27665798A JP 3051918 B2 JP3051918 B2 JP 3051918B2
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遵 渡辺
憲次郎 藤本
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  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、水中の硝
酸イオン分解用光触媒と硝酸イオン分解除去方法に関す
るものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、例
えば酸性雨や土壌中におけるアンモニア系肥料の酸化に
よって地下水、河川水、上下水道水、工業用廃水等に含
まれる人体に有害な硝酸イオンを分解除去することを目
的とした水中の硝酸イオン分解用光触媒およびこれを用
いた硝酸イオン分解除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、水中の硝酸イオン
を除去する方法としては、吸着剤を用いて硝酸イオンを
水中から取り除く方法や、微生物を用いて硝酸イオンを
分解除去する方法が考えられてきた。しかしながら、こ
れら従来の方法のうち前者の場合、吸着により濃縮され
た硝酸イオンの処理技術が確立されておらず、また後者
の場合には、微生物を扱うという技術的制約から、その
処理費用や処理技術の難しさから未だ実用に至っていな
い。
【0003】そこで、最近では、こうした問題点を克服
するべく、TiO2 系光触媒を用いて、還元剤の共存下
で硝酸イオンを還元的に分解しようとする試みがなされ
ているが、TiO2 系光触媒は高い酸化能力を持つこと
がその特徴であり、還元反応を促進することは難しく、
硝酸イオン分解能力は極めて低いという問題があった。
【0004】そこで、この出願の発明は、例えば地下
水、河川水、上下水道水、工業用廃水などに含まれる硝
酸イオンを微量の光エネルギーにより分解・除去するこ
とのできる新しい硝酸イオン分解用光触媒と硝酸イオン
分解除去方法を提供することを課題している。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、一般
式:Ax y 8-y 16(式中、AはK,Rb,Cs,
Ca,BaおよびNaからなる群より選ばれた1種また
は2種以上の元素、Mは2価または3価金属元素、Nは
TiまたはSnを示す。ただし、AがNa元素の場合に
はMはCrである。xおよびyは、0.7<x≦2.0
および0.7<y≦2.0を示す)で表され、ホーラン
ダイト型結晶相からなることを特徴とする水中の硝酸イ
オン分解用光触媒(請求項1)を提供する。
【0006】また、この出願の発明は、一般式:Ax
y 8-y 16で表される触媒において、xおよびyを
1.6<x≦2.0および1.6<y≦2.0とするこ
とにより、副生成物である亜硝酸イオン(NO2 - )の
生成を抑制し、窒素生成の選択率を50%以上に高める
(請求項2)等のことも提供する。さらに、この出願の
発明は、前記触媒を、還元剤の存在下に光照射しながら
水中で硝酸イオンと接触させることにより、高効率に水
中の硝酸イオンを分解除去することを特徴とする水中の
硝酸イオン分解除去方法をも提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、ホーランダイ
ト型結晶相からなる触媒は、水中に含まれる硝酸イオン
を溶存酸素とアルコール等の還元剤の共存下において、
微量の光エネルギーで分解・除去する水中硝酸イオン分
解能力が高く、耐久性にも優れているという発明者らが
見いだした新しい知見に基づいている。
【0008】以下に、この知見に基づく発明の実施の形
態について説明する。 (a)硝酸イオン分解用光触媒の組成 水中において、この発明の硝酸イオン分解用光触媒の組
成は、一般式 Ax y 8-y 16 で表され、ホーランダイト型結晶相からなる触媒であ
る。
【0009】上記一般式において、符号AはK,Rb,
Cs,Ca,BaおよびNaからなる群より選ばれた1
種または2種以上の元素を示し、符号Mは2価または3
価金属元素を示し、符号NはTiまたはSnを示す。た
だし、Na元素はMがCrの場合に限る。また、一般
式:Ax y 8-y 16において、xおよびyの値はそ
れぞれ0.7<x≦2.0および0.7<y≦2.0で
なければならず、この範囲を上回るか、または下回る場
合には、アルカリ金属の酸化物または炭酸塩、アルカリ
土類金属の酸化物または炭酸塩、2価または3価金属の
酸化物及びTiまたはSnの酸化物が析出し、活性が著
しく低下するために好ましくない。
【0010】さらに上記組成式においてx及びyの値を
それぞれ1.6<x≦2.0および1.6<y≦2.0
とすることにより、硝酸イオンが窒素に還元的に分解す
る過程で発生する可能性のある副生成物の亜硝酸イオン
の発生を抑制し、窒素発生の選択率を50%以上に高め
ることができる。なお、符号AがBaである場合には、
化合物中の電気的中性条件から、M=2価であればy=
xとし、M=3価であればy=2xにすることが好まし
い。アルカリ金属とアルカリ土類金属元素を組み合わせ
る場合には、0.7<y<1.2が好ましい。
【0011】この発明の触媒を構成するこの場合のホー
ランダイト型結晶は、一次元トンネル構造を有する化合
物である。この場合のトンネルイオンはK等のアルカリ
金属イオンあるいはBa等のアルカリ土類金属イオンで
ある。Naの場合にはCrと組み合わせて用いた場合の
みホーランダイト型結晶構造をとることができるが、そ
の他の元素と組み合わせた場合には当該トンネル構造は
失われ、フロイデンパージャイト型結晶構造等となるの
で好ましくない。また、一般式において、2価または3
価金属元素であるMとしては、Al,Ga,Crまたは
Mg等がホーランダイト型結晶構造を作る上で好まし
い。 (b)硝酸イオン分解用光触媒の製造方法 この発明の硝酸イオン分解用光触媒を構成するホーラン
ダイト型結晶相の製造方法は特に限定されるものではな
い。
【0012】例えば、固相合成法としては、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属元素の炭酸塩、酸化チタンま
たは酸化スズ及び2価または3価金属元素酸化物を混合
後、1200℃以上1500℃以下の温度で焼成する方
法がある。また、液相法としては、アルカリ金属または
アルカリ土類金属元素の硝酸塩、塩化チタンまたは塩化
スズ及び2価または3価金属元素の硝酸塩などの無機塩
水溶液を用いて、この混合溶液をアンモニア水またはア
ンモニア水とシュウ酸アンモニウム水溶液に滴下し、得
られた沈殿を水洗、ろ過、乾燥した後、500℃以上1
200℃以下の温度で焼成する共沈法や、アルコキシド
法として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属元素、
チタンニウムまたはスズおよび2価または3価金属元素
のメトキシド、エトキシド、ブトキシドなどのアルコキ
シドを非水溶液中で混合し、加水分解、乾燥した後、8
00℃以上1200℃以下の温度で焼成して得る方法等
である。
【0013】焼成温度については、1500℃以上の焼
成温度でもホーランダイト型結晶構造は安定に生成する
が、高温での焼成は触媒の比表面積を低下させるため、
あまり好ましくない。また、焼成時間はあまり長時間と
しても比表面積を低下させることから好ましくない。 (c)硝酸イオン分解用光触媒の特性 この発明のホーランダイト型触媒の比表面積は、1m2
/g程度以上であれば水中での硝酸イオンを還元剤と酸
素共存下において分解除去することができる。この触媒
の硝酸イオン分解除去効率は、比表面積が大きいほど大
きくなり、特に連続流通式で処理水量が多い処理装置に
なった場合には、比表面積が大きい方が好ましい。ま
た、多孔体構造も硝酸イオン分解除去効率に重要な影響
を与え、特にメソポア領域に細孔分布を有する多孔体を
用いることが有効である。
【0014】また、この発明のホーランダイト触媒に、
光触媒活性な白金等の金属や酸化ルテニウムなどの酸化
物を必要に応じて担持して光触媒として使用することも
可能である。さらに、この発明の触媒は、粉末として用
いる他に、多孔質の触媒担体や石英ガラス管又は石英ガ
ラス基板上などにホーランダイト型触媒をコーティング
してホーランダイト型結晶相の膜として用いることがで
きる。膜として用いる場合には、ホーランダイト型触媒
を分散させた水溶液または非水溶液に多孔質の触媒担体
や石英ガラス管または石英ガラス基板を漬けた後に焼成
する方法や、CVD、PVDまたはスパッタリングによ
り多孔質の触媒担体や石英ガラス管、または石英ガラス
基板上などの表面にホーランダイト型結晶相の膜を形成
する方法などがとられる。 (d)水中の硝酸イオン分解除去方法 この発明の光触媒を用いた水中の硝酸イオン分解除去方
法においては、還元剤が必要であるが、この還元剤は水
溶性であり、かつ光触媒上で酸化分解されるものであれ
ば特に制約はなく、メチルアルコール、エチルアルコー
ル等のアルコール類やアルデヒド、ケトン、脂肪酸なら
びに芳香族炭化水素類に属する化合物が還元剤として例
示されるが、難分解性の有機塩素系化合物などを酸化分
解する反応とこの硝酸イオンを還元的に分解する反応を
両立させることも可能である。
【0015】この発明の光触媒と硝酸イオン並びに還元
剤を接触させる際に行う光照射の方法についても特に制
限はなく、触媒を固定化した反応管の内側からでも、外
側からでも必要に応じて光照射を行うことが可能であ
る。また、照射する光の波長は、紫外線より長い波長の
光を用いればよく、蛍光灯または太陽光を用いることも
可能であるが、波長が長い分、反応速度が低下するの
で、紫外線領域、特に360nm近傍の光を用いること
が効果的である。
【0016】硝酸イオンの濃度については特に制限はな
いが、水中での含有量が100ppm以下の領域での使
用が実用上好ましい。さらに、このような酸化還元反応
は、触媒表面上で硝酸イオンと還元剤が反応することに
より進行するが、室温において水中に溶解している溶存
酸素を共存させることも可能である。水中における硝酸
イオンの排出基準は10ppm程度であり、この濃度の
硝酸を還元的に分解するために必要とされる化学量論量
の還元剤や酸素の濃度も必然的に同程度の濃度となる。
そのため、過剰に溶存する酸素は、通常、逆に酸化還元
反応のバランスを崩し、硝酸イオンの還元的分解効率を
低下させる恐れがあるが、この発明のホーランダイト型
結晶相からなる触媒は、硝酸イオンに対する選択的吸着
能力が高いことから、硝酸イオンの光による還元的分解
効率が高いために、過剰に溶存する酸素が共存しても、
硝酸イオンを高い効率で還元的に分解除去できることが
期待できる。
【0017】この発明は、上記の通りの構成によってこ
れまでにない高効率な硝酸イオン分解除去を可能にする
硝酸イオン分解用光触媒および硝酸イオン分解除去方法
を提供するものであるが、その構成および作用効果の特
徴について、さらに詳しく以下の実施例に沿って説明す
る。もちろんこの発明は以下の例によって限定されるも
のではない。
【0018】
【実施例】以下の実施例においては、水中での硝酸イオ
ン除去率、メタノール転化率、窒素生成率、亜硝酸イオ
ン生成率及び選択率は、表1の数1〜数5で示される計
算式より算出した。
【0019】
【表1】
【0020】なお、硝酸イオン濃度及び亜硝酸イオン濃
度はイオンクロマトグラフィにより、メタノール濃度は
全有機炭素計(TOC計)により、発生窒素量は質量分
析計を用いて測定した。さらに、実施例2〜4について
は、ギ酸などの有機酸が認められることから、その存在
はイオン排除カラムを用いてイオンクロマトグラフィに
より定性的に確認した。 (実施例1)組成がK1.7 Al1.7 Ti6.3 16になる
ように、酸化チタン(キシダ化学株式会社製)、酸化ア
ルミニウム(キシダ化学株式会社製)及び炭酸カリウム
(キシダ化学株式会社製)を秤量し、めのう乳鉢で30
分粉砕、混合した後、1200℃で2時間焼成すること
により、ホーランダイト型K1.7 Al1.7 Ti6.3 16
の単相粉末を合成した。
【0021】添付した図面の図1は、このようにして得
られた硝酸イオン分解用光触媒のX線回折図である。ま
た、触媒活性評価試験は、還元剤としてメタノールを用
いてバッチ式の反応装置を用いて行った。すなわち、1
0ppmの硝酸イオンと10ppmのメチルアルコール
を含んだ蒸留水1リットル中に触媒1gを入れ、攪拌し
ながら15W、360nmの紫外線を照射し、一定時間
ごとの水溶液中の硝酸イオン濃度と全有機炭素濃度を分
析することにより実施した。その試験結果を表2〜4に
示した。
【0022】優れた硝酸イオン分解除去の結果が得られ
ていることがわかる。 (比較例1)組成がK2.5 Al2.5 Ti5.5 16になる
ように、酸化チタン(キシダ化学株式会社製)、酸化ア
ルミニウム(キシダ化学株式会社製)および炭酸カリウ
ム(キシダ化学株式会社製)を秤量し、めのう乳鉢で3
0分、粉砕、混合した後、1200℃で2時間焼成し
て、粉末を得た。
【0023】得られた粉末は、極微量のホーランダイト
型結晶相と六チタン酸カリウムおよび酸化アルミニウム
からなる混相であった。触媒活性評価は実施例1に準拠
して行った。その結果を表2〜4に示した。このように
して得られた粉末では、光の照射時間が60分では硝酸
イオンの分解機能は確認できなかった。 (実施例2)組成がK2.0 Ga2.0 Sn6.0 16になる
ように、酸化ガリウム(キシダ化学株式会社製)、酸化
スズ(キシダ化学株式会社製)および炭酸カリウム(キ
シダ化学株式会社製)を秤量し、めのう乳鉢で30分、
粉砕、混合した後、1200℃で2時間焼成することに
より、ホーランダイト型K2.0 Ga2.0 Sn6.0 16
単相粉末を合成した。
【0024】触媒活性評価は実施例1に準拠して行っ
た。その結果を表2〜4に示した。実施例1の場合と異
なり、還元剤であるメタノールは、反応初期に触媒表面
に吸着したことにより、見かけの転化率が生じたもの
の、そののち二酸化炭素には変化せず、メタノールの部
分酸化生成物であるギ酸などに転化していることを高速
液体クロマトクラフィにより確認した。また、この還元
剤の部分酸化反応(メタノール分子に酸素を挿入する反
応)にともない、硝酸イオンは還元され、窒素が生成す
ることが確認された。 (比較例2)組成がK0.3 Ga0.3 Sn7.7 16になる
ように、酸化ガリウム(キシダ化学株式会社製)、酸化
スズ(キシダ化学株式会社製)および炭酸カリウム(キ
シダ化学株式会社製)を秤量し、めのう乳鉢で30分、
粉砕、混合した後、1200℃で2時間焼成して粉末を
得た。
【0025】得られた粉末は、極微量のホーランダイト
型結晶相と酸化スズおよび酸化ガリウムからなる混相で
あった。触媒活性評価は実施例1に準拠して行った。そ
の結果を表2〜4に示した。比較例1と同様、このよう
にして得られた粉末では、光の照射時間が60分では硝
酸イオンの分解機能は確認できなかった。 (実施例3)組成がK1.8 Ga1.8 Sn6.2 16になる
ように、カリウムブトキシド(トリケミカル研究所
製)、ガリウムブトキシド(トリケミカル研究所製)お
よびスズエトキシド(トリケミカル研究所製)を秤量
し、脱水2−メトキシエタノールに溶解したのち、混合
したのちゾル溶液を作製した。その後、この溶液に加水
分解水を滴下し、加水分解を行った。加水分解ゲルは乾
燥・粉砕したのち、1100℃で3時間焼成することに
より、ホーランダイト型結晶構造を有する単相粉末を合
成した。得られた触媒は比表面積が30m2 /gのメソ
ポア多孔体であった。
【0026】触媒活性評価は実施例1に準拠して行っ
た。その結果を表2〜4に示した。実施例3の場合も、
実施例2の場合と同様に、還元剤であるメタノールは、
単純な酸化反応により二酸化炭素に変化する過程を経る
のではな、メタノールの部分酸化生成物であるギ酸など
に転化していることを高速液体クロマトクラフィにより
確認した。また、この還元剤の部分酸化反応(メタノー
ル分子に酸素を挿入する反応)にともない、硝酸イオン
は還元され、窒素が生成することが確認された。 (実施例4)組成がK1.4 Ga1.4 Sn6.6 16になる
ように、カリウムブトキシド(トリケミカル研究所
製)、ガリウムブトキシド(トリケミカル研究所製)お
よびスズエトキシド(トリケミカル研究所製)を秤量
し、実施例3の方法に準拠して、ホーランダイト型結晶
構造を有する単相粉末を合成した。得られた触媒は比表
面積が34m2 /gのメソポア多孔体であった。
【0027】触媒活性評価は実施例1に準拠して行っ
た。その結果を表2〜4に示した。実施例3の場合と同
様に、還元剤であるメタノールは、単純な酸化反応によ
り二酸化炭素に変化する過程を経るのではな、メタノー
ルの部分酸化生成物であるギ酸などに転化していること
を高速液体クロマトクラフィにより確認した。また、こ
の還元剤の部分酸化反応(メタノール分子に酸素を挿入
する反応)にともない、硝酸イオンは還元され、窒素が
生成することが確認されたが、副生成物の割合は比較的
多く、選択率は22%程度であった。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この出願の
発明によって、一般式:Ax y 8-y 16で表され、
ホーランダイト型結晶相からなる触媒を用い、硝酸イオ
ン並びに還元剤を光照射しながら水中で接触させること
により、高効率に水中の硝酸イオンを分解除去する方法
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において調製された触媒のX線回折図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 1/58 C02F 1/58 P 1/72 101 1/72 101 (56)参考文献 特開 平8−995(JP,A) 特開 平9−86927(JP,A) 特開 平8−196903(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 CA(STN) JICSTファイル(JOIS) WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:Ax y 8-y 16(式中、A
    はK,Rb,Cs,Ca,BaおよびNaからなる群よ
    り選ばれた1種または2種以上の元素、Mは2価または
    3価の金属元素、NはTiまたはSnを示す。ただし、
    AがNa元素の場合にはMはCrである。xおよびy
    は、0.7<x≦2.0および0.7<y≦2.0を示
    す。)で表され、ホーランダイト型結晶相からなり、還
    元剤の存在下に光エネルギーの照射により水中の硝酸イ
    オンを分解する機能をもつことを特徴とする水中の硝酸
    イオン分解用光触媒。
  2. 【請求項2】 一般式:Ax y 8-y 16で表せる触
    媒において、xおよびyを1.6<x≦2.0および
    1.6<y≦2.0とすることにより、副生成物である
    亜硝酸イオン(NO2 - )の生成を抑制し、窒素生成の
    選択率を50%以上に高める機能を持つ請求項1記載
    水中の硝酸イオン分解用光触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の触媒を、還元剤の存在下
    に光照射しながら水中で硝酸イオンと接触させることに
    より、水中の硝酸イオンを分解除去することを特徴とす
    る水中の硝酸イオン分解除去方法。
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