JP3062475U - 絵 本 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】有色シートを一体的に取り付けて必要時にその
有色シートを情報隠蔽部に重ね合わせることができるよ
うにし、幼児が絵本にて容易に学習できるようにする。 【解決手段】台紙２上に絵本本体３を配して、台紙２に
おける絵本本体３の背と反対側の辺に扉カバー４を設
け、扉カバー４は、頁部６の質問構成面が表出可能な大
きさの開口部１１を無色の透明シート１２で覆った透視
部１３を備え、透視部１３に、透明シート１２にスライ
ド可能に重ね合わされた透視可能な有色シート１４を取
り付け、質問構成面８には、有色シート１４を重ね合わ
せたときに有色シート１４の色彩との加色混合により該
有色シート１４を通して所要情報を目視容易に現出させ
る情報隠蔽部１０を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は絵本に関するものである。

【０００２】

【考案が解決しようとする課題】

従来から、幼児の学習具の一つとして絵本が多く利用されていて、遊びととも に文字や数字などを学習できるようにするために、基礎的な用語の一文字を空白 にしてその文字を書き込ませたり図柄の数を数えて数字を書き込ませるなどした 質問構成面が各種のキャラクターなどともに絵本の頁部に掲載されているものが ある。ところで、このような学習具においては、質問構成面における各種質問に 対応した正解情報を用意しておく必要があり、特に幼児を対象としている絵本の 場合には解答集を別付けするということはせずに比較的見やすい位置に正解を載 せている。そして、正解が通常の状態では分からないようにする工夫として、正 解情報を特定の色彩とするとともにその正解情報が判読しにくくなる他の色彩の 模様などを正解情報と混在させた正解情報隠蔽部を設けるようにしており、正解 情報の色彩との加色混合にて正解情報が現出する色彩の有色シートを回答後にそ の正解情報隠蔽部に重ね合わせることで、正解を確認できるようにした工夫があ る。 しかしながら、上述したように正解を確認するための有色シートを別に用意に しておく必要があって、幼児が取り扱う場合ではその有色シートの重ね合わせ作 業が手間の要するものとなり、また、有色シートの散逸や紛失が生じ易くなり、 保管管理にも手間を要するという問題があった。 そこで本考案は上記事情に鑑み、有色シートを一体的に取り付けて必要時にそ の有色シートを情報隠蔽部に重ね合わせることができるようにすることを課題と し、幼児が絵本にて容易に学習できるようにすることを目的とする。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を考慮してなされたもので、台紙上に配されてこの台紙の相 対向する二辺の内の一方の辺側に背が位置して複数の頁部が見開き可能に設けら れた絵本本体と、前記台紙における他方の辺側に折り部を介して連接され、見開 かれた絵本本体の頁部上に折り重ね可能に設けられた扉カバーとからなり、前記 扉カバーは、該扉カバーが重ねられた頁部に設けられた質問構成面が表出可能な 大きさの開口部を無色の透明シートで覆った透視部を備えて、該透視部に、前記 透明シートにスライド可能に重ね合わされた透視可能な有色シートが取り付けら れ、前記質問構成面には、前記有色シートを重ね合わせたときに有色シートの色 彩との加色混合により該有色シートを通して所要情報を目視容易に現出させる情 報隠蔽部が設けられていることを特徴とする絵本を提供して、上記課題を解消す るものである。 そして、本考案において、上記透明シートの表面は所要筆記インキによる書き 込みの拭き取り除去が可能に設けられ、上記有色シートは、上記扉カバーを絵本 本体側に重ね合わせたときの絵本本体に相対する面側に配置され、扉カバーを絵 本本体側に重ね合わせたときに外面となる扉カバーの片面側に、前記有色シート をスライド移動させる操作片が表出していることが良好である。

【０００４】

【考案の実施の形態】

つぎに本考案を図１から図４に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。 図中１は絵本で、該絵本１は台紙２と絵本本体３と扉カバー４とからなるもの であって、台紙２の上に前記絵本本体３が、該絵本本体３の背５を台紙２の相対 向する二辺の内の一方の辺に位置するようにして配置固定されており、複数の頁 部６が見開き可能に綴じ合わされている。そして、前記台紙２の他方の辺側には 折り部７を介して前記扉カバー４が絵本本体３側に折り重ね可能にして連接され ている。このように前記扉カバー４は絵本本体３に重ね合わされているものであ って、また、この扉カバー４を開いてから絵本本体３を見開いたときには、台紙 ２の上方に位置する方の頁部６がこの扉カバー４によって覆われるようにしてい る。

【０００５】 上記絵本本体３の各頁部６にあっては、見開いたときに上記台紙２の上方に位 置した状態で表出することになる片面６ａにキャラクター、文字、図柄などを用 いて表現された質問構成面８が設けられている。この質問構成面８には、例えば 図１に示されているように用語の一文字部分を空白の欄として適切な文字を答え させるようにした設問９Ａがあり、その設問９Ａの近くに正解情報とした所要情 報を含む情報隠蔽部１０が位置するように構成されている。前記情報隠蔽部１０ は正解情報ａを仮に「ふ」という一文字としたような場合にその正解情報ａを所 要の色彩で印刷するとともに、通常の状態ではその正解情報ａである「ふ」の文 字が判読し難くなるように、正解情報ａの色彩とは異なる色彩で模様、図柄、文 字などの偽装情報ｂが重ねているものである。このようにすることで情報隠蔽部 １０では前述したように通常の状態では正解情報ａが判読し難く、そして、後述 の加色混合によりその正解情報ａが現出して判読できるようにしている。 また、上記情報隠蔽部の構成は所要情報（正解情報）に偽装情報を重ねるよう にするものに限定されない。その他の一部の例としては、図１に示すように、布 団の絵柄を示してこれが何というものであるかとの設問９Ｂを設けており、所要 の色彩とした「ふとん」の三文字の正解情報ａを隠蔽情報ｂである他の文字と合 わせて並べ、通常の目視できる状態では意味不明の文字列として情報隠蔽部１０ を形成するようにしてもよい。この例では、情報隠蔽部１０中の正解情報ａの「 ふ」「と」「ん」の三文字が同じく後述の加色混合によって現出させて判読でき るようにしている。 また、上記二例では、情報隠蔽部自体を有色シートを重ね合わせない状態では 意味不明の図柄や文字、文字列などとして目視されるようにしたもの（答えが見 えないようにしたもの）であるが、この情報隠蔽部のさらに他の例では、例えば 数の学習として、有色シートを重ね合わせない状態では、一個のパンの図柄とし て表現された所要情報と他の二個のパンの図柄として表現された偽装情報とが共 に見えるようにして、複数個、即ち三個のパンの図柄を表してその個数を数えさ せ、前記有色シートを重ねることで前記所要情報の一個のパンの図柄（所要情報 ）を有色シートを通して現出させ、この状態で見えるパンの個数はいくつかを数 えさせるなどとした学習が行なえる構成としてもよい。

【０００６】 一方、複数の頁部６を見開いてその頁部６ごとの上記片面６ａに重ね合わせる 扉カバー４にあっては、上記質問構成面８が表出可能な大きさの開口部１１が設 けられてこれを無色の透明シート１２で覆ってなる透視部１３を備えている。そ して、図２の断面で示されているように、前記透視部１３にあっては、透明シー ト１２にスライド可能に重ね合わされた透視可能な有色シート１４が取り付けら れている。前記透明シート１２の表面は、そのシート自体の素材性質や表面加工 処理を施すなどして所要の筆記インキによる書き込みの拭き取り除去が可能に設 けられているものであって、例えばホワイトボード表面のようにアルコール性イ ンキに対する濡れ性があり、かつ、相溶性のない性情に形成されていて、扉カバ ー４を質問構成面８に重ねたときにその質問構成面８中に設けた文字のなぞりを 練習として行なう個所がその透明シート１２を通して見え、その部分にアルコー ル性インキなどを有する筆記具で透明シート１２の上から書き込むようにし、書 き損じしたときや再度の練習を行なうときに、記載されていた文字を拭き取り除 去できるようにしている。 図１において１５が拭き取り除去可能な筆記インキを備える筆記具であり、こ の筆記具１５が予め備え付けられている。 さらに前記透視可能な有色シート１４は、上記透明シート１２の絵本本体３と の対向面側、即ち、扉カバー４を絵本本体３側に重ね合わせたときの絵本本体に 相対する面側に配置されている。そして、扉カバー４にあっては絵本本体２側に 重ね合わせたときに外面となるその扉カバー４の片面側に前記透明シート１２の スライド方向に沿って延設された長孔１６が設けられており、この長孔１６から 有色シート１４をスライド移動させる操作片１７が表出している。有色シート１ ４は、その有色シート１４が情報隠蔽部１０に重ねられたときに有色シート１４ の色彩と所要情報の色彩との加色混合により有色シート１４を通して所要情報を 際立たせ、かつ、隠蔽情報（文字や図柄ばかりでなく背景も隠蔽情報として含む ことが可能）をその加色混合によって彩度などを落として目立たないようにする ものである。

【０００７】 このように有色シート１４を情報隠蔽部１０に重ねることで所要情報がその有 色シート１４を通して現出するようにしているため、予め、有色シート１４を質 問構成面８に重ねない状態で質問に回答し、その後、有色シート１４をスライド させて情報隠蔽部１０に重ねることで正解が分かるようになり、有色シート１４ が隠蔽情報１０に重ねられていない時点では所要情報が見えず、その有色シート １４をスライドさせて情報隠蔽部１０に重ねるという簡易な操作で所要情報が判 読でき、簡単にして迅速な表示により学習効果が上がるようになるものとしてい る。例えば、設問９Ａに有色シート１４を重ねない状態でその設問の空白の欄に 透明シート１２の上から文字を書き、その後に図３に示すように有色シート１４ をスライドさせて設問９Ａの上に位置させるようにすれば、有色シート１４と情 報隠蔽部１０が重なり、正解情報ａが現出する。また、設問９Ｂでは有色シート １４を重ねない状態でふとんの絵を見ながらこの絵が何であるかを答え、その後 に有色シート１４を設問９Ｂの上に移動すれば、図４に示すように正解情報ａが 現出するようになる。なお、図１に示すように、質問構成面８中の最上段は文字 の書き習いを行なわせる練習面１８であり、透明シート１２のみを重ね合わせた 状態で上記筆記具１５によりその透明シート１２を通して見える手本の文字をな ぞって練習できるようにした部分である。

【０００８】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の絵本によれば、台紙上に配されてこの台紙の相対 向する二辺の内の一方の辺側に背が位置して複数の頁部が見開き可能に設けられ た絵本本体と、前記台紙における他方の辺側に折り部を介して連接され、見開か れた絵本本体の頁部上に折り重ね可能に設けられた扉カバーとからなり、前記扉 カバーは、該扉カバーが重ねられた頁部に設けられた質問構成面が表出可能な大 きさの開口部を無色の透明シートで覆った透視部を備えて、該透視部に、前記透 明シートにスライド可能に重ね合わされた透視可能な有色シートが取り付けられ 、前記質問構成面には、前記有色シートを重ね合わせたときに有色シートの色彩 との加色混合により該有色シートを通して所要情報を目視容易に現出させる情報 隠蔽部が設けられていることを特徴とするものである。このように、情報隠蔽部 との重ね合わせて所要情報が現出するようにした有色シートを予め備え、その有 色シートを絵本本体の頁部に折り重ねる扉カバーの透視部にスライド可能に配置 したため、幼児が絵本を取り扱っても有色シートが散逸や紛失することがなくな り、また、スライドさせるという簡単な操作で所要情報を確認できるために幼児 でも所要情報の確認作業が簡単に行なえ、迅速な情報の表示により学習効果も高 くなるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の絵本の実施の形態を示す説明図であ
る。

【図２】扉カバーの断面を示す説明図である。

【図３】使用の例を示す説明図である。

【図４】同じく使用の例を示す説明図である。

【符号の説明】

１…絵本 ２…台紙 ３…絵本本体 ４…扉カバー ６…頁部 ７…折り部 ８…質問構成面 ９Ａ、９Ｂ…設問 １０…情報隠蔽部 １１…開口部 １２…透明シート １３…透視部 １４…有色シート １５…筆記具 １６…長孔 １７…操作片

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】台紙上に配されてこの台紙の相対向する二
   辺の内の一方の辺側に背が位置して複数の頁部が見開き
   可能に設けられた絵本本体と、前記台紙における他方の
   辺側に折り部を介して連接され、見開かれた絵本本体の
   頁部上に折り重ね可能に設けられた扉カバーとからな
   り、 前記扉カバーは、該扉カバーが重ねられた頁部に設けら
   れた質問構成面が表出可能な大きさの開口部を無色の透
   明シートで覆った透視部を備えて、該透視部に、前記透
   明シートにスライド可能に重ね合わされた透視可能な有
   色シートが取り付けられ、 前記質問構成面には、前記有色シートを重ね合わせたと
   きに有色シートの色彩との加色混合により該有色シート
   を通して所要情報を目視容易に現出させる情報隠蔽部が
   設けられていることを特徴とする絵本。
2. 【請求項２】上記透明シートの表面は、所要筆記インキ
   による書き込みの拭き取り除去が可能に設けられ、上記
   有色シートは、上記扉カバーを絵本本体側に重ね合わせ
   たときの絵本本体に相対する面側に配置され、扉カバー
   を絵本本体側に重ね合わせたときに外面となる扉カバー
   の片面側に、前記有色シートをスライド移動させる操作
   片が表出している請求項１に記載の絵本。