JP3062191B1 - 立型ウオ―タジェット推進機の吐出口構造 - Google Patents

立型ウオ―タジェット推進機の吐出口構造

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JP3062191B1
JP3062191B1 JP11218836A JP21883699A JP3062191B1 JP 3062191 B1 JP3062191 B1 JP 3062191B1 JP 11218836 A JP11218836 A JP 11218836A JP 21883699 A JP21883699 A JP 21883699A JP 3062191 B1 JP3062191 B1 JP 3062191B1
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Abstract

【要約】 【課題】 従来の立型ウオータジェット推進機はその構
造上本来的に性能が低いものであった。 【解決手段】 ケーシング3中央部の取水口9から水を
吸い上げてディフューザ11、ケーシング3内部の圧力
室13を介して吐出口から噴流を吐き出して推力を発生
する立型ウオータジェット推進機Wであって、吐出口と
して、取水口9の中心を通る直径線9aの左右にセンタ
吐出口16cおよびサイド吐出口16a、16bを設
け、センタ吐出口16cの取水口9側の端面を直径線9
aに直交する方向に形成し、各吐出口に弓状のガイドベ
ーン15を複数列設すると共に、該ガイドベーン15が
吐出口からの噴流吐出角がケーシング底面と約10°前
後になるような傾斜角を備えた吐出口構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、推進機の持つ性
能を最大限に引き出すことができる吐出口構造を有する
立型ウオータジェット推進機に関する。
【0002】
【従来の技術】立型ウオータジェット推進機は、取水口
と吐出口が船底と同一平面になるように構成され、船底
から突出しないためクレーン船等のように浅瀬で稼働す
る特殊船舶や、喫水が浅いため充分なプロペラ深度を確
保できず通常のトンネル型スラスタを装備できないよう
な船型の船舶に多用されている。また、本体部を360°
の任意の方向に旋回させることができるため、スラスト
を自在の方向に発生させることができ、船舶の離接岸時
の操縦性を高めることが可能となる。
【0003】この種の立型ウオータジェット推進機は、
一つの円筒状ケーシング内で取水口と吐出口が近接配置
されるのが特徴であり、しかもケーシング下部の取水口
から上方に吸い込んだ水を再び下方に吐き出すという構
造的な特徴がある。従って吐出口からいかに水平近く噴
流を吐出するか、取水口との短絡をいかに防止するかな
どがこの種推進機の性能を高めるうえで重要なポイント
となる。かかる立型ウオータジェット推進機の先行技術
として、特開平6−278692号公報、特開平6−2
86693号公報、特開平7−52882号公報、特開
平8−58688号公報等がある。
【0004】図11は、このうち特開平7−52882
号公報に開示されている立型ウオータジェット推進機の
縦断面図である。ケーシング01の中央部に形成された
取水口02からインペラ03の回転によって吸引された
水流が、ディフューザ04から放射方向にケーシング内
部05に吐き出され、ケーシング内部05の水はケーシ
ング下部の傾斜部06と底部07とで形成された吐出口
08から斜めに吐出されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の立型ウオー
タジェット推進機では、吐出口08がケーシング下部の
傾斜案内部06と底部07で形成される単なる空間(つ
まり、ガイドベーンは存在しない)であり、しかもかか
る吐出口の形態では傾斜案内部06と底部07のオーバ
ラップ量が小さくならざるを得ない。そのため充分な水
流の案内機能が発揮されず、斜めに吐出される以外にも
一部下方に吐出される水流もあり、吸い込まれた水が有
効に推力に変換されないという問題がある。
【0006】そのうえ、ケーシング底面とのなす噴流の
吐出角度(噴流吐出角)が比較的大きいため船を推進さ
せるための水平方向の推力成分が小さくなり、結果的に
上記従来の立型ウオータジェット推進機の性能は低いと
いう欠点がある。
【0007】また、ケーシング01の上部のコーナ部0
9は直角であるからディフューザ04から吐き出された
水流は渦流生成のためにエネルギが費やされ、ケーシン
グ内部05での圧力損失が大きく、また、ケーシング内
部05の水も円滑に吐出口08に導かれず、これらが性
能低下の一因にもなっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願発明は、ケーシング中央部の取水口から水を
吸い上げてディフューザ、ケーシング内部の圧力室を介
して底板に形成した吐出口から噴流を吐き出して推力を
発生する立型ウオータジェット推進機であって、吐出口
として、取水口の中心を通る直径線の左右にセンタ吐出
口およびサイド吐出口を設け、センタ吐出口の取水口側
の端面を前記直径線に直交する方向に形成し、各吐出口
に弓状のガイドベーンをその縦横比が小さくなる形で、
かつ、隣り合うガイドベーンの前縁部分と後縁部分とを
オーバラップさせるように各ガイドベーンを複数列設す
ることで船底面にできる限り平行に噴流が吐出できるよ
うにし、しかも、各ガイドベーンが、底板上面において
は広い流入部を有し、下方にいくにつれて絞られた吐出
流路を有し、これによって圧力エネルギを最大限に運動
エネルギに変換して大きな推力を得るようにした立型ウ
オータジェット推進機の吐出口構造である。
【0009】これにより、噴流吐出角が小さく、つま
り、水平に近い角度で吐出でき、圧力室の水は吐出口か
ら真下方向に噴出することはなく、ガイドベーンに沿っ
て斜めに確実に噴出するようにできる結果、吐出口の形
態から吐出噴流が取水口からすぐ吸い込まれるという短
絡現象が防止でき、性能向上に寄与する。そのうえ、ガ
イドベーン方式なので吐出噴流を水平近くに導くことは
容易であり、その噴流吐出角は水平に近い角度であるか
ら、船の推進力として働く水平方向の成分が大きくなっ
て、しかも、各ガイドベーンが、底板上面においては広
い流入部を有し、下方にいくにつれて絞られた吐出流路
を有し、これによって圧力エネルギを最大限に運動エネ
ルギに変換して大きな推力を得るようにしたから、本来
的に性能が低いといわれる立型ウオータジェット推進機
の性能を最大限引き上げることができる。
【0010】この場合、該ガイドベーンの吐出口からの
噴流吐出角がケーシング底面と約10°前後になるよう
な傾斜角を備えれば、より効果的となる。
【0011】また、ガイドベーンの圧力面をケーシング
底面に対して約20°の傾斜角度を持たせるようにした
のがよい。これにより上記と同様な作用が得られる。ガ
イドベーンの圧力面をケーシング底面に対して約20°
の傾斜角度を持つようにすれば、コアンダ効果により実
際の噴流吐出角は10°前後になることが実験でも確認
されている。
【0012】
【0013】また、センタ吐出口から噴流が吐出する方
向におけるケーシング下部の底板外周部を、ガイドベー
ンの背面形状にほぼ合わせた形に切り欠いた場合には、
底板外周部がガイドベーン間に形成された吐出通路から
吐出した噴流の邪魔にならず、スムーズに吐出されてい
く。
【0014】また、サイド吐出口にある底板外周部に近
い側のサイド吐出口を噴流吐出方向に階段状に小さく形
成した場合には、ガイドベーン間の吐出通路からガイド
ベーンに沿って吐出した噴流の邪魔にならず、スムーズ
に吐出されていく。
【0015】更にまた、ケーシング中央部の取水口から
水を吸い上げてディフューザ、ケーシング内部の圧力室
を介して吐出口から噴流を吐き出して推力を発生する立
型ウオータジェット推進機において、ケーシングの内部
に両側のサイド吐出口に向かって傾斜する案内板を設け
た場合には、ケーシング内部の水が円滑に案内板に沿っ
て吐出口に導かれ、エネルギ損失が少なくできる。
【0016】また、ケーシング上部のコーナを全周に渡
ってアールを付けた場合には、ケーシング内部でのエネ
ルギ損失が少なくできる。
【0017】また、サイド吐出口の取水口に近い端部に
沿って該吐出口を塞ぐ蓋板を設けた場合には、サイド吐
出口から吐出した噴流が取水口の方に流れ、吸い込まれ
る短絡現象を防止できる。
【0018】また、上記案内板とケーシングの接合部に
アールを付けた場合にはエネルギ損失が少なく水流を吐
出口まで案内できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施形態を図面
を参照しながら説明する。
【0020】図1は本願発明に係るウオータジェット推
進機を、その一部を断面で示した正面図、図2は立型ウ
オータジェット推進機を底から見た図である。
【0021】ウオータジェット推進機Wは、船体底部1
の開口部2に円筒形のケーシング3を収容した形で船体
に取り付けられており、基台4の中央部には動力伝達機
構を内蔵したギヤボックス5が立設されている。ケーシ
ング3はギヤボックス5の側に設けられた旋回モータ6
によって旋回自在に構成されている。
【0022】ケーシング3の中央部には図示しないイン
ペラ軸が垂下しており、その下端にボス7を有し、この
ボス7にインペラ8が放射状に設けられている。インペ
ラ8の下方部には下端に円形の取水口9を有するベルマ
ウス10が設けられ、インペラ8の先端はこのベルマウ
ス10の上部に近接している。また、ベルマウス10の
上端部に連続するようにディフューザ11が設けられて
いる。ディフューザ11にはインペラ8により上方に押
し上げられた水流の通路が形成され、水流の旋回流を放
射方向の流れに偏向させるベーン12が設けられてい
る。
【0023】ディフューザ11、はケーシング3とは別
体で構成され、その下壁11aの内周端は下方に筒状に
延設され、この筒状延設部11b内にベルマウス10の
上端部10bが密接して嵌合(嵌入)されている。延設
部11bとベルマウス上端部10bはできるだけ密接さ
せて水流の漏れがないようにして性能低下防止を図って
いる。そのため、この密接部にラビリンスシールを形成
してもよい。
【0024】ケーシング3の上部コーナ部3aは全周に
渡ってアールが付いており、ディフューザ11から出た
水流が円滑にコーナアール部3aに沿って下方に導かれ
るようになっている。
【0025】ディフューザ11、ベルマウス10とケー
シング3との間には圧力室13が形成されている。ま
た、ケーシング3の下端部3bとベルマウス10の下端
部10aとの間に形成されたドーナツ状領域にはドーナ
ツ状の底板14が組立、分解可能(着脱自在)に設けら
れている。ディフューザ11から出た水流は、ディフュ
ーザ11に連通した圧力室13に入り、圧力室13の水
流は底板14に形成したガイドベーン15を有する吐出
口16から噴出され推力を発生するようになっている。
そして、ケーシング3を旋回することにより吐出口16
の位置が360°自在に変えられるようになっている。
ベルマウス10の下端は末広がり(ラッパ)状で、取水
口9を形成しており、この取水口9から塵や流木等が吸
い込まれないように格子17が設けてある(図2)。
【0026】図3は、この底板14だけを取り出して示
した平面図である。
【0027】底板14は平面的にはドーナツ状をしてお
り、中央部には取水口のための開口18、この開口18
を挟んで両側にサイド吐出口16a、16b、この両サ
イド吐出口16a、16bの間にセンタ吐出口16cが
形成されている。また、別な見方をすれば、取水口9の
中心を通る直径線9aの左右にセンタ吐出口16cおよ
びサイド吐出口16a、16bが設けられ、センタ吐出
口16cを形成するガイドベーン15の取水口側の端面
16dとサイド吐出口16a、16bを形成するガイド
ベーン15の端面16eの延長線が前記直径線9aに直
交する方向に形成されている。これによって、これらの
吐出口からの噴流は取水口9から遠ざかる方向に吐出さ
れるため、水流の短絡が起こらず効率が高められる。
【0028】また、サイド吐出口16a、16bの出口
部において底板14端部が、ガイドベーン15間の吐出
通路からガイドベーン15の表面に沿って吐出した噴流
の邪魔にならないようスムーズに流れるようにすべく、
これら吐出口の平面形状を階段状に、外周側の吐出口に
いくに従い、その長さが短くなるようにしている。
【0029】図3の底板14において、センタ吐出口1
6cとサイド吐出口16a、16bが存在する部分以外
は、平板であり、ここには補強リブ19が放射状に突設
されている。センタ吐出口16cとサイド吐出口16
a、16bが存在する部分と平板部20は別体で構成さ
れ(前者は鋳造品、後者は鋼板製)、X線位置で溶接に
よって接合されて一体になっている。鋳造にすれば、ガ
イドベーン15を備えた複雑な吐出口構造が簡単に製作
できる。すなわち、後述するガイドベーン15の形状、
傾斜、取付ピッチなどの精度が溶接構造に比べ容易に確
保できる。図1に示すように、底板14の外周部はケー
シング3の下端部にボルト21で固定されており、底板
14の内周部は上端フリーのベルマウス下端部10aと
ボルト22で固定されている。従って、ボルト21を取
り外せば底板14はベルマウス10とともに簡単に下方
に取り外しができる。
【0030】図4は、上述した底板14に装着され、セ
ンタ吐出口ないしサイド吐出口を形成するガイドベーン
15の詳細断面を示し、同時に隣り合うガイドベーン同
士の位置関係も示している。
【0031】ガイドベーン15は全体が弓状の翼型断面
をしており、吐出口に複数列設され、隣り合うガイドベ
ーン15同士の間には噴流の吐出通路23が形成され
る。ガイドベーン15は、上部が太く、下方にいくにつ
れて先細りの形状をなし全体的には概ね弓状をなし(大
きなそりをもつ)、水平近くに横たわる如き形(縦横比
H/Lが小さい)で設けてある。すなわち、ガイドベー
ン15を形作っている圧力面15aと背面15bは湾曲
面を呈している。圧力面15a側は、大きなRを持つ面
に、背面15b側は、前縁(頂部)15cを通る垂直線
24から隣りのガイドベーン15にオーバラップする方
向に張り出すように、半径R1の曲面を持ち、これに連
続して後縁15dまでこれより大きな半径R2の曲面を
持つように形成されている。これにより、隣り合うガイ
ドベーン15同士はオーバラップ量dを持つようになっ
ている。このオーバラップ量dにより、圧力室13から
の水流が真っ直ぐ下方に吐出されることなく隣り合うガ
イドベーン15の間の吐出通路23に沿って水平方向に
吐出される。更に吐出流はコアンダ効果によって背面に
沿ってこれから離れずに吐出される性質があり、極力水
平方向に吐出される。
【0032】上述したように、翼断面のガイドベーンの
縦横比は小さく設定されており、好ましくは圧力面15
aの延長線と底板14下面(水平面又は船底面)とのな
す角度θは約20°に設定される。この構成の場合、実
験結果によれば、噴流吐出角は10°前後になる(コア
ンダ効果によると考えられる)ことが確認されており、
底板14の下面すなわち船底面にできる限り平行に噴流
を吐出させることができる。これによって、船の推進方
向の推力成分を極力大きくすることができ、その結果性
能が高められる。
【0033】上記構成を有するガイドベーン15は翼断
面を持つから、その圧力面15aでは流速が遅く、背面
15bでは流速が速いのでガイドベーン15には揚力と
ドラッグの合力Pがほぼ水平方向に働き、この合力Pの
反力が推力の増加分となって、より性能向上につなが
る。
【0034】また、ガイドベーンは、所定のピッチで複
数取り付けられているが、その前縁の距離すなわち底板
上面においては広い流入部25を有し、下方にいくにつ
れて絞られた吐出流路23を持ち、これによって圧力エ
ネルギを最大限に運動エネルギに変換して大きな推力を
得るようにしてある。
【0035】図5において、上図(a)はセンタ吐出口1
6cの平面図、中図(b)はセンタ吐出口16cの直径線
9a位置と終端位置9bにおけるガイドベーン15の断
面図を対応させて示した図で、下図(c)はセンタ吐出口
16cに対応する底板14の外周部14aの形態を示し
ている。すなわち、直径線9aから離れるにつれてガイ
ドベーン15の下面(背面)15bが徐々に上昇するか
ら、その上昇曲線に合わせて底板14の外周部14aも
湾曲状に切除されている。直径線9a位置では底板外周
部14aの切り欠き量はゼロであるが、終端位置ではδ
だけ切除されている。かかる形状の切り欠き部14bを
設けることによって、センタ吐出口16cに設けたガイ
ドベーン15の間からの吐出流が底板外周部14に邪魔
されることなく円滑に吐出できるようになる。
【0036】図6と図8はディフューザ11から出た水
流をスムーズにガイドベーン15を有するサイド吐出口
16a、16bに導くための2つの実施形態である。図
7は図6におけるVII-VII矢視平面図、図9は図8にお
けるIX−IX矢視平面図である。センタ吐出口16cとサ
イド吐出口16a、16bのない底板14の部分に対応
した圧力室13内に案内板26(これは平面的には半ド
ーナツ状を呈す)を設け、この案内板26を左右のサイ
ド吐出口16a、16bのそれぞれに向かって滑り台の
如く下方に傾斜させて手前のガイドベーン15fに連な
っている。
【0037】図6の形態は、案内板26の外周がケーシ
ング3の内面に溶着されて一体化されている場合であ
る。案内板26とケーシング3の接合部はアール(アー
ル部26c)を付けているためエネルギ損失が少なく水
流を吐出口方向へ案内できる。案内板26の両端26a
は自由端であり、底板14に固着されていない。従って
ボルト21を取り外せば底板14は単独に取り外し可能
である。
【0038】図8の形態は、案内板26Aとケーシング
3とは別体で、案内板26Aの外周付近は底板14から
立ち上がってきた垂直な支持板27に取り付けられ、両
端26bは手前のガイドベーンに固着されている。従っ
て案内板26Aは支持板27を介して底板14に一体化
されている。このようにケーシング3と切り離して底板
14側に案内板26Aを取り付けておけば、底板14と
一緒に取り外すことができるので、ケーシング3内部の
貝類等の除去作業や掃除が容易となる。
【0039】図6と図7の実施形態では、共に取水口9
から吸引され、ディフューザ11から出た水流は、ケー
シング3の上部のコーナアール部3aに当たって下方に
曲げられ、さらに、案内板26(26A)のアール部2
6cに沿って左右のサイド吐出口16の方向に円滑に導
かれていく。そのため、ディフューザから吐出口に至る
までの間に水流の持つエネルギ損失が低減し、それだけ
性能が高められる。
【0040】図10は立型ウオータジェット推進機の性
能を高めるための更に別の実施形態を示し、該推進機を
底から見た図である。
【0041】サイド吐出口16の取水口9に近い端部1
6fに沿って三角形の蓋板(遮蔽板)28を装着したも
のである。蓋板28は、取水口9に近い側は幅広く、吐
出方向(上流から下流方向)に徐々に幅が小さくなるよ
うな三角形に形成されている。これは、上流側から吐出
した噴流ほど取水口9に吸い込まれやすいためである。
これによって、サイド吐出口16から出た水が取水口9
に短絡的にすぐ吸い込まれる現象を防止して結果的に効
率が高められる。
【0042】
【発明の効果】この出願発明は、以上説明したような形
態で実施され、次のような効果を奏する。
【0043】吐出口から出た吐出噴流が取水口からすぐ
吸い込まれる短絡現象が防止できると共に、ガイドベー
ン方式を採用したので吐出噴流を水平近くに導くことは
容易となる。そして、その噴流吐出角は水平に近い角度
であるから、船の推進力として働く水平方向の成分が大
きくなって、本来的に性能が低いといわれる立型ウオー
タジェット推進機の性能を最大限引き上げることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明を適用した立型ウオータジェット推進
機を、その一部を断面で示した正面図である。
【図2】同立型ウオータジェット推進機を底から見た図
である。
【図3】ケーシング下部に設けられている底板のみ取り
出して示した平面図である。
【図4】ガイドベーンの詳細断面図である。
【図5】(a)はセンタ吐出口の平面図、(b)はセンタ吐出
口の直径線位置と終端位置におけるガイドベーンの断面
図、センタ吐出口に対応する底板の外周部の形態図であ
る。
【図6】案内板をケーシング内部に固着して設けた場合
の立型ウオータジェット推進機を、その一部断面で示し
た正面図である。
【図7】図6におけるVII-VII矢視平面図である。
【図8】底板側に取り付けた案内板をケーシング内部に
設けた場合の立型ウオータジェット推進機をその一部断
面で示した正面図である。
【図9】図8におけるIX−IX矢視平面図である。
【図10】サイド吐出口に蓋板を付けた場合の立型ウオ
ータジェット推進機を底から見た図である。
【図11】従来の立型ウオータジェット推進機の縦断面
図である。
【符号の説明】
W…立型ウオータジェット推進機 3…ケーシング 8…インペラ 9…取水口 9a…直径線 10…ベルマウス 11…ディフューザ 13…圧力室 14…底板 15…ガイドベーン 15a…圧力面 15b…背面 15c…前縁 15d…後縁 16…吐出口 16a、16b…サイド吐出口 16c…センタ吐出口 23…吐出通路 26、26A…案内板 28…蓋板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63H 11/08 B63H 11/10 B63H 11/117

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング中央部の取水口から水を吸い
    上げてディフューザ、ケーシング内部の圧力室を介して
    底板に形成した吐出口から噴流を吐き出して推力を発生
    する立型ウオータジェット推進機であって、 吐出口として、取水口の中心を通る直径線の左右にセン
    タ吐出口およびサイド吐出口を設け、センタ吐出口の取
    水口側の端面を前記直径線に直交する方向に形成し、各
    吐出口に弓状のガイドベーンをその縦横比が小さくなる
    形で、かつ、隣り合うガイドベーンの前縁部分と後縁部
    分とをオーバラップさせるように各ガイドベーンを複数
    列設することで船底面にできる限り平行に噴流が吐出で
    きるようにし、しかも、 各ガイドベーンが、底板上面においては広い流入部を有
    し、下方にいくにつれて絞られた吐出流路を有し、これ
    によって圧力エネルギを最大限に運動エネルギに変換し
    て大きな推力を得るようにした ことを特徴とする立型ウ
    オータジェット推進機の吐出口構造。
  2. 【請求項2】 該ガイドベーンの吐出口からの噴流吐出
    角がケーシング底面と約10°前後になるような傾斜角
    を備えた請求項1記載 の立型ウオータジェット推進機の
    吐出口構造。
  3. 【請求項3】 該ガイドベーンの圧力面をケーシング底
    面に対して約20°の傾斜角度を持たせるようにした請
    求項1記載の 立型ウオータジェット推進機の吐出口構造
  4. 【請求項4】 センタ吐出口から噴流が吐出する方向に
    おけるケーシング下部の底板外周部を、ガイドベーンの
    背面形状にほぼ合わせた形に切り欠いて、ガイドベーン
    間に形成された吐出通路から吐出した噴流の邪魔になら
    ないようにした請求項1〜3いずれか1項に記載の立型
    ウオータジェット推進機の吐出口構造。
  5. 【請求項5】 サイド吐出口において、底板外周部に近
    い側のサイド吐出口を噴流吐出方向に階段状に小さく形
    成した請求項1〜4いずれか1項に記載のウオータジェ
    ット推進機の吐出口構造。
  6. 【請求項6】 ケーシングの内部に両側のサイド吐出口
    に向かって傾斜する 案内板を設けた請求項1〜5いずれ
    か1項に記載の 立型ウオータジェット推進機の吐出口構
    造。
  7. 【請求項7】 ケーシング上部のコーナを全周に渡って
    アールを付けた請求項1〜6いずれか1項に記載の立型
    ウオータジェット推進機の吐出口構造。
  8. 【請求項8】 サイド吐出口の取水口に近い端部に沿っ
    て該吐出口を塞ぐ蓋板を設けた請求項1〜7いずれか1
    項に記載の立型ウオータジェット推進機の吐出口構造。
  9. 【請求項9】 案内板とケーシングの接合部にアールを
    付けた請求項6記載の立型ウオータジェット推進機の吐
    出口構造。
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