JP3062030B2 - インクタンク - Google Patents

インクタンク

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JP3062030B2
JP3062030B2 JP4110795A JP4110795A JP3062030B2 JP 3062030 B2 JP3062030 B2 JP 3062030B2 JP 4110795 A JP4110795 A JP 4110795A JP 4110795 A JP4110795 A JP 4110795A JP 3062030 B2 JP3062030 B2 JP 3062030B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを吐出して記録
を行うインクジェットプリンタに用いられるインクタン
クに関し、特にプリンタの小型化を達成する小型で安定
したインク供給を可能にするインクタンクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、布、プラスチックシート、O
HP用シート等の記録媒体(以下、単に「記録紙」とも
いう)に対して記録を行う記録装置は、種々の記録方
式、例えばワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方
式、インクジェット方式による記録ヘッドを搭載可能な
形態として提案されている。
【0003】特に、インクジェット記録装置は、情報処
理システムの出力手段、例えば複写機、ファクシミリ、
電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークステーシ
ョン等の出力端末としてのプリンタ、あるいはパーソナ
ルコンピュータ、ホストコンピュータ、光ディスク装
置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポータブ
ルプリンタとして利用され、かつ商品化されている。
【0004】一方、記録ヘッドの吐出口からインクを吐
出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子
としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたも
の、レーザなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱
による作用でインク滴を吐出させるもの、あるいは発熱
抵抗体を有する電気熱変換素子によって液体を加熱させ
るもの等がある。
【0005】一般に、記録ヘッドへインクを供給するた
めのインクタンクは、インク吸収体と、このインク吸収
体を収納する容器と、これを封止する蓋部材とで概略構
成される。また、上記記録ヘッドは、このようなインク
タンクと一体化されたチップタイプのものと、インクタ
ンクと着脱自在に結合するものとがある。どちらのタイ
プの場合においても、記録ヘッドとインクタンクとの位
置決め、あるいはこれらの部材が一体となった記録ヘッ
ドカートリッジとキャリッジとの位置決めは、印字品位
に係わる重要な事項である。それらの位置決めの手段の
1つに、係合穴と係合ピンを用いたものがあり、両者を
係合させることよって位置決めを正確に行うことが可能
となる。
【0006】上述した記録ヘッドとインクタンクとの位
置決め、あるいは記録ヘッドカートリッジとキャリッジ
との位置決めのための着脱機構としては、小型のインク
ジェット記録装置では、より少ないスペースでの着脱を
可能とするために、レバー等の操作によりインクタンク
あるいは記録ヘッドカートリッジを複数の方向に移動さ
せる機構を用いていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本願出願人は先に、小
型プリンタを提供できるインクタンクを提案している
が、本発明は、小型インクタンクを提供するにあたって
のインク供給性の観点からインクタンクの取り付け状態
やインクタンクの内部構造が長期的使用状態に与える影
響があることを見い出し、安定インク供給を与えるイン
クタンクの取り付けに関わる外部構成及び安定インク供
給を与える内部構造に関する発明を提供することを目的
とする。
【0008】また、本発明は、小型インクタンク自体の
外型を簡単にして安価なインクタンクを提供しつつ、こ
のインクタンクを確実にホルダに装着するための構成を
提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、インクタンクのインク供
給口に繊維状体によって構成されたインク供給部材を用
いるに当って、この部材の装着時の不都合を解決するこ
とを別の目的とする。
【0010】さらに、本発明は、インクタンクのインク
供給口の位置が取付作用点によって不安定になる場合を
見い出し、インクタンクの厚さ(高さ)よりも少なくと
も一方の幅(縦又は横)が大きい場合に特に有効な構造
を提供することを目的とする。
【0011】本発明は、上記いずれかの目的を少なくと
も1つ解決する発明であって、従来では認識されていな
いインクタンクの各課題を効果的に解決するものであ
る。
【0012】本発明は上述の目的を達成するために提案
されたものであって、インクタンクの形状や装着・取付
構造に関系なく、取付状態における実質的な取付軸(1
対設けられた装着係合部材を結ぶ仮想線)に対して、イ
ンク供給口がどのような位置にあるかで、装着後のホル
ダ側インク受け部(インク供給管)とインク供給口の密着
状態を安定維持できるかという観点からなされた発明で
あって、インクジェット記録ヘッドから吐出される記録
用のインクを前記インクジェット記録ヘッドに供給する
ための供給口を底面に有し、前記供給口を間に挟むよう
にして相対向する側面にそれぞれに装着係合部材が配さ
れて構成されるインクタンクであって、前記インクタン
クの上面からの投影図における前記装着係合部材の中心
同士を結ぶ仮想線に対して前記供給口の中心は偏寄して
おり、前記供給口の中心から前記仮想線への垂線の距離
の最大値が10mm以下であることを特徴とする。
【0013】インクタンクがホルダに対して接触する部
分をインクタンク側面に配された装着係合部とインク供
給部の結合部のみとする三点支持関係とする場合、この
仮想線(実質的な取付軸)に対してインク供給口の中心
からの垂線の距離が10mmを越えると、インク供給部
の面接触が傾斜して不安定供給となることが判明した。
無論、理想的には、この仮想線が、インク供給口を横切
ることが好ましく、又、インク供給口全体が、この距離
内にすべてあることが好ましい。上記インクタンクの供
給口とインク受け面(インク供給管)が位置ずれする場合
は、インク受け面(インク供給管)が当接するインク供給
口領域の中心を本発明の供給口中心とすることが良い。
【0014】また、前記インクタンクは前記供給口が配
された前記底面からの高さが前記インクタンクの縦・横
寸法の少なくとも一方より小であり、且つ前記供給口が
設けられた個所に高さhの繊維状体によって構成された
方向性を有するインク供給部材が配されるとともに、前
記インク供給部材の上方及び周囲に多孔質のインク吸収
体が配され、前記インク吸収体の前記インク供給部材よ
り上方の高さ成分Hがh≦H≦4hの関係を満足する構
成であることは好ましい。
【0015】この構成は、インク供給部材が供給するイ
ンクの消費に伴って、インク吸収体内に収納されるイン
クが効率よくインク供給部材の圧接域へ集合せしめるこ
とのできる条件を与えるものである。つまり、h>Hで
あると、インク吸収体の直接対応域が小さくなるため、
インク供給接続性が損なわれる場合が見られる。逆にH
>4hの時は、インク水頭差に大幅な変化を生じ、初期
インク供給性と末期インク供給性との差が大きくなり、
装置本体側の制御を必要とする。
【0016】この様な条件を満足するインクタンクの構
成は、小型インクタンクのインク供給性の安定化を確実
なものにできる。
【0017】特に、内部に収容した記録用のインクを外
部に供給インクタンクの場合に有効であり、インクタン
クの底面に設けられるインク供給部材がインクタンク内
に収納されているインク吸収体に接触している接触面か
ら上方に向って垂直な方向のインクタンク内面までの距
離SHが20mm以下であって、前記接触部分からイン
クタンクの角部内面までの距離lの内、少なくとも2方
向がSH≦l≦2.5×SHを満足することは、より一
層有効な規制効果を生むことができる。
【0018】インク供給部材の端面が取付時にホルダ側
と接触するとこの端面に形成されているインク表面が濡
れたりすること或いは、旋回装着時にインク供給部材の
端面が損傷したりすることを防止する発明で、インクタ
ンクの供給口に配されたインク供給部材の外端面は、イ
ンクタンクの外表面から0.3mm以上0.8mm以下
の範囲内で内方に位置して配されることを特徴とする。
【0019】この距離が0.3mmより小であるとイン
クタンクの外部にインクが流れ出たりするおそれがあ
り、0.8mmを越えると、ホルダー側のインク受け面
(インク供給管)との接触不良を招くおそれがある。
【0020】インクタンクをインク供給管に対して取り
付けた状態では、インク供給部材は前記インク供給管に
よって0.1mm以上0.5mm以下の範囲で吸収体側
への移動を行わせしめられる構成とすることはより好ま
しい。この数値範囲を越えると、インク吸収体或いは一
方向内インク供給部材が変形し過ぎる場合も見られ、逆
に下回ると、インク供給の一層の安定化が得られない場
合が見られた。これの原因は、使用前のインク吸収体内
のインク分布がインク供給を支配することによるものと
考えられる。
【0021】さらに、単数又は複数のインク供給口を持
つインクタンクの安定取付条件の観点からなされた発明
で、インク供給口とホルダ側のインク受け面(インク供
給管)との単位面積当りの圧接力Nが、40gf/mm2
を下回ると、インク吸収体内のインク損失に伴う弾性
力等の変化に対して、一方向性インク供給部材が移動し
てインク供給不良を招くことがあり、逆に、80gf/
2 を越えると、初期においてインク吸収部材自体を圧
縮し過ぎたり、インク供給部材の構置を劣化する場合が
見られた。
【0022】
【0023】本発明は、上述の構成の少なくとも1つ或
いはこれら複数の構成の組合せによる発明すべてを含む
ものである。
【0024】本発明にとってより有効な構成は以下の説
明の各構成を挙げることができる。
【0025】
【実施例】本発明に関する説明の詳細は、図35、図3
6、図45乃至図49で説明するが、これらの発明が実
施されているインクタンクや取付けに関する実施例を以
下図面を参照して説明する。この図面の説明中で説明す
る各構成や発明は、本発明にとって必須なものではない
が好ましい付加条件である。
【0026】以下のインクタンクでは、インクタンクホ
ルダに装着するには、まず、一端面に設けられた爪状突
起をインクタンクホルダの抜け止め穴に位置合わせして
嵌合させ、次いで、他端面に弾性的に支持されたラッチ
レバーのラッチ爪をインクタンクホルダの係合穴に係合
させる。これにより、インクタンクの両端面がインクタ
ンクホルダに保持され、インクタンクは正確に位置決め
され、装着される。また、インクタンクがインクタンク
ホルダに正確に位置決めされるので、インクタンクの供
給口とインクタンクホルダのインク取り出し手段との結
合も確実に行われ、インクの漏れも発生しない。
【0027】この際、先に爪状突起の位置合わせを行う
ために、インクタンクをインクタンクホルダの開口に斜
めに挿入する必要があるが、インクタンクの底面と、爪
状突起が形成されている一端面との稜部には傾斜面が形
成されているので、この傾斜面に沿ってインクタンクを
挿入すれば、爪状突起と抜け止め穴との位置合わせは容
易である。しかも、インクタンクをインクタンクホルダ
に斜めに挿入し、その後、ラッチ爪と係合穴とを係合さ
せることになるので、インクタンクは爪状突起が設けら
れた側を中心にして回転しながらインクタンクホルダに
装着されることになる。このため、インクタンクをイン
クタンクホルダに装着するのに要するスペースが少なく
てすむ。
【0028】インクタンクホルダからインクタンクを取
り外すには、ラッチレバーを係合穴とは反対側にたわま
せることによりラッチ爪と係合穴との係合を解除する。
この場合も、装着の手順と逆の手順で取り外される。
【0029】また、インクタンクの一端面側の上面に、
インクタンクホルダの張り出し部の下方にもぐり込む段
差部が形成されたものでは、張り出し部によりインクタ
ンクの挿入方向が規制されるので、爪状突起と抜け止め
穴との位置合わせがより容易になる。
【0030】インクタンクの両側面の、一端面側の上端
部に、インクタンクホルダの凹部に嵌合する突起が設け
られたものでは、突起をインクタンクホルダの凹部に嵌
合させ、この状態でインクタンクを回転させる。これに
より、爪状突起と抜け止め穴との位置合わせおよびラッ
チ爪と係合穴との係合がより容易になる。
【0031】ラッチレバーがインクタンクの底部に支持
され外側上方に向かって傾斜または湾曲しているもので
は、インクタンクをインクタンクホルダから取り外す際
に、ラッチ爪と係合穴との係合が解除されると、ラッチ
レバーはインクタンクホルダの内壁に当接し、インクタ
ンクの他端面側が、ラッチレバーの傾斜または湾曲に沿
って上昇する。これによりインクタンクの他端面側がイ
ンクタンクホルダから突出し、インクタンクを取り外し
易くなる。
【0032】本インクタンクホルダでは、開口の一端壁
内面に形成された抜け止め穴にインクタンクの爪状突起
に嵌合させるとともに、開口の他端壁内面に形成された
係合穴に、インクタンクに弾性的に支持されたラッチレ
バーのラッチ爪を係合させることによって、インクタン
クが正確に位置決めされて装着される。この際、一端壁
の開口端部には、開口の一部を覆う張り出し部が設けら
れているので、インクタンクの開口への挿入方向が規制
される。すなわち、インクタンクは爪状突起が設けられ
ている側の面から斜めに挿入され、その後、インクタン
クのラッチ爪が設けられた面側を押し込んでラッチ爪と
係合穴とを係合させることになるので、爪状突起と抜け
止め穴との位置合わせが容易であり、しかも少ないスペ
ースでインクタンクの着脱が行われる。
【0033】また、インクタンクホルダの両側壁の上端
面に、インクタンクに設けられた突起が嵌合する凹部が
形成されたものでは、インクタンクの装着の際に、イン
クタンクの突起をインクタンクホルダの凹部に嵌合させ
るようにインクタンクを挿入すれば、インクタンクのイ
ンクタンクホルダへの挿入位置も規制され、爪状突起と
抜け止め穴との位置合わせがより容易になる。
【0034】ラッチレバーが嵌合するラッチレバーガイ
ド溝が形成され、このラッチレバーガイド溝に係合穴が
形成されたものでは、インクタンクをインクタンクホル
ダに斜めに挿入後、インクタンクをインクタンクホルダ
に押し込むと、インクタンクのラッチレバーがラッチレ
バーガイド溝に沿って押し込まれる。ラッチ爪はラッチ
レバーに設けられるとともに、係合穴はラッチレバーガ
イド溝に形成されているので、ラッチレバーがラッチレ
バーガイド溝に沿って押し込まれることにより、ラッチ
爪と係合穴との係合がより容易になる。しかも、ラッチ
レバーはインクタンクの底部に弾性的に支持され外側上
方に向かって傾斜または湾曲しているので、ラッチ爪と
係合穴との係合が解除されると、ラッチレバーがラッチ
レバーガイド溝に当接し、インクタンクの他端面側が、
ラッチレバーの傾斜または湾曲に沿って上昇する。これ
によりインクタンクの他端面側がインクタンクホルダか
ら突出し、インクタンクを取り外し易くなる。
【0035】また、インクタンクがインクタンクホルダ
に正常な状態で収容されていない場合にも、上記の場合
と同様にインクタンクのインクタンクホルダからの突出
量が大きくなり、収容が正常になされているかの確認お
よび、正常に収容されていない場合の取り外しが容易と
なっている。
【0036】インクタンクホルダの開口の底壁に、イン
クタンクの他端側の底面をインクタンクホルダの開口に
向けて付勢する付勢手段が設けられたものでは、インク
タンクをインクタンクホルダから取り外す際、ラッチ爪
と係合穴との係合が解除されると、インクタンクの他端
側が付勢手段の付勢力によって突出される。これによ
り、インクタンクのインクタンクホルダからの突出量が
より大きくなり、インクタンクの取り外しがさらに容易
になる。
【0037】そして、インクタンクが、内部に複数色の
インクを収容し、それに対応してインクタンクの供給口
およびインクタンクホルダのインク取り込み手段が復数
個設けられている場合、インク取り込み手段をインクタ
ンクホルダの一端壁から他端壁に向かう方向に沿って配
置することで、インクタンクの装着差の際、供給口とイ
ンク取り込み手段とは、インクタンクホルダの一端壁側
から他端壁側に順次結合されるので、供給口とインク取
り込み手段との結合が安定して保たれる。
【0038】また、インクタンクホルダに仕切板を設
け、インクタンクホルダの開口を複数の領域に区画する
ことによって、1つのインクタンクホルダに複数のイン
クタンクが装着される。これは、例えばカラーで記録を
行う場合、インクの色によって消費量が異なるので、イ
ンクの色ごとにインクタンクを設定すれば、インクを効
率的に使用できるようになる。この場合、インクタンク
およびインクタンクホルダに、互いに対応する傾斜面を
形成することで、インクタンクの誤装着が防止される。
【0039】さらに、記録ヘッドを一体的に設けたもの
では、インクタンクが着脱自在な記録ヘッドカートリッ
ジが得られる。この場合、キャリッジに着脱自在とする
ことにより、シリアルタイプのインクジェット記録装置
への適用が可能となる。しかも、インクタンクホルダの
一端壁側の外面にキャリッジとの位置決めをなす位置決
め手段が設けられるとともに、他端壁側の外面には、キ
ャリッジに弾性的に支持されたガイド部材と係合する凹
状の係合部が設けられているので、インクタンクホルダ
の装着の際は、まず、位置決め手段の位置合わせをし、
次いで、ガイド部材と係合部とを係合させる。すなわ
ち、インクタンクをインクタンクホルダに装着する手順
と同様に、インクタンクホルダをキャリッジに対して斜
めにして概略の位置合わせを行い、その後、インクタン
クホルダの一端側を中心として回転するように他端側を
キャリッジに向けて押し込む。
【0040】これにより、インクタンクホルダの両端が
保持され、インクタンクホルダはキャリッジに正確に位
置決めされ、装着される。インクタンクホルダの着脱
は、上述したようにインクタンクホルダを回転させなが
ら行うので、その着脱に必要なスペースが少なくてす
む。
【0041】この場合、ヘッド端子部と係合部とを、イ
ンクタンクホルダの側壁に平行な直線上に配置すること
で、係合部とガイド部材との係合により、ヘッド端子部
とキャリッジの端子部との対向面に対して垂直な方向に
インクタンクホルダが押圧されるので、両者の当接が確
実なものとなる。
【0042】さらに、インクタンクホルダの外壁側の外
面に摘み部を設けたものでは、キャリッジに装着された
インクタンクホルダをキャリッジから取り外す際には、
この摘み部に指を引っ掛けてインクタンクホルダを引き
上げることができるので、インクタンクホルダの取り外
しが容易になる。また、ラッチ爪係合穴は、インクタン
クをインクタンクホルダから取り外す際に操作されるラ
ッチレバーに対応して位置するので、ラッチ爪係合穴と
摘み部とを互いに異なる位置に配置することにより、イ
ンクタンクホルダからインクタンクを取り外すときと、
キャリッジからインクタンクホルダを取り外すときとの
誤操作が防止される。
【0043】一方、インクタンクの着脱用の固定領域を
外方へ突出させた突出域を有し、この突出域に対して相
対的に凹部となる領域に、キャリッジに対して着脱する
ための操作部が設けられたインクタンクホルダでは、突
出域を有するので、その周囲の領域は突出域に対して相
対的に凹部となっている。そこで、この凹部となる領域
を利用し、この部分に、キャリッジに対して着脱する際
に操作者が操作する操作部を設けることによって、着脱
の際に操作者が指を入れるための空間を特別に設ける必
要はなくなる。したがって、キャリッジに対する着脱用
の操作部の構造が簡単なものとなる。特に、この操作部
を、凹部となる領域の上端部に設けることによって、操
作がより容易になる。
【0044】また、キャリッジに装着された際にキャリ
ッジに保持される固定部を有する面で、かつ、この固定
部から最も離れた領域に操作部を設けたものでは、操作
部に力を加えた際に固定部に作用するモーメントが大き
くなる。すなわち、小さな力で固定部の保持および解除
が可能となるので、キャリッジに対する着脱操作が容易
になる。
【0045】さらに、インクタンクの着脱用の操作部
と、キャリッジに対して着脱するための操作部とをキャ
リッジの移動方向に対して同一の側に設けたものでは、
操作部が集中しているので、インクタンクまたはインク
タンクホルダのどちらの着脱に際しても操作が簡単にな
る。また、操作部が設けられた側に操作者が操作できる
空間があれば、キャリッジがどの位置にあっても着脱が
可能となる。この場合、インクタンクの着脱の頻度とイ
ンクタンクホルダの着脱の頻度とを比較すると、インク
タンクの着脱の頻度のほうが大きいので、インクタンク
の着脱用の操作部をキャリッジに対して着脱するための
操作部よりも上方に設けることで、インクタンクの着脱
がより容易になる。特に、複数個のインクタンクが着脱
可能な場合、各インクタンクの操作部を同一直線上に配
置することにより、デザイン的にもまとまったものとな
るし、より小型化が可能となる。
【0046】本キャリッジでは、本発明のインクタンク
ホルダのうち、記録ヘッドが一体的に設けられたインク
タンクホルダが着脱自在に保持される。したがって、上
述したように、少ないスペースで、しかも簡単にインク
タンクホルダの着脱が行える。
【0047】このようなキャリッジに着脱可能なインク
タンクホルダとしては、位置決め手段、端子部およびガ
イド部材を有するものでは、それらに対する位置関係が
等しければ、どのようなインクタンクホルダでもよい。
すなわち、1つのインクタンクを保持するインクタンク
ホルダでも、複数のインクタンクを保持するインクタン
クホルダでも、自由に選択して着脱可能である。したが
って、モノカラーからカラーに切り替えたいときやカラ
ーからモノカラーに切り替えたいとき等は、インクタン
クホルダを交換するだけでよい。
【0048】また、インクタンクホルダの一端壁側の外
面と対向する面に、インクタンクホルダが装着された状
態でインクタンクホルダの上面の一部を覆う覆い部が設
けられたものでは、この覆い部がインクタンクの挿入の
際のガイドとなるとともに、インクタンクホルダのキャ
リッジへの挿入方向が規制されるので、インクタンクホ
ルダおよびキャリッジの位置決め手段の位置合わせがよ
り容易になる。しかも、覆い部によりキャリッジの端子
部に他の部材や操作者の指等が触れにくくなるので、キ
ャリッジの端子部が保護される。
【0049】さらに、インクジェット記録装置に往復移
動可能に支持するための支持手段として、2つの軸受部
と2つの挟持部とを有するものでは、2つの挟持部のう
ち一方の挟持部は、それを構成する2つの部材の間隔は
他方の挟持部の2つの部材の間隔よりも大きいので、実
際には、キャリッジは、2つの軸受部と他方の挟持部と
で、記録媒体の面に平行に支持される。一方の挟持部
は、他方の挟持部よりもガイド部材の近くに位置してお
り、キャリッジにインクタンクホルダを着脱する際の荷
重が加わり易いので、実質上はキャリッジを支持してい
ない一方の挟持部に、インクタンクホルダの着脱の際の
荷重を加えることで、他方の挟持部や各軸受部への影響
が抑えられる。したがって、インクタンクホルダの着脱
の際にキャリッジが必要以上に変形することがなくな
り、操作上の不具合が防止される。
【0050】本インクジェット記録装置では、上記キャ
リッジを備えているので、インクタンクホルダのキャリ
ッジへの着脱やインクタンクのインクタンクホルダへの
着脱に必要なスペースが少なくてすみ、結果的に、小型
のインクジェット記録装置が実現される。また、インク
タンクとインクタンクホルダとの位置決めが正確になさ
れるのでインクの漏れがなくなり、しかも、インクタン
クホルダとキャリッジとの位置決めが正確になされるの
で記録ヘッドの位置決めも正確になされる。したがっ
て、信頼性が高く、記録品位のよいインクジェット記録
装置が提供される。
【0051】次に、図面の図1乃至図27を用いて本発
明の実施例について説明する。
【0052】図1は、本発明のインクジェット記録装置
の一実施例の斜視図である。図1において、キャリッジ
2は、記録ヘッドカートリッジ1を着脱自在に搭載する
ものであり、フレーム4に両端部が固定され互いに平行
に配置されたガイドシャフト5およびガイドレール12
に、記録媒体Pの搬送方向と直交し、かつ、記録媒体P
の面に平行な方向に摺動自在に支持される。また、キャ
リッジ2は、キャリッジ駆動モータ10の出力軸に固着
された駆動プーリ13と、回転自在に軸支された従動プ
ーリ(不図示)との間に掛け回されたキャリッジ駆動ベ
ルト11の一部位に結合されており、キャリッジ駆動モ
ータ10を駆動することでキャリッジ駆動ベルト11が
回転し、キャリッジ2が上記方向に往復移動する構成と
なっている。
【0053】記録ヘッドカートリッジ1は、インク吐出
用の電気信号である記録信号に基づいてインクを吐出す
る記録ヘッドとしてのノズル部50(図5参照)と、モ
ノカラーホルダ60(図5参照)とを有するインクタン
クホルダであり、モノカラーホルダ60に、インクを収
容するインクタンク30を着脱自在に保持する。ノズル
部50は記録ヘッドカートリッジ1の底部(図示下端
部)に設けられており、インクは図示下方に向かって吐
出される。ノズル部50への記録信号は、キャリッジ2
に設けられたフレキシブルケーブル3を介して、このイ
ンクジェット記録装置の動作を制御する制御基板(不図
示)から伝送される。フレキシブルケーブル3は、キャ
リッジ2の移動方向に沿って配され、キャリッジ2の移
動に伴ってループを形成する。記録ヘッドカートリッジ
1およびキャリッジ2については、後に詳しく説明す
る。
【0054】一方、記録媒体Pは、両端部がフレーム4
に回転自在に支持された圧板8上に積載される。圧板8
は、付勢手段(不図示)によりピックアップローラ9に
向けて付勢されており、圧板8上に積載された記録媒体
Pは、ピックアップローラ9に押し付けられている。給
紙命令によってピックアップローラ9を回転させると、
ピックアップローラ9と記録媒体Pとの摩擦力により記
録媒体Pが送り出されるが、圧板8は従来の自動給紙装
置で用いられているような分離爪等の分離手段(不図
示)を有しており、この分離手段の作用により、最上位
置の記録媒体Pのみが1枚だけ送り出される。
【0055】ピックアップローラ9によって送り出され
た記録媒体Pは、フレーム4に両端部が支持された搬送
ローラ6、およびベース14に設けられたピンチローラ
7により挟持されながらキャリッジ2の下方に搬送され
る。記録媒体Pへは、この位置で記録が行われる。さら
に、記録媒体Pの搬送方向に対してキャリッジ2よりも
下流側には、排紙ローラ15および拍車16が対向配置
され、キャリッジ2の下方を通過した記録媒体Pは、こ
れら排紙ローラ15と拍車16とに挟持され、排紙され
る。上述したピックアップローラ9、搬送ローラ6およ
び排紙ローラ15の駆動は、紙送りモータ(不図示)を
駆動源として行われる。
【0056】なお、以下の説明では、記録媒体Pの搬送
方向に対して上流側を奥側、その面を背面といい、下流
側を手前側、その面を前面という。
【0057】図2に、図1に示したインクジェット記録
装置を筐体に収めた状態の斜視図を示す。図2に示すよ
うに、下ケース18と上ケース17とによって外装が構
成され、その内部に、図1に示したインクジェット記録
装置が収められている。
【0058】上ケース17の奥側部には、上ケース17
を覆うトップカバー19が開閉自在に設けられている。
上ケース17は、圧板8に対応する部位に開口部を有
し、トップカバー19を開くことで、トップカバー19
は記録媒体Pを圧板8上にセットするためのトレイとな
る。さらに上ケース17は、その中央部から前面にかけ
ても開口部を有し、この開口部から、記録ヘッドカート
リッジ1あるいはインクタンク30を着脱することがで
きる。そのため、記録ヘッドカートリッジ1あるいはイ
ンクタンク30の交換時には、所定の操作によりキャリ
ッジ2はその移動範囲の中央部に移動される。この記録
ヘッドカートリッジ1あるいはインクタンク30の交換
用の開口部の手前側には、この開口部の上面の一部およ
び前面を覆うヘッドカバー20が開閉自在に設けられて
おり、記録ヘッドカートリッジ1あるいはインクタンク
30を交換しないときにはヘッドカバー20を閉じ、記
録ヘッドカートリッジ1を保護する。
【0059】次に、キャリッジについて図3を参照して
説明する。図3は、図1に示したインクジェット記録装
置のキャリッジ2の斜視図である。
【0060】キャリッジ2は全体的に枠型の形状をなし
ており、その中空部に、記録ヘッドカートリッジ1(図
1参照)が装着される。キャリッジ2の背面には2つの
軸受部2aが一体的に設けられており、これら各軸受部
2aにガイドシャフト5が挿通される。また、キャリッ
ジ2の前面には、2つの挟持部として、ガイドレール挟
持部2bとキャリッジ変形防止用ストッパ2cが一体的
に設けられている。ガイドレール挟持部2bはケーブル
押え21側に設けられ、キャリッジ変形防止用ストッパ
2cはヘッドガイド22側に設けられる。ガイドレール
挟持部2bおよびキャリッジ変形防止用ストッパ2c
は、それぞれ板状のガイドレール12を挟んで上下方向
に間隔をおいて突設された2つの部材で構成されるもの
である。このように、2つの軸受部2aと、ガイドレー
ル挟持部2bと、キャリッジ変形防止用ストッパ2cに
おいてキャリッジ2が支持されている。これにより、キ
ャリッジ2はベース14(図1参照)と平行になるよう
に支持され、キャリッジ2に装着された記録ヘッドカー
トリッジ1のノズル部50(図5参照)と記録媒体P
(図1参照)との距離がほぼ一定に保たれる。
【0061】ただし、キャリッジ変形防止用ストッパ2
cを構成する2つの部材の間隔は、ガイドレール挟持部
2bを構成する2つの部材の間隔よりも大きく、キャリ
ッジ2は、実質上はキャリッジ変形防止用ストッパ2c
を除く3点で支持されている。これは、キャリッジ2を
ベース14と平行に支持するためには、キャリッジ2の
摺動負荷を考慮すると、キャリッジ2を同一直線上に並
んでいない3点で支持すれば十分であるからであり、さ
らにキャリッジ変形防止用ストッパ2cを設けたのは、
キャリッジ2に記録ヘッドカートリッジ1を着脱する際
の、ガイドレール挟持部2bや各軸受部2aへ加わる荷
重によるキャリッジ2の不要な変位や変形を防止し、操
作上の不具合が生じるのを防止するためである。また、
キャリッジ変形防止用ストッパ2cをヘッドガイド22
側に設けたのは、後述するように、キャリッジ2へ記録
ヘッドカートリッジ1を着脱する際には、このヘッドガ
イド22に力が加わるからである。
【0062】フレキシブルケーブル3は所定の経路を引
き回され、その先端部に設けられたケーブル端子部3a
がキャリッジ2の図示右側壁の内側に位置するように、
ケーブル押え21により固定されている。ケーブル端子
部3aは、キャリッジ2に記録ヘッドカートリッジ1を
装着したとき、記録ヘッドカートリッジ1のヘッド端子
部53(図5参照)が当接するもので、これにより、記
録ヘッドカートリッジ1との電気的接続がなされる。
【0063】ケーブル押え21は、ステンレス等の導電
性を有する板状の部材を折り曲げて形成したものであ
り、その上端部は、ケーブル端子部3aよりもキャリッ
ジ2の内側へ張り出した覆い部21aとなっている。ま
た、ケーブル押え21はその一部が、フレキシブルケー
ブル3のGNDパターンと接触している。すなわち、ケ
ーブル押え21はフレキシブルケーブル3を介して接地
されている。これは、操作者が記録ヘッドカートリッジ
1をキャリッジ2に着脱する際等に、操作者の指等に帯
びた静電気あるいは記録ヘッドカートリッジ1に蓄積さ
れた静電気等をケーブル押え21に放電させてGNDに
落すためであり、これにより上記静電気等のケーブル端
子部3aへの放電を防止し、このインクジェット記録装
置の制御基板へダメージを与えないようにしている。
【0064】また、ケーブル押え21に覆い部21aを
形成することによって、ケーブル端子部3aは覆い部2
1aの下方に位置することになり、ケーブル端子部3a
に操作者の指等が触れにくくなる。その結果、上述した
静電気等がケーブル押え21に放電し易くなり、さら
に、覆い部21aによりケーブル端子部3a自体の保護
がなされる。
【0065】キャリッジ2の、ケーブル端子部3aが位
置している面には、2つのヘッド位置決め突起2d、2
eが一体的に設けられている。一方のヘッド位置決め突
起2dは角形で、ケーブル端子部3aよりも奥側に設け
られている。他方の位置決め突起2eは先端部が円錐形
状の丸形で、ケーブル端子部3aよりも手前側に設けら
れている。キャリッジ2に記録ヘッドカートリッジ1が
装着された状態では、後述するように、一方のヘッド位
置決め突起2dが記録ヘッドカートリッジ1のヘッド位
置決め切り欠き53a(図5参照)に嵌合するととも
に、他方の位置決め突起2eが記録ヘッドカートリッジ
1のヘッド位置決め穴53b(図5参照)に嵌合し、記
録ヘッドカートリッジ1のキャリッジ2に対する正確な
位置決めがなされる。以上の説明から明らかなように、
各ヘッド位置決め突起2d、2eでキャリッジ2の位置
決め手段が構成され、ヘッド位置決め切り欠き53aお
よびヘッド位置決め穴53bで記録ヘッドカートリッジ
1の位置決め手段が構成されている。
【0066】さらに、キャリッジ2の、ケーブル端子部
3aと対向する部位には、コンタクトバネ23が設けら
れ、その先端部には、樹脂で成形されたヘッドガイド2
2が固着されている。すなわちヘッドガイド22は、キ
ャリッジ2に弾性的に支持されている。ヘッドガイド2
2は、記録ヘッドカートリッジ1がキャリッジ2に装着
された状態では、後述するように、記録ヘッドカートリ
ッジ1のヘッド押圧部60b(図6参照)に嵌合し、コ
ンタクトバネ23のバネ力により記録ヘッドカートリッ
ジ1をケーブル端子部3aに向けてに付勢するものであ
り、ケーブル端子部3aとヘッドガイド22とを対向配
置することにより、ケーブル端子部3aとヘッド端子部
53との接触を確実なものとしている。また、ヘッドガ
イド22は、記録ヘッドカートリッジ1をキャリッジ2
に装着する際のガイドの役目もはたしている。
【0067】本実施例では、図4に示すように、コンタ
クトバネ23としてはダブルトーション型のねじりコイ
ルばねを用いており、2つのコイル部がキャリッジ2に
一体成形された支持棒に支持されるとともに、それぞれ
のコイル部から伸びた端部で、両端部がキャリッジ2に
支持された金属性の軸部材24を挟み込んでいる。これ
により、コンタクトバネ23に負荷が与えられたときに
キャリッジ2に加わる負荷が分散され、キャリッジ2の
変形が防止される。また、キャリッジ2に記録ヘッドカ
ートリッジ1を装着したとき、ケーブル端子部3aとヘ
ッド端子部53との接触をより確実にするために、コン
タクトバネ23による記録ヘッドカートリッジ1の押圧
力を2kgf程度とした。
【0068】以上説明したように、ケーブル押え21に
覆い部21aを形成するとともに、ケーブル端子部3a
に対向する部位にヘッドガイド22を設けることによ
り、キャリッジ2に記録ヘッドカートリッジ1を装着す
る際には、記録ヘッドカートリッジ1のヘッド端子部5
3側の面を覆い部21aの下方にもぐり込ませ、覆い部
21aの先端部を支軸として記録ヘッドカートリッジ1
を回転させながら装着することになる。そのため、覆い
部21aが記録ヘッドカートリッジ1装着の際のガイド
となるとともに、少ないスペースで記録ヘッドカートリ
ッジ1を装着することができる。
【0069】また、覆い部21aはケーブル端子部3a
の上方に張り出しているため、記録ヘッドカートリッジ
1のヘッド端子部53側の面を覆い部21aの下方にも
ぐり込ませずに記録ヘッドカートリッジ1を装着した場
合、記録ヘッドカートリッジ1のベースプレート51な
どがケーブル端子部3aに接触する前に覆い部21aに
当り、記録ヘッドカートリッジ1がケーブル端子部3a
を損傷するのを防止する。
【0070】次に、記録ヘッドカートリッジ1について
説明する。図5は図1に示したインクジェット記録装置
の記録ヘッドカートリッジ1を、ヘッド端子部53が見
える方向から見た斜視図であり、図6は図1に示したイ
ンクジェット記録装置の記録ヘッドカートリッジ1を、
ヘッド端子部53とは反対側の面が見える方向から見た
斜視図である。また、図7は図1に示したインクジェッ
ト記録装置の記録ヘッドカートリッジ1の底面図であ
り、図8は図7に示した記録ヘッドカートリッジ1のノ
ズル部50の要部拡大斜視図である。
【0071】この記録ヘッドカートリッジ1はモノカラ
ー用のカートリッジであり、図5〜図7に示すように、
インクを吐出するノズル部50と、上面に開口部を有す
る箱状の形状をなすモノカラーホルダ60とが一体とな
ったもので、モノカラーホルダ60の内部に、モノカラ
ーのインクを収容するインクタンク30が着脱自在に装
着される。
【0072】ノズル部50は、図8の拡大図に示すよう
に、アルミニウム等の金属板からなるベースプレート5
1に、複数の液路50dおよび共通液室50cを構成す
る溝が形成された溝付部材52を固着したものであり、
記録媒体P(図1参照)と対面する吐出口面50aに
は、各液路50dの開口端である複数の吐出口50bが
形成されている。各液路50dは所定のピッチで形成さ
れており、各液路50dに対応して、ベースプレート5
1上にはインク吐出用のエネルギーを発生するための電
気熱変換体(発熱抵抗体など)50eが配設されてい
る。共通液室50cはインクタンク30(図5参照)と
連通しており、共通液室50cにはインクタンク30か
らインクが供給される構成となっている。各電気熱変換
体50eは、それぞれ配線(不図示)を介して図5に示
したヘッド端子部53と電気的に接続されている。
【0073】ヘッド端子部53は、ベースプレート51
に固着された、ガラスエポキシ等の電気基板であり、各
電気熱変換体50eに接続される配線は、ワイヤーボン
ディングによりヘッド端子部53に接続される。また、
ベースプレート51は図7に示すように、記録媒体Pの
搬送方向に対して1〜4°傾けて取り付けられており、
したがって、各吐出口50bの列も記録媒体Pの搬送方
向に対して1〜4°傾いている。
【0074】インクタンク30から共通液室50cに供
給されて一時的に貯えられたインクは、毛管現象により
液路50dに侵入し、吐出口50bでメニスカスを形成
して液路50dを満たした状態を保つ。このとき、ヘッ
ド端子部53に伝送された記録信号に基づき電気熱変換
体50eが通電されて発熱すると、電気熱変換体50e
上のインクが急激に加熱されて膜沸騰して液路50d内
に気泡が発生し、この気泡の膨張により吐出口50bか
らインクが吐出される。ここでは、エネルギーを発生さ
せるエネルギー発生素子として、電気熱変換体50eを
示したが、これに限らず、瞬間的に吐出圧力を加える機
械的エネルギーを発生する圧電素子を用いてもよい。
【0075】また、ベースプレート51には、キャリッ
ジ2の各ヘッド位置決め突起2d、2e(図3参照)の
位置に対応して、記録ヘッドカートリッジ1がキャリッ
ジ2に装着された際に、角形のヘッド位置決め突起2d
が嵌合するヘッド位置決め切り欠き53a、および丸形
のヘッド位置決め突起2eが嵌合するヘッド位置決め穴
53bが形成されている。
【0076】ベースプレート51は、モノカラーホルダ
60の一端壁に、熱溶着や超音波溶着等により固着され
ている。モノカラーホルダ60の上面のベースプレート
51側の端部には段差部60aが形成されており、他の
部位よりも1段低くなっている。記録ヘッドカートリッ
ジ1をキャリッジ2に装着する際に、この段差部60a
の上面をケーブル押え21の覆い部21a(図3参照)
の下にもぐり込ませることによって、記録ヘッドカート
リッジ1のおおよその位置決めが容易に行える。
【0077】また、記録ヘッドカートリッジ1をキャリ
ッジ2に着脱するための機構として、モノカラーホルダ
60の、ベースプレート51とは反対側すなわち他端壁
側の外面には、キャリッジ2に装着された際にキャリッ
ジ2のヘッドガイド22(図3参照)に保持される固定
部であるヘッド押圧部60bと、キャリッジ2に対して
着脱するための操作部であるヘッド着脱操作部60cと
が形成されている。ヘッド押圧部60bは、モノカラー
ホルダ60のベースプレート51とは反対側の面の下端
から上端部にかけて傾斜状に形成された凹状の部分であ
る。ヘッド押圧部60bの上部は、さらにへこんだヘッ
ドガイド係合部64となっており、記録ヘッドカートリ
ッジ1がキャリッジ2に装着された状態では、キャリッ
ジ2のヘッドガイド22が、このヘッドガイド係合部6
4に係合される。ヘッドガイド係合部64にヘッドガイ
ド22が係合することにより、記録ヘッドカートリッジ
1はキャリッジ2に対して位置決めされ、固定される。
ヘッド着脱操作部60cは、記録ヘッドカートリッジ1
の手前側、すなわちヘッド押圧部60bが設けられた面
のヘッド押圧部60bから最も離れた領域の上端部に設
けられ、記録ヘッドカートリッジ1をキャリッジ2から
取り外す際に、操作者が指を引っ掛けて上方に引き上げ
ることによって、容易に取り外せるようにするためのも
のである。
【0078】これらヘッド押圧部60bおよびヘッド着
脱操作部60cは、それぞれラッチレバー32aのガイ
ドとなる、後述するラッチレバーガイド溝60h(図1
1参照)を有することにより形成される突出域に対して
相対的に凹部となる領域に設けられたものである。これ
により、記録ヘッドカートリッジ1の限られた容積が有
効に利用され、最小限のスペースで、キャリッジ2のヘ
ッドガイド22に保持される固定部、およびキャリッジ
2に対する着脱のための操作部が得られる。
【0079】ここで、記録ヘッドカートリッジ1のキャ
リッジ2への着脱操作について説明する。
【0080】記録ヘッドカートリッジ1をキャリッジ2
に装着する際は、まず図9に示すように、記録ヘッドカ
ートリッジ1のベースプレート51(図5参照)が設け
られた側を、キャリッジ2に設けられたケーブル押え2
1の覆い部21aの下方にもぐり込ませながら、図示矢
印方向に斜めに挿入する。これにより、記録ヘッドカー
トリッジ1の段差部60a(図5参照)の立面が覆い部
21aの端面に突き当たり、記録ヘッドカートリッジ1
のおおよその位置決めがなされる。
【0081】次いで、図10に示すように、記録ヘッド
カートリッジ1を下向きに押し込む。このとき、記録ヘ
ッドカートリッジ1のヘッド押圧部60b(図6参照)
の斜面がキャリッジ2のヘッドガイド22(図3参照)
にガイドされ、キャリッジ2の各ヘッド位置決め突起2
d、2eが記録ヘッドカートリッジ1のヘッド位置決め
切り欠き53aおよびヘッド位置決め穴53bに嵌合し
つつ、記録ヘッドカートリッジ1はキャリッジ2にスム
ーズに装着される。記録ヘッドカートリッジ1が完全に
装着されると、ヘッドガイド22はヘッドガイド係合部
64(図6参照)に係合し、記録ヘッドカートリッジ1
は固定される。また、ヘッドガイド22の押圧力によ
り、記録ヘッドカートリッジ1のヘッド端子部53がキ
ャリッジ2のケーブル端子部3aに押圧され、両者の電
気的接続は確実なものとなる。
【0082】記録ヘッドカートリッジ1をキャリッジ2
から取り外すときは、キャリッジ2のヘッド着脱操作部
60cを上向きに引き上げる。これにより、ヘッドガイ
ド22とヘッドガイド係合部64との係合が外れ、ヘッ
ド押圧部60bはヘッドガイド22の上に乗り上がる。
ヘッド押圧部60bがヘッドガイド22の上に乗り上が
ることにより記録ヘッドカートリッジ1はヘッド着脱操
作部60c側がキャリッジ2から突出して斜めの状態と
なる。そして、キャリッジ2から突出した部分を摘むこ
とにより、記録ヘッドカートリッジ1は、キャリッジ2
から容易に取り出される。
【0083】また、ヘッド押圧部60bが設けられてい
る面において、ヘッド着脱操作部60cは、ヘッド押圧
部60bから最も離れた位置に設けられているので、ヘ
ッド着脱操作部60cを引き上げ、ヘッドガイド係合部
64がヘッドガイド22から外れる際に作用するモーメ
ントが大きくなる。これにより、小さな力で記録ヘッド
カートリッジ1を取り外すことができ、記録ヘッドカー
トリッジ1を確実に保持しつつも、その着脱がより容易
になる。記録ヘッドカートリッジ1をより小さな力で取
り外すことができるようにするためには、記録ヘッドカ
ートリッジ1の、キャリッジ2の移動方向に平行な中心
線に対して、ヘッド押圧部60bを奥側に設け、かつ、
ヘッド着脱操作部60cを手前側の端部に設けることで
ある。
【0084】図11に、図5に示した記録ヘッドカート
リッジ1の平面図を示し、図12に、図11に示した記
録ヘッドカートリッジ1のA−A線断面図を示す。図1
1および図12に示すように、モノカラーホルダ60の
底壁にはインク取り込み管60dが突設されており、こ
のインク取り込み管60dに開口するインク流路60e
が、ノズル部50の共通液室50c(図8参照)と連通
している。インク取り込み管60dの周囲には、ゴム等
の弾性部材からなるシールリング61が固定されてい
る。また、インク取り込み管60dの開口端にはフィル
タ62が取り付けられており、異物がノズル部50に取
り込まれるのを防止している。モノカラーホルダ60の
ベースプレート51側の上端部には、その両隅部に、張
り出し部60fが形成され、さらに、その近傍には、半
円状の凹部であるタンク突起ガイド部60gが形成され
ている。一方、モノカラーホルダ60のベースプレート
51とは反対側の内壁には、インクタンク30(図5お
よび図6参照)を装着する際に、後述するラッチレバー
32a(図5および図6参照)のガイドとなるラッチレ
バーガイド溝60hが形成されている。さらに、モノカ
ラーホルダ60の底壁とベースプレート51側の壁とが
交わる稜部には、傾斜面60kが形成されている。
【0085】ここで、この記録ヘッドカートリッジ1に
装着されるインクタンク30について説明する。図13
は、図5に示した記録ヘッドカートリッジ1に装着され
るインクタンク30の平面図であり、図14は、図13
に示したインクタンク30のB−B線断面図である。
【0086】インクタンク30は、インクを保持する容
器32と、容器32を覆って封止し大気連通口(不図
示)が形成された蓋部材31とを有する。
【0087】容器32の底部には、モノカラーホルダ6
0のインク取り込み管60d(図12参照)が挿入され
るインク供給口32bが形成され、その周囲には、筒状
の支持部32cが立設されている。インク供給口32b
は、インクタンク30がモノカラーホルダ60に装着さ
れる前はシール材(不図示)により封止され、インクの
漏れが防止されている。
【0088】容器32の内部にはスポンジ等からなるイ
ンク吸収体33が収納されており、インクは、このイン
ク吸収体33に吸収されて保持されている。支持部32
cには、一方向繊維束で構成されたインク供給部材35
が挿入されて支持されており、インク吸収体33はイン
ク供給部材35の上端面に密着している。インク吸収体
33に吸収されているインクは、このインク供給部材3
5を介してインク供給口32bに導かれる。インクタン
ク30をモノカラーホルダ60に装着すると、図15に
示すように、インク供給口32bにモノカラーホルダ6
0のインク取り込み管60dが挿入されて両者が連通
し、インク流路60dを経由してノズル部50へインク
が供給される。このとき、インク供給口32bの周囲に
設けられたシールリング61がインク供給口32bの外
縁部に密着し、インクの漏れが抑制される。
【0089】また、インク供給口32bと上述した大気
連通口とを空気層を介して連通するために、容器32の
内部および蓋部材31の内部の所定の部位にリブ34
(図14では、蓋部材31のリブ34のみを示してい
る)を形成してインク吸収体33と容器32や蓋部材3
1との間に所定の空間を構成するとともに、支持部32
cの内面の一部に、容器32の内部と外部とを連通する
スリット(不図示)を設けている。このように、空気層
を介してインクタンク30の内部と外部とを連通するこ
とによって、インク供給口32bを封止していたシール
材を剥がす際の、インク供給口32bからのインクの吹
き出しや漏出を防止することができる。また、記録実行
中にインクタンク30の周囲温度が上昇した場合でも、
インクタンク30内のインクが外部に押し出されなくな
る。さらに、容器32の内壁にインクが滞留しなくなる
ので、インク供給口32bや大気連通口からインクが漏
出するおそれもなくなり、インクの消費効率が向上す
る。
【0090】一方、インクタンク30の外部構造とし
て、容器32には、インクタンク30をモノカラーホル
ダ60に装着した際にモノカラーホルダ60のベースプ
レート51側の内壁と当接する面に、爪状突起としての
抜け止め爪32dが一体的に設けられている。この抜け
止め爪32dは、モノカラーホルダ60に形成されたタ
ンク抜け止め穴60i(図12参照)に嵌合するもの
で、インクタンク30をモノカラーホルダ60に装着す
る際のガイドとなるとともに、インクタンク30がモノ
カラーホルダ60に装着された状態ではインクタンク3
0を保持する役目を果たす。
【0091】また、容器32の、底壁と、抜け止め爪3
2dが形成された面とが交わる稜部には、傾斜面32f
が形成されている。この傾斜面32fの角度および形状
は、モノカラーホルダ60の傾斜面60k(図12参
照)の角度および大きさとほぼ等しい。
【0092】さらに、抜け止め爪32dとは反対側の外
壁である他端面に、下端部を弾性的に支持されたラッチ
レバー32aが一体的に設けられている。ラッチレバー
32aは、インクタンク30の外側上方に向かって傾斜
し、モノカラーホルダ60のラッチレバーガイド溝60
h(図11および図12参照)に嵌合するもので、イン
クタンク30がモノカラーホルダ60に装着された状態
では、ラッチレバーガイド溝60hに押圧されて図14
に示した矢印C方向にたわみ、ラッチレバー32aに形
成されたラッチ爪32eが、ラッチレバーガイド溝60
hに形成されたラッチ爪係合穴60jに係合される。本
実施例では、ラッチレバー32aは、容器32に一体成
形されている。
【0093】蓋部材31については、その上面の、抜け
止め爪32dが形成された側の端部に、蓋部材31の上
面よりも1段低くなった段差部31aが形成されてい
る。インクタンク30をモノカラーホルダ60に装着す
る際は、この段差部31aをモノカラーホルダ60の各
張り出し部60f(図11および図12参照)の下方に
もぐり込ませるようにインクタンク30を挿入し、おお
よその位置決めを行う。また、モノカラーホルダ60の
タンク突起ガイド部60gに嵌合するタンク突起31b
が形成されている。
【0094】次にインクタンク30のモノカラーホルダ
60への着脱操作について説明する。インクタンク30
をモノカラーホルダ60に装着するときは、まず、イン
ク供給口32bを封止しているシール材を剥がす。その
後、図16に示すように、インクタンク30を抜け止め
爪32dが形成されている側から矢印方向に斜めに挿入
し、インクタンク30の段差部31aをモノカラーホル
ダ60の各張り出し部60fの下方にもぐり込ませると
ともに、インクタンク30の抜け止め爪32dをモノカ
ラーホルダ60のタンク抜け止め穴60i(図12参
照)に引っ掛け、インクタンク30のおおよその位置決
めを行う。インクタンク30をモノカラーホルダ60に
挿入する際、インクタンク30には傾斜面32fが形成
されているので、この傾斜面32fがモノカラーホルダ
60の底壁と略平行になるようにガイドとして利用して
挿入すれば、インクタンク30の段差部31aをモノカ
ラーホルダ60の各張り出し部60fの下方にもぐり込
ませるのは容易である。また、モノカラーホルダ60お
よびインクタンク30に、互いに対応する傾斜面60
k、32fが形成されているので、このモノカラーホル
ダ60に、異なる種類のインクタンクは装着できず、イ
ンクタンクの誤装着が防止される。
【0095】次いで、図17に示すように、ラッチレバ
ー32aがラッチレバーガイド溝60h(図11および
図12参照)に沿って移動するように、インクタンク3
0を下方に押し込む。すると、インクタンク30はモノ
カラーホルダ60に挿入された部分を中心に略回転し、
ラッチレバー32aがラッチレバーガイド溝60hに押
圧されて内側にたわみながら押し込まれ、ラッチレバー
32aのラッチ爪32e(図14参照)がモノカラーホ
ルダ60のラッチ爪係合穴60j(図12参照)に係合
する。これにより、インクタンク30はモノカラーホル
ダ60に固定される。また、ラッチ爪32eがラッチ爪
係合穴60jに係合することによりクリック感が生じる
ので、装着時の感触も良好である。
【0096】インクタンク30をモノカラーホルダ60
から取り外すときは、ラッチレバー32aを内側に押し
込み、ラッチ爪32eとラッチ爪係合穴60jとの係合
を解除する。ラッチレバー32aは、その下端部を弾性
的に支持され、しかもインクタンク30の外側上方に向
かって傾斜しているので、ラッチ爪32eとラッチ爪穴
60jとの係合が解除されると図14に示した状態に戻
ろうとする。そのため、ラッチレバー32aの根元斜面
がラッチレバーガイド溝60hに沿って滑り上がり、イ
ンクタンク30は自動的にラッチレバー32a側が持ち
上がり斜めの状態になる。そして、持ち上がった部位を
摘むことにより、インクタンク30は容易にモノカラー
ホルダ60から取り外せる。
【0097】このように、インクタンク30を略回転さ
せてモノカラーホルダ60へ着脱することにより、少な
いスペースでの着脱が可能となる。また、装着時には、
インクタンク30の傾斜面32fをガイドとして利用し
つつ、段差部31aをモノカラーホルダ60の張り出し
部60fにもぐり込ませるようにすることにより、イン
クタンク30のモノカラーホルダ60への挿入方向が規
制される。さらに、インクタンク30にタンク突起31
bを設けるとともに、モノカラーホルダ60にタンク突
起ガイド部60gを設けているので、インクタンク30
のモノカラーホルダ60への挿入位置も規制され、イン
クタンク30は、ほぼタンク突起31bを中心に回転さ
れる。
【0098】これにより、インクタンク30はモノカラ
ーホルダ60のフィルタ62(図11および図12参
照)に干渉することなく装着され、インクタンク30を
装着する際のフィルタ62の損傷のおそれがなくなる。
また、インクタンク30はモノカラーホルダ60に対し
て回転して着脱するので、着脱スペースが少なくてす
み、ひいてはインクジェット記録装置の小型化が達成さ
れる。
【0099】上述した例では、モノカラーホルダ60か
らインクタンク30を取り外すために、ラッチレバー3
2aの復元力によりインクタンク30のラッチレバー3
2a側の端部が持ち上がる現象を利用しているが、それ
に加え、インクタンク30の他端側(ラッチレバー32
aが設けられている側)の底壁をモノカラーホルダ60
の開口に向けて付勢する付勢手段として、図18に示す
ようなポップアップバネ68を設け、そのバネ力を利用
して、インクタンク30のラッチレバー32a側の端部
を持ち上げてもよい。ポップアップバネ68は、モノカ
ラーホルダ60の中空部の底壁に固定された板バネであ
り、モノカラーホルダ60のノズル部50側からラッチ
レバーガイド溝60h側へ伸びる自由端部は、湾曲しな
がら上方に向かっている。これにより、ラッチ爪32e
とラッチ爪係合穴60jとの係合が外れると、ポップア
ップバネ68のバネ力によりインクタンク30のラッチ
レバー32a側の端部が上方に持ち上げられ、モノカラ
ーホルダ60からの突出量が大きくなるので、インクタ
ンク30の取り出しがより容易になる。
【0100】また、図16および図17には、記録ヘッ
ドカートリッジ1単体へのインクタンク30の着脱手順
を示したが、もちろん、記録ヘッドカートリッジ1をキ
ャリッジ2(図3参照)に装着した状態でもインクタン
ク30の着脱操作は可能である。
【0101】図19に、インクタンク30を記録ヘッド
カートリッジ1に装着し、さらにその記録ヘッドカート
リッジ1をキャリッジ2に装着した状態の斜視図を示
す。図19から明らかなように、インクタンク30の着
脱の際の操作部となるラッチレバー32aと、記録ヘッ
ドカートリッジ1の着脱の際の操作部となるヘッド着脱
操作部60cとは、キャリッジ2の移動方向に対してと
もに同じ側に配置されている。これにより、操作者はそ
れぞれの操作部を容易に認識でき、操作の統一性がとれ
るので、操作性が向上する。しかも、デザイン的にも非
常にまとまりのある操作部を提供できる。さらに、イン
クタンク30の着脱または記録ヘッドカートリッジ1の
着脱の際には、ラッチレバー32aおよびヘッド着脱操
作部60cが設けられている側にのみ、操作者が操作す
るための空間を有すればよいので、このような位置にキ
ャリッジ2が位置していれば、任意の位置でインクタン
ク30または記録ヘッドカートリッジ1の着脱が可能と
なる。
【0102】また、ラッチレバー32aとヘッド着脱操
作部60cとは互いに隣り合って配置されているが、イ
ンクタンク30を取り外す操作はラッチレバー32aを
内側に押す操作であり、記録ヘッドカートリッジ1を取
り外す操作はヘッド着脱操作部60cを引き上げる操作
であることから、その操作方法の違いにより誤操作を避
けている。また、ラッチレバー32aとヘッド着脱操作
部60cの位置が段違いに配置されているので、その機
能の違いが認識し易くなっている。この場合、インクタ
ンク30の着脱頻度と記録ヘッドカートリッジ1の着脱
頻度を比較すると、インクタンク30の着脱頻度のほう
が大きいので、操作のし易さを考慮し、ラッチレバー3
2aの頭部(操作者が指を掛ける部分)の位置をヘッド
着脱操作部60cの位置よりも上方に配置している。
【0103】上述した例では、記録ヘッドカートリッジ
1はモノカラー用のものを示したが、本実施例のインク
ジェット記録装置では、カラー用の記録ヘッドカートリ
ッジを使用することもできる。
【0104】図20は、図1に示したインクジェット記
録装置に装着されるカラー記録ヘッドカートリッジを、
これに装着される2つのインクタンクとともに示した斜
視図である。このカラー記録ヘッドカートリッジ101
は、ブラックインクを収容するブラックインクタンク1
30と、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを
収容するカラーインクタンク140とが着脱可能な構造
となっており、4色のインクを吐出するものである。そ
のためノズル部150も、図21に示すように各色のイ
ンクに対応して、ブラック用の吐出口群150Bと、イ
エロー用の吐出口群150Yと、マゼンタ用の吐出口群
150Mと、シアン用の吐出口群150Cとに分けられ
る。また、それぞれのインクタンク130、140を装
着する領域を区画するために、カラーホルダ160の底
壁には、仕切板165が一体的に設けられている。
【0105】ベースプレート151およびヘッド端子部
153はモノカラーの記録ヘッドカートリッジ1(図5
参照)と共通のものを用いている。カラーホルダ160
についても、モノカラーホルダ60(図5参照)と詳細
には異なるが、外形は、ほぼ同一の形状となっている。
特に、キャリッジ2(図3参照)との関係部分の形状
や、カラー記録ヘッドカートリッジ101をキャリッジ
2から取り外す際の指の引っ掛け部となるヘッド着脱操
作部160cの位置は同一であり、モノカラー用の記録
ヘッドカートリッジ1が装着されるキャリッジ2と同一
のキャリッジ2に、このカラー記録ヘッドカートリッジ
101が着脱できる。すなわち、ユーザは1つのインク
ジェット記録装置において、モノカラーの記録ヘッドカ
ートリッジ1とカラー記録ヘッドカートリッジ101と
を自由に選択して使用することができる。
【0106】以下に、このカラー記録ヘッドカートリッ
ジ101および各インクタンク130、140について
説明する。ただし、キャリッジ2との関係部分について
はモノカラー用の記録ヘッドカートリッジ1と同一なの
で、その説明は省略する。
【0107】図22は、図20に示したカラー記録ヘッ
ドカートリッジ101を、2つのインクタンク130、
140が装着された状態で示した平面図である。また、
図23は図22のD−D線断面図であり、図24は図2
2のE−E線断面図である。図22に示すように、ブラ
ックインクタンク130とカラーインクタンク140と
は、互いに隣接してカラーホルダ160に装着される。
ブラックインクタンク130とカラーインクタンク14
0とを合わせた形状は、モノカラー用のインクタンク3
0(図13参照)とほぼ同一の形状となっている。ま
た、ブラックインクタンク130は、図23に示すよう
に、ブラックインクを保持する容器132と、容器13
2を覆って封止し大気連通口131bが形成された蓋部
材131とを有する。
【0108】容器132の底部には、カラーホルダ16
0のブラックインク用のインク取り込み管160dが挿
入されるインク供給口132bが形成され、その周囲に
は、筒状の支持部132cが立設されている。インク供
給口132bは、ブラックインクタンク130がカラー
ホルダ160に装着される前はシール材(不図示)によ
り封止され、インクの漏れが防止されている。
【0109】容器132の内部にはインク吸収体133
が収納されており、ブラックインクは、このインク吸収
体133に吸収されて保持されている。支持部132c
には、一方向繊維束で構成されたインク供給部材135
が挿入されて支持されており、インク吸収体133はイ
ンク供給部材135の上端面に密着している。インク吸
収体133に吸収されているインクは、このインク供給
部材135を介してインク供給口132bに導かれる。
ブラックインクタンク130をカラーホルダ160に装
着すると、インク供給口132bにカラーホルダ160
のインク取り込み管160dが挿入され、カラーホルダ
160と液路カバー166とで構成されるインク流路を
介して、ノズル部150のブラックインク用の吐出口群
150B(図21参照)へインクが供給される(図23
では、切断面の関係から、ノズル部150に至るまでの
経路は示されていない)。このとき、インク供給口13
2bの周囲に設けられたシールリング161がインク供
給口132bの外縁部に密着し、インクの漏れが抑制さ
れる。
【0110】また、モノカラー用のインクタンク30と
同様の目的で、インク供給口132bと大気連通口13
1bとを空気層を介して連通するために、容器132の
内部および蓋部材131の内部の所定の部位にリブ13
4(図23では、蓋部材131のリブ134のみを示し
ている)を形成してインク吸収体133と容器132や
蓋部材131との間に所定の空間を構成するとともに、
支持部132cの内面の一部に、容器132の内部と外
部とを連通するスリット(不図示)を設けている。
【0111】一方、ブラックインクタンク130のカラ
ーホルダ160への着脱構造として、容器132には、
ブラックインクタンク130をカラーホルダ160に装
着した際にカラーホルダ160のベースプレート151
側の内壁と当接する面に、抜け止め爪132dが一体的
に設けられている。この抜け止め爪132dは、カラー
ホルダ160に形成されたタンク抜け止め穴160iに
嵌合するもので、ブラックインクタンク130をカラー
ホルダ160に装着する際のガイドとなるとともに、ブ
ラックインクタンク130がカラーホルダ160に装着
された状態ではブラックインクタンク130を保持す
る。また、抜け止め爪132dとは反対側の外壁に、下
端部を弾性的に支持されたラッチレバー132aが一体
的に設けられている。
【0112】ラッチレバー132aの位置に対応して、
カラーホルダ160にはブラックインクタンク130用
のラッチレバーガイド溝167が形成されており、ブラ
ックインクタンク130をカラーホルダ160に装着す
る際は、ラッチレバー132aをこのラッチレバーガイ
ド溝167に沿って挿入していく。そして、ブラックイ
ンクタンク130がカラーホルダ160に装着された状
態では、ラッチレバー132aはラッチレバーガイド溝
167に押圧されて内側にたわみ、ラッチレバー132
aに形成されたラッチ爪132eが、ラッチレバーガイ
ド溝167に形成されたラッチ爪係合穴167aに係合
される。
【0113】さらに、このカラーホルダ160の、ブラ
ックインクタンク130が装着される領域にも、モノカ
ラーホルダ60(図12参照)と同様な傾斜面160k
が形成され、ブラックインクタンク130にも、傾斜面
160kに対応する傾斜面132fが形成されている。
【0114】蓋部材131については、その上面の、抜
け止め爪132dが形成された側の端部に、蓋部材13
1の上面よりも1段低くなった段差部131aが形成さ
れている。それに対応して、カラーホルダ160にも、
モノカラーホルダ60の張り出し部60f(図11参
照)と同様の張り出し部160fが形成されている。
【0115】ブラックインクタンク130のカラーホル
ダ160への着脱は、モノカラー用のインクタンク30
と同様にして行われる。すなわち、ブラックインクタン
ク130を装着するときには、まずブラックインクタン
ク130を抜け止め爪132dが形成されている側か
ら、カラーホルダ160のブラックインクタンク130
が装着される部位に斜めに挿入し、段差部131aをカ
ラーホルダ160のブラックインクタンク130側の張
り出し部160f(図22参照)の下方にもぐり込ませ
るとともに、抜け止め爪132dをカラーホルダ160
のタンク抜け止め穴160iに引っ掛ける。その後、ブ
ラックインクタンク130を下方に押し込んで抜け止め
爪132dが形成されている側を中心に回転させ、ラッ
チレバー132aのラッチ爪132eをラッチレバーガ
イド溝167ラッチ爪係合穴167aに係合させる。ま
た、ブラックインクタンク130を取り外すときには、
ラッチレバー132aを内側に押し込み、ラッチ爪13
2eとラッチ爪係合穴167aとの係合を解除すればよ
い。
【0116】カラーインクタンク140についても、基
本的にはブラックインクタンク130と同様の構成であ
り、図24に示すように、3色のインクを収容する容器
142と、容器142を覆う蓋部材141とを有する。
また、カラーホルダ160への装着の際も、蓋部材14
1の、ブラックインクタンク130と同様の部位に形成
された段差部141aが、カラーインクタンク140側
の張り出し部160f(図22参照)の下方にもぐり込
むように斜めに挿入される。
【0117】容器142の内部は、3色のインクを収容
するために、互いに平行に配置された2つの仕切板14
2fにより、容量がほぼ等しい3つの空間に仕切られ
る。これら3つの空間は、互いにカラー記録ヘッドカー
トリッジ101へカラーインクタンク140を装着する
際のカラーインクタンク140の挿入方向に沿って並ん
でいる。また、これら各空間に、それぞれイエローのイ
ンクを吸収して保持するインク吸収体143Y、マゼン
タのインクを吸収して保持するインク吸収体143M、
およびシアンのインクを吸収して保持するインク吸収体
143Cが収納されている。そして、図25の底面図に
示すように、各空間に開口しているインク供給口142
bY、142bM、142bCも、カラーインクタンク
140の挿入方向に沿って形成されている。
【0118】各空間の個々の構成については、ブラック
インクタンク130と同様なので、その説明は省略す
る。蓋部材141についても、大気連通口(不図示)
が、それぞれの空間ごとに形成されている点と各空間を
互いに密閉する構成となっている点とを除いては、基本
的にはブラックインクタンク130と同様なので、その
説明は省略する。
【0119】また、各インク供給口142bY、142
bM、142bCの位置に対応して、カラーホルダ16
0には、3つのインク取り込み管160d’(図24で
は、切断面の関係から、マゼンタインク用のインク取り
込み管は図示されていない)とが設けられている。各イ
ンク取り込み管160d’は、液路カバー166とで構
成されるインク流路を経由して、それぞれノズル部15
0の所定の吐出口群150Y、150M、150C(図
21参照)と連通している。なお、図24では、各イン
ク流路のノズル部150までの経路は、切断面の関係か
ら、イエローインク用のもののみが示されている。ま
た、シールリング161’も、各インク取り込み管16
0d’ごとに設けられているが、マゼンタインク用のも
のについては、図24には示されていない。
【0120】一方、カラーインクタンク140のカラー
ホルダ160への着脱構造についても、ブラックインク
タンク130と同様に、図26の側面図に示すように、
前述した段差部141aのほかに、ラッチレバー142
aと、抜け止め爪142dとを有する。ラッチレバー1
42aは、図24に示したように、カラーホルダ160
に形成されたラッチレバーガイド溝167’に嵌合する
ものであり、カラーインクタンク140がカラーホルダ
160に装着された状態では、ラッチレバー142aに
形成されたラッチ爪142eが、ラッチレバーガイド溝
167’に形成されたラッチ係合穴167a’に係合す
る。また、図26に示した抜け止め爪142dは、ラッ
チレバー142aが設けられている面とは反対側の面の
下端部に形成されており、この位置に対応して、カラー
ホルダ160には、この抜け止め爪142dが嵌合する
タンク抜け止め穴(不図示)が形成されている。
【0121】さらに、カラーホルダ160の、カラーイ
ンクタンク140が装着される領域にも、図24に示し
たように、モノカラーホルダ60(図12参照)と同様
な傾斜面160k’が形成され、カラーインクタンク1
40にも、傾斜面160k’に対応する傾斜面142g
が形成されている。
【0122】カラーインクタンク140のカラーホルダ
160への着脱操作も、ブラックインクタンク130の
着脱操作と同様に、抜け止め爪142dが形成されてい
る側をカラーホルダ160に挿入し、その部分を中心に
回転させて装着し、ラッチレバー142aを内側に押し
込んで取り外す。ここで、カラーインクタンク140を
カラーホルダ160に装着する際、カラーインクタンク
140の各インク供給口142bY、142bM、14
2bCは、カラーインクタンク140の挿入方向に沿っ
て形成されているので、カラーインクタンク140の回
転に伴い、各インク供給口142bY、142bM、1
42bCは、抜け止め爪142dが形成されている側か
ら順次、インク取り込み管160’と結合されるので、
カラーインクタンク140とカラー記録ヘッドカートリ
ッジ101との結合が安定して得られる。
【0123】なお、各インクタンク130、140の取
り外しをより容易にするために、カラーホルダ160
に、図18に示したものと同様のポップアップバネを設
けてもよい。
【0124】図27に、ブラックインクタンク130お
よびカラーインクタンク140をカラー記録ヘッドカー
トリッジ101に装着し、さらにその記録ヘッドカート
リッジ101をキャリッジ2に装着した状態の斜視図を
示す。図27から明らかなように、各インクタンク13
0、140はキャリッジ2の移動方向と垂直な方向に配
置されているので、ブラックインクタンク130の着脱
の際の操作部となるラッチレバー132aと、カラーイ
ンクタンク140の着脱の際の操作部となるラッチレバ
ー142aと、カラー記録ヘッドカートリッジ101の
着脱の際の操作部となるヘッド着脱操作部160cと
は、キャリッジ2の移動方向に対していずれも同じ側に
配置されている。これにより、モノカラー用の記録ヘッ
ドカートリッジ1(図19参照)と同様に、各インクタ
ンク130、140およびカラー記録ヘッドカートリッ
ジ101の着脱操作性が向上するとともに、デザイン的
にも非常にまとまりのあるものとなる。しかも、各ラッ
チレバー132a、142aの頭部の位置が同一直線上
に配置されているので、スペースが有効に利用され、小
型のカラー記録ヘッドカートリッジ101が得られる。
また、各ラッチレバー132a、142aとヘッド着脱
操作部160cとの配置についても、モノカラー用の記
録ヘッドカートリッジ1と同様に、各ラッチレバー13
2a、142aとヘッド着脱操作部160cとが段違い
に配置されており、その機能の違いの認識は容易であ
る。
【0125】また、ブラックインクタンク130および
カラーインクタンク140の傾斜面132g、142g
の角度および形状をそれぞれ異なるものとし、カラーホ
ルダ160の各傾斜面160k、160k’も、ブラッ
クインクタンク130およびカラーインクタンク140
の傾斜面132g、142gに合わせた角度および形状
とすれば、ブラックインクタンク130とカラーインク
タンク140との誤装着も防止できる。
【0126】次に、本発明の上述した実施例の具体的数
値例と付加構成を付した図面である図28乃至図44を
用いて説明する。
【0127】図28は、(a)に、ブラックインクタン
ク30のみを収納して記録を行うブラック専用記録ヘッ
ドBHDを一体的に保持するタンクホルダ60の斜視図
を示し、(b)に、ブラックとカラーのインクタンク1
30、140をそれぞれ収納して記録を行うブラック、
カラー一体記録ヘッドBCHDを一体的に保持するタン
クホルダ160の斜視図を示している。
【0128】図29は、(a)に、タンクホルダ60の
上面図を、(b)に、タンクホルダ160の上面図を示
している。
【0129】図30は、(a)に、ブラックインクタン
ク30の底面を中心とする斜視図、(b)に、ブラック
インクタンク130の底面を中心とする斜視図、(c)
にカラーインクタンク140の底面を中心とする斜視図
を示している。
【0130】図31は、(a)に、ブラックインクタン
ク130の保護部材200の離脱操作を含めた操作図、
(b)にカラーインクタンク140の保護部材201の
離脱操作を含めた操作図、(c)に保護部材の部分構成
を示す部分断面図を示している。
【0131】図32は、ブラックインクタンク30の具
体的寸法を正確に縮小した図面で、図中の値通りに形成
した実施例を説明するもので、(a),(b),
(c),(d),(e)のうち、上面図(b)を中心に
三角形で、左側面図(a),右側面図(d),正面図
(c)が示されており、(e)は、上面図(b)をさら
に縮小表示し、吸収体を取除いた投影図で、(f)は、
正面図(c)の縮小で且つ一方向インク供給部材の中央
部を通る断面図である。
【0132】図33は、上記ブラックインクタンク13
0の具体的寸法を正確に縮小した図面で、図中の値通り
に形成した実施例を説明するもので、(a),(b),
(c),(d),(e),(f),(g)のうち、上面
図(b)を中心に三角形で、左側面図(a),右側面図
(d),正面図(c),下面図(e)が示されており、
(f)は正面図(c)の一方向インク供給部材の中央部
を通る断面図、(g)は上面図(b)の吸収体を取除い
た投影図である。
【0133】図34は、上記カラーインクタンク160
の具体的寸法を正確に縮小した図面で、図中の値通りに
形成した実施例を説明するもので、(a),(b),
(c),(d),(e),(f),(g)のうち、上面
図(b)を中心に三角形で、左側面図(a),右側面図
(d),正面図(c),下面図(e)が示されており、
(f)は正面図(c)の一方向インク供給部材の中央部
を通る断面図である。
【0134】図35は、図34の上面図(c)の吸収体
を取除いた拡大投影図である。
【0135】図36は、本発明インクタンクのインク供
給効率をアップするための関係を示す概念図である。
【0136】図37は、図28のタンクホルダ60,1
60が搭載されるインクジェット記録装置のキャリッジ
構成の斜視図を示している。
【0137】図38は、ブラックインクタンク130の
保護部材200の上面図である。
【0138】図39は、ブラックインクタンク130を
収容した状態の保護部材200を包装した状態を示す図
であり、(a)は図38中の矢印Aから見た状態を示す
図であり、(b)は(a)中の矢印Bから見た状態を示
す図である。
【0139】図40は、カラーインクタンク140の保
護部材201の上面図である。
【0140】図41は、カラーインクタンク140を収
容した状態の保護部材201を包装した状態を示す図で
あり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【0141】図42は、ブラックインクタンク30の保
護部材400を示す図であり、(a)は上面図、(b)
は側面図である。
【0142】図43は、ブラックインクタンク30を収
容した状態の保護部材400を包装した状態を示す図で
あり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【0143】図43は図42、図43に示した保護部材
400のインク供給口を詳細に示す図であり、(a)は
部分断面図、(b)は拡大部分断面図、(c)はインク
タンクとの接続状態を示す部分断面図である。
【0144】以下、これらの図28〜図44を用いなが
ら、図27以前で説明されていない構成関係について説
明する。
【0145】これらの図において、前述したインク吸収
部材35,135,165は、夫々繊維を束ねてなる一
方向にのみインクを誘導する一方向インク供給部材とし
て用いられている。各インクタンク30,130,14
0の底面には、図30でわかるようにインク吸収部材を
底面に対して凹部となる領域に夫々備え、各インクタン
クに応じてインク吸収部材のインク供給断面積が異なっ
ている。又、図29で示される着脱操作時にタンクに作
用する板バネ68,68C,68Bが夫々タンクホルダ
60,160に熱カシメ部202,203,204で固
定保持されており、、図30の各タンクの底面には、こ
の熱カシメ部202,203,204がタンク装着域に
向かって凸となるので、タンクのインク吸収部材と各タ
ンクホルダのフィルタBK,BK,Y,M,Cとの密着
状態をより安定的に確保するため、凹部202a,20
2a,203a,203a,204aが夫々設けられて
いる。尚、板バネ68,68B,68Cは夫々各インク
タンクがホルダに位置決めされると変形してその弾性力
でインクタンクを押し上げようとする。この押し上げ力
により、前記ラッチ爪や抜け止め爪がホルダに係合して
いる状態を強固にし、その反力がインク供給部材とホル
ダ底面内でわずかに凸部となっているフィルタとの圧接
状態を一層安定化する。ここで、図28,図37を用い
て各インクの視覚的特徴を説明する。本各構成のよう
に、キャリッジ、タンクホルダ及び1つ又は2つのイン
クタンクが1部分に集中して設置された状態にあるた
め、どのレバーを操作者が動かすと所望の着膜動作が可
能になるかがわからなくなる場合が生じる可能性があ
る。そのため本実施例では、形状だけでなく、レバーが
タンクを同色とし異なる部材ごとに色を異ならせること
で操作用を向上している。具体的には、共通のキャリッ
ジを黒系色(取除くことがないので、装置本体と同系色
が好ましい)とし、インクタンク30をグレー,インク
タンク130を透明あるいは赤色系とし、インクタンク
140を白色系とした。又、ヘッド付ホルダBHD,B
CHDは、互いに異なる色でも良いが、本例では、グリ
ーン系とした。これらによって着脱すべきものを色別に
判別できるので、操作すべきレバーを視覚的に判定でき
る。また、インクタンクには図30に示すように凸部X
1〜X5が設けられ、インクタンクホルダには図29に
示すように上記の各凸部に対応する位置に凹部Y1〜Y
5が設けられている。インクタンクに凸部を設けたの
は、インクタンクの供給口開口部を下方に向けてインク
タンクホルダに載置するときに、供給口開口部が直接イ
ンクタンクホルダに触れることを防止するためである。
上記の構成とすることにより、供給口近傍のインクタン
ク底面が直接載置面に触れること、およびインクが付着
することを防止することができた。
【0146】尚、図28,図37,でわかるように、キ
ャリッジ2には、黒色の三角マーク206とカラーを示
す黄色の三角マーク207がタンクホルダ装着側に設け
られている。これらのマークに対応する位置となるマー
クが各タンクにも設けられている。インクタンク30に
は、タンクホルダ60にこのタンク30のみが入れば良
いので、黒色三角マーク206aと黄色三角マーク20
7aが設けられており、タンクホルダ160に装着され
るインクタンク130には黒色三角マーク206aが、
インクタンク140には黄色三角マーク207aが収納
するインク及び装着位置に応じて設けられている。この
マークによって、インクタンクの存在が確認できるの
で、キャリッジを見れば視覚的にインクタンクの種類や
存在の有無を確認できる。なお、図29(b)に示され
るカラーインクタンクホルダの各インク供給口に見える
フィルターは、すべて反回転中心側にオフセットされて
設けられている。これは、回転中心から遠ざけることに
よりインクタンクがインクタンクホルダに収容される際
のフィルターの変形量が少なくなり、その分安定して収
容されるためである。
【0147】図31は、請求項18の実施例を示すもの
で、図には、インクタンク30用の保護部材を示してい
ないが、機能、形状等は類似する要素をもてば良い。保
護部材200,201は、直接インクタンク30,13
0,140に取付けられるもので、インク吸収シート或
いはキャップとしてのインク供給部覆い部材200e,
201eがインクタンク底面に当接するものである。こ
のインク供給部覆い部材は、インクの不要な飛散を防止
でき、特にカラーインクタンク140にとっては各イン
クの混色をも防止できる。
【0148】要するに、本実施例は内部に収容した記録
用のインクを外部に供給するための供給部を底面に有
し、インクタンクの1つの面にはインクタンクが装着さ
れるホルダーの凹部に挿入される突起を設け、この面と
は反対側の側面に設けられている操作用弾性ラッチレバ
ーのラッチ爪が該ホルダの係合部に係合、離脱すること
で該ホルダに対して装着、解放されるインクタンク
(130,140)に適用される保護部材(200,2
01)であって、上記ラッチ爪が設けられる操作用弾性
ラッチレバー(132a,142a)の周囲を非接触状
態で覆う保護部(200c,201c)と、上記供給部
周囲を塞ぐための吸収体またはキャップ(200e,2
01e)が設けられた底面部と、上記突起の挿入を受け
る凹部(200f,201f)と、上記操作用弾性ラッ
チレバー側のインクタンク上面角部(Ta,Tb)に係
合する係合部(200a,200b,201a,201
b)と、を備えたことを特徴とする保護部材である。
【0149】図38にブラックインクタンク130の保
護部材200の上面図を示し、図39にブラックインク
タンク130を収容した状態の保護部材200を包装し
た状態を示す。図39(a)は図38中の矢印Aから見
た状態を示す図であり、(b)は(a)中の矢印Bから
見た状態を示す図である。また、図40にはカラーイン
クタンク140の保護部材201の上面図を示し、図4
1には、カラーインクタンク140を収容した状態の保
護部材201を包装した状態を示す。図41(a)は上
面図、(b)は側面図である。
【0150】図39、図41に示すように、各インクタ
ンク130,140は、搬送等の際には保護部材20
0,201により保護され、さらに包材390,410
に密閉されて取り扱われる。ここで、各保護部材20
0,201に形成される保護部200c,201cにつ
いて言うと、各図に示すように保護するラッチレバー
(図41における142a、図39では不図示)の上部
が僅かに突出するようなテーパ形状に加工されている。
【0151】これは、ラッチレバー全体を密接に囲んだ
場合や、また、大きく囲んだいずれの場合においても、
インクタンクから保護部材を離脱させるときに保護部2
00c,201cが掴まれやすいためである。ラッチレ
バー全体を密接に囲んだときに保護部が掴まれると、保
護部自体に破損が生じることがある。また、ラッチレバ
ー全体を大きく囲んだときに保護部が掴まれると、ラッ
チレバーに指が掛かってしまい、ラッチレバー自体に破
損が生じることがあり、いずれにおいても円滑に保護部
材がインクタンクから離脱しないためである。
【0152】本実施例においては、上記のようにラッチ
レバーのの上部が僅かに突出するようなテーパ形状に保
護部を加工することによって、保護部が掴まれること自
体を防止し、上述したような不具合が発生することを防
止することができた。
【0153】図42にブラックインクタンク30の保護
部材400を示す。(a)は上面図、(b)は側面図で
ある。また、図43にブラックインクタンク30を収容
した状態の保護部材400を包装した状態を示す。
(a)は上面図、(b)は側面図である。さらに、図4
3に図42、図43に示した保護部材400のインク供
給口を詳細に示す。(a)は部分断面図、(b)は拡大
部分断面図、(c)はインクタンクとの接続状態を示す
部分断面図である。
【0154】保護部材400においても、図31に示し
た保護部材200,201と同様の、係合部400a,
400b、保護部400c、凹部400fが形成されて
いる。保護部400cについても、ブラックインクタン
クを収容したときにラッチレバー32aが僅かに突出す
るように形成されており、また、取り扱いの際には包材
400に密閉される点についても同様である。保護部材
400が図31に示した保護部材200,201と異な
る点は、収容するインクタンクが大容量のブラックイン
クタンク30であるために、インク供給部を覆う部分に
Oリング401が取り付けられていることである。
【0155】図31に示した保護部材200,201は
収容するインクタンクの容量から、インクタンク底面に
当接する部分にインク吸収シートあるいはキャップとし
てのインク供給部覆い部材200e,201eを形成す
るものとして説明した(なお、この場合には、インクタ
ンク自体にインク吸収シートを貼り付け、保護部材にイ
ンク供給部覆い部材を設けるものとしても当然よい)
が、大容量のインクを貯蔵するインクタンク30につい
ては、シールをより完全なものとするために、Oリング
が用いられている。
【0156】保護部材400の構成について図44を参
照して説明する。
【0157】図44(a)に示すように保護部材400
には、インクタンク30のインク供給部に対する位置に
突出部が形成され、その周囲にOリング401が設けら
れている。Oリング401の上面には、密着性を向上す
るための溝441が周設されており、保護部材400に
対する取付は、エッジ部442の拡大図である図44
(b)に示すように、突出部の周囲にOリング401を
嵌め込んだ後に、突出部先端を加熱して変形させてOリ
ング401をかしめた状態で保持させている。
【0158】なお、図44(a)に示す突出部の径φa
は、図44(c)に示すように、保護するインクタンク
444の供給口とほぼ同様の径とし、また、その高さh
は、インクタンク444に取り付けられたときにインク
タンク内にてインクを吸収保持する圧接体443に接し
ない範囲でできるだけ近付くように設定される。具体的
に0.2mm以下程度とされる。これは、突出部先端と
圧接体443との隙間の間隔が広すぎると、インクタン
クを落した時などにこの隙間にインクが溜ってしまい、
大容量にインクタンク30では、その供給口が大きなこ
とから保護部材を外したときに溜ったインクが飛び散る
等の不具合が生じるためである。
【0159】本実施例においては、上記のように突出部
のい高さを0.2mm以下とすることで、突出部先端と
圧接体443との隙間にインクが溜ることを防ぐことが
でき、上記のような不具合が発生することを防止するこ
とができた。
【0160】次に、図32,図33,図34を用いて、
各インクタンクの形状特性について説明する。各インク
タンクには夫々ラッチ爪が設けられている操作用弾性ラ
ッチレバーが一つの側面に存在する。ラッチ爪のクリッ
ク量Cは、インクタンク30で0.9mm(図32
(c)参照)、インクタンク130では図33に示して
いないが、インクタンク140の図34(c)に示すよ
うに0.7mmであって、いずれも1mm以下である。
これらのラッチ爪がインクタンクホルダに係合する状態
は、、図32では示していないが、インクタンクの装着
状態を示す図33,34(f)で示されるようにいずれ
もレバーの側面側の内側と側面との距離即ち、離脱用間
隔TRが2mmとなっている。
【0161】このラッチ爪のクリック量Cを大きくする
と装着外型を大きくしたり与えるべきキャリッジを大型
化してしまうので、1mm以下の値が好ましい。この時
この距離はクリック量Cに比例して必要なものとなるだ
けでなく、距離を最面化しないとクリック量を確実にク
リアできなくなったり、クリック自体ができない状態も
でてくる。このような検討から本実施例では、図面の如
く設計(C=0.7では3C≧TRの例とC=0.9で
は2C≦TRの例)したところ安定したクリック状態
と、確実な離脱操作が簡単に行うことができた。又、T
Rが(1.5倍×クリック量C)以上であることで離脱
操作を安定できることが判明した。
【0162】実施例をまとめると内部に収容した記録用
のインクを外部に供給するための供給口を底面に有する
と共に、インクタンクが装着されるホルダの係合部にラ
ッチ爪が係合、離脱することで該ホルダに対して装着、
解放されるインクタンクであって、1mm以下のクリッ
ク量Cの上記ラッチ爪に対応する該側面と該操作用弾性
ラっちレバーを側面に有し、装着状態で上記ラッチ爪に
対応する該側面と該操作用弾性ラッチレバーとの離脱用
間隔TRが、1.5C≦TR≦3Cの関係を満足するこ
とを特徴とするインクタンクを提供する。この構成によ
れば、ホルダやキャリッジの構成を複雑にすることな
く、与えられた空間に対してインク容量を最大化でき、
ラッチやラッチレバーの操作に必要なスペースを最小化
できつつ確実な操作ができる。
【0163】この条件のより好ましい条件としては、上
記離脱用間隔TRが、2C≦TR≦3Cの関係を満足す
ることを挙げることができる。
【0164】この操作用弾性ラッチレバーの全体が、図
32(b)で示すように上記インクタンク単体の時、上
記側面からの距離211が9.0mm,図33(b),
図34(b)では8.8mmといったように10mm以
下の範囲内に存在することで、確実なクリック効果と、
着脱、離脱時の操作性をより向上できることが判明し
た。
【0165】更に、小型化と、操作性を向上するために
は、図32(C)に示すように操作用弾性ラッチレバー
の操作部208の上記側面側の面は、上記側面に対して
遠ざかる方向にテーパ210を有し、該テーパ210は
上記側面に面接触可能な角度にしている。
【0166】本実施例のように、インクタンクの側面に
操作用弾性ラッチレバーを設ける場合、その繰り返し操
作の耐久性を必要とする場合がある。このような場合に
は、操作用弾性ラッチレバーは、図32(c)で代表さ
れるように上記側面に対して上記ラッチ爪から上記操作
部までの部分209が近接するように屈曲している構成
を取ることで、その効果を得ることができる。無論、こ
の構成は、図33,34の各(c)に示すように各タン
クの設けられている。この屈曲が、上記側面となす角度
が20度以下である(本件では各タンクが15度であ
る)ことで、より実用的な構造と耐久性を得ることがで
きる。
【0167】また、操作用弾性ラッチレバーの材質を安
価なものにする場合は、材質的に強度が低下する場合が
あるので、構造的な強化構造として、上記操作用弾性ラ
ッチレバーの幅方向に関しての中央部は、上記屈曲方向
に関して、肉厚である構成を用いることが好ましい。
【0168】図36に示すようにインクタンク自体の小
型化とインク供給能力との相関関係に着目して、詳細に
検討したところ、インクタンクの重力方向へのインク供
給に対して周囲のインク存在域が何らかの関係をもつこ
とに至った。これは、あくまでもインクタンクの供給部
がタンク底面であって、タンク内部のインク吸収体(ス
ポンジ等の多孔質体)に対して供給部にインク供給方向
に優れたインク供給部材をもつ場合において有効であっ
た。
【0169】図36は、このような特性の一方向性イン
ク供給部材が吸収体に当接している面Fにおいて、タン
クの高さ方向(厚み)の長さSHが20mm以下の場合
は特に以下の特徴があることが判明した。尚、図36の
l1〜l4は、インク吸収体あるいはインクタンクの角
部をいった、インク供給バランスの不安定要素を与え
る、面Fの端部からの最大距離を示している。又、図3
5や図32(e),(F),図33(f),(g)は、
この最大距離を求めるための直角三角形の底辺と高さで
ある。
【0170】本実施例におけるインクタンク30には、
インクホルダへの挿入、離脱を容易とするために、供給
口の周囲に、図25に示したカラーインクタンク140
の各供給口と同様、挿入方向へ向って伸びる案内溝32
0が部分的に形成されている。なお、この供給部の構造
に関する発明は、上記のラッチ関係の構造を必要とする
ものではない。つまり、他の固定方法が用いられた場合
においても、その挿入、離脱を容易とする構造は有効で
ある。
【0171】つまり、インクタンク自体が小型化されイ
ンク供給性においても優れた供給性を得る観点から、イ
ンクタンクの底面が、上記ホルダのインク受け部に接続
する一方向インク供給部材を有し、上記インクタンク
は、該一方向インク供給部材がインクタンク内に収納さ
れている吸収体に接触している接触部分から底面に対し
て垂直な方向のインクタンク内面までの距離SHが20
mm以下であって、該接触部分からインクタンクの各端
部内面までの距離lの内、少なくとも2方向がSH≦l
≦2.5×SHを満足する構成を持つことで、小型化及
び無駄のない優れたインク供給性を得ることができた。
【0172】本発明において、インクタンク周囲の構造
が、インクタンクの側面に対向する面には、上記ラッチ
爪よりも先行して上記ホルダーに設けられている凹部に
挿入される突起を有し、上記側面に垂直な面領域におい
て上記一方向インク供給部材と少なくとも上記ラッチ爪
又は該突起の少なくとも一方が同一面領域に存在しない
ように、上記ラッチ爪と該突起がずれて配置されている
ことで、装着時の位置決め精度が安定する利点がある。
この構成を上記発明が採用する構成とした時は、相乗的
に利点が向上される。
【0173】図45は、本発明の特徴の一つである「h
≦H≦4h」を説明する説明図で、このインクタンクの
外径等に関する前記条件は、本発明にとって好ましい条
件であるが必須ではない。
【0174】図45で、1000はインク吸収体(スポ
ンジ等)で、偏平インクタンクの側方まで延在し、イン
ク供給口域の一方向性インク供給部材1002の周囲及
び上方を占めている。1001、1003は、インク供
給部材1002の移動を可能にする案内部材である。イ
ンクタンクの表面から見てインク供給部材1002の高
さhに対して、この部材1002の上方の領域にあるイ
ンク吸収体の高さHを見ると、この高さHの最小部、最
大部のすべてがh≦H≦4hの条件を満足している。
【0175】これによってインク供給性の安定化が得ら
れた。ちなみに、寸法表示してある図32、33、34
の各インクタンクでは、それぞれ、図32でh≦H≦2
hを満足し、図33で1.45h H、図34で3.5
h=Hである。これらのインクタンクは、すべてh≦H
≦4hを満足し、安定したインク供給が達成でき、イン
ク残量も従来に比べて低減できた。
【0176】図46は、本発明の特徴の一つである「移
動量が0.1mm以上0.5mm以下」の部分発明を説
明するもので、インク供給部材1002の下面がインク
タンク単体の時に位置する面から、装着によって上方へ
移動する距離βと、インク吸収体100自体もこの移動
によって+β分圧縮を受ける。
【0177】このBが0.1mm≦β≦0.5mmであ
ることで、上の問題を解決できる。図33、34、35
のタンクを図28のようにホルダに装着した際の移動量
βはいずれも0.3mmであり、この条件を満足し、図
45のような部分的な吸収体1000と供給部材100
2との圧接不皮を確実に阻止でき、インク吸収体の余分
な圧縮もなくなり、吸収体内のインク分布を不必要に変
化させることがなかった。
【0178】図47は、本発明の特徴の一つである
「0.3mm≦α≦0.8mm」を説明する図で、イン
クタンクの図28のシールリンク61を受ける面100
4からインクタンク単体の時のインク供給部材1002
の下面までの距離αの条件であり、前述したような不都
合を0.3mm≦α≦0.8mmによって解決できた。
図33、34、35でのインクタンクで、このαは、順
に、0.5mm、0.4mm、0.6mmである。
【0179】図48は、本発明の特徴の一つである「圧
接力Nが40gf/mm2≦N≦80gf/mm2」を満
足する条件を説明するものである。上記一方向性インク
供給部材1002に対して、ホルダ側のインク取り込み
管60d(160d´)の先端のフィルタ62を圧接す
る圧力は、単位面積当りこの条件を満たすことで上述の
問題を解決できる。図32,33,34のインクタンク
は、図28のホルダに対して装着すると、上述のラッチ
構造によって、順に、56gf/mm2,69gf/m
2,各インク部共に66gf/mm2であり、上記効果
を得ることができた。実用的な面では、この実施例のよ
うに、50gf/mm2以上56gf/mm2以下とする
ことがより好ましい。むろん、この圧接力を与える固定
方法や構造は、この発明にとって限定するものではな
く、後述の構造のものが利用できる。
【0180】図49は、本発明の特徴の一つである「距
離が10mm以下」の条件を説明する説明図で、インク
タンクの対向する面の作用点AF,BFの夫々の中心O
1,O2を結んだ仮想線(上述実施例のタンクの場合
は、図32(e)、図33(g)、図34(e)の夫々
のラッチ部の中心と爪部の中心を結んだ線となる)に対
して、インクタンクのインク供給口の中心O4から垂線
LXを下ろした距離や、フィルタが接する領域の中心O
3から垂線L0を下ろした距離を示している。なお、M
Xは、インク供給部の上記仮想線からの最大距離を示し
ている。
【0181】これらの距離の少なくとも1つ、好ましく
は、すべてが、10mm以下であることが、本発明の特
徴の一つである。この距離条件に加えて、図33,図3
2のように、インク供給口がこの仮想線上にあることは
好ましい付加条件である。この条件によって、インク供
給性の一層の安定化が達成できた。
【0182】具体的には、ラッチ部が使用状態に近接移
動した状態で、図32で、中心からの距離は1mm、最
大で6mmで、仮想線上にインク供給口が位置してい
る。また、図33で、中心からの距離が1mm、最大で
4mmで、同様に仮想線上にインク供給口が位置してい
る。さらに、図34で各インク供給口Y,M,Cは、各
中心からの距離が、2.5mm,7mm,7mm、最大
で、4.5mm,9mm,9mmである。この発明の場
合は、インク供給口内部の構造はいずれでもよく、吸収
体のみでも同様の効果が得られた。
【0183】図50〜図55にインクタンクホルダおよ
びインクタンクの変形例を示し、各例におけるインクタ
ンクへの取付方法について以下に説明する。
【0184】図50に示す例では、インクタンクにはラ
ッチ部材や爪を設けることなく収容が行われている。イ
ンクタンクホルダは、上面がインクタンクを押圧する方
向に湾曲した蓋部材1005によりインクタンクが収容
されている。蓋部材1005には張り出し部60fおよ
び係合穴とそれぞれ係合する係合部1005bおよび1
005aが形成されており、これらが係合されたインク
タンク収容時には、その湾曲した部分にてインクタンク
を押圧する構成とされている。
【0185】上記のような構成とすることにより、イン
クタンク自体に爪部や突起を設けることなく、簡易装着
し、安定した収容を行うことが可能となった。
【0186】図51に示す例では、蓋部材自体がインク
タンクを押圧することはなく、蓋部材1006とインク
タンクとの間に設けられたバネ1007によりインクタ
ンクを押圧する構成とされている。この例においても、
各係合部1006a,1006bがインクタンクホルダ
と係合したインクタンク収容時にはインクタンクはバネ
1007により安定して収容される。
【0187】図52に示す例では、インクタンクには爪
部のみが形成され、ラッチ部材の代わりに押え部材10
08が用いられている。インクタンクホルダと係合する
押え部材1008は図示するインクタンク収容状態にお
いては、インクタンクの一端を保持し、これにより、安
定した収容が図られている。
【0188】図53に示す例では、インクタンクの反爪
部側となる端部上面に切り欠きを設け、その切り欠き部
に弾性体からなるストッパ1009を差し込んでインク
タンクを安定収容することが図られている。
【0189】図54に示す例では、図42に示した保護
部材400のような収容部材1010を用いてインクタ
ンクを保持している。
【0190】図55に示す例では、インクタンクには、
ラッチ部、爪部とも設けることなく、側面に凹部101
3を設けている。収容時にはインクタンクホルダとイン
クタンクの凹部1013との間に挟持される弾性体10
11により安定収容を行うものとされている。
【0191】図56〜図59にインクタンクの変形例を
示し、以下に説明する。
【0192】図56に示すインクタンクでは、ラッチ部
が変形する箇所に切り欠かれた凹部1014が設けられ
ており、収容時の操作性を向上することが図られてい
る。
【0193】図57に示されるインクタンクでは、挿入
を容易とするために挿入時に前方向となる面に切り欠き
部1016,1017を設けている。このような構成と
することにより、インク収容量は少なくなるものの、挿
入時の操作性を向上することができた。
【0194】図58に示すインクタンクでは、張り出し
部が形成されたインクタンクホルダに収容される際、張
り出し部と係合する部材として突起1018,1019
を設けたものである。突起1018,1019は、挿入
方向に向けて突出した部分の上面が張り出し部の下面と
接するが、さらに上方に向けて突出する部分が形成され
ており、これにより挿入時の突き当てによる位置決めが
なされている。
【0195】図59に示すインクタンク1020は、図
54に示したような爪部のみが形成されたものを示して
いる。
【0196】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。
【0197】1.インク供給性の観点からインクタンク
の取り付け状態やインクタンクの内部構造を規定した本
発明は、安定したインク供給を行うことができる。
【0198】2.小型インクタンク自体の外型を簡単に
して安価なインクタンクを提供しつつ、このインクタン
クを確実にホルダに装着するための構成を提供すること
ができる。
【0199】3.インクタンクのインク供給口に繊維状
体によって構成されたインク供給部材を用いるに当っ
て、この部材の装着時の不都合を解決することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の一実施例の
斜視図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録装置を筐体に
収めた状態の斜視図である。
【図3】図1に示したインクジェット記録装置のキャリ
ッジの斜視図である。
【図4】図3に示したキャリッジのヘッドガイド近傍の
斜視図である。
【図5】図1に示したインクジェット記録装置に装着さ
れるモノカラー用の記録ヘッドカートリッジを、インク
タンクが装着された状態で、ヘッド端子部が見える方向
から見た斜視図である。
【図6】図1に示したインクジェット記録装置に装着さ
れるモノカラー用の記録ヘッドカートリッジを、インク
タンクが装着された状態で、ヘッド端子部とは反対側の
面が見える方向から見た斜視図である。
【図7】図1に示したインクジェット記録装置に装着さ
れるモノカラー用の記録ヘッドカートリッジの底面図で
ある。
【図8】図7に示した記録ヘッドカートリッジのノズル
部の拡大斜視図である。
【図9】図2に示したインクジェット記録装置におい
て、記録ヘッドカートリッジをキャリッジに装着する手
順の第1ステップを示す斜視図である。
【図10】図2に示したインクジェット記録装置におい
て、記録ヘッドカートリッジをキャリッジに装着する手
順の第2ステップを示す斜視図である。
【図11】図5に示した記録ヘッドカートリッジの平面
図である。
【図12】図11に示した記録ヘッドカートリッジのA
−A線断面図である。
【図13】図5に示した記録ヘッドカートリッジに装着
されるインクタンクの平面図である。
【図14】図13に示したインクタンクのB−B線断面
図である。
【図15】図14に示したインクタンクのインク供給口
の、モノカラーホルダとの結合状態を示す断面図であ
る。
【図16】インクタンクを記録ヘッドカートリッジに装
着する手順の第1ステップを示す斜視図である。
【図17】インクタンクを記録ヘッドカートリッジに装
着する手順の第2ステップを示す斜視図である。
【図18】モノカラーホルダの底壁にポップアップバネ
を設けた記録ヘッドカートリッジの例の、図11に示し
た記録ヘッドカートリッジのA’−A’線に相当する断
面図である。
【図19】図3に示したキャリッジに、図6に示した記
録ヘッドカートリッジを装着した状態を示す斜視図であ
る。
【図20】図1に示したインクジェット記録装置に装着
されるカラー記録ヘッドカートリッジを、これに溶着さ
れる2つのインクタンクとともに示した斜視図である。
【図21】図20に示したカラー記録ヘッドカートリッ
ジの底面図である。
【図22】図20に示したカラー記録ヘッドカートリッ
ジの平面図であり、2つのインクタンクが装着された状
態を示す。
【図23】図22に示したD−D線断面図である。
【図24】図22に示したE−E線断面図である。
【図25】図20に示したカラーインクタンクの底面図
である。
【図26】図20に示したカラーインクタンクの側面図
である。
【図27】図3に示したキャリッジに、図22に示した
カラー記録ヘッドカートリッジを装着した状態を示す斜
視図である。
【図28】(a)は、ブラックインクタンク30のみを
収納して記録を行うブラック専用記録ヘッドBHDを一
体的に保持するタンクホルダ60の斜視図、(b)は、
ブラックとカラーのインクタンク130、140をそれ
ぞれ収納して記録を行うブラック、カラー一体記録ヘッ
ドBCHDを一体的に保持するタンクホルダ160の斜
視図である。
【図29】(a)は、タンクホルダ60の上面図、
(b)は、タンクホルダ160の上面図である。
【図30】(a)は、ブラックインクタンク30の底面
を中心とする斜視図、(b)は、ブラックインクタンク
130の底面を中心とする斜視図、(c)はカラーイン
クタンク140の底面を中心とする斜視図である。
【図31】(a)は、ブラックインクタンク130の保
護部材200の離脱操作を含めた操作図、(b)はカラ
ーインクタンク140のの保護部材201の離脱操作を
含めた操作図、(c)は保護部材の部分構成を示す部分
断面図である。
【図32】ブラックインクタンク30の具体的寸法を正
確に縮小した図面で、図中の値通りに形成した実施例を
説明するもので、(a),(b),(c),(d),
(e)のうち、上面図(b)を中心に三角形で、左側面
図(a),右側面図(d),正面図(c)が示されてお
り、(e)は、上面図(b)をさらに縮小表示し、吸収
体を取除いた投影図、(f)は、正面図(c)の縮小で
且つ一方向インク供給部材の中央部を通る断面図であ
る。
【図33】上記ブラックインクタンク130の具体的寸
法を正確に縮小した図面で、図中の値通りに形成した実
施例を説明するもので、(a),(b),(c),
(d),(e),(f),(g)のうち、上面図(b)
を中心に三角形で、左側面図(a),右側面図(d),
正面図(c),下面図(e)が示されており、(f)は
正面図(c)の一方向インク供給部材の中央部を通る断
面図、(g)は上面図(b)の吸収体を取除いた投影図
である。
【図34】上記カラーインクタンク160の具体的寸法
を正確に縮小した図面で、図中の値通りに形成した実施
例を説明するもので、(a),(b),(c),
(d),(e),(f),(g)のうち、上面図(b)
を中心に三角形で、左側面図(a),右側面図(d),
正面図(c),下面図(e)が示されており、(f)は
正面図(c)の一方向インク供給部材の中央部を通る断
面図である。
【図35】図34の上面図(c)の吸収体を取除いた拡
大投影図である。
【図36】本発明インクタンクのインク供給効率をアッ
プするための関係を示す概念図である。
【図37】図28のタンクホルダ60,160が搭載さ
れるインクジェット記録装置のキャリッジ構成の斜視図
である。
【図38】ブラックインクタンク130の保護部材20
0の上面図である。
【図39】ブラックインクタンク130を収容した状態
の保護部材200を包装した状態を示す図であり、
(a)は図38中の矢印Aから見た状態を示す図であ
り、(b)は(a)中の矢印Bから見た状態を示す図で
ある。
【図40】カラーインクタンク140の保護部材201
の上面図である。
【図41】カラーインクタンク140を収容した状態の
保護部材201を包装した状態を示す図であり、(a)
は上面図、(b)は側面図である。
【図42】ブラックインクタンク30の保護部材400
を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図であ
る。
【図43】ブラックインクタンク30を収容した状態の
保護部材400を包装した状態を示す図であり、(a)
は上面図、(b)は側面図である。
【図44】図42、図43に示した保護部材400のイ
ンク供給口を詳細に示す図であり、(a)は部分断面
図、(b)は拡大部分断面図、(c)はインクタンクと
の接続状態を示す部分断面図である。
【図45】本発明の特徴の一つである「h≦H≦4h」
を説明する説明図である。
【図46】本発明の特徴の一つである「移動量が0.1
mm以上0.5mm以下」の部分発明を説明する図であ
る。
【図47】本発明の特徴の一つである「0.3mm≦α
≦0.8mm」を説明する図である。
【図48】本発明の特徴の一つである「圧接力Nが40
gf/mm2≦N≦80gf/mm2」を満足する条件を
説明する図である。
【図49】本発明の特徴の一つである「距離が10mm
以下」の条件を説明する説明図である。
【図50】インクタンクホルダおよびインクタンクの変
形例を示す図である。
【図51】インクタンクホルダおよびインクタンクの変
形例を示す図である。
【図52】インクタンクホルダおよびインクタンクの変
形例を示す図である。
【図53】インクタンクホルダおよびインクタンクの変
形例を示す図である。
【図54】インクタンクホルダおよびインクタンクの変
形例を示す図である。
【図55】インクタンクホルダおよびインクタンクの変
形例を示す図である。
【図56】インクタンクの変形例を示す図である。
【図57】インクタンクの変形例を示す図である。
【図58】インクタンクの変形例を示す図である。
【図59】インクタンクの変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッドカートリッジ 2 キャリッジ 2a 軸受部 2b ガイドレール挟持部 2c キャリッジ変形防止ストッパ 2d、2e ヘッド位置決め突起 3 フレキシブルケーブル 3a ケーブル端子部 4 フレーム 6 搬送ローラ 7 ピンチローラ 8 圧板 9 ピックアップローラ 10 キャリッジ駆動モータ 11 キャリッジ駆動ベルト 12 ガイドレール 13 駆動プーリ 14 ベース 15 排紙ローラ 16 拍車 17 上ケース 18 下ケース 19 トップカバー 20 ヘッドカバー 21 ケーブル押え 21a 覆い部 22 ヘッドガイド 23 コンタクトバネ 24 軸部材 30 インクタンク 31、131、141 蓋部材 31a、131a、141a 段差部 31b タンク突起 32、132、142 容器 32a、132a、142a ラッチレバー 32b、132b、142bY、142bM、142b
C インク供給口 32c、132c 支持部 32d、132d、142d 抜け止め爪 32e、132e、142e ラッチ爪 32f、132g、142g 傾斜面 33、133、143Y、143M、143C イン
ク吸収体 34、134 リブ 35、135 インク供給部材 50、150 ノズル部 50a 吐出口面 50b 吐出口 50c 共通液室 50d 液路 50e 電気熱変換体 51、151 ベースプレート 52 溝付部材 53、153 ヘッド端子部 53a ヘッド位置決め切り欠き 53b ヘッド位置決め穴 60 モノカラーホルダ 60a 段差部 60b ヘッド押圧部 60c ヘッド着脱操作部 60d、160d、160d’ インク取り込み管 60e インク流路 60f、160f 張り出し部 60g タンク突起ガイド部 60h、167、167’ ラッチレバーガイド溝 60i、160i タンク抜け止め穴 60j、167a、167a’ ラッチ爪係合穴 60k、160k、160k’ 傾斜面 61、161、161’ シールリング 62 フィルタ 64 ヘッドガイド係合部 68 ポップアップバネ 101 カラー記録ヘッドカートリッジ 130 ブラックインクタンク 140 カラーインクタンク 142f 仕切板 150Y、150M、150C、150B 吐出口群 160 カラーホルダ 165 仕切板 166 液路カバー P 記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 博行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−104735(JP,A) 特開 平4−176659(JP,A) 特開 平6−15839(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録ヘッドから吐出され
    る記録用のインクを前記インクジェット記録ヘッドに供
    給するための供給口を底面に有し、前記供給口を間に挟
    むようにして相対向する側面にそれぞれに装着係合部材
    が配されて構成されるインクタンクであって、 前記インクタンクの上面からの投影図における前記装着
    係合部材の中心同士を結ぶ仮想線に対して前記供給口の
    中心は偏寄しており、前記供給口の中心から前記仮想線
    への垂線の距離の最大値が10mm以下であることを特
    徴とするインクタンク。
  2. 【請求項2】 前記供給口の中心は、前記インクジェッ
    ト記録ヘッドにインクを供給するインク供給管が当接す
    る前記供給口領域の中心とすることを特徴とする請求項
    1に記載のインクタンク。
  3. 【請求項3】 前記インクタンクは前記供給口が配され
    た前記底面からの高さが前記インクタンクの縦・横寸法
    の少なくとも一方より小であり、且つ前記供給口が設け
    られた個所に高さhの繊維状体によって構成された方向
    性を有するインク供給部材が配されるとともに、前記イ
    ンク供給部材の上方及び周囲に多孔質のインク吸収体が
    配され、前記インク吸収体の前記インク供給部材より上
    方の高さ成分Hが h≦H≦4h の関係を満足することを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載のインクタンク。
  4. 【請求項4】 前記インクタンクの底面に設けられる前
    記インク供給部材が前記インクタンク内に収納されてい
    るインク吸収体に接触している接触面から上方に向って
    垂直な方向のインクタンク内面までの距離SHが20m
    m以下であって、前記接触部分からインクタンクの角部
    内面までの距離lの内、少なくとも2方向が SH≦l≦2.5×SH を満足することを特徴とする請求項3に記載のインクタ
    ンク。
  5. 【請求項5】 前記インクタンクの供給口に配されたイ
    ンク供給部材の外端面は、前記インクタンクの外表面か
    ら0.3mm以上0.8mm以下の範囲内で内方に位置
    して配されることを特徴とする請求項3に記載のインク
    タンク。
  6. 【請求項6】 前記インクタンクを前記インク供給管に
    対して取り付けた状態では、前記インク供給部材は前記
    インク供給管によって0.1mm以上0.5mm以下の
    範囲で前記吸収体側への移動を行わせしめられることを
    特徴とする請求項3に記載のインクタンク。
  7. 【請求項7】 前記インクタンクが前記インク供給管に
    対して装着された状態では、前記インク供給部材と前記
    インク供給管との圧接力Nは 40gf/mm2以上80gf/mm2以下 であることを特徴とする請求項6に記載のインクタン
    ク。
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