JP3061933U

JP3061933U - 不動産オ―クションシステム

Info

Publication number: JP3061933U
Application number: JP1999001278U
Authority: JP
Inventors: 義幸大澤
Original assignee: 義幸大澤
Priority date: 1999-03-05
Filing date: 1999-03-05
Publication date: 1999-09-28
Anticipated expiration: 2005-03-05

Abstract

(57)【要約】【課題】不動産情報を買手に開示し、不動産の購入な
どに至るプロセスに透明性を持たせて買手に安心感を与
え、適正価格で不動産を効率良く提供し得る不動産オー
クションシステムを構築することを目的とする。【解決手段】本考案は、表示装置２と、複数の買手用
端末１０と、不動産情報を記憶し管理する不動産データ
ベース６と、これらに接続してオークションの進行を制
御するオークション制御手段３と、を備え、オークショ
ン制御手段３の制御により表示装置２の画面に不動産情
報が選択表示されると共に当該不動産物件の提示価格が
表示されると、買手用端末１０を通じて買手が前記提示
価格に応答することにより、売手と買手との間で不動産
物件の売買価格または賃貸価格が決定される不動産オー
クションシステムである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、オークションを通じて不動産の売買価格若しくは賃貸価格を決定する不動産オークションシステムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、中古自動車などのオークションシステムは数多く存在する。この種のオークションシステムとしては、例えば、スクリーンに中古自動車とこの中古自動車のセリ価格（オークション最中の提示価格）とを表示させ、複数の買手がポス端末のボタンを押すなどしてそのセリ価格に応答することにより、中古自動車の最終値を決めるものがある。このようなシステムでは、コンピュータ処理により、中古自動車１台の売買に要する時間は数十秒で足りるため、効率良く短時間で中古自動車の売買価格を決めることができる。また、特公平７−４３７４８号公報記載の発明のように、インターネットなどの通信回線を介してオークションに参加できるため、所定のオークション会場に集まる必要がないというものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、不動産のオークションの場合は、中古自動車の場合とは大きく異なる事情がある。その一つは、中古自動車の価格は、中古自動車自体で決まるが、不動産の価格は、当該不動産物件についての周辺環境や法規制、例えば、計画道路や市街地調整区域に含まれているなどの付随条件に大きく左右されることである。不動産購入者は、不動産情報が十分に開示されなかったり、不動産に関する専門知識が不十分であるため、不動産の正当な価格評価ができずに、しばしば不動産の実態を知らされずに購入することがあり、不動産取引のプロセスに透明性が欠けていたという事情がある。かかる事情は、不動産物件の賃貸においても同様であった。

【０００４】また、インターネットなどの通信回線を利用したオークションシステムでは、不動産情報の伝送・取得にかかるタイムラグを避けられないため、買手が不公平感を抱き易く、また、不動産業者などの売手の信用が得られにくいという事情もあった。

【０００５】以上の事情に鑑み、本考案が解決しようとするところは、不動産情報を買手に開示し、不動産の購入などに至るプロセスに透明性を持たせて買手に安心感を与え、適正価格で不動産を効率良く提供し得る不動産オークションシステムを構築することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を達成するために、本考案の不動産オークションシステムは、表示装置と、複数の買手用端末と、画像情報、文字情報および音情報からなる不動産情報を記憶し管理する不動産データベースと、これら表示装置、買手用端末および不動産データベースに接続してオークションの進行を制御するオークション制御手段と、オークション進行役による指示信号を前記オークション制御手段へ伝送するセリ人操作盤と、を備え、前記セリ人操作盤からの指示信号に従うオークション制御手段の制御により、前記表示装置の画面に、前記不動産情報が選択表示されると共に当該不動産物件の提示価格が表示されると、前記買手用端末を通じて買手が前記提示価格に応答することにより、売手と買手との間で不動産物件の売買価格または賃貸価格が決定されることを特徴としたものである。

【０００７】ここで、前記表示装置の画面に、不動産物件の法規制情報、環境情報、地理的情報、鑑定情報および風水情報の中から選択した不動産情報を表示することができる。

【０００８】また、前記表示装置の画面に、不動産情報として、当該不動産物件の外観または内部構成を表す３次元画像を表示したり、当該不動産物件の周辺状況を表す３次元画像を表示する手段を備えることが望ましい。

【０００９】また、前記表示装置の画面に、不動産物件周辺の地図情報を表示させると共に、オークション進行役もしくは買手が前記オークション制御装置に接続するポインティングデバイスを用いて前記地図上の一点を指定することにより、当該指定点における関連情報を選択表示する手段を備えることも望ましい。

【００１０】また、外部ネットワークを通じて不動産物件の画像情報を取得する通信端末を備え、オークション制御手段の制御により、前記画像情報を表示装置の画面に表示させる手段を備えることも望ましい。

【００１１】以上の不動産情報に予め種類に応じた優先度を付したものを前記不動産データベースに格納しておき、オークション制御手段の制御により、前記優先度順に当該不動産物件の不動産情報を表示する手段を備えることが、好ましい。これにより、オークションにおいて不動産の価格決定に関する優先度の高い情報から順に画面に表示できる。

【００１２】また、買手の登録情報を格納した買手データベースと、買手の身分証明情報を取得する手段を備えた買手用端末と、前記買手用端末で取得した身分証明情報を転送されると、該身分証明情報を前記買手データベースに格納した登録情報と照合し、この照合結果を前記買手用端末に伝送する買手認証手段と、を備えることにより、買手データベースに登録された買手のみが買手用端末を利用可能とする構成を採用することも、好ましい。

【００１３】また、オークションによる不動産物件の成約または不成約を登録する登録データベースを備えることが望ましい。

【００１４】そして、移動車両の荷台に上記の表示装置を載置し、本考案の不動産オークションシステムを同移動車両に搭載することにより、移動式の不動産オークションシステムが実現できる。

【００１５】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案に係る不動産オークションシステムの実施形態を図面を参照しながら説明する。

【００１６】図１は、本考案に係る不動産オークションシステムの一実施例を示す概略ブロック図である。本実施例の不動産オークションシステム１は、大画面を有する表示装置２と、オークションの進行を制御するオークション制御手段３と、買手情報を記憶し管理する買手データベース４に接続している買手認証手段５と、不動産物件およびこの不動産物件の売手に関する不動産情報を記憶し管理する不動産データベース６と、オークションの成約または不成約を登録する登録データベース７を備えた伝票処理装置８と、オークション制御手段３との間で信号転送を担う中継器９に接続された複数の買手用端末１０，１０，…，１０と、オークション制御手段３に接続してインターネットなどの外部ネットワーク１１との間でデータ授受を可能とする通信端末１２とを備えて構成されている。この通信端末１２は、外部ネットワーク１１に接続された通信端末１３を通して撮像手段１４による不動産などの動画・静止画のデータ伝送を受けてオークション制御手段３に転送したり、他のデータベースに格納された不動産情報のデータ伝送を受けてオークション制御手段３に転送する。尚、本実施例では、オークション制御手段３と買手認証手段５は一つの制御装置１５内に組み込まれており、オークション制御手段３には、オークションの進行役を務めるセリ人が操作するセリ人操作盤１５が接続されている。また、以上の各種装置、各種構成手段および各種データベースは、コンピュータなどの計算機端末に組み込まれたり、回路形成される。

【００１７】前記表示装置２としては、具体的には、複数の発光ダイオードを配列してなるカラーＬＥＤディスプレイ、投射装置（プロジェクター）とスクリーンとの組み合わせ、もしくはマルチディスプレイなどを採用できる。このような表示装置２の画面における表示例を、図２と図３に示す。図２は、オークション開始時、同図３は、落札時における表示例である。画面２０には、「スタート」や「決定」、「セリ中」などのオークションの処理状況を示す表示窓２１、「セリ」価格や「落札」価格などを表示する表示窓２２、「物件番号」や「物件名称」を表示する表示窓２３、「落札者番号」を示す表示窓２４、「次回物件番号」や「次回物件名称」を表示する表示窓２５、不動産データベースに格納された画像情報や文字情報を表示する表示窓２６、そして「査定」価格などを表示する表示窓２７がある。

【００１８】前記不動産データベース６は、不動産物件の売買価格または賃貸価格を評価するのに必要な不動産情報を蓄積しており、オークション制御手段３の伝送要求に応じて不動産情報を提供する。その不動産情報としては、不動産物件の外観や内部構成を示す静止画または動画、持ち主（売手、貸手）の画像、売手の最低希望価格などが例示され、この他に、計画道路にかかるか否か、市街化調整区域、区画整理事業の範囲、建築条件付きか否か、接道状況（不動産の土地に接する道路が、公道、私道、通常道路か否かなど）、建坪率、容積率、日照問題、斜線規制（「道路斜線」、「隣地斜線」、「北側斜線」および「高度斜線」）、日照権問題、土地境界線などの法規制情報、水道管やガス管の敷設状況、生活環境（学校や校区、病院、買い物場所など）、高圧電力線の有無などの環境情報、崖地や窪地などの不整形地か否か、断層の有無などの地理的情報、風土や水勢などから当該地の良否を決める風水情報、路線価格の変動、不動産物件の属する行政区の人口変動などの統計情報、不動産鑑定士や税理士、弁護士などの専門家による不動産鑑定情報が挙げられる。その不動産鑑定の対象は、更地、建付地、借地権、底地、区分地上権、農地、林地、宅地見込地、貸家およびその敷地、借地権付建物、区分所有建物およびその敷地などである。

【００１９】前記不動産情報は、例えば、図４に示すような配列で不動産データベース６に格納される。図４によれば、「売主」「容積率」「建坪率」「査定価格」などの不動産情報と、不動産情報の「データ形式」である「画像」「音声」「文字」とが定められており、各不動産情報には「不動産情報番号」が割り当てられると共に、不動産の価格決定の際に重要となる順に「優先度」が付与される。本実施例における「優先度」は１０段階を１〜１０の数字で示したものであるが、本考案ではその段階数は、細かく設定すればする程好ましい。また、図５に示すように、各不動産物件には「2360001」「2360002」…のような「不動産物件番号」が付されており、各不動産物件毎に不動産情報番号「002」「003」「010」…が対応付けられ、優先度順に配列されている。オークションの際は、このような不動産情報がデータ配列に従って優先度順に表示装置２の画面２０に表示されることとなるので、不動産情報を効率良く買手に開示できる。尚、優先度が同じ不動産情報については、ランダムに表示順位を決めたり、不動産情報番号の小さな順から表示順位を決めればよい。

【００２０】また不動産取引の安全性を確保すべく、本オークションに参加する買手は登録手続をすることが好ましい。登録済みの買手情報は、上記買手データベース４に格納されている。買手は登録手続きを済ませると、身分証明番号（ＩＤ番号）を付与され、本実施例では、ＩＤ番号などの買手情報を記録したＩＣチップを埋設したＩＤカードを付与される。このようなＩＤカードのＩＣメモリ内の記録情報は、買手用端末１０に備わる接触型または非接触型のカードリーダ（図示せず）によって読み取られて、オークション制御手段３に転送される。買手が買手用端末１０を使うには、先ず、このＩＤカードをカードリーダに挿入し、ＩＣメモリに格納した買手のＩＤ番号およびパスワードをオークション制御手段３を介して買手認証手段５に転送し、ここで、前記買手ＩＤ番号およびパスワードと買手データベース４の登録データとが照合されると、次いで、買手認証手段５は照合結果の真偽を当該買手用端末１０に転送し、この結果が真の場合のみに買手用端末１０のロックが解除されて使用可能となる。尚、前記ＩＤカードに本人確認用の写真を貼付してもよいし、また本実施例では、前記ＩＤカードを用いたが、本考案では必ずしもＩＤカードに限る必要はなく、指紋認識装置や虹彩の紋理認識装置、声紋認識装置などの個人認識手段を採用することも可能である。また、登録時に買手の信用調査を行うべく、ネットワーク１１を通じて外部のデータベースを参照してもよい。

【００２１】また、上記買手用端末１０は、表示装置２に表示されたセリ価格（提示価格）に対する応答信号をオークション制御手段３に伝送するための入力ボタンを備えたポス端末でよいが、更には、セリ価格を買手自ら指定し入札するための「０」〜「９」の入力ボタンと、入札価格を表示する液晶表示装置などの表示手段とを備えてもよい。買手がセリ価格に対して応答したり、入札したりする信号は買手のＩＤ登録番号と一緒にオークション制御手段３に伝送される。尚、買手用端末１０と中継器９との間の通信方式に特に制限は無く、有線、無線の既存の通信方式を適宜選択して使用すればよい。無線通信方式としては、買手用端末１０と中継器９との間の配線の必要が無く、通信内容の秘匿性を確保し易いスペクトラム拡散通信方式が好適である。

【００２２】また、上記セリ人操作盤１５はオークション制御手段３に接続して使用される入出力端末であり、オークションの進行役であるセリ人は、このセリ人操作盤１５を操作して、オークション開始時または落札時などをオークション制御手段３に通知したり、不動産情報の表示内容を指示したり、不動産情報の表示順位を指示したりなどをすることができる。また、図６に示すように、同操作盤１５に、発光ダイオードなどの発光ランプ２９，２９，…，２９を複数個配列した応答者確認パネル２８を設けることが好ましい。その発光ランプ２９，…，２９の一つ一つが買手用端末１０，…，１０に対応しており、買手用端末の応答信号を受けた前記オークション制御手段３が当該買手用端末番号を応答者確認パネル２８に転送すると、対応する発光ランプ２９が点灯するのである。これにより、オークション進行役もしくは売手は、応答者の数を素早く確認でき、当該不動産物件の人気度を把握できる。尚、この応答者確認パネル２８は、必ずしも同操作盤１５に組み込む必要は無く、独立の装置構成として構わない。

【００２３】次に、図７を参照しながら、本考案に係るオークション処理の手順の一例を説明する。先ず、セリ人操作盤１５を通じてオークション制御手段３にオークションの開始が指示されると、オークション制御手段３の制御により、不動産データベース６に格納した不動産情報を選択転送して、表示装置２の画面２０に表示させる（ステップ１；図面ではＳＴ１と表示する。以下同じ。）。次に、セリ人操作盤１５から入力されたセリ価格の初期値もしくは予め不動産データベース６に記憶した初期値を表示させる（ステップ２）。表示装置２の画面２０には、図２に示したように、不動産物件である家屋の外観と共に、「建坪率」「容積率」「斜線規制」などの当該不動産関連の法規制情報などが表示され、買手である不動産購入者などは、これら画像情報などを参考にしつつセリ価格に応答するか否かを決める。ここで、表示するのに好適な不動産情報としては、現実味あるイメージと大量の情報を短時間で買手に提供することが可能な３次元画像や３次元動画像が挙げられる。具体的には、ＣＧ（コンピュータグラフィックス）の手法による、不動産物件の外観や内部構成の３次元静止画像や３次元動画像、不動産物件周辺を撮影したビデオ画像などが好ましい。また、前記画面２０には、「査定」価格も表示されている。この査定価格は、不動産鑑定などにより定めた当該不動産物件の客観的な評価価格である。買手は、この査定価格をも参考にしてセリ価格の判断を行うことができる。その査定価格の隣りには、当該不動産物件のランクが示されている。本実施例では、ランク「Ａ」を表示しているが、Ａ（最高ランク）〜Ｅ（最低ランク）の設定が可能である。またこのランクは、前記査定価格と後述の売切価格との差、すなわち売切価格が査定価格とどの程度離れているかに応じて段階的に定めればよい。例えば、その差が査定価格の０％〜２０％未満の範囲内にあれば「Ａ」、２０％〜６０％未満の範囲内にあれば「Ｂ」のように定めることができる。

【００２４】また、当該不動産物件周辺の地図情報を表示させつつ、オークション進行役もしくは買手が、前記オークション制御装置に接続するマウスなどのポインティングデバイスを操作して、その地図上の一点を指定すると、その指定点に関連付けられた情報、例えば、拡大地図情報、生活環境情報などが選択表示される手段を、本実施例のオークションシステムに備えることも好ましい。このような関連情報は、上記不動産データベース６に格納された不動産情報から適宜選択できる。これにより、買手に対して多くの不動産情報を短時間で提供することが可能となる。例えば、複数の不動産物件が一地域に集中するときに、これらの各不動産情報を、地図を見ながらポインティングデバイスを操作して素早く参照できるので、買手にとって物件同士の比較が非常に楽になるという利点がある。

【００２５】尚、上記オークション制御手段３にインターフェースを介して書画装置を接続し、当該不動産物件に係る画像をオークションにおいて表示させてもよいし、また、図示していないが、音響再生装置を備えて、不動産データベース６に格納した音情報を再生したり、オークションの雰囲気を高めるためにＢＧＭなどを再生してもよい。

【００２６】次に、図７のステップ３において、前記セリ価格は、予め設定された売切価格よりも小さいか否かを条件判定される。この売切価格は、売手所望の落札価格であり、予め不動産データベース６に格納されている。このセリ価格が売切価格以上である場合、図２に示す画面２０の表示窓２２に「売切」を表示する。これにより、買手は、売手所望の価格レベルに達したことを知ることができる。

【００２７】一方、前記セリ価格が売切価格未満である場合、次のステップに進み、セリ価格に複数の買手の応答があるか否かを判定する（ステップ５）。複数の買手がある場合、セリ人操作盤１５での操作またはオークション制御手段３の制御により、セリ価格を上げて（ステップ６）画面に表示させる（ステップ２）。応答する買手が一人になるまで、前記ステップ２〜６の処理を繰り返す。次に、応答者が一人になると、オークション制御手段３においてこの最終セリ価格が予め設定した売手希望価格以上であるか否かの条件判定処理を行う（ステップ７）。この売手希望価格は、売手所望の最低希望価格である。最終セリ価格が売手希望価格以上である場合、最終セリ価格を落札価格とし（ステップ８）、図３に示すように、この落札価格と落札者番号（ＩＤ番号）を表示し、次いで、成約、不動産物件番号、落札価格および落札者ＩＤ番号を伝票処理装置８に伝送し、登録データベース７に登録して（ステップ１０）、オークション処理は終了する。

【００２８】他方、前記ステップ７において最終セリ価格が売手希望価格未満である場合、オークション制御手段３は、不動産データベース６を参照して売手が提示可能な新たな売手希望価格が記録されているか否かを調べ（ステップ１１）、記録されていない場合は、当該不動産物件の不成約が確定し、不成約を伝票処理装置８の登録データベース７に登録する（ステップ１２）。一方、不動産データベース６を参照して新たな提示価格がある場合、その提示した売手希望価格が最終セリ価格以下であるか否かの条件判定を行う（ステップ１３）。前記売手希望価格が最終セリ価格以下とならない場合は、セリ価格の初期値を指定し直し、再度、前記ステップ１からオークション処理を開始する。他方、前記最終セリ価格がその売手希望価格以下である場合は、最終セリ価格を落札価格とし（ステップ８）、前記ステップ９、ステップ１０の処理の後、オークション処理は終了する。

【００２９】尚、前記ステップ１３において売手希望価格が最終セリ価格以下とならず、再度、前記ステップ１からオークション処理を開始する場合、上位数人に限ったオークションを行うように制御してもよい。

【００３０】また、上記オークション処理では、セリ価格を上げる場合のみを述べたが、本考案では、セリ価格を下げることで最終価格を決める処理を行うことも当然にできる。

【００３１】また、外部のネットワーク１１に接続した通信端末１２を通じて、例えば、デジタルカメラなどの撮像手段１４から家屋などの不動産物件の画像情報を取得し、表示装置２の画面２０に表示することもできる。また前記通信端末１２を通じて、画像情報のみならず買手登録時に必要な信用調査情報を取得するために外部のデータベースを参照することも可能である。

【００３２】尚、本考案に係る不動産オークションシステムは、債権などの弁済対象となった不動産物件の競売に好適に利用できる。この種の不動産物件を裁判所の競売に委ねると、売手の希望価格よりも低い価格で落札し易いが、本オークションシステムを利用すると、売手と買手の双方にとって公正で実勢価格に近い落札価格を得ることが可能となる。また裁判所の競売の場合、不動産物件の価値を見極めるには、種々の閲覧書類を検討しなければならないため買手の負担が大きく、また、前記書類に開示されていない事情（例えば、当該物件の内部構造が不明、管理費用の滞納、居住者がいるなど競落後手間取ることなど）があることもあり、必ずしも買手にとって有利な物件とはいえないが、本オークションシステムを利用すると、そのような事情をも開示しながら、競売を行うことができる。

【００３３】また、本考案に係る不動産オークションシステムは、中古マンションや中古住宅などの不動産物件をリフォームする業者選別にも好適に利用できる。この場合、業者が買手として本オークションシステムに参加し、望ましくは１回または複数回の入札を通して不動産物件を落札することとなる。

【００３４】次に、図８を参照しながら本考案に係る他の実施例について説明する。図８は、移動式オークションシステムを示す概略構成図である。本実施例の移動式オークションシステム３０は、移動車両３１と、この移動車両３１に搭載した上記実施例と略同構成のオークション制御手段３を備えた制御装置３２と、買手認証手段５（図示せず）、不動産データベース６、買手データベース４および登録データベース７を備えた計算機端末３３と、移動車両３１の荷台３４の側面に設けた表示装置３５と、買手用端末３６，３６，…，３６と、これら買手用端末３６と無線通信する中継器３７とを備えて構成されている。また、前記計算機端末３３は、伝票処理を行う機能をも有する。尚、図８の符号３８は、オークションの対象となる不動産物件を示す。また、上記実施例と同符号を付したものは、上記実施例と略同機能を有するものとして詳細な説明を省略する。

【００３５】前記買手用端末３６，３６，…，３６は、中継器３７と無線通信する端末であり、入力信号を中継器３７を通じて制御装置３２に転送する。両者間の無線伝送方式には、具体的には、通信内容の秘匿性が高い点で有利なスペクトラム拡散通信方式（周波数ホッピング、直接拡散方式）などが採用される。尚、本システムのコストを下げる観点からは、中継器３７と買手用端末３６との間は有線にするのが望ましい。また、本実施例の不動産オークションシステムでは、移動車両３１に載置した表示装置３４を用いているが、必ずしもこの表示装置３４を用いる必要は無く、オークション開催場所にある他の表示装置に出力先を適宜変更できる。また、本実施例では、データベース６，４，７を移動車両３１に搭載しているが、本考案では、外部ネットワークと接続する通信端末を通じてホストコンピュータのデータベースから買手の登録情報を取得したり、オークションの成約もしくは不成約などをデータベースに登録することが可能である。このような移動式オークションシステム３０により、不動産物件３４がある現場でオークションを実施することが可能となる。

【００３６】

【考案の効果】

以上の如く、本考案の不動産オークションシステムは、セリ人操作盤からの指示信号に従うオークション制御手段の制御により、表示装置の画面に不動産情報が選択表示されると共に当該不動産物件の提示価格が表示され、買手用端末を通じて買手が前記提示価格に応答するというものであり、オークション進行役もしくは買手がセリ人操作盤を通じてオークションを制御できるから、表示装置の画面の表示内容やオークション進行のタイミングを柔軟に且つ容易に変更可能となり、また、買手はそのようにして表示される不動産情報に基づいて不動産物件を評価しつつ応答するから、売手と買手の双方にとって公正な価格決定を素早くかつ確実に行うことができる。更には、本システムを利用すると、オークションを開催するのに要する費用が格段に低くなるという利点がある。

【００３７】また、前記不動産情報として、不動産物件の外観、内部構成または周辺状況を表す３次元画像を表示装置の画面に表示することにより、現実味あるイメージと大量の情報を短時間で買手に提供することが可能となる。

【００３８】また、前記表示装置の画面に、不動産物件周辺の地図情報を表示させ、オークション進行役もしくは買手が前記オークション制御装置に接続するポインティングデバイスを用いて前記地図上の一点を指定することにより、当該指定点における関連情報が選択表示される手段を採用することにより、買手は不動産情報を大量に且つ素早く得ることが可能となり、また、買手にとって物件同士の不動産情報の比較が非常に楽になる。

【００３９】また、外部ネットワークを通じて不動産物件の画像情報を取得する通信端末を備えてその画像情報を表示装置の画面に表示させる手段を採用することにより、遠隔地の不動産物件を表示しつつオークションを行うことができる。

【００４０】また、予め種類に応じた優先度を付した不動産情報を前記不動産データベースに格納しておき、前記優先度順に当該不動産物件の不動産情報を表示させる手段により、不動産の価格決定に関して優先度の高い情報から順に画面に効率良く表示できる。

【００４１】また、買手の身分証明情報を取得する手段を備えた買手用端末と、買手の身分証明情報を買手データベースに格納した登録情報と照合し、この照合結果を前記買手用端末に伝送する買手認証手段とを備える構成を採用することにより、登録した買手のみが買手用端末を利用可能となり、不正な買手用端末の使用はできなくなるため、売手にとって取引の安全性を確保できる。

【００４２】そして、移動車両の荷台に前記表示装置を載置し、本考案に係る不動産オークションシステムを同移動車両に搭載する構成を採用することにより、不動産物件のある現場などの任意の場所でオークションを開催できるので、買手と売手の双方にとって、オークションを極めて低コストで開催でき、利便性が極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る不動産オークションシステムを示
す概略ブロック図である。

【図２】本考案に係る表示装置の画面に表示される不動
産情報とオークション状況の一例を示す図であって、オ
ークション開始時における図である。

【図３】本考案に係る表示装置の画面に表示される不動
産情報とオークション状況の一例を示す図であって、落
札時における図である。

【図４】本考案に係る不動産データベースに格納される
不動産情報の配列の一例を示す図である。

【図５】本考案に係る不動産物件と不動産情報との対応
関係の一例を示す図である。

【図６】本考案に係る応答者確認パネルの一実施例を示
す概略図である。

【図７】本考案に係るオークション処理の一例を示すフ
ローチャートである。

【図８】本考案に係る移動式オークションシステムの一
実施例を示す概略構成図である。

【符号の説明】

１不動産オークションシステム２表示装置３オークション制御手段４買手デー
タベース５買手認証手段６不動産デ
ータベース７登録データベース８伝票処理
装置９中継器１０買手用
端末１１外部ネットワーク１２通信端
末１３通信端末１４撮像手
段１５セリ人操作盤２０画面２１〜２７表示窓２８応答者
確認パネル２９発光ランプ３０移動式
オークションシステム３１移動車両３２制御装
置３３計算機端末（ＤＢ端末）３４荷台３５表示装置３６買手用
端末３６ａアンテナ３７中継器３７ａアンテナ３８不動産
物件

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】表示装置と、複数の買手用端末と、画像
情報、文字情報および音情報からなる不動産情報を記憶
し管理する不動産データベースと、これら表示装置、買
手用端末および不動産データベースに接続してオークシ
ョンの進行を制御するオークション制御手段と、オーク
ション進行役による指示信号を前記オークション制御手
段へ伝送するセリ人操作盤と、を備え、前記セリ人操作盤からの指示信号に従うオークション制
御手段の制御により、前記表示装置の画面に、前記不動
産情報が選択表示されると共に当該不動産物件の提示価
格が表示されると、前記買手用端末を通じて買手が前記提示価格に応答する
ことにより、売手と買手との間で不動産物件の売買価格
または賃貸価格が決定されることを特徴とする不動産オ
ークションシステム。
【請求項２】前記表示装置の画面に、不動産物件の法
規制情報、環境情報、地理的情報、鑑定情報および風水
情報の中から選択した不動産情報を表示してなる請求項
１記載の不動産オークションシステム。
【請求項３】前記表示装置の画面に、不動産情報とし
て、当該不動産物件の外観または内部構成を表す３次元
画像を表示してなる請求項１または２記載の不動産オー
クションシステム。
【請求項４】前記表示装置の画面に、不動産情報とし
て、当該不動産物件の周辺状況を表す３次元画像を表示
してなる請求項１または２記載の不動産オークションシ
ステム。
【請求項５】前記表示装置の画面に、不動産物件周辺
の地図情報を表示させ、オークション進行役もしくは買
手が前記オークション制御装置に接続するポインティン
グデバイスを用いて前記地図上の一点を指定することに
より、当該指定点における関連情報が選択表示される請
求項１〜４の何れか１項に記載の不動産オークションシ
ステム。
【請求項６】外部ネットワークを通じて不動産物件の
画像情報を取得する通信端末を備え、オークション制御
手段の制御により、前記画像情報を表示装置の画面に表
示させてなる請求項１〜５の何れか１項に記載の不動産
オークションシステム。
【請求項７】予め種類に応じた優先度を付した不動産
情報を前記不動産データベースに格納しておき、オーク
ション制御手段の制御により、前記優先度順に当該不動
産物件の不動産情報を表示してなる請求項１〜６の何れ
か１項に記載の不動産オークションシステム。
【請求項８】買手の登録情報を格納した買手データベ
ースと、買手の身分証明情報を取得する手段を備えた買
手用端末と、前記買手用端末で取得した身分証明情報を
転送されると、該身分証明情報を前記買手データベース
に格納した登録情報と照合し、この照合結果を前記買手
用端末に伝送する買手認証手段と、を備えることによ
り、買手データベースに登録された買手のみが買手用端
末を利用可能とする請求項１〜７の何れか１項に記載の
不動産オークションシステム。
【請求項９】オークションによる不動産物件の成約ま
たは不成約を登録する登録データベースを備えた請求項
１〜８の何れか１項に記載の不動産オークションシステ
ム。
【請求項１０】移動車両の荷台に前記表示装置を載置
して、請求項１〜９の何れか１項に記載の不動産オーク
ションシステムを同移動車両に搭載してなる請求項１〜
９の何れか１項に記載の不動産オークショシステム。