JP3061587B2 - 食品の真空凍結方法

Info

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上に利用分野】この発明は、えび等の食品の真空
凍結法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、えび等の魚介類は鮮度を保持する
ために、産地で真空凍結してから消費地に輸送され、消
費地ではこれを一旦解凍し、更にこのうちの複数匹をト
レーに並べて冷凍したものが店頭に出されている。

【０００３】また、鮮度を保持するための他の方法とし
ては、えび一匹づつ冷凍したものを袋詰めして店頭に出
されている場合もある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の方法に
おいては産地で真空凍結したものを消費地で一旦解凍し
てからトレーに移し替えて冷凍するのに手間が係るなど
の難点がある。

【０００５】また、解凍についても消費地で解凍してか
ら更に家庭で調理時に再び解凍するため味が落ちる等の
難点もある。

【０００６】更に、この方法ではトレーに使用する等無
駄な包材を必要とする等の難点がある。

【０００７】後者の方法についてはえびの表面が乾燥し
易く、しかも移動の際に尾等が欠け易いという欠点があ
る。

【０００８】一方、一般家庭では凍結状態でえび一尾一
尾を取り出して調理することが行われるが、前記のよう
な産地で真空凍結された商品はえびを並べて凍結してい
るため、凍結状態ではえび同士がくっつき、解凍しなけ
れば一尾一尾がバラバラにならず、したがって家庭用に
は不向きであった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、この発明では真空凍結する複数の食品を整列させる
と共に、連続した樹脂シートを整列方向に沿って隣接し
た食品間を蛇行するようにして敷設して真空パック容器
に収納し、真空凍結するようにした食品の真空凍結方法
を提案するものである。

【００１０】ここで、食品としてはえびなどの各種魚介
類、肉類等を挙げることができるが、特にえびなどの棒
状食品が好ましい。

【００１１】樹脂シートとしてはポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル等のビニルシートを使用する
ことができる。

【００１２】上記の連続した樹脂シートを整列方向に沿
って隣接した食品間を蛇行するようにして敷設してから
従来公知のポリエチレン、ポリ塩化ビニル製の真空パッ
ク容器に収納し、真空凍結する。

【００１３】真空凍結は、従来公知の条件で行われ、例
えば凍結は-40 ℃〜-30 ℃程度の低温下で0.5 〜0.7 時
間かけて凍結する。

【００１４】

【作用】以上のようにして得られた真空凍結商品は整列
する隣接する食品間を蛇行するように連続した樹脂シー
トが敷設されており、隣接する食品同士で真空凍結時に
接着することがない。

【００１５】そこで、容器を開口して樹脂シートより食
品をひとつ宛て取り出すことができ、家庭用の真空凍結
商品として最適なものとなる。

【００１６】また、食品の産地でこの発明の方法による
真空凍結すれば、従来のように中間過程で解凍、冷凍が
行われないため、鮮度の良い食品を家庭に届けることが
できる。

【００１７】

【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。ブラッ
クタイガーえびを尾っぽを残して殻むきし、天ぷら・フ
ライ用に下ごしらえしたブラックタイガーえび1,…を整
列する。一方、ポリエチレンのビニルシート２はこの整
列方向に沿って隣接するえび1,1 間を蛇行して通過させ
るようにして敷設する。

【００１８】この状態で、真空パック容器に収納して真
空処理し、更に-35 ℃で凍結させる。

【００１９】このようにして得られた真空凍結商品は、
容器を開口しても凍結状態でえびが一尾一尾取り出すこ
とができた。

【００２０】

【発明の効果】以上要するに、この発明によれば食品が
凍結状態で一個宛て取り出すことができるため、家庭用
の真空凍結商品の製造に最適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明により得られた真空凍結商品の縦断
側面図

【図２】同上の平面図

【符号の説明】

1,…はえび２は連続した樹脂シート３は真空パック容器

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A23B 4/06 501 A23L 3/36

(57)【特許請求の範囲】