JP3061563B2 - 剥離子および内視鏡用処置装置 - Google Patents

剥離子および内視鏡用処置装置

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JP3061563B2
JP3061563B2 JP8032162A JP3216296A JP3061563B2 JP 3061563 B2 JP3061563 B2 JP 3061563B2 JP 8032162 A JP8032162 A JP 8032162A JP 3216296 A JP3216296 A JP 3216296A JP 3061563 B2 JP3061563 B2 JP 3061563B2
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良司 増渕
仁 吉良
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば内視鏡的
に伏在静脈等の皮下血管を採取する採取術に用いる剥離
子および内視鏡用処置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】下肢の伏在静脈等の皮下血管を採取する
採取術は、メス等によって表皮をその皮下の血管に沿っ
て切開し、さらに表皮の下層の脂肪組織、血管上結合組
織まで切開して採取しようとする長さの血管を露出さ
せ、露出した血管の両端を切断して体外に採取してい
る。
【0003】しかし、前述した採取術は、表皮に大きな
切開を加えるため、治癒までの時間が長くかかるととも
に、切開部が瘢痕状となり硬化するため、足を動かす
時、引きつって痛みを感じるという問題がある。
【0004】そこで、米国特許第5,334,150号
明細書に示す内視鏡的に採取術を行うことができる観察
機能付きトラカールが開発された。これは、内視鏡一体
型処置具で、皮下の特定組織を観察しながら目的部位に
挿入し、処置することができ、また先端部が先細り形状
であるため、目的部位に確実にアプローチできるという
利点がある。
【0005】また、特公平4−10328号公報に示す
内視鏡用案内管は、内視鏡を挿入可能な管体から構成さ
れており、管体を表皮の切開部を介して体内に挿入し、
体内の深部を観察できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た観察機能付きトラカールは、先端部が先細り形状であ
るため、目的部位に確実にアプローチできる反面、先端
が鋭利であるため、対象組織および周辺組織に損傷を与
える恐れがある。また、前述した内視鏡案内管は、管体
の先端部が丸く形成されているため、対象組織および周
辺組織に損傷を与える心配はないが、血管等の採取時に
血管の周囲の結合組織を血管と切り離すことはできず、
他の処置具と併用せざるを得ない。
【0007】この発明は前記事情に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、目的部位へのアプロー
チが確実であると共に、対象組織および周辺組織に損傷
を与えることなく、血管の採取時に血管の周囲の結合組
織を血管から剥離でき、操作性の優れた剥離子および内
視鏡用処置装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1に記載された発明は、内視鏡が挿入可能
で、細長い管状の本体部を有する剥離子において、前記
本体部の少なくとも先端部分が透明部材で形成されてい
るとともに、前記本体部の最先端部に、鈍的形状で皮切
部から挿入して血管とその周囲組織とを剥離する先端部
を有することを特徴とする。
【0009】また、請求項2に記載された内視鏡用処置
装置は、内視鏡と、前記内視鏡の挿入部が装着可能で、
少なくとも先端部分が透明部材で形成されている細長い
管状の剥離子本体部と、前記剥離子本体部の最先端部に
設けられ、鈍的形状で皮切部から挿入して血管とその周
囲組織とを剥離する先端部とを有することを特徴とす
る。
【0010】また、請求項3に記載された発明は、請求
項1に記載の剥離子または請求項2に記載の内視鏡用処
置装置において、前記先端部が本体部より太径であるこ
とを特徴とする。また、請求項4に記載された発明は、
請求項1に記載の剥離子または請求項2に記載の内視鏡
用処置装置において、前記先端部の外周部にバルーンが
設けられていることを特徴とする。また、請求項5に記
載された発明は、請求項2に記載の内視鏡用処置装置に
おいて、前記本体部には、内視鏡との回転を規制する回
転規制部材が設けられていることを特徴とする。また、
請求項6に記載された発明は、内視鏡が挿入可能で、先
端の少なくとも一部に観察窓を有する細長い管状の本体
部を備えた剥離子において、前記本体部の最先端部に設
けられ、鈍的形状で皮切部から挿入して血管とその周囲
組織とを剥離する先端部と、前記先端部の外周部に設け
られたバルーンとを有することを特徴とする。また、請
求項7に記載された内視鏡用処置装置は、内視鏡と、前
記内視鏡の挿入部が装着可能で、先端の少なくとも一部
に観察窓を有する細長い管状の剥離子本体部と、前記剥
離子本体部の最先端部に設けられ、鈍的形状で皮切部か
ら挿入して血管とその周囲組織とを剥離する先端部と、
前記先端部の外周部に設けられたバルーンとを有するこ
とを特徴とする。内視鏡に剥離子を装着して伏在静脈等
の皮下血管を採取する場合、表皮に設けられた皮切部か
ら剥離子の先端部を皮下組織の内部に挿入することによ
り、内視鏡観察下で血管とその周辺の組織とを剥離する
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の各実施形態を図
面に基づいて説明する。図1〜図4は剥離子および内視
鏡用処置装置の第1の実施形態を示し、1は硬性内視鏡
である。この硬性内視鏡1は観察光学系と照明光学系を
内挿する硬性の挿入部2と、この挿入部2の基端部に設
けられた内視鏡接続部3を有する内視鏡本体部4とから
構成されている。
【0012】挿入部2の先端部には挿入部2の軸線に対
して傾斜する斜視型の観察窓および照明窓を有する先端
構成部5が設けられている。内視鏡本体部4にはライト
ガイドケーブル(図示しない)と接続されるコネクタ7
および内視鏡本体部4の軸部8の軸線に対して直交する
方向に突出する接続ピン9が設けられている。
【0013】10は剥離子(ベインダイセクター)であ
る。この剥離子10は細長い管状の本体部11と先端部
12とから構成されている。本体部11は内視鏡本体部
4の軸部8に対して嵌合可能な太径パイプ部13と、こ
の太径パイプ部13の先端部に接続され硬性内視鏡1の
挿入部2が挿入可能な細径パイプ部14およびこの細径
パイプ部14の先端部に接続され硬性内視鏡1の先端構
成部5を覆う透明な観察部15とから構成されている。
【0014】観察部15は透明な合成樹脂材料によって
円筒状に形成されており、その先端部は軸線に対して傾
斜する傾斜面16によって閉塞されて前記先端部12が
形成されている。傾斜面16は観察部15の周壁部と肉
厚を略等しくしており、これによって傾斜面16がプリ
ズムにならないようにして鮮明に透視できるようにして
いる。さらに、先端部12は、組織への挿入性を良くす
るために平面視で、先細になるように両側部17がカッ
トされていると共に、その最先端部分は血管に傷を付け
ないように鈍的形状をなしている。
【0015】また、観察部15の軸方向の長さL=30
mm程度であり、観察部15の直径φAとし、細径パイ
プ部14の直径φBとすると、 φA>φBに形成され
ている。さらに、観察部15の先端部12を残してその
後方に位置する下部にはその軸方向の亘って円弧状の凹
溝18が形成されており、血管をガイドとして剥離子1
0を押し進めることができるようになっており、同時に
血管の保護も兼ねている。
【0016】また、太径パイプ部13の基端部には内視
鏡本体部4の軸部8に対して嵌合する段付き嵌合部19
が設けられ、この段付き嵌合部19の底部にはゴムリン
グ等の弾性部材20が収納されている。段付き嵌合部1
9の周壁には接続ピン9と係合するL字状に屈曲した一
対のスリット21が設けられている。そして、接続ピン
9とスリット21とを係合することによって硬性内視鏡
1と剥離子10とが接続され、同時に弾性部材20が軸
部8によって圧縮され、硬性内視鏡1と剥離子10とが
回り止めされる回転規制部材22を構成している。
【0017】次に作用について説明する。硬性内視鏡1
の挿入部2を剥離子10に挿入し、剥離子10の段付き
嵌合部19を内視鏡本体部4の軸部8に嵌合し、接続ピ
ン9とスリット21とを位置決めした後、硬性内視鏡1
もしくは剥離子10を回すと、接続ピン9がスリット2
1に係合し、同時に弾性部材20が軸部8によって圧縮
され、硬性内視鏡1と剥離子10とが回転規制された状
態に接続される。
【0018】このように硬性内視鏡1の挿入部2に剥離
子10を嵌合すると、図3に示すように、先端構成部5
が剥離子10の観察部15の内部で、先端近傍に位置
し、観察部15の傾斜面16が斜め上向きになるのに対
し、先端構成部5の観察方向Oは斜め下向きとなる。
【0019】このように硬性内視鏡1に剥離子10を装
着して伏在静脈等の皮下血管を採取する採取術に用いる
場合について説明すると、図4(a)において、23は
表皮、24は表皮23の下層の脂肪等の皮下組織、25
は皮下組織24の下層の血管上結合組織、26は伏在静
脈等の血管である。表皮23の一部にメスを入れ、皮下
組織24および血管上結合組織25を皮切し、その皮切
部27から剥離子10の先端部12を挿入すると、先端
部12は血管上結合組織25に到達する。このときの硬
性内視鏡1の観察像は図4(b)に示すようになり、硬
性内視鏡1の視野内に剥離子10の先端部12と血管上
結合組織25を含む血管26が入る。
【0020】この状態で、剥離子10を押し進めると、
剥離子10の先端部12により血管26と血管上結合組
織25とが剥離され、血管26が露出し、血管26の途
中の側枝26aも露出して硬性内視鏡1の視野内に入
る。したがって、硬性内視鏡1によって血管26を観察
しながら血管26と血管上結合組織25とを剥離するこ
とができる。
【0021】このとき、剥離子10の観察部15には凹
溝18が設けられているため、凹溝18が血管26と嵌
合して剥離子10を血管26に沿って押し進めることが
でき、また先端部12は先細であるが、その最先端部分
は鈍的形状をなしているため、血管26に傷を付けるこ
となく、剥離することができる。
【0022】図5および図6は第2の実施形態を示し、
第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明
を省略する。図5に示す30は直視型の硬性内視鏡29
の挿入部を示し、31は観察窓および照明窓を有する先
端構成部である。挿入部30に嵌合された剥離子32の
観察部33は透明な合成樹脂材料等によって構成され、
その先端部34は円錐状に形成されている。この先端部
34の最先端部分は傷を付けることがないように鈍的形
状をなしている。
【0023】第1の実施形態と同様に、図6に示すよう
に、皮切部27から剥離子32の先端部34を挿入する
と、先端部34は血管上結合組織25に到達する。この
とき、硬性内視鏡29の視野内に剥離子32の先端部3
4と血管上結合組織25を含む血管26が入る。
【0024】この状態で、剥離子32を押し進めると、
剥離子32の先端部34が血管26と血管上結合組織2
5とが剥離され、血管26が露出し、血管26の途中の
側枝26aも露出して硬性内視鏡29の視野内に入る。
したがって、硬性内視鏡29によって血管26を観察し
ながら血管26と血管上結合組織25とを剥離すること
ができる。このとき、剥離子32の観察部33には凹溝
18が設けられているため、凹溝18が血管26と嵌合
して剥離子32を血管26に沿って押し進めることがで
き、また観察部33の先端部34は円錐状であるが、そ
の最先端部分は鈍的形状をなしているため、血管26に
傷を付けることなく、剥離することができる。
【0025】図7および図8は第3の実施形態を示し、
第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明
を省略する。図7に示す35は剥離子であり、剥離子3
5の観察部36は透明な合成樹脂材料等によって構成さ
れ、その先端部37における上部は流線形で、下部は傾
斜面38に形成されている。この先端部37の最先端部
分は傷を付けることがないように鈍的形状をなしてい
る。
【0026】第1の実施形態と同様に、図8に示すよう
に、皮切部27から剥離子35の先端部37を挿入する
と、先端部37は血管上結合組織25に到達する。この
とき、硬性内視鏡1の視野内に剥離子35の先端部37
と血管上結合組織25を含む血管26が入る。
【0027】この状態で、剥離子35を押し進めると、
剥離子35の先端部37により血管26と血管上結合組
織25とが剥離され、血管26が露出し、血管26の途
中の側枝26aも露出して硬性内視鏡1の視野内に入
る。したがって、硬性内視鏡1によって血管26を観察
しながら血管26と血管上結合組織25とを剥離するこ
とができる。このとき、観察部36の先端部37は円錐
状であるが、その最先端部分は鈍的形状をなしているた
め、血管26に傷を付けることなく、剥離することがで
きる。
【0028】図9には、本実施形態における剥離子35
の具体的な寸法の一例が示されている。図示のように、
観察部36の全長Aは18mm、全幅Bは8mm、全高
Cは8mm、最先端点Pの高さDは下面Gから1.5m
m、先端角度αは30°、下面Gから最先端点Pに達す
る角度βは10°に設定されている。また、下面Gの両
側の角部EはR1〜3のR面取りが施され、先端部37
の稜線部FはR1以上のR面取りが施され、共に鈍的形
状をなしている。なお、下面Gは平面をなしており、ま
た、本体部11の外径Hは6mmであり観察部36の全
高Cに対してC>Hの関係になっている。
【0029】このような寸法に設定された剥離子35
は、その観察部36の最先端点Pが血管26直上の結合
組織25へと挿入される。この時の状態が図10に縦断
面図として示されている。観察部36の下側すなわち血
管26直上に位置する面Gが平面であるため、剥離子3
5自体が軸回りに回転して先端部37が意図しない方向
に向くことが防止される。
【0030】また、側枝血管26aは血管本管26と同
様に剥離子35の挿入層の直下に位置するため、先端部
37を挿入していくと、側枝血管26aは図10に示す
ように周囲組織と一緒に上方へ吊り上げられるが、その
際、剥離子35の先端部37の下面角部Eで側枝血管2
6aを圧迫したりあるいは切断したりする事態が考えら
れる。また、最先端部Pがシャープである場合には血管
26に損傷を与える虞もある。しかしながら、図9に示
すように角部Eに曲率半径1mm以上のR面取りを施
し、先端部37をR1以上に設定することにより、血管
26を損傷することなく挿入することが可能となる。こ
れまでの検討より、角部Eは曲率半径 3mmのR面取
をすることが望ましいと判明している。
【0031】図11および図12は第4の実施形態を示
し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して
説明を省略する。図11に示す39は剥離子であり、剥
離子39の観察部39aは透明な合成樹脂材料等によっ
て構成され、その先端部40のおける上部は流線形で、
下部は開口窓41に形成されている。この先端部40の
最先端部分は傷を付けることがないように鈍的形状をな
している。
【0032】第1の実施形態と同様に、図12に示すよ
うに、皮切部27から剥離子39の先端部40を挿入す
ると、先端部40は血管上結合組織25に到達する。こ
のとき、硬性内視鏡1の視野内に剥離子39の先端部4
0と血管上結合組織25を含む血管26が入る。
【0033】この状態で、剥離子39を押し進めると、
剥離子39の先端部40の開口窓41の開口に血管26
が入り込み、血管26の上面を開口窓41の開口縁が摺
動しながら進行し、血管26と血管上結合組織25とが
剥離され、血管26が露出し、血管26の途中の側枝2
6aも露出して硬性内視鏡1の視野内に入る。したがっ
て、硬性内視鏡1によって血管26を観察しながら血管
26と血管上結合組織25とを剥離することができる。
このとき、観察部39aの先端部40は円錐状である
が、その最先端部分は鈍的形状をなしているため、血管
26に傷を付けることなく、剥離することができる。
【0034】図13は第5の実施形態を示し、第1の実
施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略す
る。図13に示す42はバルーンであり、このバルーン
42は剥離子10の先端部12を残して観察部15の外
周部を包囲するように装着されている。このバルーン4
2にはチューブ43が接続され、このチューブ43は本
体部11の基端側に導かれ、シリンジ44に接続されて
いる。
【0035】図13(a)に示すように、バルーン42
を収縮した状態で、第1の実施形態と同様に、皮切部2
7から剥離子10の先端部12を挿入すると、先端部1
2は血管上結合組織25に到達する。このとき、硬性内
視鏡1の視野内に剥離子10の先端部12と血管上結合
組織25を含む血管26が入る。
【0036】この状態で、剥離子10を押し進めると、
剥離子10の先端部12によって血管26と血管上結合
組織25とが剥離され、血管26が露出し、血管26の
途中の側枝26aも露出して硬性内視鏡1の視野内に入
る。したがって、硬性内視鏡1によって血管26を観察
しながら血管26と血管上結合組織25とを剥離するこ
とができる。
【0037】剥離子10がある程度進行したところで、
図13(b)に示すように、シリンジ44によって液体
等の流体を送り込むと、チューブ43を介してバルーン
42に流体が充填され、バルーン42が膨張する。そし
て、剥離した血管26と血管上結合組織25との間を押
し広げることができる。したがって、血管26と血管上
結合組織25との剥離をいっそう確実にすることができ
る。剥離子10をさらに前進させるときには、図13
(a)に示すように、バルーン42を収縮して剥離子1
0を押し進めた後、再びバルーン42を膨張する操作を
繰り返すことにより、血管26の周囲の空間を広げるこ
とができる。
【0038】図14〜図18は第1の実施形態における
回転規制部材22の変形例を示し、第1の実施形態と同
一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。図14
は剥離子10の太径パイプ部13の嵌合部45に軸方向
に沿って一対のスリット46を設け、内視鏡本体部4の
軸部8に嵌合部45を嵌合したときに接続ピン9とスリ
ット46とが係合して硬性内視鏡1と剥離子10とが回
り止めされるようにしたものである。
【0039】図15および図16は剥離子10の太径パ
イプ部13の嵌合部45に軸方向に沿って一対のスリッ
ト47を設け、このスリット47に接続ピン9の軸径よ
り狭幅の狭幅部47aと接続ピン9と嵌合して抜け止め
される嵌合部47bとから構成したものである。このよ
うに構成することにより、内視鏡本体部4の軸部8に嵌
合部45を嵌合したときに接続ピン9とスリット47と
が係合して硬性内視鏡1と剥離子10とが回り止めされ
る。
【0040】図17および図18は剥離子10の太径パ
イプ部13の嵌合部45に軸方向に沿って一対のスリッ
ト48を設けると共に、外周面にねじ部49を設け、こ
のねじ部49に締付け環体50を螺合できるようにした
ものである。このように構成することにより、内視鏡本
体部4の軸部8に嵌合部45を嵌合したときに接続ピン
9とスリット48とが係合して硬性内視鏡1と剥離子1
0とが回り止めされ、さらに締付け環体50を回してね
じ部49に螺合することにより、硬性内視鏡1と剥離子
10とを確実に接続できる。
【0041】図19ないし図23は剥離子の本体部に対
して観察部を着脱自在にした例を示している。なお、第
1の実施形態と同一の構成部分については同一符号を付
してその説明を省略する。
【0042】図19は本体部11に対して観察部15を
着脱する第1の構成例を示している。図19の(a)に
示すように、観察部15の後端の左右両側には巾着形状
をなしたスリット61,61が設けられている。また、
本体部11の先端側にはその外周面の全周にわたって溝
が設けられており、この溝にはOリング62が嵌め込ま
れている。さらに、Oリング62の後端側には、観察部
15のスリット61,61と係合可能な左右一対の係合
ピン63,63が突設されている。この係合ピン63,
63の高さは、これを観察部15のスリット61,61
に係合させた際に観察部15の外表面から突出しない高
さに設定されている。
【0043】観察部15を本体部11に装着する場合
は、図19の(b)に示すように、観察部15の内側に
本体部11を挿入しながら係合ピン63,63をスリッ
ト61,61に嵌め入れる。この際、観察部15と同様
の樹脂からなるスリット61,61は弾性変形して係合
ピン63,63をその内側に受け入れる。また、このよ
うに観察部15を本体部11に装着した状態では、Oリ
ング62が観察部15の内周に密着して観察部 15の
内部を水密に保ち観察部15の内面の曇りを防止する。
したがって、観察部15を通じた内視鏡1の視野が良好
に確保される。
【0044】図20および図21は本体部11に対して
観察部15を着脱する第2の構成例を示している。図2
0の(a)に示すように、観察部15の後端には筒状の
接続部材64が接続されている。この接続部材64の内
面には、図20の(a)および図21に示すように、そ
の周方向に沿って90°の角度範囲で延びる周状溝65
aとこの周状溝65aを接続部材64の後端縁へと開放
させる直線溝65bとからなる一対の係合溝65,65
が互いに点対称をなして設けられている。
【0045】また、図20の(b)に示すように、本体
部11の先端側にはその外周面の全周にわたって溝が設
けられており、この溝にはOリング 66が嵌め込まれ
ている。さらに、Oリング66の後端側には、係合溝6
5,65と係合可能な左右一対の係合ピン67,67が
突設されている。この係合ピン67,67の高さは、こ
れを観察部15の係合溝65,65に係合させた際に周
状溝65aおよび直線溝65b内に収まる高さに設定さ
れている。
【0046】観察部15を本体部11に装着する場合
は、まず、係合ピン67を直線溝65bに挿入し、直線
溝65bの終奥端で今度は周状溝65aに沿って観察部
15を約90°回転させれば良い。このように観察部1
5を本体部11に装着した状態では、Oリング66が観
察部15の内周に密着して観察部15の内部を水密に保
ち観察部15の内面の曇りを防止する。したがって、観
察部15を通じた内視鏡1の視野が良好に確保される。
【0047】なお、周状溝65aと直線溝65bおよび
これらに係合する係合ピン67を非対照位置に設けれ
ば、観察部15の上下反転装着ができなくなり、手術中
の誤使用を防止することができる。
【0048】図22および図23は本体部11に対して
観察部15を着脱する第3の構成例を示している。図2
2の(a)に示すように、観察部15の内面にはその全
周にわたって係止溝70が設けられている。また、図2
2の(b)に示すように、本体部11の先端側の外周面
にはその全周にわたって2つの溝73,74が並設され
ている。これらの溝73,74のうち、先端側の溝73
には、バネ性を有する素材によって形成されたC形状の
リング71が装着されている。このC形状リング71
は、図23に示すように、実線で示す装着状態から一点
鎖線で示す縮径状態に弾性的に変形して溝73内に完全
に埋没するようになっている。また、溝74にはOリン
グ72が装着されている。
【0049】このような構成において、観察部15の内
側に本体部11を挿入していくと、溝73内に装着され
たC形状リング71は、観察部15の内面によって押圧
されて、図23の一点鎖線に示すようにその内径が縮径
して溝73内に完全に埋没される。この状態でさらに本
体部11を観察部15内に挿入してC形状リング71を
係止溝70へと導入すると、C形状リング71は、観察
部15の内面からの押圧力が解除されてその内径が元の
状態まで拡径し、係止溝70に係止される。これによっ
て、本体部11に対して観察部15が係止状態で装着さ
れる。また、この場合、Oリング72は観察部15の内
周に密着して観察部15の内部を水密に保ち観察部15
の内面の曇りを防止する。したがって、観察部15を通
じた内視鏡1の視野が良好に確保される。
【0050】図24および図25は第1の実施形態にお
ける剥離子と硬性内視鏡との接続部分の変形例を示して
いる。なお、第1の実施形態と同一の構成部分について
同一符号を付してその説明を省略する。
【0051】図示のように、剥離子支持部材75は、硬
性内視鏡1の挿入部2の先端側から挿入部2の外周面に
沿ってスライドされて内視鏡本体部4に装着される。硬
性内視鏡1のライトガイドコネクタ7は既存の任意のケ
ーブルに接続できるようにその口金部にキャップ式アダ
プター81が設けられている。この場合、コネクタ7の
外径は寸法dに設定され、キャップ式アダプターの外径
はコネクタ7に装着した状態で寸法Dに設定されている
(図24参照)。
【0052】また、剥離子支持部材75にはその基端側
にジョイント部82が設けられている。ジョイント部8
2は、その後端が開口し且つその奥部が広くなった略巾
着形状を成しており、開口部の最も幅の狭い部分の間隔
が寸法 W1 に設定されている。また、ジョイント部8
2の広い奥部は、ここにキャップ式アダプター81を挿
入できる大きさ、すなわち、その最大径が寸法W2 に設
定されている。そして、上記各寸法間は、W2 >D>W
1 >dなる関係に設定されている。すなわち、コネクタ
7にキャップ式アダプター81が装着された状態では、
剥離子支持部材75を内視鏡本体部4に取り付けること
はできないが、コネクタ7からキャップ式アダプター8
1を外した状態で剥離子支持部材75を内視鏡本体部4
に取り付け、その後にコネクタ7にキャップ式アダプタ
ー81を装着すると、剥離子支持部材75が内視鏡本体
部4に固定的に装着されるようになっている。
【0053】剥離子支持部材75の先端側には剥離子1
0を挿入するための装着口83が開口しており、その上
方には剥離子10を固定するための固定ネジ84が抜け
止め用Cリング85とともに設けられている。この場
合、固定ネジ84の先端は剥離子10の太径パイプ部1
3に設けられた系止孔 86と係合するようになってい
る。また、固定ネジ84の取付け部位と対向する支持部
材75の部位(接着口83の底部)には開口が設けられ
ており、この開口には剥離子10の回転規制を行なう規
制ピン87が外側から挿入されて装着口83に突出して
いる。そして、装着口83に突出する規制ピン87の突
出部位は剥離子10の太径パイプ部13に設けられた回
転規制溝88と係合している。なお、この場合、回転規
制溝88を上下2箇所に設ければ、観察部15を反転し
た状態で使用でき、血管に接する面が曲面となって血管
の損傷をより小さくでき、特に、視野方向0°の前方視
型内視鏡との組み合わせにおいて、血管の下方側の剥離
も容易に行なえる。また、支持部材75には、装着口8
3よりも基端側の部位に、硬性内視鏡1の挿入部2の径
よりも大きく且つ太径パイプ部13の径よりも小さな孔
90が設けられている。
【0054】このような構成の剥離子支持部材75によ
れば、係止ピンを有さない硬性内視鏡1であっても剥離
子10との接続が可能となり、また、手術中に剥離子1
0を硬性内視鏡1から取り外す際に誤って支持部材75
も外してしまうといった事態を防止できる。
【0055】図26および図27は、剥離子10によっ
て周辺組織と剥離されて露出された血管を上方から保護
するプロテクタ95を体内に容易に導入するための手段
を示している。
【0056】図26は、下肢の伏在静脈を採取するため
に第1の切開部101と第2の切開部102との間で剥
離子10を皮下組織に貫通させた状態で、剥離子10の
太径パイプ部13にプロテクタ95の細い先端側部分9
5aを挿入接続して第2の切開部102から導出される
剥離子10の案内によってプロテクタ95を第1の切開
部101へと導入する様子を示している。なお、プロテ
クタ95の本体部95bの後端部にはT字状の係止部9
5cが設けられている。また、この係止部95cには内
視鏡的血管摘出術を行なうために必要となる皮膚切開の
長さを印した指標96,96が設けられている。
【0057】図27に拡大して示すように、剥離子10
の太径パイプ部13の後端には、開口端が狭く且つ先端
側に向かって幅広に形成された略巾着形状のスリット9
2が左右に設けられている。
【0058】このような構成において、内視鏡的血管摘
出術におけるプロテクタ設置作業を行なう場合には、前
述したように剥離子10をガイドにして第1の切開部1
01からプロテクタ95を皮下に挿入していく。この場
合、プロテクタ95の細い先端側部分95aを剥離子1
0の太径パイプ部13の内側に差し込んだ状態で、剥離
子10とプロテクタ95の両方を把持して、両者が外れ
ないようにしながらプロテクタ95を挿入していく。
【0059】このような作業時においては、例えば患者
の腹部の隆起によりプロテクタ95の後端が持ち上がっ
た状態になるなど、剥離子10とプロテクタ95との軸
線が一致しなくなることがあるが、そのような場合で
も、本構成によれば、スリット92により太径パイプ部
13の部位でプロテクタ95に比較的大きな自由度を付
与することができるため、プロテクタ95を所定の方向
に動かして剥離子10の軸線に対するプロテクタ95の
軸線の位置を修正することができる。
【0060】図28および図29には、剥離子10とプ
ロテクタ95との接続手段の別の例が示されている。図
28の(a)および図29に示すように、剥離子10の
太径パイプ部13には鍵型のスリット97が設けられて
いる。このスリット97は、周方向に沿って略90°の
角度範囲で延びる周方向スリット部97aと、周方向ス
リット部97aの終端から太径パイプ部13の軸方向に
沿って後端側に延びる軸方向スリット部97bとからな
る。一方、プロテクタ95には、図28の(b)に示す
ように、剥離子10のスリット97と係合可能な係合孔
98が設けられている。
【0061】このような構成において、剥離子10とプ
ロテクタ95とを接続する場合には、剥離子10のスリ
ット97にプロテクタ95の係合孔98を引掛ければ良
い。そして、この状態で、剥離子10を引張ればプロテ
クタ95が牽引されて皮下に引き込まれていく。スリッ
ト97と係合孔98との係合により、皮下で剥離子10
とプロテクタ95とが分離してしまうことが防止され、
プロテクタ95を確実に皮下へ導入できる。
【0062】図30には、高周波電極を有する剥離子1
0が示されている。図30の(a)に示すように、剥離
子10の観察部15の上部外表面には、1mm〜5mm
の長さの高周波電極113が設けられている。この高周
波電極113には外部と絶縁されたケーブル112が接
続されており、このケーブル112は剥離子10の細長
い管状の本体部11の外表面に固定されて外部の高周波
装置110に接続されている。高周波電極113を観察
部15の上部外表面に設ける手段としては、図30の
(b)に示すように高周波電極113の先端部を屈曲形
状に形成してこれを観察部15の内部に埋め込んだり、
あるいは、図30の(c)に示すように、高周波電極1
13の先端部の上面を斜めに切断したテーパ状に形成し
たりすることが考えられる。これにより、皮下剥離中に
電極113の先端部が組織に突き刺さって電極113が
剥がれるといった事態を防ぐことができる。
【0063】このような剥離子10によれば、皮下剥離
作業中に固い組織に遭遇した時に電極113に高周波電
流を流してこの固い組織の一部を切開することができる
ため、更に深部に挿入していくことができる。また、一
端皮下に剥離子10を挿入した後に電極113に高周波
電流を流して電極113を上方の組織に押し当てながら
引き戻すことにより、上方の組織が切り開かれて皮下の
腔を拡張することも可能となる。なお、この場合、電極
113がバイポーラ電極である場合には対極板は不要で
あるが、電極113がモノポーラ電極である場合には患
者に対極板を装着していることが条件となる。
【0064】なお、以上説明してきた実施態様によれ
ば、以下のごとき構成が得られる。 (付記1)内視鏡が挿入可能で、先端の少なくとも一部
に観察窓を有する細長い管状の本体部を有する剥離子に
おいて、前記本体部の最先端部に、鈍的形状で皮切部か
ら挿入して血管とその周囲組織とを剥離する先端部を有
することを特徴とする剥離子。
【0065】(付記2)本体部は、全体が透明部材で形
成されていることを特徴とする付記1記載の剥離子。 (付記3)先端部は、先細り形状であることを特徴とす
る 付記1記載の剥離子。 (付記4)先端部は、内視鏡視野の略中心に位置してい
ることを特徴とする付記1記載の剥離子。
【0066】(付記5)先端部は、閉塞していることを
特徴とする付記1記載の剥離子。 (付記6)観察窓は、透明部材であることを特徴とする
付記1記載の剥離子。 (付記7)観察窓は、開口窓であることを特徴とする付
記1記載の剥離子。 (付記8)先端部は、本体部より太径であることを特徴
とする付記1記載の剥離子。
【0067】(付記9)先端部は、本体部の軸線に対し
て傾斜する傾斜面が設けられていることを特徴とする付
記1記載の剥離子。 (付記10)先端部は、流線形であることを特徴とする
付記1記載の剥離子。
【0068】(付記11)先端部は、その外周部にバル
ーンが設けられていることを特徴とする付記1記載の剥
離子。 (付記12)本体部には、内視鏡との回転を規制する回
転規制部材が設けられていることを特徴とする付記1記
載の剥離子。 (付記13)内視鏡と、この内視鏡の挿入部が挿入可能
で、先端の少なくとも一部に観察窓を有する細長い管状
の剥離子本体部と、この剥離子本体部の最先端部に設け
られ、鈍的形状で皮切部から挿入して血管とその周囲組
織とを剥離する先端部を有することを特徴とする内視鏡
用処置装置。
【0069】(付記14)剥離子本体部は、全体が透明
部材で形成されていることを特徴とする付記13記載の
内視鏡用処置装置。 (付記15)先端部は、先細り形状であることを特徴と
する付記13記載の内視鏡処置装置。 (付記16)先端部は、内視鏡視野の略中心に位置して
いることを特徴とする付記13記載の内視鏡用処置装
置。
【0070】(付記17)先端部は、閉塞していること
を特徴とする付記13記載の内視鏡用処置装置。 (付記18)観察窓は、透明部材であることを特徴とす
る付記13記載の内視鏡用処置装置。 (付記19)観察窓は、開口窓であることを特徴とする
付記13記載の内視鏡用処置装置。 (付記20)先端部は、剥離子本体部より太径であるこ
とを特徴とする付記13記載の内視鏡用処置装置。
【0071】(付記21)先端部は、剥離子本体部の軸
線に対して傾斜する傾斜面が設けられていることを特徴
とする付記13記載の内視鏡用処置装置。 (付記22)先端部は、流線形であることを特徴とする
付記13記載の内視鏡用処置装置。 (付記23)先端部は、その外周部にバルーンが設けら
れていることを特徴とする付記13記載の内視鏡用処置
装置。 (付記24)剥離子本体部には、内視鏡との回転を規制
する回転規制部材が設けられていることを特徴とする付
記13記載の内視鏡用処置装置。
【0072】(付記25)観察窓を有する先端部材が、
内視鏡が挿入される細長い管状の本体部に対して着脱自
在であることを特徴とする付記1記載の剥離子。 (付記26)先端部材と本体部を、スナップフィットで
装着することを特徴とする付記25記載の剥離子。 (付記27)先端部材と本体部を、キー溝係合とするこ
とを特徴とする付記25記載の剥離子。 (付記28)先端部材と本体部を、バネ変形により装着
することを特徴とする付記25記載の剥離子。
【0073】(付記29)先端部材と本体部との間を、
水密構造とすることを特徴とする付記25記載の剥離
子。 (付記30)水密部材としてOリングを用いたことを特
徴とする付記29記載の剥離子。
【0074】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、先端部
を皮切部から挿入して血管とその周囲組織とを剥離する
場合において、本体部の透明部分を介して剥離されてい
る個所(血管とその周囲組織との剥離個所)を内視鏡に
よって確実に観察することができる。そのため、目的部
位へ確実にアプローチできる。また、先端部が鈍的形状
を成しているため、対象組織および周辺組織に損傷を与
えることなく、血管の採取時に血管の周囲の結合組織を
血管から剥離できる。請求項2に記載の発明によれば、
請求項1と同様の作用効果が得られるとともに、剥離子
が内視鏡と一体的であるため、目的部位を見失うことな
く、操作性に優れ、剥離処置を能率的に行なうことがで
きる。請求項6に記載された発明によれば、観察窓を通
じて内視鏡により剥離個所を観察しながら、本体部を体
内に挿入できるため、目的部位へのアプローチが確実で
ある。また、先端部が鈍的形状を成しているため、対象
組織および周辺組織に損傷を与えることなく、血管の採
取時に血管の周囲の結合組織を血管から剥離できる。特
に、この請求項6に記載された発明では、先端部の外周
部にバルーンが設けられているため、バルーンによって
剥離した血管と結合組織との間を押し広げることがで
き、これによって、剥離をいっそう確実にすることがで
きる。請求項7に記載された発明によれば、請求項6と
同様の作用効果が得られるとともに、剥離子が内視鏡と
一体的であるため、目的部位を見失うことなく、操作性
に優れ、剥離処置を能率的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示し、硬性内視鏡
と剥離子の斜視図。
【図2】同実施形態の回転規制部材の縦断側面図。
【図3】同実施形態の剥離子を示し、(a)は平面図、
(b)は縦断側面図、(c)はX−X線に沿う断面図。
【図4】同実施形態の使用状態を示し、(a)は剥離操
作時の縦断側面図、(b)同操作時の視野を示す図。
【図5】この発明の第2の実施形態を示す剥離子の縦断
側面図。
【図6】同実施形態の使用状態を示し、剥離操作時の縦
断側面図。
【図7】この発明の第3の実施形態を示す剥離子の縦断
側面図。
【図8】同実施形態の使用状態を示し、(a)は剥離操
作時の縦断側面図、(b)同操作時の視野を示す図。
【図9】(a)は同実施形態の剥離子の観察部の具体的
な寸法形状を示す正面図、 (b)は(a)の観察部の
側面図。
【図10】図9の剥離子を皮下組織に挿入して状態を示
す断面図。
【図11】この発明の第4の実施形態を示す剥離子の縦
断側面図。
【図12】同実施形態の使用状態を示し、(a)は剥離
操作時の縦断側面図、(b)同操作時の視野を示す図。
【図13】この発明の第5の実施形態を示し、(a)は
バルーンが収縮した状態の縦断側面図、(b)はバルー
ンが膨張した状態の縦断側面図。
【図14】この発明の第1の実施形態における回転規制
部材の変形例を示し、硬性内視鏡と剥離子の斜視図。
【図15】この発明の第1の実施形態における回転規制
部材の変形例を示し、硬性内視鏡と剥離子の斜視図。
【図16】同変形例の作用説明図。
【図17】この発明の第1の実施形態における回転規制
部材の変形例を示し、硬性内視鏡と剥離子の斜視図。
【図18】同変形例の作用説明図。
【図19】(a)は本体部に対して観察部を着脱する第
1の構成例を示す斜視図、(b)は観察部と本体部とを
接続した状態を示す側断面図。
【図20】本体部に対して観察部を着脱する第2の構成
例を示し、(a)は観察部の側断面図、(b)は本体部
の側断面図。
【図21】図20の(a)のYーY線に沿う断面図。
【図22】本体部に対して観察部を着脱する第3の構成
例を示し、(a)は観察部の側断面図、(b)は本体部
の側断面図。
【図23】図22の(b)の本体部に装着されるC字形
状リングの正面図。
【図24】第1の実施形態における剥離子と硬性内視鏡
との接続部分の変形例を示す上面図。
【図25】第1の実施形態における剥離子と硬性内視鏡
との接続部分の変形例を示す側断面図。
【図26】下肢の伏在静脈を採取するために剥離子の案
内によってプロテクタを皮下組織へ導入する様子を示す
図。
【図27】図26の状態における剥離子とプロテクタと
の接続部分を拡大して示す側面図。
【図28】剥離子とプロテクタとの接続手段の別の例を
示し、(a)は剥離子の後端部の斜視図、(b)はプロ
テクタの先端部の斜視図。
【図29】図28における剥離子とプロテクタとの接続
状態を示す側断面図。
【図30】高周波電極を有する剥離子の側断面図。
【符号の説明】
1…硬性内視鏡 2…挿入部 4…内視鏡本体部 10…剥離子 11…本体部 12…先端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小賀坂 高宏 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 岡部 洋 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−59789(JP,A) 実開 昭59−111113(JP,U) 実開 昭60−20211(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 17/00 - 17/34 A61B 1/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡が挿入可能で、細長い管状の本体
    部を有する剥離子において、 前記本体部の少なくとも先端部分が透明部材で形成され
    ているとともに、前記本体部の最先端部に、鈍的形状で
    皮切部から挿入して血管とその周囲組織とを剥離する先
    端部を有することを特徴とする剥離子。
  2. 【請求項2】 内視鏡と、 前記内視鏡の挿入部が装着可能で、少なくとも先端部分
    が透明部材で形成されている細長い管状の剥離子本体部
    と、 前記剥離子本体部の最先端部に設けられ、鈍的形状で皮
    切部から挿入して血管とその周囲組織とを剥離する先端
    部と、 を有することを特徴とする内視鏡用処置装置。
  3. 【請求項3】 前記先端部が本体部より太径であること
    を特徴とする請求項1に記載の剥離子または請求項2に
    記載の内視鏡用処置装置。
  4. 【請求項4】 前記先端部の外周部にバルーンが設けら
    れていることを特徴とする請求項1に記載の剥離子また
    は請求項2に記載の内視鏡用処置装置。
  5. 【請求項5】 前記本体部には、内視鏡との回転を規制
    する回転規制部材が設けられていることを特徴とする請
    求項2に記載の内視鏡用処置装置。
  6. 【請求項6】 内視鏡が挿入可能で、先端の少なくとも
    一部に観察窓を有する細長い管状の本体部を備えた剥離
    子において、 前記本体部の最先端部に設けられ、鈍的形状で皮切部か
    ら挿入して血管とその周囲組織とを剥離する先端部と、 前記先端部の外周部に設けられたバルーンと、 を有することを特徴とする剥離子。
  7. 【請求項7】 内視鏡と、 前記内視鏡の挿入部が装着可能で、先端の少なくとも一
    部に観察窓を有する細長い管状の剥離子本体部と、 前記剥離子本体部の最先端部に設けられ、鈍的形状で皮
    切部から挿入して血管とその周囲組織とを剥離する先端
    部と、 前記先端部の外周部に設けられたバルーンと、 を有することを特徴とする内視鏡用処置装置。
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