JP3060820B2 - 伸び計の装着装置及び伸び計装置 - Google Patents

伸び計の装着装置及び伸び計装置

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JP3060820B2
JP3060820B2 JP6034436A JP3443694A JP3060820B2 JP 3060820 B2 JP3060820 B2 JP 3060820B2 JP 6034436 A JP6034436 A JP 6034436A JP 3443694 A JP3443694 A JP 3443694A JP 3060820 B2 JP3060820 B2 JP 3060820B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、引張試験片に装着して
標点設定を行ない伸び量を測定する伸び計の装着装置及
び伸び計装置に関するものであり、特に薄板や箔の引張
試験用に有効なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薄板については、需要家から機械
的性質(引張強さ、0.2%耐力、破断伸び)等のデー
タが要求がされなかったが、近年軽薄短小が進むに伴
い、これらのデータが要求されるようになってきた。こ
れらのデータを測定、算出するにあたり、小荷重の測定
及び破断伸びの測定は、現状の技術でも多少の誤差はあ
るが対応可能であった。しかし、0.2%耐力算出のた
めには低伸び領域(1%以内)における荷重−伸び測定
をする必要があり困難であった。
【0003】図7は、従来の伸び計の装着装置1′及び
伸び計装置2′を示す。伸び計本体3′から突き出た固
定アーム38及び回転アーム39の各先端に、爪44と
シャープエッジの接触部46を持つ支持部材42を取付
部45でビス等により各々固定アーム38、回転アーム
39に取り付け、引張試験片34を押え部材43でシャ
ープエッジの接触部46に押し付けながら押え支持部材
47の爪48を支持部材42の爪44に引っかける。こ
の操作を上下の支持部材42、42と押え支持部材4
7、47について行なう。この時、押え部材43をばね
が内在されている調整ボルト50を回して引張試験片3
4に押し付けても良いし、予め調整ボルト50を締め込
んでおいて引張試験片34に押し付けても良い。
【0004】最終的に、伸び計の装着装置1′は、固定
アーム38及び回転アーム39の先端に固定された支持
部材42のシャープエッジである接触部46とプラスチ
ック製の押え部材43との間に引張試験片34を挟持、
押圧して取り付けられる。しかる後、引張試験片34の
長手方向両端を引張ると引張試験片が伸び、回転アーム
39が伸び計本体3′の内部の一点を中心として円弧状
に動き、その動きを電気信号に変換することによって伸
びが測定される。
【0005】金属材料の引張試験片を引張った場合、荷
重と伸びは、最初比例関係にあるが、荷重が高くなると
急激に伸びが大きくなり比例関係から外れる。比例関係
の上限の応力は降伏応力あるいは耐力と呼ばれ、引張試
験で得られた荷重−伸び曲線から求められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在使
用している市販の伸び計装置2′は、その伸び計3の支
持部材42、42のシャープエッジである接触部46、
46や支持部材42、42の爪44、44と押え支持部
材47、47の爪48、48の連結構造等のため、伸び
計装置2′の自重により引張試験片に過大な曲げモーメ
ントが作用し、曲がり及び傷の原因となっていた。図8
は、市販の伸び計装置2′を薄板の引張試験片34に装
着した状態を示す。市販の伸び計装置2′を薄板の引張
試験片34に装着すると、伸び計本体3′、押え支持部
材47及び調整ボルト50等の自重により、上接触点5
1及び下接触点52の各々で薄板の引張試験片34は、
くの字形に曲げられる。従って、板厚が0.2mm以下
の薄い場合の引張試験では、このくの字形の引張試験片
34の曲がりが引張荷重によって解消される前に降伏応
力或いは耐力に相当する荷重に達してしまい、降伏応力
或いは耐力を求めることが出来なかった。
【0007】又、仮に伸び計本体3′の自重を何らかの
方法で支持したとしても、伸び計装着装置1′の自重と
押さえ部材43の先端により引張試験片34がくの字形
に曲げられ上記の如き問題が残る。
【0008】更に、薄板の引張試験片34への伸び計の
装着装置1′の取り付けの際、支持部材の爪44に押え
支持部材の爪48を引っかけ、調整ボルト50を回して
押え部材43を引張試験片34に押し付けると押え部材
43にも若干回転が伝わるため板厚が薄い引張試験片の
場合、しわが発生したり傷がつく。又、予め調整ボルト
50を締め込んでおいて、支持部材の爪44に押え支持
部材の爪48を引っかける場合には、押え部材43が薄
板の引張試験片34を押さえながら擦るので、引張試験
片34の損傷は更に大きくなる。市販されている伸び計
の装着装置1′の接触部46(図7)は、シャープエッ
ジであるので、引張試験片34の板厚が薄い場合には破
断することもある。従って、板厚が0.2mm以下の薄
い場合の引張試験では引張試験片34に伸び計の装着装
置1′を装着できないため、降伏応力或いは耐力は、求
められなかった。
【0009】本発明の目的は、上記従来の伸び計装置の
問題点を解決し、板厚の薄い引張試験片であっても降伏
応力又は耐力を測定することが出来、引張試験片にしわ
や傷或いは破断の発生しない伸び計の装着装置及び伸び
計装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本第1発明は、引張試験片の伸び量を検出する伸び
に前記引張試験片の標点位置に一致させて接触させ
接触部と、前記引張試験片を前記接触部と対になって挟
持、押圧する押え部材とを備え、前記伸び計に接続され
伸び計の装着装置において、前記接触部と前記押え部
材は、前記引張試験片の幅より広い位置で磁石の磁力に
よって前記接触部と前記押え部材により前記引張試験片
を挟持、押圧するものである。
【0011】本第2発明は、本第1発明において、前記
接触部は、前記引張試験片側の断面形状が円弧状であ
る。
【0012】本第3発明は、本第1発明又は第2発明に
おいて、前記接触部は、磁石に吸着する磁性体であり、
前記押え部材は、前記磁石である。
【0013】本第4発明は、本第3発明において、前記
伸び計の装着装置は、前記接触部の近傍に弾性材によっ
て突出付勢され前記押え部材である磁石に吸着する先端
が平面の磁性体からなる支持ピンを備えたものである。
【0014】本第5発明は、本第1発明又は第2発明に
おいて、前記伸び計の装着装置は、前記接触部と前記押
え部材の外側に配置された磁石と、該磁石に吸脱着する
磁性体と、該磁性体を前記磁石に案内するガイド部材
と、前記押え部材を前記接触部から引き離す取り外しピ
ンとを備えたものである。
【0015】本第6発明は、引張試験片の伸び量を検出
する伸び計と、該伸び計に前記引張試験片の標点位置に
一致させて接触させる接触部と、前記引張試験片を前記
接触部と対になって挟持、押圧する押え部材とを備えた
伸び計の装着装置とを有する伸び計装置において、該伸
び計装置は、前記伸び計を水平に保持する弾性部材を備
え、前記接触部と前記押え部材は、磁石の磁力によって
前記引張試験片を挟持、押圧するものである。
【0016】
【作用】本発明によれば、接触部と押え部材は、引張試
験片の幅より広い位置で磁石の磁力によって接触部と押
え部材により引張試験片を挟持、押圧するものであるの
で、引張試験片を接触部と押え部材の間に瞬間的に挟
持、押圧することができ、引張試験片のしわや傷等の損
傷を回避することが出来る。そして、伸び計の装着装置
の引張試験片への装着が容易になり、板厚の薄い引張試
験片であっても降伏応力又は耐力を高精度で求めること
ができる。
【0017】更に、接触部は、引張試験片側の断面形状
円弧状であるので、上記作用と共に、接触部と引張試
験片の接触が線接触で当たりが良好となり、板厚が薄い
場合でも引張試験片の破断を防ぐことが出来ると共に、
接触部の形状が単純であるので製作上容易である。
【0018】更に、接触部は磁石に吸着する磁性体であ
り、押え部材は前記磁石であるので、引張試験片への伸
び計の装着装置をワンタッチで装着可能になる。
【0019】そして、伸び計の装着装置は、接触部の近
傍に弾性材によって突出付勢され押え部材である磁石に
吸着する先端が平面の磁性体からなる支持ピンを備えた
ので、伸び計の装着装置の接触部と押え部材との間に引
張試験片を容易に挟持、押圧することが出来ると共に、
押え部材は支持ピンに面接触するので押え部材の自重に
よる曲げモーメントの発生を回避し、しわや傷等の損傷
を与えず、箔等の薄板の降伏応力や耐力を高精度で測定
することが容易になる。
【0020】更に、接触部と押え部材の外側に配置され
た磁石と、この磁石に吸脱着する磁性体と、この磁性体
を前記磁石に案内するガイド部材と、押え部材を接触部
から引き離す取り外しピンとを備えることにより、上記
と同様の作用と共に、押え部材を接触部から脱着する時
に、引張試験片に余計な力やしわ、傷等の損傷を与えず
に脱着が容易になる。
【0021】又、本発明の伸び計装置は、伸び計を水平
に保持する弾性部材を備えたので、伸び計装置装着時の
伸び計への振動を緩和すると共に、引張試験片への伸び
計装置の自重がかからず、曲げモーメントによるしわ、
傷等の損傷を回避することが出来る。更に、接触部と押
え部材は、磁石の磁力によって引張試験片を挟持、押圧
するものであるので、引張試験片を接触部と押え部材の
間に瞬間的に挟持、押圧することができ、引張試験片の
しわや傷等の損傷を回避することが出来る。そして、本
発明の伸び計装置は、伸び計の装着装置の引張試験片へ
の装着が容易になり、板厚の薄い引張試験片であっても
降伏応力又は耐力を高精度で求めることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る伸び計の装着装置及び伸
び計装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図
1は本発明に係る伸び計の装着装置の第1の実施例を示
す要部斜視図、図2は図1の伸び計の装着装置と支持ば
ねを備えた伸び計装置の側面図、図3は図1における第
1の実施例の作用を説明する図で、(A)は押え部材が
正常にセットされた状態の側面図、(B)は押え部材が
セットの初期に接触部に対して内側に傾斜してセットさ
れた状態の側面図、(C)は押え部材がセットの初期に
接触部に対して外側に傾斜してセットされた状態の側面
図、図4は本発明に係る伸び計の装着装置の第2の実施
例を示す要部斜視図、図5は図4における第2の実施例
の調整ボルトの一部省略拡大断面図、図6は本発明に係
る伸び計装置を用いて測定した引張試験片の伸び−荷重
曲線40及び従来技術に係る伸び計装置を用いて測定し
た引張試験片の伸び−荷重曲線41を重ねて示した図で
ある。
【0023】図1は、本発明に係る伸び計の装着装置の
第1の実施例を示す要部斜視図である。この図では、伸
び計本体とこれに設けられた固定アーム及び回転アーム
が省略されている。本伸び計の装着装置1は、図示しな
い伸び計本体に接続され引張試験片34を支持する支持
部材4と、この支持部材4に設けられ引張試験片の標点
位置に一致させて接触させる接触部5と、引張試験片3
4を支持部材の接触部5と一対になって挟持、押圧する
押え部材10とを備えており、引張試験片34の幅より
広い位置で吸着する磁石の磁力によって前記引張試験片
34を挟持、押圧するものである。接触部5は、その引
張試験片側は断面形状が円弧状である。押え部材10
は、接触部5に接触する面が平面の磁石である。
【0024】そして、支持部材4が押え部材10を支持
するには、引張試験片34の接触部5だけでは不安定で
あるので、引張試験片34の幅より広い位置で接触部5
の近傍に弾性材であるばね、合成樹脂、合成ゴム等によ
って突出付勢さた支持ピン13を備えて押え部材10を
安定に支持する機構となっている。支持ピン13の先端
は平面であり、磁石である押え部材10に吸着する鉄等
の磁性体からなる。勿論、支持ピン13に対応する押え
部材10の接触面も接触部5に接触する面と同一の平面
である。
【0025】本実施例においては、前記接触部5を鉄等
の磁性体に形成し、支持部材4をアルミニウム又はその
合金の非磁性体で形成したが、接触部5を合成樹脂で形
成し、支持部材4を鉄等の磁性体で形成し、接触部5及
び引張試験片34を介して押え部材10と支持部材4間
に磁力を作用させるものでもよい。
【0026】図2は、図1の伸び計の装着装置1と支持
ばねを備えた伸び計装置2の側面図である。引張試験片
34の板厚が薄い場合には、伸び計3の重さによる曲げ
モーメントが引張試験片34に作用して測定結果に影響
を及ぼすので、この図に示すように、伸び計支持装置3
6から吊り下げられたコイルばねやゴム等の弾性部材で
ある支持ばね37、37で伸び計3を水平に吊って、引
張試験片34に曲げモーメントが作用しないようにバラ
ンスさせる。そして、弾性材であるばね37によって引
張試験片34に整合して、即ち二つの支持部材の接触部
5、5の頂点が、引張試験片34の標点間隔に一致する
ように水平に保持されて伸び計支持装置36に吊られて
いる。又、二つの支持部材4、4は、取付部6、6で各
々固定アーム38、回転アーム39に取り付けられてい
る。
【0027】以上のように構成された第1の実施例の伸
び計の装着装置1及び伸び計装置2は、次のように作用
する。即ち、図1、2において伸び計装置2は、伸び計
支持装置36によって、支持ばね37、37を介して水
平に吊られており、その接触部5は、引張試験片34に
対しては垂直に配置されている。今、本伸び計の装着装
置1の支持部材の接触部5を引張試験片34の標点位置
に一致させて、押え部材10を引張試験片34の上から
近づける時、押え部材10は磁石であるので瞬時に接触
部5及び支持ピン13、13と吸着し、引張試験片34
は挟持、押圧される。この時、接触部5の引張試験片側
の断面形状は、円弧状であるので、接触部5と引張試験
片34の接触が線接触で当たりが良く、引張試験片34
が箔のような薄板であっても、しわや傷等の損傷或いは
破断を防ぐことが出来る。
【0028】図3は、押え部材10を引張試験片34の
上から近づける時の接触部5及び磁石の支持ピン13、
13との関係を説明する図である。(A)は押え部材1
0が正常にセットされた状態の側面図、(B)は押え部
材10がセットの初期に接触部5に対して内側に傾斜し
てセットされた状態の側面図、(C)は押え部材10が
セットの初期に接触部5に対して外側に傾斜してセット
された状態の側面図である。(B)や(C)のように、
押え部材10が接触部5に対して、セットの初期に傾斜
してセットされても、磁石の支持ピン13の先端は平面
であり、押え部材10の吸着面も平面になっているの
で、互いに面一になるように吸着し、瞬時に(A)のよ
うな状態になる。支持ピン13は、ばね、ゴムその他の
弾性材14により常に突出付勢されている。その突出量
は、図3において引張試験片34の右表面より僅か右に
突出する程度で、上記のように支持ピン13と押え部材
10の吸着面が面一になった状態では、引張試験片34
の右表面と同じ位置まで突出した状態となる。
【0029】図4は、本発明に係る伸び計の装着装置1
の第2の実施例を示す要部斜視図である。第2の実施例
は、接触部5と押え部材10の外側で支持部材4に設け
られた先端が平面の磁石26と、この磁石26に吸脱着
し押え支持部材16に設けられた先端が平面で、鉄等の
磁性体27と、この磁性体27を磁石26に案内するガ
イド部材28と、押え部材10を接触部5から引き離す
取り外しピン32とを備えたものである。第1の実施例
と同様に、接触部5は、円弧状断面を持ち、押え部材1
0と一対になって引張試験片34を挟持、押圧する。押
え部材10はピン11を中心に回転可能であり、調整ボ
ルト17により引張試験片34の向きに付勢されてい
る。調整ボルト17は、図5に示すように、内側、外側
にそれぞれねじの設けられたケーシング18と、ケーシ
ング18の一端の内部に螺子で螺合し固定されたつまみ
19と、押え部材10を支持する支持棒22と、この支
持棒22を付勢するばね20と、支持棒22の飛び出し
を防止しばねの強さを調節するばね圧調整ねじ21とか
ら構成されている。支持棒22はばねにより引張試験片
34方向に付勢され、つまみ19方向に可動である。
【0030】第2の実施例は、次のように作用する。押
え部材10を引張試験片34の上から接触部5に近づけ
ると、支持部材4に設けられた磁石26と押え支持部材
16に設けられた鉄等の磁性体27がガイド部材28に
沿って瞬時に移動吸着されるので、引張試験片34は、
接触部5と押え部材10の間に挟持、押圧される。この
時、押え部材10は、調整ボルト17内のばね20によ
って付勢されているので、接触部5と押え部材10の間
に引張試験片34を適度な強さで挟持、押圧し一層密着
させて止めることが出来る。磁性体27は、磁石26に
吸着させた後、調整ボルト17を締め込んでも良いし、
予め調整ボルト17を締め込んでおいて磁性体27を磁
石26に吸着させても良い。後者の場合、磁性体27を
磁石26に吸着させるだけで支持部材4と押え支持部材
16を引張試験片34に装着することが出来る。
【0031】磁性体27を磁石26に吸着させた後、そ
の位置を修正すると、引張試験片34が接触部5と押え
部材10に擦られて損傷を受ける恐れがある。これを回
避するため、支持部材4は磁性体27用のガイド部材2
8を備えている。伸び計の装着装置1の引張試験片34
からの取り外しは、押え支持部材16の両端を手で支え
ながら取り外しピン32の頭を押さえることにより行な
われる。図では、取り外しピン32は、軸方向に拘束が
ない。この実施例では、磁石26及び磁性体27以外
は、アルミニウムやその合金、合成樹脂等の非磁性体で
も良い。又、磁石26を押え支持部材16に磁性体27
を支持部材4側に取り付けても良い。
【0032】図6は、本発明に係る伸び計装置2を用い
て測定した引張試験片34の伸び−荷重曲線40と、従
来技術に係る伸び計装置2′を用いて測定した引張試験
片34の伸び−荷重曲線41とを示す。図6において、
伸び−荷重曲線40は荷重の小さい区間は伸び−荷重曲
線は直線であり、更に0.2%耐力を過ぎても滑らかに
カーブする曲線となっている。一方、伸び−荷重曲線4
1は荷重の小さい区間においても直線になっておらず、
更に大きい荷重域ではS字状の曲線となっている。これ
は、図8に示したように、引張の当初から既に引張試験
片34はくの字に曲がっており、かなりの荷重をかけな
いと正常な引張状態にならず、0.2%耐力に相当する
荷重では依然として引張試験片34はくの字に曲がって
おり、精度の良い測定が出来ないためである。
【0033】以上この発明を図示の実施例について詳し
く説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施例
のみに限定するものではなく、この発明の精神を逸脱せ
ずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ること
は云うまでもない。
【0034】
【発明の効果】本第1発明によれば、接触部と押え部材
は、磁石の磁力によって引張試験片を挟持、押圧するも
のであるので、本発明の伸び計の装着装置は、引張試験
片を瞬間的に挟持、押圧することができて、引張試験片
に無理な曲げや力を加えることがなくなり、しわや傷等
の損傷を回避することが出来ると共に、張試験片への装
着が容易になる。その結果、板厚の薄い引張試験片であ
っても降伏応力又は耐力を高精度で求めることが出来
る。
【0035】本第2発明によれば、本第1発明におい
て、接触部は円弧状であるので、上記効果に加え、接触
部と引張試験片の接触が線接触で当たりが良好となり、
板厚が薄い場合でも引張試験片の破断を防ぐことが出来
と共に、接触部の形状が単純であるので製作上容易であ
る。
【0036】本第3発明によれば、本第1発明又は第2
発明において、接触部は磁石に吸着する磁性体であり、
押え部材は磁石であるので、本第1発明又は第2発明の
効果に加え、引張試験片への伸び計の装着装置をワンタ
ッチで装着可能になる。
【0037】本第4発明によれば、本第3発明におい
て、伸び計の装着装置は、接触部の近傍に弾性材によっ
て突出付勢され押え部材である磁石に吸着する先端が平
面の磁性体からなる支持ピンを備えたので、本第3発明
の効果に加え、伸び計の装着装置の接触部と押え部材と
の間に引張試験片を容易に挟持、押圧することが出来る
と共に、押え部材は引張試験片に面接触するので伸び計
の装着装置の自重による曲げモーメントの発生を回避
し、しわや傷等の損傷を与えず、箔等の薄板の降伏応力
や耐力を高精度で測定することが容易になる。
【0038】本第5発明によれば、本第1発明又第2発
明において、接触部と押え部材の外側に配置された磁石
と、この磁石に吸脱着する磁性体と、この磁性体を前記
磁石に案内するガイド部材と、押え部材を接触部から引
き離す取り外しピンとを備えたものであるので、本第1
発明又は第2発明の効果に加え、押え部材を接触部から
脱着する時に、引張試験片に余計な力やしわ、傷等の損
傷を与えず脱着が容易になる。又、引張試験片に磁力が
加わらず磁性体の薄板又は箔の試験の際にも悪影響がな
い。
【0039】本第6発明によれば、伸び計を水平に保持
する弾性部材を備えたので、伸び計装置の装着時に伸び
計への振動を緩和すると共に、引張試験片に伸び計装置
の自重がかからず、曲げモーメントによるしわ、傷等の
損傷を回避することが出来る。そして、接触部と押え部
材は、磁石の磁力によって引張試験片を挟持、押圧する
ものであるので、引張試験片を接触部と押え部材の間に
瞬間的に挟持、押圧することができ、引張試験片のしわ
や傷等の損傷を回避することが出来る。そして、本発明
の伸び計装置は、伸び計の装着装置の引張試験片への装
着が容易になり、板厚の薄い引張試験片であっても降伏
応力又は耐力を高精度で求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る伸び計の装着装置の第1の実施例
を示す要部斜視図である。
【図2】図1の伸び計の装着装置と支持ばねを備えた伸
び計装置の側面図である。
【図3】図1における第1の実施例の作用を説明する図
で、(A)は押え部材が正常にセットされた状態の側面
図、(B)は押え部材がセットの初期に接触部に対して
内側に傾斜してセットされた状態の側面図、(C)は押
え部材がセットの初期に接触部に対して外側に傾斜して
セットされた状態の側面図である。
【図4】本発明に係る伸び計の装着装置の第2の実施例
を示す要部斜視図である。
【図5】図4における第2の実施例の調整ボルトの一部
省略拡大断面図である。
【図6】本発明に係る伸び計装置及び従来の伸び計装置
を用いて測定した引張試験片の伸び−荷重曲線図であ
る。
【図7】従来技術に係る伸び計装置を示す要部斜視図で
ある。
【図8】従来技術に係る伸び計装置を薄板の引張試験片
に装着した状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 伸び計の装着装置 2 伸び計装置 3 伸び計 5 接触部 10 押え部材 13 支持ピン 14 ばね(弾性材) 26 磁石 27 磁性体 28 ガイド部材 29 外側 32 取り外しピン 34 引張試験片 37 支持ばね(弾性部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 5/00 - 5/30 G01N 3/04,3/06,3/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張試験片の伸び量を検出する伸び計
    記引張試験片の標点位置に一致させて接触させる接触
    部と、前記引張試験片を前記接触部と対になって挟持、
    押圧する押え部材とを備え、前記伸び計に接続される
    び計の装着装置において、前記接触部と前記押え部材
    は、前記引張試験片の幅より広い位置で磁石の磁力によ
    って前記接触部と前記押え部材により前記引張試験片を
    挟持、押圧するものであることを特徴とする伸び計の装
    着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記接触部は、前記
    引張試験片側の断面形状が円弧状であることを特徴とす
    る伸び計の装着装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記接触部
    は、磁石に吸着する磁性体であり、前記押え部材は、前
    記磁石であることを特徴とする伸び計の装着装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記伸び計の装着装
    置は、前記接触部の近傍に弾性材によって突出付勢され
    前記押え部材である磁石に吸着する先端が平面の磁性体
    からなる支持ピンを備えたものであることを特徴とする
    伸び計の装着装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2において、前記伸び計の
    装着装置は、前記接触部と前記押え部材の外側に配置さ
    れた磁石と、該磁石に吸脱着する磁性体と、該磁性体を
    前記磁石に案内するガイド部材と、前記押え部材を前記
    接触部から引き離す取り外しピンとを備えたものである
    ことを特徴とする伸び計の装着装置。
  6. 【請求項6】 引張試験片の伸び量を検出する伸び計
    と、該伸び計に前記引張試験片の標点位置に一致させて
    接触させる接触部と、前記引張試験片を前記接触部と対
    になって挟持、押圧する押え部材とを備えた伸び計の装
    着装置とを有する伸び計装置において、該伸び計装置
    は、前記伸び計を水平に保持する弾性部材を備え、前記
    接触部と前記押え部材は、磁石の磁力によって前記引張
    試験片を挟持、押圧するものであることを特徴とする伸
    び計装置。
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