JP3060619B2 - Al熱交換器構造部材用高強度Al合金ブレージングシート - Google Patents

Al熱交換器構造部材用高強度Al合金ブレージングシート

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JP3060619B2 JP3188045A JP18804591A JP3060619B2 JP 3060619 B2 JP3060619 B2 JP 3060619B2 JP 3188045 A JP3188045 A JP 3188045A JP 18804591 A JP18804591 A JP 18804591A JP 3060619 B2 JP3060619 B2 JP 3060619B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、薄肉化に対応できる
高強度を有し、かつ薄肉化によってもすぐれたろう付け
性と耐食性を示すAl熱交換器構造部材用高強度Al合
金ブレージングシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車のラジエータなどの
Al熱交換器の管材やフィン材、さらにヘッダープレー
トなどの構造部材として多くのAl合金ブレージングシ
ートが用いられている。また、これらのAl合金ブレー
ジングシートのうちで、高強度を有し、かつ耐食性にも
すぐれたものとして、重量%で(以下%は重量%を示
す)、Mn:0.3〜1.5%、Si:0.7〜1.3
%、Cu:0.1〜0.7%、Zr:0.03〜0.1
5%、を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金芯材の片面または両面に、Si:7
〜12%、 Mg:0.3〜2%、を含有し、残り
がAlと不可避不純物からなる組成を有するAl合金ろ
う材をクラッドしてなる高強度Al合金ブレージングシ
ートが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年のAl熱交
換器の小型化および軽量化に伴ない、これの構造部材を
構成するAl合金ブレージングシートにも薄肉化が強く
要求されている。しかし、上記の従来高強度Al合金ブ
レージングシートにおいては、薄肉化に対応できる高強
度およびすぐれた耐食性を具備するものの、薄肉化する
と、これに比例してろう材の割合が少なくなりすぎるた
めに、ろう付け性が悪化するようになるという問題があ
る。また、これの対策として、上記従来高強度Al合金
ブレージングシートを構成するAl合金ろう材に合金成
分としてBiを含有させて、ろう材の流動性およびぬれ
性を向上させ、もって少量のろう材で良好なろう付け性
を得る試みもなされたが、この場合ろう付け時に溶融ろ
う材によって芯材が侵食(エロージョン)されるように
なるという新らたな問題の発生が避けられないのが現状
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、薄肉化を可能とする高強度とす
ぐれた耐食性を有する上記の従来Al合金ブレージング
シートに着目し、薄肉化してもすぐれたろう付け性を示
し、かつろう付け時に溶融ろう材によって芯材が侵食さ
れることのないAl合金ブレージングシートを開発すべ
く研究を行なった結果、Al熱交換器構造部材用Al合
金ブレージングシートを、Mn:0.8〜1.5%、S
i:0.7〜1.3%、Cu:0.3〜0.7%、Z
r:0.03〜0.15%、Fe:0.2〜0.8%、
を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有
するAl合金芯材の片面または両面に、Si:7〜12
%、 Mg:0.3〜2%、Bi:0.03〜0.
2%、を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金ろう材をクラッドしてなるもので構
成すると、特にAl合金芯材中に合金成分として含有す
るFe成分の作用で、ろう材中にろう付け性を向上させ
る目的で含有させたBi成分が存在しても芯材が溶融ろ
う材によって侵食されることがなくなるので、この結果
のAl合金ブレージングシートは、薄肉化によってもす
ぐれたろう付け性を示すばかりでなく、高強度とすぐれ
た耐食性を具備するという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、以下にAl合金芯材およびろう
材の成分組成を上記の通りに限定した理由を説明する。 A.Al合金芯材 (a)MnおよびSi これらの成分には、それぞれ素地に固溶すると共に、A
l−Mn系化合物やAl−Mn−Si系化合物として析
出して芯材の強度を向上させるほか、Mn成分には耐孔
食性を向上させる作用があるが、その含有量がMn:
0.8%未満およびSi:0.7%未満では、前記作用
に所望の効果が得られず、一方Mn成分については、そ
の含有量が1.5%を越えると粒界腐食感受性が高くな
り、またSi成分については、その含有量が1.3%を
越えると、ろう付け時に芯材に局部溶融が起るようにな
ることから、その含有量を、Mn:0.8〜1.5%、
Si:0.7〜1.3%と定めた。
【0006】(b)Cu Cu成分には、芯材を電気化学的に貴にし、ろう材との
電位差を大きくしてろう材に十分な犠牲陽極効果を発揮
せしめる作用があるが、その含有量が0.3%未満では
前記作用に所望の効果が得られず、一方その含有量が
0.7%を越えると粒界腐食感受性が高くなることか
ら、その含有量を0.3〜0.7%と定めた。
【0007】(c)Zr Zr成分には、ろう付け後にAl−Zr系化合物として
析出して芯材の強度を向上させる作用があるが、その含
有量が0.03%未満では所望の強度向上効果が得られ
ず、一方その含有量が0.15%を越えると加工性が低
下するようになることから、その含有量を0.03〜
0.15%と定めた。
【0008】(d)Fe Fe成分には、ろう付け時に加工組織を速やかに再結晶
させ、Bi含有溶融ろう材による亜結晶粒界での侵食を
防止する作用があるが、その含有量が0.2%未満では
前記作用に所望の効果が得られず、一方その含有量が
0.8%を越えると、再結晶粒が微細となり、かえって
侵食が進行するようになることから、その含有量を0.
2〜0.8%と定めた。
【0009】B.Al合金ろう材 (a)Si Si成分には、融点を下げ、かつ流動性を向上させるこ
とによってろう付け性を付与する作用があるが、その含
有量が7%未満では所望のろう付けを行なうことができ
ず、一方その含有量が12%を越えると、逆に融点が上
昇し、十分なろう付け性を発揮できなくなることから、
その含有量を7〜12%と定めた。
【0010】(b)Mg Mg成分には、ろう付け時に気化して表面に形成された
酸化皮膜を破壊し、ろう付け接合を強固にするほか、雰
囲気中の水分や酸素などとも結合して、これを除去し、
これらによるろう付け性の低下を防止する作用がある
が、その含有量が0.3%未満では前記作用に所望の効
果が得られず、一方その含有量が2%を越えると、加工
性が低下するようになることから、その含有量を0.3
〜2%と定めた。
【0011】(c)Bi Bi成分には、ろう材の流動性およびぬれ性を向上さ
せ、もって薄肉化に伴なう少量のろう材で満足なろう付
けを可能ならしめる作用があるが、その含有量が0.0
3%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方そ
の含有量が0.2%を越えると、芯材に侵食現象が現わ
れるようになることから、その含有量を0.03〜0.
2%と定めた。
【0012】なお、この発明の高強度Al合金ブレージ
ングシートの製造に際しては、クラッド圧延後の冷間圧
延において、最終焼鈍のほかに少なくとも一回の中間焼
鈍を行ない、かつ最終焼鈍の前の中間焼鈍を610〜7
00K(337〜427℃)で行ない、引続いての冷間
圧延を10〜50%の圧延率で行ない、さらに最終焼鈍
を、470K(197℃)から焼鈍温度までの昇温速
度:3K(3℃)/min 以下、焼鈍温度:610〜70
0K、の条件で行なうのがよく、これにより再結晶粒が
粗大化した組織が形成されるようになって、耐エロージ
ョン性の著しい向上がはかられるようになる。
【0013】
【実施例】つぎに、この発明の高強度Al合金ブレージ
ングシートを実施例により具体的に説明する。通常の溶
解法により、それぞれ表1,2に示される成分組成をも
った本発明芯材用Al合金1〜10、比較芯材用Al合
金A〜I、および本発明ろう材用Al合金a並びに比較
ろう材用Al合金bを溶製し、いずれも通常の条件で、
鋳造して鋳塊とした後、均質化処理を施し、面削後、芯
材用Al合金鋳塊は8mm厚まで、またろう材用Al合金
鋳塊は5mm厚までそれぞれ熱間圧延し、さらにこの結果
のろう材用Al合金熱延板は冷間圧延により1mm厚と
し、この状態で前記芯材用Al合金熱延板の両面に、表
3に示される組合せで前記ろう材用Al合金冷延板を重
ね合わせ、熱間圧延にてクラッドして1.6mm厚のブレ
ージングシートとした後、冷間圧延にて0.7mm厚と
し、これに633Kに1時間保持の中間焼鈍を施し、つ
いで冷間圧延にて0.5mm厚とし、引続いてこれに、昇
温速度:2K/min 、温度:633K、保持時間:1時
間の条件で最終焼鈍を施し、さらに成形加工に相当する
圧延率:10%の冷間圧延を施すことにより本発明高強
度Al合金ブレージングシート(以下本発明ブレージン
グシートという)1〜10、および比較Al合金ブレー
ジングシート(以下比較ブレージングシートという)1
〜10をそれぞれ製造した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】なお、比較ブレージングシート1〜10
は、いずれも芯材またはろう材のAl合金の構成成分の
うちのいずれかの成分含有量(表1,2に※印を付す)
がこの発明の範囲から外れたものである。
【0018】つぎに、この結果得られた各種のブレージ
ングシートについて、まず、ろう付け性を評価する目的
で、幅:25mm×長さ:50mmの寸法をもった試片を切
出し、図1に斜視図で示される通り、この試片sを、C
u:0.11%、Mn:1.23%、Alおよび不可避
不純物:残りの組成(JIS3003に相当)、並びに
幅:40mm×厚さ:1.5mm×長さ:60mmの寸法をも
った板材pの平面上長さ方向中央部に立設組みつけ、こ
の状態で、1.3×10-2Paの真空中、温度:873
Kに5分間保持の条件でろう付けを行ない、フィレット
のど厚tを測定した。
【0019】また、強度および耐食性を評価する目的
で、上記試片に、1.3×10-2Paの真空中、温度:
873Kに5分間保持の真空ろう付け処理に相当する条
件で加熱を施した状態で、引張試験および720時間の
CASS試験を行ない、引張強さと最大孔食深さを測定
した。これらの測定結果を表3に示した。
【0020】表3に示される結果から、本発明ブレージ
ングシート1〜10は、いずれも高強度とすぐれたろう
付け性を有し、かつろう材中に合金成分としてBiを含
有しても芯材が侵食されることなく、すぐれた耐食性を
示すのに対して、比較ブレージングシート1〜10に見
られるように、芯材またはろう材の構成成分のうちのい
ずれかの成分含有量がこの発明の範囲から外れると、上
記の強度、ろう付け性、および耐食性のうちの少なくと
もいずれかの性質が劣ったものになることが明らかであ
る。
【0021】上述のように、この発明の高強度Al合金
ブレージングシートは、薄肉化を可能とする高強度を有
し、かつ薄肉化によってろう材の割合が相対的に少なく
なっても、芯材を侵食することなく、すぐれたろう付け
性を示すなど工業上有用な特性を有するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ろう付け態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
s 試片 p 板材 t フイレットのど厚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/22 310 C22C 21/00 F28F 19/06 F28F 21/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mn:0.8〜1.5%、Si:0.7〜
    1.3%、 Cu:0.3〜0.7%、Zr:0.03〜0.15
    %、 Fe:0.2〜0.8%、を含有し、残りがAlと不可
    避不純物からなる組成(以上重量%)を有するAl合金
    芯材の片面あるいは両面に、 Si:7〜12%、 Mg:0.3〜2%、 Bi:0.03〜0.2%、を含有し、残りがAlと不
    可避不純物からなる組成(以上重量%)を有するAl合
    金ろう材をクラッドしてなるAl熱交換器構造部材用高
    強度Al合金ブレージングシート。
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