JP3060143B2 - 記録媒体及びそれを用いた情報処理装置 - Google Patents

記録媒体及びそれを用いた情報処理装置

Info

Publication number
JP3060143B2
JP3060143B2 JP22364092A JP22364092A JP3060143B2 JP 3060143 B2 JP3060143 B2 JP 3060143B2 JP 22364092 A JP22364092 A JP 22364092A JP 22364092 A JP22364092 A JP 22364092A JP 3060143 B2 JP3060143 B2 JP 3060143B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
recording
probe
probe electrode
information processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22364092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0652581A (ja
Inventor
有子 森川
宏 松田
健司 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP22364092A priority Critical patent/JP3060143B2/ja
Publication of JPH0652581A publication Critical patent/JPH0652581A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3060143B2 publication Critical patent/JP3060143B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B9/00Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor
    • G11B9/12Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor
    • G11B9/14Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor using microscopic probe means, i.e. recording or reproducing by means directly associated with the tip of a microscopic electrical probe as used in Scanning Tunneling Microscopy [STM] or Atomic Force Microscopy [AFM] for inducing physical or electrical perturbations in a recording medium; Record carriers or media specially adapted for such transducing of information
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B9/00Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor
    • G11B9/12Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor
    • G11B9/14Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor using microscopic probe means, i.e. recording or reproducing by means directly associated with the tip of a microscopic electrical probe as used in Scanning Tunneling Microscopy [STM] or Atomic Force Microscopy [AFM] for inducing physical or electrical perturbations in a recording medium; Record carriers or media specially adapted for such transducing of information
    • G11B9/1463Record carriers for recording or reproduction involving the use of microscopic probe means
    • G11B9/149Record carriers for recording or reproduction involving the use of microscopic probe means characterised by the memorising material or structure
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型トンネル顕微鏡
や原子間力顕微鏡の原理を応用した超高密度の記録媒体
及びそれを用いて情報の記録再生等を行う情報処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年情報化社会の発展につれ、大容量メ
モリーの開発が極めて活発に行われている。メモリーに
要求される性能は一般に 1)高密度で記録容量が大きい 2)記録再生の応答速度が速い 3)消費電力が少ない 4)生産性が高く、価格が安い 等が挙げられ、現在もこうした性能を実現するメモリー
方式やメモリー媒体の開発が極めて活発に進められてい
る。
【0003】従来、メモリーの中心は磁性体、半導体を
素材とした磁気メモリー、半導体メモリーであったが、
近年、レーザー技術の進展に伴い、有機色素、フォトポ
リマーなどの有機薄膜を用いた安価で高密度な光メモリ
ーが登場している。
【0004】現在これらのメモリーをさらに高密度で大
容量にするために単位メモリービットの微細化に向けて
の技術開発が進められているが、これらの従来のメモリ
ーとは全く別の原理に基づくメモリーの提案もされてい
る。例えば、個々の有機分子に論理素子やメモリー素子
の機能を持たせた分子電子デバイスの概念もそのひとつ
である。分子電子デバイスは単位メモリービットの微細
化を極限まで進めたものと見ることができるが、これま
で個々の分子にいかにしてアクセスするかが問題とされ
てきた。
【0005】一方、最近では走査型トンネル顕微鏡(以
下、STMと略す)が開発され(G.Binning
et al.フィジカルレビューレター(Phys.R
ev.Lett.)49、57(1982))単結晶、
非晶質を問わず実空間の高い分解能の測定ができるよう
になった。STMは金属の探針(プローブ電極)と導電
性物質の間に電圧を加えて10Å程度の距離まで近付け
るとトンネル電流が流れることを利用している。この電
流は両者の距離変化に非常に敏感であり、トンネル電流
を一定に保つように探針を走査することにより実空間の
表面構造を描くことができると同時に表面原子の全電子
雲に関する種々の情報をも読み取ることができる。この
際の面内方向の分解能は1Å程度である。従って、ST
Mの原理を応用すれば充分に原子オーダー(数Å)で高
密度記録再生を行うことが可能である。この際の記録再
生方法として粒子線(電子線、イオン線)或いはX線等
の高エネルギー電磁波及び可視・紫外光等のエネルギー
線を用いて適当な記録層の表面状態を変化させて記録を
行いSTMで再生する方法や、記録層として電圧電流の
スイッチング特性に対するメモリー効果を持つ材料、例
えばπ電子系有機化合物やカルコゲン化物類の薄膜層を
用いて記録・再生をSTMを用いて行う方法等が提案さ
れている(特開昭63−161552号公報)。その他
電圧パルスを印加することで、基板上に分子を流体から
捕捉し、選択的にデータビットを書き込み、またそれを
読み取り、消去を行う方法、装置の提案がある(特開平
1−196751号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような情報処理
装置における再生方法としては、具体的にはプローブ電
極と記録媒体表面との距離を一定に保持しながら記録媒
体表面上でプローブ電極を走査し、記録ビットに相当す
る凹凸を検知する方法や、記録ビットに相当する電導度
の高い領域上で、プローブ電極と記録媒体表面間を流れ
る電流が増すことを利用し、この電流量を検知して記録
ビットを再生するものがある。
【0007】しかし、前者の再生方法をとった場合、記
録媒体のわずかな凹凸に対しても、プローブ電極が追従
するため、媒体表面の凹凸と記録ビットの区別をプロー
ブ電極の動き量だけから行なうことは困難であった。ま
た、電流を一定に保持するための帰還制御回路の帯域の
上限によって、制御可能な走査周波数が制限されるた
め、高速走査が困難であった。また、後者の再生方法に
よった場合も、高速走査が可能であるものの、媒体表面
の凹凸によっても、電流量が変化してしまい前者同様区
別が困難であった。さらにプローブ電極と媒体表面間は
一定距離だけ離れており、これが絶縁障壁として働いて
いるが、この障壁は記録ビット書き込み部と非書き込み
部とに共通であり、実効的にはトンネル抵抗として直列
に挿入されることになる。このためプローブ電極と媒体
表面の距離が変化してしまった場合、書き込み部と非書
き込み部とで検出される電流量の比が大きく異なってし
まうため、ビットを正確に読み出す際に問題となる可能
性があった。
【0008】したがって、再生信号は記録媒体の凹凸に
よる成分が分離されたものである必要があり、また、プ
ローブ電極と記録媒体表面間の絶縁障壁によるトンネル
抵抗を可能な限り小さく、一定に保持して記録ビットの
有無による再生信号比を可能な限り大きくする必要があ
る。また、記録による印加電圧変化がプローブ電極と媒
体との間隔制御に影響を与えにくいことが好ましい。
【0009】さらに、記録媒体とプローブ電極間の距離
が大きい場合、STMとしての分解能が下がり、即ち、
記録密度の点からも記録媒体とプローブ電極は極力接近
するほうが好ましい。
【0010】また、上述の様な記録・再生を大気中で行
なうと、炭化水素や水などの吸着により記録媒体表面が
汚染されたり、記録媒体とプローブ電極が接近した状態
で記録・再生を行なおうとすると、記録媒体とプローブ
電極との間に働く相互作用によって記録媒体表面が変形
したり、記録媒体とプローブ電極との間に働く力が急激
に変化し、滑らかな走査が困難であった。
【0011】ここで、記録媒体表面に存在する吸着水を
極力減少させ、記録媒体とプローブ電極との間に働く相
互作用を小さくする方法として、記録層上に脂肪酸金属
塩で表面処理したり、かかる脂肪酸金属塩の分子の一部
又は全部をフッ素基で置換し、水に対する接触角を90
°さらにはそれ以上に高くしようとする方法がある。例
えば、脂肪酸金属塩の単分子累積膜を用いることによっ
て水に対する接触角を115°程度とすることも可能で
あるが、この場合には記録層上の表面処理層によって、
記録層とプローブ電極の距離が離れてしまい記録層にア
クセスすることが困難になるという問題点を有してい
る。そこでかかる脂肪酸金属塩の単分子膜を用いると、
その膜中にピンホール等の欠陥を生じ、このことが原因
となって機械的耐久性の低下を招く場合があった。この
機械的強度を増すために重合性物質を用いる方法もある
が、かかる方法では一旦記録層を形成したのちに、重合
を行なうため、表面処理層内の重合度に局所的な変動を
もたらし、これが原因となって均一な表面を得にくい場
合があった。更に、利用可能な材料は重合性部位を有す
るものに限定され、その選択範囲が狭められている。更
には、重合時における膜の体積変化(膨張又は収縮)を
ゼロにすることは事実上極めて困難であり、かかる体積
変化に伴って、膜中に亀裂等の欠陥が生じ、先の脂肪酸
金属塩の単分子膜を用いる場合と同様、機械的耐久性の
低下を招く場合があった。また、前記フッ素置換物の単
分子膜又は単分子累積膜を作成する場合においても、該
フッ素置換物が互いに反発するため、均質さを保ったま
ま、膜内の分子密度を高めることは必ずしも容易ではな
かった。また、一般に上記単分子膜又は単分子累積膜を
作成する手法としては、ラングミュアーブロジェット
(LB)法によるのが簡単であるが、特に、前記フッ素
置換物をLB法によって成膜する際には、前述した分子
の反発をうまく緩和するために、特別な金属イオンを導
入するなど、その膜材料や、成膜条件は非常に限定され
たものとなり、汎用性に乏しい。
【0012】一方、媒体表面の凹凸による成分を再生信
号から除き、かつ記録時の間隔制御が印加電圧に左右さ
れないようにするためには、媒体表面とプローブ間の距
離を両者間に流れる電流以外の量によって一定に制御す
る方法が考えられ、このひとつとして両者間に働く原子
間力によって距離を制御する原子間力顕微鏡(AFM)
の利用が特開平1−245445号公報に開示されてい
る。
【0013】AFMにおいては、プローブ電極を弾性体
で支持し、プローブ電極先端と記録媒体表面間に働く力
を弾性体の変形によるばね力と釣り合わせ、この変形量
を一定に保持するように帰還制御が行なわれる。
【0014】従って、本発明の目的とするところは、記
録媒体の水に対する接触角を大きくすることで、記録媒
体表面の吸着水の影響を極力小さくし、大気中での使用
における耐湿性を高め、かつ、記録媒体表面の凹凸を減
少させることで、記録媒体とプローブ電極の走査を滑ら
かに行なうことを可能にする記録媒体を提供することに
あり、さらにかかる記録媒体に対して原子間力を用い、
より簡易な形で、プローブ・媒体間を可能なかぎり一定
に保持して、情報の記録・再生等を行なう情報処理装置
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】そこで本発明は
第一に、少なくとも一本のフルオロアルキル基と少なく
とも一つのアルコキシ基又は塩素が硅素に結合した有機
硅素化合物からなる表面処理剤とポリイミドの単分子膜
又は単分子累積膜からなる記録層を有する記録媒体であ
り、105°以上の水に対する接触角を有することで、
記録媒体表面の吸着水が少なく、耐湿性に優れた記録媒
体である。
【0016】また、本発明は第二に、ポリアミド酸と第
1のアルキルアミンとCF 3 (CF 2 2 (CH 2 )NH 2
からなる単分子膜又はその累積膜からなる記録層を有す
る記録媒体であり、ポリアミド酸と第1のアルキルアミ
ンと混合して作成したポリアミド酸アルキルアミン塩を
マトリックス材とし、かかるマトリックス材にCF
3 (CF 2 2 (CH 2 )NH 2 を添加することによって、
上記マトリックス材中に存在する第1のアルキルアミン
分子間の空間をCF 3 (CF 2 2 (CH 2 )NH 2 が埋め
ることで、かかる単分子膜又は単分子累積膜の機械的強
度、配向性、均一性、面内密度が向上し記録媒体表面の
均一性も保たれている。さらに95°以上の水に対する
接触角を有することで、記録媒体表面の吸着水が少な
く、耐湿性に優れた記録媒体である。
【0017】上記本発明第一,第二においては、90°
以上の水に対する接触角を記録媒体に与えることによっ
て、該記録媒体−プローブ電極間の相互作用が小さく、
滑らかな走査が可能になり、高速走査時の記録・再生時
のエラーを減少させることが可能である。
【0018】更に、本発明は第三に、上記本発明の記録
媒体にプローブを介して情報の記録及び/又は再生を行
う情報処理装置であり、プローブを支持する弾性部材
を、プローブ・記録媒体の間隔変動を補正する方向に変
形させる力、例えばプローブ・記録媒体間の原子間斥力
がプローブ・記録媒体間に作用するように、プローブ・
記録媒体を配置することによってプローブ・記録媒体間
隔を制御し、該制御状態で前記プローブ・記録媒体間に
電圧を印加して情報の記録を行なう及び/又は、前記プ
ローブ・情報記録媒体間の電流を検出、或いはこの電流
の検出により記録媒体の電気特性を検出することによっ
て再生を行なうようにしている。
【0019】本発明第一で用いられる表面処理剤は少
くとも一本のフルオロアルキル基と少なくとも一つのア
ルコキシ基又は塩素が硅素に結合している有機硅素化合
からなり、フッ素基の特異的性質を充分に発揮するた
めには一本のフルオロアルキル基が有する炭素数が10
〜20であることが好ましい。かかるフルオロアルキル
基はアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素基で
置換された官能基を指している。
【0020】又、前記アルコキシ基としては、メトキシ
又は、エトキシが好ましく、前記有機硅素化合物はかか
るアルコキシ基又は塩素を少なくとも1つ有していれば
良いが、かかるアルコキシ基又は塩素を2つ又は3つ有
している場合には、基板又は薄膜表面との結合はより強
固になり、隣接する有機硅素化合物同志の結合も期待で
きる。
【0021】本発明第一においてフルオロアルキル基、
アルコキシ基又は塩素の他、有機硅素化合物に結合して
いる官能基について何等制限を有していないが、前記フ
ルオロアルキル基と比較して、立体的に小さいものであ
ることが望ましく、例えば水酸基、メチル基を挙げるこ
とが出来る。
【0022】かかる記録層の水に対する接触角が高くな
る詳細な機構は明らかでないが、加熱焼成することでポ
リアミド酸アミン塩の脱水閉環化(イミド化)反応及び
脱アミン化反応と同時に有機硅素化合物との相互拡散が
生じ、フッ素基が最表面に並ぶことで水に対する接触角
が高くなるものと考えられる。また、加熱焼成により記
録層表面が平滑になることが走査型電子顕微鏡観察によ
っても確かめられた。
【0023】本発明第一においてはポリイミド単分子
膜、単分子累積膜はラングミュアーブロジェット(L
B)法によって形成することが薄膜化の観点からいって
好ましい。高分子材料であるポリイミドをLB法を用い
て成膜するためには、まず、ポリアミド酸に適度の疎水
性を導入するための長鎖アルキルアミン類を混合し、ポ
リアミド酸アミン塩として成膜し、その後、加熱焼成す
ることにより、脱水閉環化(イミド化)反応および脱ア
ミン化反応を行なわしめ、ポリイミド膜とする。
【0024】また、本発明第二において、ポリアミド酸
と第1のアルキルアミンにCF 3 (CF 2 2 (CH 2 )N
2 を混合することによって形成される単分子膜又は単
分子累積膜は従来公知の塗布法などを用いることも可能
であるが、本発明第二においてもラングミュアーブロジ
ェット(LB)法を用いるのが好ましい。
【0025】より詳しくは、記録層としてポリアミド酸
と一般式(1)から(3)のいずれかで表される第1の
アルキルアミンとCF 3 (CF 2 2 (CH 2 )NH 2 から
なる単分子膜又はその累積膜を用いることで均一な膜厚
を有し、水に対する接触角が95°以上の記録媒体を実
現した。
【0026】
【化2】 但し、X,Yは−H,−CH3 ,−C25のうちのい
ずれかを表し、X,Yに含まれる炭素の数をそれぞれ
n,mとしたとき一般式(1)から(3)において p≦26,q≦26,≦26 16≦p+n+m≦26 17≦p+q+n≦52 18≦p+q+≦60 本発明で用いられるポリアミド酸はカルボン酸無水物と
ジアミンとを縮合反応させることによって得られる。カ
ルボン酸無水物としては例えば、ピロメリット酸無水
物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパン酸無水物等が挙げられる。ジアミンとしてはフ
ェニレンジアミン、4,4’−オキシジアニリン、4,
4’−ジオキシフェニレンジアニリン、4,4’−フェ
ニレンジアニリン、4,4’−チオジアニリン、4,
4’−サルフォニルジアニリン、4,4’−メチレンジ
アニリン、2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビ
ス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサンなどが挙げられる。
【0027】さらにかかるポリアミド酸はそのポリマー
主鎖中に前述の構造単位が一部含まれていてもよいので
2種以上のカルボン酸無水物及び/又は、2種以上のジ
アミンを用いた共重合体ポリアミド酸の利用も可能であ
る。
【0028】本発明において、上記アルキルアミンには
1〜3級のアルキルアミン、更に、アルキル基の一部又
は全部がハロゲン置換されているもの、アルキル鎖の一
部が水酸基に置換されているもの、分岐型アルキル基、
ベンゼン環等環状構造を有しているものなどを用いるこ
とが可能である。
【0029】特に、上記ポリアミド酸、アルキルアミン
のうち、少なくとも1つ以上若しくは全てについてその
分子内にフッ素基を有している場合、さらに水に対する
接触角を向上させることが容易である。
【0030】これら分子の混合比としては、ポリアミド
酸のカルボキシル基をすべてアミン塩化させる程度とす
ることが好ましい。即ち、ポリアミド酸の1繰り返し単
位当たり通常2個のカルボキシル基が存在するが、本発
明第一の場合ポリアミド酸の繰り返し単位数の総和:ア
ルキルアミンのモル数=1:1から1:3、より好まし
くは1:2から1:2.5であり、また本発明第二の場
合ポリアミド酸の繰り返し単位数の総和:第1のアルキ
ルアミンのモル数=1:1から1:3、より好ましくは
1:2から1:2.5、CF 3 (CF 2 2 (CH 2 )NH
2 のモル数はポリアミド酸の繰り返し単位数の総和:
3 (CF 2 2 (CH 2 )NH 2 のモル数=1:2から
1:10000、より好ましくは1:10から1:10
00である。
【0031】この時の溶媒としては、N,N−ジメチル
アセトアミド(DMAC)など、ポリアミド酸およびア
ミンが充分に溶解し、かつ水面上にかかる溶液を展開す
ることが可能な溶媒であれば何を用いてもよく、また、
混合溶媒でもよい。
【0032】また、濃度にも特に制限はないが、展開性
の面から、1×10-7〜1×10-3繰り返し単位数/1
の範囲とすることが好ましい。
【0033】さて、以上のようにして作成したポリアミ
ド酸アミン塩或いはポリアミド酸混合アミン塩の溶液を
水面上に静かに展開する。この時、水相としては、2〜
25℃の純水が一般に用いられるが各種金属イオンの添
加や酸、アルカリを加えてpHの調整を行なっても構わ
ない。つぎに水面上に展開したポリアミド酸アミン塩溶
媒或いはポリアミド酸混合アミン塩溶媒を圧縮し、水面
上にポリアミド酸アミン塩の単分子膜を形成する。
【0034】かかる単分子膜を表面圧を一定に保ったま
ま、水面上単分子膜を横切る方向に浸漬し、引き続き引
き上げることにより2層のY型単分子膜を支持体上に累
積することが可能となる。
【0035】ポリアミド酸アミン塩の単分子膜を基板上
にうつしとるには、上述した垂直浸漬法の他、水平付着
法、回転円筒法等の方法によることもできる。
【0036】上記の様な単分子累積膜を金属電極で挟持
したMIM構造素子を図7に示す。図中、71は基板、
72は上記の単分子累積膜、73,74は金属電極であ
る。上記素子は図8、図9に示されるような電流電圧特
性を示し(特開昭63−96956号公報参照)、2つ
の状態(ON状態とOFF状態)は、しきい値以上の電
圧印加によって相互に遷移し、かつ、それぞれの状態は
しきい値電圧以下で保持される。これらの特性は数Åか
ら数1000Åの膜厚のものに発現されているが、後述
実施例における記録媒体としては、特開昭63−161
552号及び特開昭63−161553号公報に開示さ
れた如く、数Åから500Åの範囲の膜厚のものがよ
く、もっとも好ましくは10Åから200Åの膜厚を持
つものがよい。
【0037】また、後述する実施例で用いられる電極材
料も高い電導性を有するものであればよく、例えば、A
u,Pt,Ag,Pd,Al,In,Sn,Pb,Wな
どの金属やこれらの合金、さらにはグラファイトやシリ
サイドまた、さらにはITOなどの導電性酸化物を始め
として数多くの材料が挙げられ、これらの本発明への適
用が考えられる。かかる材料を用いた電極形成方法とし
ても従来公知の薄膜技術で充分である。ただし、基板上
に直接形成される電極材料は表面がLB膜形成の際、絶
縁性の酸化膜を作らない導電材料、例えば貴金属やIT
Oなどの酸化物導電体を用いることが好ましい。
【0038】なお、本発明の記録媒体において、記録層
の絶縁性が高い場合には、上記の金属電極を用いたほう
が好ましいが、記録層がMΩ以下の半導体的性質を示す
ものであれば、金属電極は用いなくてもよい。
【0039】以下に述べる実施例中の情報処理装置で
は、プローブ電極と記録媒体間に働く斥力を弾性体の変
形によるばね力とつり合わせる構成を用いる。弾性体と
しては、例えば、両持ち梁の中央や片持ち梁の自由端側
にプローブ電極を設けるなどが挙げられる。また、梁の
材料としては、Au,Ni,SUSなどの箔を用いるの
がよく、さらに微小な梁を作るには、マイクロメカニク
スでよく行なわれるSiO2 薄膜などが挙げられる。
【0040】また、プローブ電極と記録媒体との間に働
く力は非常に小さいので、プローブ電極及び弾性支持体
の質量はできるだけ小さくしたほうが好ましく、また、
変化を大きくするために弾性支持体は柔らかくしかも外
部からの振動に対しては強いことが好ましい。
【0041】本発明第三の情報処理装置においては、上
記プローブ電極と記録媒体のあいだの距離を両者の間に
斥力が作用するまで近接した状態でプローブ電極を記録
媒体表面上で走査し、かつ両者間に電圧印加回路によっ
て所望の電圧を加え、記録、再生、及び消去を行なう。
【0042】そのため、プローブ電極の先端は記録、再
生、消去の分解能をあげるためにできるだけ尖らせるこ
とが好ましい。以下の実施例では、SiO2 基板上にS
iをフォーカストイオンビームで打ち込み、Siの上に
選択的にSiを結晶させ、Auを蒸着して導電性処理を
行なったプローブを用いているが、プローブの形状や処
理方法は何らこれに限定するものではない。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0044】実施例1 図1は本発明の情報処理装置を示すブロック構成図であ
る。図中、1は基板101、下地電極102、記録層1
03からなる記録媒体、2は記録媒体1に対向して設け
られたプローブ電極、3はプローブ電極2が取付けられ
ている片持ち梁、4は片持ち梁3の支持体である。この
片持ち梁3によってプローブ電極2はZ軸方向に変位で
きるようになっている。記録媒体1はxyz微動装置5
によってx,y及びz軸方向に微小量動かすことがで
き、さらにxyz粗動装置6によって動かすことができ
る。片持ち梁の支持体4とxyz粗動装置6はベース7
に固定されている。ベース7は図示されていないが、除
震台上に設置してある。
【0045】片持ち梁3はシリコンのエッチング技術を
用いて作成した。シリコンの結晶の性質を高度に利用し
た異方性エッチングの手法で長さ100μm、幅20μ
m、厚さ1μmのSiO2 の片持ち梁を形成した。この
手法は公知である[K.E.Petersen,Pro
c.IEEE 70、420(1982)]。プローブ
電極2は前記異方性エッチングで作成したSiO2 の片
持ち梁3の一端にSiイオンを打ち込み、このSi上に
選択的にSiを結晶成長させて、先端の鋭利なピラミッ
ド状の結晶202を形成した後、Auを真空蒸着法によ
り厚さ300Å蒸着し、導電層201を形成して作成し
た。xyz微動装置5は円筒形圧電素子を用いており、
任意の電圧を印加することで、x,y及びz軸方向に記
録媒体1を微動できる。
【0046】尚、xyz粗動装置6にはxyzステージ
を使用している。
【0047】プローブ電極2と、記録媒体1の下地電極
102は、記録、消去用の電圧を印加する電圧印加回路
とプローブ電極2と記録媒体1の間を流れる電流を検知
する電流検知回路からなる、電圧印加及び電流検知回路
10に接続されている。
【0048】xyz微動装置5及びxyz粗動装置6は
制御回路8,9によってそれぞれ駆動される。これらの
回路と、電圧印加及び電流検知回路10はマイクロコン
ピュータ12と接続され、制御される。
【0049】本実施例では、記録媒体を以下の如く作成
した。
【0050】光学研磨したガラス基板(基板101)を
中性洗剤及びトレクレンを用いて洗浄した後、下引き層
としてCrを真空蒸着法により50Å堆積させ、さらに
Auを同法により、400Å蒸着した下地電極(Au電
極102)を形成した。かかる基板をCF3 (CF2
7 CH2 CH2 Si(OC253 の蒸気中に室温で
一昼夜保持したのち、エタノール溶液に浸漬し単分子吸
着層を形成する。
【0051】次に下式で表されるポリアミド酸をジメチ
ルアセトアミド(DMAC)に溶解させた(単量体換算
濃度1×10-3M)。
【0052】
【化3】 続いて、別途用意したN,N−ジメチルオクタデシルア
ミンの同溶媒による1×10-3M溶液とを1:2(V/
V)に混合して、ポリアミド酸アミン塩溶液を調製し
た。かかる溶液を水温20℃の純水からなる水相上に展
開し、水面上に単分子膜を形成した。溶媒蒸発除去後、
表面圧を25mN/mにまで高めた。表面圧を一定に保
ちながら、上述の基板を水面を横切る方向に速度5mm
/minで静かに浸漬した後、続いて5mm/minで
静かに引き上げて2層のY型単分子累積膜を作成した。
かかる操作を繰り返して、6層のポリアミド酸アミン塩
の単分子累積膜を形成した。
【0053】続いて、かかる基板を300℃で10分間
加熱焼成しポリイミド膜とし本発明第一における記録層
とした。
【0054】かかるポリイミド膜の膜厚はエリプソメト
リ法により、一層あたり4Åと求められた。
【0055】かかる記録層の水に対する接触角は110
°であった。
【0056】次に記録、再生、消去の具体的な仕方につ
いて述べる。
【0057】図1に示した情報処理装置において、上述
のようにして得られた記録媒体1をxyz微動装置5の
上に固定した後、プローブ電極2とAu電極102の間
にバイアス電圧100mVを印加し、xyz粗動装置
6、そしてxyz微動装置5を駆動し、記録媒体1をプ
ローブ電極2に近付ける。プローブ電極2と記録媒体1
の間を流れる電流をモニターしながら両者間の距離を変
えてゆくと図3に示すような電流特性(図中のIで示す
曲線)が得られた。
【0058】一方、プローブ電極2と記録媒体1が接近
すると両者の間に力が働き、この力によって片持ち梁3
が変形する。この変形量をレーザービームの片持ち梁で
の反射ビームのずれによって検出する光てこ方式を用い
て、前記電流特性と同時に測定した結果も同時に図3に
示してある(図中のFで示す曲線)。
【0059】プローブ電極2と記録媒体1の間に斥力が
働く図3のa領域では、両者間に流れる電流は両者間の
距離に対してほぼ一定となっている。そこで以後の走査
では、まず、回路10によって電流をモニターして、マ
イクロコンピュータ11による制御によってプローブ電
極2と記録媒体1とを両者間に斥力(具体的には10-8
[N]程度)が働く距離まで接近させる。
【0060】この状態でxyz微動装置5は記録媒体1
のz軸方向の位置を固定させ、x軸及びy軸方向に記録
媒体1を移動させることにより、プローブ電極2で記録
媒体1を走査させる。情報記録時にはこの走査中に記録
情報に応じて所定の位置で記録媒体1をON状態にする
しきい値電圧以上の電圧を回路10で印加していく。こ
れにより記録媒体1上に情報記録がなされていく。
【0061】消去時には媒体をOFF状態に戻すしきい
値以上の電圧を印加しながら、回路10でプローブ電極
2と記録媒体1との間に流れる電流を検出していく。こ
の時の検出電流の変化状態が媒体上に記録された情報を
示すことになる。
【0062】このようにプローブ電極の先端と記録媒体
表面とを、この間に斥力が働く距離まで近付け、該斥力
によってプローブ電極の支持体を弾性変形させた状態で
プローブ電極2を記録媒体1表面上で走査させ、同時に
プローブ電極2と記録媒体1間に媒体変化電圧を加えて
記録、消去を行ない、かつ微小電圧を印加して記録媒体
を流れる電流を検知することによって電導度の異なる領
域、即ち、記録ビットを検出する。
【0063】プローブ電極の支持体をプローブ電極先端
と記録媒体表面との間に働く斥力による弾性変形状態で
使用するため、媒体表面の凹凸によって、プローブ電極
先端が媒体表面に近づき斥力が大きくなれば、支持体の
変形は増して、プローブ電極先端は媒体表面から遠ざか
り、また、プローブ電極先端が媒体表面から遠ざかって
斥力が小さくなれば、支持体の変形が減りプローブ電極
先端は媒体表面に近づき、走査中の表面凹凸によるプロ
ーブ電極支持体の変形量が弾性変形の範囲にあれば、プ
ローブ電極2と記録媒体1表面との距離は、支持体にア
クチュエータを取付け、支持体の変形量によって帰還制
御をしなくても略一定に保たれることになる。
【0064】さらにこの状態でプローブ電極と記録媒体
間に微小電圧を印加することによって検出される電流信
号には記録媒体表面の凹凸に起因する電流信号は含まれ
ないため、正確な記録ビットの再生が可能となる。
【0065】また、本発明第一の記録媒体は前述した形
成方法により、記録媒体表面の均一性が高いだけでなく
水に対する接触角が105°以上を有しているので、記
録媒体表面をプローブ電極が走査したときにプローブ電
極先端で記録媒体表面を変形させる危険性が減少した。
さらに、記録媒体表面の吸着水が減少したために、耐湿
性が高く、記録媒体とプローブ電極間の相互作用が小さ
くなり、記録媒体に近づいたり、記録媒体からプローブ
電極が遠ざかるときに急激にプローブ電極が離れるな
ど、走査中のトラブルによる記録、再生、消去のエラー
を減少させることが可能になった。
【0066】次にこの装置において行なった記録、再
生、消去の実験について述べる。
【0067】検出電流をモニターしながらプローブ電極
2と記録媒体1との距離を図3のa領域で示す状態まで
接近させ、この状態でxyz微動装置5、xyz粗動装
置6の制御回路8,9の出力を保持し、ON状態を生じ
るしきい値電圧Vth ON 以上の電圧である図4に示され
る波形を持つ三角波パルス電圧をプローブ電極2とAu
電極102との間に印加した後、再び100mVのバイ
アスを印加して測定したところ、8μA程度の電流が流
れ、ON状態となったことを示した。
【0068】次にON状態からOFF状態へ変化するし
きい値電圧Vth OFF以上の電圧である図5に示される波
形を持つ三角波パルス電圧を印加した後、再び100m
Vのバイアスを印加したところ、電流値1nA程度で、
OFF状態へ戻ることが確認された。
【0069】次に前記と同様に、プローブ電極2と記録
媒体1との距離を図3のa領域で示される状態まで接近
させた状態でxyz微動装置5のy,z軸を固定し、x
軸方向のみに駆動して電流をモニターしたところ電流値
はほぼ1nAの一定値を示した。次にx軸方向のみを駆
動しながら、10nm間隔に図4の波形を有するしきい
値電圧Vth ON 以上の三角波パルス電圧をプローブ電極
2とAu電極102の間に印加した後、バイアス100
mV一定下で、再び、x軸方向のみの駆動を繰り返し、
プローブ電極2とAu電極102の間を流れる電流を測
定したところ、10nm周期で4桁程度に変化する電流
が観測され、ON状態が周期的に書き込まれたことが確
認された。さらにON状態とOFF状態とでの電流の比
もほぼ一定値を保持していた。
【0070】また、上記ON状態が周期的に書き込まれ
た領域を再びx軸駆動のみによって走査し、任意のON
状態領域上でxyz微動装置5を停止させこの位置を保
持した状態で、図5の波形を有するしきい値電圧Vth
OFF以上の三角波パルス電圧を印加した。x軸方向のみ
の走査を繰り返し、電流を測定したところ上記パルス電
圧を印加した領域のON状態が消去され、1nA程度の
電流を示すOFF状態に戻っていることが確認された。
この任意のビット消去同様、プローブ電極2とAu電極
102のあいだの電圧をしきい値Vth OFF以上に設定し
て、記録領域上を走査し、その後電流測定をしたとこ
ろ、電流値は1nA程度でほぼ一定値を示し、10nm
周期で記録されたON状態がすべて消去されOFF状態
となったことが確認された。
【0071】続いて、xyz微動装置5を制御し1nm
から1μmのあいだの種々のピッチで長さ1μmのスト
ライプを上記方法で書き込み、分解能を測定したとこ
ろ、3nm以上のピッチでは常に4桁程度の電流変化が
書き込みピッチと同じピッチで確認されたが、3nm未
満のピッチでは電流量の変化がしだいに小さくなった。
【0072】さらに上記実験のあいだ、プローブ電極に
よる記録媒体表面の変形やプローブ電極の急激な位置の
変動はなくプローブ電極走査中のエラーはなかった。
【0073】実施例2 本実施例では実施例1で用いた片持ち梁の形成方法及
び、プローブ電極の形成方法によって1片のSi基板上
に長さ100μm、幅20μm、厚さ1μmのSiO2
の片持ち梁を複数個形成し、それぞれの片持ち梁の先端
にプローブ電極を設けている。
【0074】本実施例の情報処理装置では、図2に示さ
れるように片持ち梁が形成されたSi基板4を支持台1
3に固定している。支持台13は少なくとも3個の圧電
素子14を介してベース7に取付けられている。これら
圧電素子14はマイクロコンピュータ11によって制御
された圧電素子制御回路12によって個々に駆動され
る。また電圧印加及び電流検知回路10’によって、個
々のプローブ電極2に電圧が印加され、個々のプローブ
電極2と記録媒体1の間に流れる電流がそれぞれ別個に
検知される。
【0075】この他の構成は実施例1で用いたものと同
じである。
【0076】本実施例で用いる記録媒体は実施例1と同
様にして形成されたAu電極102上に記録層101を
有する。記録層101の形成は、以下のようにして行な
った。
【0077】まず、実施例1と同様にしてCF3 (CF
27 CH2 CH2 Si(OC253 の単分子吸着
層を形成し、次に、下式で表されるポリアミド酸とN,
N−ジメチルオクタデシルアミンをそれぞれ単量体換算
濃度1×10-3Mにジメチルアセトアミド(DMAC)
で溶解した溶液を1:2(V/V)に混合して、ポリア
ミド酸アミン塩溶液を調製した。
【0078】
【化4】 かかる溶液を用いて実施例1と同様にして、上記基板上
に6層のポリアミド酸アミン塩の単分子累積膜を形成し
記録層とした。
【0079】次に、かかる基板を300℃で10分間加
熱焼成した。
【0080】かかる記録層の水に対する接触角は117
°であった。
【0081】続いて、かかる記録媒体1を図2に示した
装置に設置し、xyz微動装置5を駆動し、プローブ電
極2とAu電極102の間にバイアス100mVを印加
した状態で両者を接近させる。この際、圧電素子14を
制御して、全プローブ電極が一様に記録媒体1に接近す
るように調節し、全プローブを図3のa領域の状態にな
るまで接近させる。この状態下でxyz微動装置5によ
り記録媒体1をx方向に移動させながら、各プローブ電
極2について実施例1と同様の記録、再生、消去操作を
行なった。
【0082】次に本装置における実験を述べる。上述し
た接近状態で、xyz微動装置5を制御して、記録媒体
xy面内で駆動しながら個々のプローブ電極2とAu電
極102の間を流れる電流を測定したところ、いずれも
ほぼ1nA程度の電流値を示し、個々のプローブ電極を
流れる電流の走査中の変更は極めて小さかった。
【0083】続いて図6を用いて記録動作を説明する。
上と同様に記録媒体をxy面内で駆動しながら、個々の
プローブ電極に個別のビット情報(図6中の(a))に
基づいて図6中の(b)に示すような書き込みパルス列
を生成して、個々のプローブ電極とAu電極との間に印
加した。ここで、ビット情報の最初のビットは個々のビ
ット情報すべてについてON状態に対応するビットとし
ておいた(図中a−1)。上記のパルス印加後、再び書
き込み時と同じ方法で記録媒体をxy平面内で駆動し
て、バイアス100mV印加条件下でプローブ電極2と
Au電極102の間を流れる電流を測定したところ4桁
程度の電流変化が各プローブ電極に対して得られ、これ
らの電流測定値を2値化して得たパルス列は、各プロー
ブ電極2に加えた個々のビット情報(図6中の(a))
に一致した。
【0084】次に、上で書き込んだ個々の個別ビット情
報に基づいて図6中の(c)に示すような消去パルス列
を生成した。個々ですべてのビット情報に対して最初の
ビットはONのまま消去しないものとしておく。書き込
み時と同じ方法で記録媒体をxy平面内で駆動して、電
流値を測定し、最初のビット、即ち最初に電流値が4桁
程度変化した位置で媒体の駆動を一時停止した。この
時、初めに定めたビット情報の条件のとおりすべてのプ
ローブ電極2について4桁程度の変化が認められた。続
いて媒体の駆動を再開し、これに同期させて先に生成し
た個々のプローブ2に対して個別の消去パルス列を印加
した。再び、書き込み時と同じ方法で記録媒体1をxy
平面内で駆動して電流を測定したところ、最初のビット
以外はすべてOFF状態即ち1nA程度の電流値を示し
消去が完了したことが確認された。
【0085】ここで使用した消去パルスに変えて、書き
込みに用いたビット情報のうち、最初のビットを除く任
意のビットを選んで消去パルス列(図6中の(d))を
生成し、前述の手法と同様にして消去実験をしたとこ
ろ、選択したビットのみの消去が確認できた。
【0086】さらに本実施例においてもプローブ電極に
よる記録媒体表面の変形やプローブ電極の急激な位置の
変動はなくプローブ電極走査中のエラーはなかった。
【0087】実施例3 記録層101を以下のようにして形成した点以外は、実
施例1,2と同様の記録、再生、消去の実験を行なっ
た。以下に記録層101の形成方法を記す。
【0088】実施例1と同様にして基板上に6層のポリ
アミド酸アミン塩の単分子累積膜を形成した。
【0089】次に、かかる基板をCF3 (CF27
2 CH2 Si(OC253 の蒸気中に室温で一昼
夜保持したのち、エタノール溶液に浸漬し単分子吸着層
を形成する。
【0090】続いて、300℃で10分間加熱焼成を行
ない、実施例1と同様にして、かかる記録層の水に対す
る接触角を測定すると115°であった。
【0091】以上のようにして形成した記録媒体1に対
しても、実施例1,2と同様な記録、再生、消去を行な
うことができた。
【0092】また、本実施例においてもプローブ電極に
よる記録媒体表面の変形やプローブ電極の急激な位置の
変動はなくプローブ電極走査中のエラーはなかった。
【0093】実施例4 記録層101を以下のようにして形成した点以外は、実
施例1,2と同様の記録、再生、消去の実験を行なっ
た。以下に記録層101の形成方法を記す。
【0094】実施例1と同様にして形成したAu基板を
CF3 (CF27 CH2 CH2 SiCl3 の蒸気中に
室温で一時間保持し、吸着層を形成する。
【0095】次にかかる吸着層上に実施例1と全く同様
にして6層のポリイミド単分子累積膜を形成した。
【0096】続いて、かかる有機薄膜を300℃で10
分間加熱焼成し、水に対する接触角を測定したところ1
12°であった。
【0097】以上のようにして形成した記録媒体1に対
しても、実施例1,2と同様な記録、再生、消去を行な
うことができた。
【0098】また、本実施例においてもプローブ電極に
よる記録媒体表面の変形やプローブ電極の急激な位置の
変動はなくプローブ電極走査中のエラーはなかった。
【0099】実施例5 記録層101を以下のようにして形成した点以外は、実
施例1,2と同様の記録、再生、消去の実験を行なっ
た。以下に記録層101の形成方法を記す。
【0100】実施例1と同様にして形成したAu基板を
CF3 (CF27 CH2 CH2 Si(OC253
の蒸気中に室温で一昼夜保持し、吸着層を形成する。
【0101】次に、かかる基板を水温20℃の純水から
なる水相上の水面を横切る方向に静かに浸漬した後、実
施例1と同様のポリアミド酸アミン塩の溶液をかかる水
相上に展開し、水面上に単分子膜を形成した。溶媒蒸発
除去後、表面圧を25mN/mにまで高めた。表面圧を
一定に保ちながら、10mm/minで静かに引き上げ
て1層の単分子膜を作成したのち、かかる記録層を30
0℃で10分間加熱焼成し、記録層とした。
【0102】かかる記録層の水に対する接触角は116
°であった。
【0103】以上のようにして形成した記録媒体1に対
しても、実施例1,2と同様な記録、再生、消去を行な
うことができた。
【0104】また、本実施例においてもプローブ電極に
よる記録媒体表面の変形やプローブ電極の急激な位置の
変動はなくプローブ電極走査中のエラーはなかった。
【0105】比較例1 記録層101を以下のようにして形成した点以外は実施
例1,2と同様の記録、再生、消去の実験を行なった。
以下に記録層101の形成方法を記す。
【0106】まず、下式に示すポリアミド酸をDMAC
に溶解させた(単量体換算濃度1×10-3M)。
【0107】
【化5】 続いて、別途用意したN−メチル−ジ−n−オクタデシ
ルアミンの同溶媒による1×10-3M溶液とを1:2
(V/V)に混合して、ポリアミド酸アミン塩溶液を調
製した。かかる溶液を水温20℃の純水からなる水相上
に展開し、水面上に単分子膜を形成した。溶媒蒸発除去
後、表面圧を25mN/mにまで高めた。表面圧を一定
に保ちながら、実施例1と同様にして形成したAu基板
を水面を横切る方向に速度5mm/minで静かに浸漬
した後、続いて10mm/minで静かに引き上げて2
層のY型単分子累積膜を作成した。かかる操作を繰り返
して4層のポリアミド酸アミン塩の単分子累積膜を形成
したのち、かかる記録層を300℃で10分間加熱焼成
し、記録層とした。
【0108】かかる記録層の水に対する接触角は88°
であった。
【0109】以上のようにして形成した記録媒体1に対
しても、実施例1,2と同様な記録、再生、消去を行な
ったがプローブ電極操作中に記録媒体表面が変形し、プ
ローブ電極が急激に記録媒体に近づき、プローブ電極走
査によるエラーが発生した。
【0110】実施例6 本実施例の記録媒体は以下の如く作成した。
【0111】まず、光学研磨したガラス基板(基板10
3)を中性洗剤及びトリクレンを用いて洗浄した後、下
引き層としてCrを真空蒸着法により50Å堆積させ、
さらにAuを同法により、400Å蒸着した下地電極
(Au電極102)を形成した。
【0112】つぎに、下式で表されるポリアミド酸をD
MACに溶解させた(単量体換算濃度1×10-3M)。
【0113】
【化6】 続いて、別途用意したN,N−ジメチルオクタデシルア
ミンの同溶媒による1×10-3M溶液と2,2,3,
3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアミンの同溶媒
による1×10-3M溶液とを1:2:2(V/V)に混
合して、ポリアミド酸混合アミン塩溶液を調製した。か
かる溶液を水温20℃の純水からなる水相上に展開し、
水面上に単分子膜を形成した。溶媒蒸発除去後、表面圧
を25mN/mにまで高めた。表面圧を一定に保ちなが
ら、上述の基板を水面を横切る方向に速度5mm/mi
nで静かに浸漬した後、続いて5mm/minで静かに
引き上げて2層のY型単分子累積膜を作成した。かかる
操作を繰り返して、4層(膜厚〜60Å)のポリアミド
酸混合アミン塩の単分子累積膜を形成することで本発明
第2における記録層とした。
【0114】かかる記録層の水に対する接触角は97°
であった。
【0115】以上のようにして形成した記録媒体1に対
しても、実施例1,2と同様な記録、再生、消去を行う
ことができた。
【0116】さらに上記実験のあいだプローブ電極によ
る記録媒体表面の変形やプローブ電極の急激な位置の変
動はなくプローブ電極走査中のエラーはなかった。
【0117】このように、本発明第二の記録媒体は前述
した形成方法により、記録媒体表面の均一性が高いだけ
でなく水に対する接触角が95°以上を有しているの
で、記録媒体表面をプローブ電極が走査したときにプロ
ーブ電極先端で記録媒体表面を変形させる危険性が減少
した。
【0118】さらに、記録媒体表面の吸着水が減少した
ために、記録媒体とプローブ電極間の相互作用が小さく
なり、記録媒体にプローブ電極先端が近づいたときに急
激にプローブ電極が記録媒体に近づいたり、記録媒体か
らプローブ電極が遠ざかるときに急激にプローブ電極が
離れるなど、走査中のトラブルによる記録、再生、消去
のエラーを減少させることが可能になった。
【0119】実施例7 本実施例で用いる記録媒体は実施例6と同様にして形成
されたAu電極102上に記録層101を有する。記録
層101の形成は、以下のようにして行なった。
【0120】まず、下式で表されるポリアミド酸をDM
ACに溶解させた(単量体換算濃度1×10-3M)。
【0121】
【化7】 続いて、別途用意したN−メチル−ジ−n−オクタデシ
ルアミンの同溶媒による1×10-3M溶液と2,2,
3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアミンの同
溶媒による1×10-3M溶液とを1:2:10(V/
V)に混合して、ポリアミド酸混合アミン塩溶液を調製
した。かかる溶液を水温20℃の純水からなる水相上に
展開し、水面上に単分子膜を形成した。溶媒蒸発除去
後、表面圧を25mN/mにまで高めた。表面圧を一定
に保ちながら、上述基板を水面を横切る方向に速度10
mm/minで静かに浸漬した後、続いて10mm/m
inで静かに引き上げて2層のY型単分子累積膜を作成
した。かかる操作を繰り返して、4層(膜厚〜60Å)
のポリアミド酸混合アミン塩の単分子累積膜を形成し、
記録層とした。
【0122】かかる記録層の水に対する接触角は98°
であった。
【0123】以上のようにして形成した記録媒体1に対
しても、実施例1,2と同様な記録、再生、消去を行な
うことができた。
【0124】また、本実施例においてもプローブ電極に
よる記録媒体表面の変形やプローブ電極の急激な位置の
変動はなくプローブ電極走査中のエラーはなかった。
【0125】実施例8 記録層101を以下のようにして形成した点以外は、実
施例1,2と同様の記録、再生、消去の実験を行なっ
た。以下に記録層101の形成方法を記す。
【0126】下式で表されるポリアミド酸をDMACに
溶解させた(単量体換算濃度1×10-3M)。
【0127】
【化8】 続いて、別途用意したN,N−ジメチルオクタデシルア
ミンの同溶媒による1×10-3M溶液とヘプタフルオロ
ブチルアミンの同溶媒による1×10-3M溶液とを1:
2:10(V/V)に混合して、ポリアミド酸混合アミ
ン塩溶液を調製した。かかる溶液を水温20℃の純水か
らなる水相上に展開し、水面上に単分子膜を形成した。
溶媒蒸発除去後、表面圧を20mN/mにまで高めた。
表面圧を一定に保ちながら、実施例6と同様にして形成
したAu基板を水面を横切る方向に速度10mm/mi
nで静かに浸漬した後、続いて10mm/minで静か
に引き上げて2層のY型単分子累積膜を作成した。かか
る操作を繰り返して、4層(膜厚〜60Å)のポリアミ
ド酸混合アミン塩の単分子累積膜を形成し、記録層とし
た。
【0128】かかる記録層の水に対する接触角は97°
であった。
【0129】以上のようにして形成した記録媒体1に対
しても、実施例1,2と同様な記録、再生、消去を行な
うことができた。
【0130】また、本実施例においてもプローブ電極に
よる記録媒体表面の変形やプローブ電極の急激な位置の
変動はなくプローブ電極走査中のエラーはなかった。
【0131】実施例9 記録層101を以下のようにして形成した点以外は、実
施例1,2と同様の記録、再生、消去の実験を行なっ
た。以下に記録層101の形成方法を記す。
【0132】実施例8と同様のポリアミド酸をDMAC
に溶解させた。
【0133】続いて、別途用意したN−メチル−ジ−n
−オクタデシルアミンの同溶媒による1×10-3M溶液
と2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル
アミンの同溶媒による1×10-3M溶液とを1:2:1
0(V/V)に混合して、ポリアミド酸混合アミン塩溶
液を調製した。かかる溶液を水温20℃の純水からなる
水相上に展開し、水面上に単分子膜を形成した。溶媒蒸
発除去後、表面圧を25mN/mにまで高めた。表面圧
を一定に保ちながら、実施例6と同様にして形成したA
u基板を水面を横切る方向に速度10mm/minで静
かに浸漬した後、続いて10mm/minで静かに引き
上げて2層のY型単分子累積膜を作成した。かかる操作
を繰り返して、2層(膜厚〜30Å)のポリアミド酸混
合アミン塩の単分子累積膜を形成し、記録層とした。
【0134】以上のようにして形成した記録媒体1に対
しても、実施例1,2と同様な記録、再生、消去を行な
うことができた。
【0135】また、本実施例においてもプローブ電極に
よる記録媒体表面の変形やプローブ電極の急激な位置の
変動はなくプローブ電極走査中のエラーはなかった。
【0136】実施例10 記録層101を以下のようにして形成した点以外は実施
例1,2と同様の記録、再生、消去の実験を行なった。
以下に記録層101の形成方法を記す。
【0137】実施例6と同様のポリアミド酸をDMAC
に溶解し、別途用意したN,N−ジメチルオクタデシル
アミンの同溶媒による1×10-3M溶液と2,2,3,
3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアミンの同溶媒
による1×10-3M溶液とを1:2:10(V/V)に
混合して、ポリアミド酸混合アミン塩溶液を調製した。
【0138】ここで、実施例6と同様にして形成したA
u基板を水温20℃の純水からなる水相上の水面を横切
る方向に静かに浸漬した後、前述溶液をかかる水相上に
展開し、水面上に単分子膜を形成した。溶媒蒸発除去
後、表面圧を25mN/mにまで高めた。表面圧を一定
に保ちながら、10mm/minで静かに引き上げて1
層(15Å)の単分子膜を作成し、記録層とした。
【0139】かかる記録層の水に対する接触角は98°
であった。
【0140】以上のようにして形成した記録媒体1に対
しても、実施例1,2と同様な記録、再生、消去を行な
うことができた。
【0141】また、本実施例においてもプローブ電極に
よる記録媒体表面の変形やプローブ電極の急激な位置の
変動はなくプローブ電極走査中のエラーはなかった。
【0142】比較例2 記録層101を以下のようにして形成した点以外は、実
施例1,2と同様の記録、再生、消去の実験を行なっ
た。以下に記録層101の形成方法を記す。
【0143】まず、下式に示すポリアミド酸をDMAC
に溶解させた(単量体換算濃度1×10-3M)。
【0144】
【化9】 続いて、別途用意したN−メチル−ジ−n−オクタデシ
ルアミンの同溶媒による1×10-3M溶液とを1:2
(V/V)に混合して、ポリアミド酸アミン塩溶液を調
製した。かかる溶液を水温20℃の純水からなる水相上
に展開し、水面上に単分子膜を形成した。溶媒蒸発除去
後、表面圧を25mN/mにまで高めた。表面圧を一定
に保ちながら、実施例6と同様にして形成したAu基板
を水面を横切る方向に速度5mm/minで静かに浸漬
した後、続いて10mm/minで静かに引き上げて2
層のY型単分子累積膜を作成した。かかる操作を繰り返
して、4層(膜厚〜60Å)のポリアミド酸アミン塩の
単分子累積膜を形成し、記録層とした。
【0145】かかる記録層の水に対する接触角は94°
であった。
【0146】以上のようにして形成した記録媒体1に対
しても、実施例1,2と同様な記録、再生、消去を行な
ったがプローブ電極走査中に記録媒体表面が変形し、プ
ローブ電極が急激に記録媒体に近づき、プローブ電極走
査によるエラーが発生した。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように、本発明第一の記録
媒体は、記録層表面の平滑性が高く、さらに水に対する
接触角が105°以上であり、記録媒体表面の吸着水が
少なく、耐湿性に優れる。また、本発明第二の記録媒体
は、記録層の機械的強度、配向性、均一性が高く、さら
に水に対する接触角が95°以上であり耐湿性に優れ
る。このため、本発明の記録媒体にプローブを介して情
報の記録・再生等を行なう情報処理装置では、記録媒体
−プローブ電極間の相互作用が小さく、滑らかな走査が
可能であり、更にはS/N比が向上されるため、高速走
査での記録・再生時のエラーが減少し、高速かつ高精度
の情報処理が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の情報処理装置のブロック構
成図である。
【図2】本発明の実施例2の複数のプローブ電極を備え
た情報処理装置のブロック構成図である。
【図3】プローブ電極と記録層表面との距離を変えたと
きに得られた両者間に流れる電流と両者間に働く力の変
化を示す特性図である。
【図4】記録用のパルス電圧波形である。
【図5】消去用のパルス電圧波形である。
【図6】複数個のプローブ電極を用いた記録、再生、消
去実験においてある1つのプローブ電極に与えられたビ
ット情報、記録層パルス列、消去用パルス列を示す。
【図7】本発明に用いた記録層を金属電極で挟持したM
IM素子の概略構成図である。
【図8】図7の素子で得られる電流電圧特性である。
【図9】図7の素子で得られるメモリー効果を表す電流
電圧特性である。
【符号の説明】
1 記録媒体 2 プローブ電極 3 片持ち梁 4 片持ち梁の支持体 5 xyz微動装置 6 xyz粗動装置 7 ベース 8 xyz微動装置の制御回路 9 xyz粗動装置の制御回路 10 電圧印加及び電流検知回路 11 マイクロコンピュータ 12 圧電素子の制御回路 13 支持台 14 圧電素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−156749(JP,A) 特開 平6−264217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 9/14

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プローブ電極を介して情報の記録、再
    生、消去を行う情報処理装置に用いる記録媒体であっ
    て、少なくとも一本のフルオロアルキル基と少なくとも
    一つのアルコキシ基又は塩素が硅素に結合した有機硅素
    化合物からなる表面処理剤とポリイミドの単分子膜又は
    単分子累積膜からなる記録層を有することを特徴とする
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 ポリイミドが分子内にフッ素基を有して
    いることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】 プローブ電極を介して情報の記録、再
    生、消去を行う情報処理装置に用いる記録媒体であっ
    て、ポリアミド酸と一般式(1)から(3)のいずれか
    で表される第1のアルキルアミンとCF 3 (CF 2
    2 (CH 2 )NH 2 からなる単分子膜又はその累積膜から
    なる記録層を有していることを特徴とする記録媒体。 【化1】 但し、X,Yは−H,−CH3 ,−C25のうちのい
    ずれかを表し、X,Yに含まれる炭素の数をそれぞれ
    n,mとしたとき一般式(1)から(3)において p≦26,q≦26,≦26 16≦p+n+m≦26 17≦p+q+n≦52 18≦p+q+≦60
  4. 【請求項4】 ポリアミド酸が分子内にフッ素基を有し
    ていることを特徴とする請求項3に記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜いずれかに記載の記録媒体
    にプローブを介して情報の記録及び/又は再生を行なう
    ことを特徴とする情報処理装置。
  6. 【請求項6】 プローブを支持する弾性部材を、プロー
    ブ・記録媒体の間隔変動を補正する方向に変形させる力
    がプローブ・記録媒体間に作用するように、プローブ・
    記録媒体を配置することによってプローブ・記録媒体間
    隔を制御し、該制御状態で前記プローブ・記録媒体間の
    電流を検出することによって再生を行なうことを特徴と
    する請求項5記載の情報処理装置。
  7. 【請求項7】 プローブ・記録媒体間に作用する力がプ
    ローブ・記録媒体間の原子間斥力であることを特徴とす
    請求項6記載の情報処理装置。
  8. 【請求項8】 プローブ・記録媒体間の電圧印加により
    記録媒体の電気特性を変化させることにより記録を行な
    うことを特徴とする請求項5〜7いずれかに記載の情報
    処理装置。
  9. 【請求項9】 プローブ・記録媒体間の電流を検出して
    記録媒体の電気特性を検出することにより再生を行なう
    ことを特徴とする請求項8記載の情報処理装置。
  10. 【請求項10】 各々が弾性部材で支持されている複数
    のプローブを有することを特徴とする請求項5〜9いず
    れかに記載の情報処理装置。
JP22364092A 1992-07-31 1992-07-31 記録媒体及びそれを用いた情報処理装置 Expired - Fee Related JP3060143B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22364092A JP3060143B2 (ja) 1992-07-31 1992-07-31 記録媒体及びそれを用いた情報処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22364092A JP3060143B2 (ja) 1992-07-31 1992-07-31 記録媒体及びそれを用いた情報処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0652581A JPH0652581A (ja) 1994-02-25
JP3060143B2 true JP3060143B2 (ja) 2000-07-10

Family

ID=16801365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22364092A Expired - Fee Related JP3060143B2 (ja) 1992-07-31 1992-07-31 記録媒体及びそれを用いた情報処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3060143B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100389903B1 (ko) 2000-12-01 2003-07-04 삼성전자주식회사 접촉 저항 측정을 이용한 정보 저장 장치 및 그 기록과재생 방법
KR100499127B1 (ko) * 2002-07-05 2005-07-04 삼성전자주식회사 고밀도 정보저장매체 및 그 제조방법 및 정보저장장치 및이를 이용한 정보 기록 및 재생 및 소거방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0652581A (ja) 1994-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2794348B2 (ja) 記録媒体、その製造方法、情報処理装置
US5481528A (en) Information processor and method using the information processor
JP2981804B2 (ja) 情報処理装置、それに用いる電極基板、及び情報記録媒体
JPH03156749A (ja) 記録媒体用基板及びその製造方法、記録媒体、記録方法、記録再生方法、記録装置、記録再生装置
JP3060143B2 (ja) 記録媒体及びそれを用いた情報処理装置
JP3127341B2 (ja) 電極基板とその製造方法、及び記録媒体並びに情報処理装置
JP2942013B2 (ja) 記録及び/又は再生装置
JP3023728B2 (ja) プローブ構造体、記録装置、情報検出装置、再生装置及び記録再生装置
JP3044421B2 (ja) 記録媒体製造方法
JP2981788B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡を用いた情報処理装置、情報処理方法及び面合わせ方法
JPH07311985A (ja) 記録媒体、情報処理装置および情報記録再生方法
JP3005077B2 (ja) 記録及び/又は再生方法及び装置
JP3220914B2 (ja) 記録媒体製造方法
JP2949651B2 (ja) 電極基板及び記録媒体の製造方法
JPH0714224A (ja) 記録媒体及び情報処理装置
JP3261539B2 (ja) 電極基板の製造方法
JPH06309705A (ja) 記録媒体及び情報処理装置
JPH07320310A (ja) 記録媒体、情報処理装置および情報記録再生方法
JP2992909B2 (ja) 記録媒体の製造方法
JP2866165B2 (ja) 記録媒体およびその製造方法、情報処理方法、情報処理装置
JP2932220B2 (ja) 記録媒体製造方法
JPH0528549A (ja) 記録媒体及び情報処理装置
JPH0869640A (ja) 記録媒体
JPH08306087A (ja) 記録媒体の製造方法
JPH04114333A (ja) 情報処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000321

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees