JP3059941B2 - サンプリング方法およびその装置 - Google Patents

サンプリング方法およびその装置

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JP3059941B2
JP3059941B2 JP8348732A JP34873296A JP3059941B2 JP 3059941 B2 JP3059941 B2 JP 3059941B2 JP 8348732 A JP8348732 A JP 8348732A JP 34873296 A JP34873296 A JP 34873296A JP 3059941 B2 JP3059941 B2 JP 3059941B2
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佳彦 住谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体搬送シュート
からの分岐路で粉体の反射光量を測定するサンプリング
方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体の反射光量に基づき塊状体ま
たは粒状体の粒度を測定するには、例えば、特開昭58
−62540号公報記載の方法があった。この方法で
は、コンベア上で搬送される測定対象に光をあてて、塊
状体または粒状体の部分を検知するときと、間隙部分を
検知しているときの2種類の信号だけで、搬送されてい
る塊状体または粒状体の粒度分布を表す。1つ1つの塊
状体または粒状体の粒径は、塊状体または粒状体を検知
している信号が出力されている時間とコンベアの搬送速
度から求められる。しかし、この方法は粒径が数センチ
以上の塊状体に対しては有効であるが、セメントのよう
に、殆どが 100μm以下となる微細な粒体に対しては、
適用できないという問題点がある。
【0003】この問題点を解消すべく、本願発明者等
は、特願平7−210578号によって、新規な粉体製
造装置のオンライン粒度測定法を適用し、微細に粉砕し
た粉体の粉末度を実時間で正確に測定し、精度良く粉末
度を調整できるようにした。しかし、この場合において
も、粉体搬送シュートに反射光量測定用プローブを直接
挿入して搬送中の粉体を測定しようとすると、流速の速
い粉体によってプローブの測定面に取り付けられたガラ
スを摩耗させるため反射光量が経時的に減少し、また、
粉体搬送シュート内の粉末には多量の空気が含まれ、こ
の存在が反射光量のバラツキを大きくする。また、反射
光量測定用プローブが固定式であるために設備の運転停
止時にプローブ先端に付着した粉末が固着し、運転再開
後に反射光量の誤差を大きくする等の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における前記問題点を解消するためのものであり、その
ための課題は、粉体搬送シュートからの分岐路で粉体の
反射光量を測定することにより、反射光量に対する変動
要因の影響を少なくするサンプリング方法およびその装
置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
に係るサンプリング方法は、粉体の搬送シュートから分
岐したサンプリング路で圧密輸送装置により圧密輸送さ
れた粉体を連続的にサンプリングし、該サンプリングし
た粉体の反射光量を測定することを特徴とするものであ
る。
【0006】また、請求項2に係るサンプリング装置
は、粉体搬送路から分岐して設けたスクリューコンベア
を配設したサンプリング路と、前記スクリューコンベア
の下流側に設けた反射光量測定用プローブと、この反射
光量測定用プローブからの出力信号を増幅する増幅器と
を備えたことを特徴とするものである。
【0007】また、請求項3に係るサンプリング装置
は、前記サンプリング路は入口を粉体の搬送シュートに
接続し、出口を後段の搬送路に接続させたサンプリング
専用バイパス路を形成したことを特徴とする。
【0008】また、請求項4に係るサンプリング装置
は、前記反射光量測定用プローブは角度および挿入深さ
を調節可能に設けたことを特徴とする。
【0009】また、請求項5に係るサンプリング装置
は、前記反射光量測定用プローブの測定面のクリーニン
グ手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を分岐
路中にスクリューコンベアを組み込んだ場合について具
体的に説明する。ただし、この実施の形態は、本発明を
より良く理解させるために具体的に説明するものであっ
て、特に指定のない限り、本発明の内容を限定するもの
ではない。
【0014】〔装置構成〕この実施の形態においては、
サンプリング装置を設けた粉体製造装置の基本構成を図
1に、そのサンプリング装置の主要構成を図2に、サン
プリング装置の具体的構成を図3〜7に示す。
【0015】粉体製造装置は、図1に示すように、石
膏、石灰石等の添加材を添加したセメントクリンカ(以
下、単にクリンカという)を機械的に粉砕する粉砕機1
と、粉砕機1によって粉砕された砕製物を供給して所定
粒度より粗い粗粉と所定粒度以下である精粉とに分級す
る分級機2と、分級された精粉を捕集するバッグフィル
タ3と、バッグフィルタ3の出口側の精粉輸送シュート
3aから分岐し製品サイロ行き輸送機3bへ接続する分
岐路を形成して精粉の反射光量を測定し易くしたサンプ
リング装置4と、サンプリング装置4に供給された精粉
の反射光量を測定する反射光量測定用プローブ5と、反
射光量測定用プローブ5からの出力信号を増幅して送信
するアンプ6と、バッグフィルタ3により捕集されて図
示しない製品サイロへ搬送される精粉の化学成分を分析
するX線分析機7と、クリンカに添加した添加材の添加
率を伝送する添加材添加率設定装置8と、アンプ6の出
力信号とX線分析機7の分析結果と添加材添加率設定装
置8の添加材添加率とを入力して変動要因の影響を補正
した粉末度を求め、その求めた粉末度に基づき分級機2
の回転数操作およびバッグフィルタ3の風量調節を行う
制御装置としての計算機9とを備える。
【0016】サンプリング装置4は、図2,3に示すよ
うに、精粉輸送シュート3aに接続した分岐シュート1
1と、水平に設置して分岐搬送されてきた精粉の密度を
高め流速を1m/min以下に遅くして搬送するスクリ
ューコンベア12と、スクリューコンベア12の出口か
ら製品サイロ行き輸送機3bへ接続する分岐出口配管1
1aと、スクリューコンベア12の出口部で搬送された
精粉の反射光量を測定することができるように取付角度
を適当に変えて設けた複数のプローブ挿入口13,…,
13と、スクリューコンベア12のスクリュー12aを
駆動する電動機14と、電動機14の回転を減速してス
クリューコンベア12に伝達する減速歯車15,16,
17とを備える。
【0017】精粉を測定する反射光量測定用プローブ5
は、取付角度の異なる複数のプローブ挿入口13,…,
13のいずれかに挿入して挿入角度を変え、挿入深さを
調節して最適な状態で精粉を測定することができるよう
にするプローブ制御装置20に取り付け、必要に応じ
て、適切なプローブ挿入口13,…,13を選択し、挿
入深さを調節して、反射光量を測定することができるよ
うにする。
【0018】プローブ制御装置20は、図2に示すよう
に、反射光量測定用プローブ5と同軸的に設けて反射光
量測定用プローブ5をプローブ挿入口13に対して挿入
脱抜するプローブ挿入用エアシリンダ21と、粗粉側
(低反射光量)の標準試料Aと細粉側(高反射光量)の
標準試料Bとを用意して定期的に反射光量測定用プロー
ブ5の測定誤差を検査する検定装置22と、この検定装
置22を動作させて反射光量測定用プローブ5を標準試
料側へ移動させるプローブ駆動装置23と、プローブ挿
入用エアシリンダ21に駆動用高圧空気を供給するガス
ボンベまたはコンプレッサ等の空気源24と、空気源2
4からプローブ挿入用エアシリンダ21に駆動用高圧空
気を供給することを制御する遮断弁25と、空気源24
から反射光量測定用プローブ5の先端の測定面にパージ
用高圧空気を供給することを制御する遮断弁26とを備
える。
【0019】さらに、プローブ制御装置20には、図3
〜図6に示すように、(例えば、垂直および垂直に対し
て 30 度と 45 度に設定した)プローブ挿入口13,
…,13の取付角に合わせた角度に反射光量測定用プロ
ーブ5を傾斜させるプローブ傾倒装置27と、プローブ
傾倒装置27に取り付けてプローブ挿入用エアシリンダ
21を高さ調節可能に取り付けるシリンダ取付部材28
とを備える。そして、プローブ傾倒装置27の角度調節
には、中心軸取付部27aに設けた締付ボルト27bを
緩めてシリンダ取付部材28を傾斜させ、再度締付ボル
ト27bを締め付けることにより行う。
【0020】プローブ挿入口13には、図7に示すよう
に、エアシリンダ21により反射光量測定用プローブ5
が引き抜かれた最高点にパージ用高圧空気供給口13a
を設け、適切なタイミングで測定面をエアパージしてク
リーニングすることにより、常に、プローブ先端に粉体
を付着させず、反射光量測定値が安定する良好な状態で
測定することができるようにする。また、プローブ挿入
口13の上端にはグランドパッキン13bを装着し、抑
え部材13cによって適当な力で押圧することにより、
反射光量測定用プローブ5の抜き差しを妨げることなく
パージ用空気あるいは粉体の漏れを防止する。
【0021】計算機9は、アンプ6からの反射光量測定
結果と、X線分析機7からの成分分析結果と、添加材添
加率設定装置8からの添加材添加率とを入力して、反射
光量測定に対する変動要因の影響を補正した粉末度を求
め、その求めた粉末度に基づき、分級機の回転数操作信
号およびバッグフィルタ風量調節信号を出力して、精粉
粉末度を調節する。処理すべき反射光量測定値から粉末
度を推定するには、一次式で最小二乗近似して求めた検
量線を用いて粉末度を算出して求めるものとする。
【0022】〔粉末度の推定〕精粉の反射光量測定プロ
ーブ5からの出力電圧(以下、単に反射光量という)L
と、精粉の粉末度の一指標である比表面積(ブレーン法
を適用して得られた値、以下ブレーン値という)Sとの
関係は一次式で表わされ、標準検量線における反射光量
Lとブレーン値Ss との関係式は次のようになる。
【0023】
【数1】 Ss =k1 L+k4 … (1)
【0024】この標準検量線からの偏りδを粉体の品質
変化によるものとすると、供給原料の品質変動に起因し
て生じるブレーン値の標準検量線からの偏りδs は、粉
体の品質の標準値からの偏りδp に比例し、
【0025】
【数2】 δs =αδp … (2)
【0026】これより測定反射光量Lに対する品質の偏
りを修正したブレーン値Sは、
【数3】 S =Ss +δs … (3)
【0027】これより、
【数4】 S =k1 L+k4 +αδp … (4) となる。
【0028】例えば、化学成分Xの標準値からの変動量
ΔXに対しては成分変化に応じて検量線が並行移動した
場合に略相当するから、係数をかけた値を加え、その成
分変動量による切片変化量を補正する。添加材Yの標準
値からの変動量ΔYに対しても、検量線が並行移動した
場合に略相当するから、係数を添加材添加率の変動量に
掛けた値を元のブレーン値に加えて補正する。
【0029】すなわち、ΔXを化学成分の標準値からの
変動量、ΔYを添加材添加率の標準値からの変動量とす
ると、
【数5】 S =k1 L+k2 ΔX+k3 ΔY+k4 … (5) となる。
【0030】ただし、粉体の品種Vが異なる場合には化
学成分、焼成条件等が異なるので検量線も異なった線と
なるから、品種変更がされた場合、その都度、検量線を
その品種に合った検量線に変更する。また、反射光量の
測定値Lは、適宜の時間間隔でサンプリングしたデータ
の最大値を採り、その値を所定時間の範囲で移動平均化
し、その平均化した値に対して補正を実施する。このよ
うにして、許容できない供給原料の品質変動があった場
合であっても、その品質変動分を補正した粉末度を正確
に把握する。
【0031】そして、正確に把握された粉末度が製造す
べき目標とする精粉の粉末度になるように、得られた精
粉のブレーン値Sと、目標とされる精粉のブレーン値S
r とを比較して、その比較の結果に基づき分級機2の回
転数と、バッグフィルター3の風量を調節する電動ダン
パの開度との操作量を求め、その操作量を信号化してそ
れぞれ出力し、分級機2の回転数およびバッグフィルタ
ー3の電動ダンパを操作して、所定粉末度に精度良く制
御する。
【0032】〔較正〕反射光量の測定に先立ち、反射光
量測定用プローブ5を較正する。較正には、プローブ駆
動装置23を起動させて検定装置22を動作させ、反射
光量測定用プローブ5を反射光量が既知である標準試料
A,B側へ移動させて標準試料A,Bの中に挿入し、そ
れぞれの反射光量を測定して標準試料A,Bの反射光量
が得られているか否かを判定することによって行う。較
正は、標準試料A,Bを測定し、その測定誤差が、温度
および電圧の変動、プローブの長期間連続使用、発光・
受光ダイオードやプローブのガラスの劣化等によって、
アンプ自体の温度補償回路および安定化電源の補償範囲
を超えたために、許容誤差以上になった場合には、計算
機9に設定されている検量線を更新する。
【0033】
【実施例】以下、実施例として、粉体がセメントの場合
につき、具体的に説明する。標準検量線における係数k
1 ,k4 の具体的な値は、例えば、普通ポルトランドセ
メントの場合、k1 = 280、k4 = 2638 であり、ま
た、早強ポルトランドセメントの場合、k1 = 162、k
4 = 4032 である。したがって、普通ポルトランドセメ
ントの標準検量線は、
【数6】 SNC= 280LNC+ 2638 … (6) また、早強ポルトランドセメントの標準検量線は、
【数7】 SHC= 162LHC+ 4032 … (7) となる。
【0034】反射光量測定用プローブ5の較正を終了し
ている場合の計算機9における処理システムを図8に示
す。このシステムにおける処理は、粉体の製造中であれ
ば、セメントの品種V、サンプリングデータL、酸化鉄
分F、酸化マグネシウム分M、石膏添加率Gおよび石灰
石添加率C等の変動の影響を補正した粉末度を求め、そ
の粉末度に基づき分級機回転数およびバッグフィルタ風
量を操作して目的とする粉末度を得るようにする。
【0035】セメントの品種Vは、その品種を定めた時
に、その都度、設定品種Vを入力して品種データを更新
させる。品種変更がされた場合、その都度、検量線をそ
の品種に合った検量線に変更する。例えば、普通ポルト
ランドセメントから早強ポルトランドセメントに変更さ
れた場合には普通ポルトランドセメントの検量線から早
強ポルトランドセメントの検量線に変更する。
【0036】クリンカ送量に対して設定されている石膏
添加率Gおよび石灰石添加率Cの標準値からの変動添加
率ΔG,ΔCにより検量線を補正する。酸化鉄分Fまた
は酸化マグネシウム分M等の検量線への影響の大きな成
分については、数時間(例えば図8では4時間)間隔で
成分量をチェックし、標準値からの変動量ΔF,ΔMに
より検量線を補正する。
【0037】反射光量の測定には、適宜の時間(図8で
は10秒)内に最大値をサンプリングし、所定時間(図
8では10分間)における移動平均値Lを求める。そし
て、求めた移動平均値Lと、各補正すべき要因であるセ
メント成分の酸化鉄分Fおよび酸化マグネシウム分M等
の標準値からの変動量ΔF,ΔMと、添加材の石膏Gお
よび石灰石Cの標準値からの変動添加率ΔG,ΔCとか
ら、セメントの品種Vに適応した検量線を用いて、それ
ぞれの重み付け係数a,b,c,dを考慮して補正した
ブレーン値を求める。
【0038】この場合には、補正すべきブレーン値は式
(5)から次のようになる。
【数8】 S= aL+bΔF+cΔM+dΔG+eΔC+f … (8)
【0039】これにより補正したブレーン値に基づき分
級機の回転数およびバッグフィルタの風量を操作して、
常に、目的とする粉末度の粉体が得られるように粉体製
造装置を制御する。
【0040】ブレーン値の補正には、品種V、酸化鉄含
有量Fおよび酸化マグネシウム添加量M、石膏添加率G
および石灰石添加率Cの標準値からの変動量ΔF,Δ
M,ΔG,ΔCに基づき、計算機の内部で設定された補
正係数を使用する。例えば、セメントに含まれる酸化鉄
と酸化マグネシウム等の場合には、酸化鉄の標準値との
差ΔFに係数bを掛け、酸化マグネシウムの標準値との
差ΔMに係数cを掛けて、それぞれを元のブレーン値に
加えて補正する。また、セメントの場合は石膏、石灰石
等が混合材として加えられているから、これらの添加率
の標準値との差ΔG,ΔCに係数d,eをそれぞれ掛け
た値を元のブレーン値に加えて補正する。
【0041】ここで、前記セメントの具体的なデータを
代入すると、普通ポルトランドセメントの場合は、
【数9】 SNC= 280L+ 153ΔF− 218ΔM− 142ΔG− 44 ΔC+ 2638 …(9) また、早強ポルトランドセメントの場合は、
【数10】 SHC= 162L+ 153ΔF− 218ΔM− 142ΔG− 44 ΔC+ 4032 …(10) となる。
【0042】〔実施例の作用効果〕このような実施例に
おいては、普通ポルトランドセメントおよび早強ポルト
ランドセメントに対する検量線を図9に示すと、品種の
影響は検量線の傾向が明らかに異なるので、品種の変更
に伴い検量線の変更が必要である。このため、これらの
検量線を記憶装置に記憶させておき、品種の変更時に品
種を入力して計算機で自動的に検量線を変更させるよう
にする。
【0043】測定データをサンプリングして平滑化処理
した後のデータと原データとを重ね合わせた結果を図1
0に示す。この平滑化処理により、制御に不要な変動を
除いた出力電圧が得られ、検量線からブレーン値Sを得
るために必要な反射光量Lとして用いることができる値
が得られることが示されている。
【0044】セメント組成の変動について、図11
(イ)に酸化鉄(Fe2 3 )の含有量の変動に対する
影響を、図11(ロ)に酸化マグネシウム(MgO)の
含有量の変動に対する影響を示す。この結果では、酸化
鉄含有量が多くなるほど反射光量が減る傾向があり、ま
た、酸化マグネシウム含有量が多くなるほど反射光量が
増す傾向があり、それぞれの変動は検量線が略並行移動
するものと見做せる。このため、ブレーン値は含有量の
変動による切片の変化量を補正すれば良いことになる。
【0045】添加材については、クリンカ粉砕前に添加
する石膏の添加率について、検量線の変化を図12に示
す。石膏の添加率が多いほど反射光量が増加する傾向に
あり、その変動は検量線が略並行移動するものと見做せ
る。このため、ブレーン値は添加率の変動による切片の
変化量を補正すれば良いことになる。
【0046】このようにして、品種の違いに対しては検
量線を変更し、測定データをサンプリングし平滑化処理
して得られたデータを使用して、セメント組成および添
加材の添加率に対する切片変化量を補正すると、図13
(イ),(ロ)に示すように、サンプリングした反射光
量の測定値から得られたブレーン値が分級機2の回転数
に応じて変化し、手分析の実測値にも非常に良く追従し
ていることが示されている。また、これにより、得られ
たブレーン値から分級機2の回転数を調節することによ
り、所望の粉末度の粉体を得ることができるようにな
る。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明では、請求項1に係
るサンプリング方法では、粉体の搬送シュートから分岐
したサンプリング路で圧密輸送装置により圧密輸送され
た粉体を連続的にサンプリングし、該サンプリングした
粉体の反射光量を測定することにより、粉体の密度を高
くするとともに粉体の流速を下げ、輸送粉体中の空気の
影響を減少させるとともに測定用プローブの摩耗を防止
して、測定精度を高めるとともにプローブ寿命を延ばす
ことができる。
【0048】また、請求項2に係るサンプリング装置で
は、粉体搬送路から分岐して設けたスクリューコンベア
を配設したサンプリング路と、前記スクリューコンベア
の下流側に設けた反射光量測定用プローブと、この反射
光量測定用プローブからの出力信号を増幅する増幅器と
を備えたことにより、粉体搬送路から分岐されたサンプ
リング路でより理想的な条件の下で反射光量測定用プロ
ーブを使用でき、反射光量測定の精度および信頼性を向
上させることができる。
【0049】また、請求項3に係るサンプリング装置で
は、前記サンプリング路は入口を粉体の搬送シュートに
接続し、出口を後段の搬送路に接続させたサンプリング
専用バイパス路を形成したことにより、粉体製造の流れ
を妨げず、かつ精粉を損失させることなく、製造工程中
で、精粉の反射光量を精度良く測定できる。
【0050】また、請求項4に係るサンプリング装置で
は、前記反射光量測定用プローブは角度および挿入深さ
を調節可能に設けたことにより、最適な角度及び深さで
プローブの測定面が粉体に当接できるように調節でき、
反射光量の測定を良好な状態で測定することができる。
【0051】また、請求項5に係るサンプリング装置で
は、前記反射光量測定用プローブの測定面のクリーニン
グ手段を設けたことにより、測定面が汚れてくると、適
宜、測定面を清浄な面にクリーニングして、一定の条件
の下で測定ができるようにし、運転停止時にあってもプ
ローブ先端に粉体を付着させずに済み、常に、反射光量
測定値が安定する良好な状態で測定することができる。
【0052】
【0053】
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例の粉体製造装置を示すブ
ロック図である。
【図2】実施例の粉末度測定装置を示す拡大ブロック図
である。
【図3】実施例の粉末度測定装置を示す正面図である。
【図4】実施例の粉末度測定装置を示す平面図である。
【図5】実施例の粉末度測定装置を示す側面図である。
【図6】実施例のプローブ制御装置を示す後正面図であ
る。
【図7】実施例のプローブ挿入口を示す拡大部分断面図
である。
【図8】実施例における補正処理を示す流れ図である。
【図9】実施例におけるセメント品種による検量線の違
いを示すグラフである。
【図10】実施例における平滑化処理の結果を示すグラ
フである。
【図11】実施例におけるセメント組成による検量線の
移動を示すグラフであり、(イ)は酸化鉄の含有量の変
動による移動、(ロ)は酸化マグネシウムの含有量の変
動による移動を示す。
【図12】実施例における石膏添加量による検量線の移
動を示すグラフである。
【図13】実施例における粉体製造装置の制御結果を示
すグラフであり、(イ)はブレーン値の測定値と平滑化
処理後の値との経時変化を示すグラフ、(ロ)は分級機
の回転数の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 粉砕機 2 分級機 3 バッグフィルタ 3a 精粉輸送シュート 3b 製品サイロ行き輸送機 4 サンプリング装置 5 反射光量測定用プローブ 6 アンプ 7 X線(成分)分析機 8 添加材添加率設定装置 9 計算機(粉末度補正手段) 11 分岐シュート 11a 分岐出口配管 12 スクリューコンベア 12a スクリュー 13 ブローブ挿入口 13a パージ用高圧空気供給口 14 電動機 15,16,17 歯車 20 プローブ制御装置 21 エアシリンダ 22 検定装置 23 プローブ駆動装置 24 空気源 25,26 遮断弁 27 プローブ傾倒装置 27a 中心軸取付部 27b 締付けボルト 28 シリンダ取付部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−333113(JP,A) 特開 平7−5102(JP,A) 特表 平7−506193(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/04 G01N 15/00 G01N 15/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉体の搬送シュートから分岐したサンプリ
    ング路で圧密輸送装置により圧密輸送された粉体を連続
    的にサンプリングし、該サンプリングした粉体の反射光
    量を測定することを特徴とするサンプリング方法。
  2. 【請求項2】粉体搬送路から分岐して設けたスクリュー
    コンベアを配設したサンプリング路と、前記スクリュー
    コンベアの下流側に設けた反射光量測定用プローブと、
    この反射光量測定用プローブからの出力信号を増幅する
    増幅器とを備えたことを特徴とするサンプリング装置。
  3. 【請求項3】前記サンプリング路は入口を粉体の搬送シ
    ュートに接続し、出口を後段の搬送路に接続させたサン
    プリング専用バイパス路を形成したことを特徴とする請
    求項2記載のサンプリング装置。
  4. 【請求項4】前記反射光量測定用プローブは角度および
    挿入深さを調節可能に設けたことを特徴とする請求項2
    または3記載のサンプリング装置。
  5. 【請求項5】前記反射光量測定用プローブの測定面のク
    リーニング手段を設けたことを特徴とする請求項2〜4
    のいずれかに記載のサンプリング装置。
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