JP3059310B2 - 光学式ロータリーエンコーダー用信号処理回路 - Google Patents

光学式ロータリーエンコーダー用信号処理回路

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JP3059310B2
JP3059310B2 JP4310350A JP31035092A JP3059310B2 JP 3059310 B2 JP3059310 B2 JP 3059310B2 JP 4310350 A JP4310350 A JP 4310350A JP 31035092 A JP31035092 A JP 31035092A JP 3059310 B2 JP3059310 B2 JP 3059310B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マウス等に使用される
光学式ロータリーエンコーダー用信号処理回路に係わ
り、特に、一対の受光素子から得られる各別の検出信号
を一対の差動増幅回路においてそれぞれ比較増幅し、マ
ウス等の移動量及び移動方向の判別可能な2つの2値位
相パルス信号を発生させる光学式ロータリーエンコーダ
ー用信号処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】マウス等のX−Y座標入力装置に使用さ
れている光学式ロータリーエンコーダーは、通常、内蔵
されているボールの回転量を検出することにより、前記
X−Y座標入力装置の操作移動方向及び操作移動量を求
めている。
【0003】この場合、光学式ロータリーエンコーダー
を有するX−Y座標入力装置(例えば、マウス)は、マ
ウス内に回転可能に内蔵保持されているボールと、円周
方向に所定ピッチで配列された多数のスリットを有する
一対の円板状遮光板(ロータリーエンコーダー板)と、
前記遮光板の中心に固着され、前記ボールの回転に伴っ
て回転する一対の回転軸と、前記各遮光板のスリット配
置部分を介して対向配置されたそれぞれ2つづつの発光
素子及び受光素子の組等の構成要素からなっている。こ
こにおいて、一方の発光素子と受光素子の組はX軸方向
の検出を行なうものであり、他方の発光素子と受光素子
の組はY軸方向の検出を行なうものである。前記一方及
び他方の発光素子と受光素子の組は、いずれも2つづつ
の発光素子と受光素子で構成されており、1つの組の2
つの受光素子はそれぞれA相信号及びB相信号を送出す
る。前記A相信号及びB相信号は、信号処理回路におい
て2つの2値位相パルス信号に変換され、次いで、外部
のホストコンピュータ等の制御装置に供給されて、前記
マウスの移動に応じた所要の制御等が行なわれるもので
ある。
【0004】ところで、図7は、既知の光学式ロータリ
ーエンコーダーを有するX−Y座標入力装置(マウス)
の概略構成の一例を示す平面図である。
【0005】図7において、51、52は円板状遮光板
(ロータリーエンコーダー板)、53、54は回転軸、
55A、55B、56A、56Bは発光ダイオード(L
ED)等の発光素子、57A、57B、58A、58B
はフォトトランジスタ等の受光素子、59は回転可能な
ボール、60は付勢ローラ、61はスプリングであり、
符号数字51乃至57の中で、奇数はX軸方向、偶数は
Y軸方向の構成要素を表わし、符号末尾のアルファベッ
トA、BはそれぞれA相側、B相側の構成要素を表わし
ている。
【0006】そして、両遮光板51、52は、円周方向
に所定ピッチをもって多数のスリット(図示なし)が形
成配列されており、その中心部にそれぞれ回転軸53、
54の一端が固定されている。遮光板51の前記スリッ
ト配置部分には、それぞれ第1の組の2つづつの発光素
子55A、55B及び受光素子57A、57Bが前記ス
リット配置部分を挟むように対向配置され、同様に、遮
光板52の前記スリット配置部分にも、それぞれ第2の
組の2つづつの発光素子56A、56B及び受光素子5
8A、58Bが対向配置されている。X軸方向の構成要
素である前記遮光板51、回転軸53、2つづつの発光
素子55A、55B及び受光素子57A、57Bはエン
コーダケース(図示なし)の内部にそれぞれ収納されて
おり、前記遮光板51と回転軸53は前記エンコーダケ
ースの内部で回転自在に支承されている。同様に、Y軸
方向の構成要素である前記遮光板52、回転軸54、2
つづつの発光素子56A、56B及び受光素子58A、
58Bもエンコーダケース(図示なし)の内部にそれぞ
れ収納されており、前記遮光板52と回転軸54も前記
エンコーダケース内部で回転自在に支承されている。双
方の回転軸53、54の他端は、ともに、前記エンコー
ダケースから露出され、その周面が回転可能なボール5
9に摩擦接触されている。ボール59にはスプリング6
1の弾発力によって付勢ローラ60が圧接されており、
ボール59を常時両回転軸53、54方向にバイアスさ
せ、ボール59と両回転軸53、54とが良好な摩擦接
触を行なうように構成されている。なお、両回転軸5
3、54は、互いに軸線がX軸方向及びY軸方向を向く
ように、即ち、直交するように配置されており、これら
の軸線に対してボール59は、前記スプリング61と付
勢ローラ60によって、前記X軸方向及びY軸方向の中
間の方向、即ち、略45度の方向から両回転軸53、5
4に前記バイアス付勢されている。
【0007】前記構成による既知の光学式ロータリーエ
ンコーダーを有するX−Y座標入力装置(マウス)の動
作は、次のとおりである。
【0008】操作者がマウス本体(ケーシング)を把持
し、ベース板(図示なし)上を摩擦摺動させると、前記
ベース板とボール59との摩擦によってボール59が回
転する。このボール59の回転に伴って、ボール59に
摩擦接触している2つの回転軸53、54が回転し、そ
れと同時に両遮光板51、52も一体的に回転する。前
述のように、両遮光板51、52には円周方向に多数の
スリットが所定のピッチで形成されており、両遮光板5
1、52が回転すると、第1の組の対をなす発光素子5
5A、55Bから受光素子57A、57Bに至る光、及
び、第2の組の発光素子56A、56Bから受光素子5
8A、58Bに至る光がそれぞれ前記多数のスリットに
よって交互に遮断もしくは透過するようになり、第1の
組の両受光素子57A、57B、及び、第2の組の両受
光素子58A、58Bからは、それぞれ、前記光の遮断
もしくは透過に対応したA相信号及びB相信号が送出さ
れる。
【0009】次いで、これらA相信号及びB相信号は、
以下に述べる信号処理回路において2つの2値位相パル
ス信号に変換され、さらに、この2つの2値位相パルス
信号に対して演算等を行なうことによって、ボール59
の回転量に対応したマウス本体のX軸方向成分とY軸方
向成分の移動量の検出が行なわれるものである。
【0010】次に、図8は、既知の光学式ロータリーエ
ンコーダー用信号処理回路の一例を示す回路構成図であ
って、ここではX軸方向のA相信号及びB相信号を処理
する回路部分だけを詳細に示したものである。
【0011】図8において、62A、62Bはエミッタ
負荷抵抗、63A、63Bは差動増幅器、64A、64
Bは積分抵抗、65A、65Bは積分容量であり、その
他、図5に示された構成要素と同じ構成要素には同じ符
号を付けている。また、符号の末尾のアルファベット
A、Bは、それぞれA相側、B相側の構成要素を表わし
ている。
【0012】そして、差動増幅器(コンパレータ)63
A、63Bは、一方の入力がそれぞれ受光素子57A、
57Bとエミッタ負荷抵抗62A、62Bの接続部に接
続され、他方の入力がそれぞれ積分抵抗64A、64B
と積分容量65A、65Bの接続部に接続されている。
【0013】前記構成による信号処理回路の動作は、次
のとおりである。
【0014】A相側において、受光素子57Aは、対応
する位置にある発光素子55Aからの光を受けると、そ
の受光量に対応した振幅をもつA相信号(アナログ信
号)をエミッタ負荷抵抗62Aの両端に発生し、ここで
得られたA相信号は差動増幅器63Aの非反転入力に供
給される。また、前記A相信号は、積分抵抗64A及び
積分容量65Aからなる積分回路で積分され、この積分
出力が基準電圧として差動増幅器63Aの反転入力に供
給される。そして、差動増幅器63Aは、非反転入力に
供給される前記A相信号と、反転入力に供給される前記
基準電圧(積分出力)との振幅比較増幅を行ない、前記
A相信号の振幅が前記基準電圧に等しいかまたは超えて
いるときには信号レベルが1(例えば、5V)になり、
反対に、前記A相信号の振幅が前記基準電圧に達しない
ときには信号レベルが0(例えば、0V)になる第1の
2値位相パルス信号(デジタル信号)を発生する。
【0015】B相側の動作も前記A相側の動作と全く同
様であって、受光素子57Bは、対応する位置にある発
光素子55Bからの光を受けると、その受光量に対応し
た振幅をもつB相信号(アナログ信号)をエミッタ負荷
抵抗62Bの両端に発生し、このB相信号は差動増幅器
63Bの非反転入力に供給される。また、このB相信号
は、積分抵抗64B及び積分容量65Bからなる積分回
路で積分され、この積分出力が基準電圧として差動増幅
器63Bの反転入力に供給される。そして、差動増幅器
63Bは、非反転入力に供給される前記B相信号と、反
転入力に供給される前記基準電圧(積分出力)との振幅
比較増幅を行ない、前記B相信号の振幅が前記基準電圧
に等しいかまたは超えているときには信号レベルが1
(例えば、5V)になり、反対に、前記B相信号の振幅
が前記基準電圧に達しないときには信号レベル0(例え
ば、0V)になる第2の2値位相パルス信号(デジタル
信号)を発生する。
【0016】こうして得られた第1の2値位相パルス信
号と第2の2値位相パルス信号は、この信号処理回路の
後段に接続されるコンピュータ(図示なし)等に供給さ
れ、X軸方向に対するマウスの移動方向及び移動量が算
出されるものである。
【0017】なお、図示されていないが、Y軸方向のA
相信号及びB相信号を処理する回路部分も、前記X軸方
向のA相信号及びB相信号を処理する回路部分と同様の
構成からなっており、同様の動作が行なわれるものであ
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】前記既知の信号処理回
路においては、X軸方向のA相信号及びB相信号の発生
の際に、対を構成している受光素子57A、57Bとし
て、1個の受光素子を備えたパッケージを適宜選んで使
用するようにしているため、前記対を構成している対を
構成している受光素子57A、57B間の特性上のバラ
ツキを避けることができず、対を構成している受光素子
57A、57Bから得られるA相信号及びB相信号は、
その振幅に不所望な差を有するようになる。また、Y軸
方向のA相信号及びB相信号の発生の際も、全く同様で
あって、対を構成している受光素子58A、58Bから
得られるA相信号及びB相信号は、その振幅に不所望な
差を有するものである。
【0019】ところで、振幅に不所望な差を持つA相信
号及びB相信号、例えば、X軸方向のA相信号及びB相
信号を前記既知の信号処理回路に供給し、差動増幅器
(コンパレータ)63A及び63Bにおいて電圧比較増
幅を行ない、第1及び第2の2値位相パルス信号を発生
させたときには、前記第1及び第2の2値位相パルス信
号の振幅反転のタイミングが前記振幅によって異なるよ
うになり、前記第1及び第2の2値位相パルス信号間に
同様の不所望な位相差が発生するようになって、マウス
の移動方向及び移動量を正確に算出することができなく
なる。
【0020】このため、従来は、対を構成している受光
素子57A、57Bの特性上のバラツキを補うために、
信号処理回路を構成した後で、積分回路を構成する積分
抵抗64B及び/または積分容量65Bの値を適宜調整
するようにしていた。
【0021】しかしながら、信号処理回路の構成後に、
積分回路の積分抵抗64B及び/または積分容量65B
の値を調整する作業は、かなりの手間を要するものであ
り、しかも、回路構成を複雑化するものであるため、マ
ウス等の光学的エンコーダー部分の製造工程が増え、そ
の増えた分だけマウス等の製造単価が上昇するという問
題を有している。
【0022】本発明は、前述の問題点を除去するように
するものであって、その1つの目的は、製造時の手間を
最小限に留め、かつ、回路構成を簡素化するようにした
光学的エンコーダー用信号処理回路を提供することにあ
る。
【0023】また、本発明の他の目的は、光学的エンコ
ーダーの操作速度に関係なく、正確に一対の2値位相パ
ルス信号を発生させることが可能な光学的エンコーダー
用信号処理回路を提供することにある。
【0024】
【0025】
【課題を解決するための手段】前記1つの目的及び他の
目的を達成するために、本発明は、多数のスリットを有
する遮光板を介して発光素子に対向配置される一対の受
光素子と、これら一対の受光素子からそれぞれ出力され
る2つの検出信号基準電圧と比較増幅し、それぞれ
の出力に2値位相パルス信号を発生させる一対の差動増
幅器とを備えた光学式ロータリーエンコーダー用信号処
理回路において、前記一対の受光素子は、特性の揃った
ものが用いられ、かつ、前記一対の差動増幅器は、一方
の入力に前記2つの検出信号がそれぞれ供給され、他方
の入力に前記一対の差動増幅器に共通の積分回路を介し
前記2つの検出信号の平均積分電圧微小な直流バイ
アス電圧との重畳電圧が基準電圧として供給される手段
を備える。
【0026】
【作用】前記手段によれば、X軸方向及びY軸方向の、
対を構成している受光素子としては、例えば、同一のパ
ッケージ中に、1つのチップ状形成の2個のフォトトラ
ンジスタ(受光素子)を配置したパッケージを使用して
いるので、前記対を構成している受光素子間の特性上の
バラツキがなくなり、同一の条件において同一振幅の信
号を発生させることができる。このため、この対を構成
している受光素子から得られるA相信号及びB相信号を
信号処理回路に供給し、第1及び第2の2値位相パルス
信号を発生させた場合においても、前記第1及び第2の
2値位相パルス信号間に不所望な位相差が生じることは
なくなり、この種の既知の信号処理回路において行なわ
れていた、積分回路を構成する各回路素子の値の調整を
行なうことなくマウスに適用した場合にマウスの移
動方向及びその移動量を正確に算出することができるよ
うになる。
【0027】また、前記手段によれば、A相側及びB相
側の差動増幅器には、反転入力に、A相信号及びB相信
号の平均積分電圧を基準電圧として供給し、前記基準電
圧に基づいて、A相信号またはB相信号を比較増幅する
ようにしているので、前記2つの差動増幅器の積分回路
を一部共用させることが可能になり、その分、積分回路
を構成する回路素子を減らし、信号処理回路を簡素化さ
せることができる。
【0028】さらに、前記手段によればA相側及びB
相側の差動増幅器には、反転入力に、A相信号及びB相
信号の平均積分電圧に微小な直流バイアス電圧を重畳し
た電圧、即ち、前記第1の手段で用いている基準電圧に
対して僅かにシフトさせた電圧を基準電圧として供給す
るようにしているのでマウスに適用しマウスをゆっ
くり操作させた場合においても、2つの2値位相パルス
信号間に所要の位相差が得られるようになり、マウスの
操作速度に関係なしに、2つの2値位相パルス信号を正
確に発生させることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0030】図1は、本発明による光学式ロータリーエ
ンコーダー用信号処理回路を備えたマウスの構成の一例
を示す概略構成図であって、(a)はその平面図、
(b)は受光素子を配置したパッケージを示す構成図で
ある。
【0031】図1において、1A、1B、2A、2Bは
受光素子、3、4は発光素子、11、12は円板状遮光
板(ロータリーエンコーダー板)、13、14は回転
軸、15、16は発光素子を配置したパッケージ、1
7、18は受光素子を配置したパッケージ、19は回転
可能なボール、20は付勢ローラ、21はスプリングで
あり、符号数字1乃至4、及び、11乃至18の中で、
奇数はX軸方向、偶数はY軸方向の構成要素を表わし、
符号末尾のアルファベットA、BはそれぞれA相側、B
相側の構成要素を表わしている。
【0032】そして、受光素子1A、1Bは、対を構成
している1つの受光素子の組であって、1つのチップ状
形成の2個のフォトトランジスタ等によって構成され、
それらは1つのパッケージ17中に配置されている。受
光素子2A、2Bも、対を構成する1つの受光素子の組
であって、同様に1つのチップ状形成の2個のフォトト
ランジスタ等によって構成され、それらは1つのパッケ
ージ18中に配置されている。発光素子3は、例えば、
1つのチップ状形成の発光ダイオード(LED)等から
なっており、1つのパッケージ15の中に配置されてい
る。同様に、発光素子4も、例えば、1つのチップ状形
成の発光ダイオード(LED)等からなっており、1つ
のパッケージ16の中に配置されている。
【0033】また、両遮光板11、12は、円周方向に
所定ピッチをもって多数のスリット(図示なし)が形成
配列され、その中心部にそれぞれ回転軸13、14の一
端が固定される。遮光板11の前記スリット配置部分に
は、パッケージ15、17が対向配置され、それによっ
て発光素子3と対を構成している受光素子1A、1Bの
組が前記スリット配置部分を挟むように対向配置され
る。同様に、遮光板12の前記スリット配置部分にも、
パッケージ16、18が対向配置され、それによって発
光素子4と対を構成している受光素子2A、2Bの組が
対向配置される。マウスケース内において、前記遮光板
11と回転軸13は回転自在に支承され、同様に、前記
遮光板12と回転軸14も回転自在に支承される。双方
の回転軸13、14の他端は、その周面が回転可能なボ
ール19に摩擦接触され、ボール19にはスプリング2
1の弾発力によって付勢ローラ20が圧接されている。
このため、ボール19は、常時両回転軸13、14方向
に適宜押圧バイアスされ、ボール19と両回転軸13、
14とが良好な摩擦接触を行なうように構成されてい
る。なお、両回転軸13、14は、互いに軸線がX軸方
向及びY軸方向を向くように直交配置されり、これらの
軸線に対してボール19は、前記スプリング21と付勢
ローラ20によって、前記X軸方向及びY軸方向の中間
の方向、即ち、略45度の方向から両回転軸13、14
に前記バイアス付勢されている。
【0034】前記構成によるマウスの動作は、既知のマ
ウスの動作とほぼ同様であるが、ここでは、その動作の
要点について説明する。
【0035】操作者がマウスを把持し、ベース板(図示
なし)上を摩擦摺動させると、前記ベース板との摩擦に
よってボール19が回転する。このボール19の回転に
伴って、ボール19に摩擦接触している2つの回転軸1
3、14が回転し、その回転により両遮光板11、12
も一体回転する。両遮光板11、12が回転すると、発
光素子3から対を構成している受光素子1A、1Bの組
に至る光、及び、発光素子4から対を構成している受光
素子2A、2Bの組に至る光が、それぞれ両遮光板1
1、12に設けている多数のスリットによって交互に遮
断もしくは透過するようになり、対を構成している両受
光素子1A、1Bの組、及び、対を構成している両受光
素子2A、2Bの組からは、それぞれ、前記光の遮断も
しくは透過に対応したA相信号及びB相信号が送出さ
れ、次続の本発明による信号処理回路に供給されるもの
である。なお、A相信号とB相信号との位相差がほぼ9
0°になるようにパッケージ17及び18中の受光素子
1A、1B及び2A、2Bが配置されている。
【0036】続く、図2は、本発明に係わる光学式ロー
タリーエンコーダー用信号処理回路の実施例の前提とな
る回路を示す回路構成図であって、X軸方向のA相信号
及びB相信号を処理する回路部分だけを詳細に示してい
るものである。
【0037】図2において、5A、5Bはエミッタ負荷
抵抗、6A、6Bは差動増幅器、7A、7Bは積分抵
抗、8は積分容量、9は発光素子3に流れる電流を制限
するバイアス抵抗であり、その他、図1に示された構成
要素と同じ構成要素には同じ符号を付けている。なお、
符号末尾のアルファベットA、BはそれぞれA相側、B
相側の構成要素を表わしている。
【0038】そして、受光素子1Aとエミッタ負荷抵抗
5A及び受光素子1Bとエミッタ負荷抵抗5Bは、とも
に電源ラインと接地間に直列接続され、受光素子1Aと
エミッタ負荷抵抗5Aの接続点イは差動増幅器(コンパ
レータ)6Aの非反転入力端子、及び、受光素子1Bと
エミッタ負荷抵抗5Bの接続点ロは差動増幅器(コンパ
レータ)6Bの非反転入力端子にそれぞれ接続される。
前記接続点イ、ロ間には、積分抵抗7A、7Bが直列接
続され、積分抵抗7A、7Bの接続点ハと接地間に積分
容量8が接続されるとともに、前記接続点ハは差動増幅
器6A及び6Bの反転入力端子に接続される。また、発
光素子3とバイアス抵抗9が電源ラインと接地間に直列
接続され、この発光素子3からの光が遮光板(図示な
し)のスリット配置部分を介して対を構成している受光
素子1A、1Bの組に投射されるように構成されてい
る。また、積分抵抗7A、7B及び積分容量8は積分回
路であって、この積分回路はA相側回路とB相側回路と
で共用されるものである。
【0039】なお、以上の構成は、X軸方向のA相信号
及びB相信号を処理する回路部分を示すものであるが、
Y軸方向のA相信号及びB相信号を処理する回路部分
(図示なし)も前記X軸側の回路部分と全く同様に構成
されているものである。
【0040】ここで、図3は、マウスを通常の操作速度
で操作した場合に、前提となる信号処理回路の動作時
に、各部に得られる信号波形の一例を示す信号波形図で
ある。
【0041】図3において、(a)は前記接続点イ、
ロ、ハに得られるA相信号、B相信号、基準電圧の各波
形、(b)はA相側の差動増幅器6Aの出力位相パルス
信号波形、(c)はB相側の差動増幅器6Bの出力位相
パルス信号波形である。
【0042】続いて、前提となる信号処理回路の動作
を、図3の信号波形図を併用して説明する。
【0043】始めに、操作者が、ベース板(図示なし)
上で、マウスを通常の操作速度によって移動させると、
その移動量及び移動方向に応じて、遮光板11、12
(図1参照)が回転し、この遮光板11の回転に伴っ
て、発光素子3から投射された光は前記遮光板11のス
リット部分の到来、非到来に対応して透過または遮光さ
れ、断続的に対を構成している受光素子1A、1Bの組
に供給される。受光素子1A、1Bの組は、発光素子3
から供給される光の断続に対応して導通度が変化し、受
光素子1A側の接続点イに、図3(a)のaに示される
ようなA相信号、受光素子1B側の接続点ロに、同じく
図3(a)のbに示されるようなB相信号がそれぞれ形
成される。次いで、このA相信号は、直接、差動増幅器
6Aの非反転入力に供給され、B相信号も、直接、差動
増幅器6Bの非反転入力に供給される。
【0044】また、A相信号は一方の積分抵抗7Aの一
端に、B相信号は他方の積分抵抗7Bの一端にそれぞれ
供給され、両積分抵抗7A、7Bと積分容量8とからな
る積分回路によって、A相信号及びB相信号の平均電圧
が積分される。その結果、接続点ハには図3(a)のc
に示されるようなA相信号とB相信号との平均積分電圧
が得られ、この平均積分電圧は比較基準電圧として双方
の差動増幅器3A、3Bの反転入力に供給される。
【0045】次に、差動増幅器6Aにおいては、前記平
均積分電圧を基準にしてA相信号の比較増幅が行なわ
れ、同様に、差動増幅器6Bにおいても、前記平均積分
電圧を基準にしてB相信号の比較増幅が行なわれる。こ
の場合、差動増幅器6A側においては、A相信号の振幅
が、前記平均積分電圧に等しいかまたはそれより大きい
とき、例えば、図3における時間t0 乃至t2 間、時間
4 乃至t6 の間等においては、差動増幅器6Aの出力
に得られる信号のレベルは1(例えば、5V)になり、
反対に、A相信号の振幅が、前記平均積分電圧に達しな
いとき、例えば、図3における時間t2 乃至t4 の間、
時間t6 乃至t8 の間等においては、差動増幅器6Aの
出力に得られる信号のレベルは0(例えば、0V)にな
って、差動増幅器6Aの出力には、A相信号の振幅に対
応してレベルの変化する、図3(b)に示されるような
第1の2値位相パルス信号が発生される。また、差動増
幅器6B側においても、差動増幅器6A側の動作と全く
同様の動作が行なわれ、同様に、差動増幅器6Bの出力
には、B相信号の振幅に対応してレベルの変化する、図
3(c)に示されるような第2の2値位相パルス信号が
発生される。
【0046】この場合、前提となる信号処理回路の動作
は、操作者が通常の操作速度をもってマウスを摺動操作
した場合のものであるので、A相信号及びB相信号の振
幅の変化が比較的速く、前記平均積分電圧の変化がA相
信号及びB相信号の振幅の平均の変化に完全に追従する
ことがない。即ち、図3(a)のa、b、cに示される
ように、前記平均積分電圧の変化の割合は、A相信号及
びB相信号の振幅の変化の割合に比べて緩慢であるた
め、A相信号及びB相信号に位相差があるときには、A
相信号と前記平均積分電圧の電圧レベルの一致点、及
び、B相信号と前記平均積分電圧の電圧レベルの一致点
は、時間的にずれるようになり、その結果、差動増幅器
6A、6Bの電圧比較増幅によって得られる2つの位相
パルス信号の位相もずれるようになるので、この位相ず
れを有する2つの位相パルス信号を、信号処理回路に次
続するコンピュータ等の制御手段に供給すれば、前記位
相パルス信号のパルス数及び位相ずれに基づいて、マウ
スのX軸方向の移動量及び移動方向の検出を行なうこと
ができる。
【0047】以上の説明は、X軸方向のA相信号及びB
相信号を比較増幅し、2つの位相パルス信号を発生させ
る信号処理を行なった場合であるが、Y軸方向のA相信
号及びB相信号を比較増幅し、2つの位相パルス信号を
発生させる場合には、図2のブロックで示された回路部
分において前記信号処理が行なわれる。そして、Y軸方
向の信号処理動作は、前述のX軸方向の信号処理動作と
全く同様であるので、Y軸方向の信号処理動作について
は説明を省略する。
【0048】このように、前提となる信号処理回路によ
れば、対を構成している受光素子1A、1B及び2A、
2Bとして、1つのチップ状形成の2個のフォトトラン
ジスタを配置したパッケージ17、18を用いているの
で、前記受光素子1A、1B及び2A、2Bの特性をほ
ぼ一致させることができるものである。このため、光学
的ロータリーエンコーダー信号処理回路の構成後に、積
分回路を構成する各回路素子の値を適宜調整する必要が
なくなり、その上、前記調整が不要になったことによ
り、A相側及びB相側の積分回路を共用させ、回路素子
を一部省略させることができる。
【0049】前提となる信号処理回路における前記動作
は、マウスを通常の操作速度で操作したときのものであ
るが、マウスをゆっくりした操作速度、即ち、通常の操
作速度よりかなり遅い速度で操作させると、前提となる
信号処理回路においては、前述の動作と異なる動作が
われるもので、以下、この点について図4を用いて説明
する。
【0050】図4は、マウスをゆっくりした操作速度で
操作した場合の前提となる信号処理回路の動作時に、各
部に得られる信号波形の一例を示す信号波形図である。
【0051】図4において、(a)は前記接続点イ、
ロ、ハに得られるA相信号、B相信号、基準電圧の各波
形、(b)はA相側の差動増幅器6Aの出力位相パルス
信号波形、(c)はB相側の差動増幅器6Bの出力位相
パルス信号波形である。
【0052】そして、マウスをゆっくりした操作速度で
操作した場合においても、本質的な動作は、前述のマウ
スを通常の操作速度で操作した場合の動作と同じであ
る。
【0053】しかるに、マウスをゆっくりした操作速度
で操作した場合は、A相信号及びB相信号の振幅の変化
が比較的遅く、前記A相信号及びB相信号を共通の積分
回路に供給することにより得られる平均積分電圧の変化
は、前記A相信号及びB相信号の振幅の平均の変化にほ
ぼ追従するようになる。
【0054】即ち、図4(a)のa、b、cに示される
ように、前記平均積分電圧の変化の時間的遷移は、A相
信号及びB相信号の各振幅が異なるときにはそれら2つ
の振幅のほぼ中間点を通り、また、A相信号及びB相信
号の振幅が一致するときにはその一致点を通るようにな
るので、A相信号とB相信号及び前記平均積分電圧の3
者の電圧レベルは、図4に示された時間t1 、t2 、t
3 、t4 において一致することになる。そして、前記3
者の電圧レベルが一致すると、差動増幅器6A、6Bの
電圧比較増幅によって得られる2つの位相パルス信号
は、A相信号及びB相信号の位相差に係わりなく、ほぼ
完全な逆位相のものになるので、前記2つの位相パルス
信号間に必要とする位相ずれを得ることができなくな
る。
【0055】このため、前記2つの位相パルス信号を信
号処理回路に次続するコンピュータ等の制御手段に供給
したとしても、前記2つの位相パルス信号間の正確な位
相ずれが検出されないため、マウスのX軸方向の移動量
及び移動方向の検出を行なうことができず、同様にし
て、マウスのY軸方向の移動量及び移動方向の検出を行
なうことができないという好ましくない事態が生じる。
【0056】図5は、本発明に係わる光学式ロータリー
エンコーダー用信号処理回路の実施例を示す回路構成
図であって、マウスをゆっくりした操作速度で操作した
場合においても、前記好ましくない事態が生じないよう
にしたものである。
【0057】図5において、9−1、9−2は発光素子
3に流れる電流を制限するバイアス抵抗、10はバッフ
ァ抵抗であり、その他、図2に示される構成要素と同じ
構成要素には同じ符号を付けている。
【0058】そして、本実施例と前提となる信号処理回
路(以下、これを前提回路という)との構成の違いは、
前提回路は、単一のバイアス抵抗9を用いているのに対
し、本実施例は、2つの直列接続のバイアス抵抗9−
1、9−2を用い、両バイアス抵抗9−1、9−2の接
続点ニをバッファ抵抗10を介して接続点ハに接続し、
前記接続点ハに得られる平均積分電圧をバッファ抵抗1
0によりわずかに減衰させるとともに微小な直流バイア
ス電圧を重畳させている点だけであって、その他、本実
施例と前提回路との間には、構成上の違いは見出せな
い。ここで、バッファ抵抗10及びバイアス抵抗9−
1、9−2は、図5における接続点ハの電圧の高い部分
では前記平均積分電圧よりわずかに減衰し、図5におけ
る接続点ハの電圧の低い(0V付近)部分では前記平均
積分電圧より、ほぼ微小な直流バイアス電圧分だけ高く
なるような抵抗値に選んでいる。なお、以下の説明にお
いては、前記平均積分電圧をバッファ抵抗10によりわ
ずかに減衰させるとともに微小な直流バイアス電圧を重
畳させた電圧を第2の平均積分電圧という。
【0059】なお、本実施例においても、前述の構成
は、X軸方向のA相信号及びB相信号を処理する回路部
分を示すものであるが、Y軸方向のA相信号及びB相信
号を処理する回路部分(図示なし)も前記X軸側の回路
部分と全く同様に構成されているものである。
【0060】続く、図6は、マウスをゆっくりした操作
速度で操作した場合において、本実施例の信号処理回路
の動作時に、各部に得られる信号波形の一例を示す信号
波形図である。
【0061】図6において、(a)は前記接続点イ、
ロ、ハに得られるA相信号、B相信号、基準電圧の各波
形、(b)はA相側の差動増幅器(コンパレータ)6A
の出力位相パルス信号波形、(c)はB相側の差動増幅
器(コンパレータ)6Bの出力位相パルス信号波形であ
る。
【0062】ここで、本実施例の動作を図6の信号波形
図を併用して説明する。
【0063】いま、マウスをゆっくりした操作速度で操
作したとすると、対を構成している受光素子1A、1B
から得られるA相信号及びB相信号の振幅の変化は比較
的遅く、また、前記A相信号及びB相信号及び微小な直
流バイアス電圧を共通の積分回路に供給することにより
得られる第2の平均積分電圧の変化は、実質的に前記A
相信号及びB相信号の振幅の平均の変化にほぼ追従する
ようになる。
【0064】即ち、図6(a)のa、b、cに示される
ように、前記第2の平均積分電圧の変化の時間的遷移
は、A相信号及びB相信号の各振幅が電圧の高い部分で
交差する付近ではバッファ抵抗10により前記平均積分
電圧はわずかに減衰するので負側にシフトした各点を通
り、A相信号及びB相信号の各振幅が電圧の低い部分で
交差する付近では前記微小な直流バイアス電圧分だけ正
側にシフトした点を通るようになるので、A相信号と前
記第2の平均積分電圧の電圧レベルは、図6に示された
時間t2 、t4 、t6 、t8 等において一致し、一方、
B相信号と前記第2の平均積分電圧の電圧レベルは、図
6に示された時間t1 、t3 、t5 、t7等において一
致するようになる。
【0065】このため、差動増幅器6A、6Bの電圧比
較増幅によって得られる2つの位相パルス信号は、A相
信号及びB相信号の位相差に依存した位相ずれを有する
ようになり、前記2つの位相パルス信号を信号処理回路
に次続するコンピュータ等の制御手段に供給すれば、前
記2つの位相パルス信号間の正確な位相ずれを検出する
ことができ、マウスのX軸方向の移動量及び移動方向の
検出を行なうことができる。また、同様にして、Y軸方
向についても、マウスの移動量及び移動方向の検出を行
なうことができる。
【0066】以上、本実施例については、マウスをゆっ
くりした操作速度で操作したときの動作について説明し
たが、本実施例において、マウスを通常の操作速度で操
作したときの動作は、前提となる信号処理回路において
マウスをゆっくりした操作速度で操作したときの動作
(図3参照)とほぼ同様の動作であることは明らかであ
り、結局のところ、本実施例は、マウスの操作速度に係
わりなく、X軸方向及びY軸方向のそれぞれ2つの差動
増幅器の6A、6Bの出力として、正確な位相ずれを有
する2つの位相パルス信号を発生させることができ、そ
れによってX軸方向及びY軸方向のマウスの移動量及び
移動方向の検出を行なうことができるものである。
【0067】なお、前記実施例においては、光学的ロー
タリーエンコーダー用信号処理回路をマウスに組み込ん
だ場合について説明したが、本発明による前記信号処理
回路はマウスに適用する場合に限られるものではなく、
トラックボール等の他の入力装置(X−Y座標入力装
置)等やその他の機器にも同様に適用できることは明ら
かである。
【0068】また、前記実施例においては、対を構成し
ている受光素子1A、1B及び2A、2Bを投射する発
光素子3、4として単独の素子を利用した場合について
説明したが、本発明はそのような例に限られるものでは
なく、対を構成している受光素子1A、1B及び2A、
2Bに対して、それぞれ対を構成した発光素子3、4を
用いるようにしても構わない。
【0069】さらに、本発明は、2つの差動増幅器6
A、6Bに共用の積分回路の構成や、微小な直流バイア
ス電圧を与える回路の構成についても、前記実施例に示
すものに限られるものではなく、その機能を損なわない
範囲内において適宜変更することができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
対を構成している受光素子1A、1B及び2A、2Bと
して、特性上のバラツキがないものを用いているので、
前記受光素子1A、1B及び2A、2Bから得られるA
相信号及びB相信号を信号処理回路に供給し、第1及び
第2の2値位相パルス信号を発生させた場合に、この第
1及び第2の2値位相パルス信号間に不所望な位相差が
生じることがなくなる。このため、この種の既知の信号
処理回路において行なわれていた、積分回路を構成する
各回路素子の値の調整の必要がなくなって、信号処理回
路の製造時の手間を必要最小限に留めることができ、か
マウスに適用した場合にマウスの移動方向及びそ
の移動量を正確に算出することができるという効果があ
る。
【0071】また、この場合、信号処理回路におけるA
相側及びB相側の差動増幅器6A、6Bに、A相信号及
びB相信号の平均積分電圧を基準電圧として供給し、こ
の基準電圧に基づいてA相信号またはB相信号を比較増
幅するようにしているので、前記2つの差動増幅器6
A、6Bの積分回路を一部共用させることが可能にな
り、その分、積分回路を構成する回路素子を減らし、信
号処理回路を簡素化させることができるという効果があ
る。
【0072】さらに、本発明によれば、前記各効果に加
えて、A相側及びB相側の差動増幅器6A、6Bに、A
相信号及びB相信号の平均積分電圧に微小な直流バイア
ス電圧を重畳した電圧、即ち基準電圧に対して僅かに
シフトさせた電圧を基準電圧として供給しているので
マウスに適用しマウスをゆっくり操作させた場合にお
いても、2つの2値位相パルス信号間に所要の位相差が
得られ、マウスの操作速度に関係なしに、2つの2値位
相パルス信号を正確に発生させることができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学式ロータリーエンコーダー用
信号処理回路を備えたマウスの構成の一例を示す概略構
成図である。
【図2】本発明に係わる光学式ロータリーエンコーダー
用信号処理回路の前提となる回路を示す回路構成図であ
る。
【図3】マウスを通常の操作速度で操作した場合に、図
1に示された信号処理回路の動作時に各部に得られる信
号波形の一例を示す信号波形図である。
【図4】マウスをゆっくりした操作速度で操作した場合
に、図1に示された信号処理回路の動作時に各部に得ら
れる信号波形の一例を示す信号波形図である。
【図5】本発明に係わる光学式ロータリーエンコーダー
用信号処理回路の実施例を示す回路構成図である。
【図6】マウスをゆっくりした操作速度で操作した場合
に、図5に示された信号処理回路の動作時に各部に得ら
れる信号波形の一例を示す信号波形図である。
【図7】既知の光学式ロータリーエンコーダーを有する
X−Y座標入力装置(マウス)の概略構成の一例を示す
平面図である。
【図8】既知の光学式ロータリーエンコーダー用信号処
理回路の一例を示す回路構成図である。
【符号の説明】
1A、1B 1つの対を構成している受光素子 2A、2B もう1つの対を構成している受光素子 3、4 発光素子 5A、5B エミッタ負荷抵抗 6A、6B 差動増幅器(コンパレータ) 7A、7B 積分抵抗 8 積分容量 9、9−1、9−2 バイアス抵抗 10 バッファ抵抗 11、12 円板状遮光板(ロータリーエンコーダー
板) 13、14 回転軸 15、16 発光素子を配置したパッケージ 17、18 受光素子を配置したパッケージ 19 ボール 20 付勢ローラ 21 スプリング

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のスリットを有する遮光板を介して
    発光素子に対向配置される一対の受光素子と、これら一
    対の受光素子からそれぞれ出力される2つの検出信号
    基準電圧と比較増幅し、それぞれの出力に2値位相パ
    ルス信号を発生させる一対の差動増幅器とを備えた光学
    式ロータリーエンコーダー用信号処理回路において、前
    記一対の受光素子は、特性の揃ったものが用いられ、か
    つ、前記一対の差動増幅器は、一方の入力に前記2つの
    検出信号がそれぞれ供給され、他方の入力に前記一対の
    差動増幅器に共通の積分回路を介して前記2つの検出信
    号の平均積分電圧微小な直流バイアス電圧との重畳
    圧が基準電圧として供給されることを特徴とする光学式
    ロータリーエンコーダー用信号処理回路。
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