JP3058669B2 - 加速度脈波検出装置 - Google Patents

加速度脈波検出装置

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昌幸 篠田
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、生体の加速度脈波を検出する装置に関する
ものである。
従来の技術およびその課題 生体の血液循環状態を把握するために加速度脈波が用
いられる場合がある。たとえば、その加速度脈波は、通
常、末梢部の容積脈波が検出され、且つその容積脈波に
微分演算が2回施されることによって加速度脈波を得る
一方、この加速度脈波の波形が末梢血管の抵抗や静脈圧
などの影響を受けて変化することを利用して末梢循環状
態を判断するのである。ところで、そのような方式で
は、加速度脈波形状に生体の動脈硬化度、年齢、性別な
どの固体差が存在することから、この固体差の影響によ
り末梢循環状態の把握が困難となる場合があるため、末
梢血管状態の影響を受け難い比較的太い動脈から発生す
る加速度脈波をその生体の基準として用い、その基準的
な加速度脈波と末梢部の容積脈波から得られた加速度脈
波とを比較することにより、固体差を解消することが考
えられる。
発明が解決すべき課題 しかしながら、上記末梢血管状態の影響を受け難い比
較的太い動脈から発生する脈波を正確に得ることは、カ
テーテルを用いる直接法を適用することが考えられる
が、専門家による操作を必要として、極めて煩雑であっ
た。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、末梢血管状態の影響を受
け難い比較的太い動脈から発生する脈波に基づいて加速
度脈波を簡単に得ることがきる加速度脈波検出装置を提
供することにある。
課題を解決するための手段 本発明者は、上記の事情を背景として種々検討を重ね
た結果、血圧測定に用いるカフの圧迫圧力を生体の平均
血圧値に保持したとき、そのカフの圧力振動として表れ
る脈波形状が、直接法により得られる脈波の形状と比較
的正確に一致することから、そのカフから得られる脈波
に2次微分を施すことにより、生体の比較的太い動脈か
らの加速度脈波が容易に得られることを見出した。本発
明はかかる知見に基づいて為されたものである。
すなわち、本発明の要旨とするところは、生体の加速
度脈波を検出する加速度脈波検出装置であって、(a)
前記生体の末梢部の毛細血管内の血液容積の変化である
容積脈波を検出する容積脈波センサと、(b)前記生体
の一部に巻回されるカフを有し、そのカフにより生体の
一部を圧迫させる圧迫装置と、(c)前記生体の心拍に
同期して前記カフ内に発生する圧力振動する脈波を検出
する脈波検出手段と、(d)前記カフによる圧迫過程で
発生する脈波の大きさに基づいて前記生体の平均血圧値
を決定する平均血圧値決定手段と、(e)前記圧迫装置
に前記カフの圧力を前記平均血圧値付近の値に保持させ
た状態で前記脈波検出手段により検出された脈波に2次
微分を施して第1加速度脈波を発生させるとともに、前
記容積波センサにより検出された容積脈波に2次微分を
施して第2加速度脈波を発生させる演算制御手段と、
(f)その演算制御手段により発生された第1加速度脈
波および第2加速度脈波に基づいて、前記生体の末梢循
環状態を決定する決定手段とを、含むことにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、演算制御手段により、カフの圧力
が生体の平均血圧値付近の値に保持させられた状態で前
記脈波検出手段により検出された脈波に2次微分が施さ
れることにより第1加速度脈波が発生させられるととも
に、容積脈波センサにより検出された容積脈波に2次微
分が施されることにより第2加速度脈波が発生させられ
る。このカフの圧力が生体の平均血圧値付近の値に保持
させられた状態で前記脈波検出手段により検出された脈
波は、直接法により得られた脈波と殆ど一致するほど正
確な波形であるので、その脈波から得られた第1加速度
脈波は直接法の脈波から得られた加速度脈波と同様であ
る。したがって、本発明の加速度脈波検出装置によれ
ば、末梢血管状態の影響を受け難い比較的太い動脈から
発生する脈波に基づいて加速度脈波を簡単に得ることが
できるのである。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面を基づいて詳細に説明
する。
第1図において、生体の手足の基部、たとえば上腕部
に巻回されるカフ10は、カフ10内の圧力を検出して圧力
信号SPを発生させる圧力センサ12と、カフ10内の圧力を
制御する流量制御弁14と、カフ10内に圧力供給するポン
プ16と管路18を介して接続されている。
上記圧力センサ12から出力された圧力信号SPは、生体
の心拍に同期して圧力振動である脈波の周波数成分を通
過させるための帯域フィルタ20と、カフ10内の静圧成分
を通過させるためのローパスフィルタ22とに供給され
る。それら帯域フィルタ20により弁別された脈波信号SM
およびローパスフィルタ22により弁別されたカフ圧信号
SKは、A/D変換器24によりデジタル信号に変換された
後、CPU26に供給される。
指尖脈波センサ28から出力された容積脈波信号SYは、
その容積脈波の周波数成分を通過させる帯域フィルタ30
を通してA/D変換器32に供給され、そこでデジタル信号
に変換された後、前記CPU26に供給される。本実施例で
は、上記指尖脈波センサ28は、生体の末梢部の毛細血管
内の血管容積の変化を検出する容積脈波センサとして機
能するものであり、手または足の指先の容積脈波を赤外
線の透過光量或いは反射光量の変化やインピーダンスの
変化に基づいて検出するように構成されている。
上記CPU26は、ROM34、RAM36、および出力インターフ
ェース38などととも所謂マイクロコンピュータから成る
電子制御装置を構成しており、RAM36の一時記憶機能を
利用しつつ予めROM34に記憶されたプログラムに従って
入力信号を処理し、流量制御弁14およびポンプ16を作動
させて血圧測定を実行し、血圧値を表示器40に表示させ
る一方、第1および第2加速度脈波を算出して被測定者
の末梢循環状態を表示器40に表示させる。
第2図は、上記のように構成された末梢循環状態検出
装置に含まれる加速度脈波検出装置の機能ブロック線図
である。図において、圧迫装置50は、生体の一部を圧迫
するためのものであり、カフ10、前記流量制御弁14、ポ
ンプ16などに対応している。また、平均血圧値決定手段
52では、帯域フィルタ20に対応する脈波検出手段54によ
り検出された脈波の大きさに基づいて平均血圧値が決定
される。そして、演算制御手段56では、圧迫装置50にカ
フ10の圧力を生体の平均血圧値に保持させた状態で、脈
波検出手段54により検出された脈波に2次微分が施され
ることにより第1加速度脈波が発生させられるととも
に、指尖脈波センサ28により検出された容積脈波に2次
微分が施されることにより第2加速度脈波が発生させら
れる。また、決定手段58では、それら第1加速度脈波お
よび第2加速度脈波に基づいて、生体の末梢循環状態が
決定される。
以下、本実施例の作動を第3図のフローチャートに従
って説明する。
前記平均血圧値決定手段52に対応するステップS1の血
圧値決定ルーチンでは、よく知られた順序に従って流量
制御弁14およびポンプ16が作動させられることにより、
カフ10の圧力が被測定者の最高血圧値よりも高く昇圧さ
せられた後に徐々に降圧させられ、この徐速降圧過程で
前記脈波信号SMおよびカフ圧信号SKが逐次読み込まれ
る。そして、オシロメトリック法に従い、たとえば上記
脈波信号SMの振幅値の増加過程および減少過程において
その振幅の差分の最大点のカフ圧が最高血圧値および最
低血圧値として決定され、また、上記脈波信号SMの振幅
の最大点のカフ圧が平均血圧値といて決定される。
続くステップS2では、再びポンプ16を起動させてカフ
10を昇圧させることにより平均血圧値を上回る圧力と
し、次いで流量調節弁14を操作することにより、カフ10
内の圧力を上記のステップS1において決定された平均血
圧値と同じ値とし、そこで流量調節弁14を全閉状態とす
ることにより、カフ10の圧力を平均血圧値に保持する。
そして、このようにカフ10内の圧力が平均血圧値に保持
された状態で、ステップS3では、カフ10の圧力振動であ
る脈波信号SMが読み込まれるとともに、続くステップS4
では、その脈波信号SMに微分処理を2回施す2次部分が
行われることにより第4図の上段に示す第1加速度脈波
が発生させられる。上記のようにステップS2乃至S4は、
前記演算制御手段56に対応している。
次いで、ステップS5では、前記容積脈波信号SYが読み
込まれるとともに、ステップS6では、その容積脈波信号
SYに2次微分が施されることにより、第4図の下段に示
す第2加速度脈波が発生させられる。ステップS5および
S6も前記演算制御手段56に対応する。そして、前記決定
手段58に対応するステップS7では、上記第1加速度脈波
および第2加速度脈波との差異が求められ、それらの差
異に基づいて被測定者の末梢循環状態が検出され、そし
てその末梢循環状態が表示器40に表示される。
すなわち、上記第1加速度脈波は、上腕部における比
較的太い動脈内の血圧或いは血液容積の変化加速度を表
しており、末梢血管の流通抵抗の影響をそれほど受けな
い心拍出圧力或いは量に対応している。これに対し、第
2加速度脈波は、末梢血管内の容積変化加速度を表して
おり、末梢血管の流通抵抗や静脈側の圧力の影響を受け
ていると考えられる。このため、上記第1加速度脈波お
よび第2加速度脈波との差、たとえば各ピーク或いは特
定のピークにおける振幅差或いは位相差は、上記末梢血
管の流通抵抗や静脈側の圧力の影響を表すものであるか
ら、たとえば、前記ステップS7では、上記各ピークの振
幅差或いは位相差が求められ、それらが予め実験的に定
められた判断基準値を超えたことをもって末梢循環状態
が異常であると判断されるのである。
上述のように、本実施例によれば、ステップS2により
カフの圧力が生体の平均血圧値に保持させられた状態で
ステップS4において脈波検出手段54により検出された脈
波に2次微分が施されることにより加速度脈波が発生さ
せられる。このカフ10の圧力が生体の平均血圧値に保持
させられた状態で検出された脈波は、直接法により得ら
れた脈波と殆ど一致するほど正確な波形であるので、そ
の脈波から得られた第1加速度脈波は直接法の脈波から
得られた加速度脈波と同様である。したがって、本実施
例の加速度脈波検出装置によれば、末梢血管状態の影響
を受け難い比較的太い動脈から発生する脈波に基づいて
加速度脈波を簡単に得ることができるのである。
以上、本発明の一実施例を示す図面に基づいて説明し
たが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例において、カフ10は上腕部に
巻回されていたが、足に巻回されてもよいのである。
また、前述の実施例では、手または足の指先から指尖
脈波を検出する指尖脈波センサ28が用いられていたが、
額或いは手足などの皮膚の上において反射光の変化に基
づいて末梢血管内の血液容積の変化である容積脈波を検
出するものであってもよいのである。
また、前述の実施例ではカフ10の圧力が平均血圧値に
保持された状態で脈波が検出されていたが、完全に一致
させる必要はなく、その付近の値、例えば10%程度の範
囲内の値であればよいのである。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を含む末梢循環状態検出装
置の構成を説明するブロック線図である。第2図は、第
1図の実施例の機能を説明する機能ブロック線図であ
る。第3図は、第1図の装置の作動を説明するフローチ
ャートである。第4図は、第2図の作動により得られる
加速度脈波の例を示す図である。 10:カフ 28:指尖脈波センサ(容積脈波センサ) 50:圧迫装置 52:平均血圧値決定手段 54:脈波検出手段 56:演算制御手段 58:決定手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/02 - 5/0295

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体の加速度脈波を検出する加速度脈波検
    出装置であって、 前記生体の末梢部の毛細血管内の血液容積の変化である
    容積脈波を検出する容積脈波センサと、 前記生体の一部に巻回されるカフを有し、該カフにより
    該生体の一部を圧迫させる圧迫装置と、 前記生体の心拍に同期して前記カフ内に発生する圧力振
    動である脈波を検出する脈波検出手段と、 前記カフによる圧迫過程で発生する脈波の大きさに基づ
    いて前記生体の平均血圧値を決定する平均血圧値決定手
    段と、 前記圧迫装置に前記カフの圧力を前記平均血圧値付近の
    値に保持させた状態で前記脈波検出手段により検出され
    た脈波に2次微分を施して第1加速度脈波を発生させる
    とともに、前記容積脈波センサにより検出された容積脈
    波に2次微分を施して第2加速度脈波を発生させる演算
    制御手段と、 該演算制御手段により発生された第1加速度脈波および
    第2加速度脈波に基づいて、前記生体の末梢循環状態を
    決定する決定手段と を、含むことを特徴とする加速度脈波検出装置。
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