JP3058505B2 - 13c標識化合物の製造方法 - Google Patents

13c標識化合物の製造方法

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JP3058505B2
JP3058505B2 JP4075612A JP7561292A JP3058505B2 JP 3058505 B2 JP3058505 B2 JP 3058505B2 JP 4075612 A JP4075612 A JP 4075612A JP 7561292 A JP7561292 A JP 7561292A JP 3058505 B2 JP3058505 B2 JP 3058505B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、13C標識化合物の製造
方法に関し、詳しくは特定位置の炭素が13Cで特異的に
標識された13C標識化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】例えば、13C標識フルク
トース−6−リン酸の製造方法として、従来化学的合成
法が知られているが、フルクトースには4個の不斉炭素
があり、それによって16種の光学異性体が存在するた
め位置特異的に標識したフルクトースを化学的に合成す
るには数多くの反応ステップが必要で、生産物の光学純
度は必ずしも高くない。
【0003】特開昭62−130692号公報には、13
CラベルC1 化合物を含む増殖炭素源を含有する栄養培
地中でメチロトローフ性微生物を培養することからな
る、同位体でラベルされた生化学製品の製造方法が開示
されている。
【0004】特開昭62−130692号公報には同化
性Cn 化合物と13CラベルC1 化合物とを含有する栄養
培地中でメチルトローフ性微生物を培養して、蓄積した
量の13CラベルCn+1 縮合生成物を得ることからなる、
生物学的転化方法(ただしnは2以上の整数を意味す
る)が開示されている。
【0005】特開昭62−130692号公報には、第
5頁右上欄第8行〜同第12行において、『本明細書で
使用した「リブロース−リン酸経路」(RMP)とは、
ホルムアルデヒド3分子が縮合してピルビン酸1分子
か、またはジヒドロキシアセトンリン酸1分子のいずれ
かを生成する生化学回路を意味する。』と記載されてい
る。
【0006】特開昭62−130692号公報には、第
7頁左下欄第16行〜同右下欄第5行において、ヘキシ
ュロース−6−リン酸がヘキシュロースリン酸シンター
ゼの触媒作用による生成物であること、およびヘキシュ
ロース−6−リン酸はヘキシュロースリン酸イソメラー
ゼによりグルコース6−リン酸に転化されることについ
て教示されている。
【0007】しかしながら、特開昭62−130692
号公報には、特定の酵素系に13C標識メタノールあるい
13C標識ホルムアルデヒドおよびリボース−5−リン
酸を添加反応させてC−1位が特異的に13Cで標識され
たフルクトース−6−リン酸あるいは、C−1位が特異
的に13Cで標識されたグルコース−6−リン酸が得られ
ることについては具体的な記載も、それを示唆する記載
もない。ちなみに、上記特開昭62−130692号公
報に記載された方法は、13C−メタノールを栄養源とし
て、ユニホームのグルコースを製造する方法であって、
C−1位が特異的に標識されたものを得ることは不可能
である。
【0008】特開昭62−130692号公報には、実
施例において、13C−メタノールを増殖炭素源、すなわ
ち栄養源として使用して一定条件下に醗酵させて13C−
グルコースを主成分とするエキソ多糖を得ることができ
る旨記載されているが、ここに得られる13C−グルコー
スは13Cで均一に標識されたものであって、C−1位の
炭素が13Cで特異的に標識されたグルコースを得ること
は不可能である。
【0009】特定位置の炭素が13Cで特異的に標識され
13C標識化合物は、13Cで均一に標識されたもの、14
C標識化合物などに比較して、核磁気共鳴装置、質量分
析計などを用いて生物のエネルギー代謝系の研究を行な
う場合、より多くの定性的かつ定量的な有益な情報を得
ることが可能となり、生体反応の研究から医療分野へと
様々な分野で利用することが可能であって、その工業的
に有利な製造方法が要望されている。
【0010】例えば、そのC−1位が特異的に13Cで標
識された13C標識フルクトース−6−リン酸または13
標識グルコース−6−リン酸は、解糖系の代謝中間体で
もあり、生物のエネルギー代謝系の研究を行なう際に有
用であり、生体内でのフルクトース−6−リン酸または
グルコース−6−リン酸の変化の過程を質量分析計、核
磁気共鳴装置などを用いて追跡する際には、フルクトー
ス−6−リン酸またはグルコース−6−リン酸の特定位
置の炭素が13Cで特異的に標識されたものが望ましく、
その工業的に有利な製造方法が要望されている。
【0011】本発明は、特定位置の炭素が特異的に13
で標識された13C標識化合物、例えばC−1位が特異的
13Cで標識された13C標識フルクトース−6−リン酸
または13C標識グルコース−6−リン酸の工業的に有利
な製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本発明は第1に、EC
1群に属し、アルコール系13C標識炭素源化合物をアル
デヒド系13C標識炭素源化合物とするオキシダーゼ酵
素、好ましくはさらにカタラーゼおよび過酸化水素と、
EC4群に属し、炭素−炭素結合を合成できるリアーゼ
酵素と、EC5群に属し、反応基質を異性化できるイソ
メラーゼ酸素の少くとも1種とよりなる酵素系、13C標
識炭素源化合物および反応基質を反応させて特定位置の
炭素が13Cで特異的に標識された13C標識化合物を得る
ことを特徴とする13C標識化合物の製造方法を提供する
ものである。
【0013】本発明は、第1の発明の好ましい態様とし
て、アルコールオキシダーゼ好ましくはさらにカタラー
ゼおよび過酸化水素と、ホスホリボイソメラーゼ、ヘキ
シュロースリン酸シンターゼおよびホスホヘキシュロイ
ソメラーゼよりなるメタノール資化性細菌のホルムアル
デヒド固定酵素系との存在下、13C標識メタノールおよ
びリボース−5−リン酸を反応させてC−1位が特異的
13Cで標識されたフルクトース−6−リン酸を得るこ
とを特徴とする13C標識化合物の製造方法を提供するも
のである。
【0014】本発明は、第1の発明の好ましいもう一つ
の態様として、アルコールオキシダーゼ好ましくはさら
にカタラーゼおよび過酸化水素と、ホスホリボイソメラ
ーゼ、ヘキシュロースリン酸シンターゼ、ホスホヘキシ
ュロイソメラーゼおよびホスホグルコイソメラーゼより
なるメタノール資化性細菌のホルムアルデヒド固定酸素
系との存在下、13C標識メタノールおよびリボース−5
−リン酸を反応させてC−1位が特異的に13Cで標識さ
れたグルコース−6−リン酸を得ることを特徴とする13
C標識化合物の製造方法を提供するものである。
【0015】本発明は、第2に第1のイソメラーゼ酵素
を用いて反応基質を異性化し、異性化された反応基質
に、リアーゼ酵素の存在下、アルコール系13C標識炭素
源化合物をオキシダーゼ酵素、好ましくはさらにカタラ
ーゼおよび過酸化水素の存在下に反応させて得られるア
ルデヒド系13C標識炭素源化合物を添加・反応させて特
定位置の炭素が13Cで特異的に標識された中間体を得、
次いで第2のイソメラーゼ酵素を添加・反応させて特定
位置の炭素が13Cで標識された13C標識化合物を得るこ
とを特徴とする13C標識化合物の製造方法を提供するも
のである。
【0016】本発明は、第2の発明の好ましい態様とし
て、リボース−5−リン酸をホスホリボイソメラーゼに
より異性化してリブロース−5−リン酸とし、次いでヘ
キシュロースリン酸シンターゼと13C標識メタノールを
アルコールオキシダーゼ好ましくはさらにカタラーゼお
よび過酸化水素の存在下に反応させて得られる13C標識
ホルムアルデヒドとを添加・反応させてC−1位が特異
的に13Cで標識された13C標識ヘキシュロース−6−リ
ン酸を生成させ、次いでホスホヘキシュロイソメラーゼ
により異性化してC−1位が特異的に13Cで標識された
フルクトース−6−リン酸を得ることを特徴とする13
標識化合物の製造方法を提供するものである。
【0017】本発明は、第3に、第1のイソメラーゼ酵
素を用いて反応基質を異性化し、異性化された反応基質
に、リアーゼ酵素の存在下、アルコール系13C標識炭素
源化合物をオキシダーゼ酵素、好ましくはさらにカタラ
ーゼおよび過酸化水素の存在下に反応させて得られるア
ルデヒド系13C標識炭素源化合物を添加・反応させて特
定位置の炭素が13Cで特異的に標識された第1中間体を
得、次いで第2のイソメラーゼ酵素を添加・反応させて
特定位置の炭素が13C標識された第2中間体を得、次い
で第3のイソメラーゼ酵素を添加・反応させて特定位置
の炭素が13Cで標識された13C標識化合物を得ることを
特徴とする13C標識化合物の製造方法を提供するもので
ある。
【0018】本発明は、第3の発明の好ましい態様とし
て、リボース−5−リン酸をホスホリボイソメラーゼに
より異性化してリブロース−5−リン酸とし、次いでヘ
キシュロースリン酸シンターゼと13C標識メタノールを
アルコールオキシダーゼ好ましくはさらにカタラーゼお
よび過酸化水素の存在下に反応させて得られる13C標識
ホルムアルデヒドとを添加・反応させてC−1位が特異
的に13Cで標識された13C標識ヘキシュロース−6−リ
ン酸を生成させ、次いでホスホヘキシュロイソメラーゼ
により異性化してC−1位が特異的に13Cで標識された
フルクトース−6−リン酸を生成させ、次いでホスホグ
ルコイソメラーゼにより異性化してC−1位が特異的に
13Cで標識されたグルコース−6−リン酸を得ることを
特徴とする13C標識化合物の製造方法を提供するもので
ある。
【0019】本発明は、第4に、EC4群に属し、炭素
−炭素結合を合成できるリアーゼ酵素と、EC5群に属
し、反応基質を異性化できるイソメラーゼ酸素の少くと
も1種とよりなる酵素系、アルデヒド系13C標識炭素源
化合物および反応基質を反応させて特定位置の炭素が13
Cで特異的に標識された13C標識化合物を得ることを特
徴とする13C標識化合物の製造方法を提供するものであ
る。
【0020】本発明は、第4の本発明の好ましい態様と
して、ホスホリボイソメラーゼ、ヘキシュロースリン酸
シンターゼ、ホスホヘキシュロイソメラーゼおよびホス
ホグルコイソメラーゼよりなるメタノール資化性細菌の
ホルムアルデヒド固定酵素系、13C標識ホルムアルデヒ
ドおよびリボース−5−リン酸を反応させてC−1位が
特異的に13Cで標識されたグルコース−6−リン酸を得
ることを特徴とする13C標識化合物の製造方法を提供す
るものである。
【0021】本発明は、第5に第1のイソメラーゼ酵素
を用いて反応基質を異性化し、異性化された反応基質に
アルデヒド系13C標識炭素源化合物を添加・反応させて
特定位置の炭素が13Cで特異的に標識された第1の中間
体を得、次いで第2のイソメラーゼ酵素を添加・反応さ
せて特定位置の炭素が13Cで特異的に標識された第2の
中間体を得、次いで第3のイソメラーゼ酵素を添加・反
応させて特定位置の炭素が13Cで特異的に標識された13
C標識化合物を得ることを特徴とする13C標識化合物の
製造方法を提供するものである。
【0022】本発明は、第5の発明の好ましい態様とし
て、リボース−5−リン酸をホスホリボイソメラーゼに
より異性化してリブロース−5−リン酸とし、次いでヘ
キシュロースリン酸シンターゼおよび13C標識ホルムア
ルデヒドを添加・反応させてC−1位が特異的に13Cで
標識された13C標識ヘキシュロース−6−リン酸を生成
させ、次いでホスホヘキシュロイソメラーゼにより異性
化してC−1位が特異的に13Cで標識されたフルクトー
ス−6−リン酸を生成させ、次いでホスホグルコイソメ
ラーゼにより異性化してC−1位が特異的に13Cで標識
されたグルコース−6−リン酸を得ることを特徴とする
13C標識化合物の製造方法を提供するものである。
【0023】本発明において、EC1群に属し、アルコ
ール系13C標識化合物をアルデヒド系13C標識化合物と
するオキシダーゼ酵素としては、例えば13C標識メタノ
ールを13C標識ホルムアルデヒドとなしうるものとし
て、アルコールデヒドロゲナーゼおよびアルコールオキ
シダーゼがあげられる。該オキシダーゼ酵素は、カタラ
ーゼおよび過酸化水素の共存下に使用するのが好まし
い。
【0024】本発明において、EC4群に属し、炭素−
炭素結合を合成できるリアーゼ酵素の例として、ヘキシ
ュロースリン酸シンターゼ、ホスホリボシルアミノイミ
ダゾールカルボキシラーゼ、ホスホエノールビルビン酸
カルボキシキラーゼ、リブロースビスリン酸カルボキシ
ラーゼ、ケトテトロースリン酸アルドラーゼ、トレオニ
ンアルドラーゼ、フルクトースビスリン酸アルドラー
ゼ、ホスホ−2−ケト−3デオキシグルコネートアルド
ラーゼ、フクロースリン酸アルドラーゼ、2−ケト−3
−デオキシ−L−ペントネートアルドラーゼ、L−ラム
ニュロース−1−−リン酸アルドラーゼ、2−ケト−3
−デオキシ−D−グルカル酸アルドラーゼ、6−ホスホ
−2−ケト−3−デオキシ−ガラクトネートアルドラー
ゼ、フルクトース−6−リン酸ホスホケトラーゼ、3−
デオキシ−D−マンノ−オクチュロリン酸アルドラー
ゼ、フェニルセリンアルドラーゼ、2−ケト−3−デオ
キシ−D−ペントネートアルドラーゼ、ホスホ−5−ケ
ト−2−デオキシ−グルコネートアルドラーゼ、17α
−ヒドロキシプロゲステロンアルドラーゼ、2−オキソ
−4−ヒドロキシグルタル酸アルドラーゼ、トリメチル
アミン−オキシドアルドラーゼ、イソクエン酸リアー
ゼ、マレートシンセターゼ、N−アセチルノイラミン酸
リアーゼ、クエン酸リアーゼ、クエン酸シンテターゼ、
3−ヒドロキシアスパレートアルドラーゼ、4−ヒドロ
キシ−2−オキソグルタレートアルドラーゼ、N−アセ
チルノイラミネートシンターゼ、マリールCoAリアー
ゼ、3−ヒドロキシ−3−イソヘキセニルグルタリル−
CoAリアーゼ、メチル酢酸シンターゼ、デオキシリポ
ジプリミジンホトリアーゼ、フマル酸ヒドラターゼ、カ
ーボネイトジヒドラターゼ、アコニット酸ヒドラター
ゼ、シスタチオニン−β−シンターゼ、ラクトイルグル
タチオンリアーゼなどがあげられるが、これらのうち増
炭反応による13C標識化合物の合成の場合には、反応基
質の一方が13C標識炭素源として容易に合成できる点
で、ヘキシュロースリン酸シンターゼ、リプロースビス
リン酸カルボキシラーゼ、ケトテトロースリン酸アルド
ラーゼ、フルクトースビスリン酸アルドラーゼ、フクロ
ースリン酸アルドラーゼ、2−ケト−3−デオキシ−D
−グルカル酸アルドラーゼ、6−ホスホ−2−ケト−3
−デオキシ−ガラクトネートアルドラーゼ、3−デオキ
シ−D−マンノ−オクチュロリン酸アルドラーゼ、ホス
ホ−5−ケト−2−デオキシ−グルコネートアルドラー
ゼ、2−オキソ−4−ヒドロキシグルタル酸アルドラー
ゼなどが好ましい。
【0025】本発明において、EC群5に属し、反応基
質を異性化できるイソメラーゼ酵素の例として、ホスホ
ヘキシュロイソメラーゼ、ホスホリボイソメラーゼ、マ
レートイソメラーゼ、マレイルアセトールアセテートイ
ソメラーゼ、レチナールイソメラーゼ、マレイルピルベ
ートイソメラーゼ、リノレートイソメラーゼ、フリルフ
ラミドイソメラーゼ、トリオスホスフェイトイソメラー
ゼ、アラビノースイソメラーゼ、キシロースイソメラー
ゼ、マンノースイソメラーゼ、マンノースリン酸イソメ
ラーゼ、グルコサミンリン酸イソメラーゼ、グルクロン
酸イソメラーゼ、アラビノースリン酸イソメラーゼ、ラ
ムノースイソメラーゼ、リキソースケトールイソメラー
ゼ、ステロイドイソメラーゼ、イソペンテニルジリン酸
イソメラーゼ、プロスタグランジンイソメラーゼ、プロ
テインジサルファイジイソメラーゼ、ハイドロパーオキ
サイドイソメラーゼ、リブロースリン酸3−エピメラー
ゼ、UDPグルコース4−エピメラーゼ、アルドース1
−エピメラーゼ、L−リブロースリン酸4−エピメラー
ゼ、UDPアラビノース4−エピメラーゼ、UDPグル
クロン酸4−エピメラーゼ、UDPアセチルグルコサミ
ン4−エピメラーゼ、アシルグルコサミン2−エピメラ
ーゼ、ホスホグルコイソメラーゼなどがあげられるが、
異性化反応による糖の作製の場合には、反応基質への特
異性の点で、ホスホヘキシュロイソメラーゼ、ホスホリ
ボイソメラーゼ、アラビノースイソメラーゼ、キシロー
スイソメラーゼ、マンノースイソメラーゼ、マンノース
リン酸イソメラーゼ、ホスホグルコイソメラーゼなどが
好ましい。
【0026】本発明方法に用いられるメタノール資化性
細菌のホルムアルデヒド固定酵素系は、好ましくはホス
ホリボイソメラーゼ、ヘキシュロースリン酸シンターゼ
およびホスホヘキシュロイソメラーゼより構成される
か、あるいはさらにホスホグルコイソメラーゼを包含す
る。
【0027】本発明方法で用いられるホスホリボイソメ
ラーゼは、リボース−5−リン酸をリブロース−5−リ
ン酸に転換させる酵素であって、例えばシグマ社製の市
販品などを用いることができる。
【0028】本発明方法で用いられるヘキシュロースリ
ン酸シンターゼは、リブロース−5−リン酸と13C標識
ホルムアルデヒドとを反応させてC−1位が13Cで標識
されたヘキシュロース−6−リン酸を生成せしめる酵素
であって、例えば、偏性メタノール資化性細菌、メチロ
モナス・アミノファシエンス 77a( Methylomonas
aminofaciens 77a)(微工研菌寄第12019
号)、メチロコッカス・カプサラタス( Methylococcus
capsulatus)(ATCC菌寄第19069号)などの微
生物をメタノールまたはメタンなどを用いて培養し、各
種クロマトグラフィーを利用して単離することにより得
られる。該ヘキシュロースリン酸シンターゼを有する微
生物の他の例として、メチロモナス・メタニカ(Methyl
omonas methanica)、メチロモナス・アギレおよびメチ
ロモナス・ロサセウス(Methylomonas agileおよび M.
rosaceous)、メチロモナス・ルブラム(Methylomonas r
ubrum )、メチロモナスGB3およびGB8(Methylom
onas GB3およびGB8)、メチロコッカス・ミニマ
ス(Methylococcus minimus )、メチロコッカス・ウク
ライニクスおよびメチロコッカス・サーモフィラス(Me
thylococcus ucrainicusおよびM. thermophilus )、メ
チロバクター・カプサラタス(Methylobacter capsulat
us)、メチロバクター・ボビスおよびメチロバクター・
ビネランディー(Methylobacter bovis およびM.vinela
ndii)、メチロバクター・クロコカム(Methylobacter
chroococcum )、シュードモナスW1(Pseudomonas W
1)、オーガニズム4B6(Organism4B6)、シュー
ドモナスC(Pseudomonas C)、シュードモナスW6
(Pseudomonas W6)、オーガニズムC2A1(Organi
smC2A1)、オーガニズムW3A1およびW6A(Or
ganisms W3A1およびW6A)、メチロモナスM15
(MethylomonasM15)、メチロフィラス・メチロトロ
ファス(Methylophilus methylotrophus)、オーガニズ
ムL3(OrganismL3)、アースロバクター(Arthroba
cter)、バシラスsp.PM6およびS2A1(Bacill
us sp.PM6およびS2A1)、アースロバクター・グ
ロビホルミス(Arthrobacter globiformis)、ストレプ
トミセスsp.239(Streptomyces sp.239)、シ
ュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovora
ns)、オーガニズムMB53,55,56,57,5
8,59および60(Organisms MB53,55,5
6,57,58,59および60)、ブレビバクテリウ
ム・フスカム24(Brevibacterium fuscum 24)、マ
イコバクテリウム・バカエ10(Mycobacterium vaccae
10)、アースロバタクーP1( Arthrobacter P
1)、ノカルジア239( Nocardia 239)などがあ
げられる。
【0029】本発明方法において用いられるホスホヘキ
シュロイソメラーゼは、13C標識ヘキシュロース−6−
リン酸を13C標識フルクトース−6−リン酸に異性化す
る酵素であって、例えばMethylomonas aminofaciens 7
7a(微工研菌寄第12019号)をメタノールを用い
て培養して得られる無細胞抽出液をさらに精製・単離し
て得られる。
【0030】本発明における前記ホルムアルデヒド固定
酵素系として、メタノールを単一炭素源とする液体培地
にMethylomonas aminofaciens 77a菌株(微工研菌寄
第12019号)を植菌・培養して得られるMethylomon
as aminofaciens 77a菌株の無細胞抽出液を用いるこ
とができる。該無細胞抽出液には、ホスホリボイソメラ
ーゼ、ヘキシュロースリン酸シンターゼおよびホスホヘ
キシュロイソメラーゼが含まれているが、その他にホス
ホグルコイソメラーゼも含まれているので、生成するフ
ルクトース−6−リン酸は一部グルコース−6−リン酸
に異性化されることになる。
【0031】本発明における菌株の培養は、生育に最小
限必要な無機栄養を添加した溶液に、生育の阻害になら
ない程度のメタノールを加えて、30℃前後の温度に保
温して、振とうや通気などをして、充分に酸素を供給し
て培養をすることにより行なわれる。
【0032】本発明方法において用いられるホスホグル
コイソメラーゼは、13C標識フルクトース−6−リン酸
13C標識グルコース−6−リン酸に異性化する酵素で
あって、例えばシグマ社製品Type IIIなどの市販品を用
いることができる。
【0033】本発明における反応基質は、生体化合物で
あってその具体例としてホスホエノールビルビン酸、3
−ホスホグリセリン酸、ジヒドロキシアセトンリン酸、
アセトアルデヒド、グリセルアルデヒド3−リン酸、エ
リスロース−4−リン酸、タルトロン酸セミアルデヒ
ド、アラビノース、ベンズアルデヒド、ピルビン酸、ジ
メチルアミン、グリオキシル酸、コハク酸、アセチルコ
エンザイムA,N−アセチルマンノサミン、プロピオニ
ル−CoA、フマル酸、リブロース−5−リン酸、リボ
ース−5−リン酸など、好ましくは、ホスホエノールビ
ルビン酸、3−ホスホグリセリン酸、アセトアルデヒ
ド、グリセルアルデヒド−3−リン酸、ビルビン酸、リ
ブロース−5−リン酸、リボース−5−リン酸などがあ
げられる。これらのうち、グルコース−6−リン酸、フ
ルクトース−6−リン酸などの6炭糖リン酸たるヘキソ
ース−6−リン酸を生合成するためには、原料として安
価な点でリボース−5−リン酸を用いるのが好ましい。
【0034】本発明における13C標識炭素源化合物は、
化学合成で容易に13C標識できる化合物であって、その
具体例として、それぞれ13Cで標識された、二酸化炭
素、メタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ジヒドロキシアセトンリン酸、ピルビン酸、ホスホ
エノールピルビン酸、L−ラクトアルデヒド、グリコー
ルアルデヒド、マロネートセミアルデヒド、グリオキシ
ル酸、コハク酸、アセチルCoA、酢酸、オキサロ酢酸
など、好ましくは、二酸化炭素、メタノール、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ピルビン酸、酢酸、オキ
サロ酢酸などがあげられる。
【0035】本発明方法で用いられる13C標識メタノー
ルは、例えばMSDアイソトープ社製製品(濃度99
%)などを用いることができる。
【0036】本発明方法で用いられる13C標識ホルムア
ルデヒドは、例えばMSDアイソープ社製、13C濃度9
9%のホルムアルデヒドなど市販品を用いることができ
る。
【0037】本発明方法によって生成される特定位置す
なわちC−1位の炭素が13Cで特異的に標識された13
標識化合物は、生体成分であって、その具体例としてオ
キサロアセテート、リブロース−1,5−リン酸、ヘキ
シュロース−6−リン酸、エリトルロース−1−リン
酸、スレオニン、フルクトース−1,6−ジリン酸、6
−ホスホ−2−ケト−3デオキシグルコン酸、7−ホス
ホ−2−ケト−3−デオキシアラビノヘプトネート、フ
クロース−1−リン酸、2−ケト−3−デオキシペント
ネート、ラムニュロース−1−リン酸、2−ケト−3−
デオキシ−グルカル酸、エリスローフェニルセリル、6
−ホスホ−5−ケト−2−デオキシグルコン酸、2−オ
キソ−4−ヒドロキシグルタル酸、トリメチルアラニン
N−オキサイド、イソクエン酸、リンゴ酸、N−アセチ
ルノイラミン酸、クエン酸、フルクトース−6−リン
酸、リブロース−5−リン酸、グルコース−6−リン酸
など、好ましくは、リブロース−1,5−リン酸、ヘキ
シュロース−6−リン酸、エリトルロース−1−リン
酸、スレオニン、フルクトース−1,6−リン酸、クエ
ン酸、フルクトース−6−リン酸、リブロース−5−リ
ン酸、グルコース−6−リン酸などがあげられる。これ
らのうち、フルクトース−6−リン酸は、生体内での中
間物であり、グルコース−6−リン酸は、解糖系やペン
トースリン酸回路などで代謝されるものであり、生体に
応用する際に有効であって特に好ましい。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、従来の化学合成法にお
けるように、数多くの反応ステップを必要とすることな
く、1段または数段の反応ステップで光学純度が極めて
高く、特定位置の炭素が特異的に13Cで標識された13
標識化合物、例えばC−1位が特異的に13Cで標識され
13C標識フルクトース−6−リン酸または13C標識グ
ルコース−6−リン酸を選択率よく高収率で得ることが
できる。
【0039】本発明によれば、13Cで均一に標識された
化合物、14C標識化合物などに比べて、核磁気共鳴装
置、質量分析計などを用いて生物のエネルギー代謝系の
研究を行なう場合、より多くの定性的かつ定量的な有益
な情報を得ることが可能であって、生体反応の研究から
医療分野へと様々な分野で利用できる、特定位置の炭素
13Cで特異的に標識された化合物、例えばC−1位が
特異的に13Cで標識され、解糖系の代謝中間体でもあ
り、生物のエネルギー代謝系の研究を行なう際に有用で
ある13C標識フルクトース−6−リン酸または13C標識
グルコース−6−リン酸の工業的に有利な製造方法が提
供される。
【0040】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例において、13C標識フルクトース−6−リン酸、
13C標識グルコース−6−リン酸などの13C標識化合物
の定量法、単離精製法などであって、13Cで標識されな
いものについても同様の結果が得られるものについて
は、簡便のため、13Cで標識されないものを用いて実験
を行なった。
【0041】
【実施例1】試験管に、13C標識メタノール、リボース
−5−リン酸(Ri5P)、アルコールオキシダーゼ
(AOD)、ホスホリボイソメラーゼ(PRI)、3−
ヘキシュロースリン酸シンターゼ(HPS)、ホスホヘ
キシュロイソメラーゼ(PHI)、ホスホグルコイソメ
ラーゼ(PGI)、塩化マグネシウムおよびpH7.5カ
リウムリン酸緩衝液〔KPB(pH7.5)〕を表1に示
す割合で装入し、30℃で30分間反応を行なった。
【0042】
【表1】
【0043】表1において、13Cメタノールとして、M
SD社製(濃度99%)の製品を用い、リボース−5−
リン酸として、協和発酵株式会社製の製品を用い、アル
コールオキシダーゼとして、東洋紡績社製製品III を用
い、ホスホリボイソメラーゼとして、シグマ社製の製品
Type IIIを用いた。
【0044】表1において、ヘキシュロースリン酸シン
ターゼおよびホスホヘキシュロイソメラーゼは、メタノ
ールを単一炭素源とする液体培地にMethylomonas amino
faciens 77a菌株(微工研菌寄第12019号)をメ
タノールを用いて培養し、各種クロマトグラフィーを利
用して単離したものを用いた。上記した培養および単離
について以下詳しく説明する。
【0045】
【表2】
【0046】上記表2に示されるメタノールを単一炭素
源とする液体培地にMethylomonas aminofaciens 77a
を植菌し、30℃で72時間振盪培養した。
【0047】Methylomonas aminofaciens 77aのヘキ
シュロースリン酸シンターゼおよびホスホヘキシュロイ
ソメラーゼについてMethylomonas aminofaciens 77a
の無細胞抽出液より、DEAE−セファセルカラムクロ
マトグラフィーで先ずヘキシュロースリン酸シンターゼ
とホスホヘキシュロイソメラーゼを分画し、次いで各酵
素についてDEAE−セファセルの再クロマトグラフィ
ーを行なったところ、図1および
【0048】
【表3】
【0049】に示される結果が得られ、かくして得られ
たヘキシュロースリン酸シンターゼおよびホスホヘキシ
ュロイソメラーゼの標品は、それぞれ活性(μmol /mi
n /mg)として0.2%および1.7%のホスホグルコ
イソメラーゼ(以下PGIと略称することがある。)を
含有した。上記DEAE−セファセルカラムクロマトグ
ラフィーは、下記の通り実施した。すなわち、10mM T
ris-HCl(pH 8.2)で緩衝化したカラム(5×20cm)に
無細胞抽出液470mlを導入し、同じ緩衝液2リットル
で洗浄後、緩衝液濃度を段階的に上げて酵素を溶出させ
た。図1に示したように、100mM Tris-HCl (pH 8.
2)でHPSが、さらに100mM NaCl を含む100mM
Tris-HCl (pH 8.2)でPHIが溶出した。
【0050】表1において、ホスホグルコイソメラーゼ
として、シグマ社製品Type IIIを用いた。
【0051】上記反応の結果、C−1位が13Cで特異的
に標識された13C標識グルコース−6−リン酸が63mM
得られ、対13Cメタノール収率63%であり、C−1位
13Cで特異的に標識された13C標識フルクトース−6
−リン酸が13mM得られ、対13Cメタノール収率13%
であった。
【0052】13C標識グルコース−6−リン酸(G6
P)の定量:G6Pは、表4に示されるような反応組成
およびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを用
い、酵素法、すなわちミッチェル(Michal) らの方法に
より定量した。
【0053】
【表4】
【0054】測定方法: 1.ブランクは、試料の代りに蒸留水0.5mlを添加し
た。 2.酵素類を加える前に、0点を測定した。 3.グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを加え、
340nmでの吸光度の増加を測定し、吸光度が頭打ちに
なった時点で0点との差をΔA340/G6P として記録し
た。この値よりグルコース6−リン酸の濃度X(mM) は
下記式により求められる。 式中、6.22はNADPH(ニコチンアミドアデニン
ジヌクレオチドリン酸、還元型)の340nmでの分子吸
光係数(μmol /ml)であり、aは反応液体積(ml)で
あり、bは試料体積(ml)である。
【0055】13C標識フルクトース−6−リン酸(F6
P)の単離精製:13C標識F6Pの単離方法を図3に示
した。図4にDEAEトヨパール充填剤(東ソー株式会
社製、商品名)のカラムクロマトグラフィーの溶出パタ
ーンを示した。回収率は約54%であった。純度は64
%であった。
【0056】13C標識F6Pの13C−NMR分析:H13
CHOを基質として酵素合成したF6Pにシグマ(Sigm
a )社製のF6Pを混合し、10%13Cとなるようにし
た。これを13C−エンリッチドF6Pとし、シグマ(Si
gma )社製のものを純F6Pとして、13CNMR分析を
行なった。図2はF6PのC−1とC−6のピークを比
較したものである。13C−エンリッチドF6PのC−1
/C−6のピーク比は純F6Pの比の約10倍であり、
このことは、酵素合成で得たF6PのC−1位は特異的
13Cに標識されていることを示している。
【0057】13C標識フルクトース−6−リン酸(13
F6P)の定量:F6Pは、表5に示されるような反応
組成を用い、ホスホグルコイソメラーゼ(PGI)とグ
ルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH)
を用いる酵素法、すなわちミチャル(Michal)らの方法
〔メソッヅ・イン・エンチマチック・アナリシス・サー
ド・第3巻・ベルラグ・ヘミー・ジーエムビーエッチ・
ワインハイム・191−198頁(Methods in Enzymat
ic Analysis 3rd Vol.3,Verlag Chemic GmbH Wein
heim, P 191-198)〕で定量した。
【0058】
【表5】
【0059】測定方法 1.ブランクは、試料に対して蒸留水を0.5mlを加え
た。 2.酵素類を加える前に、O点を測定した。 3.グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD
H)、ホスホグロコイソメラーゼ(PGI)の順に加
え、340nmでの吸光度の増加を測定した。吸光度が頭
打ちになった時点でO点との差をΔA340/F6P として記
録した。この値より下に示す方法で濃度を計算した。 *ここで、グルコース6リン酸とフルクトース6リン酸
が混在するときは、まずG6PDHだけを加えて上記と
同様にΔA340/G6P を測定した。次いでPGIを加えて
ΔA340/F6P を測定した。
【0060】濃度測定 F6P(又はG6P)の濃度(xmM)決定は以下の通
*6.22:NADPHの340nmでの分子吸光係数
(μmol /ml) a:反応液体積(ml) b:試料体積(ml)
【0061】リボース−5−リン酸(R5P)の測定:
R5Pはフロログリシン−酢酸法で測定した。
【0062】ヘキシュロースリン酸シンターゼ(HP
S)の活性測定:HPSの活性測定を、表6の反応組成
を用いて行なった。
【0063】
【表6】
【0064】測定方法 1.ブランクはR5Pの代わりに蒸留水を加えた。 2.HCHOを加えて反応を開始し、5分後に1N塩酸
で反応を停止した。 3.2.の反応液0.1mlに対し蒸留水1.9mlで20
倍希釈の後、2.0mlのナッシュ(Nash)試薬を加
え、30℃で30分放置し着色させた。 4.410nmでの吸光度を測定し検量線よりHCHOの
濃度を決定。以下の計算方法により活性を求めた。 *ナッシュ(Nash)試薬:酢酸アンモニウム 15g 酢酸 0.3ml アセチルアセトン 0.2ml 以上の試薬は蒸留水に溶解し体積を100mlとする。検
量線は0.04,0.08,0.12,0.16,0.
2mMのHCHOを用いて作成した。
【0065】活性決定 活性(U/ml)={(A−B)×C}×D×(1/E)
×(1/F)×(0.6/0.5)×0.5 A:ブランクのHCHO濃度 mM B:反応液中のHCHO濃度 mM C:使用酵素(Enzyme) 希釈率 D:ナッシュ(Nash)法の時の反応液希釈率 E:反応に使用した酵素体積 ml F:反応時間 min 0.6/0.5:HClを加える前のHCHO濃度を決定するための定数 0.5:反応液体積 ml
【0066】ホスホヘキシュロイソメラーゼ(PHI)
の活性決定:PHIの活性決定を、表7に示す反応組成
を用いて行なった。
【0067】
【表7】
【0068】測定方法 1.基準キュヴエットはHCHOの代わりに蒸留水を加
えた。 2.HCHOを加えて反応を開始。NADPHの増加を
340nmでブラックセルを用いて測定した。 3.吸光度の増加が直線的になっている部分を確認し、
その傾き(ΔA340nm/min )より以下に示す計算方
法により活性を求めた。 ★HPSの活性は精製状態により異なるので、最終活性
が上記反応組成に示すように約1.0U/mlになるよう
加えた。またこの場合反応液体積が1.0mlになるよう
にH2 Oの添加量で調節した。無細胞抽出液内の本酵素
の活性を測定する場合は、HPSを蒸留水0.9mlに置
き換えた。
【0069】活性決定 活性(U/ml)=(A/6.22)×(1/B)×C×
D A:ΔA340nm/min B:反応に使用した酵素体積 C:使用酵素(Enzyme) 希釈率 D:反応液体積 6.22:NADPHの340nmでの分子吸光係数
【0070】ホスホグルコイソメラーゼ(PGI)の活
性測定:PGIの活性測定を、表8に示す反応組成を用
いて行なった。
【0071】
【表8】
【0072】測定方法 1.基準キュヴエットはF6Pの代わりに蒸留水を加え
た。 2.F6Pを加えて反応を開始。NADPHの増加を3
40nmでブラックセルを用いて測定した。 3.吸光度の増加が直線的になっている部分を確認し、
その傾き(ΔA340nm/min )より以下に示す計算方
法により活性を求めた。
【0073】活性決定 活性(U/ml)=(A/6.22)×(1/B)×C×
D A:ΔA340nm/min B:反応に使用した酵素体積 C:使用酵素(Enzyme) 希釈率 D:反応液体積 6.22:NADPHの340nmでの分子吸光係数
【0074】
【実施例2】実施例1における表1の反応混合物に代え
て表9の反応混合物を用いる以外、実施例1と同様の実
験を行なった結果、C−1位が13Cで特異的に標識され
13C標識グルコース−6−リン酸が31mM得られ、対
13CHO収率62%であり、C−1位が13Cで特異的
に標識された13C標識フルクトース−6−リン酸が8mM
得られ、対H13CHO収率は16%であった。表9にお
いて、13C標識ホルムアルデヒドとしては、99%13
ホルムアルデヒド(MSDアイソトープ社製)の20%
水溶液であるホルマリン−13Cをホルムアルデヒド量に
換算してそのまま使用した。
【0075】
【実施例3】実施例1における表1の反応混合物に代え
て表10の反応混合物を用いる以外、実施例1と同様の
実験を行なった結果、C−1位が13Cで特異的に標識さ
れた13C標識フルクトース−6−リン酸が75mM得ら
れ、対13C標識ホルムアルデヒド(H13CHO)収率7
5%であった。
【0076】
【実施例4】実施例1における表1の反応混合物に代え
て表11の反応混合物を用いる以外、実施例1と同様の
実験を行なった結果、C−1位が13Cで特異的に標識さ
れた13C標識グルコース−6−リン酸が35mM得られ、
13Cメタノール収率70%であり、C−1位が13Cで
特異的に標識された13C標識フルクトース−6−リン酸
が9mM得られ、対13Cメタノール収率13%であった。
カタラーゼおよび過酸化水素は前記シグマ社製製品を使
用した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する酵素の精製を説明するための
グラフである。
【図2】本発明における13C標識F6Pの13C−NMR
分析結果を示すチャート図である。
【図3】本発明における13C標識F6Pの単離方法を説
明するフローチャートである。
【図4】本発明の13C標識F6Pの単離精製におけるカ
ラムクロマトグラフィーの溶出パターンを示すグラフで
ある。
【表9】
【表10】
【表11】

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコールオキシダーゼと、ホスホリボ
    イソメラーゼ、ヘキシュロースリン酸シンターゼおよび
    ホスホヘキシュロイソメラーゼよりなるメタノール資化
    性細菌のホルムアルデヒド固定酵素系との存在下、13
    C標識メタノールおよびリボース−5−リン酸を反応さ
    せてC−1位が特異的に13Cで標識されたフルクトー
    ス−6−リン酸を得ることを特徴とする13C標識化合
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】 リボース−5−リン酸をホスホリボイソ
    メラーゼにより異性化してリブロース−5−リン酸と
    し、次いでヘキシュロースリン酸シンターゼと13C標
    識メタノールをアルコールオキシダーゼの存在下に反応
    させて得られる13C標識ホルムアルデヒドとを添加・
    反応させてC−1位が特異的に13Cで標識された13
    C標識ヘキシュロース−6−リン酸を生成させ、次いで
    ホスホヘキシュロイソメラーゼにより異性化してC−1
    位が特異的に13Cで標識されたフルクトース−6−リ
    ン酸を得ることを特徴とする13C標識化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 アルコールオキシダーゼと、ホスホリボ
    イソメラーゼ、ヘキシュロースリン酸シンターゼ、ホス
    ホヘキシュロイソメラーゼおよびホスホグルコイソメラ
    ーゼよりなるメタノール資化性細菌のホルムアルデヒド
    固定酵素系との存在下、13C標識メタノールおよびリ
    ボース−5−リン酸を反応させてC−1位が特異的に
    13Cで標識されたグルコース−6−リン酸を得ること
    を特徴とする13C標識化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 リボース−5−リン酸をホスホリボイソ
    メラーゼにより異性化してリブロース−5−リン酸と
    し、次いでヘキシュロースリン酸シンターゼと13C標
    識メタノールをアルコールオキシダーゼの存在下に反応
    させて得られる13C標識ホルムアルデヒドとを添加・
    反応させてC−1位が特異的に13Cで標識された13
    C標識ヘキシュロース−6−リン酸を生成させ、次いで
    ホスホヘキシュロイソメラーゼにより異性化してC−1
    位が特異的に13Cで標識されたフルクトース−6−リ
    ン酸を生成させ、次いでホスホグルコイソメラーゼによ
    り異性化してC−1位が特異的に13Cで標識されたグ
    ルコース−6−リン酸を得ることを特徴とする13C標
    識化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 該アルコールオキシダーゼに、カタラー
    ゼおよび過酸化水素を共存させる請求項1ないし4記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 ホスホリボイソメラーゼ、ヘキシュロー
    スリン酸シンターゼ、ホスホヘキシュロイソメラーゼお
    よびホスホグルコイソメラーゼよりなるメタノール資化
    性細菌のホルムアルデヒド固定酵素系、13C標識ホル
    ムアルデヒドおよびリボース−5−リン酸を反応させて
    C−1位が特異的に13Cで標識されたグルコース−6
    −リン酸を得ることを特徴とする13C標識化合物の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 リボース−5−リン酸をホスホリボイソ
    メラーゼにより異性化してリブロース−5−リン酸と
    し、次いでヘキシュロースリン酸シンターゼおよび13
    C標識ホルムアルデヒドを添加・反応させてC−1位が
    特異的に13Cで標識された13C標識ヘキシュロース
    −6−リン酸を生成させ、次いでホスホヘキシュロイソ
    メラーゼにより異性化してC−1位が特異的に13Cで
    標識されたフルクトース−6−リン酸を生成させ、次い
    でホスホグルコイソメラーゼにより異性化してC−1位
    が特異的に13Cで標識されたグルコース−6−リン酸
    を得ることを特徴とする13C標識化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 該ヘキシュロースリン酸シンターゼおよ
    び該ホスホヘキシュロイソメラーゼが、メタノールを単
    一炭素源とする液体培地にMethylomonas
    aminofaciens 77a菌株を植菌・培養し
    て得られるMethylomonas aminofa
    ciens 77aの菌株の無細胞抽出液を精製して得
    られる請求項1〜4および6〜7の何れかに記載の製造
    方法。
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