JP3058348U - ガスボンベケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 輸送時の取り扱いが容易であって、使用時に
転倒しにくいガスボンベケースを提供する。 【解決手段】 ガスボンベを収容する胴部筐体１及び胴
部筐体と着脱可能に形成したキャップ２よりなるガスボ
ンベケースであって、胴部筐体及びキャップをそれぞれ
プラスチックで一体成形し、胴部筐体にガスボンベ胴体
に当接する少なくとも一つのくびれ部４を設けると共
に、胴部筐体の外側に突出しない握り部５を設けてなる
ガスボンベケース。このガスボンベケースは、その断面
形状が略四角形又は角を面取りした略四角形であること
がよく、また胴部筐体の底部に複数の溝を設けてもよ
く、さらに胴部筐体の嵌合部３′に複数の溝を設け、キ
ャップの嵌合部との勘合位置を変えるようにしてもよ
い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ガスボンベの輸送に用いられるガスボンベケースに関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

ガスの輸送、貯蔵に用いられるガスボンベには、ガスの種類や用途によって小 型から大型の様々な大きさのボンベがある。大型ボンベは重量があり、移動の際 はフォークリフト、クレーン等の搬送機器を使用するので、人手で動かすことは 稀である。これに対し、縁日や祭り等の催しで風船に充填するヘリウムガスや、 実験室用、医療用の酸素ガスなどは、小型ガスボンベに充填されることが多い。 小型ガスボンベでも２０kg以上もあり、細長い円筒形状をしているので、これを 人手で運んだり、人手でトラックに積み降しするのは、取り扱いが困難で危険な 作業であった。また、ガスボンベは輸送後そのまま使用されるが、転倒しやすい のでバンドや鎖などで固定する必要があった。

【０００３】 このようなガスボンベの運搬を容易にしたり、転倒を防止するために、種々の 提案がなされている。例えば、特開昭４８−５１７９８号公報には、発泡スチロ ール製プロパンガス用ボンベケースが提案されているが、これは直射日光を遮り 断熱するためのもので、強度のない発泡スチロール製では輸送用には使えない。 また、実開昭５５−１６５２００号公報には、矩形状の可撓性断熱シートの左右 両端縁に着脱自在の結合手段を有する断熱用ガスボンベカバーが提案されている が、これまた断熱用であり輸送時の取り扱いを容易にするものではない。

【０００４】 さらに、実開平４−３７４９６号公報には、ガスボンベを収納する厚紙等で作 った紙箱に握手紐をつけてなる簡易携帯用ボンベケースが提案されているが、こ れは耐久性がなく、また握手紐やボンベ固定用紐の取り付けに手間がかかり、製 作費が高いという問題があった。

【０００５】 さらにまた、実開平４−１０９０６３号公報には、段ボールやプラスチック板 による箱体内にガスボンベを収容し、ボンベ元栓と口部ねじを箱体の外部に露出 させ、これに保護キャップを被せるようにしたガスボンベの包装容器が提案され ている。このガスボンベの包装容器は、ガスボンベを包装するためのもので、輸 送時の取扱性を改善するものでなく、また保護キャップがされているもののボン ベ頂部が露出してるので、転倒時の安全性に問題がある。同様なものとして、実 開平４−１２４９６９号公報には、プラスチック製箱体とその上部にプラスチッ ク製碗状カバーと上記の保護キャップを有するガスボンベの包装容器が提案され ているが、上記の問題点を解決するものでなかった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

したがって、本考案の目的は、輸送時の取り扱いが容易であって、しかも使用 時に転倒しにくいガスボンベケースを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案は、ガスボンベを収容する胴部筐体及び該胴部筐体と着脱可 能に形成したキャップよりなるガスボンベケースであって、該胴部筐体及び該キ ャップをそれぞれプラスチックで一体成形し、該胴部筐体にガスボンベ胴体に当 接する少なくとも一つのくびれ部を設けると共に、該胴部筐体の外側に突出しな い握り部を設けてなることを特徴とするガスボンベケースである。 また、本考案のガスボンベケースは、その断面形状が略四角形又は角を面取り した略四角形であることがよい。 さらに、本考案のガスボンベケースは、胴部筐体の底部に複数の溝を設けても よく、また胴部筐体の嵌合部に複数の溝を設け、キャップの嵌合部との嵌合位置 を変えるようにしてもよい。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、本考案のガスボンベケースについて、図面に基づき具体的に説明する。 図１、図２、図３及び図４は、本考案のガスボンベケースを構成する胴部筐体 の一例を示す平面図、正面図、右側面図及び左側面図であり、図５は図２のＡ− Ａ’線における断面図である。また、図６、図７、図８及び図９は、胴部筐体と 組み合わされ、本考案のガスボンベケースを構成するキャップの一例を示す平面 図、正面図、右側面図及び左側面図である。これらの図面は、ガスボンベケース を水平にしたときのもの（運搬、保管時）であり、ガス使用時にはガスボンベケ ースを垂直に立てる。

【０００９】 胴部筐体１は、プラスチックの一体成形物からなり、キャップ２と着脱可能な 嵌合部３を設けると共に、ガスボンベ胴体（図４、図５において点線で示す）に 当接するくびれ部４を設け、さらに図２に示すように胴部筐体１の外側に突出し ない握り部５を設ける。

【００１０】 くびれ部４は、ガスボンベ胴体をボンベケース内に固定するために設ける。 図面にはくびれ部４を一つだけ設ける例を示したが、くびれ部を二つ以上設けて ボンベがボンベケース内でガタガタしないようにしてもよい。握り部５は、これ を持って運搬するためのものであり、胴部筐体１の外側に突出しないように設け る。ボンベケースの外側に突出しないので、輸送時に安定よく積載でき、また握 り部が破損しにくい形状としている。

【００１１】 一方、キャップ２は、プラスチックの一体成形物からなり、胴部筐体１の嵌合 部３に着脱可能な嵌合部３’を設ける。

【００１２】 本考案のガスボンベケースは、嵌合部以外の断面形状を略四角形としており、 嵌合部３及び３’の断面形状を略円形とし、この略円形を嵌合部以外の略四角形 の枠内に納まるようにしたので、その外形はほぼ直方体状となる。このように、 ほぼ直方体状としたので、ガスボンベケースを輸送する際に隙間なく積載するこ とができ、またボンベケースに収容したままでガスを使用する際に転倒しにくい 。なお、図面では嵌合部３及び３’の断面形状を略円形としているが、これは嵌 合部の変形を防止するためのものであり、嵌合部の断面形状をそれ以外の部分と 同じように略四角形とすることもできる。

【００１３】 図面に示すように、本考案のガスボンベケースの角は、面取りした形状とする ことが好ましい。これによって、角の強度を高めることができ、衝撃によりボン ベケースが破損しにくくことができる。角を面取りする代わりに、ボンベケース を肉厚にして強度を向上させることもできるが、ボンベケースが重くなり、製作 費用も高くなるので好ましくない。

【００１４】 本考案のガスボンベケースは、前記のように直方体状でこれを立てた状態でも 安定で転倒しにくいが、図１０に示すように、胴部筐体１の底部にボンベケース の外側に突出せず内側に突出する複数の溝６を設けると、底部の滑り防止となっ てより転倒しにくくなる。また、溝６はリブとして底部を補強する効果もある。

【００１５】 ガスボンベには外径が同じで長さを変えた異なる容量のものがあるが、本考案 のガスボンベケースにおいて、胴部筐体１の嵌合部３に複数の溝を設け、キャッ プ２の嵌合部３’との嵌合位置を変えるようにすると、長さの異なるガスボンベ も収容することが可能となる。

【００１６】 また、胴部筐体１とキャップ２とをバンド、ひも、チェーンなどで繋いでおく と、キャップ２の紛失を防止したり、空のガスボンベケースの運搬を容易にする ことができる。

【００１７】 本考案のガスボンベケースは、胴部筐体１とキャップ２が共にプラスチック一 体成形物からなるが、このようなプラスチック一体成形物は、例えばポリプロピ レン、硬質ポリエチレン、ＰＥＴ樹脂、ＡＢＳ樹脂等の熱可塑性樹脂をブロー成 形法によって成形することができる。一体成形することによって各部に繋ぎ目が ないので強度が増し、また組み立ての必要がなく、複雑な形状でも任意の大きさ のガスボンベケースを低コストで製作することができる。

【００１８】

【考案の実施の形態】

本考案のガスボンベケースは、胴部筐体１にガスボンベを収容したのち、嵌合 部３と３’を嵌めて胴部筐体１にキャップ２を取り付け、図１１に示すような形 で使用する。これを人手で運搬する際は、握り部５を持ってボンベケースを水平 にして安全かつ楽に運搬することができる。また、これを垂直に立てた状態で、 保管したり、トラックなどで輸送したり、キャップ２を外してそのままガスを使 用できる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案のガスボンベケースは、人手で安全かつ楽に運ぶことができ、キャップ を外すだけで直ちにガスを使用できる。また、その外形が略直方体状であるので 効率的な輸送ができ、立てたままで保管ができ倉庫の効率が上がり、また立てた ときの安定性に優れているので転倒しにくくなる。また、プラスチック一体成形 物としているので、製品強度があり、製作費用も低廉である。

【００２０】 また、胴部筐体１の底部に複数の溝６を設けることにより、ガスボンベケース を立てたとき滑りにくくなり、さらに転倒しにくいものとすることができる。さ らに、胴部筐体１の嵌合部３に複数の溝を設け、キャップ２の嵌合部３’との嵌 合位置を変えるようにすると、長さの異なるガスボンベも収容することが可能と なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】胴部筐体の平面図である。

【図２】胴部筐体の正面図である。

【図３】胴部筐体の右側面図である。

【図４】胴部筐体の左側面図である。

【図５】図２のＡ−Ａ’線における断面図である。

【図６】キャップの平面図である。

【図７】キャップの正面図である。

【図８】キャップの右側面図である。

【図９】キャップの左側面図である。

【図１０】底部に複数の溝を設けてなる胴部筐体の右側
面図である。

【図１１】胴部筐体にキャップを取り付けたガスボンベ
ケースの斜視図である。

【符号の説明】

１ 胴部筐体 ２ キャップ ３、３’ 嵌合部 ４ くびれ部 ５ 握り部 ６ 溝

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガスボンベを収容する胴部筐体及び該胴
   部筐体と着脱可能に形成したキャップよりなるガスボン
   ベケースであって、該胴部筐体及び該キャップをそれぞ
   れプラスチックで一体成形し、該胴部筐体にガスボンベ
   胴体に当接する少なくとも一つのくびれ部を設けると共
   に、該胴部筐体の外側に突出しない握り部を設けてなる
   ことを特徴とするガスボンベケース。
2. 【請求項２】 ガスボンベケースの断面形状が、略四角
   形又は角を面取りした略四角形である請求項１記載のガ
   スボンベケース。
3. 【請求項３】 胴部筐体の底部に複数の溝を設けてなる
   請求項１又は２記載のガスボンベケース。
4. 【請求項４】 胴部筐体の嵌合部に複数の溝を設け、キ
   ャップの嵌合部との嵌合位置を変えるようにしてなる請
   求項１〜３のいずれかに記載のガスボンベケース。