JP3057937B2 - 油膨潤性樹脂の熱処理方法 - Google Patents

油膨潤性樹脂の熱処理方法

Info

Publication number
JP3057937B2
JP3057937B2 JP4317098A JP31709892A JP3057937B2 JP 3057937 B2 JP3057937 B2 JP 3057937B2 JP 4317098 A JP4317098 A JP 4317098A JP 31709892 A JP31709892 A JP 31709892A JP 3057937 B2 JP3057937 B2 JP 3057937B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
resin
temperature
heat
treatment method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4317098A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06159644A (ja
Inventor
淳之 都築
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP4317098A priority Critical patent/JP3057937B2/ja
Publication of JPH06159644A publication Critical patent/JPH06159644A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3057937B2 publication Critical patent/JP3057937B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂廃品の熱処理方法に
関し、さらに詳しくは油と混合して膨潤する樹脂の熱処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製品は、1970年以来、木材や金
属製品に代わり重要視されるようになってきているが、
自然界に存在する微生物によって分解できないという問
題があり、樹脂の大量使用に伴って発生する廃棄物の増
加はこれからの重要な問題になってきている。従来の樹
脂廃品に関する処理は、焼却法と回収法とに大別されて
いる。すなわち焼却法は、直接、樹脂製品を焼却する方
法であるのに対し、回収法は樹脂製品を選別し、その中
で利用できるものを再生する方法である。例えば「日経
ニューマテリアル」(1991,12−16)に記載さ
れているように、ポリプロピレンからなる自動車のバン
パは回収された後、粉砕機にて粉砕され、反応槽での塗
膜の分離、洗浄工程を経てリサイクルペレットとされ、
射出成形によってリサイクルバンパとして再生される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記のよう
に、樹脂廃品を回収しリサイクルする方法では、再生さ
れた製品の品質の面で面歪が大きいといった問題や、物
性が低下するといった問題、或いは樹脂中に様々な充填
物や異物が混入しているため、それらを取り除く処理が
必要となり困難を伴うといった問題を有するため、実際
に具体化されている例は少ない。一方、これらの樹脂廃
品を焼却しようとした場合、樹脂単独で焼却すると、着
火させるための投入熱量が多いため、効率良く焼却を行
ったとしても多大なエネルギーを必要とするといった問
題がある。
【0004】そこで本発明は、樹脂中の非晶質部(アモ
ルファス部)の分子間を油成分で押し広げて膨潤させ、
分子構造を着火し易くし、更に燃焼し易い構造とするこ
とにより、油膨潤性樹脂廃棄物を効率的に処理可能とす
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の油膨潤性樹脂の
熱処理方法は、ポリプロピレン、エチレンプロピレンゴ
ム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、
シリコンゴムの少なくとも1種と油とを混合し、放置し
て膨潤させた後、燃焼させることを特徴とする。
【0006】上記油としては特に限定なく使用でき、エ
ンジンオイル、トランスミッションオイル等の廃油を用
いると再利用の点で好ましい。また、樹脂と油とを混合
して膨潤させる場合、温度と膨潤時間には図2に示すよ
うな関係がある。従って加熱することにより膨潤速度を
早めることができ効率的である。その際の加熱手段とし
ては、太陽エネルギーを用いたオイルバスや、焼却炉の
余熱等を利用することができる。
【0007】
【作用】樹脂には、結晶部(クリスタル部)、非晶質部
(アモルファス部)、或いはその両者が存在するが、本
発明では非晶質部(アモルファス部)を対象とする。す
なわち樹脂中の非晶質部の分子間に油成分が入り込み、
分子間を押し広げて膨潤し、この非晶質部に入り込んだ
油に着火して廻りの結晶部を巻き込む形で燃焼する。そ
して、この連続により完全燃焼に至ると考えられる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (実施例1)樹脂としてベルトカバー用のポリプロピレ
ンを使用し、適当な大きさに裁断してエンジンオイル
(10W−30)中に120℃の高温雰囲気下で浸漬
し、しばらく放置した後、ポリプロピレン樹脂の膨潤品
を得た。膨潤品は樹脂全体を100とすると結晶部が7
0wt%、非晶質部が30wt%であった。次に得られ
た膨潤品から9mgの試料を用意し、燃焼させて発熱開
始温度と完全燃焼温度を調べた。その結果を表1に示
す。 (実施例2)樹脂として自動車用ポリプロピレンバンパ
を使用し、油としてはエンジン油(10W−30)を用
いて、実施例1と同様にして両者を混合し膨潤品を得
た。上記ポリプロピレンバンパは、ポリプロピレンにエ
チレンプロピレンゴムを混合したものである。膨潤品は
結晶部が49wt%、非晶質部が51wt%であった。
実施例1と同様に膨潤品から9mgの試料を用意し、燃
焼させて発熱開始温度と完全燃焼温度を調べた。その結
果を表1に示す。また、油とポリプロピレンと膨潤品と
を同時に一定の温度上昇率で加熱し、それぞれの温度差
から試料の熱的性質を解析する、示差熱分析を行い、吸
熱反応温度を調べた。その際の条件は、空気中、温度上
昇10℃/minであった。結果を図1に示す。 (比較例1)樹脂としてポリプロピレン9mgを用意
し、上記実施例と同じ条件で単独燃焼させた。 (比較例2)また、エンジンオイル(10W−30)9
mgを上記実施例と同じ条件で単独燃焼させた。これら
の発熱開始温度と完全燃焼温度を表1に示す。
【表1】
【0009】(評価)示差熱分析の加熱減量温度から得
た表1の結果からも分かるように、実施例1及び実施例
2のように樹脂を油で膨潤させたものは、発熱開始温度
が170℃、または160℃と、油単独で燃焼させたも
のとほぼ同等の温度付近まで低くなっており、樹脂を単
独で燃焼させた場合よりもかなり低温で着火しているこ
とが分かる。そして図1から分かるように、樹脂を単独
で燃焼させた比較例1は、330℃付近で最も吸熱量の
減少が大きいのに対して、膨潤品は250℃付近から3
20℃付近で急激に吸熱量が減少しており、この温度範
囲で連続して燃焼していることが分かる。即ち樹脂中の
非晶質部の分子間に入り込んだ油に着火して、その着火
した部分から結晶部を巻き込むように燃焼するため、樹
脂単独で燃焼させるよりもより燃焼し易くなっていると
言える。尚、樹脂を膨潤させるために与える熱量は、燃
焼にかける投入熱量に比べれば遙に少量で無視できるレ
ベルである。また実施例1と実施例2を比較した場合、
実施例2は非晶質部として、ポリプロピレンの非晶質部
に加えてエチレンプロピレンゴム(全て非晶質部)を含
んでいるため膨潤する部分の割合が多く、より効果が大
きい。更に、燃焼により得られる熱エネルギーを比較し
た場合、図1から分かるように、樹脂、油を各々単独で
燃焼させた場合よりも吸熱量の減少が著しく、熱回収し
て利用するという点においてもたいへん効果的である。
【0010】
【発明の効果】本発明の油膨潤性樹脂の熱処理方法によ
れば、樹脂中の非晶質部の分子間に油が入り込むことに
より着火し易くなり、さらにこの着火部分が結晶部を取
り巻く形で燃焼していくため、効率的に樹脂を燃焼させ
ることができる。また、樹脂、油各々を単独で燃焼させ
た場合よりも得られるエネルギーが大きいため、熱回収
して利用すれば資源の再利用の点でさらに効果的であ
る。更に、従来廃油の処理にあたっては専門的な設備が
必要とされていたが、本発明の処理方法によれば、簡易
な設備で容易に処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の示差熱分析結果である。
【図2】膨潤時間と温度との関係を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン、エチレンプロピレンゴ
    ム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、
    シリコンゴムの少なくとも1種と油とを混合し、放置し
    て膨潤させた後、燃焼させることを特徴とする油膨潤性
    樹脂の熱処理方法。
JP4317098A 1992-11-26 1992-11-26 油膨潤性樹脂の熱処理方法 Expired - Fee Related JP3057937B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4317098A JP3057937B2 (ja) 1992-11-26 1992-11-26 油膨潤性樹脂の熱処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4317098A JP3057937B2 (ja) 1992-11-26 1992-11-26 油膨潤性樹脂の熱処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06159644A JPH06159644A (ja) 1994-06-07
JP3057937B2 true JP3057937B2 (ja) 2000-07-04

Family

ID=18084421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4317098A Expired - Fee Related JP3057937B2 (ja) 1992-11-26 1992-11-26 油膨潤性樹脂の熱処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3057937B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7647155B2 (en) 2004-09-30 2010-01-12 Honda Motor Co., Ltd. Apparatus and method for calculating work load engine
US7657359B2 (en) 2004-10-14 2010-02-02 Honda Motor Co., Ltd. Apparatus and method for calculating work load of engine

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7647155B2 (en) 2004-09-30 2010-01-12 Honda Motor Co., Ltd. Apparatus and method for calculating work load engine
US7657359B2 (en) 2004-10-14 2010-02-02 Honda Motor Co., Ltd. Apparatus and method for calculating work load of engine

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06159644A (ja) 1994-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5057627B2 (ja) ゴム等の炭化水素材料の低エネルギー熱分解方法
US5602186A (en) Rubber devulcanization process
US5798394A (en) Rubber devulcanization process
CN106694519B (zh) 生活垃圾综合处理工艺
EP0863197A4 (en) METHOD FOR PRODUCING GASOLINE, DIESEL FUEL AND CARBON FROM RUBBER AND / OR PLASTIC WASTE
CN1306010C (zh) 用废橡胶生产汽油柴油和活性炭的方法
JP4708033B2 (ja) ゴムの還元
JP3057937B2 (ja) 油膨潤性樹脂の熱処理方法
ATE208415T1 (de) Verfahren zur behandlung von gummi- und kunststoffabfällen
EP0626439A1 (en) Water-managed solvent extraction process for organic wastes
DE50000278D1 (de) Verfahren und Vorrichtung zur thermolytischen Aufarbeitung von polymer- und zellulosehaltigen Stoffen, insbesondere Shredderleichtgut
JP2000512376A (ja) ゴミを分類焼化して資源を回収する方法とその設備
RU2299806C1 (ru) Способ переработки отходов
JP2001296009A (ja) 廃プラスチック処理装置
JPH0881685A (ja) 廃プラスチックスの処理方法
AU697420B2 (en) Method for making fuel oil from waste plastic and device therefor
JP3545504B2 (ja) 固形燃料の製造方法及びその装置
JP2000140790A (ja) 複合廃棄物の処理装置及び処理方法
JPH09300348A (ja) 使用済みプラスチックシートの減容処理方法及び減容処理装置
JPH11228734A (ja) 廃ゴムの処理方法
US20090227825A1 (en) Process for removing contaminants from hydrocarbon obtained from recycled materials
JP2000176934A (ja) 廃プラスチック処理装置
FR2709984A1 (fr) Matière granulaire poreuse obtenue à partir d'eaux de lavage de la laine, procédé pour sa fabrication et ses applications.
JP3318520B2 (ja) 油化方法
JP3497056B2 (ja) 処理物の固形化処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090421

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees