JP2000140790A - 複合廃棄物の処理装置及び処理方法 - Google Patents

複合廃棄物の処理装置及び処理方法

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JP2000140790A
JP2000140790A JP10313167A JP31316798A JP2000140790A JP 2000140790 A JP2000140790 A JP 2000140790A JP 10313167 A JP10313167 A JP 10313167A JP 31316798 A JP31316798 A JP 31316798A JP 2000140790 A JP2000140790 A JP 2000140790A
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JP
Japan
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composite waste
carbon
metal
carbonization furnace
carbide
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Application number
JP10313167A
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English (en)
Inventor
Kenji Yamane
健司 山根
Akio Okazaki
昭夫 岡崎
Tatsuji Morimoto
竜次 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinmaywa Industries Ltd
Original Assignee
Shin Meiva Industry Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スチールコードと綿状の繊維屑とが複雑に絡
み合い、少量のゴム粉末と化繊コードが混入されている
タイヤシュレッダーダストからスチールコードとその他
の成分とを容易に分離して各々の回収を容易化する。 【解決手段】 ダイヤシュレッダーダストを間接加熱型
の炭化炉1の炭化処理室2に投入してアルゴンガス等に
よる無酸素雰囲気中で300〜700℃の温度範囲に1
時間程度加熱することにより、スチールコード及びカー
ボンの混合物からなる炭化物と分解ガスとに分解し、こ
の炭化物を揉みほぐし等による機械的な作用でスチール
コードとカーボンとに分離し、この分離された両者をそ
れぞれ選別して回収する。炭化炉1で炭化した炭化物を
機械的な作用だけでスチールコードとカーボンとに容易
に分離することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属及び有機物の
複合廃棄物を処理する処理装置及び処理方法に関する技
術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、廃棄タイヤを処理する方法と
して、例えば特開昭61―162587号公報に示され
るように、廃棄タイヤをそのまま又は破砕して加溜用釜
に投入し、点火により180〜230℃の温度で4時間
程度燃焼させて可燃性ガスと炭化分とに分離し、この可
燃性ガスを釜の上部の直立管を経て2重傾斜還流ガス管
に流して水冷することにより、廃棄タイヤから再生重油
を製造することが知られており、このものでは、釜内に
残滓としてカーボンとワイヤとが分離されずに残留して
いる。
【0003】ところで、この他、廃棄タイヤをシュレッ
ダーにかけて細かく粉砕し、その中から再生用のゴム成
分をゴム粉として回収する処理方法もあるが、このゴム
粉を回収した後の残りである残滓はタイヤシュレッダー
ダストと呼ばれる廃棄物となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記シュレッダーダス
トはその大半が、タイヤ内に埋め込まれているスチール
コードと綿状の繊維屑とが複雑に絡み合った複合廃棄物
で、これに少量のゴム粉末と化繊コードが混入されてお
り、これらの混合物の分離が極めて困難である。従っ
て、タイヤシュレッダーダストは焼却処理して鉄分(大
部分が酸化している)を回収するか、或いはそのまま埋
立て処理しているのが現状であり、環境問題や資源の有
効利用から見れば何等かの対策を立てることが望まれて
いる。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、上記のようなタイヤシュレッダーダ
ストに限らず、アルミニウム箔を樹脂にラミネートした
ラミネートフィルム、自動車のシュレッダーダスト等、
金属及び有機物からなる複合廃棄物を処理する場合の方
法を改良することで、その複合廃棄物から金属と有機物
の成分とを容易に分離できるようにして、各々の分離回
収を可能とすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、この発明では、金属及び有機物の複合廃棄物を無酸
素雰囲気中で加熱して炭化させ、その炭化物に機械的な
力を加えて金属とカーボンとに分離し、それらを選別す
るようにした。
【0007】具体的には、請求項1の発明では、金属及
び有機物からなる複合廃棄物を炭化して処理するように
した処理装置として、複合廃棄物を無酸素雰囲気中で所
定温度に加熱して、少なくとも、金属及びカーボンの混
合物からなる炭化物と分解ガスとに分解する炭化炉と、
この炭化炉で生成された上記炭化物を機械的な作用によ
り金属とカーボンとに分離する分離手段と、この分離手
段により分離された金属及びカーボンをそれぞれ選別す
る選別手段とを備える。
【0008】上記の構成により、複合廃棄物は炭化炉に
投入され、そこで無酸素雰囲気中で加熱されて炭化し、
少なくとも、金属及びカーボンの混合物からなる炭化物
と分解ガスとに分解される。その後、この炭化物は炭化
炉から取り出されて分離手段に供給され、その分離手段
において炭化物が機械的な作用により金属とカーボンと
に分離される。そのとき、上記炭化炉で複合廃棄物が炭
化して生成された炭化物は、金属と有機物の炭化による
カーボンとが分離され易い状態になっているので、それ
に対する機械的な作用だけで金属とカーボンとに容易に
分離される。
【0009】しかる後に、この分離された金属及びカー
ボンが選別手段によりそれぞれ選別されて回収される。
従って、複合廃棄物から金属と他の成分(有機物から生
成されるカーボン)とをそれぞれ容易に分離回収するこ
とができる。
【0010】請求項2の発明では、上記炭化炉で分解さ
れた分解ガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する焼却炉を
設け、この焼却炉の燃焼ガスを上記炭化炉の加熱源とす
るように構成する。こうすれば、炭化炉で分解された分
解ガスを同じ炭化炉の加熱源として有効利用でき、省エ
ネルギー化を図ることができる。
【0011】その場合、請求項3の発明では、上記炭化
炉の加熱源に供給された後の燃焼ガスを洗浄する洗浄手
段を設ける。すなわち、上記燃焼ガスを洗浄すること
で、その有害成分を除去することができる。
【0012】請求項4の発明では、上記炭化炉は間接加
熱型の炭化炉とする。この間接加熱型の炭化炉は空気遮
断性がよいので、無酸素雰囲気中で複合廃棄物を加熱す
るときに可燃性ガスによる悪影響を回避することができ
る。
【0013】請求項5の発明では、上記複合廃棄物は、
タイヤシュレッダーダストとする。また、請求項7の発
明では、複合廃棄物は、アルミニウム箔を樹脂にラミネ
ートしたラミネートフィルムとする。このことで、本発
明の適用が好適で顕著な効果を奏し得る複合廃棄物が得
られる。
【0014】請求項6の発明では、上記請求項5の発明
において、炭化炉での複合廃棄物(タイヤシュレッダー
ダスト)の加熱温度は300〜700℃とする。すなわ
ち、その加熱温度が300℃よりも低いと、金属とカー
ボンとの良好な分離効果が得られない一方、700℃を
越えると、金属の酸化が生じるので、炭化炉での加熱温
度は300〜700℃の範囲とされている。このこと
で、分離性の向上と金属酸化の防止とを両立させること
ができる。
【0015】請求項8の発明は、金属及び有機物からな
る複合廃棄物を炭化して処理する処理方法であり、ま
ず、複合廃棄物を無酸素雰囲気中で所定温度に加熱する
ことにより、少なくとも、金属及びカーボンの混合物か
らなる炭化物と分解ガスとに分解する。次いで、上記炭
化物を機械的な作用により金属とカーボンとに分離し、
しかる後に、上記分離された金属及びカーボンをそれぞ
れ選別する。この発明の構成によっても、上記請求項1
の発明と同様の作用効果が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態に係るタ
イヤシュレッダーダスト処理装置の構成を示し、1は間
接加熱型のバッチ式炭化炉であって、その壁部は内壁1
a及び外壁1bからなる二重壁構造とされ、内壁1aの
内部には炭化処理室2が形成されている。この炭化処理
室2の上端は、アクチュエータ3aの駆動の投入ゲート
3により開閉される投入口(図示せず)に連通され、こ
の投入口にホッパ4が接続されている。一方、炭化処理
室2の下端は、アクチュエータ5aの駆動の排出ゲート
5により開閉される取出口(図示せず)に連通されてい
る。また、炭化処理室2の上部には分解ガス導出管6の
内端部が配置され、この分解ガス導出管6は炭化炉1の
内壁1a及び外壁1bを貫通していて、その外端部は炭
化炉1の外側に位置している。
【0017】これに対し、上記炭化炉1の内壁1a及び
外壁1bの間の空間は、後述の焼却炉20からの高温の
燃焼ガスを導入して炭化処理室2内を周囲から間接的に
加熱する燃焼ガス室7に形成され、外壁1bの下端部に
は燃焼ガス室7に通じる燃焼ガス導入部8が、また外壁
1b上端部には同様の燃焼ガス排出部9がそれぞれ開口
されている。そして、炭化炉1の投入ゲート3を開いた
状態で、スチールコード(金属)と、綿状の繊維屑、ゴ
ム粉末、化繊コード(いずれも有機物)とからなるタイ
ヤシュレッダーダスト(複合廃棄物)を炭化炉1のホッ
パ4から炭化処理室2内に投入し、投入ゲート3及び排
出ゲート5をそれぞれ閉じた後に炭化処理室2内を例え
ばアルゴンガス等の供給により無酸素状態にして、その
炭化処理室2内を周りから燃焼ガス室7の燃焼ガスによ
り加熱することにより、タイヤシュレッダーダストを無
酸素雰囲気中で300〜700℃(より望ましくは50
0〜600℃)の温度範囲に30分〜1時間程度加熱し
て、少なくとも、スチールコード及びカーボンの混合物
からなる炭化物と、メタン、水素、一酸化炭素等を含む
可燃性の分解ガスとに分解するようにしている。
【0018】上記炭化炉1の取出口の下方にはコンベア
11の始端が配置され、このコンベア11の終端は分離
機13に接続されており、炭化炉1の取出口から排出さ
れたスチールコード及びカーボンの混合物からなる炭化
物をコンベア11により分離機13に搬送するようにし
ている。
【0019】上記分離機13は、図示しないが、上記炭
化物を機械的な作用により、例えば炭化物を互いに接離
する1対の押圧プレート間に配置して両押圧プレートの
接離動作により揉みほぐしたり、或いは炭化物を回転す
るロータ周面の叩き部で叩いたりすることで、その炭化
物をスチールコード(金属)とカーボンとに互いに分離
するようになっている。
【0020】上記分離機13はコンベア17を介して磁
気選別機15に接続されている。この磁気選別機15
は、例えば磁石等の磁力により鉄分(磁性材)を吸引し
て他の非磁性材から分離する磁気選別タイプの周知構造
のもので、この磁気選別機15により、分離機13で分
離された炭化物のスチールコードとカーボンとをそれぞ
れ選別するようになっている。
【0021】20は焼却炉であって、この焼却炉20の
下部には補助用の燃料を燃焼させるバーナ21とガス導
入口22とが配設され、ガス導入口22は上記炭化炉1
の分解ガス導出管6の外端部に分解ガス配管24を介し
て接続されており、炭化炉1でタイヤシュレッダーダス
トから分解されて生成された可燃性の分解ガスを焼却炉
20に導入し、この焼却炉20でバーナ21からの燃料
と共に燃焼させて燃焼ガスを生成するようにしている。
【0022】また、焼却炉20の上端部には燃焼ガスを
排出する燃焼ガス排出配管26が接続され、この燃焼ガ
ス排出配管26の途中には燃焼ガス配管27の上流端部
が分岐接続されている。この燃焼ガス配管27の途中に
は開閉弁28が配置され、燃焼ガス配管27の下流端は
上記炭化炉1の燃焼ガス導入部8に接続されており、焼
却炉20の高温の燃焼ガスを炭化炉1の燃焼ガス室7に
導入して、その熱により炭化処理室2を加熱することに
より、焼却炉20の燃焼ガスを炭化炉1の加熱源とする
ようになされている。
【0023】上記炭化炉1の燃焼ガス排出部9はガス配
管29を介して熱交換器31に接続されている。この熱
交換器31はハウジング31a内の空間に水配管31b
を配設したもので、ガス配管29から供給されてハウジ
ング31a内の空間を流れる燃焼ガスにより水配管31
b内の水を加熱して温水にするようにしている。
【0024】さらに、上記熱交換器31のハウジング3
1a内の空間はガス配管32を介してスクラバー34
(洗浄手段)に接続されている。このスクラバー34
は、水を噴霧するシャワー室35を有し、このシャワー
室35にガス配管32からの燃焼ガスを導入すること
で、そのガスを水の噴霧と接触させて洗浄し、亜硫酸ガ
スや粉塵等を除去するようにしている。
【0025】次に、上記実施形態の作用について説明す
る。タイヤシュレッダーダストを処理する場合、まず、
炭化炉1の投入ゲート3を開いた状態で、その炭化炉1
のホッパ4からタイヤシュレッダーダストを内壁1a内
の炭化処理室2に投入する。次いで、投入ゲート3及び
排出ゲート5をそれぞれ閉じた後、炭化処理室2にアル
ゴンガス等を供給してその内部を無酸素状態にし、開閉
弁28の開弁により焼却炉20からの高温の燃焼ガスを
炭化炉1の燃焼ガス室7に供給して炭化処理室2内を周
りから加熱する。このことにより、炭化処理室2のタイ
ヤシュレッダーダストを無酸素雰囲気中で300〜70
0℃の範囲に30分〜1時間程度加熱保持し、この加熱
によりタイヤシュレッダーダストを少なくとも、スチー
ルコード及びカーボンの混合物からなる炭化物と分解ガ
スとに分解する。
【0026】上記炭化炉1で発生した分解ガスはメタ
ン、水素、一酸化炭素等を含む可燃性のガスであり、こ
の分解ガスは炭化処理室2から分解ガス導出管6及び分
解ガス配管24を経て焼却炉20に供給され、この焼却
炉20でバーナ21からの補助用の燃料と共に燃焼す
る。この燃焼により生じた燃焼ガスの一部は、上記の如
く開閉弁28の開弁時に燃焼ガス配管27を介して炭化
炉1の燃焼ガス導入部8から上記燃焼ガス室7に供給さ
れ、炭化処理室2を加熱するための加熱源となる。この
ように、炭化炉1で分解された分解ガスを焼却炉20で
燃焼させて燃焼ガスを生成し、この焼却炉20の燃焼ガ
スを元の炭化炉1の加熱源とするので、分解ガスを有効
利用でき、省エネルギー化を図ることができる。
【0027】上記炭化炉1で加熱源となった後の燃焼ガ
スは、その燃焼ガス室7から熱交換器31に供給され、
その熱交換器31で水を加熱して温水にする。このこと
で、燃焼ガスの熱エネルギーをさらに有効に利用でき
る。
【0028】上記熱交換器31で水と熱交換して冷却さ
れた燃焼ガスは、スクラバー34に供給されて洗浄さ
れ、この洗浄により亜硫酸ガスや粉塵等の有害成分が除
去されて無害化された後に放出される。
【0029】これに対し、上記のように炭化炉1でタイ
ヤシュレッダーダストの加熱炭化が終了すると、その分
解により生成された炭化物は排出ゲート5の開き動作に
より取出口からコンベア11上に移載され、このコンベ
ア11により分離機13に供給される。この分離機13
では、上記炭化物を揉みほぐし等の機械的な作用により
スチールコードとカーボンとに互いに分離する。
【0030】そのとき、上記炭化炉1でタイヤシュレッ
ダーダストが炭化して形成された炭化物は、スチールコ
ードと有機物の炭化からのカーボンとが分離され易い状
態になっている。このため、この炭化物への機械的な作
用だけで炭化物をスチールコードとカーボンとにスムー
ズにかつ容易に分離することができる。
【0031】そして、この分離機13で分離されたスチ
ールコードとカーボンとはいずれも分離機13から排出
された後にコンベア17に移載されて磁気選別機15に
搬送される。この磁気選別機15においては、上記搬送
された炭化物のうちのスチールコードを磁石等の磁力に
より吸引して残りのカーボンから選別し、これらスチー
ルコード及びカーボンをそれぞれ別々に回収する。そし
て、スチールコードについては古鉄として、またカーボ
ンについては、タイヤ配合のカーボンブラックとしてそ
れぞれ再利用される。
【0032】したがって、この実施形態においては、タ
イヤシュレッダーダストを炭化させることで、その炭化
物をスチールコードとカーボンとを容易に分離でき、タ
イヤシュレッダーダストを効率よく確実に処理してスチ
ールコードとカーボンとを回収することができ、資源の
有効利用化及び良好な環境維持を図ることができる。
【0033】また、上記炭化炉1での加熱温度は300
〜700℃であるので、上記炭化物のスチールコードと
カーボンとを良好に分離できるとともに、スチールコー
ドの酸化をも抑制することができる。
【0034】また、上記炭化炉1は、ゲート3,5によ
り密閉される炭化処理室2を有し、この炭化処理室2を
周りの燃焼ガス室7の燃焼ガスにより加熱する間接加熱
型の炉であるので、その炭化炉1の炭化処理室2に対す
る空気遮断性がよく、無酸素雰囲気中でタイヤシュレッ
ダーダストを加熱するときに可燃性ガスによる悪影響を
回避することができる。
【0035】尚、上記実施形態において、磁気選別機1
5で選別されたカーボン中に鉄以外の金属、例えばアル
ミニウムが含まれている場合、そのカーボンをさらに引
き続いてアルミニウム選別機に連続的に通してアルミニ
ウムを選別し、残りをカーボンとすればよい。
【0036】また、上記実施形態では、バッチ式の炭化
炉1を用いているが、無酸素雰囲気を保持できるように
した連続式の炭化炉を使用することもできる。
【0037】さらに、上記実施形態では、タイヤシュレ
ッダーダストを処理するようにしているが、本発明は、
その他、タイヤ自体をそのまま炭化して処理する場合、
或いは自動車のシュレッダーダストや、アルミニウム箔
を樹脂にラミネートしたラミネートフィルム、銅を被覆
した電線等を炭化して処理する場合にも適用することが
でき、要は、金属及び有機物からなる複合廃棄物であれ
ばよい。尚、金属がアルミニウムである場合、炭化炉1
での炭化温度は300〜600℃とし、また銅の場合に
は300〜1000℃とするのがそれぞれ望ましい。
【0038】
【実施例】次に、本発明者が具体的に実施した実施例に
ついて説明する。まず、タイヤシュレッダーダストを5
0g採取して電気炉に投入し、その内部にアルゴンガス
を1リットル/分の流速で通気させて無酸素雰囲気と
し、昇温速度を10℃/分として炭化温度まで加熱昇温
させ、その炭化温度を1時間保持した後に、10℃/分
の降温速度(冷却速度)で降温させた。そのときの炭化
温度と得られた炭化物の外観とを表1に示す。
【0039】尚、炭化温度が200℃程度になると白色
の分解ガスが発生し始め、300℃を越えたところから
淡黄色のガスとなった。また、400℃付近でガスの発
生が激しくなった。上記炭化温度200℃程度での発生
ガスは、タイヤシュレッダーダスト中の繊維及び化繊コ
ードが分解したものと、また300℃以上での発生ガス
は主としてゴム質の分解によるものとそれぞれ推測でき
る。これらの発生ガスには硫化水素、アミン類、アンモ
ニア等と推定される著しい刺激臭があった。また、一般
タイヤを熱分解すると、水素やメタン等の多量の可燃性
ガスが発生することから、これらの発生ガスが上記分解
ガスにも多量に含まれていると考えられる。
【0040】
【表1】
【0041】この表1によると、タイヤシュレッダーダ
ストの炭化温度を300〜700℃とすれば、炭化物の
スチールコードとカーボンとの分離を良好に行うことが
できることが判る。
【0042】また、上記タイヤシュレッダーダスト50
gを500℃で1時間加熱して炭化処理して得られた炭
化物を揉みほぐしてスチールコードとカーボン(繊維及
びゴムの炭化物)とに分離したときのそれぞれの収率を
表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】この表2によれば、スチールコード及びカ
ーボンのいずれについても良好な収率が確保できること
が判る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は8の
発明によると、金属及び有機物からなる複合廃棄物を処
理するに当たり、複合廃棄物を炭化炉の無酸素雰囲気中
で所定温度に加熱して、少なくとも、金属及びカーボン
の混合物からなる炭化物と分解ガスとに分解し、この炭
化物を機械的な作用により金属とカーボンとに分離した
後、これら分離された金属及びカーボンをそれぞれ選別
するようにしたことにより、炭化炉で炭化した炭化物を
機械的な作用だけで金属とカーボンとに容易に分離して
回収することができ、金属及び有機物からなる複合廃棄
物を効率よく確実に処理して、資源の有効利用化及び良
好な環境維持を図ることができる。
【0046】請求項2の発明によると、炭化炉で分解さ
れた分解ガスを燃焼させて燃焼ガスを生成し、この燃焼
ガスを元の炭化炉の加熱源としたことにより、炭化炉で
分解された分解ガスを有効利用して省エネルギー化を図
ることができる。
【0047】請求項3の発明によると、上記炭化炉の加
熱源に供給された後の燃焼ガスを洗浄するようにしたこ
とにより、燃焼ガスの有害成分を除去することができ
る。
【0048】請求項4の発明によると、炭化炉を空気遮
断性のよい間接加熱型の炭化炉としたことにより、複合
廃棄物を加熱するときの可燃性ガスによる悪影響を回避
することができる。
【0049】請求項5の発明では、複合廃棄物は、タイ
ヤシュレッダーダストとした。また、請求項7の発明で
は、複合廃棄物は、アルミニウム箔を樹脂にラミネート
したラミネートフィルムとした。従って、これら発明に
よると、本発明の顕著な効果を奏し得る望ましい複合廃
棄物が得られる。
【0050】請求項6の発明によると、炭化炉で複合廃
棄物としてのダイヤシュレッダーダストを加熱するとき
の加熱温度を300〜700℃としたことにより、金属
及びカーボンの分離性の向上と金属の酸化防止とを両立
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るタイヤシュレッダーダ
スト処理装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 炭化炉 2 炭化処理室 7 燃焼ガス室 13 分離機(分離手段) 15 磁気選別機(選別手段) 20 焼却炉 34 スクラバー(洗浄手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 竜次 兵庫県西宮市田近野町6番107号 新明和 工業株式会社環境システム事業部内 Fターム(参考) 4D004 AA07 AA11 AA28 AA50 AB05 BA01 BA05 CA02 CA09 CA12 CA26 CA28 CA40 CB03 CB04 CB15 DA03 DA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属及び有機物からなる複合廃棄物を炭
    化して処理するようにした処理装置であって、 複合廃棄物を無酸素雰囲気中で所定温度に加熱すること
    で、少なくとも、金属及びカーボンの混合物からなる炭
    化物と分解ガスとに分解する炭化炉と、 上記炭化炉で生成された炭化物を機械的な作用により金
    属とカーボンとに分離させる分離手段と、 上記分離手段により分離された金属及びカーボンをそれ
    ぞれ選別する選別手段とを備えたことを特徴とする複合
    廃棄物の処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の複合廃棄物の処理装置におい
    て、 炭化炉で分解された分解ガスを燃焼させて燃焼ガスを生
    成する焼却炉を備え、 上記焼却炉の燃焼ガスを炭化炉の加熱源とするように構
    成されていることを特徴とする複合廃棄物の処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の複合廃棄物の処理装置におい
    て、 炭化炉の加熱源に供給された後の燃焼ガスを洗浄する洗
    浄手段を備えたことを特徴とする複合廃棄物の処理装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの複合廃棄物の
    処理装置において、 炭化炉は、間接加熱型のものであることを特徴とする複
    合廃棄物の処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの複合廃棄物の
    処理装置において、 複合廃棄物は、タイヤシュレッダーダストであることを
    特徴とする複合廃棄物の処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の複合廃棄物の処理装置におい
    て、 炭化炉での複合廃棄物の加熱温度は300〜700℃で
    あることを特徴とする複合廃棄物の処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかの複合廃棄物の
    処理装置において、 複合廃棄物は、アルミニウム箔を樹脂にラミネートした
    ラミネートフィルムであることを特徴とする複合廃棄物
    の処理装置。
  8. 【請求項8】 金属及び有機物からなる複合廃棄物を炭
    化して処理する処理方法であって、 複合廃棄物を無酸素雰囲気中で所定温度に加熱すること
    により、少なくとも、金属及びカーボンの混合物からな
    る炭化物と分解ガスとに分解し、 次いで、上記炭化物を機械的な作用により金属とカーボ
    ンとに分離し、 しかる後に、上記分離された金属及びカーボンをそれぞ
    れ選別することを特徴とする複合廃棄物の処理方法。
JP10313167A 1998-11-04 1998-11-04 複合廃棄物の処理装置及び処理方法 Pending JP2000140790A (ja)

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