JP3057737B2 - 密閉形アルカリ蓄電池 - Google Patents

密閉形アルカリ蓄電池

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JP3057737B2 JP2241528A JP24152890A JP3057737B2 JP 3057737 B2 JP3057737 B2 JP 3057737B2 JP 2241528 A JP2241528 A JP 2241528A JP 24152890 A JP24152890 A JP 24152890A JP 3057737 B2 JP3057737 B2 JP 3057737B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、密閉形アルカリ蓄電池に関するものであ
る。
従来の技術 アルカリ蓄電池の負極に用いる水素吸蔵電極は、水素
吸蔵合金を備えている。この水素吸蔵合金には、LaNi5
やTiMn2などの金属間化合物があり、これらの合金の成
分元素の一部を、そのほかの元素で置換することや、化
学量論数を変化させることによって、これらの合金の水
素吸蔵量を変化させたり、これらの金属水素化物の平衡
水素圧を変化させたり、アルカリ電解液中における合金
の耐食性を向上させて、電極に用いられている。
この電極の従来の製造方法には、上記の水素吸蔵合金
の粉末を、パンチングメタルや発泡ニッケルなどの導電
性支持体に保持させ、ポリビニルアルコール、フッ素樹
脂、アクリル−スチレン樹脂などの耐アルカリ性高分子
で結合するものや、水素吸蔵合金を焼結したものがあ
る。
この負極と、水酸化ニッケル電極などの正極と、水酸
化カリウムなどのアルカリ電解液とを用いて、アルカリ
蓄電池が構成される。
水素吸蔵電極を用いるアルカリ蓄電池では、水素吸蔵
電極の放電容量が、同じ体積のカドミウム電極の2倍程
度に達する。したがって、たとえば、水素吸蔵電極の容
量がカドミウム電極の容量の1.5倍程度になるように、
水素吸蔵電極の体積を減少させ、その体積の減少分だけ
正極の体積を増加させて、正極の容量を1.5倍程度に増
加させることによって、ニッケル・金属水素化物電池の
場合には、その容量を、同じ体積のニッケル・カドミウ
ム電池の1.5倍程度に増加させることができる。
そして、水素吸蔵電極を負極に用いてアルカリ蓄電池
を構成する場合には、電池を次のように構成して密閉化
を達成している。
まず、過充電時については次の通りである。すなわ
ち、正極の充電可能容量を負極の充電可能容量よりも小
さくして、正極の充電が負極よりも先に終わるようにす
る。この密閉電池を過充電すると、水が電解されて正極
から発生する酸素ガスが負極の表面で電気化学的に還元
されて水を生成するので、電池内に酸素ガスの蓄積が起
こらず、電解液の量も変化しない。そして、負極では、
過充電時に酸素ガスの還元反応が起こって、負極の充電
が停止するので、負極の充電が終わって水素ガスが発生
することが防止され、電池内に水素ガスの蓄積が起こら
ない。従って、電池を過充電しても、電池内にガスが蓄
積して内圧が著しく増加することがなく、電池の密閉系
が保持される。これとは逆に、負極の充電が正極よりも
先に終わるように電池を構成すると、過充電時に負極か
ら水素ガスが発生するが、水素ガスが正極で電解酸化さ
れる速度は著しく小さいので、電池内の水素ガスの蓄積
を効果的に防ぐことが困難である。従って、実用形の密
閉型蓄電池では、正極の充電が負極の充電よりも先に終
わるように構成している。
このような過充電時の密閉化の原理は、密閉型のニッ
ケル・カドミウム電池と同じである。そして、この電池
の構成は、正極の充電可能な容量を負極の充電可能な容
量よりも小さくすることで実現できる。
次に過放電時については次の通りである。すなわち、
正極活物質の放電可能容量を負極の放電可能容量よりも
小さくして、正極の放電が負極よりも先に終わるように
する。この密閉電池を過放電すると、水が電解されて正
極から発生する水素ガスが負極の表面で電気化学的に酸
化されて水を生成するので、電池内に水素ガスの蓄積が
起こらず、電解液の量も変化しない。そして、負極で
は、過放電時に水素ガスの酸化反応が起こって、負極の
放電が停止するので、負極の放電が終わって酸素ガスが
発生することが防止され、電池内に酸素ガスの蓄積が起
こらない。従って、電池を過放電しても、電池内にガス
が蓄積して内圧が著しく増加することがなく、電池の密
閉系が保持される。これとは逆に、負極の放電が正極よ
りも先に終わるように電池を構成すると、過放電時に負
極から酸素ガスが発生するが、酸素ガスが正極で電解還
元される速度は著しく小さいので、電池内の酸素ガスの
蓄積を効果的に防ぐことが困難である。従って、実用形
の密閉型蓄電池では、正極の放電が負極の放電よりも先
に終わるように構成している。
もしも、過充電時や過放電時にガス吸収反応が十分大
きい速度で起こらない場合には、アルカリ電解液中の水
の電気分解によって発生したガスが電池内に蓄積して、
電池の内圧が著しく上昇し、安全弁が作動して、電池内
のガスが放出される。このようなことを繰り返すと、水
の電気分解によって生成したガスが電池系外に去るので
あるから、電池内の電解液量が著しく減少して、電池の
充放電が困難になり、電池の充放電サイクル寿命が著し
く短くなる。特に、このような過放電時の密閉化の原理
は、水素吸蔵電極もしくは水素ガス拡散電極を負極に用
いる密閉型アルカリ蓄電池に特有のものである。
なお、水素吸蔵電極の場合に、高率放電時や、低温で
放電する場合に放電が困難な水素の量が増加して、放電
容量が減少する。このような場合に、負極の放電が正極
よりも先に終わって、負極の水素吸蔵電極が過放電され
て酸素ガスが発生すると、水素吸蔵合金の表面がアノー
ド酸化されて不活性になり、それ以後の充放電が困難に
なる不都合が発生する。従って、負極に水素吸蔵電極を
備える密閉形アルカリ蓄電池を密閉化して、電池の放電
を正極で制限し、負極が過放電されないように構成する
ことは、この不都合を防ぐためにも有用なことである。
発明が解決しようとする課題 水素吸蔵電極を負極に用いる密閉式アルカリ蓄電池に
おいて、上述のように、正極の放電が負極の放電よりも
先に終わるように電池を構成する手段としては、次のよ
うにいくつかの方法が提案されているが、それぞれ問題
点がある。
その第1の手段は、電池を構成する前に、水素吸蔵電
極を予め充電しておく方法であり、具体的には、水素吸
蔵電極の水素吸蔵合金に、一定量の気相の水素ガスを吸
蔵させたり、水素吸蔵電極を電解液中で部分的に充電し
ておく方法である。これらの方法には、次のような問題
点がある。すなわち、気相の水素ガスを吸蔵させる場合
には、水素吸蔵電極に均一に水素ガスを吸蔵させること
が困難であり、また、吸蔵時に水素ガスを加圧し加熱す
る必要があるので、作業に危険をともなう。また、水素
吸蔵電極を部分的に充電する場合には、電池を組み立て
る前に、この電極を洗浄して乾燥する必要があるが、そ
の際に電極中の水素が放出されて、吸蔵量を制御するこ
とが困難である。
第2の手段は、アルカリ電解液に還元剤を添加して、
これらの還元剤の酸化にともなって負極が充電される現
象を利用する方法であり、具体的には、ヒドラジンやア
ルコールを添加するものがある。これらの方法では、添
加する還元剤の量を制御して、負極の過剰放電量を容易
に制御できる点で優れるが、還元剤の酸化生成物が電池
に種種の悪影響をもたらす。すなわち、ヒドラジンの酸
化生成物である窒素化合物は、ニッケル・カドミウム電
池と同様の「シャトル機構」により自己放電を促進する
原因となる。また、アルコールは酸化されて多量の炭酸
根を生成し、これは、正極の水酸化ニッケル電極の導電
性骨格である金属ニッケルの腐食を促進したり、水酸化
ニッケルの不活性化の原因になる。
第3の手段は、アルカリ水溶液中で電気化学的に水素
電極電位よりも卑な金属を水素吸蔵電極中に坦持し、水
素吸蔵電極がアルカリ電解液に接した際に、この卑な金
属の酸化反応にともなって、局部電池機構によって、水
素吸蔵電極を部分的に充電されるものである。具体的に
は、亜鉛などの卑金属を坦持させることが提案されてい
る。この方法には、次の不都合がある。すなわち、水素
吸蔵合金は水素過電圧が低く、しかも、充放電していな
い水素吸蔵合金の充電反応の過電圧が高いので、この卑
金属を坦持した水素吸蔵電極がアルカリ電解液に接触す
ると、水素吸蔵合金の充電反応だけではなく、水素吸蔵
合金からの水素ガスの発生がおこり、部分的に充電する
電気量を正確に制御できない。
第4の手段は、金属コバルトや水酸化コバルトを備え
る非焼結式水酸化ニッケル電極を正極に用いるものであ
り、電池を充電する際に正極の金属コバルトや水酸化コ
バルトが3価のコバルト酸化物の不可逆的に酸化される
現象を利用するもので、その際に、正極の活物質の充電
が起こらずに、負極が部分的に充電される。この方法
は、負極の部分的な充電量の制御が容易である点で優れ
ている。しかし、金属コバルトや水酸化コバルトは焼結
式水酸化ニッケル電極の活物質含浸工程では、容易に酸
化されるので、焼結式水酸化ニッケル電極を正極に用い
る場合には、この方法は適用できない欠点がある。
第5の手段は、負極の容量を正極の容量よりも大きく
し、電池を開放した状態で正極から酸素ガスが発生する
に到るまで充電してから電池を密閉するものである。こ
の場合には、電池が開放状態で正極が過充電されて、正
極から発生する酸素ガスの少なくとも一部が、負極で電
解還元されることなく電池系外に放出されるので、負極
は、その放出された酸素の還元に要する電気量だけ正極
よりも過剰に充電される。従って、正極の放電容量を負
極の放電容量よりも小さくすることが可能になる。この
方法は、添加物を必要とせず、また電極の種類に関わら
ず適用できる点で有利であるが、開放状態で電池を過充
電する際に、負極における酸素ガス還元反応の効率を制
御することが困難であるから、電池系外に放出される酸
素ガスの制御が困難であり、負極の過剰放電量の制御が
困難であるという欠点がある。
以上に述べたように、水素吸蔵電極を負極に用いる密
閉形アルカリ蓄電池において、正極の放電が負極の放電
よりも先に終わるように構成する際に、負極の過剰放電
量の制御が容易で、作業上の危険が少なく、自己放電や
電池構成要素の不活性化を招く不純物を生成することな
く、しかも、正極に焼結式水酸化ニッケル電極を用いる
場合にも適用できる手段が望まれていた。
課題を解決するための手段 本発明では、上述の課題を解決するために、水素吸蔵
電極を負極に用い、負極の放電容量を正極の放電容量よ
りも過剰にした密閉形アルカリ蓄電池において、金属ビ
スマスの粉末が、水素吸蔵合金粉末に混合されて負極の
導電性支持体に保持されてなり、該金属ビスマスによっ
て負極の過剰放電容量の少なくとも一部が付与されたこ
とを特徴とする密閉形アルカリ蓄電池を提供する。
作用 負極が水素吸蔵合金および金属ビスマスの粉末を備え
る水素吸蔵電極からなるアルカリ蓄電池には、次の作用
がある。
すなわち、金属ビスマスがアルカリ電解液中で酸化さ
れる電位は、水素の平衡電位よりも貴であるから、この
水素吸蔵電極がアルカリ電解液に接触しても、水素ガス
が自発的に発生することがない。
そして、この水素吸蔵電極に備えられる金属ビスマス
が、式(1)に従って、アルカリ電解液中で電解酸化さ
れる電位は、水素の平衡電位よりも約0.37V貴であり、
酸素ガス発生反応の平衡電位よりも約0.86V卑である。
2Bi+60H-→Bi2O3+3H2O+6e- (1) 従って、水素吸蔵合金の放電がほぼ終わってから、酸
素ガス発生反応が起こる前に、金属ビスマスの電解酸化
反応すなわち放電反応が起こる。そして、金属ビスマス
を備える水素吸蔵電極は、この電極を充電しなくても、
酸素ガス発生反応が起こるまでに、金属ビスマスの電解
酸化反応に相当するだけの放電容量を既に備えているこ
とになる。すなわち、金属ビスマスを備える水素吸蔵電
極は、金属ビスマスを備えない水素吸蔵電極と比較し
て、金属ビスマスの放電容量だけ予め過剰に充電した場
合と等価の状態になり、正極の放電容量よりも負極の放
電容量を大きくすることが可能になる。
Bi2O3が生成するまで過放電してから充電する場合に
は、式(1)の反応の平衡電位が水素吸蔵電極の充電反
応が起こる電位よりも貴であるから、先に式(1)の逆
反応が起こってから、水素吸蔵合金の充電が進行する。
なお、金属銅や金属鉛を水素吸蔵電極に備える場合に
も、この電極をアルカリ電解液中でアノード分極する
と、酸素ガス発生反応が起こるまでに金属銅や金属鉛の
アノード酸化反応が起こる。しかし、これらの金属の溶
解種である2価の銅や2価の鉛はアルカリ電解液に対す
る溶解度が高く、しかもこれらの金属をアノード酸化す
ると、これらの溶解種が過飽和状態で溶解するので、そ
の濃度がいっそう高くなる。従って、密閉形アルカリ蓄
電池を過放電して、正極が過放電され、正極から水素ガ
ス発生反応が起こるような卑の電位になると、銅や鉛の
高濃度の溶解種が正極に樹枝状に電析して、正極と負極
との間に導電性の内部短絡経路が形成されることがあ
る。また、たとえ、たまたま過放電時に内部短絡経路が
形成されない場合があっても、電池を過放電してから充
電する際に、電解液中のこれらの金属の高濃度の溶解種
が負極に樹枝状に電析して、内部短絡経路が形成される
ことがある。このように、金属銅や金属鉛を水素吸蔵電
極に備えると、内部短絡の危険があるので好ましくな
い。
しかし、アルカリ電解液中におけるビスマスの酸化物
の溶解度はきわめて低いので、金属銅や金属鉛を備える
場合と比較して、内部短絡が発生する危険がきわめて小
さい。
そして、金属ビスマスがアルカリ電解液中で酸化され
る電位は、水素の平衡電位よりも貴であるから、この水
素吸蔵電極がアルカリ電解液に接触しても、水素ガスが
自発的に発生することがない。したがって、負極の過剰
放電容量は、金属ビスマスの粉末の添加量を変えるだけ
で容易に制御できる。また、この制御の際に、高温高圧
の水素ガスを用いることがないので、作業上の危険が少
ない。さらに、ビスマスが酸化されても窒素化合物や炭
酸根を生成することがない。また、本発明の電池では、
負極の放電容量を正極よりも過剰にするために、負極に
金属ビスマスを備えてその作用を得ているのであるか
ら、正極は、非焼結式水酸化ニッケル電極だけではな
く、焼結式水酸化ニッケル電極を用いる場合にも同じ作
用が得られる。
実施例 本発明を、次の実施例によって、さらに詳しく説明す
る。
[水素吸蔵電極A](本発明実施例) 水素吸蔵合金は、LaNi5のLaをミッシュメタル(原料
はバストネサイト)Mmで置換し、Niをニッケル、コバル
ト、アルミニウムおよびマンガンの混合物で置換して、
その成分元素が化学式MmNi3.55Co0.75Al0.4Mn0.3になる
ように、アルゴン雰囲気にした高周波誘導炉中で溶解
し、これを鉄製のモールドに流し込んで鋳込み、この鋳
造物をジョークラッシャーで粗粉砕し、ふるい分けて、
粒径が1mm以下の粗粉砕を得た。
次に、この粗粉末をエタノールで湿潤させて、アルミ
ナ製のポットおよびボールを用いてボールミル粉砕をお
こなった。そして、この粉末を真空乾燥してから分級
し、330メッシュの篩いを通過した水素吸蔵合金の微粉
末を得た。
そして、この水素吸蔵合金粉末100重量部、ナカライ
テスク社製の化学用試薬の金属ビスマス粉末3重量部、
導電助剤たるファーネスブラック2重量部および結着剤
たるアクリル−スチレン共重合体からなる合成ラテック
ス2重量部(固形分)に水を加えてペースト状混合物を
調製し、このペースト状混合物を、導電性支持体たる厚
さが0.09mmで開口率が約0.5のニッケルメッキした鉄製
パンチングメタルの両面に塗布し、乾燥してから、プレ
スし、切断して、水素吸蔵電極Aを製作した。
水素吸蔵電極A1枚の大きさは、水素吸蔵合金付着部
が、高さ55mm、幅15mmであり、電極の厚さが0.4mmであ
る。そして、この電極1枚に含まれる水素吸蔵合金の重
量は、約1.25グラムであった。
[水素吸蔵電極B](従来例) 水素吸蔵電極Aにおける金属ビスマス粉末を用いるこ
となく、そのほかは水素吸蔵電極Aと同じにして、水素
吸蔵電極Bを製作した。電極の寸法および水素吸蔵合金
の坦持量は、水素吸蔵電極Aとほぼ同じであった。
[水素吸蔵電極C](従来例) 水素吸蔵電極Aにおける金属ビスマス粉末のかわりに
金属亜鉛粉末を用い、そのほかは水素吸蔵電極Aと同じ
にして、水素吸蔵電極Cを製作した。電極の寸法および
水素吸蔵合金の坦持量は、水素吸蔵電極Aとほぼ同じで
あった。
以上の3種類の水素吸蔵電極を、5.8Mの水酸化カリウ
ム電解液に浸漬して観察したところ、亜鉛粉末を備える
水素吸蔵電極Cだけは、水素ガスの気泡を盛んに発生し
た。このことから、亜鉛粉末を備える水素吸蔵電極で
は、水素ガスが電池系外に去って、負極の過剰放電容量
を制御することが困難であることがわかる。従って、水
素吸蔵電極Cは、以下の試験に用いなかった。
次に、密閉形アルカリ蓄電池を連続的に過放電して、
その電池内圧を測定するとともに負極の残存容量を測定
し、本発明による電池では、過放電の場合に負極が貴に
分極することが抑制されて、電池内圧の上昇が防止され
ていることを実験によって確かめたので、その結果を説
明する。
[密閉形アルカリ蓄電池ア](本発明による電池) 密閉形アルカリ蓄電池アは、次のように構成した。
負極には、水素吸蔵電極Aを4枚用いた。正極は、活
物質保持部の寸法が、高さ54mm、幅が14.5mm、厚さが0.
82mmで、水酸化ニッケルの充放電反応が1電子反応に従
うことを仮定した場合の放電容量が340mAhの公知の焼結
式水酸化ニッケル電極を3枚用いた。なお、この正極板
は、アルカリ電解液中で、常法により充放電して化成し
たものであるから、充電されて放電が困難なニッケル高
級酸化物が既に正極板に含まれている。セパレータに
は、厚さが0.12mmのポリサルフォン不織布を用い、この
セパレータ1枚でそれぞれの正極板1枚を包んで、正極
板と負極板とを交互に積層し、ニッケルメッキした鉄製
の角柱状の電池ケースにこの極板群を挿入し、6Mの濃度
の水酸化カリウム水溶液1に15gの水酸化リチウムを
溶解したものを電解液に用いて、これをこの電池ケース
に注入してから封口し、密閉形アルカリ蓄電池を製作し
た。この電池は、約5kg/cm2の内圧で作動する安全弁を
含めて、高さが66.2mm、幅が16.4mm、厚さが5.6mmの外
形寸法を有する角柱状のものである。この電池の公称容
量は、900mAhである。
[密閉形アルカリ蓄電池イ](従来例による電池) 密閉形アルカリ蓄電池イは、密閉形アルカリ蓄電池ア
における負極の水素吸蔵電極Aの代わりに水素吸蔵電極
Bを用い、そのほかの構成は密閉形アルカリ蓄電池アと
同じ構成にした。
以上の2つの密閉形アルカリ蓄電池を、1サイクル目
は、90mAの電流で15時間充電してから、180mAの電流
で、それぞれの電池の端子電圧が0.8Vになるまで放電し
た。次に、180mAの電流で6時間充電し、180mAの電流で
端子電圧が0Vになるまで放電し、そのままの電流で、さ
らに1時間過放電する充放電サイクルを10回おこなっ
た。最後の過放電の時には、電池の内圧を測定した。こ
れらの充放電は、25℃でおこなった。
この過放電の際の電池の内圧の経時変化を、第1図に
示す。第1図から、次のことがわかる。
すなわち、金属ビスマス粉末を保持した本発明による
密閉形アルカリ蓄電池アは、過放電時の内圧が小さい値
に抑えられていて、安全弁の作動圧5kg/cm2に到達する
ことがなく、電池の密閉化が達成されている。一方、金
属ビスマス粉末を保持しない従来例による密閉形アルカ
リ蓄電池イは、過放電の進行にともなって内圧が高くな
り、内圧が安全弁の作動圧に到達している。
さらに、これらの2つの電池を過放電の後に解体し、
負極板を取り出してこれを試験極とし、次の条件で放電
して、酸素ガス発生に到るまでの放電容量を調べた。
すなわち、上記の水素吸蔵電極各1枚を試験極とし、
その両側に、試験極との極間距離が2.5cmになるように
ニッケル板を1枚ずつ配置して、これらを対極とし、5.
8Mの濃度の水酸化カリウム電解液を用いて、フラッデッ
ドタイプの開放型の試験用セルを構成した。試験極の電
位の測定には、酸化第2水銀電極を照合極に用いた。
そして、これらの試験極を、充電することなく、25℃
において、45mAの電流で、酸化第2水銀電極基準で+0.
25Vまで放電した(酸素ガス発生反応の平衡電位は+0.3
03Vであるから、+0.25Vでは酸素ガスは発生しな
い。)。
その結果を第1表に示す。
第1表から、本発明による密閉形アルカリ蓄電池ア
は、負極の残存容量が得られていることから、放電が正
極の容量で制限されていることがわかる。一方、従来例
による密閉形アルカリ蓄電池イでは、負極の残存容量が
得られないので、放電を正極の容量で制限することが困
難であることがわかる。
なお、上記の実施例では、水素吸蔵合金として特定の
組成のものを用いて説明したが、単にこの合金だけでは
なく、その成分元素を変えた合金や、Laves相に属する
水素吸蔵合金などを用いる場合にも、本発明は同様に適
用できる。
さらに、上記の実施例では、結着剤として作用する耐
アルカリ性高分子として、アクリル−スチレン共重合体
からなる合成ラテックスを用いる場合を説明したが、単
にこの耐アルカリ性高分子にとどまらず、ポリオレフィ
ン樹脂、フッ素樹脂、メチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ポリビニルアルコールなどを用いる
場合にも、本発明が適用できる。
また、上記の実施例では、導電性支持体として、パン
チングメタルを用いる場合を説明したが、そのほかに、
金属網、エキスパンデッドメタル、金属発泡体や金属繊
維焼結体などの導電性多孔体などを用いる場合にも、本
発明が適用できる。
発明の効果 本発明は、水素吸蔵電極を負極に用いる密閉形アルカ
リ蓄電池において、正極の放電が負極の放電よりも先に
終わるように構成して過放電時の電池の内圧上昇を効果
的に抑制する効果がある。しかも、その際に、高温高圧
の水素ガス雰囲気のような危険な状態で作業する必要が
なく、アルカリ電解液中で水素ガスを発生しない固体金
属粉末を添加するので負極の過剰放電量の制御が容易で
あり、電池の自己放電等の性能に有害に窒素化合物や炭
酸根を生成することがなく、しかも、正極に焼結式水酸
化ニッケル電極を用いる場合にも適用できるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図:過放電の進行にともなう密閉形アルカリ蓄電池
の内圧の経時変化を示した図。 ア……本発明による電池 イ……従来例による電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/24 H01M 10/34 H01M 4/24 - 4/26 H01M 4/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素吸蔵電極を負極に用い、負極の放電容
    量を正極の放電容量よりも過剰にした密閉形アルカリ蓄
    電池において、金属ビスマスの粉末が、水素吸蔵合金粉
    末に混合されて負極の導電性支持体に保持されてなり、
    該金属ビスマスによって負極の過剰放電容量の少なくと
    も一部が付与されたことを特徴とする密閉形アルカリ蓄
    電池。
JP2241528A 1990-09-11 1990-09-11 密閉形アルカリ蓄電池 Expired - Lifetime JP3057737B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013019148A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 Giken Kanamono Kk ケース錠

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