JP3057715B2 - 苗移植機 - Google Patents

苗移植機

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JP3057715B2
JP3057715B2 JP2149519A JP14951990A JP3057715B2 JP 3057715 B2 JP3057715 B2 JP 3057715B2 JP 2149519 A JP2149519 A JP 2149519A JP 14951990 A JP14951990 A JP 14951990A JP 3057715 B2 JP3057715 B2 JP 3057715B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、野菜等の苗の植付けに使用される苗移植機
に関するものである。
[従来の技術] 苗を載せる苗載台と該苗載台上の苗を圃場に植え付け
る植付装置を備えた複数の移植機を乗用走行車体で牽引
し、複数条に同時に苗を植え付けるようにした乗用野菜
移植機が考えられている。
[発明が解決しようとする課題] 上記乗用野菜移植機が使用されるような広い圃場で
は、畝形成は行なわず平坦な圃場にそのまま苗を植付け
るのが一般的であり、その植付条間は野菜の種類や各地
域ごとに異なっている。このため、各移植機の間隔を調
節する条間調節装置を設ける必要があるが、この条間調
節装置はなるべく機構が簡単であるとともに、調節操作
が容易であるのが望ましい。また、植値装置は、圃場に
凹凸があっても常に圃場面を基準として一定深さで苗を
植付けることができるように、上下動する必要がある
が、条間調節が容易で、しかも簡単な構造で圃場面に対
応してうまく上下動できるようにしたものはなかった。
本発明は、条間調節と円滑の植付装置の上下動を可能と
した苗移植機を提供することを課題としている。
[課題を解決するための手段] そこで、本発明は次のような構成とした。すなわち、
本発明にかかる苗移植機は、苗を圃場に植え付ける植付
装置を、左右方向の軸周りに上下に回動自在に機体に取
り付けるとともに、圃場面を転動する車輪で圃場面に支
持する構成とし、植付装置の回動中心となる左右方向の
軸に沿って当該植付装置を左右に移動可能に設けたこと
を特徴としている。
[作 用] 植付装置を左右方向の軸に沿って移動させることがで
きるので、条間調節が容易である。また、植付装置が車
輪で圃場面に支持されるとともに、前記左右方向の軸周
りに上下回動自在であるから、圃場面を基準として一定
の深さで苗を植付けることができる。
[実施例] 以下、図面にあらわされた実施例について説明する。
この苗移植機1は乗用野菜移植機として構成されてお
り、この乗用野菜移植機(苗移植機)1は3条植であ
り、3組の移植機2,…を具備する植付部3をトラクタ車
体(乗用走行車体)5の後部に設けた3Pリンク装置6に
装着してなる。3Pリンク装置6は、後端部に植付部側の
連結枠10が取り付けられる左右一対のロアリンク11,11
と、長さ調節可能な1本のトップリンク12を有し、油圧
シリンダ14で駆動される駆動アーム15,15の先端部と前
記ロアリンク11,11の後部とがリフトロッド16,16で連結
されている。駆動アーム15,15を駆動してロアリンク11,
11を上下に揺動させることにより、植付部3全体が昇降
する。また、トップリンク12の長さを調節することによ
り、植付部3の取付角度が変えられる。
トラクタ車体5のPTO軸19より伝動される伝動ケース2
0を連結枠10の後方に設け、該伝動ケースから左右に突
設した上フレームパイプ21(L,R)とその後方下部に左
右水平に設けた前後の下フレームパイプ23,24を連結板2
6,26、側板27,27等で互いに連結して植付部の機枠が構
成されている。なお、前記連結枠10は背面視で山形の形
状を呈しており、伝動ケース20の両側部に設けた取付フ
ランジ29,29に下部が取り付けられているとともに、中
央部に設けたジャッキ30が伝動ケース20の上部に連結さ
れている。この機枠の上には、該機枠分の幅を有するス
テップ32が設けられている。そして、ステップ32の中央
部にオペレータ席33が後向きに設置されているととも
に、その側方に植付クラッチレバー34が設けられてい
る。植付クラッチレバー34は、下パイプレバー23に固着
されたレバーボックス35に前後に回動自在に取り付けら
れている。
上フレームパイプ21,21の下方に鎮圧輪支持棒37が横
設され、これに植付部3の支持と圃場の鎮圧を兼ねるゴ
ムタイヤ製の鎮圧輪38,…が多数保持されている。第6
図に示す如く、鎮圧輪取付板39によって2輪1組で鎮圧
輪が鎮圧輪持棒37に取り付けられており、全体として鎮
圧輪38,…が左右方向に等間隔で配置されている。鎮圧
輪38,…はある程度密に設けておくのがよく、図示例で
は鎮圧輪と鎮圧輪の間隔aが鎮圧輪の幅bの1/3程度に
なっている。場合によっては、さらに間隔aを狭くして
もよい。また、トラクタ車体の後輪40,40の真後で鎮圧
輪38,…の前方に、左右で一対づつの膨軟スーツ41,…が
鎮圧輪支持棒37から前方に突設したツース取付棒42,…
に上下位置調節可能に取り付けられている。この膨軟ツ
ース41は、下部が若干前向きに湾曲した上下に長い板材
で、その断面形状は左右中央部が前方に尖った山形をし
ている。膨軟ツース41は、後輪40の外端部よりも若干内
側に位置し、その下端部が土中に埋没するように取り付
けられ、進行するにともなって後輪40によって踏み固め
られた土を掘り起こすようになっている。膨軟ツース4
1,…によって後輪40,40の通過跡の土を掘り起こして一
旦膨軟化したのち、鎮圧輪37,…で鎮圧するので、圃場
面の高さが平均化し、苗の移植に適した状態となる。ま
た、多数の鎮圧輪38,…で植付部3を圃場面上に支持す
るため、植付部の土壌中への沈み込みが防止されるとと
もに、強度的にも優れたものとなっている。
さらに、側板27の前端部に筒体44が左右水平に固着さ
れ、これに摺動自在に嵌合するロッド45の先端部に、下
端部43aが鋭利に形成された線引きマーカ43が上下調節
可能に取り付けられている。ロッド45には位置決め用の
溝47,…が設けられており、適合する溝に取付ねじ48の
先端を係合させて固定する。作業時には、第7図に示す
如く未値側のマーカ43をその下端部43aが土中に挿入す
る程度まで下ろした状態で固定する。進行にともない、
マーカ43によって最外部の植付条から条間w分だけ隔て
た位置に、次行程の植付条を示す線引きが施される。
移植機2(I〜III)はそれぞれ同様の構成で、各移
植機は第8図乃至第13図に示すように、苗を載せる苗載
台50と、圃場に移植用の溝を形成する作溝器51と、苗載
台50上の苗を圃場に植え付ける植付装置52と、移植後の
溝に土を埋める左右一体の覆土輪53,53を備えてなる。
苗載台50は前部が上位となるよう傾斜(対水平角が15
〜30度程度)させて設けられ、左右に往復動することに
より後部に設けた苗取出口50aに順次苗を供給する。苗
載台50前部には、第10図に示すようなパイプ製の苗補給
枠50bが角度調節自在に取り付けられている。苗補給時
には苗101,…を薄板製の苗取板103ですくい取って苗載
台50に移し変えるが、その際に苗取板103をこの苗補給
枠50bに沿ってずらせるようにしながら苗補給動作を行
なえば作業が楽である。
作溝器51は舟形を呈し、その底面が圃場面から所定の
深さになるよう取付棒51aに止めピン51b,…で固定され
ており、機体の進行にともなって土中を移動することに
より、所定幅で所定深さの溝100が圃場面に形成され
る。取付棒51aへの取付位置を変えることにより、溝100
の深さを調節することができる。
植付装置52は、所定の軌跡を描いて上下運動を行なう
植付杆54を有し、該植付杆に取り付けられた一対の移植
爪54a,54aで苗取出口50aに供給された苗101を把持し、
それを前記溝100内に植え付けるようになっている。
覆土輪53は皿形の形状をしており、後記車輪支持板57
aの後端部に上下に回動自在に設けたねじ棒53aに覆土輪
支持板53bをナット55で取り付け、この覆土輪支持板53b
の先端部に覆土輪53が回転自在に軸支されている。ねじ
棒53aはスプリング56によって下向きに付勢されている
ので、覆土輪53は圃場面を弾性的に押圧しつつ転動す
る。これによって溝100の両側に盛り上がった土を溝100
内に導き押し込む。ねじ棒53aに対する覆土輪支持板53b
の取付角度を調節することにより、覆土輪53,53の圃場
面に対する傾斜角を任意に変えることができる。
この移植機機体は、左右一対の車輪57,57によって圃
場面上に支持される。車輪57は機体の機枠に上下に回動
可能に取り付けた車輪支持棒57a,57aの後端部に軸支さ
れている。
図中の59はミッションケースで、該ミッションケース
から苗載台伝動ケース60を介して苗載台駆動用のリード
カム軸61に伝動されるとともに、植付装置伝動ケース62
を介して植付装置52に伝動される。ミッションケース59
内には、移植機各部を所定の位置で停止させるため植付
クラッチが内蔵されている。各条の植付クラッチは前記
植付クラッチレバー34で操作されるが、各条の植付クラ
ッチには入切動作に位相差が設けられており、植付始め
と植付終りの位置が揃うように設定されている。すなわ
ち、前方に位置する移植機の植付クラッチから順に入切
動作が行なわれるようになっているのである。第14図は
制御のシーケンス図で、SOR1〜SOR3は各植付クラッチの
入切用ソレノイドである。
移植機2(I〜III)はV字形に配置され、両側のも
のが前方に位置し、中央部のものがそれより所定距離だ
け後方に位置している。両側の移植機2(I.III)は、
その前部がステップ32と平面視で重なり合っている。こ
のように配置することにより、全長を短縮することがで
きるとともに、旋回が容易となっている。
各移植機は前記下フレームパイプ23,24の中間部下方
に支承された六角軸65に取り付けられている。その取付
部の構造は、第4図および第9図に示す如く、移植機側
の取付フレーム66に設けた軸受部67が六角軸65に摺動自
在に嵌合し、移植機全体が六角軸65を中心として上下に
揺動自在で、かつ六角軸65に沿って移動可能となってい
る。なお、中央部の移植機2(II)だけは六角軸65に対
して摺動せず、左右定位置に固定されている。移植機側
のフレームに、前側の下パイプフレーム23の下面に沿っ
て転動自在なローラ69と、後側の下パイプフレーム24の
上面に沿って転動自在なローラ70とが、若干の遊びs
(s1+s2)を有する状態で設けられており、上記遊びの
範囲内で移植機2が上下にピッチング可能である。ま
た、両側の移植機2(I,III)の取付フレーム66にはス
テップ32上に突出する条間調節レバー72(I,III)が突
設されており、この条間調節レバー72で移植機2を六角
軸65に沿って移動させ、条間を調節するようになってい
る。ステップ32に設けたガイド溝73(I,III)には所定
ピッチレバー係合部73a,…が形成されている。移植機2
はローラ(69または70)によって下フレームパイプ(23
または24)に支持されるので、移植機の移動操作が容易
で、条間調節を楽に行なうことができる。
図示例の乗用野菜移植機1は7段階に条間を調節でき
るようになっており、第2図は条間を最も狭くしたと
き、第3図は条間を最も広くしたときを示している。第
2図に見られるように、条間を最も狭くしたときは、外
側(前側)の移植機の内側の車輪A,Aと中央(後側)の
移植機の左右の車輪B,Bとが前後に重なるようになって
いる。中央の移植機2(II)は取付フレーム66の長さが
長いため車輪B,Bに大きな荷重が加わるが、条間を最も
狭くした状態で作業を行なうと、車輪A,Aによって踏み
固められた跡を車輪B,Bが通過するので、移植機2(I
I)の土壌への沈み込みが少なくなり、植付深さを平均
化される。
このように移植機数が奇数であると、中央の移植機2
(I)には条間調節のための横移動機構を設けておく必
要がなく、構成が簡略であるとともに、中央の移植機を
基準として両側の移植機を位置調節すればよいので条間
調節の操作も容易となる。
なお、5条植の乗用野菜移植機の場合は、全長の短縮
化、旋回性等の点から、第15図に示す如くW形に配置し
ておくのが好ましい。この場合も中央の移植機(III)
は安定置に固定とし、その両側の移植機を左右に移動さ
せて条間調節を行なう。この際、I,Vの移植機の移動量
はII,IVの移植機の移動量の倍になる。例えば7条植等
のように、さらに多くの奇数個の移植機を設けた乗用野
菜移植機としてもよい。
前記六角軸65は各移植機2,…の駆動軸でもあり、伝動
ケース20から上フレームパイプ21(L)内の回転軸21
a、ギヤケース42内のギヤ42a,42b、回転軸76、チエンケ
ース77内のチエン77a等を介して回転駆動されている。
六角軸65には移植機の伝動フレーム80に取り付けたギヤ
81,…が摺動自在に嵌合しており、該ギヤに取り出され
た動力が、これに噛合するギヤ82、伝動フレーム内のチ
エン83等を介してミッションケース57に伝えられる。
90は予備苗載台で、1段当り苗箱を2個づつ載せるこ
とのできる複数段の棚91,…が形成されており、機枠の
両側部から斜め上方に突設したブラケット92に水平面内
で回転自在に取り付けられている。93は回止めレバーで
ある。常時は第2図において実線で示す如く苗箱の長手
方向が進行方向を向く状態に保持しておき、苗箱を取り
出す際には同図において二点鎖線で示す如く苗箱の長手
方向が進行方向と直角になるよう予備苗載台90を回転さ
せる。なお、左右の予備苗載台の支柱94,94の上端部同
士が水平杆95によって連結されている。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明にかかる苗移
植機は、植付装置を圃場面を転動する車輪で圃場面に支
持するとともに、左右方向の軸に上下回動自在に取り付
けたので、特別な駆動機構を設けることなく、圃場面を
基準に一定の深さで苗の植付けを行なうことができるよ
うになった。また、植付装置の回動中心となる前記左右
方向の軸を利用して当該植付装置を左右に移動すること
により、左右方向の苗植付位置を適宜変更できるように
なり、簡単な構成で良好な苗移植作業を行なえるように
なった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる乗用野菜移植機の1実施例の側
面図、第2図および第3図はその互いに異なる状態をあ
らわす平面図、第4図は植付部の要部の側面図、第5図
は植付部の機枠構成の説明図、第6図は鎮圧輪取付部の
正面図、第7図はマーカ取付部の正面図、第8図は移植
機の側面図、第9図はその平面図、第10図は苗補給枠の
斜視図、第11図は覆土輪取付部の側面図、第12図はその
平面図、第13図は作溝器および覆土輪の作用の説明図、
第14図は植付クラッチ制御のシーケンス図、第15図が移
植機の配置を示す説明図である。 1……乗用野菜移植機、2……移植機、3……植付部、
5……乗用走行車体、6……3Pリンク装置、32……ステ
ップ、33……オペレータ席、34……植付クラッチレバ
ー、38……鎮圧輪、40……後輪、41……膨軟ツース、43
……マーカ、50……苗載台、51……作溝器、52……植付
装置、53……覆土輪、65……六角軸、69,70……ロー
ラ、72……条間調節レバー、90……予備苗載台。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 典弘 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農 機株式会社技術部内 (72)発明者 青木 義勝 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農 機株式会社技術部内 (72)発明者 関屋 隆史 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農 機株式会社技術部内 (56)参考文献 特開 昭59−78609(JP,A) 特開 昭57−18911(JP,A) 実開 昭57−100819(JP,U) 実公 昭49−11164(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】苗を圃場に植え付ける植付装置を、左右方
    向の軸周りに上下に回動自在に機体に取り付けるととも
    に、圃場面を転動する車輪で圃場面に支持する構成と
    し、植付装置の回動中心となる左右方向の軸に沿って当
    該植付装置を左右に移動可能に設けたことを特徴とする
    苗移植機。
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