JP3057573B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JP3057573B2
JP3057573B2 JP02287896A JP28789690A JP3057573B2 JP 3057573 B2 JP3057573 B2 JP 3057573B2 JP 02287896 A JP02287896 A JP 02287896A JP 28789690 A JP28789690 A JP 28789690A JP 3057573 B2 JP3057573 B2 JP 3057573B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
protective layer
surface protective
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP02287896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03200974A (ja
Inventor
季之 深見
在彦 川原
泰史 水田
作白 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Document Solutions Inc
Original Assignee
Kyocera Mita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Mita Corp filed Critical Kyocera Mita Corp
Publication of JPH03200974A publication Critical patent/JPH03200974A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3057573B2 publication Critical patent/JP3057573B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、電子写真感光体に関し、より詳しくは、
感光層との結着性がよく、かつ機械的強度の高い表面保
護層を有する電子写真感光体に関する。
<従来の技術> いわゆる、カールソンプロセスを利用した複写機等の
画像形成装置においては、導電性を有する基材上に感光
層を形成した電子写真感光体が用いられている。
電子写真感光体は、画像形成時に電気的、光学的、機
械的な衝撃を繰り返しうけるため、特に有機感光体にお
いて、機械的強度の向上、帯電能や耐汚染性の向上、感
光体に有害な光の遮蔽等を目的として、感光層上に表面
保護層を設けることが行われている。
かかる表面保護層としては、物理的安定性と硬度の高
さからシリコーン樹脂が主として用いられている。
<発明が解決しようとする課題> しかし、従来から使用されているシリコーン樹脂は、
硬度が高すぎるため、これを用いた表面保護層は、耐衝
撃性に乏しく、クラックが発生し易いという問題があっ
た。また、上記シリコーン樹脂は、感光層との結着性が
悪いという問題があった。
そこで、表面保護層の結着樹脂として熱硬化性シリコ
ーン樹脂と、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂とを併用
した電子写真感光体(特開昭63−18354号公報参照、以
下併用系1という)、熱硬化性シリコーン樹脂とブチル
エーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂とを併用した
電子写真感光体(特開昭63−2071号公報参照、以下併用
系2という)、熱硬化性シリコーン樹脂とアクリル系重
合体とを併用した電子写真感光体(特開昭60−3639号公
報参照、以下併用系3という)等が提案されている。
しかし、前記併用系1においては、感光体の感度が十
分でなく、また、熱硬化性シリコーン樹脂単独の場合に
比べて表面硬度が低く、かえって損傷を受け易い等、表
面保護層の物性の面で問題がある他、特に熱硬化性シリ
コーン樹脂にポリ酢酸ビニルを併用した系では、表面保
護層を形成するための塗布液が安定性に欠け、ポットラ
イフを過ぎると膜の白化が生じるという問題もあった。
一方、併用系2では、系を構成する樹脂が、いずれも
硬化によって硬度の高い3次元構造を形成する熱硬化性
樹脂であるため、形成された表面保護層は表面硬度が高
いものとなるが、層中におけるシリコーンサイトとメラ
ミンサイトとの間の相溶性が十分でないため、両サイト
間に、構造的なトラップとなる空隙を多数生じて、帯電
特性が悪化したり、繰返し露光を行うと電位の安定性が
低下したりする等、電子写真感光体の感光特性に悪影響
を及ぼすおそれがあった。
また併用系3においては、光学特性に優れると共に、
ポリ酢酸ビニルよりも熱硬化性シリコーン樹脂に対する
相溶性が優れたアクリル系重合体を使用しているため、
前記併用系2よりも感光特性を向上することができる。
しかし、併用系3のアクリル系重合体は、平均分子量が
8000〜60000の高分子量のものであるため、塗布液中へ
の溶解が容易でない。このため、上記アクリル系重合体
の塗布液中への溶解が不充分であると、均一な層を形成
できず、ムラ、白濁等が生じて、表面保護層の透明性が
悪くなり、感光体の感光特性が悪化したり、あるいは、
表面保護層の強度が低下して、摺動摩擦に対して脆くな
ったり、クラックが発生し易くなったりするという問題
があった。
本発明者らの検討によれば、上記ブチルエーテル化メ
ラミンホルムアルデヒド樹脂に代えて、メチルエーテル
化メラミンホルムアルデヒド樹脂またはメチル−ブチル
混合エーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂(以下、
上記2つをまとめて「特定エーテル化メラミンホルムア
ルデヒド樹脂」という)を使用した併用系では、上記特
定エーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂が、従来の
ブチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂に比べ
て架橋性が高く、硬化時に、熱硬化性シリコーン樹脂の
Si−OH基と共有結合することはないが、上記Si−OH基と
の間に十分に大きい分子相互作用を生じるため、層中に
おけるシリコーンサイトとメラミンサイトとの相溶性が
向上し、構造的トラップの少ない緻密な膜を形成し得る
ことが判明した。しかし、上記併用系では、メラミンの
芳香族π電子によって層の導電性を向上させるために、
熱硬化性シリコーン樹脂の非揮発性固形分100重量部に
対して、メチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹
脂の場合には15重量部、メチル−ブチル混合エーテル化
メラミンホルムアルデヒド樹脂の場合には30重量部を超
えて配合した場合には、熱硬化性シリコーン樹脂に対す
る相互作用が強すぎて、表面保護層に内部応力が生じ、
クラック等が発生するという問題があった。
この発明はこれらの問題を解消するためになされたも
ので、感光層との結着性が強く、かつ機械的強度に優れ
ていると共に、電子写真感光体の感光特性、物性等に悪
影響を与えることがなく、しかも、より導電性に優れた
表面保護層を有する電子写真感光体を提供することを目
的とする。
<課題を解決するための手段および作用> 上記問題を解決するための、この発明の電子写真感光
体は、下記一般式〔I〕および〔II〕で表されるアルコ
キシシラン化合物のうち少なくとも一方からなるオリゴ
マーと、 このオリゴマー100重量部に対して0.1〜15重量部のメ
チルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂を含有す
る塗布液(1)、 前記オリゴマー100重量部に対して0.1〜30重量部の平
均分子量6000以下のアクリル系重合体を含有する塗布液
(2)、 あるいは前記オリゴマー100重量部に対して5〜50重
量部のメチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂
および/またはメチル−ブチル混合エーテル化メラミン
ホルムアルデヒド樹脂と、前記オリゴマーおよびエーテ
ル化メラミンホルムアルデヒド樹脂の合計量に対して1
〜11重量%の熱可塑性樹脂とを含有する塗布液(3)の
いずれかとを、感光層上に塗布し、硬化させてなる表面
保護層を有することを特徴としている。
(式〔I〕,〔II〕中、R1は炭素数6以下のアルキレン
基、R2は炭素数が4以下のアルキル基、R3は−OR2で表
される基または炭素数が4以下のアルキル基を示す) 上記表面保護層には、導電性付与剤としての導電性金
属酸化物微粒子を塗布液(1)、(2)および(3)に
混和させることによって、当該導電性金属酸化物微粒子
が均一に分散されていることが好ましく、導電性金属酸
化物微粒子がコロイド溶液状で用いられることがより好
ましい。
また上記エーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂
は、数平均分子量が1500以下であることが好ましく、上
記熱可塑性樹脂は、ポリ酢酸ビニルおよび/またはポリ
メチルメタアクリレートであることが好ましい。
上記構成からなる、この発明の電子写真感光体におい
ては、前記式〔I〕および〔II〕で表されるアルコキシ
シラン化合物からなるオリゴマーが熱硬化性シリコーン
樹脂として用いられているため、得られる表面保護層は
接着性および機械的強度(耐磨耗性等)に優れたものに
なる。塗膜の接着性向上は、塗布液(1)、(2)およ
び(3)を感光層上に塗布し、硬化させて表面保護層を
形成する際に、前記オリゴマーの構造中に含まれる、エ
ポキシ基の開環によって形成された水酸基が、感光層表
面に存在するアミノ基、水酸基等の極性基と共有結合ま
たは水素結合することが原因であると考えられる。
次に各塗布液(1)、(2)および(3)を使用した
場合について述べる。
塗布液(1)を使用した場合 塗布液(1)中に含有されるメチルエーテル化メラミ
ンホルムアルデヒド樹脂が、従来のブチルエーテル化メ
ラミンホルムアルデヒド樹脂に比べて架橋性が高く、硬
化時に、上記オリゴマーのSi−OH基と共有結合すること
はないが、上記Si−OH基との間に十分に大きい分子相相
互作用を生じるため、層中におけるシリコーンサイトと
メラミンサイトとの相溶性が向上し、構造的トラップの
少ない緻密な膜が形成される。
塗布液(1)中における、上記アルコキシシラン化合
物のオリゴマー100重量部に対する、メチルエーテル化
メラミンホルムアルデヒド樹脂の含有量が0.1〜15重量
部に限定されるのは、下記の理由による。すなわち、メ
チルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂の含有量
が0.1重量部未満では、上記エチルエーテル化メラミン
ホルムアルデヒド樹脂の添加効果が十分に得られず、硬
化後の表面保護層に、摺動摩擦に対する脆さ等の問題が
生じる他、層中の芳香族π電子が不足して感光特性が悪
化する。一方、メチルエーテル化メラミンホルムアルデ
ヒド樹脂の含有量が15重量部を超えると、両樹脂間の相
互作用が強すぎて、表面保護層に内部応力が生じ、クラ
ック等が発生して、きれいな表面保護層が得られなくな
る。
メチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂は、
メラミンをメチルアルコールに溶解し、これにホルムア
ルデヒドを滴下することによって付加反応およびメチル
エーテル化反応を行う方法や、メラミンとホルムアルデ
ヒドとをメチルアルコールに溶解させ、この溶液を加熱
して付加反応およびメチルエーテル化反応を行う方法等
によって製造させるので、メラミンとホルムアルデヒド
との反応物であるモノないしヘキサの各種メチロールメ
ラミンにおけるメチロール基の一部または全部がメチル
エーテル化したもの、またはその初期縮合反応物であ
り、液状ないしシロップ状等の状態で供給されるものが
好ましく用いられる。
メチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂の数
平均分子量は、この発明では特に限定されないが、1500
を超えると反応性が低下するので、上記数平均分子量は
1500以下であることが好ましい。また、上記メチルエー
テル化メラミンホルムアルデヒド樹脂は、メラミン核1
個当たりの結合ホルムアルデヒド数が3〜6個であり、
そのうち3〜6個がメチルエーテル化したものであるこ
とが好ましい。メラミン核1個当たりの結合ホルムアル
デヒド数が3個未満では表面保護層が機械的強度に劣っ
たものとなるおそれがある。また、上記ホルムアルデヒ
ドのうちメチルエーテル化した個数が3個未満では表面
保護層用の塗布液が安定性に欠けたものとなるおそれが
ある。
塗布液(2)を使用した場合 塗布液(2)中に含有されるアクリル系重合体の平均
分子量が6000以下と小さいため、従来のものに比べて塗
布液中への溶解が容易であり、形成される表面保護層
は、均一で、光学特性、並びに物性を優れたものとな
る。
また、塗布液(2)中における、アルコキシシラン化
合物のオリゴマー100重量部に対する、アクリル系重合
体の含有量が0.1〜30重量部に限定されるのは、下記の
理由による。すなわち、アクリル系重合体の含有量が0.
1重量部未満では、アクリル系重合体の添加効果が十分
に得られず、硬化後の表面保護層に、クラックや、摺動
摩擦に対する脆さ等の、物性の悪化が生じる。一方、ア
クリル系重合体の含有量が30重量部を超えると、塗布液
中への溶解が困難になってムラが生じ、表面保護層の透
明性が悪くなって、感光体の感光特性が悪化する。よっ
て上記アクリル系重合体の含有量は0.1〜15重量部であ
ることがより好ましい。
アクリル系重合体としては、例えばメチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチ
ルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタク
リレート等のアクリル系モノマーからなるホモポリマー
またはコポリマーがあげられる。上記アクリル系重合体
の平均分子量が6000以下に限定されるのは、平均分子量
が6000を超えると、前述したように、塗布液中への溶解
性が低下して、均一な膜を形成できなくなるからであ
る。
塗布液(3)を使用した場合 塗布液(3)中に含有される特定エーテル化メラミン
ホルムアルデヒド樹脂の働きは、前述した塗布液(1)
と同様である。
さらに前述したように、層を構成する両樹脂が、硬化
によって3次元構造を形成する樹脂であるため、硬化後
の表面保護層は表面硬度が高くなる。しかも、前述した
ように両樹脂は相溶性が高く、硬化後の3次元構造が複
雑に入り組んだものとなって、熱可塑性樹脂による弾力
性の付与と相俟って、アルコキシシラン化合物のオリゴ
マー(熱硬化性シリコーン樹脂)単独の場合に比べて摺
動摩擦に対する脆さ等が改善されたものとなる。
特定エーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂のう
ち、メチル−ブチル混合エーテル化メラミンホルムアル
デヒド樹脂は、上記モノないしヘキサの各種メチロール
メラミンにおけるメチロール基の少なくとも1つがメチ
ルエーテル化し、残余のメチロール基の少なくとも1つ
がブチルエーテル化したもの、またはその初期縮合反応
物であり、同じく液体ないしシロップ状等の状態で供給
されるものが好ましく用いられる。
メチル−ブチル混合エーテル化メラミンホルムアルデ
ヒド樹脂の数平均分子量はこの発明では特に限定されな
いが、1500を超えると反応性が低下するので、上記数平
均分子量は1500以下であることが好ましい。また、上記
樹脂は、メラミン核1個当たりの結合ホルムアルデヒド
数が3〜6個であり、そのうちの2〜5個がメチルエー
テル化し、1〜2個がブチルエーテル化したものである
ことが好ましい。メラミン核1個当たりの結合ホルムア
ルデヒド数が3個未満では表面保護層が機械的強度に劣
ったものとなるおそれがある。また、上記ホルムアルデ
ヒドのうちメチルエーテル化した個数が2個未満では繰
り返し露光による表面電位の低下が大きくなり、5個を
超えると、クラックが発生し易くなるおそれがある。ま
た、ブチルエーテル化した個数が1個未満ではクラック
が発生し易くなり、3個を超えると繰り返し露光による
表面電位の低下が大きくなるおそれがある。
また、上記アルコキシシラン化合物のオリゴマー100
重量部に対する、特定エーテル化メラミンホルムアルデ
ヒド樹脂の含有量が5〜50重量部の範囲内、熱可塑性樹
脂の含有割合が、上記オリゴマーと特定エーテル化メラ
ミンホルムアルデヒド樹脂との合計量の1〜11重量%の
範囲内に、それぞれ限定されるのは、下記の理由によ
る。すなわち、特定エーテル化メラミンホルムアルデヒ
ド樹脂の含有量が5重量部未満では、熱可塑性樹脂の含
有割合に関係なく、硬化後の表面保護層に、摺動摩擦に
対する脆さ等の問題が生じる他、層中の芳香族π電子が
不足して感光特性が悪化する。
一方、特定エーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂
の含有量が50重量部を超えると、両熱硬化性樹脂間の相
互作用が強すぎて、熱可塑性樹脂の配合割合に関係な
く、表面保護層に内部応力が生じ、クラック等が発生し
て、きれいな表面保護層が得られなくなる。
なお、上記各硬化性樹脂は、条件によっては触媒を用
いなくても、加熱するだけで硬化させることができる
が、通常、硬化反応をスムーズかつ均一に完結させるた
めに触媒を用いる場合が多い。
硬化用触媒としては、無機酸または有機酸、アミン類
などのアルカリ等、種々のものを使用することができ
る。また、必要に応じて、従来公知の硬化助剤等を併用
することもできる。
熱可塑性樹脂は、表面保護層において、内部応力を低
減させる緩衝体として作用するので、上記特定エーテル
化メラミンホルムアルデヒド樹脂を、より多量に層中に
配合してもクラック等の発生するおそれがなく、樹脂中
に含まれる多量の芳香族π電子と、層中に含まれる導電
性付与剤とによって層の導電性をさらに向上させること
ができる。したがって、この発明の電子写真感光体は感
光特性に優れたものとなる。
また、熱可塑性樹脂の含有割合が1重量%未満では、
特定エーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂の含有量
が多いほど、表面保護層に内部応力が生じ、クラック等
が発生して、きれいな表面保護層が得られなくなる。
そして、熱可塑性樹脂の含有割合が11重量%を超える
と、表面保護層の軟化を生じる上、特定エーテル化メラ
ミンホルムアルデヒド樹脂の含有量が少ないほど、白濁
や感光特性の悪化等を生じる。
上記両硬化性樹脂と共に表面保護層中に含有される熱
可塑性樹脂としては、例えばスチレン系重合体;アクリ
ル系重合体;スチレン−アクリル系共重合体;ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチ
レン、ポリプロピレン、アイオノマー等のオレフィン系
重合体;ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体;ポリ酢酸ビニル;飽和ポリエステル;ポリアミ
ド;熱可塑性ポリウレタン樹脂;ポリカーボネート;ポ
リアリレート;ポリスルホン;ケトン樹脂;ポリビニル
ブチラール樹脂;ポリエーテル樹脂等の、種々の合成樹
脂材料が使用できるが、特に、ポリ酢酸ビニルとアクリ
ル系重合体が好適に使用される。
熱可塑性樹脂としてポリ酢酸ビニルを用いた系では、
ポリ酢酸ビニルの持つ柔軟性により、表面保護層の脆さ
が改善されて、機械的強度が向上し、長寿命化が可能に
なる。
一方、熱可塑性樹脂としてポリメチルメタクリレート
(PMMA)等のアクリル系重合体を用いた系では、上記ア
クリル系重合体の持つ高い光学特性に基づいて、より一
層の光感度化が可能になる。
なお、上記ポリ酢酸ビニルおよびアクリル系重合体
は、それぞれ単独で使用できる他、両者を併用すること
もでき、さらに、その他の熱可塑性樹脂を配合すること
も可能である。
次に、上記核塗布液(1)、(2)および(3)中に
含有される、熱硬化性シリコーン樹脂としてのオリゴマ
ーについてのべる。
熱硬化性シリコーン樹脂としてのオリゴマーは、前記
式〔I〕および〔II〕で表されるアルコキシシラン化合
物のうち少なくとも一方を、加水分解用の水、および適
当な溶媒の存在下、塩酸、硫酸、過塩素酸等の酸触媒を
用いて、以下に示すように加水分解および縮合させるこ
とで製造される。
すなわち、前記一般式〔I〕および〔II〕で表される
アルコキシシラン化合物のうち、アルコキシ基が加水分
解されてシラノール基(Si−OH)が形成され、このシラ
ノール基同士、またはシラノール基と未反応のアルコキ
シ基とが縮合して複数のアルコキシシラン化合物間がシ
ロキサン結合(Si−O−Si)によって繋がれたオリゴマ
ーが形成される。
また、上記アルコキシシラン化合物は、従来のものと
異なり、少なくとも3つの官能性基(すなわち、1つの
エポキシ基と少なくとも2つのアルコキシ基)を有して
おり、上記反応の際には、エポキシ基の一部が開環、重
合するので、オリゴマーは三次元的に広がった構造とな
る。
上記のように、アルコキシシラン化合物をオリゴマー
化するのは、モノマーである前記式〔I〕および〔II〕
で表されるアルコキシシラン化合物を未反応の状態で使
用した塗布液(1)、(2)および(3)では粘度が低
く、塗布できないため、粘度を上げることを主たる目的
としている。
そして、オリゴマー化されて粘度(分子量)が増大し
たアルコキシシラン化合物を、適当な溶媒で希釈して、
塗布に適した粘度を有する塗布液を調製してやれば、所
定量のモノマーからより多くの塗布液を得ることがで
き、低コスト化が可能になる。しかも、この塗布液
(1)、(2)および(3)中に含まれるオリゴマー
は、前記のように、既に三次元的に広がった構造を有す
るので、主として線状である従来のオリゴマーから三次
元の硬化物を得る場合に比べて成膜性に優れ、容易に成
膜できると共に、得られる表面保護層は、前述したよう
に、三次元化に費やされたもの以外のエポキシ基の、下
地としての感光層への作用により、接着性および機械的
強度(耐磨耗性など)に優れたものになるという利点が
ある。
なお、上記オリゴマーの重合度は特に限定されるもの
ではないが、5〜10程度のものが適当であり、重合度が
この範囲よりも小なるときは上記した粘度向上によるコ
ストの削減が図れず、かつ成膜性に劣ったものになり、
逆に重合度がこの範囲よりも大なるときは塗膜の物性
(接着性、機械的強度など)に劣ったものになり、いず
れも好ましくない。
以上のような表面保護層の接着性および機械的強度の
向上は、硫酸等の通常の酸触媒を使用した場合にも期待
できるが、酸触媒として過塩素酸(HClO4)を使用した
場合には、オリゴマーをより効率良く三次元化でき、得
られる表面保護層の物性もより向上したものになるの
で、オリゴマー化のための酸触媒としては、上記過塩素
酸が、より好ましいものとしてあげられる。
上記過塩素酸は、アルコキシシラン化合物100重量部
に対して0.1〜3重量部の割合で配合するが、安定した
成膜性を得る上で適当である。また、加水分解用の水
は、上記アルコキシシラン化合物と過塩素酸とを使用す
る場合、アルコキシシラン化合物100重量部に対して5
〜20重量部であるのが、適当なオリゴマーを得る上で好
ましい。
また、オリゴマー化反応に使用する溶媒としては種々
の有機溶媒があげられるが、塗膜の性能や製造コスト等
の点からは、後述する塗布液(1)、(2)および
(3)形成用の溶媒が好適に使用される。
なお、前記式〔I〕,〔II〕で表されるアルコキシシ
ラン化合物中のR1に相当する、炭素数6以下のアルキレ
ン基としては、例えばメチレン、メチルメチレン、ジメ
チルメチレン、エチレン、トリメチレン、1−メチルト
リメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチル
トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキ
サメチレン等があげられ、R2に相当する、炭素数4以下
のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソプロピル、第三級ブチ
ル等があげられる。
上記各成分を溶解または分散して、表面保護層用の塗
布液(1)、(2)および(3)を構成する溶媒として
は、例えばイソプロピルアルコール;n−ヘキサン、オク
タン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロ
メタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン
等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテ
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル
類;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド等が
あげられ、これらが単独で、または二種以上混合して使
用される。
上記塗布液(1)、(2)および(3)は、条件によ
っては触媒を用いなくても、加熱するだけで硬化させる
ことができるが、通常、硬化反応をスムーズ且つ均一に
完結させるために触媒を用いる場合が多い。
硬化用触媒としては、無機酸または有機酸、アミン類
などのアルカリ等、種々のものを使用することができ
る。また、必要に応じて、従来公知の硬化助剤等を併用
することもできる。
また、上記表面保護層には、画像形成プロセスにおけ
る下層への電荷の注入を容易にする目的で、導電性付与
剤が分散されていることが好ましい。
導電性付与剤としては、例えば酸化スズ、酸化チタ
ン、酸化インジウム、酸化アンチモン等の単体金属酸化
物や、酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体等の導電性
金属酸化物等があげられる。上記導電性金属酸化物は、
一般に、微粒子状態で、硬化前の塗布液中に攪拌、混合
され、塗膜の硬化によって表面保護層中に分散される
が、微粒子の状態では凝集し易く、塗布液(1)、
(2)および(3)中に均一に分散させるために長時間
の攪拌が必要となるため、前述したように、コロイド溶
液の状態で、各塗布液(1)、(2)および(3)中に
混和させることが好ましい。上記コロイド溶液において
は、導電性金属酸化物の微粒子は、それぞれの持つ表面
電荷によって互いに反発して、塗布液(1)、(2)お
よび(3)中における凝集が防止されるので、短時間の
攪拌、混合により、各塗布液(1)、(2)および
(3)中に均一に分散させることができる。
導電性金属酸化物微粒子のコロイド溶液の製造方法
は、導電性金属酸化物の種類によって異なり、例えば、
五酸化アンチモン(Sb2O5)のコロイド溶液は、無水三
酸化アンチモンと硝酸とを混合し、加熱後、α−ヒドロ
キシカルボン酸と、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
等の有機溶媒とをこの順に添加し、副生成物としての水
を蒸留によって除去する方法(特開昭47−11382号公報
参照)や、酸化水素等のハロゲン化水素に、エチレング
リコールに代表される1価あるいは2価以上のアルコー
ル、DMF等の親水性有機溶媒およびα−ヒドロキシカル
ボン酸を加え、そこへ三酸化アンチモンを分散させた状
態で、過酸化水素水によって酸化させる方法(特開昭52
−38495号公報、特開昭52−38496号公報参照)等により
調製することができる。
上記五酸化アンチモンコロイド溶液を調製するための
分散媒としては、下層の感光層を侵すことがないよう
に、有機性の小さいメチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコール等のアルコール類を用いることが
好ましい。
また、酸化スズ(SnO2、SnO等)と酸化アンチモン(S
b2O5、Sb2O3等)との固溶体のコロイド溶液の場合に
は、例えば第1図に示すように、固溶体粒子1の表面
に、粒径5nm以下程度の酸化ケイ素粒子2…を吸着させ
る方法等により調製することができる。そして、第1図
の構造においては、固溶体粒子1の表面に吸着された酸
化ケイ素粒子2…が、分散媒との接触によりOH基を生じ
て負に帯電することで、固溶体粒子1の表面に電荷を持
たせるようになっている。
上記酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子は、通
常、酸化スズの微粒子にアンチモンをドープして形成さ
れるもので、特に限定されないが、固溶体粒子中におけ
るアンチモンの含有割合が0.001〜30重量%であること
が好ましく、5〜20重量%であることがより好ましい。
固溶体粒子中におけるアンチモンの含有割合が0.001重
量%未満の場合や、30重量%を超えた場合には、十分な
導電性が得られなくなるおそれがある。
また、上記固溶体粒子の粒径は得に限定されないが、
固溶体のコロイド溶液の場合、1〜100nmであることが
好ましい。固溶体粒子の粒径が1nm未満では、表面保護
層の電気抵抗が大きくなるため添加量が増大し、100nm
を超えると、分散安定性が低下するおそれがある。
固溶体粒子に対する酸化ケイ素の割合も特に限定され
ないが、固溶体粒子100重量部に対し10重量部以下であ
ることが好ましい。固溶体粒子100重量部に対する酸化
ケイ素の割合が10重量部を超えた場合には、十分な導電
性が得られなくなるおそれがある。
上記固溶体粒子と共にコロイド溶液を構成する分散媒
としては、前述したように、酸化ケイ素を負に帯電させ
るために極性溶媒が使用され、特に、保護層用塗布液と
の相溶性に優れ、かつ下地層としての感光層を侵すおそ
れのない、メチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチル
アルコール等のアルコール類が好適に使用される。
上記表面保護層を構成する結着樹脂には、膜の特性を
損なわない範囲で、前記以外の熱硬化性樹脂または熱可
塑性樹脂を併用することができる。前記以外の他の結着
樹脂としては、例えば硬化性アクリル樹脂;アルキッド
樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ジアリルフタレート樹
脂;フェノール樹脂;尿素樹脂;ベンゾグアナミン樹
脂;特定エーテル化系以外のメラミン樹脂、スチレン系
重合体;アクリル系重合体;スチレン−アクリル系共重
合体;ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー等
のオレフィン系重合体;ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体;ポリ酢酸ビニル;飽和ポリエステ
ル;ポリアミド;熱可塑性ポリウレタン樹脂;ポリカー
ボネート;ポリアリレート;ポリスルホン;ケトン樹
脂;ポリビニルブチラール樹脂;ポリエーテル樹脂等が
あげられる。
上記表面保護層には、例えばターフェニル、ハロナフ
トキノン類、アセナフチレン等従来公知の増感剤;9−
(N,N−ジフェニルヒドラジノ)フルオレン、9−カル
バゾリルイミノフルオレン等のフルオレン系化合物;導
電性付与剤;アミン系、フェノール系等の酸化防止剤、
ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤などの劣化防止剤;
可塑剤等、種々の添加剤を含有させることができる。
上記表面保護層の膜厚は、0.1〜10μm、特に2〜5
μmの範囲内であることが好ましい。
なお、この発明感光体は、表面保護層以外の構成につ
いては、従来と同様の材料を用い、従来同様の構成とす
ることができる。
まず、導電性基材について述べる。
導電性基材は、電子写真感光体が組み込まれる画像形
成装置の機構、構造に対応してシート状あるいはドラム
状など、適宜の形状に形成される。また、上記導電性基
材は、全体を金属などの導電性材料で構成してもよく、
基材自体は導電性を有しない構造材料で形成し、その表
面に導電性を付与してもよい。
なお、前者の構造を有する導電性基材において使用さ
れる導電性材料としては、例えば表面がアルマイト処理
された、または未処理のアルミニウム、銅、スズ、白
金、金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミ
ウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ス
テンレス鋼、真鍮等の金属材料が好ましい。
一方、後者の構造としては、合成樹脂製基材またはガ
ラス基材の表面に、上記例示の金属や、ヨウ化アルミニ
ウム、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性材料からな
る薄膜が、真空蒸着法または湿式めっき法などの公知の
膜形成方法によって積層された構造、上記合成樹脂成形
品やガラス基材の表面に上記金属材料等のフィルムがラ
ミネートされた構造、上記合成樹脂成形品やガラス基材
の表面に、導電性を付与する物質が注入された構造等が
あげられる。
なお、導電性基材は、必要に応じて、シランカップリ
ング剤やチタンカップリング剤などの表面処理剤で表面
処理を施し、感光層との密着性を高めてもよい。
次に、導電性基材上に形成される感光層について述べ
る。
感光層は、半導体材料や有機材料、またはこれらの複
合材料からなる下記構成のものが使用できる。
半導体材料からなる単層型の感光層。
結着樹脂中に電荷発生材料と電荷輸送材料とを含有
する単層型の有機感光層。
結着樹脂中に電荷発生材料を含有する電荷発生層
と、結着樹脂中に電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と
からなる積層型の有機感光層。
半導体材料からなる電荷発生層と、上記有機の電荷
輸送層とが積層された複合型の感光層。
複合型感光層において電荷発生層として用いられると
共に、単独でも感光層を形成できる半導体材料として
は、例えばa−As2Se3、a−SeAsTe等のアモルファスカ
ルコゲン化物やアモルファスセレン(a−Se)、アモル
ファスシリコン(a−Si)があげられる。上記半導体材
料からなる感光層または電荷発生層は、真空蒸着法、グ
ロー放電分解法等の公知の薄膜形成方法によって形成す
ることができる。
単層型または積層型の有機感光層における電荷発生層
に使用される、有機または無機の電荷発生材料として
は、例えば前記例示の半導体材料の粉末;ZnO、CdS等のI
I−VI族微結晶;ピリリウム塩;アゾ系化合物;ビスア
ゾ系化合物;フタロシアニン系化合物;アンサンスロン
系化合物;ペリレン系化合物;インジゴ系化合物;トリ
フェニルメタン系化合物;スレン系化合物;トルイジン
系化合物;ピラゾリン系化合物;キナクリドン系化合
物;ピロロピロール系化合物等があげられる。そして、
上記例示の化合物の中でも、フタロシアニン系化合物に
属する、α型,β型,γ型など種々の結晶型を有するア
ルミニウムフタロシアニン、銅フタロシアニン、メタル
フリーフタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン
等が好ましく用いられ、特に、上記メタルフリーフタロ
シアニンおよび/またはオキソチタニルフタロシアニン
がより好ましく用いられる。なお、上記電荷発生材料
は、それぞれ単独で用いられる他、複数種を併用しても
よい。
また、上記単層型または積層型の有機感光層や、複合
型の感光層における電荷輸送層中に含まれる電荷輸送材
料としては、例えばテトラシアノエチレン;2,4,7−トリ
ニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン系化合物;
ジニトロアントラセン等のニトロ化化合物;無水コハク
酸;無水マレイン酸;ジブロモ無水マレイン酸;トリフ
ェニルメタン系化合物;2,5−ジ(4−ジメチルアミノフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾ
ール系化合物;9−(4−ジエチルアミノスチリル)アン
トラセン等のスチリル系化合物;ポリ−N−ビニルカル
バゾール等のカルバゾール系化合物;1−フェニル−3−
(p−ジメチルアミノフェノール)ピラゾリン等のピラ
ゾリン系化合物;4,4′,4″−トリス(N,N−ジフェニル
アミノ)トリフェニルアミン等のアミン誘導体;1,1−ビ
ス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル
−1,3−ブタジエン等の共役不飽和化合物;4−(N,N−ジ
エチルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒ
ドラゾン等のヒドラゾン系化合物;インドール系化合
物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合
物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イ
ミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、ピラゾリン
系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合
物;縮合多環族化合物等があげられる。上記電荷輸送材
料も単独で、あるいは、複数種併用して用いることがで
きる。なお、上記電荷輸送材料の中でも、前記ポリ−N
−ビニルカルバゾール等の光導電性を有する高分子材料
は、感光層の結着樹脂としても使用することができる。
また、前記単層型または積層型の有機感光層、複合型
感光層における電荷輸送層などの層には、前記増感剤、
フルオレン系化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の劣
化防止剤、可塑剤などの添加剤を含有させることができ
る。
単層型の有機感光層における、結着樹脂100重量部に
対する電荷発生材料の含有割合は、2〜20重量部の範囲
内、特に3〜15重量部の範囲内であることが好ましく、
一方、結着樹脂100重量部に対する電荷輸送材料の含有
割合は、40〜200重量部の範囲内、特に50〜100重量部の
範囲内であることが好ましい。電荷発生材料が2重量部
未満、または、電荷輸送材料が40重量部未満では、感光
体の感度が不充分になったり残留電位が大きくなったり
し、電荷発生材料が20重量部を超え、または、電荷輸送
材料が200重量部を超えると、感光体の耐摩耗性が十分
に得られなくなる。
上記単層型感光層は、適宜の熱みに形成できるが、通
常は、10〜50μm、特に15〜25μmの範囲内に形成され
ることが好ましい。
一方、積層型の有機感光層を構成する層のうち、電荷
発生層における、結着樹脂100重量部に対する電荷発生
材料の含有割合は、5〜500重量部の範囲内、特に10〜2
50重量部の範囲内であることが好ましい。電荷発生材料
が5重量部未満では電荷発生能が小さ過ぎ、500重量部
を超えると隣接する他の層や基材との密着性が低下す
る。
上記電荷発生層の膜厚は、0.01〜3μm、特に0.1〜
2μmの範囲内であることが好ましい。
また、積層型の有機感光層および複合型感光層を構成
する層のうち、電荷輸送層における、結着樹脂100重量
部に対する電荷輸送材料の含有割合は、10〜500重量部
の範囲内、特に25〜200重量部の範囲内であることが好
ましい。電荷輸送材料が10重量部未満では電荷輸送能が
十分でなく、500重量部を超えると電荷輸送層の機械的
強度が低下する。
上記電荷輸送層の膜厚は、2〜100μm、特に5〜30
μmの範囲内であることが好ましい。
以上に説明した、単層型や積層型を有機感光層、複合
型感光層のうちの電荷輸送層、および表面保護層などの
有機の層は、前述した各成分を含有する各層用の塗布液
を調製し、これら塗布液を、前述した層構成を形成し得
るように、各層毎に順次導電性基材上に塗布し、乾燥ま
たは硬化させることで積層形成することができる。
なお、上記塗布液の調製に際しては、使用される結着
樹脂等の種類に応じて種々の溶剤を使用することができ
る。上記溶剤としては、例えばn−ヘキサン、オクタ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、キ
シレン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタ
ン、四塩化炭素、クロロベンゼン、塩化メチレン等のハ
ロゲン化炭化水素;メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、シク
ロペンタノール、ベンジルアルコール、フルフリルアル
コール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;
ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド等、種々
の溶剤があげられ、これらが一種または二種以上混合し
て用いられる。また、上記塗布液(1)、(2)および
(3)を調製する際、分散性、塗工性等を向上させるた
め、海面活性剤やレベリング剤等を併用してもよい。
また、上記塗布液(1)、(2)および(3)は従来
慣用の方法、例えばミキサー、ボールミル、ペイントシ
ェーカー、サンドミル、アトライター、超音波分散機等
を用いて調製することができる。
<実施例> 以下に、実施例に基づき、この発明をより詳細に説明
する。
実施例1〜2、7〜9および比較例3,4 結着樹脂としてのポリアリレート(ユニチカ社製,商
品名U−100)100重量部、電荷輸送材料としての4−
(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフ
ェニルヒドラゾン100重量部および溶媒としての塩化メ
チレン(CH2Cl2)900重量部からなる電荷輸送用塗布液
を調製し、この塗布液を外径78mm×長さ340mmのアルミ
ニウム管上に塗布した後、90℃で30分間加熱乾燥させ
て、膜厚約20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、上記電荷輸送層上に、電荷発生材料としての2,
7−ジブロモアンサンスロン(ICI社製)80重量部および
メタルフリーフタロシアニン(BASF社製)20重量部、結
着樹脂としてのポリ酢酸ビニル(日本合成化学社製,商
品名Y5−N)50重量部および溶媒としてのジアセトンア
ルコール2000重量部からなる電荷発生層用塗布液を塗布
し、110℃で30分間加熱乾燥させて、膜厚約0.5μmの電
荷発生層を形成した。
次にオリゴマー化触媒としての過塩素酸0.1重量部、
イソプロピルアルコール67重量部および水11重量部を混
合し、上記混合の液温を20〜25℃に保ちつつ攪拌しなが
ら、前記式〔I〕で表されるアルコキシシラン化合物で
ある、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(チッソ社製、商品名S−510)100重量部を徐々に滴下
した後、室温に3日間静置することによってオリゴマー
溶液を得た。
次に、この溶液に、重縮合触媒としての1,8−ジアザ
ビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)2.2重量部
と、溶液中のオリゴマー100重量部に対し、第1表に示
す配合量のメチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド
樹脂(三井サイナミド社製、商品名サイメル370)とを
配合して2時間攪拌し、表面保護層用の塗布液を調製し
た。
次に、上記塗布液に、導電性付与剤として、酸化スズ
と酸化アンチモンとの固溶体粒子(アンチモンを10重量
%含有、粒径10〜20nmが、当該固溶体粒子100重量部に
対して9重量部の酸化ケイ素粒子により負に帯電された
状態で、分散媒としてのイソプロピルアルコール中に分
散されたコロイド溶液(日産化学社製)を、塗布液中の
樹脂固形分に対して、第1表に示す配合割合となるよう
に、上記シリコーン樹脂系塗布液中に配合し、ボールミ
ルで1時間攪拌、混合した そして、上記塗布液と固溶体粒子との混合物を前記電
荷発生層上に塗布し、110℃で2時間加熱硬化させて、
膜厚約2.5μmの表面保護層を形成し、積層形感光層を
有するドラム型の電子写真感光体を作製した。
実施例3〜6 酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子がイソプロ
ピルアルコール中に分散されたコロイド溶液に代えて、
五酸化アンチモンの微粒子がイソプロピルアルコール中
に分散されたコロイド溶液(日産化学社製、商品名サン
コロイド、固形分含量20重量%)を使用し、このコロイ
ド溶液を、塗布液中の樹脂固形分に対して、第1表に示
す配合割合となるように、上記シリコーン樹脂系塗布液
中に配合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、
電子写真感光体を作製した。
実施例10 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代え
て、前記式〔II〕で表されるアルコキシシラン化合物で
ある、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン(チッソ社製、商品名S−503)100重
量部を用いてオリゴマー溶液を得、このオリゴマー溶液
を使用して表面保護層用塗布液を製造したこと以外は、
上記実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製し
た。
比較例1 メチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂を配
合しなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして、
電子写真感光体を作製した。
比較例2 メチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂に代
えて、ポリ酢酸ビニル(日本合成化学社製、商品名Y5−
N)0.1重量部を配合したこと以外は、上記実施例1と
同様にして、電子写真感光体を作製した。
比較例5 メチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂に代
えて、ブチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂
(三井サイナミド社製、商品名ユーバン128)0.1重量部
を配合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、電
子写真感光体を作製した。
比較例6 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代え
て、テトラエトキシシラン100重量部を配合したこと以
外は、上記実施例1と同様にして、電子写真感光体を作
製した。
上記各実施例および比較例で作製した電子写真感光体
について、下記の各試験を行った。
表面電位測定 上記各電子写真感光体を、静電複写試験装置(ジェン
テック社製,ジェンテックシンシア30M型機)に装填
し、その表面を正に帯電させて、表面電位V1s.p.(V)
を測定した。
半減露光量測定 上記帯電状態の各電子写真感光体を、上記静電複写試
験装置の露光光源であるハロゲンランプを用いて、露光
強度0.92mW/cm2、露光時間60m秒の条件で露光し、前記
表面電位V1s.p.が1/2になるのに要する時間を求め、半
減露光量E 1/2(lux・Sec)を算出した。
繰返し露光後の表面電位変化測定 上記各電子写真感光体を複写機(三田工業社製,DC−1
11型機)に装填して500枚の複写処理を行った後、表面
電位を、繰返し露光後の表面電位V2s.p.(V)として測
定した。
また、前記表面電位測定値V1s.p.値と、繰返し露光後
の表面電位測定値V2s.p.値とから、下記式(a)によ
り、表面電位変化値−ΔV(V)を算出した。
−ΔV(V)=V2s.p.(V)−V1s.p.(V) …(a) 接着性測定 各感光体に対し、カッターナイフにより、1mm間隔で1
0本ずつの、互いに直交する、基材に達する切れ目を入
れて、1mm×1mmの碁盤目を100個作り、この碁盤目の上
にニチバンテープを貼り付けた後、上方90゜へ強く引き
剥がして、表面保護層の剥離を観察した。そして、上記
1mm×1mmの碁盤目のうち、感光体から剥離しなかった枚
数を記録した。
耐摩耗試験 各電子写真感光体をドラム研磨試験機(三田工業社
製)に装填すると共に、このドラム研磨試験機に設けら
れた、感光体が1000回転する間に1回転する研磨試験紙
装着リングに研磨試験紙(住友スリーエム製,商品名イ
ンペリアルラッピングフィルム,粒径12μmの酸化アル
ミニウム粉末を表面に付着させたもの)を装填し、この
研磨試験紙を感光体表面に線圧10g/mmで押圧しながら、
感光体を100回転させた時の摩耗量(μm)を測定し
た。
外観 表面保護層の外観を目視により観察した。
以上の結果を第1表に記す。
第1表の結果より、実施例1〜10の電子写真感光体
は、何れも、ブチルエーテル化メラミンホルムアルデヒ
ド樹脂を配合した比較例5に比べて、繰返し露光後の表
面電位変化量が著しく小さい。このことから、上記実施
例1〜10における表面保護層は、層中におけるシリコー
ンサイトとメラミンサイトとの相溶性が良く、構造的ト
ラップの少ない緻密な膜になっていることが予測され
る。
また、上記実施例1〜10においては、初期表面電位お
よび繰返露光後の表面電位が、メラミンホルムアルデヒ
ド樹脂を配合しなかった比較例1よりも高い。このこと
から、メチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂
の配合により、感光特性が向上することが判る。
耐摩耗性試験の結果より、実施例1〜10における表面
保護層は、メラミンホルムアルデヒド樹脂を配合しなか
った比較例1、およびポリ酢酸ビニルを配合した比較例
2よりも耐摩耗性に優れることが判る。
また、アルコキシシラン化合物として、前記式
〔I〕、〔II〕に相当するもの以外のものを用いた比較
例6では、表面保護層にクラックが発生すると共に、か
なりの部分で層の剥離が観察された。これに反して実施
例1〜10ではクラック、剥離共に全く観察されず、この
ことから、上記実施例1〜10は、何れも、表面保護層の
接着性に優れることが判る。
また、実施例1〜10、並びに比較例3,4の結果より、
メチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂の配合
量が、アルコキシシラン化合物のオリゴマー100重量部
に対して0.1〜15重量部の範囲外では、きれいな膜を形
成できないことが判る。
実施例11〜14および比較例7,8 メチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂に代
えて、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重
合体(日本触媒社製、商品名アロロン450、平均分子量5
000〜6000)を使用して表面保護層用塗布液を製造した
こと以外は、上記実施例1と同様にして、電子写真感光
体を作製した。
実施例15 酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子がイソプロ
ピルアルコール中に分散されたコロイド溶液に代えて、
五酸化アンチモンの微粒子がイソプロピルアルコール中
に分散されたコロイド溶液(日産化学社製、商品名サン
コロイド、固形分含量20重量%)を使用し、このコロイ
ド溶液を、塗布液中の樹脂固形分に対して10重量部配合
したこと以外は、上記実施例11と同様にして、電子写真
感光体を作製した。
実施例16 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代え
て、前記式〔II〕で表されるアルコキシシラン化合物で
ある、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン(チッソ社製、商品名S−503)100重
量部を用いてオリゴマー溶液を得、このオリゴマー溶液
を使用して表面保護層用塗布液を製造したこと以外は、
上記実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製し
た。
比較例9,10 平均分子量5000〜6000のアクリル酸エステル−メタク
リル酸エステル共重合体に代えて、平均分子量55000の
ポリアクリレート(三菱レイヨン社製、商品名ダイヤナ
ールBR105)を配合したこと以外は、上記実施例11と同
様にして電子写真感光体を作製した。
比較例11 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代え
て、テトラエトキシシラン100重量部を配合したこと以
外は、上記実施例11と同様にして、電子写真感光体を作
製した。
上記各実施例および比較例で作製した電子写真感光体
について、前述した表面電位測定、半減露光量測定、繰
返し露光後の表面電位変化測定、耐摩耗試験、および外
観の観察の各試験を行った。
以上の結果を第2表に記す。
第2表の結果より、実施例11〜16の電子写真感光体
は、何れも、平均分子量が6000を超えるアクリル系重合
体を配合した比較例9,10に比べて、繰返し露光後の表面
電位変化量が小さく、また、摩耗量が小さい。このこと
から、上記実施例11〜16における表面保護層は、均一
で、物性、感光特性に優れたものであることが判る。
また、上記実施例11〜16および比較例7,8の結果よ
り、塗布液中におけるアクリル系重合体の配合量が0.1
重量部未満では表面保護層の物性が悪化し、30重量部を
超えると感光特性が悪化することが判る。
また、アルコキシシラン化合物として、前記式
〔I〕,〔II〕に相当するもの以外のものを用いた比較
例11では、表面保護層にクラックが発生すると共に、か
なりの部分で層の剥離が観察された。これに対して、実
施例11〜16ではクラック、剥離共に全く観察されず、こ
のことから、上記実施例11〜16は、何れも、表面保護層
の接着性に優れることが判る。
実施例17〜22および比較例12〜25 メチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂に代
えて、第3表に示す配合量の特定エーテル化メラミンホ
ルムアルデヒド樹脂と、オリゴマーおよび特定エーテル
化メラミンホルムアルデヒド樹脂の合計量に対し、第3
表に示す配合割合のポリビニルブチラール(電気化学社
製、商品名デンカブチラール5000A)とを配合して2時
間攪拌し、表面保護層用の塗布液を調製したこと以外
は、上記実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製
した。
実施例23〜26 酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子がイソプロ
ピルアルコール中に分散されたコロイド溶液に代えて、
五酸化アンチモンの微粒子がイソプロピルアルコール中
に分散されたコロイド溶液(日産化学社製、商品名サン
コロイド、固形分含量20重量%)を使用し、このコロイ
ド溶液を、塗布液中の樹脂固形分(P)と、コロイド溶
液中の固形分(M)とが、P:M=100:60(重量比)とな
るように、シリコーン樹脂系塗布液中に配合したこと以
外は、上記実施例17と同様にして、電子写真感光体を作
製した。
実施例27〜34 酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子がイソプロ
ピルアルコール中に分散されたコロイド溶液を、塗布液
中の樹脂固形分(P)と、コロイド溶液中の固形分
(M)とが、P:M=100:60(重量比)となるように、シ
リコーン樹脂系塗布液中に配合したこと以外は、上記実
施例17と同様にして、電子写真感光体を作製した。
上記各実施例および比較例で作製した電子写真感光体
について、前記表面電位測定、半減露光量測定、耐摩耗
試験、および外観の観察の各試験を行った。
実施例35 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代え
て、前記式〔II〕で表されるアルコキシシラン化合物で
ある、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン(チッソ社製、商品名S−503)100重
量部を用いてオリゴマー溶液を得、このオリゴマー溶液
を使用して表面保護層用塗布液を製造したこと以外は、
上記実施例17と同様にして、電子写真感光体を作製し
た。
比較例26 メラミンホルムアルデヒド樹脂および熱可塑性樹脂を
配合しなかったこと以外は、上記実施例17と同様にし
て、電子写真感光体を作製した。
比較例27 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代え
て、テトラエトキシシラン100重量部を配合したこと以
外は、上記実施例17と同様にして、電子写真感光体を作
製した。
実施例36〜45、比較例28〜45 ポリビニルブチラールに代えて、第3表に示す配合割
合のポリ酢酸ビニル(日本合成化学社製、商品名Y5−
N)を使用したこと以外は、上記実施例17と同様にし
て、電子写真感光体を作製した。
実施例46〜49 酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子がイソプロ
ピルアルコール中に分散されたコロイド溶液に代えて、
五酸化アンチモンの微粒子がイソプロピルアルコール中
に分散されたコロイド溶液(日産化学社製、商品名サン
コロイド、固形分20重量%)を使用し、このコロイド溶
液を、塗布液中の樹脂固形分(P)と、コロイド溶液中
の固形分(M)とが、P:M=100:60(重量比)となるよ
うに、シリコーン樹脂系塗布液中に配合したこと以外
は、上記実施例36と同様にして、電子写真感光体を作製
した。
実施例50〜57 酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子がイソプロ
ピルアルコール中に分散されたコロイド溶液を、塗布液
中の樹脂固形分(P)と、コロイド溶液中の固形分
(M)とが、P:M=100:60(重量比)となるように、シ
リコーン樹脂系塗布液中に配合したこと以外は、上記実
施例36と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例58〜69、比較例46〜61 ポリビニルブチラールに代えて、第3表に示す配合割
合のアクリル系重合体(三菱レイヨン社製、商品名BR−
105)を使用したこと以外は、上記実施例17と同様にし
て、電子写真感光体を作製した。
実施例70〜73 酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子がイソプロ
ピルアルコール中に分散されたコロイド溶液に代えて、
五酸化アンチモンの微粒子がイソプロピルアルコール中
に分散されたコロイド溶液(日産化学社製、商品名サン
コロイド、固形分含量20重量%)を使用し、このコロイ
ド溶液を、塗布液中の樹脂固形分(P)と、コロイド溶
液中の固形分(M)とが、P:M=100:60(重量比)とな
るように、シリコーン樹脂系塗布液中に配合したこと以
外は、上記実施例58と同様にして、電子写真感光体を作
製した。
実施例74〜81 酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子がイソプロ
ピルアルコール中に分散されたコロイド溶液を、塗布液
中の樹脂固形分(P)と、コロイド溶液中の固形分
(M)とが、P:M=100:60(重量比)となるように、シ
リコーン樹脂系塗布液中に配合したこと以外は、上記実
施例58と同様にして、電子写真感光体を作製した。
上記各実施例並びに比較例で作製した電子写真感光体
について、前述した表面電位測定、半減露光量測定、耐
摩耗試験および外観の観察の各試験を行った。
以上の結果を第3表に記す。
なお、第3表中に示した記号*1〜*5は下記の通
り。
[*1] MBEMH:メチル−ブチル混合エーテル化メラミンホルム
アルデヒド樹脂(住友化学社製、商品名スミマールM65
B) MEMH:メチルメーテル化メラミンホルムアルデヒド樹
脂(三井サイナミド社製、商品名サイメル370) BEMH:ブチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹
脂(三井サイナミド社製、商品名ユーバン128) [*2] PVB:ポリビニルブチラール PVAc:ポリ酢酸ビニル AC:アクリル系重合体 [*3] A:五酸化アンチモンコロイド溶液 B:酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体のコロイド溶
液 [*4]クラック発生のため測定できなかった。
[*5]白濁発生のため測定できなかった。
第3表の結果より、熱可塑性樹脂としてポリビニルブ
チラール、ポリ酢酸ビニルおよびアクリル系重合体を用
いた3つの併用系の何れにおいても、アルコキシシラン
化合物のオリゴマー100重量部に対する、特定エーテル
化メラミンホルムアルデヒド樹脂の含有量が5〜50重量
部の範囲内で、且つ、熱可塑性樹脂の含有割合が、上記
オリゴマーと特定エーテル化メラミンホルムアルデヒド
樹脂との合計量の1〜11重量%の範囲内である場合にの
み、感光特性、物性等に優れ、且つ摺動摩擦に対する脆
さ等が改善されており、しかも、より導電性に優れた表
面保護層を有する電子写真感光体を製造し得ることが判
る。
また、各系を比較すると、熱可塑性樹脂としてポリ酢
酸ビニルを用いた系は、他の系に比べて耐摩耗性に優
れ、アクリル系重合体を用いた系は、他の系に比べて半
減露光量、残留電位が小さい等、感光特性に優れている
ことが判る。
そして、比較例26と、上記各系とを比較すると、上記
各系は、何れも、オリゴマー単独に比べて、感光特性、
耐摩耗性共に優れたものであることが判る。
また、アルコキシシラン化合物として、前記式
〔I〕,〔II〕に相当するもの以外のものを用いた比較
例27では、表面保護層にクラックが発生すると共に、か
なりの部分で層の剥離が観察されたが、各系の実施例で
はクラック、剥離共に全く観察されず、このことから、
上記各実施例は、いずれも、表面保護層の接着性に優れ
ることが判る。
実施例82,83および比較例62 実施例17で作製したオリゴマー溶液に、同溶液中のオ
リゴマー100重量部に対して10重量部のエーテル化メラ
ミンホルムアルデヒド樹脂と、上記オリゴマーおよびエ
ーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂の合計量に対し
て9.09重量%のアクリル系重合体(三菱レイヨン社製、
商品名BR−105)とを配合して表面保護層用の塗布液を
調製し、あとは、上記実施例17と同様にして、電子写真
感光体を作製した。
上記実施例並びに比較例の電子写真感光体について、
前述した表面電位測定、半減露光量測定、外観および繰
返し露光後の表面電位変化測定の観察の各試験を行っ
た。
以上の結果を第4表に記す。
第4表の結果より、特定エーテル化メラミンホルムア
ルデヒド樹脂に含まれない、ブチルエーテル化メラミン
ホルムアルデヒド樹脂を使用した系では、繰返し露光に
よって感光特性が著しく悪化することが判明した。
<発明の効果> この発明の電子写真感光体は以上のように構成されて
いるため、感光層との結着性が高く、かつ機械的強度に
優れていると共に、電子写真感光体の感光特性、物性等
に悪影響を与えることがなく、しかも、より導電性に優
れた表面保護層を有するものとなる。
また、熱可塑性樹脂としてポリ酢酸ビニルを用いた場
合には、ポリ酢酸ビニルの持つ柔軟性により、表面保護
層の脆さが改善されて、機械的強度が向上し、長寿命化
が可能になる。
一方、熱可塑性樹脂としてポリメチルメタクリレート
(PMMA)等のアクリル系重合体を用いた場合には、上記
アクリル系重合体の持つ高い光学特性に基づいて、より
一層の高感度化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子の表
面に酸化ケイ素粒子を吸着させることで、上記固溶体粒
子を帯電させた状態を示す模式図である。 1……固溶体粒子、2……酸化ケイ素粒子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 作白 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−200366(JP,A) 特開 平2−273753(JP,A) 特開 平3−135575(JP,A) 特開 平3−200154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/147 502

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕および〔II〕で表される
    アルコキシシラン化合物のうち少なくとも一方からなる
    オリゴマーと、 このオリゴマー100重量部に対して0.1〜15重量部のメチ
    ルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂を含有する
    塗布液(1)、 前記オリゴマー100重量部に対して0.1〜30重量部の平均
    分子量6000以下のアクリル系重合体を含有する塗布液
    (2)、 あるいは前記オリゴマー100重量部に対して5〜50重量
    部のメチルエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂お
    よび/またはメチル−ブチル混合エーテル化メラミンホ
    ルムアルデヒド樹脂と、前記オリゴマーおよびエーテル
    化メラミンホルムアルデヒド樹脂の合計量に対して1〜
    11重量%の熱可塑性樹脂とを含有する塗布液(3)のい
    ずれかとを、感光層上に塗布し、硬化させてなる表面保
    護層を有することを特徴とする電子写真感光体。 (式〔I〕,〔II〕中、R1は炭素数6以下のアルキレン
    基、R2は炭素数が4以下のアルキル基、R3は−OR2で表
    される基または炭素数が4以下のアルキル基を示す)
  2. 【請求項2】前記塗布液(1)、(2)および(3)中
    に導電性金属酸化物微粒子が混和され、この導電性金属
    酸化物微粒子が導電性付与剤として表面保護層中に分散
    している請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】前記導電性金属酸化物微粒子がコロイド溶
    液状で用いられ、表面保護層中に均一に分散している請
    求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】前記エーテル化メラミンホルムアルデヒド
    樹脂の数平均分子量が1500以下である請求項1〜3記載
    の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】前記熱可塑性樹脂がポリ酢酸ビニルおよび
    /またはポリメチルメタクリレートである請求項1〜4
    記載の電子写真感光体。
JP02287896A 1989-10-26 1990-10-24 電子写真感光体 Expired - Lifetime JP3057573B2 (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-279069 1989-10-26
JP27906789 1989-10-26
JP1-279067 1989-10-26
JP1-279070 1989-10-26
JP27906989 1989-10-26
JP27907089 1989-10-26

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03200974A JPH03200974A (ja) 1991-09-02
JP3057573B2 true JP3057573B2 (ja) 2000-06-26

Family

ID=27336623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02287896A Expired - Lifetime JP3057573B2 (ja) 1989-10-26 1990-10-24 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3057573B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6080816A (en) * 1997-11-10 2000-06-27 E. I. Du Pont De Nemours And Company Coatings that contain reactive silicon oligomers
US6329489B1 (en) 1999-12-20 2001-12-11 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for producing reactive silane oligomers

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03200974A (ja) 1991-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3336846B2 (ja) 電子写真感光体
JP3057573B2 (ja) 電子写真感光体
US5260157A (en) Electrophotographic photosensitive element comprising a surface protective layer comprising an etherified melamine-formaldehyde resin
JP2783867B2 (ja) 電子写真感光体
JP2004093802A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP3573826B2 (ja) 有機顔料分散液及びこのような分散液を用いた電子写真感光体
JPH0690538B2 (ja) 電子写真感光体
JPH03139656A (ja) 電子写真感光体
JPH0690537B2 (ja) 電子写真感光体
JP2784657B2 (ja) 電子写真感光体
EP0371791B1 (en) Electrophotographic photosensitive material
JPH0677159B2 (ja) 電子写真感光体
JP3146635B2 (ja) 電子写真感光体および該電子写真感光体を備えた電子写真装置
JPH03139661A (ja) 電子写真感光体
JP3049669B2 (ja) 電子写真感光体
JP3115363B2 (ja) 電子写真感光体の表面層硬化用触媒
JP3192550B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置及びプロセスカートリッジ
JPH0561236A (ja) 電子写真感光体の表面層硬化用触媒
JPH0895280A (ja) 電子写真感光体
JPH03135576A (ja) 電子写真感光体
JPH03135572A (ja) 電子写真感光体
JPH03139655A (ja) 電子写真感光体
JPH0950142A (ja) 感光体
JP3218825B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JPH03139659A (ja) 電子写真感光体