JP3057553U - 医療用無影灯 - Google Patents

医療用無影灯

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JP3057553U
JP3057553U JP1998006929U JP692998U JP3057553U JP 3057553 U JP3057553 U JP 3057553U JP 1998006929 U JP1998006929 U JP 1998006929U JP 692998 U JP692998 U JP 692998U JP 3057553 U JP3057553 U JP 3057553U
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拓也 大槻
浩司 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】必要な複数の照明部位に、集光照射域を設定す
ることが手軽にでき、余分なコストアップが少なく、ま
た、そのために無影灯に触れる部分をできるだけ少なく
することのできる医療用無影灯を提供する。 【解決手段】無影反射鏡1の前面に光源2を配置した無
影灯10であって、光源2から発し、無影反射鏡1によ
り反射された光束を、患者の施術部位、施術者の手元部
位などの予め設定された複数の照射設定部位に応じた方
向に選択的に向ける照射方向自動切換手段3と、照射設
定部位を選択設定する選択スイッチとを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、医療用無影灯、特に歯科用、産婦人科用、泌尿器科用に好適に用い られる医療用無影灯に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯科、産婦人科、泌尿器科などの治療においては、施術部位や、術者の作業手 元部位を照明するのに、医療用無影灯を使用している。 この医療用無影灯は、無影灯と照明部位の間の光路に、施術器具や、術者の手 などが入っても、照明部位にその影ができず、施術や作業の邪魔にならないよう にしたものであって、通常、単一の光源からの光を、反射位置と反射角度の異な る複数の小反射鏡面で構成された反射鏡で反射させて、その反射光を用いること によって、無影灯の効果を生じさせている。
【0003】 このような医療用無影灯においては、所定の集光照射域が設定されており、そ の集光照射域では、特に明るく照射され、また、上記の無影効果も生かされるよ うになっている。したがって、医療用無影灯を用いて、歯科治療を行っている場 合で、頻繁に、患者の口腔内の処置、トレーテーブル周囲での義歯装着等の歯科 補綴物の技工作業を行う場合には、医療用無影灯の全体を首振り、あるいは移動 させて、その集光照射域を、希望の照明部位に来るようにしなけらばならなかっ た。
【0004】 この場合、頻繁な無影灯の操作が煩わしいと感じる術者は、手元作業の場合に は、不十分な室内照明下で行うか、別の照明装置を用いるか、していた。 一方、医療用無影灯を、いちいち手操作して、無影灯を所定の位置と方向にな るようにするには、術者は、口腔での作業中の手、あるいは、手元作業中の手で 、無影灯を掴んで操作していた。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、医療用無影灯の全体を、頻繁に移動し、方向を変えるのは、非常に煩 わしかった。また、室内の不十分な照明で手元作業を行うのは、作業性を低下さ せるものであった。別の照明装置を用いる場合は、その照明装置のコストがかか る上に、余分な設置スペースを要し、邪魔になったり、その照明装置のための余 分な操作も必要となっていた。
【0006】 さらに、無影灯を手操作する場合には、術者などの手による無影灯の汚染、ま た、無影灯による術者の手の汚染が問題となり、安全衛生面で改善が望まれてい た。 本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、必要な複数の照明部位に 、集光照射域を手軽に設定することができ、余分なコストアップが少なく、また 、そのために無影灯に触れる部分をできるだけ少なくすることのできる医療用無 影灯を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の医療用無影灯は、無影反射鏡の前面に光源を配置した無影灯 であって、前記光源から発し、前記無影反射鏡により反射された光束を、患者の 施術部位、施術者の手元部位などの予め設定された複数の照射設定部位に応じた 方向に選択的に向ける照射方向自動切換手段と、照射設定部位を選択設定する選 択スイッチとを備えている。
【0008】 医療用無影灯とは、ここでは、1つの光源からの光を反射させて無影効果を得 るものをいい、そこで、1つの光源からの光を反射して、一定の集光照射域に収 束させるのに用いられる無影反射鏡は、パラボラ曲線などで構成された、なだら かな連続した曲面から構成されるものでなく、異なる位置と角度から反射された 光が収束するように、それぞれ異なる反射位置と反射角度を有する複数の小反射 鏡面を配設して構成されている。このようにすると、一つの小反射鏡面からの反 射光路が障害物によって遮られても、それ以外の小反射鏡面からの反射光路は、 光路が異なるため遮られることが少なく、無影効果を得ることが出来る。
【0009】 照射設定部位とは、医療用無影灯の光源から発し、前記無影灯により反射され た光束が照射するように予め設定された照射部位をいい、例えば、歯科治療の場 合には、患者の口腔部位と、術者の作業手元部位の2箇所が、照射設定部位とし て設定される。 選択スイッチは、術者の手が塞がっている状態で操作できるものが好ましく、 例えば、フットスイッチなどが好適に用いられる。
【0010】 この医療用無影灯は、選択スイッチを操作して、照射設定部位を選択すれば、 無影灯の照射方向を、選択した照射設定部位に応じた方向に自動的に切り換える 照射方向自動切換手段を設けている。つまり、無影灯の集光照射域を照射設定部 位に設定するための要素である、光源から発し前記無影灯により反射された光束 の方向と収束距離のうち、その方向を、自動切換するものである。
【0011】 したがって、この無影灯によれば、無影灯に触れることなしに、その無影灯の 照射方向を、希望の照明部位、例えば、歯科治療の場合には、患者の口腔部位と 、術者の手元作業部位に、選択的に向けることが出来る。 請求項2に記載の医療用無影灯は、請求項1において、前記照射方向自動切換 手段が、前記無影反射鏡を、所定位置に移動若しくは回動させる反射鏡移動機構 を備えた構成としている。
【0012】 この医療用無影灯の照射方向自動切換手段は、反射鏡移動機構を備えており、 無影反射鏡を移動、回動させることによって、照射光束を、照射設定部位に選択 的に向ける。 請求項3に記載の医療用無影灯は、請求項1において、前記照射方向自動切換 手段が、前記光源を、所定位置に移動させる光源移動機構を備えた構成としてい る。
【0013】 この医療用無影灯の照射方向自動切換手段は、光源移動機構を備えており、光 源を移動させることによって、選択的に、照射光束を照射設定部位に向ける。 請求項4に記載の医療用無影灯は、請求項1〜3のいずれかにおいて、上記選 択スイッチは、入力した音声信号を判別する音声入力センサーや、手などによる 光の透過、遮断を判別する光センサーなどで構成された無接触作動スイッチを有 した構成としている。
【0014】 この医療用無影灯の選択スイッチは、肉声や手をかざすなどの方法で、無接触 で選択操作できるので、雑菌に触れることがなく、衛生的であり、また、フット スイッチが既に他の目的のために、幾種類も設けられている場合には、この選択 スイッチとしてフットスイッチを増やす必要がなくなり、多数のフットスイッチ が存在することによる間違いを避けることができる。
【0015】 請求項5に記載の医療用無影灯は、請求項1〜4のいずれかにおいて、集光照 射域自動調整手段を更に備え、前記光源から発し、前記無影灯により反射された 光束を、上記照射方向自動切換手段によって、予め設定された複数の照射設定部 位に応じた方向に向けたときには、それぞれの照射設定部位に対応させて、集光 照射域を自動調整するようにしている。
【0016】 この医療用無影灯では、無影灯の照射光束の方向を、照射方向自動切換手段に よって、自動切換するだけでなく、その照射方向にある照射設定部位に対応させ て、照射光束の収束距離も、集光照射域自動調整手段によって、自動調整し、無 影灯の集光照射域が、照射設定部位に来るようにしている。 したがって、照射光束の方向と収束距離の双方が、照射設定部位に合わせて設 定され、つまり、照射設定部位に集光照射域が設定されるので、その部位に理想 的な照射が得られる。
【0017】 請求項6に記載の医療用無影灯は、請求項5において、上記集光照射域自動調 整手段が、照射設定部位と医療用無影灯との間の距離を測定する計測センサを有 し、その計測センサからの信号に基づき、前記光源と前記無影反射鏡との位置関 係を自動的に調節する構成としている。 この医療用無影灯においては、計測センサは、無影灯と照射設定部位との間の 距離を自動的に計測し、集光照射域自動調整手段は、計測センサからの測定信号 に応じて、照射設定部位に所定条件を充たす集光照射域が形成されるように、光 源と無影反射鏡との位置を自動制御する。
【0018】 したがって、照射設定部位に理想的な照射が得られる。 請求項7に記載の医療用無影灯は、複数の反射セグメントを組み合わせて構成 された無影反射鏡の前面に、光源を配置して構成された無影灯であって、前記そ れぞれの反射セグメントの前記光源に対する反射角度を独立して変更設定できる ようにした反射セグメント制御手段とを備え、この反射セグメント制御手段は、 無影灯による照射方向を、患者の施術部位、施術者の手元部位などの予め設定さ れた複数の照射設定部位に向けて選択的に変更させたときには、それぞれの設定 部位において、所定条件の集光照射域を自動形成するようにしている。
【0019】 この医療用無影灯は、本来、複数の小反射鏡面から構成されている無影反射鏡 のそれぞれの小反射鏡面を、反射セグメントとして分離させ、その個々の反射セ グメントの光源からの光の反射角を独立して変更設定できる反射セグメント制御 手段によって、照射設定部位に対応させて、その部位に、所定条件の集光照射域 を自動形成するようにしている。
【0020】 したがって、照射設定部位に理想的な照射が得られる。 請求項8に記載の医療用無影灯は、無影反射鏡の前面に光源を配置した無影灯 であって、この無影灯の位置と照射方向を任意に変更保持させる複数の関節部を 有した多関節フリーアームと、患者の施術部位、施術者の手元部位などの予め設 定された複数の照射設定部位に対して所定条件の集光照射域を形成させる無影灯 の位置と照射方向を予め設定した後には、このフリーアームの複数の関節部を制 御して、選択的に、その照射設定部位に対して設定された位置と照射方向になる ように無影灯の位置と照射方向を設定変更する無影灯位置方向自動制御手段とを 備えている。
【0021】 この医療用無影灯では、上記のように、光源や、無影反射鏡を移動あるいは回 動させることによって、無影灯の照射光束の方向と収束距離を自動調節する方式 ではなく、無影灯を、フリーアームの先端に取り付け、予め、所定の照射設定部 位に集光照射域が設定されるように、無影灯の位置と照射方向を設定し、その時 の多関節フリーアームの関節部の状態を記憶させておき、適当な選択手段により 、照射設定位置を選択したときには、その関節部が記憶状態になるように制御し て、無影灯が設定した位置と照射方向になるようにしたものである。
【0022】 したがって、この場合も、照射設定部位に理想的な照射を得ることができる。
【0023】
【考案の実施の形態】
以下に、本考案の実施の形態について図とともに説明する。 図1は本考案の医療用無影灯の部分破断外観斜視図である。 この医療用無影灯10は、無影反射鏡1、光源2、照射方向自動切換手段3を 構成する光源移動機構12、遮光板6、透明カバー7、無影灯ケース8から構成 されている。
【0024】 無影反射鏡1は、アルミ成形品あるいはガラス成形品などで構成され、開いた 傘形状のものの一部を外形が長方形状になるように切り取ったような形をしてお り、その内凹面には、断面がほぼ放物形状をした縦長反射小鏡片を平行に連続さ せて配設して構成した反射鏡面が形成されている。この無影反射鏡1は、光源2 からの光を反射し、無影灯10の前方の所定の照明域全域をどの小鏡片からも、 その反射光が照明して、仮に反射光の一部を遮っても影が生じにくくなっている 。
【0025】 光源2は、石英ハロゲンランプ、白熱灯などのランプで構成され、無影反射鏡 1の前面に配置されている。 照射方向自動切換手段3は、光源2を移動させる光源移動機構12から構成さ れている。この光源移動機構12は、光源2を移動させるための駆動力を与える 移動用モータ12a、このモータ12aの出力軸に固定された移動用ネジ軸12 b、このネジ軸12bにネジ嵌合する雌ネジを下部に設け、上部には光源2を設 置した移動ベース12c、この移動ベース12cの両脇縁をスライド可能に支持 する1組のガイドレール12dから構成されている。このガイドレール12dは 、無影灯ケース8の内部底面に無影灯10の前面から見て左右方向に設置されて いる。
【0026】 したがって、移動用モータ12aを駆動させることによって、移動用ネジ軸1 2bが正転あるいは逆転して、それに伴って、移動ベース12cに設けられた雌 ネジが、前後して、移動ベース12cが前後し、よって、無影反射鏡1に対して 、光源2が、その前面から見て左右に移動する。 遮光板6は、光源2の前側、つまり、無影反射鏡1とは反対側に、光源2と同 様に光源移動機構12の移動ベース12c上に設置され、光源2から、無影灯1 0の前方へ直射光が照射されるのを防いでいる。また、遮光板6は光源2と、同 じように移動するので、光源2を移動させた場合でも、その遮光効果は変わらな い。
【0027】 透明カバー7は、無影反射鏡1によって反射された光を透過させるとともに、 外部から、治療中の治療飛沫などの汚染物が、無影灯10の内部に侵入して、無 影反射鏡1などを汚染したり、曇らせたりすることがないように保護するもので ある。 無影灯ケース8は、上述の無影灯を構成する部品を収容するものであり、全体 として、不図示のフリーアームなどの支持手段に支持されている。したがって、 基本的には、この無影灯ケース8を掴んで、移動あるいは回動させることによっ て、無影灯10の集光照射域を照射設定部位に設定することができる。
【0028】 図2と図3は、この医療用無影灯を歯科治療に用いた場合の使用態様を説明す る外観斜視図であり、図2は集光照射域を患者の口腔部位に設定した場合、図3 は集光照射域を術者の手元作業部位に設定した場合を示している。 これらの図については、図1と同じ部分については、同じ符号を付して、重複 説明を省略する。
【0029】 図において、4は選択スイッチであり、ここでは、例としてフットスイッチで 構成したものを示している。9は医療用無影灯10の集光照射域、Aは術者、B は患者、Cは患者Bの口腔部位、Dは術者Aの手元作業部位、Eは術者Aの脚部 、Fは、手元作業を行い、また、作業に必要な器具などを置いておくためのトレ ーテーブルである。
【0030】 医療用無影灯10を用いて、歯科治療を行う場合、術者Aは、図2に示すよう に、患者Bの口腔部位Cに無影灯10の集光照射域9を設定して口腔での作業を 行う。このとき、口腔部位Cが最適の状態に照明され、術者Aは、治療を良好に 行うことができる。 この作業中に、入れ歯加工等の技工作業の如く、手元作業が必要な場合には、 従来は、術者Aは、いったん、手に保持している施術用具などをトレーテーブル Fに置いて、その後に、無影灯10を手動操作して、その照射方向や位置を変更 して、集光照射域9が手元作業部位Dに来るように設定してから、再び、必要な 用具を手にして、手元作業を続けるといった煩わしい手順が必要であった。
【0031】 それに対し、本考案の医療用無影灯10では、術者Aは、選択スイッチ4を脚 部Eでワンプッシュするだけで、照射方向自動切換手段3を構成する光源移動機 構12が作動し、予め設定された位置に光源が移動して、図3に示すように無影 灯10の集光照射域9が手元作業部位Dに来るように、無影灯10の照射方向が 自動切換される。したがって、術者Aは、手に保持したものを、いったんトレー テーブルFなどに置くようなことなく、スムーズに手元作業に移ることができる 。
【0032】 手元作業から口腔での作業に移る場合も、同様に、術者Aは、脚部Eで選択ス イッチ4をワンプッシュするだけで、作業の進行を中断することなく、スムーズ に行うことができる。特に、この例に示した歯科治療においては、人口義歯を装 填する場合など、口腔部位Cと手元作業部位Dの間を何度も頻繁に往復して、人 口義歯の細かい調整をする必要があり、そのような場合には、この医療用無影灯 10は、選択スイッチ4のワンプッシュで、照射方向を切り換えられるので、非 常に便利である。
【0033】 図4(a)、(b)は本考案の反射鏡移動機構の一例の動作説明図であり、医 療用無影灯の無影灯ケースの上部を破断して、上から見た所を示している。 これ以降の説明では、すでに説明したものと同じ部分については、同じ符号を 付して、重複する説明を省略する。 この医療用無影灯10Aは、図1で説明した無影灯10に比べて、照射方向自 動切換手段3が、反射鏡移動機構11で構成されている点、つまり、光源2では なく、無影反射鏡1を移動させることで、照射方向を切り換えている点だけが相 違する。
【0034】 反射鏡移動機構11は、無影反射鏡1を移動させるための駆動力を与える移動 用モータ11a、このモータ11aの出力軸に固定された移動用ネジ軸11b、 このネジ軸11bにネジ嵌合する雌ネジを下部に設け、上部には反射鏡1を設置 した移動ベース11c、この移動ベース11cの両脇縁をスライド可能に支持す る1組のガイドレール11dから構成されている。このガイドレール11dは、 無影灯ケース8の内部底面に無影灯10Aの前面から見て左右方向に設置されて いる。
【0035】 したがって、移動用モータ11aを駆動させることによって、移動用ネジ軸1 1bが正転あるいは逆転して、それに伴って、移動ベース11cに設けられた雌 ネジが、前後して、移動ベース11cが前後し、よって、光源2に対して、無影 反射鏡1が、無影灯10Aの正面方向から見て左右に移動する。 この機構は、図1、2、3で説明した光源移動機構12に対応するもので、こ の機構によっても結果的に、図4の(a),(b)に示すように、無影反射鏡1 と光源2の相対的位置関係を、図2、3と同様な照射方向になるようにすること ができる。したがって、選択スイッチ4によって作動させることで、この反射鏡 移動機構11によっても、光源移動機構12による場合と同様の効果を得ること ができる。
【0036】 図5(a)、(b)は本考案の反射鏡移動機構の他例の動作説明図であり、医 療用無影灯の無影灯ケースの上部を破断して、上から見た所を示している。 この医療用無影灯10Bの反射鏡移動機構11Aは、図4の反射鏡移動機構1 1に比べ、無影反射鏡1を平行移動させるのではなく、回動させる点が相違する 。
【0037】 反射鏡移動機構11Aは、無影反射鏡1を回動させるための駆動力を与える回 動用モータ11e、このモータ11eの出力軸に固定された回動用ネジ軸11f 、このネジ軸11fにネジ嵌合する雌ネジとこの雌ネジに突設されたアームから なる回動アーム11g、この回動アーム11gと長孔を介してピン係合している 回動ベース11h、この回動ベース11hを回動させる支点となる支点ピン11 iから構成されている。支点ピン11iは、回動ベース11cの中央付近に設け られ、回動ベース11cを無影灯ケース8の中央付近の適所に回動可能に係合し ている。
【0038】 したがって、回動用モータ11eを駆動させることによって、回動用ネジ軸1 1fが正転あるいは逆転して、それに伴って、回動アーム11gに設けられた雌 ネジが、上下して、回動アーム11gが上下し、その動きが長孔とピンによる係 合により回動ベース11hに伝えられ、回動ベース11hを支点ピン11iを中 心に左右に回動させる。つまり、これによって、光源2のまわりに、無影反射鏡 1が、無影灯10Bの正面方向から見て左右に回動する。
【0039】 この回動も、図1、2、3で説明した光源移動機構12に対応するもので、こ の場合も結果的に、図5の(a),(b)の無影反射鏡1と光源2の相対的位置 関係は、図2、3の場合に相当する。したがって、選択スイッチ4によって作動 させることで、この反射鏡移動機構11Aによっても、光源移動機構12による 場合と同様の効果を得ることができる。
【0040】 図6(a)、(b)は本考案の反射鏡移動機構の他例の動作説明図であり、医 療用無影灯の無影灯ケースの上部を破断して、上から見た所を示している。 この医療用無影灯10Cの反射鏡移動機構11Bは、図5の反射鏡移動機構1 1Aと同様のものであるが、無影反射鏡1を回動させる支点ピン11iaの位置 が、回動ベース11hの中心付近ではなく、左下隅付近にあり、その位置におい て、無影灯ケース8と回動ベース11hとを回動可能に係合している。
【0041】 この場合も、図6(a),(b)に示すように、回動用ネジ軸11fの回転量 を適宜調整することによって、ほぼ、図5(a),(b)と同じような、回動位 置に回動ベース11hを回動させることができ、光源2のまわりに、無影反射鏡 1を、無影灯10Cの正面方向から見て左右に回動させることができる。 したがって、図5と同様に、選択スイッチ4によって作動させることで、この 反射鏡移動機構11Bによっても、光源移動機構12による場合と同様の効果を 得ることができる。
【0042】 また、図5、6を比較することによって理解できることであるが、反射鏡移動 機構11A,11Bの場合には、その支点ピン11i,11iaの位置は、これ 以外にも、適宜設定することができる。例えば、回動ベース11hの左上隅、下 部縁の中央などの適当な位置に設けることができる。 図7(a)、(b)、図8(c),(d)は本考案の手動の反射鏡移動機構の 一例の動作説明図である。図7、8において、(a),(c)は、それぞれ、医 療用無影灯の無影灯ケースの前部を破断して、前から見た所を、(b),(d) は、医療用無影灯の無影灯ケースの上部を破断して、上から見た所を示している 。
【0043】 この医療用無影灯10Dの反射鏡移動機構11Cは、これまで説明したものと 異なり、無影反射鏡1を手動で移動させるようにしたものである。 反射鏡移動機構11Cは、移動のガイドの役目をするガイド長孔11kを少な くとも2カ所設け、また、自身を移動させるための操作用ガイドピン11lを設 けた移動ベース11j、この移動ベース11jのガイド長孔11kにそれぞれは まり込むように無影灯ケース8の内底面に立設されたガイドピン8a、操作用ガ イドピン11lがはまり込むように無影灯ケース8の内底面に設けられたガイド 長孔8bから構成されている。
【0044】 移動ベース11jのガイド長孔11k、操作用ガイドピン11lと、無影灯ケ ース8のガイドピン8a,ガイド長孔8bとは、それぞれ嵌合しており、その嵌 合状態を維持しながら、ガイド長孔11k,8bに沿って、移動ベース11jを 無影灯ケース8に対して、移動させることが出来るようになっている。また、操 作用ガイドピン11lは、その頭部を、無影灯ケース8のガイド長孔8bから覗 かせており、移動ベース11jを移動させるには、無影灯ケース8の下部に突出 した、操作用ガイドピン11lを手動操作すればよい。
【0045】 この場合も、図2、3との対比から解るように、術者が指などで、操作用ガイ ドピン11lを操作することによって、医療用無影灯10Dの照射方向を選択的 に、2つの箇所に、例えば、この例では、患者の口腔部位Cと、術者の手元作業 部位Dとに切り換えることができる。 また、この場合、無影灯の照射方向を自動に方向切換できるものでなく、手動 で行うものであるので、術者は、無影灯を触る必要があるが、無影灯全体を首振 りあるいは移動させて、照射方向を変えるものではなく、無影反射鏡1のみを簡 易な方法により移動させるので、容易かつ手軽に移動操作ができ、移動装置のた めのコストアップも少ない。さらに、移動のために接触すべき部分は、無影灯ケ ース8より突出した操作用ガイドピン11lの頭部だけであるので、接触による 汚染の問題も少ない。 図9(a)、(b)、図10(c)、(d)は本考案の照射方向自動切換手段 と集光照射域自動調整手段の一例の動作説明図であり、いずれも、医療用無影灯 の無影灯ケースの上部を破断して、上から見た所を示している。
【0046】 この医療用無影灯10Eは、これまでのものに比べ、照射方向自動切換手段3 に加え、さらに集光照射域自動調整手段5をも備えている点が相違する。 医療用無影灯10Eにおいて、照射方向自動切換手段3を構成する反射鏡移動 機構11Aは、図5で説明したものと同様のものである。 集光照射域自動調整手段5は、無影反射鏡1に対する光源2の距離を、光源2 を移動させて変えることで、選択した照射設定部位に集光照射域を自動調整する もので、光源2を移動させるための駆動力を与える移動用モータ5a、このモー タ5aの出力軸に固定された移動用ネジ軸5b、このネジ軸5bにネジ嵌合する 雌ネジを下部に設け、上部には光源2を設置した移動ベース5c、この移動ベー ス5cの両脇縁をスライド可能に支持する1組のガイドレール5dから構成され ている。
【0047】 このガイドレール5dは、無影灯ケース8の内部底面に無影灯10Eの前面か ら見て前後方向に設置されている。 したがって、移動用モータ5aを駆動させることによって、移動用ネジ軸5b が正転あるいは逆転して、それに伴って、移動ベース5cに設けられた雌ネジが 前後して、移動ベース5cが前後し、よって、無影反射鏡1に対して、光源2が 、無影灯10Eの正面方向から見て前後に移動し、無影反射鏡1と光源2の間の 距離を調整して、無影反射鏡1によって反射される反射光の広がり程度を調整す ることができる。このような反射光の広がり程度の調整状態は、図9(a)と図 10(c)、あるいは、図9(b)と図10(d)を比較することによって、理 解することができる。
【0048】 この医療用無影灯10Eによれば、上述したように、照射方向を自動切換でき るだけでなく、その自動切換された照射方向に応じて、集光照射域も自動調整す ることができる。したがって、照射方向を自動切換した場合に、切り換えられた 照射設定部位に、より理想的な集光照射域が形成される。 つまり、図2、3で説明した医療用無影灯10においては、図2の状態で、口 腔部位Cに所定の集光照射域9が設定されている場合に、そのままの無影灯10 の位置で、照射方向だけを選択スイッチ4によって図3のように切り換えると、 手元作業部位Dに形成される集光照射域9は、厳密には、本来設定された集光照 射域9に比べ、無影灯10からの距離が長くなる分、より、分散あるいは収束さ れたものになる。実際上は、この相違は、ほとんど、作業性に支障を与えるもの ではないが、この医療用無影灯10Eでは、更に、切り換えられた照射設定部位 に対応させて、集光照射域が調整されるので、そのような問題はない。 図11(a)、(b),(c)は本考案の上下への光源移動機構の一例の説明 図である。この図において、(a)は、医療用無影灯の無影灯ケースの前部を破 断して前から見た所を、(b)は、医療用無影灯の一部を破断した外観斜視図を 、(c)は光源の上下移動の効果を示している。
【0049】 この医療用無影灯10Fは、光源2を上下に移動させることのできる光源移動 機構19を備えていることを特徴とする。 この光源移動機構19は、光源2を上下移動させるための駆動力を与える移動 用モータ19a、このモータ19aの出力軸に固定された移動用ネジ軸19b、 このネジ軸19bにネジ嵌合する上下方向の雌ネジを設け、上部には光源2を設 置した移動ベース19c、この移動ベース19cの4隅に上下方向に貫通して設 けられたガイド孔に貫通し、この移動ベース19cを上下に移動させるためのガ イドの役割をするガイド棒19dから構成されている。
【0050】 このガイド棒19dは、無影灯ケース8の内部底面に立設されている。 したがって、移動用モータ19aを駆動させることによって、移動用ネジ軸1 9bが正転あるいは逆転して、それに伴って、移動ベース19cの雌ネジが上下 して、移動ベース19cが上下し、よって、無影反射鏡1に対して、光源2が、 無影灯10Fの正面方向から見て上下に移動し、無影反射鏡1の光源2からの光 の上下方向の反射角を変更して、反射光の照射方向を、無影灯10Fの正面方向 から見て、上下方向に変更することができる。図11(c)は、このようにして 、上下移動された光源2により形成される集光照射域9の上下方向の移動の状態 を示すものである。
【0051】 この医療用無影灯10Fによれば、以上説明したように、無影灯10Fの前面 から見て、上下方向に、照射方向を自動切換することができる。 図12(a)、(b)は本考案の上下左右への光源移動機構の一例の説明図で あり、(a)は医療用無影灯の無影灯ケースの前部を破断して前から見た所を、 (b)は医療用無影灯の一部を破断した外観斜視図を示している。
【0052】 この医療用無影灯10Gは、図11で説明した上下への光源移動機構19と、 図1で説明した左右への光源移動機構12と同様の構成の光源移動機構19Aと を組み合わせたものである。 つまり、図1の光源移動機構12では、移動ベース12cには、光源2が設置 されていたが、ここでは、移動ベースには、光源移動機構19全体が設置されて いる。
【0053】 この光源移動機構19は、図11のものと同様に、移動用モータ19a、移動 用ネジ軸19b、移動ベース19c、ガイド棒19dから構成され、このガイド 棒19dは、光源移動機構19Aの移動ベース19gに立設されている。 光源移動機構19Aは、図1の光源移動機構12と同様に、移動用モータ19 e、移動用ネジ軸19f、移動ベース19g、1組のガイドレール12hから構 成されている。
【0054】 以上の説明から解るように、この医療用無影灯10Gによれば、無影灯10G の位置と方向を固定したままで、無影灯10Gの照射方向を、その無影灯10G の正面から見て、左右方向だけでなく、上下方向にも、自動切換することができ る。 図13(a)、(b)は本考案の反射セグメント制御手段の一例の動作説明図 であり、いずれも、医療用無影灯の無影灯ケースの上部を破断して、上から見た 所を示している。
【0055】 この医療用無影灯10Hは、無影反射鏡が、連続した一体物ではなく、個々独 立した反射セグメント15を複数個組み合わせて構成されており、それぞれの反 射セグメント15を、個々独立に変更設定できる反射セグメント制御手段16を 備えている。 反射セグメント15は、本来、複数の反射面をつなぎ合わせて構成されている 無影反射面の個々の反射面を分離して、独立させたもので、複数の反射セグメン ト15を所定の角度と位置で連続して整列させると図1に示した無影反射鏡1と 同様の反射面を形成することができ、一方、それぞれの反射セグメント15の反 射角度を個々に設定できるものである。
【0056】 無影反射鏡による反射角度や反射光の収束位置を変更するには、これまで説明 したように無影反射鏡と光源の相対的距離や角度を変更させてもよいが、この反 射セグメント15のそれぞれの光源2に対する反射角度を個々に制御することに よっても、同様の効果を得ることができる。 反射セグメント制御手段16は、そのような制御手段の一例であって、不図示 の駆動モータを備え自動的に回転駆動される駆動ローラ16a、この駆動ローラ 16aから複数の従動ローラ16cへ回転駆動力を伝導する伝導ベルト16b、 この伝導ベルト16bからの回転駆動力を受けて回転し、その上に、その回転中 心軸を中心に回動するように反射セグメント15を立設している複数の従動ロー ラ16cから構成されている。
【0057】 したがって、駆動ローラ16aの駆動モータを、所定の角度だけ正転あるいは 逆転させることによって、その回転角が、伝導ベルト16b、従動ローラ16c を介して、それぞれの反射セグメント15に伝わり、反射セグメント15を所定 の角度だけ、正転あるいは逆転させ、図13(a)、(b)に示すように所定の 照射方向を得ることができ、図1、2、3で説明した医療用無影灯10と同様の 効果を得ることができる。
【0058】 図14(a)、(b)は本考案の反射セグメント制御手段の他例の動作説明図 であり、いずれも、医療用無影灯の無影灯ケースの上部を破断して、上から見た 所を示している。 この医療用無影灯10Iは、図13で説明した医療用無影灯10Hと同様に、 無影反射鏡が、反射セグメント15を複数個組み合わせて構成されているもので あるが、反射セグメント制御手段16Aの回転駆動力の伝達方法が相違するもの である。
【0059】 反射セグメント制御手段16Aは、反射セグメント15を回動駆動するための 駆動モータ16d、このモータ16dの出力軸に固定された回動用ネジ軸16e 、このネジ軸16eにネジ嵌合する雌ネジを端部に設け、円弧形状に曲げられた 円弧部を有し、両端に直線部を有する回動伝導棒16f、この回動伝導棒16f の両端の直線部をスライド可能に無影灯ケース8の内部底面に支持する一組の保 持具16g、この回動伝導棒16fの円弧部にもうけられた係合ピンに係合する 長孔を一端に有し、他端を支点として回動する複数の回動プレート16hから構 成されており、この回動プレート16hの回動支点の上部には反射セグメント1 5が立設されている。
【0060】 したがって、駆動モータ16dを正転あるいは逆転させることによって、ネジ 軸16eが正転あるいは逆転し、それに伴って回動伝導棒16fの雌ネジが、図 において、左右移動し、その左右移動が、回動伝導棒16f、回動プレート16 gを介して、回動プレート16gを所定の角度だけ回動させ、それによって、反 射セグメント15のそれぞれが、所定の角度だけ回動され、図14(a),(b )に示すように、無影灯10Iの所定の照射方向を得ることができ、図1、2、 3で説明した医療用無影灯10と同様の効果を得ることができる。 図15(a)は医療用無影灯の更に他例の外観平面図、(b)はその関節部の 部分破断の詳細図である。
【0061】 この医療用無影灯10Jは、無影灯ケース8内には、照射方向自動切換手段を 設けず、集光照射域自動調整手段5のみを設け、一方、この無影灯ケース8全体 を支持している支持アーム17bを、一方向のみに回動角度設定可能にする関節 部17aで支持したものである。 この医療用無影灯10Jの関節部17aは、図15(b)に示すように、支持 アーム17bと支持アーム17bを接続する関節の役割を果たすと同時に、接続 されている双方の支持アーム17bがなす角度を所定の角度に設定することがで きるものであり、一方のアーム17b内に内蔵した駆動モータ17aaで、他方 のアーム17bの関節部17aの回動中心に固定された固定歯車に噛み合ってい る一連の歯車列17abを回転駆動させることによって、この双方の支持アーム 17bがなす角度の設定を可能としている。
【0062】 こうして、この医療用無影灯10Jでは、光源と無影反射鏡の相対的位置や角 度を変えずに、この両者を収容した無影灯ケース8の方向を、関節部17aによ って、支持アーム17aのなす角度を設定することによって、切換設定し、その 方向に対応させて、集光照射域自動調整手段5によって、集光照射域を設定する ようにしている。このような構成によっても、図1、2、3に示した医療用無影 灯10と同様の効果を得ることができる。
【0063】 図16(a)、(b)は本考案の多関節フリーアームの動作説明図であり、多 関節フリーアームを有した医療用無影灯の全体斜視図を示している。 この医療用無影灯10Kは、上述の関節部17aと支持アーム17bを有する 医療用無影灯10Jをさらに発展させたものである。 この医療用無影灯10Kは、無影反射鏡1と光源2については、照射方向自動 切換手段や、集光照射域自動調整手段を設けず、無影反射鏡1と光源2などを収 容した無影灯ケース8全体を、上述の関節部17aと支持アーム17bを複数個 連接して、それぞれの支持アーム17bの他方の支持アーム17bに対する回動 方向がすべて同じにならないようにした多関節フリーアーム17の先端に設けた ものである。
【0064】 この場合、この無影灯ケース8から見ると、無影灯10Kの集光照射域の位置 、つまり、無影灯10Kの照射方向と収束距離は一定であり、その集光照射域を 照射設定部位に最適の状態で設定するには、従来は、手動により、この無影灯ケ ース8を適宜、最適の位置と方向に設定するようにしていた。 それに比べ、この医療用無影灯10Kでは、無影灯位置方向自動制御手段18 (図17)を備えている点を特徴とする。
【0065】 無影灯位置方向自動制御手段18においては、最初、患者の口腔部位や、術者 の手元作業部位などの照射設定部位に最適の集光照射域を設定するように、手動 で、無影灯ケース8の位置と方向を決め、その状態を、自動制御手段18に記憶 させておく必要がある。この設定の後には、選択スイッチ4(図2、3参照)を 操作すれば、無影灯位置方向自動制御手段18は、その記憶に基づいて、多関節 フリーアーム17のそれぞれの関節部17aを制御して、選択された照射設定部 位に対して最適の集光照射域が設定されるように、無影灯の位置と照射方向を、 つまり無影灯ケース8の位置と向きを設定変更する。
【0066】 したがって、この場合も、照射設定部位に理想的な照射を得ることができる。 図17は本考案の制御手段を示すブロック図である。 本発明の医療用無影灯10〜10Kにおいては、その制御は簡単なものである ので、その具体的な制御手段としては、一般にパーソナルコンピュータなどを構 成するCPU20を用いることができる。
【0067】 このCPU20には、既に説明した選択スイッチ4からの信号入力があるとと もに、この選択スイッチ4を構成する無接触作動スイッチ13や、計測センサ1 4からの信号入力もあり、また、出力としては、既に説明した照射方向自動切換 手段3や、集光照射域自動調整手段5がある。また、多関節フリーアーム17を 用いる医療用無影灯10Kの場合は、このCPU20は、無影灯位置方向自動制 御手段18として機能し、選択スイッチ4からの信号により、多関節フリーアー ム17を制御する。
【0068】 計測センサ14は、医療用無影灯と照射設定部位、例えば、患者の口腔部位や 術者の手元作業部位との間の距離を測定するものであって、赤外線センサや、超 音波センサ、レーザーセンサなどで構成することができる。この計測センサ14 からの測定信号は、CPU20に送られ、CPU20では、この測定信号を基に 、集光照射域自動調整手段5に、無影反射鏡と光源の間の距離を設定する信号を 送り、その照射設定部位に、最適の、あるいは、所定の集光照射域を設定する。 このようにすると、測定結果に基づき、集光照射域を設定するので、どの照射設 定部位に対しても、正確に集光照射域を設定することができる。
【0069】 無接触作動スイッチ13は、選択スイッチ4の一例として示すもので、例えば 、入力した音声信号を判別する音声入力センサーや、手などによる光の透過、遮 断を判別する光センサーなどで構成することができる。 この無接触作動スイッチ13によれば、肉声や手をかざすなどの方法で、無接 触で選択操作できるので、接触による汚染がなく、衛生的であり、また、フット スイッチが既に他の目的のために、幾種類も設けられている場合には、この選択 スイッチとしてフットスイッチを増やす必要がなくなり、多数のフットスイッチ が存在することによる間違いを避けることができる。
【0070】
【考案の効果】
請求項1に記載の医療用無影灯によれば、選択スイッチを操作すれば、無影灯 からの光束を、選択した照射設定部位に応じた方向に自動的に切り換える照射方 向自動切換手段を設けているので、無影灯に触れることなしに、手軽に、その無 影灯の照射方向を、希望の照明部位に、選択的に向けることが出来る。
【0071】 請求項2に記載の医療用無影灯によれば、請求項1に記載の照射方向自動切換 手段が、無影反射鏡を、所定位置に移動若しくは回動させる反射鏡移動機構で構 成されているので、請求項1の効果を発揮する医療用無影灯を簡単に構成するこ とができる。 請求項3に記載の医療用無影灯によれば、請求項1において、照射方向自動切 換手段が、光源を所定位置に移動させる光源移動機構で構成されているので、請 求項1の効果を発揮する医療用無影灯を簡単に構成することができる。
【0072】 請求項4に記載の医療用無影灯によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の医 療用無影灯の効果に加え、選択スイッチが無接触作動スイッチを有した構成とし ているので、接触による汚染がなく、衛生的である。 請求項5に記載の医療用無影灯によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の医 療用無影灯の効果に加え、照射光束の方向と収束距離の双方が、照射設定部位に 合わせて設定され、つまり、照射設定部位に集光照射域が設定されるので、その 部位に理想的な照射が得られる。
【0073】 請求項6に記載の医療用無影灯によれば、請求項5に記載の医療用無影灯の効 果に加え、集光照射域自動調整手段が、計測センサからの信号に基づき、前記光 源と前記無影反射鏡との位置関係を自動的に調節する構成としているので、照射 設定部位に拘わらずに、正確に集光照射域が形成される。 請求項7に記載の医療用無影灯によれば、本来、複数の小反射鏡面から構成さ れている無影反射鏡のそれぞれの小反射鏡面を、反射セグメントとして分離させ 、その個々の反射セグメントの光源からの光の反射角を独立して変更設定できる 反射セグメント制御手段によって、照射設定部位に対応させて、その部位に、所 定条件の集光照射域を自動形成するようにしているので、照射設定部位に理想的 な照射が得られる。
【0074】 請求項8に記載の医療用無影灯によれば、無影灯を、フリーアームの先端に取 り付け、予め、所定の照射設定部位に集光照射域が設定されるように、無影灯の 位置と照射方向を設定し、その時の多関節フリーアームの関節部の状態を記憶さ せておき、適当な選択手段により、照射設定位置を選択したときには、その関節 部がその記憶状態になるように制御して、無影灯が設定した位置と照射方向にな るようにしているので、照射設定部位に理想的な照射を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の医療用無影灯の一例の部分破断外観斜
視図
【図2】本考案の医療用無影灯を歯科治療に用いた場合
の使用態様を説明する外観斜視図
【図3】本考案の医療用無影灯を歯科治療に用いた場合
の使用態様を説明する外観斜視図
【図4】(a)、(b)は本考案の反射鏡移動機構の一
例の動作説明図
【図5】(a)、(b)は本考案の反射鏡移動機構の他
例の動作説明図
【図6】(a)、(b)は本考案の反射鏡移動機構の他
例の動作説明図
【図7】(a)、(b)は本考案の手動の反射鏡移動機
構の一例の動作説明図
【図8】(c)、(d)は本考案の手動の反射鏡移動機
構の一例の動作説明図
【図9】(a)、(b)は本考案の照射方向自動切換手
段と集光照射域自動調整手段の一例の動作説明図
【図10】(c)、(d)は本考案の照射方向自動切換
手段と集光照射域自動調整手段の一例の動作説明図
【図11】(a)、(b),(c)は本考案の上下への
光源移動機構の説明図
【図12】(a)、(b)は本考案の上下左右への光源
移動機構の説明図
【図13】(a)、(b)は本考案の反射セグメント制
御手段の一例の動作説明図
【図14】(a)、(b)は本考案の反射セグメント制
御手段の他例の動作説明図
【図15】(a)は医療用無影灯の更に他例の外観平面
図、(b)はその関節部の部分破断の詳細図
【図16】(a)、(b)は本考案の多関節フリーアー
ムの他例の動作説明図
【図17】(a)、(b)は本考案の制御手段を示すブ
ロック図
【符号の説明】
1 無影反射鏡 2 光源 3 照射方向自動切換手段 4 選択スイッチ 5 集光照射域自動調整手段 6 遮光板 7 透明カバー 8 無影灯ケース 9 集光照射域 10 医療用無影灯 11 反射鏡移動機構 12 光源移動機構 13 無接触作動スイッチ 14 計測センサ 15 反射セグメント 16 反射セグメント制御手段 17 多関節フリーアーム 17a 関節部 17b アーム部 18 無影灯位置方向自動制御手段 19 光源移動機構 20 CPU A 術者 B 患者 C 口腔部位 D 手元作業部位 E 脚部 F トレーテーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F21V 17/02 A61C 19/00 H

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】無影反射鏡の前面に光源を配置した無影灯
    であって、 前記光源から発し、前記無影反射鏡により反射された光
    束を、患者の施術部位、施術者の手元部位などの予め設
    定された複数の照射設定部位に応じた方向に選択的に向
    ける照射方向自動切換手段と、照射設定部位を選択設定
    する選択スイッチとを備えた医療用無影灯。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記照射方向自動切換手段が、前記無影反射鏡を、所定
    位置に移動若しくは回動させる反射鏡移動機構を備えた
    構成としている医療用無影灯。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記照射方向自動切換手段が、前記光源を、所定位置に
    移動させる光源移動機構を備えた構成としている医療用
    無影灯。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、 上記選択スイッチは、入力した音声信号を判別する音声
    入力センサーや、手などによる光の透過、遮断を判別す
    る光センサーなどで構成された無接触作動スイッチを有
    した構成としている医療用無影灯。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかにおいて、 集光照射域自動調整手段を更に備え、 前記光源から発し、前記無影灯により反射された光束
    を、上記照射方向自動切換手段によって、予め設定され
    た複数の照射設定部位に応じた方向に向けたときには、
    それぞれの照射設定部位に対応させて、集光照射域を自
    動調整するようにした医療用無影灯。
  6. 【請求項6】請求項5において、 上記集光照射域自動調整手段が、照射設定部位と医療用
    無影灯との間の距離を測定する計測センサを有し、その
    計測センサからの信号に基づき、前記光源と前記無影反
    射鏡との位置関係を自動的に調節する構成としている医
    療用無影灯。
  7. 【請求項7】複数の反射セグメントを組み合わせて構成
    された無影反射鏡の前面に、光源を配置して構成された
    無影灯であって、 前記それぞれの反射セグメントの前記光源に対する反射
    角度を独立して変更設定できるようにした反射セグメン
    ト制御手段とを備え、 この反射セグメント制御手段は、無影灯による照射方向
    を、患者の施術部位、施術者の手元部位などの予め設定
    された複数の照射設定部位に向けて選択的に変更させた
    ときには、それぞれの設定部位において、所定条件の集
    光照射域を自動形成するようにしている医療用無影灯。
  8. 【請求項8】無影反射鏡の前面に光源を配置した無影灯
    であって、 この無影灯の位置と照射方向を任意に変更保持させる複
    数の関節部を有した多関節フリーアームと、 患者の施術部位、施術者の手元部位などの予め設定され
    た複数の照射設定部位に対して所定条件の集光照射域を
    形成させる無影灯の位置と照射方向を予め設定した後に
    は、このフリーアームの複数の関節部を制御して、選択
    的に、その照射設定部位に対して設定された位置と照射
    方向になるように無影灯の位置と照射方向を設定変更す
    る無影灯位置方向自動制御手段とを備えた医療用無影
    灯。
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