JP3057438U - 二重構造の光拡散プリズムシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的は、二重構造の光拡散プリズム
シートを提供することである。 【構成】 このシートは、異なる位置を通る透過光を異
なる方向に屈折させるためにマイクロプリズム形状の多
数の細かい凹凸を片面に形成した光透過性の合成樹脂製
シートの他方の面に、該シートの合成樹脂よりも軟質の
光透過性樹脂フィルムを積層させた構造を有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、曲げたときにも折れにくい二重構造の光拡散プリズムシートに関す る。

【０００２】

【従来の技術】

光源からの光を拡散する目的に使用される透明なアクリル樹脂フィルム製のマ イクロプリズムシートは、例えばアメリカ合衆国のステムソナイト社により販売 されている（「ディヒュウジング」）。このようなマイクロプリズムシートは、 0.23mm程度の薄いシートの片面にプリズムエンボスが施されており、多方向性の ある屈折により光を拡散するので、蛍光灯、白熱光、ＬＥＤなどの光源の光を拡 散するのに使用される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、透明なアクリル樹脂フィルム製のプリズムシートは硬くて機械的折曲 げに弱く、少し折曲げただけで簡単に割れてしまい、取扱が非常に難しい。交通 整理等に使用される誘導棒は、点滅する発光素子の光を筒内側に配置されたマイ クロプリズムシートで拡散して誘導棒全体から光が発せられているようにしてい るが、マイクロプリズムシートを割れを生じることなく円筒状に曲げて、誘導棒 を製造することは容易に出来なかった。

【０００４】

【課題を解決する手段】

本考案者は、上記の課題を解決するために研究を重ね、本考案を完成させた。 即ち、本考案は、以下の１及び２からなるものである。 １． シートの異なる位置を通る透過光を異なる方向に屈折させて透過光を拡散 するために、片面に多数の微小プリズム形の凹凸列を有する光透過性の合成樹脂 製シートの他方の面に、該シートの合成樹脂よりも軟質の光透過性樹脂フィルム を積層させた構造を有する光拡散用シート。

【０００５】 ２． 該合成樹脂製シートがアクリル樹脂製であって、片面が多数の微小プリズ ム形の凹凸列を形成するようにエンボス処理されている多数の小区画を含んでお り、該小区画が四角であって、隣り合う該小区画は、該凹凸列の方向が互いに直 交しており、 該軟質の光透過性樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム であり、該積層構造の光拡散用シートが曲げ可能である上記１に記載の光拡散用 シート。

【０００６】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案を説明する。 図１は本考案の二重構造の光拡散プリズムシート１の断面図を示している。こ の二重構造の光拡散プリズムシート１は、アクリル樹脂製のプリズムシート部２ の平面側に対して、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の透明フィルム３を、 接着剤４で接着したものである。平面側に接着するのは、勿論より大きな屈折率 を得る為である。接着剤４として、アクリル系接着剤のＳＫダイン１２０１（綜 研化学株式会社製）を使用した。

【０００７】 図２は、光拡散プリズムシート１の平面図を示している。多数のマイクロプリ ズム列を含む小正方形の区画５は、区画５内のマイクロプリズムの列の方向が互 い違いに９０度異なっており、これによって光の拡散の偏りを防止している。

【０００８】 図１のプリズムシート部２のプリズムの山と山の間の谷部分は、最も割れ易い 部分であるが、やや柔軟製のあるPET製の透明フィルム３がある為に、その部分 で極端な曲りが防止されて割れが防止される。

【０００９】 図１のプリズムシート部２のプリズムの山と山の間の谷部分で仮にプリズムシ ート部２が割れたとしても、PET製の透明フィルム３上に接着されている為、プ リズムシートの性能が完全に損なわれることはない。

【００１０】 プリズムシート部２の厚みとPET製の透明フィルム３の厚みの比率は、１：１ 程度でよい。

【００１１】

【効果】

本考案のシートは、マイクロプリズムの作用により、シートを通過する光を拡 散する。

【００１２】 実際に製作されている市販のプリズムシートは、アクリル樹脂シートで作られ ているから仕上がりが硬く機械的折り曲げに弱く、小さく折り曲げると簡単に割 れ、取扱が非常に難しいが、本考案のシートは小さく折り曲げても簡単に割れた りしない。

【００１３】 従って、本考案のシートは、内部で光る発光素子の光を拡散する為に細い筒状 の製品の外筒の内側に配置するのに適している。例えば、誘導棒の発光部の外筒 の内側に配置することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は本考案の二重構造の光拡散プリズム
シート１の一部の拡大断面図を示している。

【図２】 図２は、光拡散プリズムシート１の平面図
を示している。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)実用新案権者 591113507 山田 景得 神奈川県川崎市宮前区野川1273−５ (72)考案者 岡田 國久 東京都足立区青井２丁目１番11号 株式会 社トーキン内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートの異なる位置を通る透過光を異な
   る方向に屈折させて透過光を拡散するために、片面に多
   数の微小プリズム形の凹凸列を有する光透過性の合成樹
   脂製シートの他方の面に、該シートの合成樹脂よりも軟
   質の光透過性樹脂フィルムを積層させた構造を有する光
   拡散用シート。
2. 【請求項２】 該合成樹脂製シートがアクリル樹脂製で
   あって、片面が多数の微小プリズム形の凹凸列を形成す
   るようにエンボス処理されている多数の小区画を含んで
   おり、該小区画が四角であって、隣り合う該小区画は、
   該凹凸列の方向が互いに直交しており、 該軟質の光透過性樹脂フィルムがポリエチレンテレフタ
   レート(PET)フィルムであり、該積層構造の光拡散用シ
   ートが曲げ可能である請求項１に記載の光拡散用シー
   ト。