JP3057392U - プレハブ屋根板構築用パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木造建物の高所で構築される屋根板を著しく
簡便容易且つ安全確実に施工できるプレハブ屋根板構築
用パネルを提供すること。 【解決手段】 本考案に係るプレハブ屋根板構築用パネ
ルは、屋根板の下地板２の上部に防湿シート３、断熱材
層４、通気用空間６及び屋根下地板５を順次に設けてプ
レハブ屋根板構築用パネル本体１を構成し、該防湿シー
ト３の上下及び左右の各周側端縁を外部に延設して、屋
根板構築時に隣設される他のプレハブパネルの防湿シー
トとの重ね代３ａを予め形設して構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、プレハブ屋根板構築用パネルに関し、さらに詳しくは、複数のパネ ルを木造建物の建築現場において接合組立てることにより、高所における屋根板 の構築作業の安全化と容易化を図ると共に、屋根板の防湿効果の向上を図ったプ レハブ屋根板構築用パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

木造建物に通気性、気密性及び断熱性を付与するための一例として、例えば、 図１に略示するような構築手段が採用されている。即ち、建物本体ａの外周を防 湿シートｂで覆って密閉すると共に、その外側を断熱材層ｃで覆い、さらに、屋 根下地板ｄ、外壁ｅと上記断熱材層ｃとの間に、各端部ｆ…ｆを外気に開放した 通気用空間ｇを設け、この通気空間ｇを通過する空気流により、屋根下地板ｄ及 び外壁ｅが受ける太陽熱による温度上昇や寒冷な外気、風雨等による温度低下の 伝達を断熱材層ｃの表面に至るまでに効果的に低減する手段が採用されている。 なお、同図において、ｈは軒桁、ｉは棟木、ｊは垂木、ｋは下地板をそれぞれ 示している。

【０００３】 而して、上記の構築手段を実施するに当って、従来は、図８〜図１０に示す施 工構造が採用されている。即ち、図９、図１０の断面図に示すように、軒桁ｈと 棟木ｉとの間に垂木ｊを架け渡し、該垂木ｊに下地板ｋを張設し、その上面に防 湿シートｂを張った後、その上に断熱材層ｃを載置する。さらに、その上に通気 用空間ｇを形設するための桟ｌを配設し、該桟ｌに屋根下地板ｄを固定し、相隣 りする防湿シートｂ、ｂの端縁ｂ₁、ｂ₁を重ね合わせて気密性を保持させている 。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、上記の諸作業は高所で行なわれるため常に危険性と困難性を伴っ ていて、広い下地板ｋ、断熱材層ｃ及び屋根下地板ｄを使用して高所で施工する ことは非常に困難であり、安全且つ能率的に建物を構築するうえで大きな支障を 来す問題があり、特に、図１０に示すように、気密性を保持するために複数枚の 防湿シートｂ、ｂの端縁ｂ₁、ｂ₁を下地板ｋの上面で重ね合わせる高所での作業 は、著しく危険であると共に、煩雑にして困難であるといった問題がある。

【０００５】 本考案は、上記の問題を解決することを課題として開発されたもので、木造建 物の高所で構築される屋根板を著しく簡便容易且つ安全確実に施工できるプレハ ブ屋根板構築用パネルを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本考案は、屋根板の下 地板の上部に防湿シート、断熱材層、通気用空間及び屋根下地板を順次に設けて プレハブ屋根板構築用パネル本体を構成し、該防湿シートの上下及び左右の各周 側端縁を外部に延設して、屋根板構築時に隣設される他のプレハブパネルの防湿 シートとの重ね代を予め形設したことを特徴とするプレハブ屋根板構築用パネル を提供するものである。

【０００７】 また、本考案は、上記のように構成したプレハブ屋根板構築用パネルにおいて 、屋根下地板の両側下部に垂木を配設して、該屋根下地板と断熱材層との間に通 気用空間を形設したプレハブ屋根板構築用パネルを提供するものである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案の実施の形態を添付図面中の図２〜図７に基づいて説明する。 図において、１は、その複数枚を使用して木造家屋の屋根板ＲＢを構築するため のプレハブ屋根板構築用パネル本体であって、該パネル本体１は、この実施の形 態では、屋根板全体を複数に分割した広さと形状をそれぞれ有する下地板２と、 該下地板２の上面に敷設した稍々広い防湿シート３と、該防湿シート３の上面に 載設した断熱材層４と、該断熱材層４の上面において、屋根下地板５との間に形 成した通気用空間６と、該通気用空間６を形成するために、断熱材層４の両側に 配置されて屋根下地板５を受止した少なくとも左右２本の垂木７、７とにより構 成されている。

【０００９】 而して、上記下地板２は厚さ約９mmの合板からなり、上記防湿シート３は厚さ 約０．１mmの塩化ビニルシートからなり、上記断熱材層４は厚さ約５０mmのロッ クウールの積層物からなり、上記通気用空間６は約９０mmの高さ寸法を備えてお り、上記屋根下地板５は厚さ約１５mmの合板からなり、また、上記垂木７は高さ 約１４０mmの細巾木材からなり、このようにしてプレハブ屋根板構築用パネルを 構成したものである。

【００１０】 上記のように構成されたプレハブ屋根板構築用パネルのパネル本体１には、下 地板２の上面に敷設した防湿シート３の縦、横の寸法を、下地板２と断熱材層４ の縦、横の寸法よりも約２００mm程それぞれ長く寸法どりした防湿シート３を配 設してあり、そのためパネル本体１の上下及び左右の各周側には約１００mm程の 寸法の防湿シート３の周側端縁がそれぞれはみ出して延設されており、この延設 端縁により、プレハブ屋根板の構築時に、隣設される他のパネル本体１の防湿シ ート３の端縁との重ね代３ａ、３ａ、３ａ、３ａが形設されている。 なお、この実施の形態では、屋根下地板５の下端側は、軒先を形成する関係か ら下地板１や断熱材層４よりも所要の長さ突出させてある。

【００１１】 次に、上記のように構成したプレハブ屋根板構築用パネルの使用状態を作用、 効果と共に説明すれば、図５及び図６に略示するように、木造建物の軒桁ｈ、ｈ と棟木ｉを組合み上げた後に、その上部に構築する屋根板の広さに応じて、予め 準備された本考案に係る所要数のパネルを載せて配列固定し、隣設する各パネル の四周側に予めはみ出させて延設してある各防湿シート３、３の各重ね代３ａ、 ３ａを合接し、共に折曲げるだけ簡単な作業により、極めて簡便容易且つ安全に 、図７に略示した木造建物の屋根板ＲＢを構築できるものであって、既述した従 来の屋根板構築手段に較べて、格段に安全且つ簡便容易に、良好な通気性、気密 性及び断熱性を備えた屋根板を高能率的に構築できる多大な利点がある。

【００１２】 以上、本考案の主要な実施の形態について説明したが、本考案は上記実施の形 態に限定されるものではなく、考案の目的を達成でき且つ考案の要旨を逸脱しな い範囲内において、種々の設計的変更が認められるものである。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は、屋根板の下地板の上部に防湿シート、断熱材層、通気用空間及び屋 根下地板を順次に設けてプレハブ屋根板構築用パネル本体を構成し、該防湿シー トの上下及び左右の各周側端縁を外部に延設して、屋根板構築時に隣設される他 のパネルの防湿シートとの重ね代を予め形設したことを特徴とするプレハブ屋根 板構築用パネルに係り、前記のように使用して施工するものであるから、従来の 屋根板構築手段に較べて、高所における危険にして煩雑、困難な木造建物の屋根 板構築作業を格段に安全且つ簡便容易に、高能率的に達成できる有用顕著な効果 がある。

【００１４】 また、木造建物の規模、形状に対応して、各種の大きさ、形状の多数のパネル を予め作成して準備しておけば、屋根板構築作業能率の一層の向上が図れる。

【提出日】平成１０年１０月２２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１０

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１０】 上記のように構成されたプレハブ屋根板構築用パネルのパネル本体１には、下 地板２の上面に敷設した防湿シート３の縦、横の寸法を、下地板２と断熱材層４ の縦、横の寸法よりも約２００ｍｍ程それぞれ長く寸法どりした防湿シート３を 配設してあり、そのためパネル本体１の上下及び左右の各周側には約１００ｍｍ 程の寸法の防湿シート３の周側端縁がそれぞれはみ出して延設されており、この 延設端縁により、プレハブ屋根板の構築時に、隣設される他のパネル本体１の防 湿シート３の端縁との重ね代３ａ、３ａ、３ａ、３ａが形設されている。 なお、この実施の形態では、屋根下地板５の下端側は、軒先を形成する関係か ら下地板２や断熱材層４よりも所要の長さ突出させてある。

【図面の簡単な説明】

【図１】通気性、気密性及び断熱性を備えた木造建物の
一例を示す簡略断面図である。

【図２】本考案の実施の形態の一例を示す平面図であ
る。

【図３】図２のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図４】図２のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【図５】本考案に係るパネルを使用したプレハブ屋根板
の構築施工状態を示す一部を省略した縦断正面図であ
る。

【図６】本考案に係るパネルを使用したプレハブ屋根板
の構築施工状態を示す一部を省略した縦断側面図であ
る。

【図７】本考案に係るパネルを使用したプレハブ屋根板
の概略平面図である。

【図８】従来の屋根板の概略平面図である。

【図９】従来の屋根板の構築施工状態を示す一部を省略
した縦断正面図である。

【図１０】従来の屋根板の構築施工状態を示す一部を省
略した縦断側面図である。

【符号の説明】

１ プレハブ屋根板構築用パネル本体 ２ 下地板 ３ 防湿シート ３ａ 防湿シートの重ね代 ４ 断熱材層 ５ 屋根下地板 ６ 通気用空間 ７ 垂木 ａ 木造建物本体 ｂ 防湿シート ｃ 断熱材層 ｄ 屋根下地板 ｅ 外壁 ｆ 通気用空間の開放端部 ｇ 通気用空間 ｈ 軒桁 ｉ 棟木 ｊ 垂木 ｋ 下地板 ｌ 桟

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋根板の下地板の上部に防湿シート、断
   熱材層、通気用空間及び屋根下地板を順次に設けてプレ
   ハブ屋根板構築用パネル本体を構成し、該防湿シートの
   上下及び左右の各周側端縁を外部に延設して、屋根板構
   築時に隣設される他のプレハブパネルの防湿シートとの
   重ね代を予め形設したことを特徴とするプレハブ屋根板
   構築用パネル。
2. 【請求項２】 屋根下地板の両側下部に垂木を配設し
   て、該屋根下地板と断熱材層との間に通気用空間を形設
   した請求項１に記載のプレハブ屋根板構築用パネル。