JP3056884B2 - 変性セルロースエーテルの製造方法 - Google Patents
変性セルロースエーテルの製造方法Info
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Description
セルロースエーテルの製造方法に関する。
−28042号公報、特開平1−144401号公報、
特開平3−12401号公報、特開平3−151330
号公報などには、塗料、化粧品、医薬品などの中で用い
られる増粘剤として、一部の水酸基の水素原子を長鎖ア
ルキル基で置換した長鎖アルキル変性セルロースエーテ
ル類の利用法が提案されている。
ーテルの製造方法としては、一般に、セルロースエーテ
ルと変性剤とを有機溶剤中で反応させる方法が知られて
いる。セルロースエーテルは有機溶剤中にスラリー状に
分散させる。そのような有機溶剤には例えばイソプロピ
ルアルコール、第三ブチルアルコールなどが用いられ
る。変性剤には炭素数8〜24のアルキル基を有するア
ルキルエポキシドやアルキルグリシジルエーテルが用い
られる。反応は反応液に水酸化ナトリウム水溶液を添加
し、混合しながら加熱する。
では、実際にセルロースエーテル類に置換する割合以上
の量の変性剤が必要でむだが多く、非常に不経済である
という問題点があった。また、アルコール系の大量の有
機溶剤を必要とするという点で工業上コスト高になり、
その大量の揮発性の溶剤が製造環境を低下させるという
欠点もあった。
め、変性剤の反応効率が高くしかも有機溶剤の使用量も
少なくて済み、その結果事実上低コストで製造環境の汚
染防止にもつながる合理的な変性セルロースエーテルの
製造方法を提供することを目的とする。
めになされた本発明の変性セルロースエーテルの製造方
法は、分散状態の水溶性セルロースエーテル類と炭素数
8〜24のアルキル基を有するアルキルエポキシド又は
/及びアルキルグリシジルエーテルとを有機溶剤中、ア
ルカリの存在下で反応させ、セルロースエーテルの一部
の水酸基の水素原子をアルキル基で置換する変性セルロ
ースエーテルの製造方法において、有機溶剤の使用割合
を該セルロースエーテル類の0.5重量倍〜3重量倍と
し、双軸撹拌機を有する反応機中で反応させる。
せる水溶性のセルロースエーテル類としては、例えば、
メチルセルロース等の水溶性のアルキルセルロースが挙
げられる。ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース
も挙げられる。ヒドロキシプロピルメチルセルロースな
どのヒドロキシアルキルアルキルセルロースも挙げられ
る。これらは単独で用いられてもよく、組み合わされて
用いられてもよい。そのなかでも、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、あるいはヒドロキシエチルセルロー
スであると最も好ましい。
エーテル類を変性剤と反応させる。そのような変性剤と
しては、アルキルエポキシド、あるいはアルキルグリシ
ジルエーテルが挙げられる。アルキル基の炭素数は8〜
24がよい。そのようなアルキルエポキシドとしては、
例えばオクチルエポキシドが挙げられる。アルキルグリ
シジルエーテルとしては例えばデシルグリシジルエーテ
ル、ステアリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
これらの変性剤は単独で用いられてもよく、2種以上組
み合わされて用いられてもよい。
剤とは反応有機溶剤中でアルカリの存在下で反応させ
る。その場合の反応有機溶剤としては、イソプロピルア
ルコール、第三ブチルアルコールなどの低級アルコール
が挙げられ、そのほかアセトン、ジメチルスルホキシド
なども挙げられる。これらは単独で用いられてもよく組
み合わされて用いられてもよい。アルカリとしては例え
ば水酸化アルカリが挙げられる。
はセルロースエーテルに対し重量比で0.001〜1.
0で足りる。有機溶剤の使用量は水溶性セルロースエー
テル類の使用量に対し、重量比で0.5倍〜3倍、好ま
しくは0.5倍〜1倍であるとよい。有機溶剤の使用量
が水溶性セルロースエーテル類の使用量に対し3倍より
多くなると反応液の粘度は下がるが変性剤の仕込み量を
それだけ多くしなければならなくなる。有機溶剤の使用
量が増加すればそれに伴う製造環境の悪化も考慮しなけ
ればならず、好ましくない。重量比で3倍未満ならば有
機溶剤の量が少なくなるほど変性剤の反応効率はよくな
る。ただし、0.5倍より低くなると水溶性セルロース
エーテル類と変性剤との混合にむらが生じる。しかも通
常、水溶性セルロースエーテル類は有機溶剤で膨潤する
が、有機溶剤の割合が0.5倍より低いとその膨潤が不
十分となり、それに伴い変性剤の反応効率も下がって好
ましくない。
ロースエーテルのアンヒドログルコース単位とのモル比
で0.05〜0.5倍程度が好ましい。反応温度は50
〜80℃、反応時間は3〜8時間である。
スエーテル類を有機溶剤中に分散する。反応装置には双
軸撹拌機を用いる。図1、図2に双軸撹拌機の一例を上
ふたを外した状態で示す。双軸撹拌機は互いに同方向あ
るいは逆方向に回転する水平な回転軸1を有する平行な
複数の平板な回転翼2を備えている。複数の回転翼2は
同時回転して高粘度の反応液を混練する。本発明の実施
にあたり、実際の使用にあたっては市販の双軸撹拌機を
用いればよい。竪型反応機では反応液の粘度が高すぎて
駆動しにくく、十分に均一な反応を生じさせることが困
難で妥当でない。
スエーテル類と変性剤とを反応させると、反応液中に粗
変性セルロースエーテルが得られる。精製は公知の方法
を採ればよい。このような方法で製造されて得られた変
性セルロースエーテルは、例えばセメントモルタル、押
出し成形材料、塗料、化粧料、医薬品などの増粘剤に好
ましく用いることができる。
分に必要とされていた変性剤の使用量を減らすことがで
きる。有機溶剤の使用量を減らすと反応液の粘度が高く
なるが、双軸撹拌機は複数の平板な回転翼が反応液に同
時に異なった方向に流動する負荷を加えて混練する。こ
れによってむらのない均一な反応が可能になる。
性セルロースエーテルの製造方法は、変性剤の反応効率
が高くしかも有機溶剤の使用量も少なくて済み、事実上
低コストになり、製造環境の汚染防止にもつながる。
メチルセルロース400g、イソプロピルアルコール
(IPA)200g、水酸化ナトリウム水溶液163
g、ステアリルグリシジルエーテル(SGE)7gを仕
込み、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとステアリ
ルグリシジルエーテルとを5時間にわたり80℃で反応
させた。使用したヒドロキシプロピルメチルセルロース
のメトキシル基MSは1.87、ヒドロキシプロポキシ
ル基MSは0.24だった。水酸化ナトリウム水溶液の
濃度は49重量%とした。
を示す平面図、図2は立面図である。双軸撹拌機では浅
いU字溝が2つ平行に形成されている底板の四辺を丈の
高い周壁が囲み、底の深い箱体5が形成されている。箱
体内底部ではU字溝の内面をほとんどこするかのように
平行に回転翼2が設けられている。その回転翼2は細長
く伸びたS字型に切り抜いた平板で形成され、U字溝の
上方で周壁に長さ方向の両端が軸支され、回転軸1の一
端は周壁を貫通してカバー3で覆われている。他端は箱
体5に外装されたモータ6に駆動伝達手段を通じて従動
している。
終了させた後、得られた反応液をろ過して反応スラリー
を回収し、酢酸で中和して次いで冷却し、1200gの
ヘキサンで3回洗浄、5リットルの熱水でさらに洗浄、
乾燥した後粉砕した。高純度のステアリル変性ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースが得られた。ステアリルグ
リシジルエーテルの反応効率は60%だった。
テアリルグリシジルエーテルの仕込み量を表1に示すよ
うにしたほかは実施例1と同様にした。結果を実施例1
の場合と併せて表1に示す。
テアリルグリシジルエーテルの仕込み量を表1に示すよ
うにしたほかは実施例と同様にした。結果を表1に示
す。
の使用割合がヒドロキシプロピルメチルセルロースの3
重量倍を越すと変性剤の反応効率が低下することが分か
った。
である。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 分散状態の水溶性セルロースエーテル類
と炭素数8〜24のアルキル基を有するアルキルエポキ
シド又は/及びアルキルグリシジルエーテルとを有機溶
剤中、アルカリの存在下で反応させ、セルロースエーテ
ルの一部の水酸基の水素原子をアルキル基で置換する変
性セルロースエーテルの製造方法において、有機溶剤の
使用割合を該セルロースエーテル類の0.5重量倍〜3
重量倍とし、双軸撹拌機を有する反応機中で反応させる
ことを特徴とする変性セルロースエーテルの製造方法。 - 【請求項2】 該有機溶剤の使用割合が該セルロースエ
ーテル類の0.5重量倍〜1.0重量倍である請求項1
に記載の変性セルロースエーテルの製造方法。 - 【請求項3】 該セルロースエーテル類がヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース又は/及びヒドロキシエチルセ
ルロースである請求項1又は2に記載の変性セルロース
エーテルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4167055A JP3056884B2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | 変性セルロースエーテルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4167055A JP3056884B2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | 変性セルロースエーテルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH069702A JPH069702A (ja) | 1994-01-18 |
JP3056884B2 true JP3056884B2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=15842567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4167055A Expired - Lifetime JP3056884B2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | 変性セルロースエーテルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3056884B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2784107B1 (fr) * | 1998-09-15 | 2005-12-09 | Rhodia Chimie Sa | Microfibrilles de cellulose a surface modifiee, leur procede de preparation, et leur utilisation |
DE10234426A1 (de) * | 2001-09-14 | 2003-04-03 | Wolff Cellulosics Gmbh & Co Kg | Verfahren und Vorrichtung zur industriellen Herstellung von Methylhydroxyalkylcellulose |
CN100422216C (zh) * | 2004-04-30 | 2008-10-01 | 北京理工大学 | 叠氮二羟丙基纤维素硝酸酯的制备方法 |
EP3348581A4 (en) * | 2015-09-07 | 2019-05-01 | Kao Corporation | MODIFIED CELLULOSE FIBERS |
WO2019240128A1 (ja) * | 2018-06-12 | 2019-12-19 | 花王株式会社 | 改質セルロース繊維の製造方法及び改質セルロース繊維 |
-
1992
- 1992-06-25 JP JP4167055A patent/JP3056884B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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