JP3056564U - プラスチックフィルム素材のシール袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトディスクケース等を保護・包装す
るシール袋であって、ＯＰＰ（２軸延伸ポリプロピレ
ン）等のプラスチックフィルム素材を使用し、かつ、隅
部に形成した切り欠き部が裂けにくいシール袋を提供す
る。 【解決手段】 プラスチックフィルム素材の溶断シール
袋であって、シール袋本体１の隅部２ａ、２ｂを円弧状
に切り欠いて、円弧カット部３ａ、３ｂを形成した。 【効果】 コンパクトディスクケース等の包装時にシー
ル袋の隅部に力がかかっても、従来の角カットのものに
比べて張力が分散されてシール袋が裂けにくい。また、
コンパクトディスクケース等がタイトに包装され、包装
の外観が美しく見える。さらに、シール袋の製袋加工と
隅部の円弧状切り欠き加工が同一の製造工程上でできる
インライン加工が可能であり、加工費用を少なくするこ
とができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主として、コンパクトディスク等のプラスチックケースの保護のた めに使用する、ＯＰＰ（２軸延伸ポリプロピレン）等のプラスチックフィルム素 材の溶断シール袋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、音楽用のコンパクトディスクやコンピュータソフトウェアのＣＤ−ＲＯ Ｍ等のプラスチックケースを保護するために、ＩＰＰ（インフレポリプロピレン ）素材のシール袋が使用されている。 このＩＰＰ素材を加工した従来のシール袋は、ＩＰＰの性質上完全延伸してい ないために、引っ張り強度が低く、一定の強度を確保するためには、素材を厚く する必要があった。

【０００３】 このような厚い素材のシール袋にコンパクトディスクケースを密着に近い状態 で封入した場合、図４に示すように、シール袋１の隅部２がコンパクトディスク ケースＣの角部に十分密着することができず、シール袋１の隅部２が尖り状に突 き出ることとなる。 この様な尖り部４があると、外観上見苦しく、また、棚などに整列して並べに くいために、図５に示すように、シール袋の隅部２を四角状に切り欠いて角カッ ト部５を形成し、コンパクトディスクケースを挿入した際に尖り部が生じないよ うにする方法が実用化されている。

【０００４】 しかし、ＩＰＰ素材のシール袋では、素材が厚い故にシール袋の透明度がやや 低く、また、製袋加工の後に切り欠き加工を行わなければならないので加工が二 重になって製造コストが高くなることから、最近では、素材が薄くしかも強度が 高い、ＯＰＰシート素材のシール袋が注目されている。

【０００５】 しかしながら、ＯＰＰシート素材のシール袋の隅部に、従来のＩＰＰ素材を用 いた場合と同じ様な角カット部を形成すると、切り欠き加工の際やシール袋にコ ンパクトディスクケースを挿入した際に、引っ張りに対して伸びにくく裂けやす いというＯＰＰ素材の性質上、シール袋の角カット部が裂けやすいという問題が あった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、コンパクトディ スクのプラスティックケース等を保護・包装するプラスチックフィルム素材のシ ール袋であって、シール袋本体の隅部に形成した切り欠き部が裂けにくいシール 袋を提供することを技術的課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案のシール袋は、プラスチックフィルム素材 のシール袋において、シール袋本体の隅部を円弧状に切り欠いて、円弧カット部 を形成する手段を講じたものである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本考案によるシール袋は、図１に示すごとく、内部にほぼ密着した状態でコン パクトディスクケースＣ等の被包装物を収容できる大きさで、シール袋本体１の 上部が開口してあり、隅部２ａ、２ｂに円弧カット部３ａ、３ｂを設けたもので ある。

【０００９】 シール袋の隅部を円弧状に切り欠いたことにより、コンパクトディスクケース 等の被包装物を挿入して包装したとき、図３に示すように、シール袋１の隅部が 尖り状に突き出ることなく、コンパクトディスクケースＣがタイトに包装され、 さらに円弧カット部３にかかる張力が円弧に添って分散されることとなるので、 シール袋１が円弧カット部３から裂けにくいという作用効果を奏する。

【００１０】 プラスチックフィルムの素材としては、前記ＯＰＰやＩＰＰのほか、ＣＰＰ（ 無延伸ポリプロピレン）、ＫＯＰ（Ｋコート延伸ポリプロピレン）等のポロプロ ピレン系素材、または、ポリエチレン系素材等を用いることができる。

【００１１】 さらに、上記各種素材をラミネートしたラミネートフィルム素材や、共押出フ ィルム等の複合フィルム素材を用いることもできる。

【００１２】

【実施例】

本考案の代表的な実施例は、図２に示すごとく、素材としてＯＰＰを用いた、 厚さ約５０μ、概略寸法１４５×１５５ｍｍの大きさのシール袋である。 シール袋本体１は、その上部が開口してあり、その底部の隅部２ａ、２ｂに半 径約６ｍｍの円の略四分の一円周の円弧カット部３ａ、３ｂを形成したものであ る。 このシール袋は、一般に市販されている音楽用コンパクトディスクのケースを 包装する用途に用いられるものである。

【００１３】 この実施例では、シール袋の底部の両隅部に円弧状の切り欠き部を形成したも のを示しているが、シール袋の上部に同様に円弧状の切り欠き部を形成してもよ く、シール袋の使用目的に応じて選択的に実施することが好ましい。

【００１４】 シール袋に被包装物を挿入して包装したときの開口部の処理は、本考案の要旨 から外れるので図示しないが、開口部に粘着テープを貼付して止めたり、予め開 口部の一部に粘着糊を塗布してその上に防護シールを貼付しておき、被包装物を 挿入したときに防護シールをはがして開口部を止める等の方法が採られる。

【００１５】 本考案のシール袋は、主としてコンパクトディスクケースを包装するためのも のであるが、その用途はコンパクトディスクケースの包装に限定されるものでは なく、各部の寸法を適宜選択して調製することにより、例えばオーディオカセッ トテープのケース、ＭＤ用ケース、ビデオテープ用ケース等の包装にも使用し得 るものである。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果 を奏する。

【００１７】 シール袋の隅部に円弧カット部を設けたことにより、コンパクトディスクケー ス等がタイトに包装されるとともに、包装の外観が美しく見える。

【００１８】 シール袋にコンパクトディスクケース等を入れて包装したときに、シール袋の 隅部に力がかかっても、従来の角カットの場合に比べて張力が分散されてシール 袋が裂けにくい。

【００１９】 シール袋にＯＰＰ等の薄い素材を用い、隅部を円弧状に切り欠き加工すること は、袋の加工と同時に行うインライン加工が可能となり、加工費用を少なくする ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す正面図である。

【図２】本考案の実施例を示す斜視図である。

【図３】本考案のシール袋の隅部拡大斜視図である。

【図４】（Ａ）従来のシール袋の隅部拡大正面図であ
る。 （Ｂ）角カット部を設けた従来のシール袋の隅部拡大正
面図である。

【符号の説明】

１・・・シール袋本体 ２、２ａ、２ｂ・・・隅部 ３、３ａ、３ｂ・・・円弧カット部 ４・・・尖り部 ５・・・角カット部 Ｃ・・・コンパクトディスクケース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プラスチックフィルム素材のシール袋であ
   って、シール袋本体（１）の隅部（２ａ、２ｂ）を円弧
   状に切り欠いて、円弧カット部（３ａ、３ｂ）を形成し
   たことを特徴とするシール袋。