JP3056560B2 - 液体用濾過膜及びそれを用いた濾過装置 - Google Patents

液体用濾過膜及びそれを用いた濾過装置

Info

Publication number
JP3056560B2
JP3056560B2 JP3274705A JP27470591A JP3056560B2 JP 3056560 B2 JP3056560 B2 JP 3056560B2 JP 3274705 A JP3274705 A JP 3274705A JP 27470591 A JP27470591 A JP 27470591A JP 3056560 B2 JP3056560 B2 JP 3056560B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
filtration
liquid
liquid filtration
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3274705A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0576734A (ja
Inventor
正勝 浦入
憲嗣 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP3274705A priority Critical patent/JP3056560B2/ja
Publication of JPH0576734A publication Critical patent/JPH0576734A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3056560B2 publication Critical patent/JP3056560B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬品、水などの液体の
精密濾過や限外濾過に使用する液体用濾過膜とそれを用
いた濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薬品、水などの液体の精密濾過や限外濾
過処理において、微粒子の除去性能、液体の透過流束、
耐薬品性、耐圧性、耐熱性等が濾過膜の重要な選択因子
である。 そのため、従来、ポリテトラフルオロエチレ
ン(以下、PTFEと略す。)等のフッ素樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン等の高分子重
合体からなる多孔質膜が選ばれていた。
【0003】しかしながら、近年ではさらに親水化膜の
必要性が高まってきた。即ち、例えば半導体工業におい
て、シリコンウエハの洗浄は硝酸、フッ酸、硫酸等で行
われているが、循環洗浄した後の薬品の交換時に、薬品
を排出することによって濾過用カートリッジフィルター
内に空気が流入する。 そのため、フィルター内のPT
FE膜等の疎水性膜の表面に空気が接し、有機溶媒等で
膜を親水化処理した効果が消失するため、次回に薬品を
導入した際には、液体透過流束が激減する。そのため、
低い表面張力を有する液体で再度親水化しなければなら
ないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、PTFE膜の親
水化には、ナトリウム−ナフタレン錯体による化学的エ
ッチングが行われていた。 この処理法は、膜表面の親
水化には適当であるが、内部まで親水化処理を行おうと
すると、不均一で、しかも膜の強度的な劣化が生じ、ま
た孔径が大きくなるという欠点があった。さらに、ナト
リウムを使用するため、半導体薬品濾過に使用すると、
その溶出が大きな問題となる。
【0005】フッ素系界面活性剤を架橋して親水化する
方法も知られている(例えば、特開昭61−24950
2号、特開昭61−249503号)が、ここで開示さ
れている界面活性剤は、疎水部の−CF3 末端がひとつ
であるため、膜への親和力が弱く、かかる界面活性剤に
よっては十分に親水化できず、得られる膜は満足できる
ものではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる従来技
術の問題点を解決するためになされたもので、高分子重
合体多孔質膜の少なくとも細孔表面に、特定の構造を有
するフッ素系界面活性剤を化学的に被覆させることによ
り、特に架橋を行うことなく、疎水性膜に親水性を保持
させることができ、カートリッジフィルター等の濾過装
置内の液体を流出させても、透過流束の低下しない液体
用濾過膜、及びそれが組み込まれた濾過装置を提供す
る。
【0007】本発明における高分子重合体多孔質膜は、
PTFE、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等の重合体からなる疎水性膜
であり、特に耐薬品性、耐熱性等の点からPTFEが好
ましい。 また0.01〜1μm、特に0.05〜0.2 μmの孔
径を有する膜が好適に用いられる。
【0008】本発明における被覆層としてのフッ素系界
面活性剤は、下記の化2
【化2】 (上記式中、RはH、OH、COOH、又はCH3 、m
は1〜17、nは1〜20である。)で表される構造を
有する。 特に、エチレンオキサイド部分が一部OH
基、またはCOOH基に置換された界面活性剤が好適に
用いられる。
【0009】かかるフッ素系界面活性剤の具体例として
は、例えば下記の化3で表される
【化3】 ものが挙げられる。
【0010】上記フッ素系界面活性剤を、前記高分子重
合体多孔質膜の細孔表面に被覆する方法は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、上記フッ素系界面活性剤
を有機溶剤で1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%
に希釈した後、高分子重合体多孔質膜をその溶液に浸漬
するか、その溶液を塗布し、膜を乾燥させることで被覆
することができ、親水化された疎水性膜が簡便に得られ
る。 ここで用いられる有機溶剤は、特に限定されない
が、例えば、アセトン、エタノール、イソプロピルアル
コールなどが好適に用いられる。
【0011】本発明においては、得られた濾過膜に、さ
らにプラズマ(H2、O2 、N2 、Ar等)照射、エキ
シマレーザー照射、低圧水銀灯照射などの後処理をおこ
なって、膜表面も親水化することができる。
【0012】本発明においては、上述の如く、フッ素系
界面活性剤を化学的親和力によって細孔に吸着させるこ
とにより親水化された濾過膜を、例えばディスク状、プ
リーツ状に加工し支持体に接着して容器内に組み込んで
なるカートリッジフィルターや、平膜状態でプレートと
フレームにて支持するプレートタイプモジュール、中空
糸膜モジュール等の濾過装置とすることができる。
【0013】
【発明の効果】本発明においては、疎水性膜の少なくと
も細孔表面を親水化処理することができるので、例えば
カートリッジフィルター等の濾過装置において、液体透
過後、空液状態にしても膜表面に液体が保持されるた
め、内部にまで空気が接することなく親水性が保たれ
る。 したがって、濾過装置内の液体を流出させても、
透過流束の低下のない液体用濾過膜を得ることができ
る。
【0014】
【実施例】 実施例1 ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(日東電工株式会
社製、商品名NTF1111、公称孔径0.1 μm)を、化4の
構造を有するフッ素系界面活性剤
【化4】 の 2.5重量%のアセトン溶液に浸漬し、30分後に膜を
取り出し風乾した。
【0015】この膜を10cm2 に切取り、カートリッジ
型濾過装置にセットし、透過側を235mmHgの減圧にし
て純水を透過させたところ、初期純水透過流束は、 6.5
cm3 /(cm2・min) であった。 このまま純水濾過を膜
1cm2 あたり0.8 リットル行った後、一旦膜を取り出
し、乾燥器中で60℃で15分間水分を除去した。 そ
して再度カートリッジ型濾過装置にセットし、純水を前
記と同条件で濾過しても純水透過流束は変わらなかっ
た。 また、0.102 μmのラテックス10ppm 水溶液を
減圧濾過させた場合のラテックス阻止率は98%であっ
た。 また、膜表面をESCA分析したところ、Fの比
率が減少し、Oが増えていることが確認された。 さら
に、この膜は、NH4 F、HF等の薬品浸漬後も親水性
を維持していることを確認した。
【0016】比較例1 フッ素系界面活性剤で処理しない以外は、 実施例1と
同様に試験した場合、初期純水透過流束は、膜が疎水性
のため、水が透過しなかった。 そこで、膜をエタノー
ル約50mlを透過させて親水化処理をした後、純水を同
様な条件で透過させたところ、7cm3 /(cm2・min)であ
った。 また、ラテックス阻止率は94%であった。
ESCA分析によると、FがCの2倍の強度を示す以
外、他の元素は観察されなかった。
【0017】比較例2 下記の化5の構造を有する界面活性剤
【化5】 を用いた以外は、実施例1と同様にして濾過膜を得、評
価を行なった。この膜の、初期純水透過流束は 6.3cm3
/(cm2・min)であったが、 0.3 l/cm2・膜の水を透過さ
せた後乾燥したところ、膜は疎水性に戻り、水は透過し
なかった。
【0018】実施例2 実施例1の方法で得られたフッ素系界面活性剤被覆膜
を、20cm四方に切り取り、プラズマ照射装置内に電
極から5cm離して保持した。 10-5torrに真空引き
した後、Arガスを10cc(STP)/min で供給し、チャン
バー内を5×10-1torrに保ち、13.56MH2、50Wの出力
でプラズマを発生させ、30sec放電後、膜を取り出
した。
【0019】この膜の性能については、実施例1と同様
に透過性能を評価したところ、実施例1と同等な結果を
得た。 また、耐薬品性については、室温で98%硫酸
浸漬後も、親水性を維持していることを確認した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 69/02 B01D 71/06 - 71/82 510 WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子重合体多孔質膜の少なくとも細孔
    表面に、下記の化1 【化1】 (上記式中、RはH、OH、COOH、又はCH3 、m
    は1〜17、nは1〜20である。)で表される構造を
    有するフッ素系界面活性剤の被覆層が化学的親和性によ
    って形成されて、親水性を有することを特徴とする液体
    用濾過膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液体用濾過膜が、さらに
    低温プラズマ照射またはエキシマレーザー照射または低
    圧水銀灯照射されてなることを特徴とする液体用濾過
    膜。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の液体用濾過膜
    が、容器内に装着されてなる液体用濾過装置。
JP3274705A 1991-09-25 1991-09-25 液体用濾過膜及びそれを用いた濾過装置 Expired - Lifetime JP3056560B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3274705A JP3056560B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 液体用濾過膜及びそれを用いた濾過装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3274705A JP3056560B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 液体用濾過膜及びそれを用いた濾過装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0576734A JPH0576734A (ja) 1993-03-30
JP3056560B2 true JP3056560B2 (ja) 2000-06-26

Family

ID=17545416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3274705A Expired - Lifetime JP3056560B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 液体用濾過膜及びそれを用いた濾過装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3056560B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MY120404A (en) * 1993-10-15 2005-10-31 Kuraishiki Boseki Kabushiki Kaisha Process for modifying the surfaces of the molded materials made of fluorine resins
NL9400826A (nl) * 1994-05-19 1996-01-02 Cordis Europ Werkwijze voor het van carboxylgroepen voorzien van een oppervlak, het oppervlak en een produkt met een dergelijk oppervlak.
CN103483618B (zh) * 2013-10-11 2015-04-22 苏州汇龙膜技术发展有限公司 聚四氟乙烯微孔膜的亲水改性方法
CN107469632A (zh) * 2017-08-11 2017-12-15 杭州科百特过滤器材有限公司 一种抗脱湿多孔膜的制备方法
CN110548421B (zh) * 2019-08-27 2022-03-08 武汉艾科滤膜技术有限公司 一种强吸附型超滤膜的制备方法及应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0576734A (ja) 1993-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5282965A (en) Membrane filter for liquids and filtering device using the same
US11413586B2 (en) Polyamide coated filter membrane, filters, and methods
KR20090008315A (ko) 대기압 마이크로파 플라즈마 처리된 다공성 막
US9561473B2 (en) Charged hollow fiber membrane having hexagonal voids
WO1998001208A1 (en) Cationically charge-modified membranes
US9737860B2 (en) Hollow fiber membrane having hexagonal voids
KR102198401B1 (ko) 방향족 탄화수소를 이용한 우수한 용질 제거 성능을 가진 분리막 제조 기술
JPH11302438A (ja) 高強度親水性ポリフッ化ビニリデン多孔質膜及びその製造方法
WO2014133132A1 (ja) 複合半透膜
CN212663244U (zh) 过滤器、滤筒及多孔聚合物滤膜
JP6295456B2 (ja) 被覆されたptfe膜
JP3056560B2 (ja) 液体用濾過膜及びそれを用いた濾過装置
JP2018187533A (ja) 複合半透膜
KR102072877B1 (ko) 수처리 분리막의 제조방법 및 이에 의하여 제조된 수처리 분리막 및 수처리 분리막을 포함하는 수처리 모듈
JPH05131124A (ja) 親水性フツ素樹脂多孔質膜の製造方法
KR102041657B1 (ko) 수처리 분리막의 제조방법 및 이에 의하여 제조된 수처리 분리막 및 수처리 분리막을 포함하는 수처리 모듈
CA2367547A1 (en) Porous membrane
JPH1128466A (ja) 逆浸透複合膜による水の逆浸透処理方法
JPH10174852A (ja) 複合逆浸透膜
KR102157929B1 (ko) 수처리 모듈의 제조방법 및 이에 의하여 제조된 수처리 모듈
JP5961931B2 (ja) 複合半透膜の製造方法
JP4433233B2 (ja) 複合半透膜モジュールの処理方法
WO2023277033A1 (ja) 正浸透膜及びその製造方法
JPH06254365A (ja) ポリアミド系複合中空糸型逆浸透膜の製造方法
JP2012024756A5 (ja)