JP3056482U - 光ディスクプレーヤーにおけるレーザー乱反射光の吸収構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ、ビームスプリッター等の正規レーザ
ー光が当たらぬ部分と、正規レーザー光のコース周辺の
一部を立毛体でカバーすることにより、レーザー乱反射
光を効率よく吸収し音楽再生時の音質向上等を図ること
のできる光ディスクプレーヤーにおけるレーザー乱反射
光の吸収構造を提供する。 【解決手段】 再生時におけるレーザー乱反射光を吸収
すべく、光ディスクプレーヤーのピックアップの一部を
立毛体でカバーしてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、主に光ディスクプレーヤーのピックアップ部の一部を立毛体でカ バーすることにより、再生時におけるレーザー乱反射光の吸収を効果的に行い、 これにより、音楽再生時の音質向上を図る光ディスクプレーヤーにおけるレーザ ー乱反射光の吸収構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、光ディスクプレーヤーのレーザーダイオードＡより放射されたレーザー 光の一部はレンズＲａ・Ｒｂ、ビームスプリッターＳなどの表面反射、そして表 面に付着したゴミあるいはディスクのキズＢや剥離剤などによる不要な屈折・反 射などにより正規レーザー光Ｃのコースより逸脱し、周辺の壁などに反射しレン ズＲａ・ＲｂやビームスプリッターＳなどに戻っていた。 また、光ディスクの各々のビットの形状が実際には理想である凸形ではなく、 台形であるがために斜辺に当ったレーザー光Ｄが周辺部へ不要に反射などして光 ディスクの表面反射などと共に、レンズＲａ・ＲｂやビームスプリッターＳに戻 っていた。また、光ディスクの透明基板は、非常に埃などが付着しやすく、それ による乱反射光もあった。 このような乱反射光が、レンズＲａ・Ｒｂ、ビームスプリッターＳ内に入り込 み、さらに各々の内部で乱反射を繰り返している。 このように、従来の光ディスクプレーヤーは乱反射光に対しては全くと言って いい程無防備の状態であった。 その結果、これら多くの乱反射が正規レーザー光Ｃに影響を与え、戻ってくる レーザー光の強弱により信号の読み取りをする光ディスクプレーヤーの読み取り 精度を著しく低下させ、「デジタル臭い音」などと言われる一因となっている。 実際には、中高音のキンキンとした不自然で不愉快な音、硬すぎる低音など全 域にわたって大きく音が変化し、情報の欠落も著しいものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記問題点に鑑みなされたものでその目的は、レンズ、ビームス プリッター等の正規レーザー光が当たらぬ部分と、正規レーザー光のコース周辺 の一部を立毛体でカバーすることにより、レーザー乱反射光を効率よく吸収し音 楽再生時の音質向上等を図ることのできる光ディスクプレーヤーにおけるレーザ ー乱反射光の吸収構造を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための手段として、再生時におけるレーザー乱反射光を吸 収すべく、光ディスクプレーヤーのレンズ、ビームスプリッター等の正規レーザ ー光の当たらない部分の一部を立毛体でカバーする。 立毛体、特にビロード等は、非常に細かい毛が多く、ほぼ直立している構造ゆ えに、光を減衰吸収するのに都合が良い。この場合立毛体の色としては黒色が適 し、あらゆる光（レーザー光）を最も効率よく吸収する色であり正規レーザー光 に対して波長にずれを持つ乱反射光を吸収するものである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 １は、光ディスクプレーヤー内における光ディスクの裏側に設けた対物レンズ 本体１ａの中央の正規のレーザー光が通る略円錐形の通過部１ｂ以外をビロード による立毛体１Ｃでカバーしてなる対物レンズである。 ２は、上記対物レンズ１の下方に設けた平行レンズ本体２ａの中央の正規のレ ーザー光が通る略円錐形の通過部２ｂ以外をビロードによる立毛体２Ｃでカバー してなる平行レンズである。 ３は、上記平行レンズ２の下方に設けた平板状のビームスプリッター本体３ａ の中央の正規のレーザー光が通る略逆円錐台形の通過部３ｂ以外をビロードによ る立毛体３ｃでカバーしてなるビームスプリッターである。

【０００６】 以下、使用例を説明する。 まず、レーザーダイオードＲから発せられるレーザー光Ｒ１は、ビームスプリ ッター３の通過部３ｂを通り、つづいて平行レンズ２の通過部２ｂを通り、対物 レンズ１の通過部１ｂを通り、光ディスクＨの透明基板Ｈ１を透過し、データー 面Ｈ２にて反射し、反射したレーザー光Ｒ２は同じく上記通過部１ｂ・２ｂを通 り、ビームスプリッター３の通過部３ｂの表面３ｂ１にて反射され、光検出器Ｋ にて信号（データー）を読み取り、音楽や映像等を再生するのである。

【０００７】 上記のように発せられるレーザー光Ｒ１や反射されたレーザー光Ｒ２は、各通 過部１ｂ・２ｂ・３ｂを通ると共に、乱反射したレーザー光Ｒ３は各立毛体１ｃ ・２ｃ・３ｃ内に吸収されるものである。

【０００８】 なお、正規レーザー光のコースの周辺壁面（アルミダイキャスト、プラスチッ クなど）に立毛体を固着してもよく、レンズ、ビームスプリッター、反射鏡など にはビロードによる立毛体を内と外の両方にするのが望ましい。 また、立毛体は、接着剤などで固着するものである。 さらに、立毛体は、ビロードに限定するものではなく、同様の効果を有するも のであれば他の立毛体でよい。

【０００９】 さらに、本考案の吸収構造は、音楽用ＣＤプレーヤーのみならず、ビデオＣＤ や光ディスクファイル等の再生機器にも応用できるものである。

【００１０】

【考案の効果】

この考案は、以下に述べる効果を有する。 レンズやビームスプリッター等の正規レーザー光が通る部分以外をビロード等 による立毛体でカバーすることにより、レーザー乱反射光を効率よく吸収でき、 音楽再生時の音質向上や音飛び防止等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の１実施例の対物レンズに立毛体をカ
バーしてなる一部縦断側面図。

【図２】この考案の１実施例の平行レンズに立毛体をカ
バーしてなる一部縦断側面図。

【図３】この考案の１実施例のビームスプリッターに立
毛体をカバーしてなる一部縦断正面図。

【図４】この考案の１実施例の使用状態図。

【図５】従来例を示す使用状態図。

【符号の説明】

１−−−対物レンズ １ａ−−対物レンズ本体 １ｂ−−通過部 １ｃ−−立毛体 ２−−−平行レンズ ３−−−ビームスプリッター Ｈ−−−光ディスク Ｋ−−−光検出器 Ｒ−−−レーザーダイオード

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 再生時におけるレーザー乱反射光を吸収
   すべく、光ディスクプレーヤーのピックアップの一部を
   立毛体でカバーしてなることを特徴とする光ディスクプ
   レーヤーにおけるレーザー乱反射光の吸収構造。