JP3056364U - 型枠兼用内装壁材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート壁と内装工事の工期短縮を図
る。 【構成】 流動状コンクリートの接触に耐える防水性を
有し硬化したコンクリートに密着する型板材１１、打設
コンクリートの荷重に対抗し得る強度を付与するため、
型板材１１を一面に重ねて一体化したハニカム構造の芯
材１２、及び芯材１２の他の一面に重ねて一体化され、
内装壁またはその下地材となる耐水性の壁板材１３とを
有し、内部に水分が侵入するのを防ぐ防水手段１５を用
いて型板材１１と芯材１２及び壁板材１３の層断面を封
止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、コンクリートの打設用型枠として使用可能な多層構造を持ったパネ ル状の型枠兼用内装壁材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

コンクリート造りの壁面を有する建物においては、まず壁面を構築するために 型枠が組み立てられ、これを脱型ののち内装工事に入る。つまり壁という構造体 を造る工事と、出来上がった壁面に対する内装工事の２段階、多工程を経なけれ ばならない。しかも初めの段階の工事では、型枠の組み立て及び脱型という作業 工程が必要であり、工期の短縮には大きな制約となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記の点に着目してなされたもので、その課題は壁材の構造を改良す ることにより、工期の大幅な短縮を可能とすることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記の課題を解決する本考案の壁材は、流動状のコンクリートとの接触に耐え る防水性を有し、硬化後コンクリートと密着する型板材と、打設したコンクリー トの荷重に対抗可能な強度を付与するため、上記型板材を一面に重ねて一体化し たハニカム構造を有する芯材と、上記芯材の他の一面に重ねて一体化され、内装 壁またはその下地材となる、耐水性の壁板材とを有し、内部に水分が侵入するの を防ぐために、型板材と芯材及び壁板材の層断面を封止する防水手段を有してい る。

【０００５】 上記ハニカム構造の空間は発泡樹脂によって満たすことができる。

【０００６】

【考案の実施の形態】 本考案の型枠兼用内装壁材１０は、コンクリート打設用の型枠として使用され る、多層構造を持ったパネル状のものである。

【０００７】 この壁材１０は、基本的には３層構造からなる。つまり、流動状のコンクリー トの接触に耐える防水性を有し、硬化後コンクリートと密着する型板材１１と、 打設したコンクリートの荷重に対抗可能な強度をパネル全体に付与するために、 型板材１１を一面に重ねて一体化した、ハニカム構造を有する芯材１２と、上記 芯材１２の他の一面に重ねて一体化され、内装壁またはその下地材となる防水性 の壁板材１３との３層である。

【０００８】 型板材１１の防水性は、それがコンクリートに直接接触するが故に必要とされ るもので、流動状コンクリートの漏れを防止する。この型板材１１との関係にお いて、コンクリートは、本案壁材１０をコンクリート壁に固着一体化するための 接着手段の役割を果たす。芯材１２は、本案壁材１０に必要とされる平面荷重や 曲げ強さを付与するもので、蜂の巣構造が両面にあらわれる。

【０００９】 この型板材１１と芯材１２とは紙製とすることができる。紙製とすることによ り軽量な割りに強度があり、防水手段を施すことが比較的容易で、断熱性が良く しかも段ボール製造の技術を利用できるため製造もし易い。

【００１０】 防水手段は、例えば防水塗料やコーティング材料を型板材１１及び芯材１２の 表面に塗布乃至吹き付けて施すことができる。その防水手段の素材として、難燃 性の樹脂材料等を選択するすることにより、防水性と難燃性を具備させることが 可能となる。

【００１１】 壁板材１３は室内に露出する部材であり、例えばベニヤ板が使われる。当該部 材は、主として壁紙を貼る下地材として使用される場合が多いと考えられるけれ ども、そのまま部屋の内壁を構成することもできる。そのため、その後の仕上げ 処理を考慮して最適の材料が選択される。

【００１２】 壁板材１３は、ベニヤ板が有する程度の耐水性を有していれば良い。しかし、 これにも型板材１１と芯材１２におけるのと同等の防水性を具備せしめることが できるのは明らかである。

【００１３】 上記型板材１１と芯材１２及び壁板材１３とは一体のパネル状に形成される。 その製造の際に、芯材１２のハニカム構造に発泡樹脂１４を充填することができ る。これにより構造全体の強度を高められしかも重量は余り増さずに済む。

【００１４】 さらに本案壁材１０では、内部に水分が侵入するのを防止するために、型板材 １１と芯材１２及び壁板材１３とから成る多層の断面を防水手段１５によって封 止した構造とする。防水手段１５には、層断面があらわれるパネル状壁材１０の 端面に貼って内部を密封可能なテープ状のものが適する。防水性の塗料やコーテ ィング材料を塗布することも防水手段１５となる。

【００１５】 このような本案壁材１０は従来の型枠と同様に取り付けることができ、組み立 てられた壁材１０間にコンクリートモルタルを充填することができる。図３はモ ルタル打設後の状態を示す。

【００１６】 本案壁材１０はコンクリート外壁面１７にそのまま固着して壁の一部となるの で、別に釘打ちなどの手段で止める必要はない。また壁材の表面には壁紙を貼る などの内装の仕上げ処理１８を施すことができる。

【００１７】 特に、本案壁材１０は全体が防水性乃至耐水性であるので、建築現場等におい て屋外に放置されても水濡れのおそれがなく、高い実用性を発揮する。保管中の 水濡れが防止されたことによって、紙製でも、木製等と変わらない信頼性が得ら れる。

【００１８】

【考案の効果】 本考案は以上の如く構成され、かつ作用するものであるから、全工程は、本案 壁材で型枠を組み立てる工程、コンクリートを打設する工程、乾燥工程、内装仕 上げ工程の４工程に短縮され、脱型及び内装仕上げのための桟打ちのような段取 りが不要となり、コスト低減にも寄与する等、顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る型枠兼用内装壁材の実施例１を示
す斜視図。

【図２】同じく実施例２を示す斜視図。

【図３】壁の一部になった型枠兼用内装壁材の１例を示
す断面図。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリートの打設用型枠として使用可
   能な多層構造を持ったパネル材であって、流動状のコン
   クリートとの接触に耐える防水性を有し、硬化後コンク
   リートと密着する型板材と、打設したコンクリートの荷
   重に対抗可能な強度を付与するため、上記型板材を一面
   に重ねて一体化したハニカム構造を有する芯材と、上記
   芯材の他の一面に重ねて一体化され、内装壁またはその
   下地材となる、耐水性の壁板材とを有し、内部に水分が
   侵入するのを防ぐために、型板材と芯材及び壁板材の層
   断面を封止する防水手段を有することを特徴とする型枠
   兼用内装壁材。
2. 【請求項２】 コンクリートの打設用型枠として使用可
   能な多層構造を持ったパネル材であって、流動状のコン
   クリートとの接触に耐える防水性を有し、硬化後コンク
   リートと密着する型板材と、打設したコンクリートの荷
   重に対抗可能な強度を付与するため、上記型板材を１面
   に重ねて一体化したハニカム構造を有する芯材と、上記
   芯材の他の一面に重ねて一体化され、内装壁またはその
   下地材となる、耐水性の壁板材とを有し、内部に水分が
   侵入するのを防ぐために、型板材と芯材及び壁板材の層
   断面を封止する防水手段を有しており、上記ハニカム構
   造が発泡樹脂によって満たされていることを特徴とする
   型枠兼用内装壁材。
3. 【請求項３】 型板材と芯材とが紙製であることを特徴
   とする請求項１記載の型枠兼用内装壁材。