JPH0341532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、家屋における内、外壁、間仕切り等
に使用される耐火性に優れた軽量気泡コンクリー
トからなる軽量強化板に関する。

〔従来技術とその問題点〕

実公昭52−15049号のように内部にエキスパン
ドメタル、織金網、クリンプ金網を含むメタルラ
スを補強筋材として埋設された軽量気泡コンクリ
ートからなる耐火被覆板は建築用材として既にか
なり広く使用されている。

そして、この耐火被覆板はメタルラスをその内
部板厚の中心に一層埋設されたものであり、金網
を使用しているため耐衝撃性が向上された点にお
いて、その強度向上の目的は一応達せられたもの
であるが、なお次のような問題点を残している。
すなわち、金網が板厚に対して中心層に形成され
るため、曲げ荷重に対しての補強効果が少なく、
曲げ荷重が加わつた時荷重側上面において圧縮
力、反対面において引張り力が働き、その圧縮
力、引張り力による気泡コンクリート部の圧縮破
壊、亀裂が生じる。

〔問題点を解決するための手段とその作用〕

本考案は上記問題点を解決するために、軽量気
泡コンクリートのみで構成し、芯補強層を有しな
い軽量気泡コンクリート層２の少なくとも片側表
面をモルタル塗り５により目止処理を行なつた後
に、接着剤４を介して合板を貼着したものであ
る。

本考案は上記の構成をとることにより、外部か
らの衝撃に対して、耐衝撃性を増加するととも
に、施工時室内、あるいは室外側の表面側となる
一側面に合板が接着されているので、引張あるい
は圧縮を受ける表面側が合板の対抗力により、破
壊を免れることができるものである。

また軽量気泡コンクリート層２は芯補強材を有
することなく、軽量気泡コンクリートのみで形成
されているが、この種板材が曲げ荷重を受けたと
き、その中立層には圧縮、引張りのいずれの応力
も発生しないので、芯補強材を設けなくてもさほ
ど強度の低下を見ることなく、低コストの軽量強
化板を得ることができる。

〔実施例の説明〕

以下本考案の実施例について説明する。

まづ本考案強化板の製造法について説明する。

定尺寸法に形成された型枠内にアルミニウ
ム、マグネシウム、亜鉛等の金属粉末、AE剤、
界面活性剤、などの発泡剤、あるいは発泡助剤
などを添加し、発泡された軽量気泡コンクリー
トを所定量流し込む。

次に軽量気泡コンクリートを流し込まれた型
枠を養生硬化あるいは、オートクレーブ装置に
挿入し、オートクレーブ養生を行なつた後、脱
型をして軽量気泡コンクリート層２を得る。該
軽量気泡コンクリート層の表面は、非常にポー
ラスであるため、少なくとも片側表面をモルタ
ル塗りにより目止処理を行ない平滑面とする。

次に目止め処理を行なつた軽量気泡コンクリ
ート板の表面にロールコーター、スプレツダー
などの塗装装置を用いて適宜接着剤４を塗布す
る。

つぎに接着剤４を塗布された軽量気泡コンク
リート板の表面に合板３を載置した後、コール
ドプレス、ホツトプレス、ターンバツクルなど
圧縮装置を用いて圧縮接着する。

かくして第１図のように、表裏両面の一方に
合板を貼着した軽量強化板１が得られる。

また第２図のように軽量気泡コンクリート層
２の表裏両面にモルタル塗り５により目止処理
を行ない接着剤４を塗布した後その各々の面に
合板３を圧縮接着してもよい。

合板は通常の２〜15ｍ／ｍ厚のものを用いれ
ば良い。

建築用板は一般に大工施工が行なわれるため
運搬、施工性を考慮し、そのサイズは0.5′〜
4′幅×6′〜15′長が用いられており、その長さ方
向と直角方向の曲げ強度が要求され、そのため
軽量気泡コンクリート板の長さ方向と、合板の
表面単板３１の繊維の方向とが平行方向となる
よう接着すると長さ方向の曲げ強度が向上す
る。

第３図の実施例では表裏単板３１，３３の繊
維ｆの方向を軽量強化板１の長さ方向と平行と
し、芯単板３２の繊維の方向は軽量強化板１の
長さ方向と直角となつている。

また、衝撃荷重あるいは曲げ荷重は内装材、
外装材に用いる場合は、主として室内側、室外
側表面から受けるので、施工時表面側となる面
にのみ合板４を貼着すると、強度の向上と、コ
ストの低減に役立つ。

しかし、間仕切などのようにその両面を表面
とする場合は両面に合板４を貼着しなければな
らない。

また合板４表面には必要に応じて化粧模様を
印刷する。

〔考案の効果〕

(a) 表面あるいは表裏両面に合板が圧縮接着され
てなるために、耐衝撃性が向上され、また、曲
げ荷重が加わつた時荷重側反対面において働く
引張り力を接着された合板によつて保持される
ため圧縮破壊、亀裂が生ずることがなく曲げ荷
重に対する補強効果が向上された。

また、本考案軽量強化板は芯補強材を有しな
いことにより、強度をさほど低下することな
く、低コストの軽量強化板が得られる。

(b) 合板が貼着されてない表面性が向上され、そ
のまま内壁、間仕切パネルとして使用された
り、表面に模様印刷、塗装、化粧シート貼りな
ど通常行なわれる表面化粧が容易に施せる。

(c) 表面がポーラスな軽量気泡コンクリート板の
表面に、モルタル塗りによる目止処理を行ない
平滑面とするため、気泡が表面に露出したポー
ラスな状態に直接接着剤を塗布するのに比べ、
少量の接着剤で均一な接着剤層が得られ、軽量
気泡コンクリートと接着剤との接触面積も大き
くなり、合板と軽量気泡コンクリートとの接着
強度に優れた軽量強化板が得られる。

(d) 軽量気泡コンクリートの表面に、目止処理と
して形成されるモルタル層の補強効果と表面に
接着する合板の補強効果との相乗効果により、
軽量気泡コンクリートの曲げ強度が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図：表裏両面の一方にのみ合板を貼着した
本考案軽量強化板の断面図、第２図：同じく表裏
両面に合板を貼着した場合の断面図、第３図：同
じく斜視図。 １……軽量強化板、２……軽量気泡コンクリー
ト層、３……合板、４……接着剤、５……モルタ
ル塗り。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 軽量気泡コンクリート板において、軽量気泡
   コンクリートのみで形成し、芯補強材を有しな
   い軽量気泡コンクリート層２の少なくとも片側
   表面をモルタル塗り５により目止め処理を行な
   つた後に、接着剤４を介して合板３を貼着し
   た、 ことを特徴とする軽量強化板。 軽量気泡コンクリート板の長さ方向と表面に
   貼着された合板の表単板繊維方向を平行とした 実用新案登録請求の範囲第１項記載の軽量強
   化板。