JP3055759B2 - 食品加熱殺菌方法及び食品加熱殺菌装置 - Google Patents

食品加熱殺菌方法及び食品加熱殺菌装置

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JP3055759B2 JP7140282A JP14028295A JP3055759B2 JP 3055759 B2 JP3055759 B2 JP 3055759B2 JP 7140282 A JP7140282 A JP 7140282A JP 14028295 A JP14028295 A JP 14028295A JP 3055759 B2 JP3055759 B2 JP 3055759B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品加熱殺菌方法及び
装置に関し、より詳細には、開放状態即ち密閉されてい
ない状態の固形食品を加熱殺菌する食品加熱殺菌方法及
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、固形食品を加圧加熱殺菌する方法
としては、食品を容器内に充填密封した状態で、加圧加
熱殺菌するのが一般的であった。しかしながら、前記方
法においては、食品を容器内に密封した状態で加熱殺菌
を行うので、所謂レトルト臭が発生したり、食品と共に
容器内に封入された空気のために加熱殺菌に要する時間
が増加するという問題があった。そこで、この問題を解
決するために、食品を容器に充填し密閉しない状態で加
圧加熱殺菌する方法が提案されている。例えば、特開平
4−370081号公報には、米等の食品原料を容器に
充填し、加圧加熱殺菌した後、無菌的に密封する殺菌方
法が開示されている。一方、高温の或いは高温高圧の密
閉殺菌室内に食品等を連続的に搬入して殺菌を行う種々
の殺菌装置が知られている。この種の装置には、例え
ば、特開昭49−71177号公報、特開昭51−42
391号公報、特開昭64−51069号公報に開示さ
れているものがある。しかしながら、これらの殺菌装置
においては、搬入された食品を移動させるための搬送手
段を殺菌室内に設けなければならなかった。密閉された
殺菌室内に搬送手段を設けることは、装置の機構が複雑
になることに加えて、殺菌室内を無菌状態に保持するこ
とが難しくなる等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−37008
1号公報に記載された方法にあっては、従来のように単
に加圧蒸気雰囲気下で食品の殺菌を行うものであり、米
飯のように食品間に隙間を有する固形食品を殺菌すると
きには、該隙間に残存する空気により、食品を効率よく
加熱することができないという問題があった。加えて、
隙間に残存する空気により、食品の温度を均一に上昇さ
せることが困難であった。この結果、食品の中心部まで
十分に殺菌できるような温度条件で加熱を行うと食品の
表面が過加熱によって褐変又は変質し、食品が品質が低
下するという問題があった。一方、連続的に食品を殺菌
できる殺菌装置が有する問題に鑑み、密閉された加熱殺
菌室等の中に搬送機構を設けることなく、殺菌すべき食
品を連続的に搬送できる食品殺菌装置が提案された。例
えば、先願の特願平5−214191号においては、高
温高圧下で食品の殺菌を行う加熱器の中に食品を連続的
に送込み食品の殺菌を行う食品殺菌装置が提案されてい
る。この食品殺菌装置では、高温高圧の蒸気で満たされ
た加熱器と加熱室より低温の冷却器が密閉ゲートを介し
て連結されており、所定間隔で、密閉ゲートが開かれ、
加熱器内で加熱殺菌された食品が冷却器に送られる。こ
のため、密閉ゲートを開放したときに、冷却側器から加
熱器内に低温の空気が流れ込む。この加熱器内に流入し
た空気により、食品への熱伝導が妨げられて、食品を効
率よく加熱することができないという問題があった。
【0004】加えて、低い温度の冷却器内の空気が加熱
器に流入することによって、加熱器内の蒸気が凝集し、
ドレン水として加熱器内にたまってしまう。このドレン
水は、密閉ゲート開放時の圧力低下で突沸し(リボラー
現象)、食品を濡らし、食品の品質を低下させるという
問題があった。本発明は、前記問題点に鑑みなされたも
のであり、食品を効率よく加熱して殺菌できる食品加熱
殺菌方法及び食品加熱殺菌装置を提供することを目的と
する。又、本発明は、食品の間に隙間を有する固形食品
をムラなく均一に、短時間で、殺菌することができる加
熱殺菌方法を提供することを目的とする。更に、本発明
は、品質を低下させずに食品を加熱殺菌できる、食品の
加熱殺菌方法及び装置を提供することを目的とする。
又、本発明は、固形食品の表面が過加熱により褐変又は
変質したりすることがない、食品加熱殺菌方法及び装置
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願は、開口部と、収容する固形食品が通り抜けら
れない大きさの孔とが設けられた容器に固形食品を収容
し、前記固形食品を収容した容器を殺菌室に搬入し、直
進的に流動する蒸気が前記容器内を通過するように、該
蒸気を前記固形食品に供給する食品加熱殺菌方法を提供
する。
【0006】また、本願は、開口部と、収容された固形
食品が通り抜けられない大きさの孔とが設けられた容器
と、前記固形食品を収容した容器が搬入される殺菌室
と、該殺菌室内で、直進的に流動する蒸気が前記容器内
を通過するように、該蒸気を前記固形食品に供給する蒸
気供給手段とを備えている食品加熱殺菌装置を提供す
る。
【0007】
【実施例】本発明は、高温高圧蒸気の直接接触により変
質しない固形食品の加熱殺菌を行うものである。この固
形食品の例としては、白飯、赤飯、ピラフ等の米飯類、
うどん、そば、中華麺等の麺類、マカロニ、スパゲッテ
ィ等のパスタ類、グリーンピース、大豆等の豆類、コー
ン、じゃがいも、人参等の野菜類、牛肉、豚肉等の食肉
類、ミートボール、揚げ豆腐、揚げかまぼこ等の加工品
が挙げられる。特に容器に収容したとき、食品の間に隙
間が生じる食品に対して特に効果がある。先ず、本発明
の第1実施例の食品加熱殺菌装置300を説明する。食
品加熱殺菌装置300は、圧力釜である。食品加熱殺菌
装置300内に形成される加熱殺菌室301の下部には
棚302が設けられている。棚302の上板は網状の部
材から形成されている。該棚302の上板には、直径約
140ミリメートル、高さ約55ミリメートルの円筒容
器303が載置される。この円筒容器303の底部に
は、直径約2ミリメートルの孔(図示せず)が3ミリメ
ートルの間隔で形成されている。又、加熱殺菌室301
の上部には、複数の蒸気吹き出し口304を備えた蒸気
供給管305が配置されている。蒸気供給管305は、
ボイラ等の蒸気発生手段(図示せず)に連結され、加熱
殺菌室301内に蒸気を供給する。又、蒸気吹き出し口
304は、前記棚302上に載置された円筒容器303
の略真上に位置し、該吹き出し口304から吹き出した
蒸気が、矢印Aで示すように、円筒容器303に収容さ
れた食品306に対してほぼ垂直にあたるようになって
いる。更に、加熱殺菌室301の底部の、前記棚の上板
と対向する部分には、排気口307が設けられ、前記底
部の周辺領域には、蒸気供給口308が設けられてい
る。
【0008】前記容器303は、耐熱性の材料で形成さ
れている。具体的には、プラスチック、セラミック、金
属等が挙げられるが、殺菌後にそのまま蓋材を取付け、
シールして製品とする場合には、底に孔が設けられてい
ないプラスチック製容器が好ましい。又、容器303
は、円筒形状に限定されることはないが、容器内の食品
全体に蒸気があたるように、トレー状容器、カップ状容
器等の開口部の面積が底面積に等しいか或いは底面積よ
り大きいものが好ましい。又、食品は、蒸気が均一にあ
たるように、平坦な状態で容器に収容されることが望ま
しい。前記の殺菌装置300では、一段の棚302に1
つの容器303を載せているが、棚302に複数の容器
303を並べて載置したり、或いは、複数段を有する棚
を設け、各段に、それぞれ、容器を載せる構造にしても
よい。前記吹き出し口304の数は、いくつであっても
よいが、複数の容器303を並列的に載置するときに
は、1つの容器に対して、1つの吹き出し口304を設
けると良い。又、容器303を殺菌室301内で移動さ
せる構造としたときには、吹き出し口は1つでも効率良
く加熱殺菌を行うことができる。いずれの場合でも、蒸
気が食品に対して垂直にあてられることが望ましい。
又、前記の加熱殺菌装置300では、棚302の下方に
排気口307を設けているが、棚302の下方に蒸気吹
き出し口を設け、蒸気を下方から、容器303内の食品
に当ててもよい。更に、側面に複数個の孔を設けた縦長
の容器を使用して、蒸気吹き出し口を圧力釜内壁の側面
に設け、蒸気が、横方向から容器側面にあたるようにし
てもよい。このときには、圧力釜の反対側側壁に排気口
を設けると、効率が向上する。この他、蒸気吹き出し口
を、容器の下方に設け、蒸気を横方向に横円筒形の圧力
釜内壁に当てるように供給し、更に、圧力釜底部で容器
の下方に排気口を設けると、結果的に、蒸気を圧力釜内
の上方から下方向に直進的に流し、食品に垂直にあてる
ことができる。尚、本明細書において、蒸気とは、蒸
気、過熱水蒸気、又は、加熱殺菌に用いられる種々の蒸
気全般を指す。上述した食品加熱装置300を使用した
食品の加熱殺菌(実験例)について説明する。
【0009】実験例1 先ず、食品(米飯)306を収容した容器303を棚3
02に載置し、蒸気供給口308を介して蒸気を、殺菌
室301内に供給する。この時の、蒸気供給圧は、殺菌
室301内の設定圧力又は設定温度に対する蒸気圧より
0.5〜1.5Kg/cm2高くなるように調整する。具体的
には、図示しないボイラで7Kg/cm2の蒸気を発生させ、
図示しない減圧弁で3Kg/cm2まで減圧し、この蒸気を、
矢印Bで示すように、蒸気供給口308から殺菌室30
1内に供給した。このとき、排気口307を開放状態に
しておき、殺菌室301内の残存空気は、排気口307
を通して、殺菌室301から排出される。殺菌室301
内が蒸気で満たされた段階(約10秒後)で、排気口3
07を閉鎖す及び蒸気供給口308を閉鎖する。次い
で、蒸気吹き出し口304からの蒸気供給を開始し、殺
菌室内の温度を約130℃まで上昇させ、殺菌室301
内の雰囲気のF0 値が10になるまで、殺菌室301内
の温度を130℃に維持した。蒸気供給開始後の米飯3
06の粒間の温度を熱電対(図示せず)を使用して9箇
所で測定し、その平均の上昇曲線を図2に示す。又、こ
の操作を3回行い、殺菌室301の雰囲気のF0 値が1
0になった時点での、米飯206の粒間でのF0 値及び
その平均値とバラツキを表1に示す。ここで、バラツキ
とは、各点におけるF0 値の最高値と最低値の差である
(以下同じ)。蒸気は、蒸気吹き出し口304から下方
に向けて吹き出し、食品に垂直にあたる。食品に垂直に
あたった蒸気は、米飯の隙間を通って、収容された食品
内部に進み、該隙間を満たしていた空気を追出す。従っ
て、内部においても、蒸気と食品との直接的な接触が可
能となり、食品内部の温度もスムースに上昇、即ち、食
品全体温度が均一に上昇し、過熱ムラがなくなる。この
結果、過加熱による表面の褐変及び変質を防止しつつ、
過熱不良による中心部の殺菌不足が回避される。
【0010】比較例1 米飯306を収容した容器303を棚302に載置し、
蒸気供給口308を介して蒸気を供給し、殺菌室301
内の残存空気を排気口307を通して排出し、殺菌室3
01内が蒸気で満たされた段階(約10秒後)で、排気
口307を閉鎖する。その後も、蒸気を供給し続け、殺
菌室内の温度を約130℃まで上昇させ、この温度を維
持した。このとき、蒸気供給開始後の米飯306の粒間
の温度を熱電対(図示せず)を使用して9箇所で測定
し、その平均の上昇曲線を図2に示す。又、この操作を
3回行い、殺菌室の雰囲気のF0 値が10になった時点
での、米飯306の粒間でのF0 値及びその平均値とバ
ラツキを表1に示す。
【0011】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 雰囲気のFO値が10となった時の米飯粒間のFO値 平均値 バラ ツキ 実験例 9.51 9.44 9.52 9.37 9.42 9.63 9.63 9.65 9.83 1 9.50 9.63 9.56 9.51 9.32 9.10 9.47 9.13 9.59 9.47 0.73 9.61 9.22 9.19 9.13 9.31 9.36 9.81 9.59 9.62 比較例 4.32 7.18 7.98 7.56 4.76 3.49 6.12 7.92 8.11 1 6.05 7.33 4.59 6.16 6.96 6.26 4.19 4.25 8.01 6.28 5.18 8.67 4.28 4.89 5.91 5.09 7.91 6.94 6.97 7.56 図2の米飯粒間9点の平均温度の上昇曲線から明らかな
ように、実験例1では、比較例1に比して、スムーズに
米飯306の粒間の温度が上昇しているのが判る。又、
表1から明らかなように、実験例1の各点F0 値は、雰
囲気のF0 値に近く、略一定であるのに対して、比較例
1の各点のF0 値には、かなりのバラツキが見られる。
【0012】実験例2 この実験例2では、底に孔が開いていない容器を使用し
た点、及び、蒸気吹き出し口304からの蒸気供給開始
後も排気口307を開けておく点を除き、前記実験例1
と同じ条件で行われた。蒸気供給開始後の米飯306の
粒間の平均温度の上昇曲線を図3に示す。又、この操作
を3回行い、殺菌室の雰囲気のF0 値が10になった時
点での、米飯306の粒間の9点でのF0 値及びその平
均値とバラツキを表2に示す。 実験例3 この実験例3では、蒸気吹き出し口304からの蒸気供
給開始時に排気口307を閉じる点を除き、前記実験例
2と同じ条件で行われた。蒸気供給開始後の米飯306
の粒間の平均温度の上昇曲線を図3に示す。又、この操
作を3回行い、殺菌室の雰囲気のF0 値が10になった
時点での、米飯206の粒間の9点でのF0 値及びその
平均値とバラツキを表2に示す。 比較例2 この比較例2では、底に孔が開いていない容器を使用し
た点を除き、前記比較例1と同じ条件で行われた。
【0013】蒸気供給開始後の米飯306の粒間の平均
温度の上昇曲線を図3に示す。又、この操作を3回行
い、殺菌室の雰囲気のF0 値が10になった時点での、
米飯206の粒間の9点でのF0 値及びその平均値とバ
ラツキを表2に示す。
【0014】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 雰囲気のFO値が10となった時の米飯粒間のFO値 平均値 バラ ツキ 実験例 7.18 8.90 8.54 9.30 9.38 9.43 9.30 7.28 8.11 2 7.23 9.01 6.98 9.25 9.09 9.32 7.99 7.67 9.11 8.37 2.67 7.09 8.08 6.95 9.59 9.62 7.55 9.37 7.23 7.60 実験例3 6.86 6.28 6.37 9.22 8.99 6.50 8.28 7.09 6.98 7.40 2.94 比較例2 0.61 7.08 1.06 9.06 7.03 8.71 3.83 0.22 1.72 4.37 8.84 図3の米飯粒間9点の平均温度の上昇曲線からあきらか
なように、実験例2及び実験例3では、比較例2に比し
て、スムーズに米飯306の粒間の温度が上昇している
のが判る。又、表2から明らかなように、実験例2及び
実験例3のバラツキは、比較例2のバラツキに比べて小
さいことがわかる。次に、本発明の第2実施例の食品殺
菌装置100を説明する。
【0015】本実施例の食品殺菌装置100は、図5に
示す剛性のトレイ90のような容器に直接収容した米
飯、麺又はカレー或いはシチュウ等の所謂レトルト食品
の具(野菜等)等の固形食品を加熱殺菌するものであ
る。トレイ90は、ステンレス鋼等の金属で形成され、
上方に向かって開口する開口部分93を備えた有底円筒
形状を有する。各トレイ90には所定量の食品(例えば
一人前の米飯)が収容され、複数のトレイ90が、連続
的に食品殺菌装置100内を通過させられることによっ
て、食品の加熱殺菌が行われる。トレイ90の底板91
には、全面にわたって小孔92が形成されている。加熱
殺菌する食品は、底板91上に載置されることによって
トレイ90内に収容されるため、小孔92の寸法形状
は、食品が通り抜けられない(落下しない)ように適宜
選択される。この小孔92により、蒸気等の加熱殺菌用
流体が底板を自由に通過でき、該底板91上に載置され
た食品に蒸気等の流体を満遍なくあてることができる。
次に食品殺菌装置100本体の説明をする。図4に示す
ように、食品殺菌装置100は、上流側から順に、殺菌
する食品を収容したトレイ90を導入する大気連通の食
品導入部1、食品を大気圧より高い圧力下で加熱殺菌す
る加熱殺菌室3、加熱殺菌された食品を冷却する冷却室
4、冷却された食品を殺菌装置100から排出する排出
部6を備える。
【0016】食品導入部1は、食品を収容したトレイが
載置される上流側の載置部11と、トレイ90内の食品
を常圧下で予備加熱する下流側の予備加熱室12とから
構成される。更に、加熱殺菌室3の上流側部分には、第
2のゲートバルブ20で仕切られた昇圧用調圧室2が設
けられ、排出部6の上流側部分には、第5のゲートバル
ブ50で仕切られた減圧用調圧室5が設けられている。
食品導入部1の下流部分である予備加熱室12は、第1
のゲートバルブ10を介して、加熱殺菌室3の上流部分
である昇圧用調圧室2に接続されている。又、加熱殺菌
室3の下流部分は、第3のゲートバルブ30を介して、
冷却室4の上流部分に接続されている。又、冷却室4の
下流部分は、第4のゲートバルブ40を介して、排出部
6の上流部分である減圧用調圧室5に接続されている。
従って、食品導入部1の載置部11から食品殺菌装置1
00に導入されたトレイ90は、押出し装置13、1
4、26、34、42、45、52によって、予備加熱
室12、昇圧用調圧室2、加熱殺菌室3、冷却室4、減
圧用調圧室5を経て、排出部6に搬送される。食品導入
部1の載置部11には、図示しない供給手段によって、
所定単位の殺菌すべき食品を収容したトレイ90、90
が2つ並列的に載置される。載置部11の上流側には、
載置部11に並列的に載置された2つのトレイ90、9
0を、同時に、下流方向(X方向)に搬送する第1の押
出し装置13が設けられている。この第1の押出し装置
13は、伸縮自在の、T字形押出しロッド13aを備
え、該ロッド13aは、トレイ90、90を並列状態で
食品導入部1内下流方向(X方向)に押し、これらを、
予備加熱室12の下流端まで搬送するストローク長を有
する。
【0017】又、予備加熱室12の下流側端部の外方に
は、第2の押出し装置14が配置されている。より詳細
には、該第2の押出し装置14は、予備加熱室12の下
流側端部をはさんで昇圧用調圧室2と対向する、予備加
熱室12の外方位置に配置されている。この第2の押出
し装置14は、前記第1の押出し装置13と同様に、伸
縮自在の、T字形押出しロッド14aを備え、該ロッド
14aが、前記第1の押出し装置13によるトレイ90
の搬送方向と直交する方向(Y方向)に、即ち、昇圧用
調圧室2に向かって伸縮する。又、ロッド14aの伸縮
のストローク長は、予備加熱室12の下流端部に延入
し、前記第1の押出し装置13が予備加熱室11の下流
端部に搬送された2つのトレイ90、90をY方向に縦
列状態で押して、昇圧用調圧室2内に配置されたターン
テーブル内に送込める長さに設定される。予備加熱室1
2は、大気開放(連通)状態、即ち、常圧であり、その
内部はトレイ90を並列的に2つ並べ且つ下流方向に案
内することができる寸法形状を有する。更に、予備加熱
室12には、図4に模式的に示す予備加熱手段15が取
付けられている。この予備加熱手段15は、予備加熱室
12内を脱気しつつ、該予備加熱室12内に加熱した蒸
気を供給するものである。
【0018】昇圧用調圧室2の上部には、蒸気を供給す
る蒸気供給パイプ21が連結されている。この蒸気供給
パイプ21は、オン−オフ制御される制御バルブ22、
蒸気を貯蔵する蒸気タンク(加圧流体タンク)23を経
てボイラ等の蒸気供給源(図示せず)に連通されてい
る。この蒸気供給パイプ21は、前記蒸気供給源が発生
させた蒸気を昇圧用調圧室2に供給することによって、
該昇圧用調圧室2の圧力及び温度を加熱殺菌室3内の圧
力まで上昇させる。蒸気タンク23は、蒸気供給源から
供給された蒸気を一時的に貯めておくものであり、その
容量は昇圧用調圧室2の容量の5〜50倍、特に10〜
30倍であるのが好ましい。又、蒸気タンク23内の蒸
気圧力は、0.5〜3.0 kg/cm2 、特に1.0〜2.5 kg/cm
2 (ゲージ圧)であるのが好ましい。制御バルブ22
は、図示しない制御装置によって、オン−オフ制御さ
れ、昇圧用調圧室2への蒸気の供給を制御する。昇圧用
調圧室2内には、上下方向に延びる軸線Zを中心に回動
可能な、ターンテーブル24が配置されている(図6、
図7参照)。ターンテーブル24は、長手方向の一側が
開放した略直方体形状の箱体であり、トレイ90を内部
に縦列状態で2つ収容できる寸法を有する。従って、2
つのトレイ90が、縦列状態で、この開放した一側(開
放部分24b)を通してターンテーブル24に出入りで
きる。又、ターンテーブル24の長手方向他端側の側壁
の略中央には、略円形の孔24aが形成されている。
【0019】又、ターンテーブル24の頂板24cは、
ターンテーブル24内に収容されたトレイ90、90の
上方開口を覆っている。即ち、頂板24cは、昇圧用調
圧室2内に開口する蒸気供給パイプ21の開口端21a
と、ターンテーブル24内に収容されたトレイ90、9
0の上方の開口部分93との間に位置し、パイプ21の
開口端21aから吹き出す蒸気が、トレイ90の開口部
分93に直接吹きかかるのを防止する遮蔽板となる。タ
ーンテーブル24の底部には回動シャフト25が取付け
られ、ターンテーブル24は該回転シャフト25を中心
にして回動できるようになっている。即ち、このターン
テーブル24は、開放部分24bが予備加熱室12方向
を向いた第1位置(図4及び図6)と開放部分24bが
加熱殺菌室3方向を向いた第2位置との間で、90°回
動する。第1位置では、開放部分24bを通して、第2
の押出し装置14昇圧用調圧室2方向(Y方向)に押出
した2つのトレイ90、90がターンテーブル24内に
収容でき、一方、第2位置では、開放部分24bを通し
て、後述する第3の押出し装置26が2つのトレイ9
0、90を、ターンテーブル24から加熱殺菌室3内に
押出せるようになっている。
【0020】更に、昇圧用調圧室2の加熱殺菌室3と反
対側の外方には、図7に示す第2位置に回動させられた
ターンテーブル24内のトレイ90、90を、加熱殺菌
室4に押出すための第3の押出し装置26が配置されて
いる。第3の押出し装置26の伸縮自在の押出しロッド
26aは、ターンテーブル24の壁に形成された孔24
aを通抜けられる寸法形状となっており、そのストロー
ク長は、図7に示す状態のターンテーブル24内に縦列
状態で収容された2つのトレイ90、90を、加熱殺菌
室4内に押出すのに十分な長さとされる。昇圧用調圧室
2の下流側に位置する加熱殺菌室3は、略円筒形状の細
長い室内空間を有し、該空間内には、長手方向に全長に
わたって2本のレール31a、31bが所定間隔をおい
て配置されている。第3の押出し装置26によって第3
の調圧室2から加熱殺菌室3に押出されたトレイ90、
90は、このレール31a、31b上で、後続のトレイ
に押されて、順次下流方向へ移動するものであり、両レ
ール31a、31bの間隔は、トレイ90の底部分を保
持できるように適宜選択される。又、レール31a、3
1bには、図6及び図7に示すようなガイド部材35が
所定間隔で取付けられ、トレイ90がレール31a、3
1bに沿って移動できるようになっている。即ち、レー
ル31a、31b及びガイド部材35によって、加熱殺
菌室3内に、トレイが一列に送られるトレイ用搬送路が
形成される。
【0021】加熱殺菌室3には、加熱殺菌室3内を所定
の圧力及び温度に維持するための加熱殺菌手段32が取
付けられている。図4には模式的に示す加熱殺菌手段3
2は、加熱殺菌室3に蒸気を加熱殺菌室3内に供給する
蒸気供給手段39と、加熱殺菌室3から不要な流体を排
除するための排出手段36とを含む(図8参照)。蒸気
供給手段39は、加熱殺菌室3の上方に連結され、レー
ル31a、31b上を搬送されるトレイ90に上方から
蒸気をあてる。一方、排出手段は加熱殺菌室3の底に設
けられた、排出孔からなる排出口36である。排出口3
6は、チェックバルブを備えていてもよい。蒸気供給手
段39は、加熱殺菌室3内の設定圧力よりも0.05〜0.
3 kg/cm2高い圧力で蒸気を供給する。又、加熱殺菌室
底部の排気手段36は空気を含む蒸気及びドレン水等の
不要な流体を排出するとともに、加熱殺菌室段内を設定
圧力に保つ機能を有する。蒸気供給手段39から加熱殺
菌室内に供給される直前の蒸気の圧力は、加熱殺菌室内
の設定圧力よりも0.05〜0.3 kg/cm2 、特に0.1〜0.
2 kg/cm2 高くするのが好ましい。このように蒸気の供
給圧力を規定するのは、圧力差が0.05 kg/cm2 よりも
小さいと、圧力制御を実施するために必要な注入圧力が
得られず、排出手段36から充分な排気が行なわれない
からであり、0.3 kg/cm2 よりも大きいと蒸気の激しい
流れができ、蒸気供給手段35の開口部分が高温とな
り、食品に余分な熱がかかり、品質が劣化するからであ
る。
【0022】なお、本実施例では、加熱殺菌室内の設定
圧力を0.45〜2.65 kg/cm2 、特に1.00〜2.15 k
g/cm2 (ゲージ圧)に、温度を110〜140℃、特に
120〜135℃とするのが好ましい。加熱殺菌室3の
下流側端部には、前記昇圧用調圧室2内に配置されてい
るターンテーブル24と同様のターンテーブル33が配
置されている。更に、加熱殺菌室3の下流側端部の、冷
却室4と反対の外方には、第3の押出し装置26と同様
の第4の押出し装置34が配置されている。ターンテー
ブル33と押出し装置34とは、前記ターンテーブル2
4と第3の押出し装置26と同様に機能する。上述のよ
うに、加熱殺菌室3の下流側端部は、加熱殺菌室3と平
行に延びるように配置された冷却室4の上流側端部と第
3のゲートバルブ30を介して接続されている。冷却室
4の上流側端部には、前記昇圧用調圧室2内に配置され
ているターンテーブル24と同様のターンテーブル41
が配置され、又、冷却室4の上流側端部の近傍には、第
3の押出し装置26と同様の第5の押出し装置42が配
置されている。ターンテーブル41と押出し装置42
は、それぞれ、前記ターンテーブル24と第3の押出し
装置26と同様に機能する。
【0023】冷却室4は、加熱殺菌室3と同様の構成を
有する。即ち、略円筒形状の細長い室内空間を有し、該
空間内には、長手方向に延びる2本のレール46a、4
6bが所定間隔をおいて配置されている。ターンテーブ
ル41に縦列状態で収容された2つのトレイは、第5の
押出し装置42によってこのレール46a、46b上を
順次下流方向へ移動するものであり、両レール46a、
46bの間隔は、トレイ90の底部分を保持できるよう
に適宜選択される。又、レール42a、42bにも、上
述したガイド部材31と同様のガイド部分(図示せず)
が所定間隔で取付けられ、トレイ90がレール46a、
46bに沿って移動できるようになっている。冷却室4
には、冷却室3内を所定の圧力及び温度に維持するため
の冷却手段43が取付けられている。図4に模式的に示
す冷却手段43は、冷却室4に、例えば、80℃の空気
を送入して、冷却室4内を、1.8Kg/cm2、80℃程度
の圧力及び温度に維持する。冷却室4の下流側端部に
は、前記昇圧用調圧室2内に配置されているターンテー
ブル24と同様のターンテーブル44が配置され、又、
冷却室4の下流側端部の近傍には、第3の押出し装置2
6と同様の第6の押出し装置45が配置されている。タ
ーンテーブル44と第6の押出し装置45とは、前記タ
ーンテーブル24と第3の押出し装置26と同様に機能
する。
【0024】冷却室4の下流側端部にゲートバルブ40
を介して並列的に接続された減圧用調圧室5は、昇圧用
調圧室2とほぼ同様に形成されている。即ち、冷却室4
から送られたトレイ90を縦列的に受入れるターンテー
ブル51と、該ターンテーブル51内に縦列的に収容さ
れた2つのトレイ90、90を排出部6に押し出す第7
の押出し装置52とが設けられている。昇圧用調圧室2
との相違は、蒸気供給パイプ21の代わりに、空気供給
パイプ(図示せず)が設けられていることである。排出
部6の下流側にはベルトコンベア等の搬送手段が設けら
れ、排出部6まで搬送された殺菌済の食品をトレイ90
ごと包装工程(図示せず)に送る。尚、排出部6、搬送
手段、包装工程等は、クリーンルーム内に配置されてい
る。包装工程では、食品をトレイ90から出して、殺菌
済の製品の容器となる空容器に充填し、必要に応じて殺
菌済の充填液を容器に注入した後、容器をシールする。
尚、本発明において、蒸気とは、飽和蒸気、過熱水蒸
気、又は、過熱殺菌に用いられる種々の蒸気を指す。次
に食品殺菌装置100の作動を説明する。
【0025】先ず、図示しない供給手段によって、食品
導入部1の載置部11に食品を収容した2つのトレイ9
0、90を並列状態で載置した後、第1の押出し装置1
3を作動させ、並列状態のトレイ90、90を、押出し
ロッド13aで予備加熱室12の下流端部まで移動させ
る。予備加熱室12内は、予備加熱手段15によって、
蒸気が供給されているので、予備加熱室12内を搬送さ
れる間に、トレイ90に収容された食品の隙間の空気が
蒸気に入れ替わり、食品が予備加熱される。次いで、第
2のゲートバルブ20を閉鎖した状態で、第1のゲート
バルブ10を開いて昇圧用調圧室2を予備加熱室12と
連通させ、且つ、ターンテーブル24を第1位置即ち図
4及び図6に示す状態にする。次いで、第2の押出し装
置14のロッド14aを伸張させ、予備加熱室12の下
流端まで並列状態で移動させられトレイ90、90を、
昇圧用調圧室2方向に縦列状態でターンテーブル24内
に押込む。次いで、ロッド14aを縮めるとともに、タ
ーンテーブル24を反時計回り方向に90°回転させて
第2位置即ち図7に示す状態にする。これと同時に或い
はこれに続いて、第1のゲートバルブ10を閉じて昇圧
用調圧室2を閉鎖し、制御バルブ22を開き、タンク7
0から昇圧用調圧室2に、蒸気を導入し、昇圧用調圧室
2内の圧力を、加熱殺菌室3内の圧力と等しい圧力まで
上昇させる。上述のように、ターンテーブル24の頂板
24cが、パイプ21の開口端21aとトレイ90の開
口部分93の間に位置しているので、パイプ21の開口
端21aから吹き出る蒸気が、トレイ90内の食品に直
接あたり、食品を吹飛ばすことがない。
【0026】次いで、第2のゲートバルブ20を開き、
第3の押出し装置26を作動させて、ロッド26aを伸
ばし、ターンテーブル24に収容されたトレイ90、9
0を、加熱殺菌室3のトレイ搬送路上に押出す。搬送路
上には、前の工程で押し出されたトレイが一列縦隊で並
んでいるので、新たに2つのトレイを搬送路上に押し出
すと、搬送路の最も下流にあるトレイ2つが、ターンテ
ーブル33側に押出されることになる。このときターン
テーブル33の開放部分を搬送路側に向けておき、押出
された2つのトレイ90、90をターンテーブル33内
に収容する。次いで、ターンテーブル33を時計回り方
向に90°回転させ、第3のゲートバルブ30を開くと
ともに、第4の押出し装置34を作動させロッド34a
を伸ばし、ターンテーブル33内のトレイ90、90を
冷却室4方向に押し、これら2つのトレイを、開放部分
が第4の押出し装置34方向に向いたターンテーブル4
1内に収容する。尚、昇圧用調圧室室2から2つのトレ
イ90を押し出した後、第2のゲートバルブ20は、直
ちに閉鎖され、昇圧用調圧室2内は、図示しない減圧用
バルブ等の減圧手段によって、大気圧(常圧)まで減圧
される。次いで、第1のゲートバルブ10が開かれ、次
に2つのトレイ90、980が昇圧用調圧室2内に搬入
される。
【0027】加熱殺菌室3内では、蒸気供給手段39か
ら供給された蒸気が、レール31a、31b上のトレイ
90の列に上方からあたる。蒸気は、図に矢印Dで示す
ように、上方から略垂直にトレイ90にあたり、トレイ
90の底に形成された孔から下方に抜ける。その後、加
熱殺菌室3の底部に形成された排出口36を通り、加熱
殺菌室3外に出る。このとき、加熱殺菌室3内で生じた
ドレン水及び冷却室等から進入した空気も、蒸気の流れ
とともに、加熱殺菌室外に排出される。次いで、第3の
ゲートバルブ30を閉鎖し、ターンテーブル41を反時
計回り方向に90°回転させ、ターンテーブル41の開
放部分を、冷却室4内の搬送路方向に向ける。次いで、
第5の押出し装置42を作動させロッド42aを伸ば
し、ターンテーブル41内の2つのトレイ90、90を
冷却室4内の搬送路上に送りだす。冷却室4の搬送路に
は、トレイ90が一列縦隊で並んだ状態であるので、第
5の押出し装置42を作動させると、加熱殺菌室3の場
合と同様に、最も下流側のトレイ2つが、開口部分が搬
送路に向いたターンテーブル44内に押し出される。次
いで、ターンテーブル44を時計回り方向に90°回転
させる。更に、第5のゲートバルブ50を閉鎖し、且
つ、ターンテーブル51の開口部分が冷却室4を向くよ
うにした状態(図7示す状態にした)で、空気供給パイ
プから減圧用調圧室5に空気を供給して、該調圧室5と
冷却室4との圧力を等しくした後、第4のゲートバルブ
40を開いて減圧用調圧室5を冷却室4と連通させ、そ
して、第6の押出し装置45のロッド45aを伸張さ
せ、ターンテーブル44に縦列状態で収容されたトレイ
90、90を押し、ターンテーブル51内に押し込む。
【0028】次いで、第6の押出し装置45のロッド4
5aを縮めて元の状態に戻すとともに、ターンテーブル
51を反時計回り方向に90°回転させてターンテーブ
ル5の開口部分を排出部6方向に向ける。これと同時に
或いはこれに続いて、第4のゲートバルブ40を閉じて
減圧用調圧室5を閉鎖し、図示しない減圧用バルブ等の
減圧手段を作動させ、減圧用調圧室5内の圧力を、大気
圧まで減圧する。次いで、第5のゲートバルブ50を開
くとともに、第7の押出し装置52を作動させてロッド
52aで、ターンテーブル51内に縦列状態で収容され
た2つのトレイ90、90を排出部6に押出す。排出部
6に出されたトレイ90は、べルトコンベア70によっ
て、包装工程等を行う次の工程(図示せず)に搬送され
る。上述した食品加熱殺菌装置100を用いて、食品を
加熱殺菌した結果を示す。実験例4として、加熱殺菌室
3内の圧力を1.75 kg/cm2 に保ち、圧力1.80kg/c
m2 の蒸気を加熱殺菌室3内に蒸気供給手段39で供給
した。この状態を維持して、白飯を200g載せた剛性
トレイを毎分10個の割合で殺菌処理した。又、実験例
5では、加熱殺菌室3内を圧力を1.75 kg/cm2 に保
ち、1.90 kg/cm2 の蒸気を供給した。他は、実験例1
と同様の方法で殺菌処理を行った。
【0029】更に、実験例6では、加熱殺菌室3内の圧
力を1.75 kg/cm2 に保ち、2.05kg/cm2 の蒸気を加
熱殺菌室3内に供給した。他は、実験例1と同様の方法
で殺菌処理を行った。比較例3として。加熱殺菌室3の
底部の排出孔を塞いだ後、内部を温度圧力1.75 kg/cm
2 に保ち、該加熱殺菌室の上部から設定条件と略同じ蒸
気を供給した他は、実施例1と同様の方法で殺菌処理を
行った。内視鏡で加熱殺菌室底部を観察すると、実験例
1、2、3ではドレンはほとんどなく、従って、リボイ
ラ現象も生じなかった。又、トレイ内では、殺菌に必要
な温度が得られた。しかし、比較例では空気の混入のた
め、トレイ内の温度が加熱殺菌室出口付近で低くなって
しまい、加熱不良が発生した。したがって、本発明は、
ドレン水を有効に排除し、殺菌するのに必要な熱を、安
定して、食品に与えることができる。
【0030】
【表3】 表 3 ─────────────────────────────────── 供給蒸気圧の トレイ内温度(℃)※2 蒸 気 加熱殺菌室 蒸 気 差(kg/cm2) 入口 中央 出口 供給口 側 面 排気口 ※1 (上部) (下部) ─────────────────────────────────── 実験例4 +0.05 130 129 128 131 130 130℃ 実験例5 +0.15 130 130 130 132 130 130 実験例6 +0.3 129 129 129 134 133 130 比較例3 0 (排気なし) 129 127 124 130 129 126 ─────────────────────────────────── ※1 蒸気供給装置から供給される蒸気の圧力と加熱殺菌室内の設定圧力の差。 ※2 トレイ内温度は、トレイに白飯の代わりに、移動式温度測定器を取り付け 、トレイが加熱殺菌室内を移動するときの温度を測定したものである。
【0031】次に、蒸気供給手段32の変形例を図9及
び図10に沿って説明する。この変形例では、蒸気供給
手段32は、トレイ90の搬送経路を構成するレール3
1a、31bの下方に配置された蒸気供給パイプ37
と、加熱殺菌室3の底に形成された排出孔38からな
る。蒸気供給パイプ37は、加熱殺菌室3の長手方向ほ
ぼ全長にわたって延びており、側部に複数の蒸気吹き出
し口37aが、形成されている。又、排出孔38も、複
数個形成され、加熱殺菌室3内の不要な流体を外部に排
出する。次に、蒸気供給手段の作動を説明する。蒸気供
給パイプ37には、図示しない蒸気源及び減圧弁が接続
され、所定圧の蒸気が供給される。蒸気供給パイプ37
に供給された蒸気は、蒸気吹き出し口37aから、矢印
Eで示すように、側方に向かって左右に吹き出し、円筒
形の加熱殺菌室3の側壁に衝突し、これに沿って、矢印
Fで示すように上方に向かう。更に、蒸気供給パイプ3
7から左右に分かれて吹き出した蒸気が、矢印Gで示す
ように、トレイ90の搬送路の上方で衝突して、下方即
ちトレイ90方向に向きを変え、トレイ90に向かって
略垂直に降下し、トレイ90内の食品に略垂直にあた
る。その後、蒸気は、トレイ90内の食品を通過して、
トレイ90の底の孔92から抜け出て、加熱殺菌室3の
底に形成された排出孔38から、加熱殺菌室3の底部に
たまったドレン水と共に装置外に排出される。
【0032】次に、図11を参照して、本発明の第3実
施例の食品殺菌装置200について説明する。食品殺菌
装置200は、上述した第2実施例の食品殺菌装置10
0とほぼ同じ構成を有するのため、対応する部分につい
ては、200番代の同一参照番号を付し、その説明を省
略し、相違点のみ説明する。図4及び図11から明らか
なように、食品殺菌装置100と食品殺菌装置200の
相違点は、食品導入部1、201と加熱殺菌室3、20
3と冷却室4、204の接続方法である。食品殺菌装置
100では、食品導入部1内でのトレイの進行方向と、
加熱殺菌室3内のトレイの進行方向と、冷却室4内での
トレイの進行方向とが平行になるように食品導入部1と
加熱殺菌室3と冷却室4とが接続されている。このた
め、各接続部分では、2つの押出し装置(例えば14及
び26)とターンテーブル(例えば24)を使用するこ
とによって、2つのトレイを”クランク”状に搬送して
いる。これに対して、食品殺菌装置200では、食品導
入部201内でのトレイの進行方向と加熱殺菌室203
内のトレイの進行方向とが直交するように、食品導入部
201と加熱殺菌室203とが互いに垂直に接続され、
更に、加熱殺菌室203内のトレイの進行方向と冷却室
204内でのトレイの進行方向とが直交するように、加
熱殺菌室203と冷却室204とが互いに垂直に接続さ
れている。
【0033】その結果、昇圧用調圧室202内ではター
ンテーブルが不要になり、更に、各接続部分に、押出し
装置(214、234、245)を1つづつ設けるだけ
でトレイを次の工程に送ることが出来る。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
食品を効率よく加熱して殺菌できる。又、品質を低下さ
せずに食品を加熱殺菌できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の食品加熱殺菌装置の概
略的な縦断面図である。
【図2】 本発明の第1実施例の食品加熱殺菌装置を用
いた、食品の加熱殺菌の結果を示すグラフである。
【図3】 本発明の第1実施例の食品加熱殺菌装置を用
いた、食品の加熱殺菌の結果を示すグラフである。
【図4】 本発明の第2実施例の食品加熱殺菌装置の概
略的な平面図である。
【図5】 本発明の第2実施例の食品加熱殺菌装置で使
用する食品を収容するトレイの斜視図である。
【図6】 本発明の第2実施例の食品加熱殺菌装置の昇
圧用調圧室で第1位置にあるターンテーブルを示す概略
的な斜視図である。
【図7】 本発明の第2実施例の食品加熱殺菌装置の昇
圧用調圧室で第2位置にあるターンテーブルを示す概略
的な斜視図である。
【図8】 本発明の第2実施例の食品加熱殺菌装置の加
熱殺菌室の加熱殺菌手段を示す概略的な断面図である。
【図9】 本発明の第2実施例の食品加熱殺菌装置の加
熱殺菌室の加熱殺菌手段の変形例を示す、加熱殺菌室の
長手方向の概略的な縦断面図である。
【図10】 本発明の第2実施例の食品加熱殺菌装置の
加熱殺菌室の加熱殺菌手段の変形例を示す、加熱殺菌室
の横方向の概略的な縦断面図である。
【図11】 本発明の第3実施例の食品加熱殺菌装置を
示す、概略的な構成図である。
【符号の説明】
1 食品導入部 2 昇圧用調圧室 3 加熱殺菌室 4 冷却室 5 減圧用調圧室 6 排出部 21 蒸気供給パイプ 22 制御バルブ 23 蒸気タンク 24 ターンテーブル 90 トレイ 100 食品殺菌装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−176696(JP,A) 特開 昭50−64445(JP,A) 特開 平3−155761(JP,A) 実開 昭62−25670(JP,U) 実開 平5−31595(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/02 - 3/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部と、収容する固形食品が通り抜け
    られない大きさの孔とが設けられた容器に固形食品を収
    容し、 前記固形食品を収容した容器を殺菌室に搬入し、 直進的に流動する蒸気が前記容器内を通過するように、
    該蒸気を前記固形食品に供給する、 ことを特徴とする食品加熱殺菌方法。
  2. 【請求項2】 前記蒸気が、前記開口部を通して前記固
    形食品にあたり且つ前記孔を通して抜けるように前記固
    形食品に供給される、 請求項1に記載の食品加熱殺菌方法。
  3. 【請求項3】 前記開口部が上方に向かって開口した開
    口部であり、 前記孔が、前記容器の底部に設けられており、 前記蒸気が、前記開口部を通して上方から下方に略垂直
    に食品にあてられ前記孔を通して下方に抜ける、請求項
    1または2に記載の食品加熱殺菌方法。
  4. 【請求項4】 前記蒸気が食品に向けられた蒸気吹き出
    し口から供給される、請求項1又は2に記載の食品加熱
    殺菌方法。
  5. 【請求項5】 開口部と、収容された固形食品が通り抜
    けられない大きさの孔とが設けられた容器と、 前記固形食品を収容した容器が搬入される殺菌室と、 該殺菌室内で、直進的に流動する蒸気が前記容器内を通
    過するように、該蒸気を前記固形食品に供給する蒸気供
    給手段とを備えていること、を特徴とする食品加熱殺菌
    装置。
  6. 【請求項6】 開放部分を有する剛性容器に収容された
    食品を導入する大気連通の食品導入部と、昇圧用調圧室
    と、食品を大気圧より高い圧力下で加熱殺菌する加熱殺
    菌室と、加熱殺菌された食品を冷却する冷却室と、減圧
    用調圧室と、前記剛性容器に収容された食品を排出する
    排出部とが、それぞれ、密閉ゲートを介して連続的に連
    結され、剛性容器に収容された食品を連続的に加熱殺菌
    する食品加熱殺菌装置であって、 前記食品導入部と前記加熱殺菌室と前記冷却室と前記排
    出部とが、互いに垂直或いは平行に配置され、前記食品
    導入部と前記昇圧用調圧室と前記加熱殺菌室と前記冷却
    室と前記減圧用調圧室と前記排出部の上流側に、それぞ
    れ、前記剛性容器を下流側方向に押出す押出し装置が設
    けられ、各押出し装置のストローク長が、前記剛性容器
    1個分の大きさ以上であり、更に、前記加熱殺菌室に、
    蒸気を供給する蒸気供給手段と、加熱殺菌室内から不要
    な流体を排出するための排出手段とが設けられ、 前記開放部分が上方に向いた開口部であり、該容器の底
    に前記食品が通り抜けられない大きさの孔が設けられ、
    前記蒸気供給手段によって供給された蒸気が前記開口部
    を通して前記食品に略直進的にあてられ、その後、該孔
    を通して下方に抜ける、ことを特徴とする食品加熱殺菌
    装置。
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