JP3055688B2 - エンジンの点火時期学習制御方法 - Google Patents

エンジンの点火時期学習制御方法

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JP3055688B2 JP1125138A JP12513889A JP3055688B2 JP 3055688 B2 JP3055688 B2 JP 3055688B2 JP 1125138 A JP1125138 A JP 1125138A JP 12513889 A JP12513889 A JP 12513889A JP 3055688 B2 JP3055688 B2 JP 3055688B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両用エンジンにおいて各運転状態で点火
時期を学習しながら最適値に設定して制御する点火時期
学習制御方法に関し、詳しくは、ノックセンサ異常時の
フェイルセーフに関する。
〔従来の技術〕
点火時期の学習制御では、点火時期を進・遅角側に少
しずつ更新しながらノックセンサによるノッキング発生
の有無をチェックするようにフィードバックし、ノッキ
ング発生の直前の進角量を学習して点火時期をノッキン
グ限界近傍に決定するように制御される。このため、ノ
ックセンサが正常に作動することが前提になっており、
異常時には安全かつ確実にフェイルセーフする必要があ
る。
これに対処するに、特開昭59−224471号公報(以下
「第1の先行例」という)には、ノックセンサの異常時
に、補正制御値(学習値)の更新を禁止し、学習マップ
に記憶されているノックセンサの正常時において学習し
た補正制御値をエンジン運転状態に基づきマップ検索に
より読み出し、この補正制御値に所定の遅角制御値ΔR
を加算して補正制御値を遅角修正し、この遅角修正した
補正制御値によって、エンジン運転状態に基づいて設定
した基準制御値(基本点火時期)を補正して点火時期を
設定することで、ノッキング限界を越えた角度での点火
を防止しノッキングを防止する技術が開示されている。
また、特開昭59−113268号公報(以下「第2の先行
例」という)には、所定運転状態におけるノックセンサ
の出力信号に基づいてノックセンサの異常を判断し、ノ
ックセンサの異常時には、点火時期を最大遅角状態にし
てノッキングの発生を抑える技術が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記第1の先行例は、ノックセンサの異常時
においても、学習値により基本点火時期を補正して点火
時期を設定するものであり、この時、一義的な遅角制御
値ΔRによって点火時期を遅角修正することで、ノッキ
ングの発生を防止するものである。
従って、上記第1の先行例は、オクタン価の高いハイ
オクガソリン、或いはオクタン価の低いレギュラーガソ
リンを継続使用している状況下で、ノックセンサが異常
となったときには、これに対処してノッキングの発生を
防止することが可能である。
しかしながら、上記第1の先行例においては、ノック
センサの異常時は、全運転領域において、エンジン運転
状態に基づいて設定した基本点火時期及び学習値と、一
義的な遅角制御量ΔRによって点火時期が設定されるの
で、学習補正により設定される点火時期が、全運転領域
において一律に、一義的な遅角制御値ΔRによって遅角
補正されるに過ぎない。このため、オクタン価の高いハ
イオクガソリン使用により進角側への学習が進んだ状態
でノックセンサが異常となり、この状況下で、オクタン
価の低いレギュラーガソリンを補給する等により、エン
ジンに供給されるガソリンのオクタン価が低下した場合
に、エンジン全運転領域に亘り、ノッキング発生の防止
と、過遅角に伴うエンジン出力や燃費の悪化を防止する
事との両立を図ることができない。
すなわち、ガソリンのオクタン価が低下した場合、エ
ンジン運転領域毎に必要とする最適遅角量が相違するに
も拘わらず、第1先行例においては、ノックセンサの異
常時において、学習補正による点火時期の設定を基準と
して、全運転領域に亘り、一義的な遅角制御値ΔRによ
り遅角するに過ぎず、ガソリンのオクタン価の低下に対
応して、或る領域においてノッキング発生の防止とエン
ジン出力や燃費の悪化を防止する事との両立を図るに適
正な遅角制御値ΔRを設定した場合は、別の領域におい
て遅角制御値ΔRが最適値から外れ、遅角量が足りずに
ノッキングを生じたり、或いは、必要以上の過遅角によ
りエンジン出力や燃費の悪化を生じる不都合が有る。
このため、上記第1の先行例において、ノックセンサ
の異常状態下で、燃料補給等によるハイオクガソリンか
らレギュラーガソリンへの変更に伴いガソリンのオクタ
ン価が低下した場合に、全運転領域に亘りノッキングを
防止するには、遅角制御値ΔRを最も遅角量を必要とす
る領域に合わせて設定する必要があり、そのため、その
他の領域では必要以上の過遅角によってエンジン出力や
燃費が悪化してしまう。
更に、第1の先行例は、ノックセンサの異常時に、学
習値を読み出す際のマップ検索と基本点火時期を読み出
す際のマップ検索との、2重のマップ検索を必要とし、
さらに、遅角制御値ΔRにより遅角修正するための処理
をも必要とするため、ノックセンサ異常時における点火
時期の設定処理が複雑化する不都合も派生する。
また、上記第2の先行例においては、ノックセンサの
異常時に、点火時期を最遅角状態に設定するので、点火
時期が必要以上に遅角し、排気ガス温度が上昇して触媒
の劣化を招き、また、必要以上の点火時期の過遅角によ
りエンジン出力及び燃費の悪化を招く等の不都合が有
る。
本発明は、上記事情に鑑み、オクタン価の高いハイオ
クガソリン使用により進角側への点火時期学習が進んだ
状態で、ノックセンサが異常となり、この状況下で、オ
クタン価の低いレギュラーガソリンを補給する等によっ
て、エンジンに供給されるガソリンのオクタン価が低下
しても、エンジン全運転領域に亘り、ノッキングの発生
を防止すると共に、遅角角に伴うエンジン出力や燃費の
悪化、及び排気ガス温度の異常上昇を防止して、点火時
期制御の信頼性の向上を図り、且つ、ノックセンサ異常
時における点火時期の設定処理を簡素に実現することが
可能なエンジンの点火時期学習制御方法を提供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明は、ノッキング発生
の有無に応じて学習値を遅角,遅角修正して学習を行
い、エンジン運転状態に基づいて設定した基本点火時期
を上記学習値による学習補正量により補正して点火時期
を設定するエンジンの点火時期学習制御方法において、
ノックセンサの異常を判断し、ノックセンサの異常時に
は、上記学習値の学習補正による点火時期の設定を中止
し、エンジン運転領域毎にオクタン価の低いレギュラー
ガソリンのノッキング限界に基づいた点火時期がメモり
されているマップを、エンジン運転状態に基づき検索し
て点火時期を設定し、該点火時期をオープンループ制御
することを特徴とする。
〔作用〕
本発明では、ノックセンサの異常を判断して、ノック
センサの異常時には、ノックセンサにより検出されるノ
ッキング発生の有無に応じて学習される学習値の学習補
正による点火時期の設定を中止する。そして、エンジン
運転領域毎にオクタン価の低いレギュラーガソリンのノ
ッキング限界に基づいた点火時期がメモりされているマ
ップを、エンジン運転状態に基づいて検索して点火時期
を設定し、点火時期をオープンループ制御する。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図において、本発明が適用されるエンジンの概略
について述べる。符号1はエンジン本体であり、燃焼室
2に連通する吸入ポート3には吸気弁4が、排気ポート
5には排気弁6が設けられ、更に燃焼室2に点火プラグ
7が取付けられている。吸気系としてエアクリーナ8
が、吸気管9,スロットル弁10を有するスロットルボデー
11,吸気マニホールド12を介して吸入ポート3に連通
し、排気系として排気ポート5が、排気管13に連通して
いる。スロットル弁10をバイパスしてアイドル制御弁14
を有するバイパス通路15が設けられ、吸入ポート3の入
口にはインジェクタ16がマイルポイント式に取付けられ
ている。
制御系としてクランク角センサ20,スロットル弁10下
流の圧力センサ21を有し、これらセンサ信号が制御ユニ
ット30に入力してクランク角によりエンジン回転数Ne
を、スロットル弁10下流の圧力により吸入管圧力Pmを検
出し、これらのエンジン回転数Ne,吸入管圧力Pmにより
基本燃料噴射量Tpを定める。また、水温センサ22の水温
Tw,吸気温センサ23の吸気温Ta,O2センサ24の信号等も制
御ユニット30に入力し、これらの信号により基本燃料噴
射量Tpに各種補正を加えて燃料噴射量Tiを算出し、燃料
噴射量Tiに応じたパルス幅の燃料噴射信号をインジェク
タ16に出力して、各運転状態に応じ燃料噴射するように
なっている。スロットル弁10の開度はスロットル開度セ
ンサ25により検出されており、このスロットル開度(あ
るいはアイドルスイッチ)でアイドリングと判定される
とアイドル制御弁14の開度を調整し、エンジン回転数Ne
を所定のアイドル回転数にフィードバック制御する。更
に、点火系として上述のエンジン回転数Ne,吸入管負圧P
mにより基本点火時期,進角限界等を求め、エンジン本
体1に取付けられたノックセンサ26によるノッキング検
出の有無により進角または遅角側に補正し、最適点火時
期IGTを学習して定める。そして最適点火時期IGTに応じ
た点火信号を、イグナイタ27,点火コイル28,ディストリ
ビュータ29を介して点火プラグ7に出力し、ピストン上
死点前の所定のクランク角で着火燃焼するようになって
いる。
第1図において、上述の点火系の点火時期学習制御系
について述べる。
先ず、点火時期設定制御系について述べると、クラン
ク角センサ20,圧力センサ21,水温センサ22およびノック
センサ26の信号は、制御ユニット30のエンジン回転数算
出手段31,吸入管圧力算出手段32,水温算出手段33,ノッ
キング判定手段34に入力し、エンジン回転数Ne,吸入管
圧力Pm,水温Tw,ノッキング発生の有無を得る。エンジン
回転数Ne,吸入管圧力Pmは基本点火時期検索手段35,進角
限界検索手段36に入力し、各運転状態に応じた基本点火
時期IGBと進角限界MBT(基本点火時期IGBに対する進角
量で設定)とを基本点火時期マップおよび進角限界マッ
プを用いて検索する。
この2つのマップは例えば第4図のような特性に基づ
いて設定されており、進角限界MBTは、エンジン回転数N
eの上昇に応じ小さくなる。レギュラーガソリンのノッ
キング限界から所定量遅角側に設定する基本点火時期IG
Bは、エンジン回転数Neの上昇に応じ進角側に変化し、
オクタン価が高くなるに応じてノッキング限界は進角側
に平行移動した特性になる。また、進角限界MBT,基本点
火時期IGBは、吸入管圧力Pm等のエンジン負荷に対して
も同様な特性を有しており、これらのエンジン回転数N
e,吸入管圧力Pmのパラメータにより各運転状態に応じた
進角限界MBT,基本点火時期IGBがマップ検索される。
上記進角限界MBTと後述する学習補正量IGL(基本点火
時期IGBに対する進角量で設定)とは領域判別手段37に
入力し、第4図のように両者を比較し、点火時期として
進角限界MBTが取れる領域Da(MBT≦IGL),進角限界MBT
が取れない領域Db(MBT>IGL)を判断し、この判断結果
が点火時期算出手段38に入力する。点火時期算出手段38
には進角限界MBT,基本点火時期IGB,学習補正量IGLが入
力されており、点火時期IGT0を以下のように算出して決
定する。
IGT0=IGB+IGL ここで、MBT≦IGLの進角限界MBTが取れる領域では、
進角限界MBTの値をそのまま用いることで最適点火時期
に設定し得るのであり、このためMBT≦IGLの領域では、
学習補正量IGLの代わりに進角限界MBTを代用して点火時
期IGT0を算出する。
こうして算出された点火時期IGT0の値とクランク角セ
ンサ20のクランク角信号とはイグナイタ駆動手段39に入
力し、点火時期IGT0に応じたクランク角で点火信号をイ
グナイタ27に出力するようになっている。
次いで、点火時期学習値更新制御系について述べる
と、上述のエンジン回転数Ne,吸入管圧力Pm,水温Tw,お
よび領域判別手段37の領域判断結果が入力する学習条件
判別手段40を有する。ここで、現在の運転状態がエンジ
ン回転数Ne,吸入管圧力Pm,水温Twにより暖機後でノッキ
ング検出を高い精度で行い得る運転状態(低負荷側,高
回転数側を除く)にあり、更にMBT>IGLの進角限界MBT
が取れない領域Dbの場合に学習条件の成立を判定するの
であり、この判定結果が学習値更新手段41に入力する。
学習値更新手段41には、エンジン回転数Neおよび吸入
管圧力Pmの運転状態,ノッキング判定手段34のノッキン
グの有無の信号が入力しており、学習条件成立の判定結
果により全体学習あるいは部分学習を選択的に実行す
る。先ず、エンジン始動時等に全体学習が行われ、全体
学習値記憶手段42から全体学習値ATを読出し、ノッキン
グの有無により学習値ATを更新する。即ち、ノッキング
の無い場合は、一定時間毎に一定の割合で全体学習値AT
を進角側に更新し、ノッキング発生の場合は、ノッキン
グ発生毎に一定の割合で全体学習値ATを遅角側に更新す
る。そしてこの場合のノッキング回数,全体学習ATの進
角量をノッキング回数検出手段43,進角量検出手段44で
検出し、ノッキング回数が設定値αに達したり、または
全体学習ATが所定の最大進角量AMに達した場合はノッキ
ング限界に近似したと判断し、このときの全体学習値AT
を記憶して全体学習を終了する。
また、上述の全体学習に対し、部分学習として各運転
状態毎に細かくアドレスを備えた部分学習値記憶手段45
を有し、学習値更新手段41は上述の全体学習終了後に部
分学習値記憶手段45から部分学習値APを読出す。そして
各運転状態毎に部分学習値APに対しても上述と同様にノ
ッキングの有無との関係で、この部分学習値APを進角ま
たは遅角側に更新しながら点火時期を精度よくノッキン
グ限界付近に設定する。そしてこれらの全体学習値ATと
部分学習値APとは、学習補正量算出手段46に入力して学
習補正量IGLを、 IGL=AT+AP により算出するのであり、学習補正量IGLが既に述べた
点火時期設定制御系に用いられるようになっている。
続いて、ノックセンサ異常時の点火時期制御系につい
て述べると、これはオープンループの制御系になってい
る。即ち、ノックセンサ26の出力信号が入力する異常判
定手段47を有し、例えば学習条件判定手段40の出力信号
によりノッキング検出可能な条件において、センサ信号
の信号レベルが設定値以下の場合に異常と判定する。ま
たエンジン回転数Ne,吸入管圧力Pmが入力する異常用点
火時期設定手段48を有し、エンジン回転数Ne,吸入管圧
力Pmの二次元マップを検索して点火時期IGT1を定める。
この点火時期IGT1は、ノッキング限界が最も遅角側のレ
ギュラーガソリンの場合の基本点火時期IGBに基づいて
おり(例えば基本点火時期より所定量遅角側に設定)、
この基本点火時期IGBと進角限界MBTの小さい方を選択し
て設定され、各運転状態で燃焼,エンジン出力等を良好
に確保するように進・遅角して与えられる。
そして学習制御の点火時期IGT0と、ノックセンサ異常
用点火時期IGT1とは選択手段49に入力し、選択手段49
は、異常判定手段47による判定結果に応じ、ノックセン
サ26の正常時には、学習制御の点火時期IGT0を選択し、
ノックセンサ異常時には、ノックセンサ異常用点火時期
IGT1を選択して、イグナイタ駆動手段39に出力する。
次いで、かかる構成の点火時期学習制御系の作用を、
第3図(a),(b)のフローチャートを用いて述べ
る。
先ず、第3図(a)のルーチンのステップS100ないし
S103でエンジン回転数Ne,吸入管圧力Pm,水温Twが読込ま
れると共に、ノッキング発生の有無が判定され、ステッ
プS104,S105でエンジン回転数Neと吸入管圧力Pmとによ
り進角限界マップと基本点火時期マップから進角限界MB
T,基本点火時期IGBが検索される。そしてステップS106
ないしS108で学習実施条件がチェックされ、ノッキング
検出信号に外乱の多い高回転数側,センサ出力の小さい
低負荷側,冷態時が除かれ、これ以外の運転状態で学習
条件が成立して、ステップS109の学習値更新ルーチンが
実行される。
即ち、エンジン始動時等においては、第3図(b)の
ルーチンのステップS200で先ず全体学習が選択され、ス
テップS201で全体学習値ATのアドレスをインデックスレ
ジスタXに入れておく。ステップS203でノッキングの有
無が判定され、ノッキング有りの場合は、ステップS204
で全体学習値ATを一定量γ遅角し、ステップS205でタイ
マ1,2をクリアし、ステップS206でカウンタをインクリ
メントしてノッキング回数をカウントする。ノッキング
無しの場合は、ステップS207で進角限界MBTと学習補正
量IGL(=AT+AP)とを比較し、MBT≦IGLの領域に入っ
た場合は、これ以上進角させても進角限界MBTを越えて
出力トルクは低下してしまうため学習値の更新は行わな
い。一方、MBT>IGLのときは、ステップS208でノッキン
グ無しの時間を計るタイマ1をチェックし、ノッキング
無しが一定時間t1(例えば1秒)継続すると、ステップ
S209で全体学習値ATを一定量aだけ進角側に更新し、ス
テップS210でタイマ1がクリアされる。
ステップS211以降では全体学習の終了条件がチェック
され、ステップS212で所定の最大進角量AMに対する全体
学習値ATの大きさが判断され、AT<AMの場合はステップ
S213でタイマ2をクリアし、ステップS214でノッキング
回数がチェックされて設定値α(例えば5回)以上の場
合は、全体学習値ATがノッキング限界に収束したと判断
して全体学習を終了し、ステップS215でその終了フラグ
がセットされる。また、ノッキング無しで進角が進みAT
≧AMに達すると、ステップS212からS216に進んでタイマ
2の累積時間t2(例えば3秒)経過後に同様に全体学習
を終了する。
こうして全体学習値ATが学習して決定されると、ステ
ップS200からS202に進んで現在の運転状態の部分学習値
APが格納されているアドレスをインデックスレジスタX
に入れ、ステップS203以降において部分学習が同様に実
行される。即ち、ノッキング有りの場合は、部分学習値
APが遅角側に更新され、ノッキング無しの場合はMBT>I
GLの条件で一定時間t1毎に部分学習値APが進角側に更新
されるのであり、これらの部分学習値APの学習更新が学
習条件が成立している限り運転中常に行われる。これに
より、上述の全体学習値ATと部分学習値APとを加算した
学習補正量IGLは、各運転状態で実際のノッキング限界
に非常に近い値となる。
一方、上記全体学習値ATと部分学習値APとによる学習
補正量IGLは、ステップS110で進角限界MBTと比較され、
MBT≦IGLの場合はステップS111で進角限界MBTの値を用
いる。このとき進角限界MBTと基本点火時期IGBとにより
点火時期IGT0が算出される。またMBT>IGLの場合は、ス
テップS112により学習補正量IGLと基本点火時期IGBとに
より点火時期IGT0が算出される。次いで、ステップS115
でエンジン回転数Ne,吸入管圧力Pmのマップにより各運
転状態でのノックセンサ異常用点火時期IGT1が検索され
ており、ステップS116でノックセンサ26の状態がチェッ
クされる。そこで、ノックセンサ26の信号が所定レベル
より高く正常に振動検出している場合はステップS117に
進み、学習制御の点火時期IGT0が出力され、これにより
点火時期は学習制御により実際のノッキング限界に近接
して沿い、エンジン出力,燃費が向上することになる。
これに対し、ノックセンサ26の信号レベルが低下して
異常が生じると、ステップS118でノックセンサ異常用点
火時期IGT1が代って出力される。このノックセンサ異常
用点火時期IGT1は、各運転状態毎にマップで与えられる
ことで、ノックセンサ26の異常中はオープンループのフ
ェイルセーフ制御になる。また、ノックセンサ異常用点
火時期IGT1を基本点火時期IGBと同一の遅角側に設定す
ると、ノッキング制御無しと同一の下限の点火時期制御
となり、各運転状態において所定のエンジン出力を確保
する。また、ノックセンサ異常用点火時期IGT1の値によ
り運転状態および燃料がオクタン価の低いものに変わっ
てもノッキングは生じなくなる。
以上、本発明の実施例について述べたが、ノックセン
サ異常用点火時期として、直接基本点火時期を用いても
よい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、ノックセンサ
の異常を判断して、ノックセンサの異常時には、ノック
センサにより検出されるノッキング発生の有無に応じて
学習される学習値の学習補正による点火時期の設定を中
止する。そして、エンジン運転領域毎にオクタン価の低
いレギュラーガソリンのノッキング限界に基づいた点火
時期がメモりされているマップを、エンジン運転状態に
基づいて検索して点火時期を設定し、点火時期をオープ
ンループ制御するので、オクタン価の高いハイオクガソ
リン使用により進角側への点火時期学習が進んだ状態
で、ノックセンサが異常となり、ノックセンサ異常によ
るノッキング検出不能の状態下において、オクタン価の
低いレギュラーガソリンを補給する等により、エンジン
に供給されるガソリンのオクタン価が低下しても、ハイ
オクガソリン使用時に進角側に学習された学習値を用い
ることなく、エンジン運転状態毎に適応し且つオクタン
価の低いレギュラーガソリンのノッキング限界に基づい
た点火時期によりオープンループ制御され、これによ
り、エンジン運転全領域に亘りノッキングの発生を確実
に防止することができる。また、このとき、エンジン運
転状態に適応する点火時期が設定されるため、エンジン
全運転領域に亘り、過遅角が発生せず、エンジン出力や
燃費の悪化、及び排気ガス温度の異常上昇を防止するこ
とができる。従って、オクタン価の高いハイオクガソリ
ン使用により進角側への学習が進んだ状態でノックセン
サが異常となり、この状況下で、オクタン価の低いレギ
ュラーガソリンを補給する等により、エンジンに供給さ
れるガソリンのオクタン価が低下した場合に、エンジン
全運転領域に亘り、ノッキング発生の防止と、過遅角に
伴うエンジン出力や燃費の悪化を防止する事との両立を
図ることができ、点火時期制御の信頼性を著しく向上す
ることができる。
また、予めエンジン運転領域毎にオクタン価の低いレ
ギュラーガソリンのノッキング限界に基づいた点火時期
がメモりされているマップを与えておき、ノックセンサ
の異常時に、上記マップを検索して点火時期を設定する
ので、ノックセンサ異常時における点火時期の設定処理
が非常に簡素にして実現することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明の一実施例を示し、第1図は制御ユニッ
トの点火時期制御に係る機能構成を示すブロック図、第
2図は本発明が適用される車両用エンジンの概略構成
図、第3図は点火時期制御手順を示すフローチャート、
第4図は基本点火時期と進角限界及び学習補正量との関
係、並びに、点火時期の設定状態を示す説明図である。 1……エンジン本体、7……点火プラグ、26……ノック
センサ、30……制御ユニット、35……基本点火時期検索
手段、36……進角限界検索手段、37……領域判別手段、
38……点火時期算出手段、40……学習条件判別手段、41
……学習値更新手段、46……学習補正量算出手段、47…
…ノックセンサ異常判定手段、48……ノックセンサ異常
用点火時期設定手段、49……選択手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−224471(JP,A) 特開 昭63−243457(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノッキング発生の有無に応じて学習値を遅
    角,進角修正して学習を行い、エンジン運転状態に基づ
    いて設定した基本点火時期を上記学習値による学習補正
    量により補正して点火時期を設定するエンジンの点火時
    期学習制御方法において、 ノックセンサの異常を判断し、 ノックセンサの異常時には、上記学習値の学習補正によ
    る点火時期の設定を中止し、エンジン運転領域毎にオク
    タン価の低いレギュラーガソリンのノッキング限界に基
    づいた点火時期がメモりされているマップを、エンジン
    運転状態に基づき検索して点火時期を設定し、該点火時
    期をオープンループ制御することを特徴とするエンジン
    の点火時期学習制御方法。
JP1125138A 1989-05-18 1989-05-18 エンジンの点火時期学習制御方法 Expired - Fee Related JP3055688B2 (ja)

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