JP3055063B2 - 抗体精製法に有用なヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)ペプチド - Google Patents

抗体精製法に有用なヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)ペプチド

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は抗体精製技術に関する。さらに詳しくは、ポ
リクロナル抗ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)抗体
精製のための合成ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)
に関する。
従来の技術および解決すべき課題 種々の分析方法および手段が生体体液あるいは他の物
質中に存在し得る興味あるかつ臨床上重要な物質の存在
および/あるいは濃度の測定分析に利用されている。そ
のような物質は一般に分析物(analytes)と称され、抗
体、抗原、薬物、ホルモン等が含まれる。血清、血漿、
尿および脳脊髄液等生体体液中の特殊な分析物の検出
は、近年研究および臨床両分野において重要になってい
る。興味ある分析物の検出は種々の病的状況に関係し
得、従って、病気の診断および治療の効果を知るうえ
で、非常に有効である。分析物が抗原あるいは抗体の場
合には、これらの物質と特殊づける免疫学的反応性を利
用して検定が行なわれる。一般にこのような検定は総し
て免疫学的検定法と称される。
免疫学的検定法は、生物にとって病原性かあるいは異
質である抗原の存在に応答して抗体が生成されるとい
う、高等生物の免疫系の機構を利用するものである。特
定の抗原に応答して1個以上の抗体が生成され、それら
は該特定の抗原と反応して高特異性反応機構を創製する
もので、それによって、インビトロで生物学的検体中の
その抗原の存在およびその濃度の測定が行なわれる。
しかしながら、免疫学的検出法の測定結果は使用する
抗体の型と、特定の抗原に対するその抗体の特異性によ
って変化し得る。hCGの定量においては、使用される特
定の抗hCG抗体は、第2の糖蛋白抗原、たとえばヒト黄
体ホルモン(hLH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)あるいは
甲状腺刺激ホルモンと交叉反応する可能性があり、その
ため、検定の精度が低下する。たとえば、hCGを認識し
結合する抗体は一般にhCGと特異的に結合するというよ
りもLH,FSHおよびTSHとも結合するであろう。抗体精製
法は交叉反応を最小にするように工夫されている。この
ような従来法の代表例として、hCGの全分子を含有してI
gG分子の特異な部分を濃縮する第1アフィニティーカラ
ムと、LHまたはFSHを含みhCGと交叉反応する抗体を除く
ようにした第2アフィニティーカラムからなる2カラム
方式を使う方法がある。この従来法で得られるhCGポリ
クロナル抗体は、なお、著しい交叉反応性を有してい
る。さらに、この2カラム方式は時間がかかり、かつ高
価である。
hCGやhLHのような分析物の化学的分析によれば、これ
らのホルモンの交叉反応性は構造的に類似しているそれ
らのα−サブユニットに負うことが判明した。従って、
hLHと構造上比較的異なっているhCGのβ−サブユニット
(β−hCG)の分離、精製が試みられている。しかしな
がら、その分離法では依然不純物を含み、hCGとhLH両者
に共通のアミノ酸配列を含んでいる。
β−hCGのCOOH末端に位置するペプチド部はおよそ45
のアミノ酸から成る。この部分はhLHに対するhCGの顕著
な識別を可能にすることがわかっている(マツウラら、
Endocrinology、104:396,1979)。また、イワサらも、
抗hCG抗体調製に有用なβ−hCGのCOOH末端ペプチド(以
下、CTPと略す)の特異性を持つ部分を再生成する合成
ペプチド配列の製造について報告している(米国特許第
4,517,290号)。このβ−hCGのCTPのアミノ酸配列は45
のアミノ酸から成り、式; で表わされる[モルガンら,Mol.Cell.Bio Chem.2
(1),97−99(1973)]。イワサによって報告された
ポリクロナル抗体精製のための合成ペプチド配列は式; までの10から23までのアミノ酸残基のCTPフラグメント
あるいはアミノ酸配列から成る。
上記の文献いずれも抗体の交叉反応性を軽減するため
に23以上のアミノ酸残基のCTP配列を示唆していない。
課題を解決するための手段 特殊な合成アミノ酸配列が高特異性のある抗hCG抗体
の生成に有効に使われるということがわかり、本発明は
この知見に基づいてなされたものである。従って、本発
明はhCG分析物類似物を用いる抗hCG抗体の精製法を目的
とし、さらにはhCG分析物類似物の生成を目的とする。
この精製法は式; のペプチド配列を持つhCG分析物類似物を担体あるいは
支持体上に不溶化したアフィニティーカラムを使う。ま
たペプチド配列に同じ様にエピトープを持つ抗hCG抗体
は、特異的に抗hCG抗体を含有する体液から吸着され
る。
本発明の他の好ましいhCG分析物類似物は式; [式中、AsxがAsp、GlxがGlu] で示されるC末端ペプチドの変異体も含む。さらに本発
明の好ましいペプチド配列は、アフィニティーカラムで
の使用に際し支持体へのペプチドの固定を促進するため
に1つあるいはそれ以上の末端Lys残基を含有し得る。
たとえばhCG分析物類似物は式; [式中、AsxはAsp、GlxはGln] で示され、またそのペプチド配列は少なくとも1つの末
端Lys残基を含む。
本発明により生成される抗hCG抗体は、以下に詳述す
るように、検定に有効に使用される。
本発明はhCG分析物類似物を用いて抗hCG抗体の精製法
を提供することを目的とする。本発明の方法はモノクロ
ナル抗hCG抗体の特異性に匹敵する特異性を持つ精製ポ
リクロナル抗hCG抗体の生成を可能とする。本発明の方
法は、上記の従来の方法に比べて時間節約や低製造コス
トの点で非常に有利である。
ここで用いる語句を以下に説明する。
「抗原決定基」(determinants)とは、抗原と抗体の
免疫学的結合で象徴される特異的な結合反応に密接に関
与する分析物や他の特異的結合因子の部位である。すな
わち、本質的に抗原決定基は、免疫学的特異性に基づい
て、抗原を、従って抗体を他のものと区別する因子であ
る。
「分析物類似物」(analyte−analog)とは、実質的
に対照の分析物の1以上の抗原決定基と同じ空間的極性
的機構を有する分子である。この抗原決定基の複製は、
分析物類似物が分析物の特異的結合特性を模倣するのを
可能にする。従って、分析物類似物は分析物の特異的結
合因子に結合できる。さらに分析物類似物は、分析物と
同一でないが、分析物の特異的結合因子に結合するのに
必要な抗原決定基を含むよう改変され得る。
「特異的結合因子」(specific binding member)と
は、特異的結合ペアーの一員、すなわち、1つの分子が
化学的あるいは物理的手段によりもう1つの分子に結合
する2つの異なった分子のうちの一方である。免疫学的
特異的結合因子には、抗原、ハプテン、抗体およびそれ
らのDNA組換え法やペプチド合成により形成された複合
体が含まれる。抗体はモノクロナルあるいはポリクロナ
ル抗体、組換え蛋白あるいはその混合物やフラグメン
ト、さらに抗体と他の特異的結合因子との混合物であ
る。このような抗体の調製およびそれらの特異的結合因
子としての適合性はこの分野で公知である。
「標識」とは、特異的結合因子に結合し、可視的にあ
るいは機器による手段によって検出可能な信号を生成す
ることのできる物質である。本発明に使用される種々の
好ましい標識は色素源、触媒、蛍光物質、化学ルミネッ
センス化合物、放射性標識、コロイド状金属あるいは非
金属粒子などの直接可視標識、染色粒子、酵素あるいは
基質、有機重合体粒子、リポソームあるいは信号生成物
質を含有した小胞体等である。
標識として好ましく使用される多くの酵素が米国特許
第,275,149号、カラム19−23に報告されている。また、
本発明に有用な酵素/基質信号生成システムの一例は、
アルカリホスファターゼと基質のニトロブルーテトラゾ
リウム−5−ブロモ−4−クロロ−3−インドールリン
酸塩あるいはその誘導体あるいはその類似物である。
もう1つの信号生成システムでは、標識は蛍光物質
で、この場合は測定可能な信号を生成するために標識の
酵素処理は必要としない。この反応では標識としてフル
オレセイン、フィコビリン蛋白、ローダミンおよびそれ
らの誘導体や類似物が好ましい。
可視的に測定可能な着色した粒子が指示試薬の標識成
分として使用され、それによりさらに標識生成試薬の必
要もなくて、検体中の分析物の存在および濃度を測定し
得る直接的着色指標が提供される。着色粒子して使用で
きる物質には、米国特許第4,313,734号および第4,373,9
32号に記載の金などの金属コロイドや染料粒子が挙げら
れる。コロイド状セレン粒子などの非金属コロイドの調
製、使用は1987年7月9日に出願された米国特許出願第
072084号に記載されている。免疫クロマトグラフィーに
おけるコロイド状粒子標識の使用は、1987年7月13日出
願の米国特許出願第072459号に記載されている。有機重
合体ラテックス粒子の使用は1988年9月23日出願の米国
特許出願第248858号に記載されている。
「指示薬」とは特異的結合因子に結合している標識を
意味する。指示薬は検体中の分析物の量に相関したレベ
ルで測定可能信号を生成する。一般に指示薬は固相に捕
獲されたあと検出、測定されるが、非結合指示薬も測定
されて、分析結果に現れてくることもある。
指示薬の特異的結合因子は、サンドイッチ検定法にお
ける分析物に結合するか、競合法におけるように捕獲試
薬に結合するか、あるいは間接検定法におけるように副
特異的結合因子と結合することができる。上記のごと
く、標識は指示薬が検体中の分析物の量に相関して測定
可能信号を生成するのを可能にする。指示薬の特異的結
合成分は、標識が分析物や副特異的結合因子やあるいは
捕獲試薬に間接的に結合するのを可能にする。粒子標識
の選択は重大ではないが、しかし、標識は着色有機重合
体ラテックス粒子によって生じた可視的測定可能信号の
ような、それ自体によって測定可能信号を発生させるこ
ともできるし、あるいは酵素/基質信号生成システムの
ように、1つあるいはそれ以上の付加信号生成成分と結
合することにより測定可能信号を発生させることができ
る。種々の異なった指示薬が標識や特異的結合因子を変
えることによって得られる。これらの選択は検出すべき
分析物や検出方法を考慮してなされるということは、こ
の分野で明白である。
「捕獲試薬」(capture reagent)とは、一般に、し
かし、すべての場合ではないが、固相に付着した非標識
特異的結合因子である。成分の付着は本質的には不可逆
性で共有結合機構を含む。捕獲試薬は実質的に分析物お
よび/あるいは指示薬を他の分析試薬や残りの検体と分
離することにより、測定可能信号の観察を助長するため
に使用される。捕獲試薬の特異的結合因子はサンドイッ
チ検定法におけるように分析物に特異的であるが、また
は競合法におけるように指示薬あるいは分析物に特異的
であり、あるいは間接検定法におけるようにそれ自体分
析的に特異性を示す副特異的結合因子に特異性である。
「副特異的結合因子」(ancillary specific binding
member)とは、捕獲試薬や指示薬の特異的結合因子に
加えてさらに検定に使用される特異的結合ペアの一員で
ある。たとえば間接検定法において副特異的結合因子は
分析物自体が付着できない第2の特異的結合因子と同様
分析物を結合し、あるいは競合法では副特異的結合因子
は下記の如く参照結合因子かもしれない。1つあるいは
それ以上の副特異的結合因子が1つの検定に使用され得
る。
「固相」(solid phase)とは、不溶性であるかまた
はのちの反応によって不溶化され得る物質である。本発
明の検定法は多くの形態があり、そのいくつかは固相の
物質の選択に依存する。たとえば固相は適当な多孔性物
質を含む。多孔性とは、液体が流れたり容易に通過でき
る性質である。本発明では固相は1つ以上の検出試薬を
含有する1つあるいはそれ以上の層を有する流下式検定
器具(pour and flow−through assay device)に用い
られるガラス繊維、セルロース、あるいはナイロンパッ
ド、浸漬読み取り検定法(dip and read assay)で用い
られるディップスティック、吸上法(wicking)用の試
験片(紙等)あるいは薄層クロマトグラフィー用の試験
片(ニトロセルロース等)、あるいはこの分野で公知の
多孔性物質を含む。しかしながら、固相は多孔性物質に
限定されない。固相は重合体あるいはガラスビーズ、マ
イクロパーティクル、チューブ、シート、プレート、ス
ライド、小孔、テープ、試験管など、あるいは固有の充
填物を有する物質または充填物を保持することのできる
他のいかなる物質をも含む。
本発明の説明に使用する略語は以下の通りである。
略語 アミノ酸 Ala アラニン Alg アルギニン Asn アスパラギン Asp アスパラギン酸(アスパラギン酸塩) Asx アスパラギン酸あるいはアスパラギン Cys システイン Gln グルタミン Glu グルタミン酸(グルタミン酸塩) Glx グルタミンあるいはグルタミン酸 Gly グリシン His ヒスチジン Ile イソロイシン Leu ロイシン Lys リシン Met メチオニン Phe フェニルアラニン Pro プロリン Ser セリン Thr スレオニン Trp トリプトファン Tyr チロシン Val バリン Xaa 未知あるいはその他 一般的方法と材料 合成ペプチド 本発明は抗hCG抗体の精製のための化学的に合成され
たCTPフラグメントつまり分析物類似物を含む。好まし
い態様においてそのようなフラグメントは式; のアミノ酸配列から成る。この配列はモルガンらによっ
て報告された。[Mol.Cell.Biochem.2(1),97−99(1
973)]。本発明の合成フラグメントにおいて112位から
122位のペプチド部分の含有は少なくとも1個あるいは
3個の、該hCG分析物類似物を他の糖蛋白や他のCTPペプ
チド配列と有効に区別せしめる付加的抗原決定基を提供
することがわかった。さらに好ましい態様においては、
本発明の分析物類似物は配列の両末端において1個ある
いはそれ以上のLys残基を含有する。Lys残基の付加はカ
ラムクロマトグラフィーの際にペプチドの不溶化を助長
する。たとえばこの発明によれば、CTP112−145分析物
類似物を含有するペプチド配列は5個の付加リシン残基
を有するように合成され、抗hCG抗体の精製のためのア
フィニティーカラムを形成するため樹脂支持体に結合さ
せられた。CTP分析物類似物のCOOH末端へのポリリシン
ユニットの付加はアフィニティーカラムにおいて、アフ
ィーゲル10(Affigel−10)のような支持体への分析物
類似物の結合を、抗体作用に悪影響与えることなく、助
けることがわかった(72−78%結合能)。
さらにもう1つの態様においては、本発明で提供され
た分析物類似物は式; のように変化されたCTP配列の変異体である。そのよう
な配列はバールらによって報告されている[Biochemica
l and Biophysical Research Communications,48
(2),416−422(1972)]。このCTP変異体は120位か
らSerアミノ酸残基1つが除かれ138位のSepがProに置き
換わりさらにペプチド配列に−Ser−Leu−Pro基が加わ
った点で上記の第一の態様と異なっている。さらに好ま
しい態様においは、AsxがAsp、GlxがGlnであり、分析物
類似物はペプチド配列のどちらの末端にもさらに1ある
いはそれ以上のLys残基の付加を含有する。
ペプチド合成あるいは他の化学的方法によるペプチド
配列抗原決定基の合成は本発明が実施される唯一の方法
ではない。個々の実施者にとってその技術の程度、利用
出来る材料、そして複製すべき抗原決定基の型によって
他の方法がさらに有効だということもある。例えば、DN
A組換え技術が結合に必要な抗原決定基を改造すること
に利用され得る。
一方、必要な分析物類似物抗原決定基は分析物を小片
やフラグメントに細断(mincing)したり消化(digesti
ng)することにより生成され得る。そのようなフラグメ
ントは例えば音波破砕のような機械的方法、化学的方法
あるいは酵素を用いた方法により製造される。結果とし
て生じたフラグメントとなった分析物物質は抗原決定基
が付着できる適当な抗体が固定化されているアフィニテ
ィークロマトグラフィーカラムを通過させ得る。そのあ
と分析物類似物はカラムから適当な溶媒により溶出され
得る。
抗体精製 抗体はやぎに免疫原に対する応答を誘発させて生成さ
れる。免疫原はこの分野で公知の方法により一連の接種
により動物に投与された。ここで述べる実験ではやぎが
免疫動物として使用されたがインビトロ、インビボ、い
ずれにおいても免疫原に対して抗体を生成可能な動物が
使用できる。抗hCG抗体は免疫原としてhCG全分子を使用
したり、または免疫原として合成β−サブユニットある
いは本発明のC末端ペプチド配列などのhCG分析物類似
物を使用して誘発される。
hCG分子のβ−サブユニットに対して生じた抗体をCTP
ペプチドあるいは本発明のCTP変異体が固定化されてい
るアフィニティーカラムに通した。カラムを洗浄後、CT
P抗原決定基に特異性の抗体をカラムから溶出した。本
発明に従って生成されたこれらのポリクロナル抗体はhL
Hに対して無視できる程の交差反応性を有していること
が判明し、従来の生成抗体に比べてhCG全分子の検出に
異種サンドイッチ免疫学的検出法などの免疫学的検出法
において有効に使用され得る。使用にあたっては結果と
して生じた精製抗体は免疫学的検出法においては指示試
薬および捕捉試薬を生成するために適当な機能的部分例
えば標識あるいは固相などに結合され得る。正確な使用
条件は個々の検出法の型およびその独自の要求条件に基
づき日常作業者により決定されるだろう。
本発明の好ましいCTP変異体の使用は、hCG類似物のβ
−サブユニットを認識するがhLHとは反応しない高特異
的ポリクロナル抗体の精製のために、簡単に再生可能な
1工程のアフィニティーカラムクロマトグラフィー操作
の生成を可能にしそれによってそのような抗体が使用さ
れる検出法の特異性を強化することが判明した。さらに
本発明のCTP変異体を用いて精製されたポリクロナル抗
体はCTPペプチドを使用する場合に比べ検出感度を増加
させることが判明している。
本発明の他の利点は、分析物類似物を用いてペプチド
アフィニティーカラムが容易に調製されること、また従
来の方法に比べてそのようなカラムを用いて容易に特異
性抗体が生成されることである。こうして先行文献にあ
るような2本のhCGの全分子のアフィニティーカラムとh
LHのアフィニティーカラムの必要がないアフィニティー
カラムが本発明により製造され得、またそのカラムはhL
Hに対して実質的に交差反応性を示さない抗体溶液を生
成することが判明している。さらにこの方法は迅速で信
頼でき再生可能で製造経費は低い。また本発明により精
製されたポリクロナル抗体は従来使用されているモノク
ロナル抗hCG抗体に観察される特異性に近い特異性を有
することが判明している。この驚くべき結果はCTPに存
在する限定された数のエピトープに帰する(ビダルト
ら,J.Immuno.134:457,1985)。
本発明により提供される分析物類似物はまた分析物類
似物抗原決定基に特異性の抗体を誘発するための免疫原
を生成するために使用され得る。このような免疫原は分
析物類似物を担体蛋白例えばヘモグロビンあるいは牛血
清アルブミン(BSA)などに結合させることにより生成
される。例えばそのような免疫原にはhCGのβ−サブユ
ニットに結合した担体蛋白およびCTP配列あるいはその
一部や変異体に結合した担体蛋白がある。ペプチドと担
体はカルバミン酸塩、アミド、アミノ、チオエーテルお
よびエーテルなどの連結基により連結している。
本発明の好ましい態様は下記の実験例により詳細に説
明するがそれに限定されるものではない。
実施例 実施例1 ヘルペスペプチドの合成 ヘルペスペプチド分析物類似物は本発明により生成さ
れ、下記のように1108−1140位塩基対の間の部分に暗号
化された単純ヘルペスウイルスI型糖蛋白D(HSIGD)
の290−300位アミノ酸に対応している[ワトソンら,Sci
ence,218:381−384(1982)]。その分析物類似物のペ
プチド配列は式; Gln−Pro−Glu−Leu−Ala−Pro−Glu−A sp−Pro−Glu−Asp−Gly で示される。アミノ酸グリシンはペプチドのC末端で連
結されており、ペプチドと樹脂支持体の間の連結基とし
て作用する。
Boc−Gly−OCH2−Pam−樹脂はミッチェルらの報告し
た下記の方法により合成された[J.Org.Chem.,43:2845
−3852(1978)およびJ.Am.Chem.Soc.,98:7357−7362
(1976)]。2.36gのアミノメチル樹脂(0.25mM/g)を
反応器に入れ塩化メチレン中で30分間静かに膨潤させ
た。その後0.89mMのジクロロヘキシルカルボジイミド
(DCC)を添加して塩化メチレン中で0.89mMのBoc−Gly
−OCH2C6H4CH2CO2Hと結合させた。
保護されたアミノ酸は、アスパラギン酸とグルタミン
の場合を除いて、既存の対称無水物法により段階的に樹
脂支持体に結合させた。すべての末端アミノ残基はt−
ブトキシカルボニール(t−BOC)により保護され、種
種のアミノ酸残基の側鎖はAspはサイクロヘキシル基(O
Chxl)で、Gluはベンジル基(OBzl)で保護された。ア
ミノ酸Glu,Pro,LeuおよびAlaには下記の結合実験プロト
コールが用いられた。
1. 塩化メチレンを添加し、1分間振盪させたのち濾過
した。(この工程は6回繰り返した。) 2. 50%トリフルオロ酢酸(TFA)の塩化メチレン溶液
を添加し1分間振盪させたのち濾過した。
3. 50%トリフルオロ酢酸の塩化メチレン溶液を添加し
20分間振盪させたのち濾過した。
4. 塩化メチレンを添加し、1分間振盪させたのち濾過
した。(この工程は6回繰り返した。) 5. 5%ジエチルチミン(DIEA)の塩化メチレン溶液を
添加し2分間振盪させたのち濾過した。(この工程は2
回繰り返した。) 6. 塩化メチレンを添加し、1分間振盪させたのち濾過
した。(この工程は3回繰り返した。) 7. 8当量の保護アミノ酸を塩化メチレンに溶解し、0
℃に冷却した。この溶液に4当量のN−N−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(DCC)の塩化メチレン溶液を添
加した。0℃で10分間撹拌した後、溶液を濾過した。最
終濃度が0.05モルから0.1モルになるようにこの対称無
水物を樹脂が入った反応器に加えた。この反応器を室温
で2時間振盪したのち反応液を濾過した。
8. 塩化メチレンを添加し、1分間振盪させたのち濾過
する。(この工程は3回繰り返した。) 9. 5%ジエチルアミン(DIEA)の塩化メチレン溶液を
添加し2分間振盪させたのち濾過した。
10. 塩化メチレンを添加し、1分間振盪させたのち濾
過した。(この工程は3回繰り返した。) 11. 工程7を繰り返し、4当量の1−ハイドロオキシ
ベンゾトリアゾール(HOBT)をジメチルホルムアミド
(DMF)に溶解し0℃に冷却した。この溶液に4当量のD
CCの塩化メチレン溶液を添加し次いで4当量の保護アミ
ノ酸のDMF:塩化メチレン=1:1混液溶液を添加した。こ
の反応混合液を0℃で10分間撹拌した。次に反応混合液
を樹脂を含んだ反応器に移し室温で2時間振盪した。
12. DMF:塩化メチレン=1:1混液を添加し、1分間振盪
させたのち濾過する。(この工程は3回繰り返した。) 13. 塩化メチレンを添加し、1分間振盪させたのち濾
過した。(この工程は3回繰り返した。) 反応の終了はサリンらの報告した定量ニンヒドリン試
験により監視した[Analytical Biochemistry,17:147−
157(1981)]。
保護アミノ酸Aspの場合は工程1から6までは上記と
同じでその後下記の工程を続けた。
7. 4当量の保護アミノ酸の塩化メチレン溶液を4当量
のDCCの塩化メチレン溶液と反応器に加え、室温で24〜7
2時間振盪した。
8. 塩化メチレンを添加し、1分間振盪させたのち濾過
する。(この工程は6回繰り返した。)反応の終了は定
量ニンヒドリン分析により監視した。
グルタミンの場合はコニックとガイガーが報告したDC
C/HOBT結合実験プロトコールを用いた[Chem.Ber.,103:
788−798(1970)]。
完全保護ペプチド−樹脂を塩化メチレン中で5分間静
かに膨潤させ下記のプロトコールを用いてN−α−BOC
保護基を除いた。
1. 塩化メチレンを添加し、1分間振盪させたのち濾過
した。(この工程は6回繰り返した。) 2. 50%TFAの塩化メチレン溶液を加え1分間振盪させ
たのち濾過した。
3. 50%TFAの塩化メチレン溶液を加え20分間振盪させ
たのち濾過した。
4. 塩化メチレンを添加し、1分間振盪させたのち濾過
した。(この工程は6回繰り返した。) 5. 5%DIEAの塩化メチレン溶液を加え3分間振盪させ
たのち濾過した。
6. 塩化メチレンを添加し、1分間振盪させたのち濾過
した。(この工程は4回繰り返した。) 7. 樹脂を乾燥した。
ペプチド−樹脂は2個の分離した反応器に分けあらか
じめ1.5mlのp−クレゾールを添加した13.5mlの無水フ
ッ化水素酸で0℃で60分間処理した。フッ化水素酸は0
℃で真空留去する。分離した遊離ペプチドと樹脂は各10
mlのジエチルエーテルで4回洗った。ペプチドは10%お
よび20%の酢酸水溶液でおのおの3回抽出した。抽出し
た水溶液を集め各10mlのジエチルエーテルと酢酸エチル
で3回ずつ洗浄した。水層を凍結乾燥しふわふわした白
いペプチドを得た。ポリペプチドは逆相高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)によりリビエルらの報告した常法
により精製した[Journal of Chromatograhpy,288;303
−328(1984)]。精製ペプチドの組成は110℃で24時間
真空加水分解したあとアミノ酸分析機により確認した。
実施例2 β−hCGのC末端ペプチドの合成 β−hCGのCTPの112−145位に対応して下記のようにhC
G分析物類似物を本発明に従って生成した。ペプチド配
列は式; で示される。
分析物類似物をカルボン酸残基から段階固相合成法に
より樹脂支持体上で合成した。実質的にはこの合成には
バラニーやメリーフィールドが報告した方法と(The Pe
ptides,:1984),グロスやマインホッファーが報告し
た方法[J.eds,Academic Press,New York,N.Y.(198
0)]を使用した。BOCーLーGlnーOCH2−樹脂を反応
器、ベックマンシンセサイザー(Beckman synthesize
r)モデル900に移した。保護アミノ酸を実質的に実施例
1に述べた方法に従い樹脂支持体に段階法により結合し
た。128、134位のアミノ酸Leuを結合反応の終了を確実
にするため二重に結合させた。126位のProを取り込んだ
あと、すべての残りのアミノ酸を二重に結合させた。
完全なペプチドは実施例1で述べたプロトコールを用
いて無水フッ化水素酸により完全保護ペプチド−樹脂か
ら分離された。粗ペプチドはC4カラム(10mmX25cm)で
逆相HPLCにより精製された[流速:3ml/分,溶媒系:0.1
%TFA/H2O(A)と100%アセトニトリル(B)の勾配溶
出]。使用した勾配は10%Bから35%Bまで30分間を要
して行った。HPLCカラムからのポリペプチド溶出液は22
5nmと280nmの吸光度により監視した。精製ペプチドの組
成は実施例1の方法で確認した。
実施例3 β−hCGポリリシンC末端ペプチドの合成 C末端に付着した5個の付加リシン残基(ポリリシン
CTPと略す)も含めたポリリシン分析物類似物を下記の
工程により本発明により生成した。付加リシンは抗hCG
抗体の精製のためのアフィニティーカラムにおける使用
においてペプチド免疫吸着剤の生成を促進した。付加ア
ミノ酸はたとえば式; のようなペプチド配列のいずれかの末端に付加され得
る。
ペプチドはアプライドバイオシステムシンセサイザー
(Applied Biosystems synthesizer)モデル430Aで合成
された点を除いて上記と同様に、集められ、分離され、
精製された。Boc−L−Lys(2 Cl−Z)−OCH2−Pam−
樹脂を反応器に移し、保護アミノ酸を対称無水物法によ
り段階的に樹脂支持体に結合した(DCC/HOBT結合実験プ
ロトコールを使用したときのアルギニン、グルタミン添
加の場合は除く)。完全保護ペプチド−樹脂は無水フッ
化水素酸で処理し次いで上記のようにペプチドの抽出精
製を行った。
実施例4 ポリリシンCTP変異体の合成 式; (式中AsxはAsp、GlxがGln、および配列の末端に5個の
付加リシン残基を含む)の配列を有するポリリシンCTP
変異体分析物類似物を本発明により合成した。ペプチド
をアミノ酸の側鎖官能基がLysを2−Cl−Z;SerをBzl;As
pをOBzl;Argをtosyl(TOS);ThrをBzlの結合反応で保護
されている点を除いて実質的には実施例3の工程と同じ
ように、集め、分離し、精製した。112,123,124,127,13
3,135,136,141,142および146位のアミノ酸を対称無水物
法を用いて塩化メチレン中で実質的には実施例1のおな
じように再結合した。
完全保護ペプチド−樹脂を無水フッ化水素酸で処理し
次いでさらに40%酢酸水溶液で抽出すること以外は実質
的には実施例1の工程に従いペプチドの抽出を行った。
粗ペプチドはC4カラム(Vydac 22mmX25cm、The Separat
ion Group,Hesperia,CA)で逆相HPLCにより実質的に実
施例1の工程により精製された[流速:12ml/分,溶媒
系:0.1%TFA/H2O(A)と100%アセトニトリル(B)の
勾配溶出]。勾配は19%Bで始まり3分間保ち次にウォ
ーターの自動勾配コントローラー(Water's Millipore
Corporation,Bedford,MA)の曲線7番を用いて40%Bま
で20分間を要して変化させた。勾配は40%Bを1分間保
持し次いで1分間を要して19%Bまで戻した。HPLCカラ
ムからのポリペプチド溶出液は同時に225nmと254nmの吸
光度により監視した。精製ペプチドの組成は実施例1の
方法で確認した。
実施例5 CTP:ヘモシアニン免疫原 実施例2の工程により実質的に生成されたCTPをヘモ
シアニン(リムルス・ポリフェムス・ヘモリンフVIII型
起源、シグマ社製)に1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド(EDC)法により結合
した。1mgのCTPをリン酸緩衝生理食塩水1.0mlに溶解し
た。2.0mgのヘモシアニンを秤量しCTP溶液に移した。20
mgのEDCを計り水200μlに溶解した。EDC溶液をゆっく
りと撹拌下CTPヘモシアニン溶液に加えた。混合液は1
時間反応させそれからセルロース透析膜(Spectra/por,
スペクトラム・メディカル・インダストリーズ・イン
ク、ロスアンゼルス、カルフォルニア;分子量12,000−
14,000)を用いて水に対し透析した。透析は透析外液を
3回変えて24時間行った。透析後、遠心分離により溶液
を透明にした。結果として生じた接合体をビュウレット
法での蛋白含量測定で検定した。
実施例6 抗hCG抗体精製 抗体精製用のアフィニティーカラムを下記の工程によ
り本発明の分析物類似物を用いて作った。実質的には実
施例4に記載の工程により製造された本発明のHPLCによ
る精製ポリリシンCTP変異体ペプチドを0.1M 3−(N−
モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)緩衝液、pH
7.5に溶解した。その溶液をあらかじめ洗浄し0.1M MOP
S,pH7.5中で活性化しておいたアフィーゲル10樹脂(Aff
igel−10、バイオラッド社製)のスラリーと結合した。
ペプチド(mg)とアフィーゲル10(ml)の割合は約7:1
だった。2〜8℃で一晩結合反応させた後、樹脂と結合
したペプチドを0.1M MOPS、pH7.5で3回洗浄し0.1Mトリ
ス−(ハイドロオキシ−メチル)−アミノエタン(pH7.
5)、0.5M塩化ナトリウム、0.1%窒化ナトリウム含有の
トリス緩衝生理食塩液中で平衡させ、280nmの初期吸光
度(A280)を測定した。
やぎに生じたhCGのβ−サブユニットに対する抗血清
を2〜8℃で硫酸アンモニウムで沈澱させた。沈澱した
抗体を遠心分離で集めその沈澱をトリス緩衝生理食塩液
に再懸濁させた。再懸濁した抗体を2〜8℃でトリス緩
衝生理食塩液に徹底的に透析し、−15℃で凍結保存し
た。
抗体のカラムクロマトグラフィーによる精製工程は室
温で行った。凍結抗体は解凍し自然に室温に戻した。抗
体は1.5ml/分の流速でアフィニティーカラムに通した。
非結合物質をトリス緩衝生理食塩液で洗浄液の初期A280
値が基準値に戻るまで洗浄して除いた。結合抗体を0.1M
グリシン塩酸緩衝液、pH2.5で1.5ml/分の流速で溶出さ
せた。抗体を含んだ分画を集め直ちに0.5Mトリスで中和
した。中和した抗体溶液は0.15M塩化ナトリウム含有の
0.02Mリン酸ナトリウム、pH7.2に2〜8℃で徹底的に透
析した。透析後の抗体溶液は約10mg/mlまで濃縮し、−1
5℃で凍結保存した。
精製抗体の比較 CTPペプチド精製抗体と実質的に実施例6に記載の工
程により生成されたCTP変異体精製抗体の当量蛋白量を
本発明の原理を用いる抗体生成を実施するために用い
た。上記を完成するために、CTPペプチド抗体およびCTP
変異体抗体を下記のように異種サンドイッチ免疫学的検
定法において2個の異なる抗体/酵素指示薬を作るため
にアルカリホスファターゼと結合させた。
アルカリホスファターゼの酸化は25mM過ヨウ素酸ナト
リウム、0.2mM酢酸ナトリウム、および0.2Mリン酸ナト
リウム混合液、pH4.5中で暗所、室温下3時間行った。
酸化はグリセロールを添加して終了させ、生成物は100m
M塩化ナトリウム、1mM塩化マグネシウム、および1mM塩
化亜鉛含有の10mM酢酸ナトリウム、pH4.5に1晩透析し
た。透析したアルカリホスファターゼを最終抗体濃度が
1.5から2.0mg/mlになるように各精製抗体と1:1の割合で
結合させた。溶液のpHを炭酸水素ナトリウムを添加して
pH9.5まで上げ、その溶液を暗所室温下で5時間静かに
インキュベイトした。各指示薬を2〜8℃にして水素化
ホウ素ナトリウムを添加して3時間還元した。還元した
指示薬は1晩2〜8℃で0.1mM塩化マグネシウム、0.1mM
塩化亜鉛および0.1%(w/v)窒化ナトリウム含有の50mM
トリス塩酸緩衝液、pH7.5に透析した。
生じた指示薬をアボットIMxTM自動微粒子酵素免疫学
的検定システム(アボット・インダストリーズ社製)を
用いてhCGサンドイッチ免疫学的検定において使用され
る当量の信号を生成するために滴定した。捕獲試薬は微
粒子上に、0.5mM塩化ナトリウム、0.1%窒化ナトリム
ウ、および13.6%ショ糖含有の50mMトリス塩酸緩衝液、
pH7.5中で被膜されたモノクロナル抗β−hCG抗体であっ
た。検体(50μl)と捕獲試薬(50μl)および1種の
指示薬(50μl)[溶媒:0.5M塩化ナトリウム、2.25%
(w/v)魚ゼラチン、1%(w/v)Brij−35、1.0mM塩化
マグネシウム、0.1mM塩化亜鉛、0.1%(w/v)窒化ナト
リウムおよび正常ヒト血清:正常やぎ血清=75:25(v/
v)混合液(10μl)含有の50mMトリス塩酸緩衝液、pH
7.4]、および希釈剤(0.3M塩化ナトリウムおよび0.1%
窒化ナトリウム含有の0.05Mトリス塩酸緩衝液、pH7.5)
(10μl)と混合した。反応混合液は反応小孔に分配し
5分間インキュベイトした。反応混合液の一部(110μ
l)を微粒子の結合するガラス繊維マトリックスに移
し、マトリックスを希釈剤で洗浄した。蛍光基質の4−
メチルウンベリフェロルホスフェイト(65μl)をマト
リックスに添加して検体を蛍光分析機で読み取る。マト
リックスの表面から発光する蛍光度は検体中の分析物の
濃度に直接的に比例している。
正常子牛血清マトリックスにおいて既知量のhCGを含
有しているキャリブレーターを測定しそれを各指示薬の
標準曲線を計算するために使用した。計算結果は表1に
示した。1/2000力価の指示薬を特異的結合因子としてCT
P変異体抗体含有の試薬として用いた。1/1000力価の指
示薬を特異的結合因子としてCTPペプチド抗体含有の試
薬として用いた。CTP変異体抗体から生成された指示薬
はhCG濃度が0μIU/mlでより低いバックグラウンドを作
ることによってより高い信号/雑音(S/N)比率を示す
ことが表1から判明した。カウント/秒/秒(c/s/s)
比率はフィオーレらの報告した酵素/基質反応により生
じた蛍光発光の強さの測定値であ。[Clinical Chemist
ry,34(9);1726−1732,1988]。S/Nは0値キャリブレ
ーターの測定値で割った各検体の測定値として定義され
る。
一群の対照群も測定し、キャリブレーターにより作成
された標準曲線から得られた結果を表2に示す。対照は
hCGを約25,150,および750mIU/ml含有していた。結果は
本発明により精製された抗体から製造した2個の異なっ
た指示薬が当量の信号を生成すること、および信号を生
成するために必要なCTP変異体を含有した指示薬の濃度
はかなりの低濃度(2分の1の濃度)でいいことも示し
ている。
検定結果は本発明により製造された好ましい抗体すな
わちCTP変異体を用いて精製された抗体から作った指示
薬は検定感度をhCGの0mIU/ml濃度において95%信頼限界
まで増加させたことを示している。
さらにhLH交叉反応性は既知hLH検体を用いた同じ検査
を行うこと、および結果として生じるhCG値の測定する
ことによって決定される。hLH交叉反応性は表3に示す
ように指示薬にCTP変異体を用いた場合に3倍から8倍
低いことが判った。
本発明の方法は分析物類似物の製造およびhCG以外の
分析物の抗体の精製に等しく適用できることは同業者に
は明白であろう。従って、上記の好ましい態様および提
示した他の態様は例示したものでそれに限定されるもの
ではない。つまり本発明の記載事項は記載の特別の態様
に限定されるものではなく上記の本発明の請求範囲内の
すべての同等物および目的主題を包含する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−6363(JP,A) 特開 昭57−81447(JP,A) 特開 昭60−70359(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)支持体上に固定化した式: で示されるペプチド配列を有するhCG分析物類似物を、
    抗hCG抗体含有体液と接触させて、該ペプチド配列に特
    異性の抗hCG抗体を吸着させ、ついで (b)特異的に吸着された該抗hCG抗体を溶出させるこ
    とを特徴とする抗hCG抗体精製方法。
  2. 【請求項2】該ペプチド配列において、AsxがAspで、Gl
    xがGlnである請求項第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】該ペプチド配列が、さらに少なくとも1つ
    の末端Lys残基を含有する請求項第1項あるいは第2項
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】該ペプチド配列が式: を有する請求項第1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】該ペプチド配列が式: を有する請求項第1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】式: [式中、AsxはAsp、GlxはGlnである] で示されるペプチド配列を有し、さらに少なくとも1つ
    の末端Lys残基を有するhCG分析物類似物ペプチド。
  7. 【請求項7】式: で示される配列を有する請求項第6項に記載のペプチ
    ド。
  8. 【請求項8】式: で示される配列を有する請求項第6項に記載のペプチ
    ド。
  9. 【請求項9】式: で示される配列を有するhCG分析物類似物ペプチドが支
    持体上に固定されていることを特徴とする抗hCG抗体精
    製用アフィニティーカラム。
  10. 【請求項10】該ペプチド配列が、それを支持体に結合
    させるために、さらに少なくとも1つの末端Lys残基を
    含んでいる請求項第9項に記載のアフィニティーカラ
    ム。
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