JP3054713B2 - 有機固体電解質 - Google Patents

有機固体電解質

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JP3054713B2
JP3054713B2 JP2078531A JP7853190A JP3054713B2 JP 3054713 B2 JP3054713 B2 JP 3054713B2 JP 2078531 A JP2078531 A JP 2078531A JP 7853190 A JP7853190 A JP 7853190A JP 3054713 B2 JP3054713 B2 JP 3054713B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有機固体電解質に係わり、特に帯電防止材料
や電池及び他の電気化学デバイス用材料として好適な有
機固体電解質に関するものである。
〔従来の技術〕
固体電解質を帯電防止用材料や電池をはじめとする電
気化学的デバイスに応用していくためには良好なイオン
伝導性を持つのみならず、製膜製に優れていること、保
存安定性が良好であること、材料の製造が容易であるこ
とも必要である。しかしながら、このような必要性能を
すべて満足する固体電解質はこれまで開発されていなか
った。
たとえば、Na−β−Al2O3やNa1+xZr2P3-xSixO12(0
≦X≦3)のような有機固体電解質は良好なイオン伝導
性を有することが知られている(エム・エス・ウィッチ
ンガム(M.S.Whittingham)、ジャーナル・オブ・ケミ
カル・フイジックス(Journal of Chemical Phisics),
54巻,414頁(1971年)、エイ・クリアフィールド(A.Cl
earfield)ら、ソリッド・ステート・イオニクス(Soli
d State Ionics)9/10巻,895頁(1983年))が、機械的
強度が著しく弱く、可撓性膜への加工性に劣るという致
命的欠点を持っている。
ポリエチレンオキシド(以下PEOと略す)は種々の周
期律表Ia族又はIIa族に属する金属イオンの塩、たとえ
ばLiCF3SO3、LiI、LiClO4、NaI、NaCF3SO3、KCF3SO3
どと固体電解質として機能するコンプレックスを形成
し、比較的良好なイオン伝導性を示し(たとえばピー・
バーシスタ(P.Vashista)らによってファスト・イオン
・トランスポート・イン・ソリッド(Fast Ion Transpo
rt in Solid),131頁(1979年)に報告されている)、
また高分子特有の粘弾性、柔軟性を具備しでおり、加工
性も良好であるとともに保存安定性も良好である。しか
しながらPEOのイオン伝導性は温度依存性が大きく、60
℃以上では良好なイオン伝導性を示すものの室温付近に
なるとイオン伝導性が著しく悪化してしまい、広い温度
領域でも使用できるような汎用性のある商品に組み込む
ことは困難であった。
そこで、このPEOの有する欠点を解決すべく、PEO修飾
ポリマーが種々提案されている。たとえばPEO基を側鎖
に有するビニル系ポリマー(ディ−・ジェイ・バニスタ
ー(D.J.Banister)ら、ポリマー(Polymer)、25巻、1
600頁(1984年))、同じくPEO基を側鎖に有するポリフ
ォスファゼン(ディー・エフ・シュライバー(D.F.Shri
ver)ら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・
ソサエティー(Journal of American Chemical Societ
y,106巻、6854頁(1984年))、ポリシロキサンの一部
に低分子量PEO基を導入した材料(渡辺ら、ジャーナル
・オブ・パワー・ソース(Journal of Power Source
s)、20巻、327頁(1987年))などが挙げられるが、い
ずれもこれらPEO修飾ポリマーではイオン伝導性が低
く、実用に供するのは不可能であった。
そこで室温でのイオン伝導性を向上させる方法として
液状のイオン伝導体を高分子化合物のゲルに保持させた
材料が近年活発に研究されている。たとえば特公昭57−
9671号にはプロピレンカーボネート(以下PCと略す)に
ポリメタクリル酸メチル(以下PMMAと略す)を溶解させ
た後加熱によりゲル化させた材料が示されている。しか
しながらこの材料では実用レベルまでイオン伝導性を高
めるためにはPCを多量用いる必要があり、そうすると膜
強度が著しく低下し、固体電解質として機能しえなくな
る。また、特開昭62−20262号、同62−20263号、同62−
22375号、同62−22376号、同62−219468号、同62−2194
69号には種々の官能基を有するアクリレート又はメタク
リレートポリマーを非水系溶媒に対するゲル化剤として
用いた材料が示されているが、これらも上記と同じ問題
点を有し、高イオン伝導性と優れた製膜性を両立するに
は到っていない。
また特開昭63−135477号にはPEO基を含む架橋高分子
マトリックスに低分子量の液状PEOを保持させた材料が
示されているが、この材料では液状PEOのイオン伝導度
である〜10-4s/cmという低い値を上回ることが出来ず、
実用デバイスへの適用は不可能である。
さらに側鎖に極性基を有する高分子マトリックスにPC
などの非プロトン性極性溶媒を含浸させた材料が特開昭
63−239779号(米国特許4,822,701号)及び米国特許4,8
30,939号に示されているが、これらの材料においても多
量の溶媒を保持させねばイオン伝導性を高めることがで
きず、そうすると製膜性が著しく低下するという問題点
を解決することができず、この材料もまた実用化は不可
能であった。
また、製膜性向上の観点から不織布等の多孔質膜に高
分子電解質を含浸させた材料が特開昭63−40270号、同6
3−102104号に記載されているが、これらの材料ではイ
オン伝導性を高分子電解質自体に依存していることから
イオン伝導度が著しく低いという致命的欠点を有してい
る。
さらに、孔径の小さい多孔質膜にイオン伝導体を保持
させた材料が米国特許4,849,311号に示されているが、
液状のイオン伝導体を保持させるためには孔径をかなり
小さくする必要があり、そうすると電極材料等との界面
抵抗が著しく大きくなり、この材料もまた実用に供する
ことが不可能である。
以上のように従来知られている固体電解質では室温付
近のイオン伝導性が著しく低い、製膜性に著しく劣る又
は電極材料などとの界面抵抗が著しく大きいという問題
点をすべて満足することが出来ず、これらをすべて満足
することが出来ず、これらをすべて解決した固体電解質
の提供が望まれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、室温付近でも高いイオン伝導性を示
し、製膜性に優れ、電極材料などとの界面抵抗が小さ
く、かつ耐漏液性に優れた新規な有機固体電解質を提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、 (1)下記一般式〔I〕で表される繰り返し単位を含有
する高分子化合物が充填された平均孔径0.15μm以上の
多孔質膜に非プロトン性極性溶媒および周期律表Ia又は
IIa族に属する金属イオンの塩をともに含有せしめ、薄
膜状に構成されたことを特徴とする有機固体電解質。
一般式〔I〕 (式中、R1は水素原子、低級アルキル基又はシアノ基
を表わし、R2はメチル、エチル、プロピル及びブチルを
含むアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表わ
す。R2が2個以上のときは互いに縮環してもよく、また
芳香環を形成してもよい。Xは −CO2−、 −OCO− を表わし、R3は水素原子、又はメチル、エチル、プロピ
ル及びブチルを含むアルキル基を表わし、Lはアルキレ
ン基を表わす。aは0又は1であり、mは0〜5の整数
である。) (2)下記一般式〔II〕で表されるモノマーおよび下記
一般式〔III〕で表されるモノマーから形成される高分
子マトリックスが充填された平均孔径0.15μm以上の多
孔質膜に非プロトン性極性溶媒および周期律表Ia又はII
a族に属する金属イオンの塩をともに含有せしめ、薄膜
状に構成されたことを特徴とする有機固体電解質。
一般式〔II〕 一般式〔III〕 (式中、R1は水素原子、低級アルキル基又はシアノ基
を表わし、R2はメチル、エチル、プロピル及びブチルを
含むアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表わ
す。R2が2個以上のときは互いに縮環してもよく、また
芳香環を形成してもよい。Xは −CO2−、 −OCO−_ を表わし、R3は水素原子、又はメチル、エチル、プロピ
ル及びブチルを含むアルキル基を表わし、Lはアルキレ
ン基を表わす。aは0又は1であり、mは0〜5の整数
である。また、Yはl価の炭素、又は炭素及び水素から
なる原子団を表わす。a′は0又は1であり、lは2以
上の整数である。) (3)該多孔質膜がポリオレフィンからなることを特徴
とする前記(1)又は(2)に記載の有機固体電解質。
(4)薄膜状に構成させる方法が加熱法であることを特
徴とする前記(1)又は(2)に記載の有機固体電解
質。
で達成された。
本発明の有機固体電解質は平均孔径0.15μm以上の多
孔質膜、高分子化合物、高イオン伝導性の非プロトン性
極性溶媒及び金属イオンの塩よりなるが、平均孔径が0.
15μm以上の多孔質膜を用いることにより電極材料など
との界面抵抗がほぼ一定値をとって飽和することを見出
し、また側鎖にフェニル基を有する高分子化合物を用い
てこの多孔質膜に充填することにより、非プロトン性極
性溶媒をイオン伝導度が実用レベルになるまで多量含浸
させても、製膜性は全く悪化することなく良好な膜質を
示したものである。
本発明の有機固体電解質は、高分子化合物として架橋
剤を用いない場合は非プロトン性極性溶媒にモノマー及
び金属イオンの塩を溶解し多孔質膜に含浸させた後、加
熱することによって固体薄膜状にするものであり、また
架橋剤を用いる場合は非プロトン性極性溶媒にモノマー
及び金属イオンの塩を溶解し多孔質膜に含浸させた後、
加熱することによって架橋高分子マトリックス化した薄
膜状にするか又はあらかじめ多孔質膜中で架橋高分子マ
トリックスを形成させた後に非プロトン性極性溶媒及び
金属イオンの塩を含浸させるものである。
本発明に用いられる多孔質膜としてはポリオレフィン
からなる膜が用いられるが、好ましくはポリエチレン又
はポリプロピレンからなる。また平均孔径は0.15μm以
上であるが、好ましくは0.20μm以上5.0μm以下の膜
であり、より好ましくは0.30μm以上3.0μm以下の膜
である。なお、孔が円形でないときには短軸径の平均に
より平均孔径を表す。平均孔径が小さいと電極材料(Li
など)との界面抵抗が悪化するが、先に述べたように平
均孔径が0.15μmより小さくなると悪化の度合いが著し
く大きくなる。また平均孔径が大きすぎると膜強度が低
下するので好ましくない。また多孔質膜の空孔率は10〜
90%が好ましく、更に好ましくは20〜70%である。空孔
率が小さすぎると非プロトン性極性溶媒の含浸量が少な
くなりイオン伝導度が低下すると、空孔率が大きすぎる
と膜強度が低下する。さらに膜厚は5〜500μmの範囲
が好ましく、より好ましくは10〜400μmである。膜厚
が厚すぎると抵抗が大きくなってしまうし、薄すぎると
膜強度が低下してしまう。
次に一般式〔I〕〜〔III〕について詳細に説明す
る。
R1は水素原子、低級アルキル基、又はシアノ基を表わ
すが、好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル
基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基であ
る。R2はメチル、エチル、プロピル及びブチルを含むア
ルキル基、アリール基又はアラルキル基を表わし、好ま
しくは炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、炭素数
6〜10のアラルキル基であり、さらに好ましくは炭素数
1〜5のアルキル基である。R2が2個以上あるときは互
いに縮環してもよく、好ましくは縮環して、芳香環を形
成する。
Xは−CO2−、 又は−OCO−を表わし、R3は水素原子又はメチル、エチ
ル、プロピル及びブチルを含むアルキル基であり、Xと
して好ましくは−CO2−又は (R3は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基)であ
り、さらに好ましくは−CO2−又は (R3は水素原子又はメチル、エチル、プロピル及びブチ
ルのアルキル基)である。
Lはアルキレン基を表わし、好ましくは炭素数1〜8
のアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数1〜5
のアルキレン基である。
aは0又は1であり、mは0〜5の整数である。
Yはl価の炭素又は、炭素及び水素からなる原子団を
表わす。l=2のときYは置換又は無置換のアルキレン
基、アリーレン基又はこれらの基を組合せた基を表わ
す。l=2のときのYの好ましい例は−CH2−、CH
(k=2〜10) などである。
l=3のときYは下記一般式〔IV〕で表わされる。
一般式〔IV} Aは置換又は無置換の 又は を表わし、R4は水素原子、置換又は無置換のアルキル
基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基であ
る。
L1、L2、L3はそれぞれ同じであっても異なっていても
よく、l=2のときのYと同義である。b、c、dはそ
れぞれ独自に0又は1である。l=3のときのYの好ま
しい例は、 などが挙げられる。
l=4のときYは下記一般式〔V〕で表わされる。
式中、Bは 置換又は無置換の を表わし、L4、L5、L6、L7はそれぞれ同じでも異なって
いてもよく、l=2のときのYの同義である。e、f、
g、hはそれぞれ独自に0又は1である。l=4のとき
のYの好ましい例としては などが挙げられる。
架橋剤を用いない場合、本発明に用いられる高分子化
合物は一般式〔I〕で表わされるくり返し単位の他の他
のモノマー成分から誘導されるくり返し単位を含有して
もよいが、一般式〔I〕で表わされるくり返し単位を高
分子化合物中50mol%以上含有する。好ましくは70mol%
以上含有するものであり、さらに好ましくは80mol%以
上含有する。
またこの場合、一般式〔I〕で表わされるくり返し単
位は複数用いてもよい。
以下に一般式〔I〕で表わされるくり返し単位を含有
する高分子化合物の具体例を示すが無論これらに限定さ
れるものではない。
P−1 ポリベンジルアクリレート P−2 ポリベンジルメタクリレート P−3 ポリフェネチルメタクリレート P−4 ポリ−p−トリルアクリレート P−5 ポリ−p−エチルベンジルメタクリレート P−6 ポリ−4−フェニルブチルメタクリレート P−7 ポリ−2,4−ジメチルベンジルアクリレート P−8 ポリフェネチルアクリルアミド P−9 ポリ−N−メチル−N−P2−フェニルイ
ソプロピル)ベンジルメタクリルアミド P−10 ポリフェニルメタクリレート P−11 ポリ−3−−トリルプロピル)メタクリレー
P−14 ポリ安息香酸ビニル P−15 ポリ−1−ナフチルアクリレート 架橋剤を用いる場合、本発明に用いられる高分子マト
リックスは一般式〔II〕及び一般式〔III〕で表わされ
るモノマーの他に他のモノマー成分を用いて形成しても
よいが、一般式〔II〕で表わされるモノマーから誘導さ
れるくり返し単位を高分子マトリックス中50mol%以上
含有する。好ましくは60mol%以上であり、さらに好ま
しくは70mol%以上である。また一般式〔III〕で表わさ
れるモノマーから誘導されるくり返し単位を高分子マト
リックス中0.1〜50mol%含有するが、好ましくは0.2〜4
0mol%であり、さらに好ましくは0.5〜30mol%である。
また、これらくり返し単位は高分子マトリックス中複数
有してもよい。
以下に一般式〔II〕で表わされるモノマーの具体例を
示すが無論これらに限定されるものではない。
M−1 ベンジルアクリレート M−2 ベンジルメタクリレート M−3 フェネチルメタクリレート M−4 p−トリルアクリレート M−5 p−エチルベンジルメタクリレート M−6 4−フェニルブチルメタクリレート M−7 2,4−ジメチルベンジルアクリレート M−8 フェネチルアクリルアミド M−9 N−メチル−Np−2−フェニルイソプロ
ピル)ベンジルメタクリルアミド M−10 フェニルメタクリレート M−11 3p−トリル)プロピレンメタクリレート M−12 p2−フェニルイソプロピル)ベンジルアク
リレート M−13 p−イソプロピルベンジルメタクリレート M−14 安息香酸ビニル M−15 1−ナフチルメタクリレート 以下に一般式〔III〕で表わされるモノマーの具体例
を示すが無論これらに限定されるものではない。
C−1 エチレングリコールジアクリレート C−2 ブタンジオールジメタクリレート C−3 ヘキサメチレングリコールジメタクリレート C−4 p−ジビニルベンゼン C−5 p−キシリレングリコールジメタクリレート C−6 1,3−ブチレングリコールジアクリレート C−7 ネオペンチルグリコールジメタクリレート C−8 2,2−ビス4アクリロキシメチル)フェ
ニル〕プロパン C−9 2−エチル−1,3−プロパンジオールジメタ
クリレート C−10 トリメチロールプロパントリアクリレート C−11 トリメチロールプロパントリメタクリレート C−12 テトラメチロールメタンテトラアクリレート 本発明に用いられる高分子化合物又は架橋高分子マト
リックスは相当するモノマーの加熱及び/又は放射線照
射によって形成させることができるが、好ましくは相当
するモノマーを加熱することによって形成する方法であ
る。
加熱によって反応せしめる場合は0.01〜5mol%の加熱
重合開始剤を加えておくと重合時間を短縮できて好まし
い。
加熱重合開始剤としては公知の加熱重合開始剤が使用
でき、例としてはアゾビス化合物、パーオキシド、ハイ
ドロパーオキシド、レドックス触媒など、例えば過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム、t−ブチルパーオクト
エイト、ベンゾイルパーオキシド、イソプロピルパーカ
ーボネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、
メチルエチルケトンパーオキシド、クメンガイドロパー
オキシド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロリドなどが
挙げられる。
加熱温度は40〜160℃好ましく、更に好ましくは50〜1
40℃である。
また、放射線照射によって反応せしめても良いがこの
場合に用いられる放射線としては紫外線や可視光線、電
子線及びX線が好ましい。
放射線照射によって反応せしめる際には、放射線増感
剤を加えておくことが反応を速やかに行なわせる上で好
ましい。この場合に用いることのできる増感剤としては
公知の増感剤、たとえばカルボニル化合物、アゾビス化
合物、パーオキシド、イオウ化合物、ハロゲン化合物、
酸化還元系化合物、カチオン重合開始剤、ベンゾフェノ
ン誘導体、ベンズアンスロン誘導体、キノン類、芳香族
ニトロ化合物、ナフトチアゾリン誘導体、ベンゾチアゾ
リン誘導体、ケトクマリン化合物、ベンゾチアゾール誘
導体、ナフトフラノン化合物、ピリリウム塩、チアピリ
リウム塩等をあげることが出来る。具体的には、N,N′
−ジエチルアミノベンゾフェノン、1,2−ベンズアント
ラキノン、ベンズアンスロン、(3−メチル−1,3−ジ
アザ−1,9−ベンズ)アンスロン、ピクラミド、5−ニ
トロアセナフテン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリ
ン、p−ニトロアニリン、2−クロルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、ジメチルチオキサン
トン、メチルチオキサントン−1−エチルカルボキシレ
ート、2−ニトロフルオレン、2−ジベンゾイルメチレ
ン−3−メチルナフトチアゾリン、3,3−カルボニル−
ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2,4,6−トリフ
ェニルチアピリリウムパークロレート、2−(p−クロ
ルベンゾイル)ナフトチアゾール、エリスロシン、ロー
ズベンガル、エオシン−G、ベンゾイル、2−メチルベ
ンゾイン、トリメチルシリルベンゾイン4−メトキシベ
ンゾフェノン、ミヒラーズケトン、ベンゾインメチルエ
ーテル、アセトフェノン、アントラキノンなどをあげる
ことが出来る。
本発明に用いられる周期律表Ia族又はIIa族に属する
金属イオンとしてはリチウム、ナトリウム、カリウムの
イオンがあげられ、代表的な金属イオンの塩としてはLi
CF3、LiI、LiPF6、LiClO4、LiBF、LiAsF6、LiCF3CO2、L
iSCN、NaClO4、NaI、NaCF3SO3、NaBF4、NaAsF6、KCF3SO
3、KSCN、KPF6、KClO4、KAsF6などが挙げられる。好ま
しくは、上記のLi塩である。これらは1種又は2種以上
を混合してもよい。
本発明に用いられる非プロトン性極性溶媒に対する該
金属イオンの塩の比率は、溶解度以下の量を用いればよ
いが、おおむね0.1〜8mol/lの濃度で用いるのが好まし
く、さらに好ましくは0.3〜6mol/lである。また、NBu4B
F4などのような他の電解質を混合して用いてもよい。
本発明に用いられる非プロトン性極性溶媒としては、
カーボネート類、ラクトン類、エーテル類(環状含
む)、グリコール類、ニトリル類、エステル類及びアミ
ド類に属する少なくとも一種の溶媒を用いることが好ま
しい。
さらに好ましくは、カーボネート類としてはエチレン
カーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカー
ボネート、エチルカーボネート、プロピルカーボネー
ト、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4
−メトキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5
−ジメトキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オンな
どがあげられる。
ラクトン類としてはγ−ブチロラクトン、γ−バレロ
ラクトン、γ−カプリロラクトン、クロトラクトン、γ
−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、 などがあげられる。
エーテル類としては、環状エーテルではテトラヒドロ
フラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテ
トラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラ
ン、テトラヒドロピラン、2−メチルテトラヒドロピラ
ン、3−メチルテトラヒドロピラン、ジオキソラン、2
−メチルジオキソラン、4−メチルジオキソラン、1,3
−ジオキサン、1,4−ジオキサン、2−メチル−1,4−ジ
オキサンなどが、また鎖状エーテル類としては、ジエチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル、エチルプロピルエー
テル、1,2−ジメトキシエタンなどが挙げられる。
グリコール類としては、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどが
挙げられる。
ニトリル類としては、アセトニトリル、プロピオニト
リル等が挙げられる。
エステル類としては、ギ酸メチル、ギ酸エチルなどが
あげられる。
アミド類としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミドなどがあげられる。以上の他
に、ニトロメタン、塩化チオニル、スルホランなどを好
適に用いることができる。これらの非プロトン性極性溶
媒は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
これらの非プロトン性極性溶媒は高分子化合物又は架
橋高分子マトリックスに対して0.2〜10倍(重量比)含
浸させるのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜5倍で
ある。含浸量が少ないとイオン伝導度が低くなり、また
含浸量が多すぎると液漏れ等の問題が発生する。
本発明の有機固体電解質は架橋剤を用いない場合は重
合時に非プロトン性極性溶媒及び金属イオンの塩を含有
させるものである。また、架橋剤を用いる場合は非プロ
トン性極性溶媒及び金属イオンの塩は架橋高分子マトリ
ックス形成時にこれに含有させてもよいし、架橋高分子
マトリックス形成後にこれに含有させてもよい。
架橋高分子マトリックス形成後に含有させる場合は金
属イオンの塩を含む非プロトン性極性溶液中に該高分子
マトリックスを浸漬するか、該溶液を架橋高分子マトリ
ックス上にスプレー又は塗布して含有させるのが好まし
い。
また、この場合、含有前に非プロトン極性溶媒を用い
て架橋高分子マトリックスの洗浄を行なってもよく、洗
浄の方法としては溶液中への浸漬又はソックスレー洗浄
などがあげられる。
また本発明の有機固体電解質を2次電池として用いる
場合、正極活物質として、マンガン、モリブデン、バナ
ジウム、チタン、クロム、ニオブなどの酸化物、硫化物
やセレン化物、活性炭(特開昭60−167,280記載)、炭
素繊維(特開昭61−10,882記載)、ポリアニリン、アミ
ノ基置換芳香族ポリマー、複素環ポリマー、ポリアセ
ン、ポリイン化合物などを用いることができる。なかで
も、活性炭、γ−MnO2(特開昭62−108,455、同62−10
8,457に記載)、γ−β−MnO2とLi2MnO3の混合物(米国
特許4,758,484)、アモルファス状V2O5(特開昭61−20
0,667)、V6O13、MoS2(特開昭61−64,083)、TiS2(特
開昭62−222,578)、ポリアニリン(特開昭60−65,03
1、同60−149,628、同61−281,128、同61−258,831、同
62−90,878、同62−93,868、同62−119,231、同62−18
1,334、同63−46,223)、ポリピロール(西独特許3,30
7,954A1、同3,318,857、同3,338,904、同3,420,854A1、
同3,609,137A1、特開昭60−152,690、同62−72,717、同
62−93、863、同62−143,373)、ポリアセン、ポリアセ
チレン(特開昭57−121,168、同57−123,659、同58−4
0,781、同58−40,781、同60−124,370、同60−127,66
9、同61−285,678)、ポリフェニレンが特に有効であ
る。
電極活物質には、通常、カーボン、銀(特開昭63−14
8,554)あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,
971)などの導電性材料やテフロンなどの接合剤を含ま
せることができる。
負極活物質としては、金属リチウム、ポリアセン、ポ
リアセチレン、ポリフェニレンの他、リチウム合金とし
て、アルミニウムやマグネシウムなどの合金(特開昭57
−65,670、同57−98,977)、水銀合金(特開昭58−111,
265)、Ptなどの合金(特開昭60−79,670)、Sn−Ni合
金(特開昭60−86,759)やウッド合金(特開昭60−167,
279)、導電性ポリマーとの合金(特開昭60−262,35
1)、Pd−Cd−Bi合金(特開昭61−29,069)、Ga−In合
金(特開昭61−66,368)、Pb−Mgなどの合金(特開昭61
−66,370)、Znなどの合金(特開昭61−68,864)、Al−
Agなどの合金(特開昭61−74,258)、Cd−Snなどの合金
(特開昭61−91,864)、Al−Niなどの合金(特開昭62−
119,865、同62−119,866)、Al−Mnなどの合金(米国特
許4,820,599号)などが用いられている。なかでも、リ
チウム金属あるいはそのAl合金を用いることが有効であ
る。
(実施例) 以下、実施例を用いて詳細に説明するが、これらに限
定されるものではない。
実施例1(架橋剤を用いない方法) ベンジルメタクリレート1g及びLiBF40.4gをプロピレ
ンカーボネート(PC)3gに溶解し、これに2,2′−アゾ
ビス(メチレンイソブチレート)10mgを加えて均一溶液
とした。この溶液100μlをポリプロピレン製の多孔質
膜(直径1.7cm、厚さ200μm、平均孔径0.8μm、空孔
率45%)に含浸させ、アルゴンガス雰囲気下、100℃で
1時間加熱して重合させ、表Iに示した薄膜(1)を得
た。同様の加熱重合による方法で薄膜(2)〜(12)を
得た。
比較例1 特公昭57−9671号に記載されたPMMAとPC及びLi塩から
なる薄膜(a)(b)をPMMAのPC溶液を加熱する方法で
作成した。
比較例2 特開昭62−22375に記載されている平均分子量10,000
のポリ(1−ビニル−1,2−プロパンジオールサイクリ
ックカーボネート(E−1)とPC及びLi塩からなる薄膜
(c)(d)を該ポリマーのPC溶液を加熱する方法で作
成した。
このようにして得た薄膜についてLi/薄膜/Liからなる
試料を作成し、0.1〜10KHzでインピータンスを測定しCo
le−Coleプロットからイオン伝導度及び界面抵抗を求め
た。
また製膜性は次の方法で求めた。
薄膜を直径1.7cmの円形に打抜いてステン板上に置
き、上方に同一径のステン板を置き上方から重量を印加
して明らかに薄膜がはみ出してきた重量を膜強度とし
た。
評価結果を表1に示した。
表1からわかるように比較例の薄膜(a)〜(d)は
同じく孔径の大きい多孔質膜を用いているが、高分子化
合物の製膜製に著しく劣るためイオン伝導度を高めるべ
く非プロトン性極性溶媒の含浸量を多くすると薄膜の膜
強度が大きく低下し、イオン伝導度と製膜性とをともに
高められない。しかしながら本発明の実施例の薄膜
(1)〜(12)は孔径の大きい多孔質膜を用いているに
もかかわらず特定構造の高分子化合物と組合せることに
より、高イオン伝導性、低界面抵抗及び高製膜性のすべ
てを満足することができた。
すなわち本発明の実施例1が比較例2、3と比較して
優れていることが明白である。
実施例2(架橋剤を用いる方法) モノマーM2 0.9g、モノマーC−2 0.1gおよびLiBF
40.4gをプロピレンカーボネート(PC)3gに溶解し、こ
れにベンゾイルパーオキサイド10mgを加えて均一溶液と
した。この溶液100μlをポリプロピレン製の多孔質膜
(直径1.7cm、厚さ200μm、平均孔径1.2μm、空孔率4
5%)に含浸させ、アルゴンガス雰囲気下、110℃で1時
間加熱して重合させ、表2に示した薄膜(13)を得た。
同様の加熱重合による方法で薄膜(14)〜(24)を得
た。
米国特許4,849,311号に記載された平均孔径0.085μ
m、及び0.10μmのポリエチレン製の多孔質膜にLiClO4
を溶解したテトラエチレングリコールジメチルエーテル
を含浸させた薄膜(e)(f)を作成した。
比較例4 米国特許4,822,701号に記載された下記の重合体(E
−2)とPC及びLi塩からなる薄膜(g)(h)を作成し
た。
このようにして得た薄膜について実施例1と同様にし
てイオン伝導度、界面抵抗、製膜性を評価した。
結果を表2に示す。
表2から明らかなように比較例の薄膜(g)(h)は
イオン伝導性を高めるべく非プロトン性極性溶媒を多量
含浸させると薄膜度が著しく低下する。しかしながら本
発明の実施例2の薄膜(13)〜(24)は実施例1と同じ
く高イオン伝導性、低界面抵抗及び高製膜性をすべて満
足した。一方、比較例の薄膜(e)(f)は孔径の小さ
い多孔質膜を用いているため膜強度は高いがLiとの界面
抵抗が著しく大きく、またイオン伝導性も低いものであ
る。
すなわち、本発明の実施例2が比較例3、4と比較し
て優れていることが明白である。
実施例3(架橋剤を用いる方法) モノマーM−2 0.8g及びモノマーC−1 0.2gをPC
3gに溶解し、これにアゾビスイソブチロニトリル0.1gを
添加して均一溶液とした。この溶液100μlをポリプロ
ピレン製の多孔質膜(直径1.7cm、厚さ200μm、平均孔
径1.2μm、空孔率45%)に含浸させ、アルゴンガス雰
囲気下、110℃で1時間加熱して重合させ、架橋高分子
マトリックスが充填された多孔質膜を得た。この薄膜を
LiBF4のPC溶液(濃度1.4M)に1時間浸漬し、さらにこ
の浸漬操作をもう一度繰り返して表3に示した薄膜(2
5)を得た。同様の加熱反応後に非プロトン性極性溶媒
を含浸させる方法で薄膜(26)〜(36)を得た。
比較例5 特開昭63−135477号に記載された下記の重合体(E−
3)と低分子量PEO及びLi塩からなる薄膜(i)(j)
を加熱重合により作成した。
比較例6 米国特許4,830,939号に記載された下記の重合体(E
−4)とPC又はテトラグライム、Li塩及び高分子分子量
PEOからなる薄膜(k)(l)を放射線重合により作成
した。
このようにして得た薄膜について実施例1と同様にし
てイオン伝導度、製膜性を評価した。
結果を表3に示す。
表3からわかるように本発明の実施例3の薄膜(25)
〜(36)は実施例1と同じく高イオン伝導性、低界面抵
抗及び高製膜性をすべて満足した。一方、比較例の薄膜
(i)(j)はイオン伝導体として低分子量ポリエチレ
ングリコールを用いているためイオン伝導性が低くまた
多量にイオン伝導体を含浸させると膜強度の低下が著し
い。さらに比較例の薄膜(k)(l)はイオン伝導性を
高めるべく非プロトン性極性溶媒を多量含浸させると膜
強度が著しく低下する。すなわち本発明の実施例3が比
較例5、6と比較して優れていることは明白である。
以上のように本発明の実施例1〜3の薄膜は比較例1
〜6の薄膜に比べイオン伝導性、界面抵抗、膜強度のい
ずれか又はすべてにおいて優れている。
次に本発明の有機固体電解質をLi2次電池に適用した
場合の実施例について述べる。
実施例4 実施例1〜3で作製した有機固体電解質を用いて、図
1に示す電池を作成した。正極活物質として、電気化学
54巻、691頁(1986年)に記載されたV6O13からなる正極
ペレット(15mmφ、20mAHの容量)を用い、負極活物質
として金属リチウム(15mmφ、40mAHの容量)を用い、
正極ペレットと負極ペレットの間に実施例1で作製した
有機固体電解質(1)(17mmφ)を用いた。このリチウ
ム電池を1.1mA/cm2の電流密度で3.1V〜1.7Vの範囲で充
放電テストを行なった。その結果充放電容量の変化は図
2の曲線(a)であった。
同様にして、表4に示したリチウム電池(b)〜
(g)を作成した、充放電テストを行なった。表4に示
したNo.(a)〜(d)はそれぞれ図2の曲線(a)〜
(d)に対応し、また表4に示したNo.(e)〜(g)
は図3の曲線(e)〜(g)に対応している。
比較例7 比較例1及び2で作成した固体電解質を用いて、実施
例4と同様にして表4に示したリチウム電池(ア)及び
(イ)を作成し、表4に示した条件で充放電テストを行
なった。テスト結果はそれぞれ図2及び図3の曲線
(ア)及び(イ)であった。
図2及び図3からわかるように本発明の有機固体電解
質を用いた電池は比較例1及び2の固体電解質を用いた
電池に比べて放電容量の変化において優れていることが
明らかである。
実施例5 実施例1で作製した有機固体電解質を用いて、図4に
示す単3型電池を作成した。正極活物質として電気化
学、54巻、691頁(1986年)に記載されたV6O13からなる
正極材(0.75AH)を用い、負極活物質として金属リチウ
ム(1.5AH)を用い、正極ペレットと負極ペレットの間
に実施例1で作成した有機固体電解質(9)を用いた。
この単3型リチウム電池を1.1mA/cm2の電流密度で3.1V
〜1.7Vの範囲で充放電テストを行なった。その結果充放
電容量の変化は図5の曲線(h)であった。
同様にして表5に示したリチウム電池(i)〜(n)
を作成し、充放電テストを行なった。表5に示したNo.
(h)〜(k)はそれぞれ図6の曲線(h)〜(k)に
対応、また表4に示したNo.(l)〜(n)は図6の曲
線(l)〜(n)に対応している。
比較例7 比較例3及び4で作成した固体電解質を用いて、実施
例5と同様にして表5に示したリチウム電池(ウ)及び
(エ)を作成し、表5に示した条件で充放電テストを行
なった。テスト結果はそれぞれ図5及び図6の曲線
(ウ)及び(エ)であった。
図5及び図6からわかるように本発明の有機固体電解
質を用いた電池が比較例3及び4の固体電解質を用いた
電池に比べると放電容量の変化において優れていること
が明らかである。
〔発明の効果〕 本発明の有機固体電解質は孔径の大きい多孔質膜と側
鎖に芳香環を有する高分子化合物を併用していることか
らきわめて膜強度が強く、大量に非プロトン性極性溶媒
を含有させても膜強度は十分に実用レベル以上のもので
ある。また、孔径が大きいことから界面抵抗も十分に小
さくすることができる。すなわち本発明によるとイオン
伝導性、製膜性、界面抵抗のいずれも満足しうる性能を
有する有機固体電解質を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例4で作成した電池の概略を示す。 第2図、第3図は実施例4、比較例6の充放電テストに
よる放電容量の変化の結果を表わす。 (a)〜(g)が実施例4 (ア)〜(イ)が比較例6 第4図は実施例5で作成した電池構成を示す。 第5図、第6図は実施例5、比較例7の充放電テストに
よる放電容量の結果を表わす。 (h)〜(n)が実施例5 (ウ)〜(エ)が比較例7

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕で表されるくり返し単位
    を含有する高分子化合物が充填された平均孔径0.15μm
    以上の多孔質膜に非プロトン性極性溶媒および周期律表
    Ia又はIIa族に属する金属イオンの塩をともに含有せし
    め、薄膜状に構成されたことを特徴とする有機固体電解
    質。 一般式〔I〕 (式中、R1は水素原子、低級アルキル基又はシアノ基を
    表わし、R2はメチル、エチル、プロピル及びブチルを含
    むアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表わす。
    R2が2個以上のときは互いに縮環してもよく、また芳香
    環を形成してもよい。Xは −CO2−、 −OCO−_ を表わす。R3は水素原子、又はメチル、エチル、プロピ
    ル及びブチルを含むアルキル基を表わし、Lはアルキレ
    ン基を表わす。aは0又は1であり、mは0〜5の整数
    である。)
  2. 【請求項2】下記一般式〔II〕で表されるモノマーおよ
    び下記一般式〔III〕で表されるモノマーから形成され
    る高分子マトリックスが充填された平均孔径0.15μm以
    上の多孔質膜に非プロトン性極性溶媒および周期律表Ia
    又はIIa族に属する金属イオンの塩をともに含有せし
    め、薄膜状に構成されたことを特徴とする有機固体電解
    質。 一般式〔II〕 一般式〔III〕 (式中、R1は水素原子、低級アルキル基又はシアノ基を
    表わし、R2はメチル、エチル、プロピル及びブチルを含
    むアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表わす。
    R2が2個以上のときは互いに縮環してもよく、また芳香
    環を形成してもよい。Xは −CO2−、 −OCO−_ を表わす。R3は水素原子、又はメチル、エチル、プロピ
    ル及びブチルを含むアルキル基を表わし、Lはアルキレ
    ン基を表わす。aは0又は1であり、mは0〜5の整数
    である。また、Yはl価の炭素、又は炭素及び水素から
    ある原子団を表わす。a′は0又は1であり、lは2以
    上の整数である。)
  3. 【請求項3】該多孔質膜がポリオレフィンからなること
    を特徴とする請求項(1)又は請求項(2)記載の有機
    固体電解質。
  4. 【請求項4】薄膜状に構成させる方法が加熱法であるこ
    とを特徴とする請求項(1)又は請求項(2)記載の有
    機固体電解質。
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