JP3054365B2 - 点火制御装置 - Google Patents

点火制御装置

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JP3054365B2
JP3054365B2 JP8216817A JP21681796A JP3054365B2 JP 3054365 B2 JP3054365 B2 JP 3054365B2 JP 8216817 A JP8216817 A JP 8216817A JP 21681796 A JP21681796 A JP 21681796A JP 3054365 B2 JP3054365 B2 JP 3054365B2
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俊章 磯村
淳志 梁瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの点火制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンの点火装置には種々の
ものが用いられており、例えば二輪車においてCDI方
式のものを用いているものがある。CDI方式の制御回
路には、CPUによるデジタル制御を行うようにしたも
のと、トランジスタ及びCR回路等で構成されるアナロ
グ制御を行うようにしたものとがある。そのアナログ制
御では、CDI方式の基本機能である点火時期制御を、
エンジン回転数に応じて変化する制御電圧波形をCRに
より得て、その制御電圧波形と基準電圧波形とをコンパ
レータICなどで比較することにより、エンジン回転数
に対応した点火時期信号を得ている。
【0003】上記アナログCDIのCR回路の点火コイ
ル電流供給用のメインコンデンサの充電にあっては、例
えばAC−CDI方式でその制御回路の電源をエキサイ
タコイル出力から作るもので、その制御回路の消費電流
が多いと、上記メインコンデンサの充電電圧が低下して
しまう場合が考えられる。メインコンデンサの充電電圧
が低下すると、点火エネルギが低下し、不具合が生じる
ことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したようなAC−
CDI回路の進角制御回路では、点火時期信号を得るた
めに、例えばコンパレータICを用いており、通常IC
には電源電圧を常時供給するようにしており、そのよう
な常時電流を消費する回路では、メインコンデンサの充
電電圧が低下する虞があるという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決し
て、点火コイル電流供給用コンデンサの充電電圧の低下
を防止することを実現するために、本発明に於いては、
エンジンの点火信号を発生する進角制御範囲信号を出力
する進角制御範囲設定回路と、前記進角制御範囲の範囲
外で充電されると共に前記点火信号の発生により放電す
るようにされた点火コイル電流供給用コンデンサと、前
記点火信号の発生時期を制御するための点火時期制御回
路とを有し、前記進角制御範囲信号が出力されている間
のみ前記点火時期制御回路への電源電圧を供給する回路
電源制御回路を設けたものとした。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された具体
例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明す
る。
【0007】図1は、本発明が適用された二輪車の4サ
イクルエンジンの点火装置の要部制御回路図である。エ
キサイタコイル1の波形信号が、本制御回路2の端子E
XTに入力し、ダイオードD1を介して正の半波になっ
て、点火コイル電流供給用コンデンサとしてのメインコ
ンデンサC1を充電するようになっている。メインコン
デンサC1は、サイリスタSCRにより選択的に放電す
るようにされ、その放電電圧が端子IGNを介してイグ
ニッションコイル3の一次コイルに供給され、イグニッ
ションコイル3の二次コイルに接続されたプラグ4にて
放電が行われるようになっている。
【0008】上記端子EXTに入力した信号は、回路電
源部5を介してサイリスタトリガ回路部6に入力するよ
うにもなっており、そのサイリスタトリガ回路部6によ
り上記サイリスタSCRのゲートが制御される。
【0009】また、制御回路2の端子PCには、進角制
御を行う範囲の最進角時と最遅角時とにパルス波を出力
するためのパルサコイル7が接続されている。そのパル
サコイル7のパルサ信号は端子PCを介して制御回路2
内のパルサ入力回路部8に入力し、最進角時に対応して
出力される最進角パルス信号が進角制御範囲設定回路と
してのパルサ制御電圧パルス発生部9に入力している。
そして、最遅角時に対応して出力される最遅角パルス信
号が、上記パルサ制御電圧パルス発生部9と点火時期制
御回路としての進角制御回路部10とに入力するように
されている。
【0010】パルサ制御電圧パルス発生部9では、進角
制御範囲を規定するべくその進角制御範囲に対応するパ
ルス幅を有するパルサ制御電圧パルス信号が形成され、
そのパルサ制御電圧パルス信号が進角制御回路部10と
コンパレータ電源部11とに入力するようになってい
る。そして、進角制御回路部10からサイリスタトリガ
回路部6へ進角制御信号が出力され、その進角制御信号
に応じてサイリスタトリガ回路部6からサイリスタSC
Rへトリガ信号が出力される。
【0011】次に、各回路の詳細を図2〜図7を参照し
て以下に示す。回路電源部5は、図2に示されるように
構成されており、本制御回路2内の各回路における電圧
供給用の定電圧端子Vccを設けられている。
【0012】サイリスタトリガ回路部6は、図3に示さ
れるように構成されており、進角制御回路部10からの
進角制御信号によりオン状態になるトランジスタQ1を
設けられている。そのトランジスタQ1のオン状態によ
り、サイリスタトリガ信号がサイリスタSCRに出力さ
れる。
【0013】パルサ入力回路部8は、図4に示されるよ
うに構成されており、本実施例にあってはパルサコイル
7からの最進角パルス信号が正のパルス波であり、最遅
角信号が負のパルス波であり、その最進角パルス信号に
よりトランジスタQ2がオン状態になり、最遅角信号に
よりトランジスタQ3がオン状態になるようになってい
る。そして、トランジスタQ2のオン信号がパルサ制御
電圧パルス発生部9に出力され、トランジスタQ3のオ
ン信号がパルサ制御電圧パルス発生部9と進角制御回路
部10とに出力される。
【0014】パルサ制御電圧パルス発生部9は、図5に
示されるように各トランジスタQ4・Q5・Q6・Q7
によるフリップフロップ回路が構成されている。パルサ
入力回路部8の上記したように最進角パルス信号に応じ
て動作するトランジスタQ2のオン信号によりトランジ
スタQ4がオン状態になると、トランジスタQ5を介し
てトランジスタQ7がオン状態になって、そのトランジ
スタQ7のオン信号が前記したパルサ制御電圧パルス信
号として進角制御回路部10とコンパレータ電源部11
とに出力される。また、最遅角パルス信号に応じて動作
するトランジスタQ3のオン信号によりトランジスタQ
6がオン状態になると、トランジスタQ7がオフして、
上記パルサ制御電圧パルス信号の出力が停止するように
なっている。
【0015】進角制御回路部10は、図6に示されるよ
うに構成されている。進角制御回路部10では、パルサ
入力回路部8のトランジスタQ3からのオン信号により
トランジスタQ8がオン状態になり、そのトランジスタ
Q8のオンにより第2のCR回路を構成するコンデンサ
C2が満充電(電圧Vcc)され、トランジスタQ8がオ
フ状態になると抵抗R1を通して放電されるようになっ
ている。また、パルサ制御電圧パルス発生部9のトラン
ジスタQ7のオン信号により、トランジスタQ9を介し
てトランジスタQ10がオン状態になると共に、トラン
ジスタQ11がオン状態になるようになっている。この
トランジスタQ11のオフ時には各抵抗R2・R3によ
り分圧された電圧Vdにて、第1のCR回路を構成する
コンデンサC3が充電され、トランジスタQ11のオン
時には抵抗R4を介してコンデンサC3が放電されるよ
うになっている。
【0016】上記各コンデンサC2・C3の電圧がコン
パレータCPに入力しており、そのコンパレータCPの
出力によりトランジスタQ12を介してトランジスタQ
13がオン状態になり、そのトランジスタQ13の出力
信号がサイリスタトリガ回路部6に入力する。
【0017】コンパレータ電源部11は、図7に示され
るように定電流電源としてのカレントミラー回路により
構成されている。パルサ制御電圧パルス発生部9のトラ
ンジスタQ7のオン信号によりオン状態になるトランジ
スタQ14を介してトランジスタQ15がオン状態にな
り、トランジスタQ20もオン状態になる。そのトラン
ジスタQ20を介して、制御電源電圧が上記進角制御回
路部10のコンパレータCPの電源電圧として供給され
るようになっている。
【0018】このようにして構成された本制御回路2の
動作要領を図8の波形図を参照して以下に示す。エキサ
イタコイル1からの略正弦波の信号が端子EXTに入力
しており、進角制御を行う範囲の最進角時と最遅角時と
にパルサコイル7により発生する正負のパルス波が端子
PCに入力している。本実施例では、図1のノードAで
見ると、図8の1段目に示されるように正の単パルス波
状の波形波発生時が最進角時であり、負の単パルス波状
の波形波発生時が最遅角時になる。
【0019】上記ノードAの信号は、パルサ入力回路部
8にて最進角時信号と最遅角時信号としての各パルス波
に分けられ、図8の2段目(図1のノードBにおける波
形)及び3段目(図1のノードCにおける波形)に示さ
れるように整形されたパルス波となって出力される。各
ノードB・Cの信号はパルサ制御電圧パルス発生部9に
入力しており、そのパルサ制御電圧パルス発生部9から
は、図1のノードDにおける波形を示す図8の4段目に
示されるように、最進角時で立ち上がり最遅角時に立ち
下がる矩形波が出力される。すなわち、この矩形波が出
力されている間が点火進角制御を行う範囲となる。
【0020】ノードDに生じる上記矩形波信号により、
進角制御回路部10ではトランジスタQ9をオンしてト
ランジスタQ10がオンすると共にトランジスタQ11
がオンする。また、ノードDに生じる信号はコンパレー
タ電源部11にも入力しており、そのノードDの信号発
生によりコンパレータ電源部11が動作する。従って、
ノードDに生じる矩形波信号の幅の間だけコンパレータ
電源部11が動作し、定電圧がトランジスタQ20を介
して進角制御回路部10のコンパレータCPを動作可能
にしている。すなわち、ノードDに上記矩形波信号が生
じている間(進角制御範囲)だけコンパレータCPが動
作する。
【0021】次に、コンパレータCPへの入力信号とし
て図6に示される各ノードE・Fの信号波形について図
8の5段目を参照して以下に示す。
【0022】ノードEの電位は、信号Dの立ち上がり時
からコンデンサC2の時定数に応じて漸増し、信号Dの
消失時にトランジスタQ10がオフするが、信号Cの立
ち下がり時にトランジスタQ8がオンして、コンデンサ
C2は定電圧Vccまで一気に充電される。そして、信号
Cの消失によりコンデンサC2が放電されるため、次の
信号Dの入力によりトランジスタQ10がオンするまで
放電に応じて図8に示されるように漸減する。
【0023】ノードFの電位は、信号Dの入力状態でト
ランジスタQ11がオン状態になることから、コンデン
サC3が放電状態になるため、図8の5段目に示される
ように所定の電位Vdから漸減し、信号Dの消失時から
コンデンサC3の時定数に応じて漸増する。因みに、時
定数回路を構成する抵抗(R2)は非常に大きな抵抗値
であるため、コンデンサC3は少しずつ充電される。
【0024】上記したように変化する各信号E・Fがコ
ンパレータCPに入力することから、コンパレータCP
の出力信号は、図8の6段目に示されるようにノードE
の信号レベルがノードFの信号レベルを越えた時に低レ
ベルLに立ち下がる信号となる。
【0025】また、コンパレータCPは前記したように
コンパレータ電源部11から供給される電圧により動作
することから、前記したように信号Dの消失すなわち進
角制御を行う範囲の終わりの時に、コンパレータCPの
動作が停止し、図8に示されるようにノードGの電位が
元に戻る。そして、このコンパレータCPの動作信号
(ノードGが低レベルLになる信号)が出力されている
間(進角制御範囲)、トランジスタQ13がオンし、そ
のオン信号がサイリスタトリガ回路部6に入力して、サ
イリスタトリガ回路部6のトランジスタQ1をオン状態
にする。
【0026】上記トランジスタQ1のオンにより、前記
したようにサイリスタSCRを介してメインコンデンサ
C1が選択的に放電し、その放電電圧が端子IGNを介
してイグニッションコイル3の一次コイルに供給され、
イグニッションコイル3の二次コイルに接続されたプラ
グ4にて放電が行われる。
【0027】このようにして、各ノードE・F同士の各
電位の交点が点火時期になる。この交点のタイミングの
変化は、互いのCR波形を比較して得られるため、エン
ジン回転数に対してほぼ直線的になる。
【0028】なお、エンジン回転数が高くなると、ノー
ドEの信号レベルの変化は、ノードFに対して相対的に
図8の5段目の想像線に示されるように少ない放電の段
階で次の充電が開始されるようになるため、点火タイミ
ングTiが早まり、進角制御されることになる。そし
て、エンジン回転数が低くなると、上記とは逆にノード
Eの放電時間が長くなるため、点火タイミングTiが遅
くなり、遅角制御されることになる。
【0029】前記したようにコンパレータCPに対し
て、その電源電圧を必要な期間(進角制御範囲)だけ供
給することから、その回路電流消費が点火時期進角制御
範囲内に限られ、1サイクル全域に亘ってコンパレータ
CPに電流を流すことがないため、消費電流が極めて少
なくなる。また、メインコンデンサC1の充電期間であ
る進角制御範囲外の期間にあっては上記したようにコン
パレータCPへの電圧供給を行わないことから、制御回
路への電流消費が抑えられ、メインコンデンサC1の充
電電圧が低下してしまうことを好適に防止し得る。
【0030】
【発明の効果】このように本発明によれば、進角制御範
囲のみ点火進角制御を行う回路の電源電圧の供給を行う
ようにしたことから、点火コイル電流供給用コンデンサ
の充電期間である進角制御範囲外での点火進角制御回路
への不必要な電源電圧供給を行わなくて良く、点火コイ
ル電流供給用コンデンサの充電を効率良く行うことがで
き、充電電圧の低下を好適に防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された二輪車の4サイクルエンジ
ンの点火装置の要部制御回路図。
【図2】図1の回路電源部5を示す回路図。
【図3】図1のサイリスタトリガ回路部6を示す回路
図。
【図4】図1のパルサ入力回路部8を示す回路図。
【図5】図1のパルサ制御電圧パルス発生部9を示す回
路図。
【図6】図1の進角制御回路部10を示す回路図。
【図7】図1のコンパレータ電源部11を示す回路図。
【図8】本制御回路の要部における電圧波形を示すタイ
ムチャート。
【符号の説明】
1 エキサイタコイル 2 制御回路 3 イグニッションコイル 4 プラグ 5 回路電源部 6 サイリスタトリガ回路部 7 パルサコイル 8 パルサ入力回路部 9 パルサ制御電圧パルス発生部 10 進角制御回路部 11 コンパレータ電源部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−164568(JP,A) 特開 昭62−294768(JP,A) 特開 平1−267358(JP,A) 特開 平3−206357(JP,A) 実開 昭62−128168(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 3/08 301 - 302 F02P 5/15

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの点火信号を発生する進角制御
    範囲信号を出力する進角制御範囲設定回路と、前記進角
    制御範囲の範囲外で充電されると共に前記点火信号の発
    生により放電するようにされた点火コイル電流供給用コ
    ンデンサと、前記点火信号の発生時期を制御するための
    点火時期制御回路とを有し、 前記進角制御範囲信号が出力されている間のみ前記点火
    時期制御回路への電源電圧を供給する回路電源制御回路
    を設けたことを特徴とする点火制御装置。
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