JP3053973U - 壁掛式簡易小便器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】狭いトイレスペースであっても場所を取らず壁
面に掛けて使用でき、老人や病人でも尿を周りに飛散す
ることなく、然も簡単に取外して洗浄可能な、清潔で安
心して使用できる壁掛式簡易小便器を提供する。 【解決手段】便器本体１と該本体に着脱可能に設けた容
器１２とを備える小便器において、本体の背面が平面状
又は直交する左右の側壁１３を備え、前記本体に壁掛手
段１４を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、トイレ内等の壁面に掛けて使用に供する壁掛式簡易小便器に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、寝たきり老人や病人用として尿瓶や工事現場用の簡易小便器があり、後 者の例として、実開平４−１０７６９４が開示されている。 ところが、自分で小用ができるものの手足がやや不自由であるか、又は視力が 弱い老人や病人は尿瓶を使用するには抵抗感があり、また、最近の住宅事情から 男性用の小便器を備えるスペースに乏しい上、和式乃至洋式便器にては飛散によ り便器周りを汚し不潔で清掃に手間がかかる。一方、前記公報に開示された簡易 小便器は前記老人や病人にとっては使用に困難を伴う等の問題があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記のような問題点を改善するために、狭いトイレスペースであっ ても場所を取らず壁面に掛けて使用でき、老人や病人でも尿を周りに飛散するこ となく、然も簡単に取外して洗浄可能な、清潔で安心して使用できる壁掛式簡易 小便器を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記の課題を解決するために、本考案は、便器本体と該本体に着脱可能に設け た容器とを備える小便器において、本体の背面が平面状の側壁又は直交する左右 の側壁を備え、前記本体に壁掛手段を設けたことを特徴とする壁掛式簡易小便器 とする。

【０００５】 また、前記の課題を解決するために、本考案は、便器本体の排出口の外周部に 、突起をその各々の外周上の距離が略等間隔になるように複数個設け、前記排出 口の外側を覆う容器受口に、前記突起と嵌合するＬ字溝を設けた壁掛式簡易小便 器とすることが好ましい。

【０００６】 また、前記の課題を解決するために、本考案は、前記容器内に配設された尿検 出部と、容器内の尿の位置が前記尿検出部に達した時に作動するスイッチ部と、 スイッチ部に連動する報知部から構成される溢尿防止手段を備えたことを特徴と する壁掛式簡易小便器とする。

【０００７】

【作用】

本考案にかかる壁掛式簡易小便器は前記のように構成したことにより、トイレ の隅の空きスペースを利用して簡単に設置でき邪魔にならず、しかも、昼間は１ 階に、夜間は２階のように使用場所に応じて容易に持運んで設置できる。

【０００８】 請求項２記載の壁掛式簡易小便器は、前記のように構成したので排出口の外周 部に設けた突起と容器受口のＬ字溝を嵌合させて容器を左右に少し回転して着脱 し、しかも確実に固定することができるので健常者は勿論、老人や病人でも容易 に操作できる。

【０００９】 請求項３記載の壁掛式簡易小便器は、前記のように構成したので容器内の尿が 検出部に達すると例えばブザーや光の点滅等の報知手段によって尿が満杯になる 前に報知し、尿が容器外に溢れることを防止できる。容器は通常透明又は半透明 の素材を使用すれば尿の量は目視できるが、視力の弱い老人、病人、注意力散漫 な場合等にはブザーで報知することが特に好ましい作用を為す。

【００１０】

【実施例】

以下に代表的な実施例を図面に基づいて説明する。 実施例１ 図１は本考案の一実施例を示したものであって、本体１１の背面が直交する左 右の側壁１４からなるものの例である。図において小便器１は、本体１１と、そ の下方に一体的に延設された排出口１５によって構成され、排出口１５を尿の収 容容器１２の受口１７に挿通することにより壁掛式簡易便器として使用に供され る。左右の側壁１４の上端部には係止孔を有する壁掛手段１４を設け、使用時に は壁面に取付けられたＬ字掛具等を係止孔に通して便器を懸吊して用いる。壁掛 手段１１としては、磁石、マジックテープ等を利用することもできる。

【００１１】 図３に示すように、本体１１の下方には尿を容器１２に導く排出口１５と排出 口１５の外周に設けられた突起１６及び突起１６に嵌合する受口１７上のＬ字溝 １８によって容器１２が着脱可能に取付けられている。図４は着脱機構を示し、 ａは容器を排出口から抜取る状態、ｂは容器が排出口に固定した状態を示す。 この実施例は、突起と溝を一対設けた例であるが、外周上に略等間隔に３個以上 設けてもよい。また、着脱機構としては他に螺合等も可能である。

【００１２】 実施例２ 図２は本考案の他の実施例を示したものであって、本体１１の背面が平面状の 側壁１４からなる以外は実施例１と同一である。ここで、本体１１は、通常便器 に使用される陶磁器等で製造できる。しかし、合成樹脂例えば、ＡＢＳ、ポリプ ロピレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、尿素、ポリエステル、ＦＲＰ等が 軽量で好ましい。容器１２は、通常透明乃至半透明の合成樹脂例えばポリエチレ ン、ポリプロピレン製の広口瓶等が使用できる。例えば、洗剤用容器等を転用し て用いることもできる。図に示すように容器の着脱を容易にするために把手を付 けもよい。

【００１３】 次に、溢尿防止手段２は公知の水滴アラーム等を組込んで使用できる。この典 型的な例について説明すると、先ず、図４に示すように、尿検出部２１はスライ ド可能な支持具２２の先端に取付けられ、支持具２２は便器本体の排出口の外周 部に例えば磁石等で着脱可能に固定される。尿検出部以外のスイッチ部、報知部 等はボックス２５に格納されトイレの壁面に固定され、コードによって尿検出部 と連結されている。

【００１４】 また、この例の溢尿防止手段２をより詳細に言うならば、図５の回路図におい て、尿検出部２１はプリント用銅箔基板にスリット状の溝を形成したものである 。スイッチ部２３はサイリスター（シリコン制御整流素子ＦＩＲ３Ｂ４１）であ る。報知部２４は３Ｖ用のミニブザーである。この他に、抵抗２６（３．３ｋΩ ）、コンデンサー２７（０．０１μＦ）、トグルスイッチ２８、乾電池２９（単 三１．５Ｖ２個）等によって構成される。

【００１５】 前記のように構成された溢尿防止手段２によれば、便器を何回か使用して容器 １２に尿が溜り、予め設定された尿検出部２１に尿が達したとき、ブザーによっ て知らせる。この時、トグルスイッチを切ることによってブザーを止めることが できる。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように構成されているので本考案に係る壁掛用簡易小便器は以下に記載 されるような効果を奏する。 トイレの隅の空きスペースに簡単に取付けて使用できるので邪魔にならない。 特に、手足や視力の弱い老人や病人でも尿が飛散せず小用ができ、また、便器を 簡単に着脱できて洗浄が容易なので常に清潔に保つことができる。

【００１７】 更に、溢尿防止手段によって、容器内の尿が一定量になるとブザー等で報知さ れので不用意に尿が溢流することを防止でき、使用者は安心して放尿することが できる。また、尿検出部は簡単に着脱できるので、便器の洗浄の際も邪魔になら ない。容器の着脱も簡単で老人や病人でも容器の交換をすることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は実施例１の壁掛用簡易小便器の平面
図、（ｂ）は実施例１の壁掛用簡易小便器の斜視図、
（ｃ）は実施例１の壁掛用簡易小便器の側面図である。

【図２】（ａ）は実施例２の壁掛用簡易小便器の平面
図、（ｂ）は実施例２の壁掛用簡易小便器の斜視図、
（ｃ）は実施例２の壁掛用簡易小便器の側面図である。

【図３】便器排出口及び容器受口近傍の部分断面図であ
る。

【図４】容器着脱機構を示す平面図である。

【図５】溢尿防止手段を示す回路図である。

【符号の説明】

１：小便器、２：溢尿防止手段、１１：本体、１２：容
器、１３：側壁、１４：壁掛手段、１５：排出口、１
６：突起、１７：受口、１８：Ｌ字溝、２１：尿検出
部、２２：支持具、２３：スイッチ部、２４：報知部、
２５：ボックス、２６：抵抗、２７：コンデンサー、２
８：トグルスイッチ、２９：乾電池

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】便器本体と該本体に着脱可能に設けた容器
   とを備える小便器において、本体の背面が平面状の側壁
   又は直交する左右の側壁を備え、前記本体に壁掛手段を
   設けたことを特徴とする壁掛式簡易小便器。
2. 【請求項２】便器本体の排出口の外周部に、突起をその
   各々の外周上の距離が略等間隔になるように複数個設
   け、前記排出口の外側を覆う容器受口に、前記突起と嵌
   合するＬ字溝を設けた請求項１記載の壁掛式簡易小便
   器。
3. 【請求項３】前記容器内に配設された尿検出部と、容器
   内の尿の位置が前記尿検出部に達した時に作動するスイ
   ッチ部と、スイッチ部に連動する報知部から構成される
   溢尿防止手段を備えたことを特徴とする請求項１又は請
   求項２記載の壁掛式簡易小便器。