JP3053843B2 - ヘリコプタの降着装置 - Google Patents

ヘリコプタの降着装置

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JP3053843B2
JP3053843B2 JP2136577A JP13657790A JP3053843B2 JP 3053843 B2 JP3053843 B2 JP 3053843B2 JP 2136577 A JP2136577 A JP 2136577A JP 13657790 A JP13657790 A JP 13657790A JP 3053843 B2 JP3053843 B2 JP 3053843B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ヘリコプタの降着装置に関し、より詳し
くは、地上におけるヘリコプタの移動作業が容易にでき
るようにする降着装置に関する。
(従来の技術) 上記降着装置には、従来、特開昭62−241800号公報に
示されるものがある。
上記公報のものによれば、ヘリコプタは、前後方向に
長く延びる機体と、この機体の前部下方に配設されて前
後方向に長く延び上記機体に支持される左右一対の降着
スキッドと、上記機体の前部に縦向き軸心回りに回転自
在となるよう支承されるポストと、このポストに取り付
けられるメーンローターとを備えており、地面上を移動
可能な車輪に対し、上記ポストよりも前側の上記降着ス
キッドの部分が支持可能となるようこの部分に上記車輪
が支承されている。
上記構成によれば、地上でヘリコプタを移動させよう
とするときには、作業者がヘリコプタの機体の後部を持
ち上げ、この機体を押し、もしくは引っ張る。すると、
上記車輪が地上面を転動し、もって、ヘリコプタの移動
が容易にできることとされている。
また、通常、ヘリコプタのポストは前後方向でこのヘ
リコプタの重心とほぼ同じところに配設されるため、上
記したようにポストよりも前側のヘリコプタの部分を車
輪に支持させて、作業者が機体の後部を持ち上げたとき
には、上記ヘリコプタの重量は上記車輪と作業者とによ
って分担され、それぞれが受ける負荷が小さく抑えられ
る。
よって、例えば、軟弱な地面上で、ヘリコプタを移動
させようとして車輪を転動させるとき、この車輪が地面
にめり込むということは、これら車輪に対する負荷が小
さい分抑制され、もって、ヘリコプタの円滑な移動がよ
り確実にできることとなる。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、上記従来の構成では、車輪はヘリコプタに
支承されたままとなっているため、ヘリコプタの飛行時
には、このヘリコプタは車輪を伴って飛行することとな
る。このため、例えば、ヘリコプタが無線操縦式の産業
用機械である場合には搭載物を含めた総重量に上限の規
制があることから、前記したように車輪を伴って飛行す
ると、その車輪の重さの分だけ、搭載物の重量を下げる
ことが必要となり、これは産業用機械としての性能を低
下させる原因となって、好ましくない。
そこで、上記降着スキッドに対し車輪を着脱具によっ
て着脱自在とさせ、ヘリコプタの飛行時には、上記車輪
を取り外す一方、地面上を移動させるときには、上記降
着スキッドに車輪を取り付けてこの車輪にヘリコプタを
支持させるようにすることが考えられる。
しかし、降着スキッドに対し上記車輪を着脱具により
着脱させるようにすると、この着脱具に対する作業が煩
雑になるおそれがあり、つまり、地上でヘリコプタを移
動させる作業が煩雑になるおそれがある。
(発明の目的) この発明は、上記のような事情に注目してなされたも
ので、ヘリコプタにおける搭載物の重量を重くできるよ
うにして産業用機械としての性能を向上させるように
し、かつ、このようにした場合でも、地上でヘリコプタ
を移動させるための作業が容易にできるようにすること
を目的とする。
(発明の構成) 上記目的を達成するためのこの発明の特徴とするとこ
ろは、ヘリコプタ1が、前後方向に長く延びる機体2
と、この機体2の前部下方に配設されて前後方向に長く
延び上記機体2に支持される左右一対のスキッド4,4
と、上記機体2の前部に縦向き軸心回りに回転自在とな
るよう支承されるポスト6と、このポスト6に取り付け
られるメーンローター7とを備え、地面上を移動可能な
車輪14,15に対し上記ポスト6よりも前側の上記降着ス
キッド4,4の部分を支持可能としたヘリコプタの降着装
置において、 上記車輪14,15が、地面上を転動自在とされる左右一
対の車輪本体14a,15aと、ほぼ水平に延びてこれら車輪
本体14a,15aを互いに連結する車軸14b,15bとを備え、上
記ポスト6よりも前側で上記左右降着スキッド4,4にそ
れぞれ嵌合部13,13を形成し、これら嵌合部13,13を上記
車軸14b,15bに対しその上方から嵌合自在に嵌合させて
上記車輪14,15に対し上記降着スキッド4,4を支持可能と
した点にある。
(作 用) 上記構成による作用は次の如くである。
ヘリコプタ1の降着スキッド4,4の嵌合部13,13は、車
輪14,15の車軸14b,15bに対し嵌脱自在であるため、ヘリ
コプタ1の飛行時には、上記降着スキッド4,4の嵌合部1
3,13と、車輪14,15の車軸14b,15bとを離脱させればよ
く、このようにすれば、従来、車輪を取り付けたままで
飛行していたことに比べて、ヘリコプタ1の重量を軽く
できる。
よって、その分、ヘリコプタ1における搭載物の重量
を重くできる。
一方、地上でヘリコプタ1を移動させようとするとき
には、まず、車輪14,15に降着スキッド4,4を支持させる
ことによってヘリコプタ1を支持させ、次に、このヘリ
コプタ1の機体2の後部を持ち上げ、この機体2を押
し、もしくは引っ張る。すると、上記車輪14,15の車輪
本体14a,15aが地面上を転動し、もって、ヘリコプタ1
の移動が容易にできる。
ここで、上記した車輪14,15に対し降着スキッド4,4を
支持させることは、単に地面上に置いた車輪14,15の車
軸14b,15bに対し、その上方から上記降着スキッド4,4に
形成した嵌合部13,13を嵌合させるだけで足り、これに
よって、上記したように車輪14,15に降着スキッド4,4が
支持され、つまり、ヘリコプタ1が支持されることとな
る。
よって、上記車輪14,15に対しヘリコプタ1を支持さ
せる作業は極めて容易にできる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面により説明する。
第1図と第2図は第1実施例を示している。図におい
て、1は産業用の無線操縦式無人ヘリコプタであり、第
1図中矢印Frはその前方を示している。
上記ヘリコプタ1は、前後方向に長く延びる機体2
と、この機体2の前部下方に配設されて前後方向に長く
延びる左右一対の降着スキッド4,4と、これら降着スキ
ッド4,4を上記機体2の前部下面に支持させる前後一対
の支脚3,3とを備えている。
また、上記ヘリコプタ1は、上記機体2の前部に縦向
き軸心回りに回転自在となるよう支承されるポスト6
と、このポスト6の上端部に取り付けられるメーンロー
ター7と、このメーンローター7用のスタビライザ7aと
を備え、これらメーンローター7やスタビライザ7aは上
記ポスト6を介し、機体2の前部に設けられたエンジン
(図示せず)によって、回転駆動させられる。
一方、同上機体2の後端にはテールローター8が横向
き軸心回りに回転自在に支承され、このテールローター
8は上記メーンローター7に連動して、このメーンロー
ター7やスタビライザ7aが回転するときの反力(偶力)
に抗するようになっている。また、同上機体2の後端に
はテールローター8用のガードバー9が下方に向って突
設されている。その他、10は上記エンジン用の排気管で
ある。
上記ヘリコプタ1が地上に降着したとき、左右降着ス
キッド4,4が接地し、これによって、ヘリコプタ1が地
面上に自立できるようになっている。
上記各降着スキッド4の前部は前上方に向って折れ曲
がっており、その前端には、下方に向って開くフック状
の嵌合部13が形成され、これら各嵌合部13は上記ポスト
6よりも前側に位置させられている。
一方、地上で上記ヘリコプタ1の移動を容易にさせる
小径車輪14と、大径車輪15とが予め準備され、これら各
車輪14,15はそれぞれ地面上を移動可能とされ、これら
車輪14,15に対し上記ポスト6よりも前側の上記降着ス
キッド4,4の部分、つまり、上記嵌合部13,13が支持可能
とされている。
上記各車輪14,15は、それぞれ地面上を転動自在とさ
れる左右一対の車輪本体14a,15aと、ほぼ水平に延びて
これら左右車輪本体14a,15aを互いに連結する車軸14b,1
5bとを備えている。これらの車輪14,15のうちいずれか
一方に選択的に上記ヘリコプタ1が支持可能とされてい
る。より詳しくは、上記嵌合部13,13がいずれか一方の
車軸14b,15bに対しその上方から嵌合自在に嵌合して、
上記車輪14,15に対し上記降着スキッド4,4が支持可能と
され、つまり、ヘリコプタ1が支持可能とされている。
上記の場合、降着スキッド4,4の嵌合部13,13は、各車
輪14,15の車軸14b,15bに対し嵌脱自在であるため、ヘリ
コプタ1の飛行時には、上記降着スキッド4,4の嵌合部1
3,13と車輪14,15の車軸14b,15bとを離脱させればよく、
このようにすれば、従来、車輪14,15を取り付けたまま
で飛行していたことに比べて、飛行中のヘリコプタ1の
重量を軽くできる。
第2図は、小径車輪14に降着スキッド4,4を支持させ
て、ヘリコプタ1を移動させる状態を示している。この
場合、作業者17が機体2の尾部を持ち上げると、各降着
スキッド4の嵌合部13が地面上の小径車輪14の車軸14b
に嵌合し、これによって、降着スキッド4,4を介しヘリ
コプタ1が小径車輪14に支持されるようになっている。
そして、この状態から、上記機体2を押し、もしくは引
っ張れば、ヘリコプタ1の移動が容易にできることとな
る。また、上記機体2を元に下げると、車軸14bに対す
る各嵌合部13の嵌合が自動的に解除される。
一方、上記小径車輪14に代えて、ヘリコプタ1を大径
車輪15に支持させれば、地面が凹凸の激しいところであ
っても、この大径車輪15は円滑に転動し、上記移動作業
が容易にできることとなる。この場合の大径車輪15に対
する嵌合部13の嵌脱も、前記と同じく機体2の尾部の持
ち上げや、これを下げることによって達成される。
なお、上記の左右車輪本体14a,15aは共に左右嵌合部1
3,13間に配設され、各車輪14,15に対し降着スキッド4,4
を支持させたとき、これらが降着スキッド4から外側方
に大きく突出しないよう考慮されている。
第3図から第5図は第2実施例を示している。
この実施例は、前記実施例と基本構成は同じであるた
め、異なる構成についてのみ説明し、共通の構成につい
ては、図面にその符号を付して説明を省略する。
この実施例によれば、各降着スキッド4の前端には小
径車輪14がボルト式の車軸18により回転自在に支承さ
れ、つまり常時取り付け式となっている。なお、この小
径車輪14は降着スキッド4に対し常時取り付けられるも
のではあるが、車軸18を緩めることによって、この小径
車輪14の取り外しができることとなっている。
また、上記各降着スキッド4にはフック状の嵌合部13
が形成され、この嵌合部13は大径車輪15の車軸15bに対
しその上方から嵌脱自在とされている。
上記実施例によれば、小径車輪14は常時取り付けられ
ているが、これは軽量であるため、ヘリコプタ1が重く
なることが抑制され、よって、搭載物の重量は十分に確
保できる。
(発明の効果) この発明によれば、ヘリコプタが、前後方向に長く延
びる機体と、この機体の前部下方に配設されて前後方向
に長く延び上記機体に支持される左右一対の降着スキッ
ドと、上記機体の前部に縦向き軸心回りに回転自在とな
るよう支承されるポストと、このポストに取り付けられ
るメーンローターとを備え、地面上を移動可能な車輪に
対し上記ポストよりも前側の上記降着スキッドの部分を
支持可能としたヘリコプタの降着装置において、 上記車輪が、地面上を転動自在とされる左右一対の車
輪本体と、ほぼ水平に延びてこれら車輪本体を互いに連
結する車軸とを備え、上記ポストよりも前側で上記左右
降着スキッドにそれぞれ嵌合部を形成し、これら嵌合部
を上記車軸に対しその上方から嵌脱自在に嵌合させて上
記車輪に対し上記降着スキッドを支持可能としてあり、
次の効果が生じる。
即ち、ヘリコプタの降着スキッドの嵌合部は、車輪の
車軸に対し嵌脱自在であるため、ヘリコプタの飛行時に
は、上記降着スキッドの嵌合部と、車輪の車軸とを離脱
させればよく、このようにすれば、従来、車輪を取り付
けたままで飛行していたことに比べて、ヘリコプタの重
量を軽くできる。
よって、その分、ヘリコプタにおける搭載物の重量を
重くできて、産業用機械としての性能が向上する。
一方、地上でヘリコプタを移動させようとするときに
は、まず、車輪に降着スキッドを支持させることによっ
てヘリコプタを支持させ、次に、このヘリコプタの機体
の後部を持ち上げ、この機体を押し、もしくは引っ張
る。すると、上記車輪の車軸本体が地面上を転動し、も
って、ヘリコプタの移動が容易にできる。
ここで、上記した車輪に対し降着スキッドを支持させ
ることは、単に地面上に置いた車輪の車軸に対し、その
上方から上記降着スキッドに形成した嵌合部を嵌合させ
るだけで足り、これによって、上記したように車輪に降
着スキッドが支持され、つまり、ヘリコプタが支持され
ることとなる。
よって、上記車輪に対しヘリコプタを支持させる作業
は極めて容易にでき、即ち、地上でヘリコプタを移動さ
せる作業は極めて容易にできることとなる。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明の実施例を示し、第1図と第2図は第1実
施例で、第1図はヘリコプタの全体側面図、第2図はヘ
リコプタを移動させるときの図、第3図から第5図は第
2実施例を示し、第3図はヘリコプタの正面図、第4図
はヘリコプタの側面部分拡大図、第5図は第4図のV−
V線矢視図である。 1……ヘリコプタ、2……機体、4……降着スキッド、
6……ポスト、7……メーンローター、13……嵌合部、
14,15……車輪、14a,15a……車輪本体、14b,15b……車
軸。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘリコプタが、前後方向に長く延びる機体
    と、この機体の前部下方に配設されて前後方向に長く延
    び上記機体に支持される左右一対の降着スキッドと、上
    記機体の前部に縦向き軸心回りに回転自在となるよう支
    承されるポストと、このポストに取り付けられるメーン
    ローターとを備え、地面上を移動可能な車輪に対し上記
    ポストよりも前側の上記降着スキッドの部分を支持可能
    としたヘリコプタの降着装置において、 上記車輪が、地面上を転動自在とされる左右一対の車輪
    本体と、ほぼ水平に延びてこれら車輪本体を互いに連結
    する車軸とを備え、上記ポストよりも前側で上記左右降
    着スキッドにそれぞれ嵌合部を形成し、これら嵌合部を
    上記車軸に対しその上方から嵌脱自在に嵌合させて上記
    車輪に対し上記降着スキッドを支持可能としたヘリコプ
    タの降着装置。
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