JP3052666U - 合成繊維からなるリリヤンを使用してなる模様布帛 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成繊維で構成したリリヤンからなる意匠効
果に優れた模様布帛を提供する。 【解決手段】 合成繊維からなる双糸を組み合わせてな
る複数のリリヤン５、６を、透視性ある基布４上に、刺
繍模様状に縫着してなるもので、リリヤン５、６は千鳥
縫で基布４に縫着されている。基布４としてチュール又
はオーガンジー等を使用するのが好ましく、合成繊維か
らなる双糸としては、Ａ色の糸二本を撚り合わせてなる
単色糸１と、Ｂ色の糸二本撚り合わせてなる単色糸２、
Ａ色の糸とＢ色の糸を撚り合わせてなる杢糸３を使用
し、リリヤン５、６として、Ａ色の単色糸１と杢糸３か
らなるものと、Ｂ色の単色糸２と杢糸３からなるものを
使用することにより、絣様の妙味ある製品が得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、合成繊維からなるリリヤンを使用してなる模様布帛に関する。

【０００２】

【従来の技術】

絹糸からなるリリヤンを刺繍したショール等は一部市販されているが、合成繊 維からなるリリヤンを使用した模様布帛は、存在しなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、合成繊維をリリヤンとして、非常に意匠効果に優れる模様布帛に構 成することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案では、合成繊維からなる双糸を少なくとも２種組み合わせてなるリリヤ ンを、２種以上使用して、透視性ある基布上に、刺繍模様状に縫着し、しかもこ の刺繍模様を、リリヤンを千鳥縫で基布に縫着したものとすることによって、上 記課題を解決した。

【０００５】 基布として透視性ある布帛を使用するが、これは基布の存在を感知させず、模 様布帛がリリヤンのみからなるかのような外観を得る効果があるからであり、該 基布としては、チュール又はオーガンジー等を使用するのが好ましい。

【０００６】 次に、合成繊維からなる双糸としては、Ａ色の糸二本を撚り合わせてなる単色 糸と、Ｂ色の糸二本撚り合わせてなる単色糸、Ａ色の糸とＢ色の糸を撚り合わせ てなる杢糸を使用し、リリヤンとしては、Ａ色の単色糸と杢糸からなるものと、 Ｂ色の単色糸と杢糸からなるものを使用するのが効果的である。勿論、Ａ色、Ｂ 色の色を変化させて、多数の糸を作成し、リリヤンとして、３種以上のものを使 用してもよい。

【０００７】 なお、リリヤンは、４本針、６本針又は８本針等で太さの異なるものを製造し 、それらを組み合わせて使用するのが好ましい。

【０００８】 杢糸は絣糸の効果を呈するものであり、前述の如く、リリヤンとして、Ａ色の 単色糸と杢糸Ｃからなるものと、Ｂ色の単色糸と杢糸Ｃからなるものを組み合わ せて使用した場合、リリヤンの刺繍模様と相まって、非常に上品で落ちついた意 匠効果に富んだ製品を得ることができる。

【０００９】 本考案の布帛は、ショールや羽織等の衣料用に使用するのが効果的であるが、 リリヤンを千鳥縫により細かい波型をなす紐状にしたものを房とするショールに 構成するのが特に好ましい。

【００１０】 本考案で前記双糸を構成する糸は、ポリアミド繊維、レーヨン、アクリル系繊 維、ポリエステル系繊維等の合成繊維からなるものであればよいが、登録商標「 シノン」や「シルック」等として市販されるシルク調のポリエステル系繊維から なるものを使用するのが好ましい。１０〜２００デニール、特に３０〜１００デ ニール程度の糸を使用するのがよい。

【００１１】

【考案の実施の形態】

次に、図面に示す一例に基づいて、本考案の実施態様を説明する。 この例では白色と黒色のポリエステル系繊維糸─７５デニール─（東洋紡績株 式会社の「登録商標：シノン」）を使用して、３種の双糸（単色糸１、２及び杢 糸３）を製造し、これらを組み合わせて２種のリリヤン５、６を製造した。 単色糸 １：黒色の糸を二本撚り合わせたもの。 単色糸 ２：白色の糸を二本撚り合わせたもの。 杢糸 ３：黒色の糸と白色の糸を撚り合わせたもの。 リリヤン５：黒の単色糸１と黒白の杢糸３を６本針でリリヤンとしてもの。 リリヤン６：白の単色糸２と黒白の杢糸３を４本針でリリヤンとしてもの。

【００１２】 黒色の２０デニールのポリエステル糸からなるチュールを基布４とし、この上 に、前述の２種のリリヤン５、６を、図１の如く刺繍模様状に縫着した。刺繍模 様は、リリヤン５、６を、多頭式電子ハンドル刺繍機で図２の如く千鳥縫で模様 状に縫着したものである。なお、この例はショールに関するものであるが、この 場合、房７も千鳥縫で細かい波型に形成されたものとした（但し、房７の部分に は、基布４は存在しない）。

【００１３】 得られた製品は、基布４の存在を感知させない、非常に上品な刺繍模様地とな った。なお、模様は、全体に、太さ及び色調の異なるリリヤン５、６を千鳥縫に よる細かい波型（ジグザグ状の紐）として描かれており、しかも、リリヤン５、 ６はいずれも絣糸のような外観を呈するため、高級な絣糸を風合のよいニット地 に仕上げたような、非常に妙味ある製品となった。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の製品は、全体に合成繊維からなるため、非常に扱い易く、また経済的 である。更に、薄地の基布を使用し、絣糸調の特殊なリリヤンを千鳥縫で組み合 わせて刺繍した模様地であるため、非常に意匠性よく、風合のよいニット地の如 き外観を有するものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の製品の一例を示す平面図である。

【図２】図１の製品の部分拡大図である。

【符号の説明】

１ 単色糸 ２ 単色糸 ３ 杢糸 ４ 基布 ５ リリヤン ６ リリヤン ７ 房

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成繊維からなる双糸を少なくとも２種
   組み合わせてなるリリヤンを、２種以上使用して、透視
   性ある基布４上に、刺繍模様状に縫着してなるものであ
   って、前記刺繍模様が、リリヤン５、６を千鳥縫で基布
   ４に縫着してなるものであることを特徴とする模様布
   帛。
2. 【請求項２】 基布４としてチュール又はオーガンジー
   を使用することを特徴とする請求項１の模様布帛。
3. 【請求項３】 合成繊維からなる双糸として、Ａ色の糸
   二本を撚り合わせてなる単色糸１と、Ｂ色の糸二本撚り
   合わせてなる単色糸２、Ａ色の糸とＢ色の糸を撚り合わ
   せてなる杢糸３を使用し、リリヤン５、６として、Ａ色
   の単色糸１と杢糸３からなるものと、Ｂ色の単色糸２と
   杢糸３からなるものを使用することを特徴とする請求項
   １又は２の模様布帛。
4. 【請求項４】 Ａ色の単色糸１と杢糸３かならなるリリ
   ヤン５とＢ色の単色糸２と杢糸３からなるリリヤン６の
   太さが異なることを特徴とする請求項３の模様布帛。
5. 【請求項５】 前記布帛がショールに形成されているこ
   とを特徴とする請求項１〜４いずれか１項の模様布帛。
6. 【請求項６】 前記双糸を構成する糸が、ポリエステル
   系繊維からなることを特徴とする請求項１〜５いずれか
   １項の模様布帛。