JP3051497B2 - スルファニルアミド誘導体のテクネチウム錯体をもちいる放射性診断剤 - Google Patents

スルファニルアミド誘導体のテクネチウム錯体をもちいる放射性診断剤

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JP3051497B2
JP3051497B2 JP3140752A JP14075291A JP3051497B2 JP 3051497 B2 JP3051497 B2 JP 3051497B2 JP 3140752 A JP3140752 A JP 3140752A JP 14075291 A JP14075291 A JP 14075291A JP 3051497 B2 JP3051497 B2 JP 3051497B2
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carboxymethyl
bis
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sulfanilamide
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善晴 加留部
宏志 吉福
二郎 高田
浩司 岩本
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株式会社第一ラジオアイソトープ研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サルファ剤として知ら
れるスルファミン誘導体のN 4 位にキレート剤であるニ
トリロトリ酢酸を縮合させたスルファニルアミド誘導体
とテクネチウム99m( 99m Tc)とから形成される 99m
Tc標識錯体を含む腎機能を測定するための放射性診断
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、癌の核医学的動態検査を目的とし
てクエン酸ガリウム(67Ga)や塩化タリウム(201
I)などの放射性診断剤が広く臨床に用いられてきた。
また腎機能測定には131Iオルトヨードヒップランが用
いられてきた。このうち、クエン酸ガリウム(67Ga)
や塩化タリウム(201TI)などの公知診断剤は癌に集
積する性質を有してはいるが、その選択性は低く、鮮明
なシンチグラフィーの映像が得にくいという欠点を有し
ている。 また腎機能測定に用いられてきた131Iオルト
ヨードヒップランは画像の鮮明度、被曝線量などの問題
点があり、いずれも充分に満足の行くものとはいえなか
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような現状から、
体内に投与する放射性診断剤用核種として最も繁用され
ている99mTcで錯体化された癌診断薬や腎機能診断薬
の開発が望まれてきており、本発明は、これら要望を満
足させる新規のテクネチウム錯体を提供する事を目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、テクネチウ
ムを目的部位に速やかに運搬するための担体について鋭
意検討を重ねた結果、次の式(II)で表され、細菌に対
して優れた抗菌作用を示すサルファ剤として知られるス
ルファミン誘導体が担体として優れた性質を有すること
を知った。
【化2】 (式中、Rは水素原子、アミジノ基、置換されていても
良いピリジノ基、置換されていても良いピリミジノ基、
置換されていても良いピリダジノ基、置換されていても
良いチアゾール基、置換されていても良いイソオキサゾ
ール基または置換されていても良いチアジアゾール基を
示し、nは0または1の数を示す)
【0005】そして、スルファミン誘導体の抗菌性をな
くし、目的組織への親和性のみを保持させるためには、
スルファミン誘導体のN位のアミノ基にキレート剤で
あるニトリロトリ酢酸を縮合させれば良いことを見出し
た。 さらに、縮合により得たスルファニルアミド誘導
体から99mTc錯体を調製し、これについて検討した結
果、腎機能診断薬として優れた性質を示す99mTc標識
診断用製剤であることを見出した。
【0006】従って、本発明の目的は、 次の式(I)
【化3】 (式中、Rは水素原子、アミジノ基、ピリジノ基、低級
アルキルもしくは低級アルコキシで置換されていても良
いピリミジノ基、ハロゲンまたは低級アルコキシで置換
されていても良いピリダジノ基、低級アルキルで置換さ
れていても良いチアゾール基、低級アルキルで置換され
ていても良いイソオキサゾール基または低級アルキルで
置換されていても良いチアジアゾール基を示し、nは0
または1の数を示す)で表されるスルファニルアミド誘
導体(I)と、テクネチウム99m( 99m Tc)とから形
成される 99mTc標識錯体を有効成分として含む、腎機
能を測定するための放射性診断剤を提供するものであ
る。
【0007】本発明のスルファニルアミド誘導体(I)
は、例えば次の式に従い、ピリジン等の溶媒中で無水ニ
トリロトリ酢酸(以下NTAと略す)(III)を合成
し、その溶液にスルファミン誘導体(II)を添加し、縮
合させることにより製造することができる。
【化4】 (式中、Rおよびnは前記した意味を有する)
【0008】上記反応は、スルファミン誘導体に対し、
等モル程度のNTAを用い、好ましくは100℃程度の
温度で1時間程度行なうことにより終了する。
【0009】また、出発原料の一つであるNTAは、1
00℃程度の温度で1時間程度かけて、ニトリロトリ酢
酸に酢酸無水物を反応させることにより調製される。
【0010】このようにして得られる本発明のスルファ
ニルアミド誘導体(I)の例としては、次のものが挙げ
られる。 N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファニルアミド N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファグアニジン N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファチアゾール N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファメチゾール N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファメトキサゾール N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファピリジン N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファジアジン N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルフィソミジン N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファメラジン N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファクロロピリダジン N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファジメトキシン N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファメタジン N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファメトキシピリダジン N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ホ
モスルファニルアミド
【0011】本発明の99mTc標識錯体は、上記の様に
して得られるスルファニルアミド誘導体(I)を、99m
cを含む過テクネチウム酸またはその塩および過テクネ
チウム酸還元剤と混合することにより容易に調製し得
る。
【0012】具体的には、凍結乾燥されたスルファニル
アミド誘導体と過テクネチウム酸還元剤に、過テクネチ
ウム酸またはその塩の水溶液を加えることにより得るこ
とができる。
【0013】本明細書中で「過テクネチウム酸還元剤」
とは、過テクネチウム酸塩を強固なキレート化合物の形
成に有利な低原子価状態に還元するためのものであり、
一般に水溶性還元剤が使用される。 このような水溶性
還元剤としては、医薬学上許容され得る種々のものが使
用されるが、好ましいものとしては第一スズ塩、亜二チ
オン酸ナトリウムが挙げられる。 第一スズ塩は二価の
スズが形成する塩であって、具体的には例えば塩化物イ
オン、フッ化物イオンなどのハロゲン化物イオン、硫酸
イオン、硝酸イオンなどの無機酸残基イオン、酒石酸イ
オン、酢酸イオン、クエン酸イオンなどの有機酸残基イ
オンとの間で形成される塩を言う。
【0014】この99mTc標識錯体の調製あたっては、
予めスルファニルアミド誘導体と過テクネチウム酸還元
剤とから成る組成物を調製しておき、これに過テクネチ
ウム酸塩を加えることが極めて便利である。
【0015】上記の組成物は、溶液または凍結乾燥品あ
るいは粉末混合物のいずれの形態としてもよい。 当該
組成物中への水溶性還元剤の添加の形態は、還元能を持
つ水溶性化合物をそのまま該組成物中に加える通常の方
法の他に、還元能を有する金属イオンを陽イオン交換樹
脂に吸着させた形で該組成物中に加える方法も採り得
る。
【0016】また、本発明組成物中に更に、例えばアス
コルビン酸またはエリトルビン酸のごとき酸化防止作用
を持つ化合物を安定剤として添加してもよく、このよう
な安定剤の添加はむしろ好ましいことである。 さらに
また、塩化ナトリウムのような等張化剤、ベンジルアル
コールのような保存剤、またはpH調製のため酸および
塩基を添加することも、本発明組成物の目的を何等妨げ
るものではない。
【0017】本発明の放射性診断剤は、上記の99mTc
標識錯体を有効成分として含む水溶液ほか、必要に応じ
て、当該水溶液のpHを調製するための酸、塩基;緩衝
液;安定化剤;等張化剤;保存剤等の適当な添加物を配
合することによって調製される。
【0018】この放射性診断剤の99mTcの放射能強度
は任意であるが、当該放射診断剤を投与し、目的とする
核医学診断を実施するに際して充分な情報が得られるよ
うな放射能量で、かつ被検者の放射線被曝を可能な限り
低くするような放射能の範囲であることが望ましく、一
般的には10〜300MBqとなるようにすることが好
ましい。
【0019】また、本発明の放射性診断薬の投与方法と
しては、静脈内投与あるいは動脈内投与が行われうる
が、本発明の放射性診断剤の投与後、その活性が発現さ
れるのに有利な投与方法であればよく、他の方法も実施
し得る。 放射性診断薬を投与後、診断目的に適した時
期に継続的にまたは、一時的にガンマカメラまたは、シ
ンチレーションスキャナで撮像もしくは放射能測定を実
施することにより、癌及び膿瘍部位の核医学的診断や、
腎機能診断に有効に利用することができる。
【0020】上記のスルファニルアミド誘導体とテクネ
チウム99m(99mTc)とから形成される99mTc標識
錯体は、短時間で癌の周囲や膿瘍部位に集積し、これら
の部位を描画するので、癌や炎症部位の診断に特に有用
であることが判明した。
【0021】
【発明の効果】本発明のスルファニルアミド誘導体
(I)と99mTcで形成する錯体は、血中クリアランスが
早く、癌及び膿瘍に高い集積性を示した。 そして、投
与後短時間で癌及び膿瘍部位を検出し得るので、この錯
体は癌や膿瘍部位の診断剤として有用である。またサル
ファ剤の中には尿細管分泌される化合物があり、これら
の誘導体の99mTc錯体を用いることにより、尿細管分
泌挙動を明かにした。 その結果、血中クリアランスが
早く、腎レノグラムが作成できることから本発明の錯体
は腎機能診断に有用である。
【0022】
【実施例】以下に、実施例をあげて、本発明を詳しく説
明するが、本発明はなんらこれら実施例により制約され
るものではない。
【0023】実 施 例 1 N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファニルアミドの合成: 100mlのナスフラスコにニトリロトリ酢酸(NT
A)(M.W.191.14)2gを入れ、約20mlの
ピリジンを加え、懸濁させた。無水の反応であるので水
分が混入しないように注意しながら、ジムロート、シリ
カゲル管を付け油浴中で加温した。 次に無水酢酸1.2
5mlを加え、100℃の油浴中で1時間撹拌下加温し
た。 冷後、NTAと等モルのスルファニルアミド(M.
W.172.21)を直接加え、100℃の油浴で1時間
撹拌した。 冷後、吸引濾過した後、溶媒を留去する。
少量の水を加え、酸性にして析出する結晶を得た。化合
物の精製はLH20のカラムに通じて行った。 合成し
たN4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]
スルファニルアミドの融点、元素分析値及びFABマス
スペクトルの親ピークの値を以下に示す。
【0024】mp:203〜210℃ 元素分析(C121537S・0.1H2Oとして;吸湿性が
あるので水を含んだ形とした。以下同じ): 計算値:C41.52,H4.41,N12.11% 測定値:C41.24,H4.53,N12.39% FAB マス・スペクトル 346(M+1)
【0025】実 施 例 2 実施例1と同様にして、対応するスルファミン誘導体
(サルファ剤)から次の化合物を合成した。 (1)N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシ
ル]スルファグアニジン 融 点:193〜196℃ 元素分析(C131757S・1.2H2Oとして): 計算値:C38.18,H4.78,N17.12% 測定値:C37.94,H4.49,N16.92% FAB マス・スペクトル : 388(M+1)
【0026】(2)N4−[N,N−ビス(カルボキシメ
チル)グリシル]スルファチアゾール 融 点:168〜172℃ 元素分析(C1516472・0.7H2Oとして): 計算値:C40.85,H3.98,N12.70% 測定値:C40.99,H3.98,N12.73% FAB マス・スペクトル : 429(M+1)
【0027】(3)N4−[N,N−ビス(カルボキシメ
チル)グリシル]スルファメチゾール 融 点:150〜153℃ 元素分析(C1517572・0.3H2Oとして): 計算値:C40.14,H3.95,N15.60% 測定値:C40.11,H4.11,N15.52% FAB マス・スペクトル : 444(M+1)
【0028】(4)N4−[N,N−ビス(カルボキシメ
チル)グリシル]スルファメトキサゾール 融 点:162〜165℃ 元素分析(C161848S・0.4H2Oとして): 計算値:C44.32,H4.37,N12.92% 測定値:C44.46,H4.37,N12.97% FAB マス・スペクトル : 427(M+1)
【0029】(5)N4−[N,N−ビス(カルボキシメ
チル)グリシル]スルファピリジン 融 点:176〜180℃ 元素分析(C171847S・0.6H2Oとして): 計算値:C47.13,H4.47,N12.93% 測定値:C47.13,H4.47,N12.82%. FAB マス・スペクトル : 423(M+1)
【0030】(6)N4−[N,N−ビス(カルボキシメ
チル)グリシル]スルファジアジン 融 点:191〜197℃ 元素分析(C161757S・0.8H2Oとして) 計算値:C43.90,H4.28,N16.00% 測定値:C43.95,H4.22,N15.90%. FAB マス・スペクトル : 424(M+1)
【0031】(7)N4−[N,N−ビス(カルボキシメ
チル)グリシル]スルフィソミジン 融 点:148〜152℃ 元素分析(C182157S・0.4H2Oとして): 計算値:C47.14,H4.79,N15.27% 測定値:C47.06,H4.89,N15.19% FAB マス・スペクトル 452(M+1)
【0032】(8)N4−[N,N−ビス(カルボキシメ
チル)グリシル]スルファメラジン 融 点:225〜229℃ 元素分析(C171957S・0.6H2Oとして): 計算値:C45.55,H4.54,N15.62% 測定値:C45.70,H4.54,N15.35% FAB マス・スペクトル 438(M+1)
【0033】(9)N4−[N,N−ビス(カルボキシメ
チル)グリシル]スルファクロロピリダジン 融 点:150〜154℃ 元素分析(C161657S・0.5H2Oとして): 計算値:C41.16,H3.67,N15.00% 測定値:C41.14,H3.66,N14.89%. FAB マス・スペクトル : 458(M+1)
【0034】(10)N4−[N,N−ビス(カルボキシ
メチル)グリシル]スルファジメトキシン 融 点:221〜224℃ 元素分析(C171958S・0.3H2Oとして): 計算値:C44.22,H4.45,N14.33% 測定値:C44.12,H4.41,N14.20%. FAB マス・スペクトル : 484(M+1)
【0035】(11)N4−[N,N−ビス(カルボキシ
メチル)グリシル]スルファメタジン融 点:220〜
224℃ 元素分析(C182157S・0.6H2Oとして): 計算値:C46.77,H4.84,N15.15% 測定値:C46.86,H4.81,N15.12%. FAB マス・スペクトル : 452(M+1)
【0036】(12)N4−[N,N−ビス(カルボキシ
メチル)グリシル]スルファメトキシピリダジン 融 点:124〜129℃ 元素分析(C171958S・0.5H2Oとして): 計算値:C44.16,H4.36,N15.14% 測定値:C44.22,H4.31,N15.07%. FAB マス・スペクトル : 454(M+1)
【0037】(13)N4−[N,N−ビス(カルボキシ
メチル)グリシル]ホモスルファニルアミド 融 点:140〜145℃ 元素分析(C131737S・1.0H2Oとして): 計算値:C41.38,H5.08,N11.14% 測定値:C41.57,H5.16,N11.11%. FAB マス・スペクトル 360(M+1)
【0038】実 施 例 3 スルファニルアミド誘導体を用いた放射性診断剤調製用
組成物の製造: N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファニルアミドの0.05M水溶液(注射用水使用)
1ml(pH7.4)に過テクネチウム酸還元剤として
塩化第一スズ2mg/ml(0.1NHCl 溶液)を
0.05〜0.1ml加え、次いで、0.22μmのメン
ブレンフィルタを通し、目的とする組成物を得た。 実
施例2で得られる化合物を用いても同様に放射性診断剤
調製用組成物が得られる。
【0039】実 施 例 4 スルファニルアミド誘導体の99mTc錯体を有効成分と
する放射性診断剤の製造: 実施例3で得た組成物1.0mlに過テクネチウム酸塩
99mTc溶液1.5〜2ml(300〜500MBq)
を加え、次いで0.22μmのメンブランフィルタを通
して目的とする放射性診断剤を得た。
【0040】実 施 例 5 スルファニルアミド誘導体の99mTc錯体を有効成分と
する放射性診断剤の性質: 実施例4で得た放射性診断剤について、薄層クロマトグ
ラフィー、電気泳動を行ない、ついでラジオクロマトス
キャナで走査することにより含まれる99mTc錯体の標
識率を調べた。 この結果を表1および表2に示す。
【0041】(1)薄層クロマトグラフィー シリカゲルF254薄層板(0.25mm)を用いて、溶媒
は70%アセトニトリルで展開した。 この溶媒で展開
すると、過テクネチウム酸は上限に、99mTc−スズコ
ロイドは原点に放射能ピークが認められる。 実施例4
で得た錯体溶液は、表1に示すようにRf0.8付近に
大部分の放射能ピークが認められた。一部Rf値0.3
4付近にNTA誘導体に特有の放射能ピークがかすかに
検出された。また、遊離の99mTcO4や酸化テクネチウ
ムの量はわずかであり、本剤の診断薬としての性質をな
んら妨げるものではないと判断された。
【0042】
【表1】
【0043】(2)電気泳動 電気泳動は下記の条件で行った。指 示 体 : ろ紙(To
yo Filter Paper 51A) 泳 動 液 : 0.1M酢酸緩衝液(pH4.8) 泳動条件 : 600V, 30分
【0044】
【表2】
【0045】ろ紙電気泳動の結果、放射能バンドは、+
側約1〜5cm付近に一つのバンドが検出され、遊離の
99mTcO4(+側8.8cmに移動)の存在は否定され
た。また化合物が加水分解されて生成するNTAの錯体
の生成が疑われるが、その錯体は+側7.54cmに移
動するのでその存在も否定できた。
【0046】実 施 例 6 本発明放射性診断剤の担癌マウスにおけるシンチグラフ
ィー: エールリッヒ腹水癌を右上肢に移植したICR系雄性マ
ウス(体重35g)に実施例4で得られた放射性診断剤
0.15mlを尾静脈から注入し、経時的に平行コリメ
ータを装着したガンマカメラでシンチグラムを得た。こ
れによると、癌の周辺部位が投与後10分くらいから描
画され、30分後からはより明瞭に描画された。 この
ことから本剤は癌診断剤として有用であることが確かめ
られた。
【0047】実 施 例 7 本発明放射性診断剤の担膿瘍ラットにおけるシンチグラ
フィー: テレピン油と流動パラフィンの混合物(1:1)0.1
5mlを筋肉内に投与することにより、ウイスターラッ
ト(体重300g)の右上肢に膿瘍を惹起させた。 こ
のラットに実施例4で得られた放射性診断剤 0.5ml
を尾静脈から注入し、経時的に平行コリメータを装着し
たガンマカメラでシンチグラムを得た。これによると、
膿瘍の描出は投与後10分くらいから認められ、30分
後からはより明瞭に描出された。 このことから本剤は
膿瘍診断剤として有用であることが確かめられた。
【0048】実 施 例 8 担膿瘍マウスにおける99mTc標識錯体の体内分布: この実施例では、配位子としてのスルファニルアミド誘
導体がN4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシ
ル]スルファジアジンおよびN4−[N,N−ビス(カル
ボキシメチル)グリシル]スルファグアニジンである
99mTc標識錯体の場合を示すが、その他のサルファ剤
誘導体の場合にも以下に示すものと同様の結果が得られ
る。
【0049】実施例7で、99mTc標識錯体が膿瘍に集
積することが認められたので、その体内分布を調べた。
まず、テレピン油と流動パラフィンの混合物(1:
1)0.1mlを筋肉内に投与し、ICR系雄性マウス
(体重30g)に膿瘍を惹起させた。 このマウスに、
4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシル]ス
ルファジアジンおよびN4−[N,N−ビス(カルボキシ
メチル)グリシル]スルファグアニジンを用い、実施例
4に従って調製された放射性診断剤 0.15mlを尾静
脈から投与し、経時的に血液及び尿を採りまた組織及び
臓器を摘出して各サンプル中の放射能を測定した。 ス
ルファニルアミド誘導体としてN4−[N,N−ビス(カ
ルボキシメチル)グリシル]スルファジアジンを用いた
ときの結果を表3に、N4−[N,N−ビス(カルボキシ
メチル)グリシル]スルファグアニジンを用いたときの
結果を表4にそれぞれ示す。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】以上のごとく、99mTc−N4−[N,N−
ビス(カルボキシメチル)グリシル]スルファジアジン
99mTc−N4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)
グリシル]スルファグアニジン錯体の膿瘍/血液比は投
与後30分で1以上の結果が得られ、投与後短時間で膿
瘍に集積することが認められ、核医学診断目的に極めて
有用であることが確かめられた。
【0053】実 施 例 9 正常ラットにおける腎レノグラムの作成: この実施例では、スルファニルアミド誘導体を有する配
位子がN4−[N,N−ビス(カルボキシメチル)グリシ
ル]スルフィソミジンである99mTc標識錯体の場合は
示すが、その他のサルファ剤誘導体の場合にも以下に示
すものと同様の結果が得られた。
【0054】実施例7および8で、99mTc標識錯体が
速やかに腎から排泄されることが認められたので、腎レ
ノグラムを作成した。 ウイスター系雄性正常ラット
(体重約300g)に、実施例4で得られた放射性診断
剤 1.0mlを尾静脈から投与し、10秒毎に約20分
間シンチグラムを記録した。 得られたシンチグラムか
ら腎部位の放射能の変化を測定し、作成した腎レノグラ
ムを図1に示す。図1に示した腎レノグラムから明らか
なように、本発明の放射性診断剤から良好なレノグラム
パターンが得られ、腎機能診断剤として有用であること
が示された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明放射性診断剤による腎レノグラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 上海医科大学学報、Vol.14,N o.2,(1987)pp.119−123 J.Labelled Compd. Radiopharm.,Vol.19, No.2,(1982)pp.203−212. (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 51/00 C07C C07D CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子、アミジノ基、ピリジノ基、低級
    アルキルもしくは低級アルコキシで置換されていても良
    いピリミジノ基、ハロゲンまたは低級アルコキシで置換
    されていても良いピリダジノ基、低級アルキルで置換さ
    れていても良いチアゾール基、低級アルキルで置換され
    ていても良いイソオキサゾール基または低級アルキルで
    置換されていても良いチアジアゾール基を示し、nは0
    または1の数を示す)で表されるスルファニルアミド誘
    導体(I)と、テクネチウム99m(99mTc)とから形
    成される99mTc標識錯体を有効成分として含む、腎機
    能を測定するための放射性診断剤。
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