JP3051065U - スパイク靴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟質面上だけでなく、硬質面上も歩き易くす
ること。 【解決手段】 合成樹脂製靴底１にナット部材３が埋設
され、該ナット部材３にスパイクピン２がねじ止めされ
てなるスパイク靴において、前記スパイクピン２は、前
記ナット部材３にねじ止めされるボルト部材２ａと、該
ボルト部材２ａ軸心方向に形成した貫通孔６を軸心方向
に移動可能に貫通して先端部２Ａが突出されると共に、
基端部２Ｂが前記ボルト部材２ａに係合されるピン本体
２ｂと、該ピン本体２ｂを突出方向に付勢するゴム７と
を有している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は例えばゴルフ靴などのように下面にスパイクピンを突設したスパイク 靴に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えばゴルフ靴では、図７に示すように、靴底１の下面に複数のスパイクピン ２が突設されている。

【０００３】 従来、前記スパイクピン２は、図６に示すように、ボルト部材２ａと、該ボル ト部材２ａに同心状に一体突設したピン本体２ｂと、ボルト部材２ａの外周面に 一体形成した鍔部２ｃとを有し、前記ボルト部材２ａを合成樹脂製靴底１に埋設 したナット部材３に軽くねじ込んだ後、鍔部２ｃの工具孔４に係合させた工具を 回転操作してボルト部材２ａをナット部材３に強くねじ込むことにより、鍔部２ ｃを靴底１の下面に圧接させて、スパイクピン２を靴底１の下面に突設している 。なお、５はナット部材３の鍔部３ａに貫設した貫通孔であって、該貫通孔５に 合成樹脂が入り込むことにより、ナット部材３を靴底１に強固に埋設している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の構成では、スパイクピン２のピン本体２ｂが靴底１に固定されてい るので、例えばゴルフ場のフェアウェーやグリーンなどの軟質面上は歩き易いが 、カート道などの硬質面上はスパイクピンの衝撃を受けて歩き難く、足腰に負担 がかかる。

【０００５】 本考案は、上記欠点に鑑み、軟質面上だけでなく、硬質面上も歩き易くしたス パイク靴を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するための本考案の構成を実施の形態に対応する図面に基づい て説明すると、請求項１記載の考案は、合成樹脂製靴底１にナット部材３が埋設 され、該ナット部材３にスパイクピン２がねじ止めされてなるスパイク靴におい て、前記スパイクピン２は、前記ナット部材３にねじ止めされるボルト部材２ａ と、該ボルト部材２ａに軸方向に形成した貫通孔６を軸方向に移動可能に貫通し て、先端部２Ａがボルト部材２ａから突出されると共に基端部２Ｂが前記ボルト 部材２ａに係合されるピン本体２ｂと、該ピン本体２ｂを突出方向に付勢する付 勢手段７とを有してなる構成を採用している。

【０００７】 上記構成によれば、例えばゴルフ場のフェアウェーやグリーンなどの軟質面上 を歩く場合には、その軟質面にピン本体２ｂの先端部２Ａが食い込んで容易に歩 くことができ、また、カート道などの硬質面上を歩く場合には、その硬質面にピ ン本体２ｂが当たって、該ピン本体２ｂが付勢手段７に抗して押し込まれ、スパ イクピンからの衝撃が緩和されるから、足腰に負担がかからず、容易に歩くこと ができる。

【０００８】 請求項２記載の考案は、請求項１記載の考案において、前記ボルト部材２ａに 前記貫通孔６と同心状の中空部８が形成され、該中空部８内に前記ピン本体２ｂ の基端部２Ｂと付勢手段７とが収納され、前記中空部８の開口縁８ａをかしめて 前記ピン本体２ｂの基端部２Ｂと付勢手段７とが中空部８から抜け出ないように 構成している。

【０００９】 上記構成によれば、ピン本体２ｂの基端部２Ｂと付勢手段７とがボルト部材２ ａの中空部８に抜け出ないように収納されているから、前記ボルト部材２ａを合 成樹脂製靴底１に埋設したナット部材３にねじ止めするだけで、スパイクピン２ を靴底１の下面に簡単に取り付けることができる。

【００１０】 またナット部材３は合成樹脂製靴底１に埋設され、長期にわたって使用される のに対し、スパイクピン２は消耗品であり頻繁に取り替えられる。これがために 、ナット部材３とは別個にスパイクピン２のみが一般に流通している。この点で 、本考案によれば、スパイクピン２が、それぞれ独立したボルト部材２ａとピン 本体２ｂと付勢手段７からなるものであっても、ピン本体２ｂの基端部２Ｂと付 勢手段７とがボルト部材２ａの中空部８に抜け出ないように収納されているから 、これらのユニット部品が一体的に内蔵されたスパイクピン２としてナット部材 ３から独立して支障なく流通させることができる。

【００１１】 請求項３記載の考案は、請求項１記載の考案において、前記ボルト部材２ａに 前記貫通孔６と同心状の中空部８が形成され、該中空部８内に前記ピン本体２ｂ の基端部２Ｂと付勢手段７とが収納され、該付勢手段７が中空部８に圧入される ことによって、前記ピン本体の基端部と付勢手段とが中空部から抜け出ないよう に構成している。

【００１２】 上記構成によれば、ピン本体２ｂの基端部２Ｂと付勢手段７とがボルト部材２ ａの中空部８に抜け出ないように収納されているから、請求項２と同じように前 記ボルト部材２ａを合成樹脂製靴底１に埋設したナット部材３にねじ止めするだ けで、スパイクピン２を靴底１の下面に簡単に取り付けることができる。

【００１３】 またナット部材３は合成樹脂製靴底１に埋設され、長期にわたって使用される のに対し、スパイクピン２は消耗品であり頻繁に取り替えられる。これがために 、ナット部材３とは別個にスパイクピン２のみが一般に流通している。この点で 、本考案によれば、スパイクピン２が、それぞれ独立したボルト部材２ａとピン 本体２ｂと付勢手段７からなるものであっても、ピン本体２ｂの基端部２Ｂと付 勢手段７とがボルト部材２ａの中空部８に抜け出ないように収納されているから 、これらのユニット部品が一体的に内蔵されたスパイクピン２としてナット部材 ３から独立して支障なく流通させることができることは請求項２に係る考案と同 じである。

【００１４】 請求項４記載の考案は、請求項１〜３のいずれか記載の考案において、前記付 勢手段がゴム７からなる構成を採用している。

【００１５】 上記構成によれば、スパイクピン２にかかる衝撃をゴム７により緩和すること ができ、また、そのゴム７が安価であるから、製作費を安くすることができる。

【００１６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１〜図３は本考案の 実施の一形態であるゴルフ用スパイク靴を示すものであって、スパイクピン２の ボルト部材２ａに軸方向に貫通孔６が形成され、該貫通孔６にピン本体２ｂが軸 方向に移動可能に嵌挿され、該ピン本体２ｂを突出方向に付勢するゴム（付勢手 段）７が設けられている。上記以外の構成で図６に示す従来例と同一部分に同一 符号を付してその説明を省略する。

【００１７】 前記ボルト部材２ａに前記貫通孔６よりも大径の中空部８が該貫通孔６と同心 状に連続して形成されている。

【００１８】 前記ピン本体２ｂは、前記貫通孔６よりも若干小径で先すぼまり状の先端部２ Ａと、該先端部２Ａに一体形成された前記中空部８よりも若干小径の基端部２Ｂ と、該基端部２Ｂに一体形成された先端部２Ａよりも小径の突起部２Ｃとを有し ており、前記先端部２Ａが貫通孔６を移動可能に貫通して前方に突出されると共 に、前記基端部２Ｂが中空部８内に収納されて貫通孔６の周縁部に係合されるよ うになっている。

【００１９】 前記ゴム７は、円筒状に形成されており、前記突起部２Ｃに嵌合した状態で中 空部８内に収納されている。なお、ゴム７に代えてコイルスプリングを用いても よい。

【００２０】 スパイクピン２の組立手順を説明すると、図４に示すように、突起部２Ｃにゴ ム７を嵌合させたピン本体２ｂの先端部２Ａを中空部８を通って貫通孔６に挿通 することにより、該ピン本体２ｂの基端部２Ｂとゴム７とを中空部８内に収納す る。この状態では、図４に仮想線で示すように、中空部８の開口縁８ａが立ち上 がっているので、その開口縁８ａを加圧Ｐしてかしめることにより、図４に実線 で示すように、前記開口縁８ａを内側に折曲して、ピン本体２ｂの基端部２Ｂと ゴム７とが中空部８から抜け出ないようにすればよい。

【００２１】 図５は、本考案の他の実施形態を示すもので、スパイクピン２のボルト部材２ ａに軸方向に貫通孔６が形成され、該貫通孔６にピン本体２ｂが軸方向に移動可 能に嵌挿され、該ピン本体２ｂを突出方向に付勢するゴム（付勢手段）７が設け られて、且つ前記ボルト部材２ａに前記貫通孔６よりも大径の中空部８が該貫通 孔６と同心状に連続して形成され、前記ピン本体２ｂは、前記貫通孔６よりも若 干小径で先すぼまり状の先端部２Ａと、該先端部２Ａに一体形成された前記中空 部８よりも若干小径の基端部２Ｂと、該基端部２Ｂに一体形成された先端部２Ａ よりも小径の突起部２Ｃとを有しており、前記先端部２Ａが貫通孔６を移動可能 に貫通して前方に突出されると共に、前記基端部２Ｂが中空部８内に収納されて 貫通孔６の周縁部に係合されるようになっており、上記以外の構成部分は図６に 示す従来例と同一符号を付して示すように、これらの構成に関する限りでは、前 記実施形態と同じである。

【００２２】 この実施形態にあっては、付勢手段であるゴム７が円板部７ａと円柱部７ｂと からなる断面逆Ｔ字状に形成され、円板部７ａの外径がボルト部材２ａの中空部 ８の内径より若干大きく形成することによって該円板部７ａが中空部８に圧入さ れるようになっており、これによってピン本体２ｂの基端部２Ｂとゴム７とがボ ルト部材２ａの中空部８から抜け出ないようなっている。

【００２３】 そして円柱部７ｂは、図示のようにボルト部材２ａの上端部にり上方に突出し てナット部材３の裏面に当接するようになっている。

【００２４】 上記構成によれば、スパイクピン２の外観形状が従来品（図６参照）とほぼ同 じであり、そのスパイクピン２を従来と同様の手順でナット部材３にねじ止めす ればよいから、既製のゴルフ靴にも簡単に取り付けることができ、実用的である 。

【００２５】 また、例えばゴルフ場のフェアウェーやグリーンなどの軟質面上を歩く場合に は、その軟質面にピン本体２ｂの先端部２Ａが食い込んで容易に歩くことができ 、また、カート道などの硬質面Ｇ上を歩く場合には、その硬質面Ｇにピン本体２ ｂが当たって、該ピン本体２ｂがゴム７にに抗して押し込まれ（図４、図５仮想 線参照）、衝撃が緩和されるから、足腰に負担がかからず、容易に歩くことがで きる。

【００２６】 更に、ピン本体２ｂの基端部２Ｂとゴム７とがボルト部材２ａの中空部８に抜 け出ないように収納されているから、ボルト部材２ａを靴底１のナット部材３に ねじ止めするだけで、スパイクピン２を靴底１の下面に簡単に取り付けることが できる。

【００２７】 上記実施の一形態では、ゴルフ靴を例にあげて説明したが、これに限定される わけではなく、例えばサッカー靴などの各種のスパイク靴にも適用することがで きる。

【００２８】

【考案の効果】

請求項１記載の考案によれば、例えばゴルフ場のフェアウェーやグリーンなど の軟質面上を歩く場合には、その軟質面にピン本体の先端部が食い込んで容易に 歩くことができ、また、カート道などの硬質面上を歩く場合には、その硬質面に ピン本体が当たって、該ピン本体が付勢手段に抗して押し込まれ、スパイクピン からの衝撃が緩和されるから、足腰に負担がかからず、容易に歩くことができる 。

【００２９】 請求項２記載の考案によれば、ピン本体の基端部と付勢手段とがボルト本体の 中空部に抜け出ないように収納されているから、前記ボルト本体を合成樹脂製靴 底に埋設したナット部材にねじ止めするだけで、スパイクピンを靴底の下面に簡 単に取り付けることができる。

【００３０】 またナット部材は合成樹脂製靴底に埋設され、長期にわたって使用されるのに 対し、スパイクピンは消耗品であり頻繁に取り替えられる。これがために、ナッ ト部材とは別個にスパイクピンのみが一般に流通している。この点で、本考案に よれば、スパイクピンが、それぞれ独立したボルト部材とピン本体と付勢手段か らなるものであっても、ピン本体の基端部と付勢手段とがボルト部材の中空部に 抜け出ないように収納されているから、これらのユニット部品が一体的に内蔵さ れたスパイクピンとしてナット部材から独立して支障なく流通させることができ る。

【００３１】 請求項３記載の考案によれば、請求項２の考案と同じようにピン本体の基端部 と付勢手段とがボルト本体の中空部に抜け出ないように収納されているから、前 記ボルト本体を合成樹脂製靴底に埋設したナット部材にねじ止めするだけで、ス パイクピンを靴底の下面に簡単に取り付けることができると共に、この考案によ れば、付勢部材をボルト部材の中空部に圧入するだけで抜け止め作用を発揮する ようになっているから、抜け止めのための構成が極めて簡単である。

【００３２】 また本考案によれば、請求項２の考案と同じように、スパイクピンが、それぞ れ独立したボルト部材とピン本体と付勢手段からなるものであっても、ピン本体 の基端部と付勢手段とがボルト部材の中空部に抜け出ないように収納されている から、これらのユニット部品が一体的に内蔵されたスパイクピンとしてナット部 材から独立して支障なく流通させることができる。

【００３３】 請求項４記載の考案によれば、スパイクピンにかかる衝撃をゴムにより緩和す ることができ、また、そのゴムが安価であるから、製作費を安くすることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の一形態であるゴルフ用スパイク
靴の縦断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】同要部の分解斜視図である。

【図４】同スパイクピンの縦断面図である。

【図５】本考案の他の実施形態であるゴルフ用スパイク
靴の縦断面図である。

【図６】従来例を示す縦断面図である。

【図７】ゴルフ用スパイク靴の斜視図である。

【符号の説明】

１ 靴底 ２ スパイクピン ２ａ ボルト部材 ２ｂ ピン本体 ２Ａ ピン本体の先端部 ２Ｂ ピン本体の基端部 ３ ナット部材 ６ 貫通孔 ７ ゴム（付勢手段） ８ 中空部 ８ａ 中空部の開口縁

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂製靴底にナット部材が埋設さ
   れ、該ナット部材にスパイクピンがねじ止めされてなる
   スパイク靴において、前記スパイクピンは、前記ナット
   部材にねじ止めされるボルト部材と、該ボルト部材に軸
   方向に形成した貫通孔を軸方向に移動可能に貫通して、
   先端部がボルト部材から突出されると共に基端部が前記
   ボルト部材に係合されるピン本体と、該ピン本体を突出
   方向に付勢する付勢手段とを有してなるスパイク靴。
2. 【請求項２】 前記ボルト部材に前記貫通孔と同心状の
   中空部が形成され、該中空部内に前記ピン本体の基端部
   と付勢手段とが収納され、前記中空部の開口縁をかしめ
   て前記ピン本体の基端部と付勢手段とが中空部から抜け
   出ないように構成してなる請求項１記載のスパイク靴。
3. 【請求項３】 前記ボルト部材に前記貫通孔と同心状の
   中空部が形成され、該中空部内に前記ピン本体の基端部
   と付勢手段とが収納され、該付勢手段が中空部に圧入さ
   れることによって、前記ピン本体の基端部と付勢手段と
   が中空部から抜け出ないように構成してなる請求項１記
   載のスパイク靴。
4. 【請求項４】 前記付勢手段がゴムからなる請求項１〜
   ３のいずれか記載のスパイク靴。