JP3050629B2 - NbTi合金系超電導線の製造方法 - Google Patents

NbTi合金系超電導線の製造方法

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JP3050629B2
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nbti
nbti alloy
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superconducting wire
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要 松本
清 山田
靖三 田中
大介 三浦
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はNbTi合金系超電導線
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】NbTi合金系超電導線は、一般的に次
のように製造される。まず、NbTi合金のインゴット
をCu管或いはCu合金管に入れ、これを押し出し加工
や伸線加工によって縮径して複合材を形成する。次い
で、前記複合材を複数本束ねてCu管或いはCu合金管
に入れ、これを押し出し加工や伸線加工によって再び縮
径することにより、NbTi合金系超電導線を製造す
る。
【0003】上述したNbTi合金系超電導線の製造方
法では、従来、臨界電流密度(Jc)を改善するため
に、熱処理を施してNbTi合金中にピンニング点とし
てのα−Ti相を析出させ、更にこのα−Ti相がリボ
ン状になるように伸線加工することが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
前記NbTi合金系超電導線の製造方法では、NbTi
合金中にα−Ti相が析出するように熱処理条件を制御
したり、前記α−Ti相がリボン状になるように伸線加
工を制御することが要求される。このため、製造プロセ
ス全体として長時間に亘る複雑な熱処理と伸線加工の工
程が必要となり、生産コストの増大を招くという問題点
があった。
【0005】本発明は、従来の問題点を解決するために
なされたもので、NbTi合金中にピンニング点を導入
して臨界電流密度を改善したNbTi合金系超電導線を
簡単に製造し得る方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、NbTi合金
と該NbTi合金よりも超電導特性が劣るか、或いは超
電導性を示さない金属又は合金とを交互に積層し、これ
らを常電導金属材からなる管内に入れ、伸線して複合材
を形成する工程と、前記複合材を複数本束ねてこれらを
常電導金属材からなる管内に入れ、伸線して一体化する
工程とを具備することを特徴とするNbTi合金系超電
導線の製造方法を提供する
【0007】前記NbTi合金よりも超電導特性が劣る
金属又は合金とは、前記NbTi合金よりも臨界温度
(Tc)が低いか、或いは前記NbTi合金よりも臨界
磁界(Hc)が低いか、少なくとも一方を満足するもの
である。
【0008】前記NbTi合金よりも超電導特性が劣る
か、或いは超電導性を示さない金属(以下、金属aと称
す)又は合金(以下、合金bと称す)は、前記NbTi
合金と共に交互に積層して伸線加工できるものであれば
特に制限されなが、具体的には次のようなものを用いる
ことができる。前記金属aとしては、例えばNb、T
a、Al、Mg、Fe、Hf、Cu、Ti、Ge、N
i、Zr、Crなどが用いられる。前記合金bとして
は、NbTi合金を除く前記金属aとの合金が用いら
れ、より具体的には、Nbに微量のTiを添加した合
金、Nb−Zr合金、Nb−Ta合金、Al−Mg合金
などが挙げられる。
【0009】前記NbTi合金と前記金属a又は合金b
とを交互に積層する形態としては、以下のような4種の
形態が挙げられる。
【0010】第1の積層する形態としては、前記NbT
i合金と前記金属a又は合金bとをそれぞれ板状に成形
して交互に積層する。
【0011】第2の積層する形態としては、前記NbT
i合金と前記金属a又は合金bとをそれぞれ内外径が異
なるパイプ状(管状)に成形して交互に組み込む。
【0012】第3の積層する形態としては、前記NbT
i合金と前記金属a又は合金bとをそれぞれ箔状に成形
して交互に積層する。
【0013】第4の積層する形態としては、前記NbT
i合金と前記金属a又は合金bとをそれぞれ箔状に成形
し、これらを例えばNbTi合金の巻芯にジェリーロー
ル状に巻き合わせる。
【0014】なお、前記NbTi合金と前記金属a又は
合金bとの厚さの比(NbTi合金/金属a又は合金
b)を1〜20とすることが望ましい。
【0015】
【作用】本発明の製造方法によれば、NbTi合金と前
記金属a又は合金bとを交互に積層し、これらを伸線し
て複合材を形成し、前記複合材を複数本束ねて一体化す
ることによって、NbTi合金中に前記金属a又は合金
bをピンニング点として導入できる。このため、従来の
製造方法のような複雑な熱処理工程等を行なうことな
く、超電導特性,特に臨界電流密度が改善されたNbT
i合金系超電導線を簡単に製造できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 実施例1 まず、図1(a)に示すように厚さ約2.32mmのN
b−46.5重量%Ti合金板1と厚さ約0.58mm
のNb板2とを円柱状のインゴットを長手方向に切断す
ることによって作製し、これらを外径34.5mmφの
円柱になるようにNbTi合金板1から交互に23枚積
層する[厚さの比(NbTi合金板1/Nb板2)=
4]。つづいて、この積層体を外径45mmφ、内径3
5mmφのCu管3内に入れ、熱間押し出しにより伸線
加工を施すことにより、図1(b)に示すように前記N
bTi合金板1及びNb板2がCu管3で被覆された外
径1.3mmφの線材4を形成する。ひきつづき、前記
線材4のCu管3を硝酸で溶解除去することにより、図
1(c)に示すように前記NbTi合金板1及びNb板
2板からなる複合材5を形成する。
【0017】次いで、図2(a)に示すように前記複合
材5を1000本まとめて外径45mmφ、内径35m
mφのCu管6内に入れ、熱間押し出しにより伸線加工
を施す。これにより、図2(b)に示すように外径1m
mφの複合材の束線7が形成される。
【0018】次いで、図3(a)に示すように前記複合
材の束線7を1000本まとめて外径45mmφ、内径
35mmφのCu管8内に入れ、熱間押し出しにより伸
線加工を施す。これにより、図3(b)に示すように外
径0.2mmφのNbTi合金系超電導線8が製造され
た。 実施例2 まず、厚さ約2.19mmのNb−46.5重量%Ti
合金板と厚さ約0.73mmのNb板とを円柱状のイン
ゴットを長手方向に切断することによって作製し、これ
らを外径34.5mmφの円柱になるようにNbTi合
金板から交互に23枚積層する[厚さの比(NbTi合
金板/Nb板)=3]。その後、実施例1と同様な伸線
加工等を施してNbTi合金系超電導線を製造した。 比較例1 まず、外径34.5mmφのNbTi合金棒を外径45
mmφ、内径35mmφのCu管内に入れる。その後、
実施例1と同様な伸線加工等を施してNbTi合金系超
電導線を製造した。
【0019】実施例1,2及び比較例1のNbTi合金
系超電導線について、それぞれ液体ヘリウム中、5Tと
8Tの磁場下での臨界電流密度(Jc)を測定した。そ
の結果を下記表1に示す。
【0020】 表1から明らかなように実施例1,2のNbTi合金
系超電導線は、比較例1のNbTi合金系超電導線に比
べて5Tと8Tの磁場下でのJc値が大きくなってい
る。これは、NbTi合金中にNbがピンニング点とし
て導入されていることによるものである。 実施例3 まず、厚さ約124μmのNb−46.5重量%Ti合
金箔と厚さ約31μmのNb箔とを作製し、これらを重
ね合わせて外径8mmφのNbTi合金芯にジェリーロ
ール状に巻くことにより、前記NbTi合金芯の外周に
前記NbTi合金箔と前記Nb箔とが交互に積層(16
8層)された外径34.5mmφの円柱体を形成する
[厚さの比(NbTi合金箔/Nb箔)=4]。つづい
て、この円柱体を外径45mmφ、内径35mmφのC
u管内に入れ、熱間押し出しにより伸線加工を施す。こ
れにより、前記NbTi合金芯に巻かれたNbTi合金
箔及びNb箔がCu管で被覆された外径1.0mmφの
複合材が形成される。
【0021】次いで、前記複合材を1000本まとめて
外径45mmφ、内径35mmφのCu管内に入れ、熱
間押し出しにより伸線加工を施す。これにより、外径
0.2mmφのNbTi合金系超電導線が製造された。 実施例4 まず、厚さ約114μmのNb−46.5重量%Ti合
金箔と厚さ約38μmのNb箔とを作製し、これらを重
ね合わせて外径8mmφのNbTi合金芯にジェリーロ
ール状に巻くことにより、前記NbTi合金芯の外周に
前記NbTi合金箔と前記Nb箔とが交互に積層(16
8層)された外径34.5mmφの円柱体を形成する
[厚さの比(NbTi合金箔/Nb箔)=3]。その
後、実施例3と同様な伸線加工等を施してNbTi合金
系超電導線を製造した。 比較例2 まず、外径34.5mmφのNbTi合金棒を外径45
mmφ、内径35mmφのCu管内に入れる。その後、
実施例3と同様な伸線加工等を施してNbTi合金系超
電導線を製造した。
【0022】実施例3,4及び比較例2のNbTi合金
系超電導線について、それぞれ液体ヘリウム中、5Tと
8Tの磁場下での臨界電流密度(Jc)を測定した。そ
の結果を下記表2に示す。
【0023】 表2から明らかなように実施例3,4のNbTi合金系
超電導線は、比較例2のNbTi合金系超電導線に比べ
て5Tと8Tの磁場下でのJc値が大きくなっている。
これは、NbTi合金中にNbがピンニング点として導
入されていることによるものである。
【0024】なお、NbTi合金とNbとをそれぞれ内
外径が異なるパイプ状に成形して交互に組み込み、これ
らを伸線してNbTi合金系超電導線を製造する方法、
及びNbTi合金とNbとをそれぞれ箔状に成形して交
互に積層し、これらを伸線してNbTi合金系超電導線
を製造する方法によっても実施例1〜4と同様な効果が
得られる。
【0025】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によればNb
Ti合金中にピンニング点を導入して臨界電流密度を改
善したNbTi合金系超電導線を簡単に製造し得る方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のNbTi合金系超電導線の製造工程
を示す説明図
【図2】実施例1のNbTi合金系超電導線の製造工程
を示す説明図
【図3】実施例1のNbTi合金系超電導線の製造工程
を示す説明図
【符号の説明】
1…NbTi合金板、2…Nb板、5…複合材、7…複
合材の束線、9…NbTi合金系超電導線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 大介 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−263714(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 13/00 H01B 12/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NbTi合金と該NbTi合金よりも超
    電導特性が劣るか、或いは超電導性を示さない金属又は
    合金とを交互に積層し、これらを常電導金属材からなる
    管内に入れ、伸線して複合材を形成する工程と、前記複
    合材を複数本束ねてこれらを常電導金属材からなる管内
    に入れ、伸線して一体化する工程とを具備することを特
    徴とするNbTi合金系超電導線の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108878054A (zh) * 2018-06-21 2018-11-23 西南交通大学 基于逐层堆叠的Nb3Al超导前驱体线材的制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108878054A (zh) * 2018-06-21 2018-11-23 西南交通大学 基于逐层堆叠的Nb3Al超导前驱体线材的制备方法
CN108878054B (zh) * 2018-06-21 2020-05-19 西南交通大学 基于逐层堆叠的Nb3Al超导前驱体线材的制备方法

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