JP3050384B2 - 異方導電性樹脂フィルム状成形物 - Google Patents

異方導電性樹脂フィルム状成形物

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JP3050384B2 JP1023522A JP2352289A JP3050384B2 JP 3050384 B2 JP3050384 B2 JP 3050384B2 JP 1023522 A JP1023522 A JP 1023522A JP 2352289 A JP2352289 A JP 2352289A JP 3050384 B2 JP3050384 B2 JP 3050384B2
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功 塚越
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    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は樹脂フィルム状成形物の表裏に露出した導電
性粒子を介して、厚み方向にのみ導電性を有する異方導
電性の樹脂フィルム状成形物に関する。
(従来の技術) 電子部品の小型薄形化に伴ない、これらに用いる回路
は高密度、高精細化している。これら微細回路の接続は
従来の半田やゴムコネクタなどでは対応が困難であるこ
とから、最近では異方導電性の接着剤や膜状物(以下接
続部材と称す)が多用されるようになってきた。
この方法は、相対峙する回路間に導電性材料を所定量
含有した接着剤よりなる接続部材層を設け、加圧もしく
は加熱加圧手段を講じることによって、上下回路間の電
気的接続と同時に隣接回路間には絶縁性を付与し相対峙
する回路を接着固定するものである。
厚み方向にのみ導電性を有する異方導電性の樹脂フィ
ルム状成形物に関する先行技術文献としては、例えば特
開昭51ー21192号公報に開示されているように、導電性
粒子を非導電性ベースにより互いに接触しない状態に保
持した混合体を導電性粒子の大きさにほぼ等しい厚さの
シート状に成形し、導電粒子を介してシート状の厚み方
向にのみ導電性を有する構造としたものである。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら前記公報に開示されている方法では、よ
り微細な回路の接続信頼性を高めるためには、導電に寄
与する導電性粒子の割合を増加しなければならない。し
かし、フィルム状成形物中の導電性粒子の割合を増加す
ると、フィルム状成形物の面方向の絶縁性が失なわれて
いるという問題がある。
本発明は、フィルム状成形物中の導電性粒子を高い割
合で配合でき、微細回路における接続信頼性の高い、異
方導電性のフィム状成形物を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、導電性粒子を均一分散してなる樹脂フィル
ム状成形物において、あらかじめ表面に金属酸化物から
なる電気絶縁層を設けた導電性粒子、あるいは導電性粒
子凝集体を用い、樹脂フィルム状成形物の表面に導電性
粒子の導電部分を露出させ、この導電性粒子を介して厚
み方向にのみ導電性を付与させるようにしたものであ
る。
本発明の異方導電性の樹脂フィルム状成形物の製造に
用いられる導電性粒子は、一般的には、金属粒子が用い
られるが、これらの金属粒子の例としては、Fe、Ni、C
r、Co、Al、Sb、Mo、Cu、Ag、Pt、Au等があり、これら
の単体あるいは合金や酸化物でもよく、これらの2種以
上を複合して用いることも可能である。また、導電性粒
子にはガラスや合成樹脂等の非導電性粒子の表面に前記
金属層を設けたものでも適用可能である。
導電性粒子凝集体は、前記導電性粒子が物理的な接触
あるいは融着等により複数個集合したものである。
これらの導電性粒子あるいは導電性粒子凝集体の大き
さは、特に限定するものではないが、フィルム状成形物
の厚みと同程度以上であることが望ましく、均一な大き
さで、形状は真球状に近いほうがより望ましい。本発明
の導電性粒子あるいは導電性粒子凝集体表面の電気絶縁
層は、絶縁性金属酸化物が好ましく、Ni、Al等の金属粒
子を導電性粒子として使用すると、加熱等の酸化処理を
することで、簡単に電気絶縁層を表面にもった導電性粒
子が得られる。
この絶縁層の厚みは、絶縁層の抵抗による最適な厚み
が異なるが、2つの導電性粒子あるいは導電性粒子凝集
体が最大の接触面積で接触しても十分な絶縁性が得られ
る厚みであることが望ましい。
本発明の樹脂フィルム状成形物中の導電性粒子の含有
量は特に限定するものではないが、従来の絶縁層をもた
ない導電性粒子を使用したときには、導電性粒子が10体
積%以上で樹脂フィルム状成形物の面方向の絶縁性が損
なわれることがあることから、本発明においては特に10
体積%以上の含有量が有用である。またその上限につい
ては特に限定はないがフイルム成形上から70体積%程度
である。
本発明の樹脂フィルム状成形物の電気絶縁性樹脂は、
ポリエチレン、酢酸ビニル、ポリプロピレン等の熱可塑
性樹脂や、高耐熱性を有した、ポリスルホンポリフェニ
レンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテ
ルイミド、ポリイミド等の樹脂も用途により用いること
ができる。
フイルム状成形物の製法としては離型性を有する平滑
な基材上にホットメルトコーテング或いは溶液塗布等の
方法で製造することができる。樹脂フィルム状成形物の
厚みは特に限定するものではないが、前記のとおり、厚
くなると使用する導電性粒子の粒径が大きくなり、分解
能が低下するため微細な回路の接続に不向きである。ま
た、薄くなると取り扱いが容易ではなく、しわの発生等
により製造が困難になってくることから0.005mm〜0.1mm
が適当である。
樹脂フィルム状成形物の表面に導電性粒子の導電部分
を露出させる方法としては、成形物の樹脂表面及び導電
性粒子表面にあらかじめ形成した絶縁層を、可溶性の溶
剤等で湿式エッチングする方法やプラズマエッチング、
スパッタエッチング等の乾式エッチングする方法、及
び、研磨等により、機械的に除去する方法がある。
本発明の異方導電性樹脂フィルム状成形物を、例えば
回路の接続材料に使用する場合には、接続せんとする回
路間に本発明の成形物を挿入し、しかるのち両回路を押
圧保持する。または、押圧した状態で、液体接着剤を回
路間の空隙に注入し、しかるのち硬化固定化するなどの
方法により、目的を達することができる。また、本発明
の樹脂フィルム状成形物は、上記した回路の接続材料だ
けでなく、スイッチ部材、多層回路部材等への応用が可
能である。
(作用) 本発明によれば、導電性粒子を含む、樹脂フィルム状
成形物において、あらかじめ表面に電気絶縁層を設けた
導電性粒子あるいは導電性粒子凝集体を用い複数の導電
性粒子あるいは導電性粒子凝集体の接触による面方向の
絶縁性を保ちつつ、かつ、上記成形物の表面に導電性粒
子の導電部分を露出させることにより、厚み方向にのみ
導電性を有する高分解能の異方導電性樹脂フィルム状成
形物が得られ、前記課題が解決される。
(実施例) 以下、本発明の実施例に基づいて詳細を説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 粒径が35μm前後のNi粒子を空気中で700℃、1時
間、加熱処理し、約3μmの電気絶縁性のNiO層を表面
をもつ導電性粒子を作成した。この導電性粒子をポリア
ミド酸ワニスに混合し、十分で攪拌したのち、ガラス板
上に流延し、100℃で乾燥後に剥離しフィルム化した。
これを400℃で熱処理しイミド化を行い、導電性粒子の
含有量が30体積%、厚みが約40μm(導電性粒子間の樹
脂部分の厚みは約20μm)及び約50μm(導電性粒子間
の樹脂部分の厚みは約45μm)のポリイミドフィルム状
成形物を得た。
このフィルムの両面をサイドペーパー(#1000〜#20
00)で粗研磨したのち、0.3μmバフ研磨剤で仕上げ研
磨を行い、厚みが約30μmで導電性粒子間の樹脂部分の
厚みが約20μmと約30μmの異方導電性ポリイミドフィ
ルムを得、光学顕微鏡と電子顕微鏡でフィルムの表面に
導電性粒子の導電部分(Ni)が露出していることを確認
した。
実施例2 粒径が35μm前後のNi粒子を1%のポリアミド酸のN,
N−ジメチルホルムアミド溶液に浸漬後、100℃で乾燥40
0でイミド化し、Ni粒子の表面に電気絶縁性のポリイミ
ド膜を形成した導電性粒子を作成した。
この導電性粒子をポリアミド酸ワニスに混合し、十分
に撹拌したのち、ガラス板上に流延し、100℃で乾燥後
に剥離しフィルム化した。これを400℃で熱処理しイミ
ド化を行い、導電性粒子の含有量が30体積%、厚みが約
40μm(導電性粒子間の樹脂部分の厚みは約20μm)及
び約50μm(導電性粒子間の樹脂部分の厚みは約45μ
m)のポリイミドフィルム状成形物を得た。このフィル
ムを30%の水酸化カリウム水溶液に数時間浸漬したのち
水洗、乾燥、フィルムの厚みが約35μmで導電性粒子間
の樹脂部分の厚みが約15μmと約20μmの異方導電性ポ
リイミドフィルムを得、光学顕微鏡と電子顕微鏡でフィ
ルムの表面にNi粒子が露出していることを確認した。
比較例 また、上記の実施例1及び2と同様の製造工程で、加
熱処理及びポリイミド膜の形成を行っていないNi粒子を
使用した異方導電性ポリイミドフィルムを得、これをそ
れぞれ比較例1及び比較例2とした。
これらのフィルムについて、第1図に示すような方法
により導通抵抗を測定した。第1図において1は樹脂フ
ィルム状成形物、2は2mmの厚みを有する銅板で、表面
に金を蒸着している。3は、先端がφ675μmの直径を
有する金めっきプローブ(プローブA)であり、このプ
ローブ3を樹脂フィルム状成形物1に軽く押しあて、フ
ィルム厚み方向の導通抵抗(3Ω以下を導通と判断)を
測定した。また、プローブ(プローフB)を第2図の4
に示す形状のものとし、フィルム面方向の抵抗を測定
し、絶縁分解能の尺度を求めた。第2図のプローブ4の
構造はポリイミドフィルム5の表面に銅箔電極6を形成
してあり、銅箔電極の間隔及び銅箔電極の巾は約60μm
で、長さは10mmである。測定は、絶縁板7の上に樹脂フ
ィルム状成形物1を置き、プローブ4を上から押しあ
て、絶縁抵抗(10Ω以上を絶縁と判断)を測定した、 第1図及び、第2図の測定法とも測定点を1試料につ
いて100点とし、表1に導通率と絶縁率の結果を示し
た。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明によれば、フィ
ルムの面方向の絶縁分解能がすぐれた、異方導電性の樹
脂フィルム状成形物を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、樹脂フィルム状成形物の厚み方向の抵抗を測
定する方法を示す説明図で、第2図は、樹脂フィルム状
成形物の面方向の抵抗を測定し、絶縁分解能を判断する
方法を示す説明図である。 符号の説明 1……樹脂フィルム状成形物 2……銅板、3……プロープA 4……プロープB、5……ポリイミドフィルム 6……銅箔電極、7……絶縁板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 敦夫 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化 成工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 塚越 功 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化 成工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 山口 豊 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化 成工業株式会社下館研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−76215(JP,A) 特開 昭62−229714(JP,A) 特開 昭64−10508(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性粒子を均一分散してなる樹脂フィル
    ム状成形物において、導電性粒子が予め金属酸化物から
    なる電気絶縁層で表面を被覆した導電性粒子あるいは導
    電性凝集体であって、樹脂フィルム状成形物の表面に露
    出した導電性粒子の電気絶縁層を取り除いて厚み方向に
    のみ導電性を有するようにしたことを特徴とする異方導
    電性樹脂フィルム状成形物。
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